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2019年9月15日 (日)

夢のシネマパラダイス20番シアター:ディズニーアニメ第2倉庫

ズートピア

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声の出演(吹き替え版):上戸彩、三宅健太、高橋茂雄、玄田哲章、竹内順子、Dream Ami

監督:バイロン・ハワード、リッチ・ムーア

(2016年・アメリカ・108分)WOWOW

内容:肉食動物も草食動物も関係なく共生している動物たちの楽園ズートピアで史上初のウサギの警察官となったジュディ。しかし、周りからは半人前扱いされ、任されるのは駐車違反の取り締まりばかり。そんな中、巷では連続行方不明事件が多発し、ジュディにも捜査へ参加するチャンスが巡ってくる。そして偶然知り合った詐欺師のキツネ・ニックとともに捜査をするのだが・・・。

評価★★★★/75点

アニメが本来持つ伝える力の純度の高さというものをこれほど感じられる作品はないのではなかろうか。

様々な個性を持ったアニマルキャラが共存する自由の地ズートピアをユーモアたっぷりに描きながらも現実の人間社会とリンクさせ、肉食動物と草食動物、大型動物と小型動物、オスとメス、マジョリティとマイノリティなど様々な要素にメタファーを織り込み、見ているこちら側にまで先入観や偏見をさりげなく植え付ける仕掛けになっているところがこの映画のミソ。

また、アイスショップでキツネにはアイスは売らないと言われてすったもんだするシーンなんかも、キツネは少々差別を受けても仕方ないよなとスルーしちゃったし、事件のキーワードとなる“夜の遠吠え”=オオカミの仕業と推理するくだりもオオカミが犯人ならとどこかで納得してしまうし、正義感が強く警察学校を首席で卒業した優秀なジュディなら間違うはずがないと思ってしまう。

ここら辺の先入観を逆手に取ったミスリードの仕方が実に上手くて、お手柄を立てたジュディが「狂暴化したのは肉食動物だけだから、生来持つDNAのせいなのかも」「けどニック、もちろんあなたは別よ」と発言してしまうところで、理性がもたらす“悪意なき差別”に我々もハッと気付かされることになる。

その気付きを学んで、ジュディとニックは悪意ある差別をまき散らそうとする真の黒幕を一刀両断するわけで、一筋縄ではいかない差別・偏見のはびこる人間社会を分かりやすい縮図として表し、お互いの違いを認め合うことの大切さという子供から大人まで理解できるメッセージ性を有した作品に仕上げてしまうのだから恐れ入る。

そして、ここまで高いクオリティを保った作品を提示できるのは、たぶん今ディズニーしかないということも実感してしまうジブリファンなのだったw

P.S. 日本アニメは宮崎駿、押井守、大友克洋、新海誠など作家性が前面に出るのが常なので、今作みたいにディズニー印のもとに共同監督+脚本家7人なんていうアベンジャーズばりのチーム体制で作り上げていく手法は日本ではあまり出来ないのかもね。。

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ベイマックス

45110声の出演(吹き替え版):川島得愛、本城雄太郎、菅野美穂、小泉孝太郎

監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ

(2014年・アメリカ・102分)WOWOW

内容:近未来の最先端都市サンフランソウキョウ。幼い頃に両親を亡くした14歳の少年ヒロは、兄のタダシとともに叔母キャスのもとで暮らしていた。飛び級で高校を卒業してしまった天才のヒロは、タダシが通う大学に入ることを夢見ていた。そして入試を兼ねた研究発表も無事終わるが、その会場で爆発事故が起こってタダシが命を落とし、ヒロはメンタルをすっかりやられてしまう。そんな彼の前に現われたのは、タダシが残した形見のケアロボット“ベイマックス”だった・・・。

評価★★★/60点

主人公の少年がトトロとゴーストバスターズのマシュマロマンを掛け合わせたようなツルツルロボのベイマックスに包み込まれるように抱き寄せられる予告編のワンシーンくらいしか予備知識がない中で見たんだけど、予告編のイメージとしてはピクサーのウォーリーと未来少年ヒロの友情癒やし系物語かと思っていた。

しかし、見始めていくと次第にMr.インクレディブル的ヒーローアクションものの様相を呈してきて、最後はマーベルのロゴがでん!と出た後にスタン・リーまで出てきて。

そっか、、原題のビッグヒーロー6ってそういうことだったのか・・・。

うまいこと予告編に刷り込まれたかんじだけど、マーベルヒーローという前情報だけでも知ってればもっと面白く見れたはず、と思ったのは自分だけw?

でも、そうはいっても今回の作品はウォーリーの擬人化されたキャラの豊かな感情表現にも、Mr.インクレディブルの魅力的なキャラクター造形のアンサンブルにも遠く及ばないけどね

やっぱりピクサーに比べるとディズニーはひとかけの隠し味の工夫と、もうひとかけの毒気が足りないんだよなぁ。。

せめてビッグヒーロー6のチームメンバーになるヒロのオタク同級生たちをもっと前面に出してほしかったな。

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アナと雪の女王

T0018069p声の出演(吹き替え版):神田沙也加、松たか子、原慎一郎、ピエール瀧、津田英佑、多田野曜平

監督:クリス・バック、ジェニファー・リー

(2013年・アメリカ・102分)WOWOW

内容:アレンデール王国の幼いプリンセス姉妹エルサとアナ。姉エルサには触れたものを凍らせてしまう魔法の能力があったが、ある時、不注意で妹アナに怪我を負わせてしまう。それ以来、責任を感じたエルサは部屋に引きこもってしまう。それから時は流れ、国王夫妻が事故で亡くなり、エルサは王位を継ぐことに。しかし、戴冠式の最中に力を制御できなくなり、真夏の王国を厳冬に変えてしまったエルサは、王宮から逃亡し、今度は雪山に築いた氷の城に引きこもってしまう。アナは、なんとか姉と王国の危機を救おうと雪山へ向かうのだが・・・。

評価★★★★/75点

2014年記録づくめの特大ヒットとなった今作をリアルタイムで見ていない自分は世の中のフィーバーをいくぶん冷めた視線というか半信半疑で見ていたところがあった。

それはディズニーアニメは大人の鑑賞に耐えうるものではないという先入観がいまだに拭いきれていなかったからだ。いまだにというのは「塔の上のラプンツェル」(2010)が目を見張るような良作だったのに対し、その流れがアナ雪にも受け継がれているのかまだ十分信用できなかったということで

しかし、満を持して見てみたら、その流れはちゃんと踏襲されていて水準以上の作品になっていたと思う。

その流れとは具体的には3DCGの作画技術が生み出す魅力的なキャラクタリゼーションにあるといっていいと思うけど、特に顔の造形力と表情筋の豊かさは特筆もので、実写の質感に寄せていくリアル志向なベクトルではなく、あくまでアニメーションであることを意識したデフォルメとクレイアニメに近い柔らかく暖かみのある質感が親近感のわくキャラクターにつながっていて、そのポイントがアナ雪ではより強調されて描かれていたと思う。

それにより複雑な感情表現も登場人物に違和感なく反映されていて、それが自然と個性に昇華されているのが最大の強みだと思う。

これはジョン・ラセターをはじめとするピクサーの血が入り込んでいることが大きいと思うけど、反面ストーリーラインの方がオーソドックスで平板にすぎて、歴史的なメガヒットに足る魅力があったかといえばやや疑問。

姉妹に愛憎劇が絡むと「何がジェーンに起ったか」(1962)のようなおぞましいほどのスリラーに変貌を遂げちゃうけど、ディズニーの王道プリンセス物語に沿った予定調和なソフトタッチがやや物足りなかったかな。

さっき複雑な感情表現と書いたけど、その点ではまだまだ足りなかったし、例えばエルサの苦悩はもっと掘り下げてもよかった。エルサの感情が爆発するレット・イット・ゴーもう歌っちゃうの!?と正直意表をつかれちゃったし。エルサにしろアナにしろ、あるいは両親の死など、それぞれの要素がこちらの感情を強く喚起するまでの奥行きと広がりに乏しかったのはかなり惜しかった。

しかし、それを補ってあまりあるミュージカルの魅力は満載で、さすがミュージカルの本場アメリカだと思わせてくれる素晴らしさだった♪

考えてみればディズニーアニメで1番の傑作「美女と野獣」も音楽と作劇が見事に融合していたけど、それを彷彿とさせるかんじだったし。

で、結局メガヒットの最大の功労者は、音楽の力、そして神田沙也加と松たか子の吹き替えに尽きるってことなのかなと(笑)。

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プレーンズ

Poster2声の出演(吹き替え版):瑛太、石田太郎、井上芳雄、山口智充、小林沙苗、天田益男

監督:クレイ・ホール

(2013年・アメリカ・92分)WOWOW

内容:田舎の農場で働く農薬散布機のダスティは、世界一周レースに出てチャンピオンになることを夢見ていた。レース用飛行機ではない彼の夢を誰もまともに取り合ってくれない中、親友の燃料トラック・チャグとフォークリフト・ドッティだけは応援していた。その甲斐もあり、ダスティは奇跡的に本選出場を決めるが、高所恐怖症という最大の弱点をどうにも克服できずにいた・・・。

評価★★★/60点

ピクサー製作「カーズ」のスピンオフ企画だけど、ピクサーではなくディズニーが製作している変わり種。

話の構成や画作りも「カーズ」をほぼ踏襲しているんだけど、なぜいまいち面白くないんだろう・・

なんかピクサーとディズニーのレベルの差が如実に表れちゃったかんじだけど、その差はシナリオの精度といってよく、絵は同じでもシナリオに魅力がないと全体として歴然としたレベルの差になってしまうという、これほど分かりやすい対照実験もないよな

特に挫折と成長というキーワードを欠いた主人公のキャラクターが映画を一本調子なものにして奥行きを狭めてしまっているんだよね。

その点ピクサーはそこに時間と手間ひまをかけて上手く作っているわけで。

まぁ、正直今回のはテレビ映画向きのレベルだよね。と思ったらもともとそういう企画だったのかい。納得。。

P.S. 2作目も似たようなもんでした・・・w

2018年1月 4日 (木)

夢のシネマパラダイス547番シアター:日本版あの頃にタイムスリップ!

だけがいない

Poster2出演:藤原竜也、有村架純、鈴木梨央、中川翼、林遣都、福士誠治、安藤玉恵、及川光博、杉本哲太、石田ゆり子

監督:平川雄一郎

(2016年・日本・120分)盛岡フォーラム

内容:売れない漫画家・藤沼悟は、事件や事故に遭遇すると、その原因が取り除かれるまで発生直前の時点に何度もタイムスリップする“再上映(リバイバル)”と呼ぶ能力を持っていた。しかし、それは自分ではコントロールできないのでほとほと嫌気が差していたが、リバイバルがきっかけでバイト仲間の愛梨と親しくなる。そんなある日、またもやリバイバルが発生。悟が違和感の正体をつかめない中、一緒にいた母親だけが何かに気づきリバイバルは解消された。しかしその直後、母親は何者かに殺害されてしまい、悟が犯人に仕立て上げられてしまう。そして母を助けようとする悟にリバイバルが再発動。今度は20年前の小学生時代にタイムスリップしてしまう・・・。

評価★★★/65点

総じて漫画原作の実写映画化は期待ハズレに終わることが多い。あるいは漫画と映画は全くの別物ということもできるけど、今回の原作は緻密に組み立てられた構成力とキャラクター造形、完璧な伏線回収など、漫画としてはもちろんそれだけで映像媒体としてもすでに完成されたハイクオリティ作品なので、映画化もよほどのヘマをしなければ失敗しないはず、だと思っていたw

そういう点で今回の映画を見ると、雛月加代を親の虐待から助け出すところまでは、ドンピシャのキャスティングしかり風景からプロダクトデザインに至るまでの映像しかり、ビックリするくらい忠実に原作をトレースし、正直マンガを知らないで映画見てたらより面白かったかもと思ってしまうくらいほぼ完璧な仕上がり。

が、しかし、この雛月救出までに1時間半を費やしてしまい、残り30分でまるで夏休み最後の日に徹夜で溜まりにたまった宿題を大慌てで取りかかる小学生のようにあたふたと風呂敷を畳むもあえなく轟沈

第4コーナー過ぎてからのまさかの失速にこちらも撃沈しちゃったんだけど、犯人が八代先生(及川光博)ということにたどり着くのも拙速すぎだし、何より1番分かりづらくて混乱するのが1988年の世界で悟が八代に橋から川に突き落とされた後、2006年の現在に戻ってからなんだよね。

2006年に愛梨(有村架純)と河川敷で会った悟が警察に逮捕された直後にリバイバルが起きたにもかかわらず、八代に突き落とされた悟が戻ったのはそこではなく、映画の冒頭でピザ屋の配達中に小学生を助けようとしてトラックにはねられた後の病室で、しかも病室にいるのは事故を目撃していた愛梨ではなく、妊娠している加代。さらになぜか愛梨とは面識がなくなっている、と矢継ぎ早に進むので見ているこちら側は混乱するばかり。。

さらにデパートの屋上で八代と格闘して悟が首を切られるも八代は逮捕されて一件落着、かと思いきやエピローグでいきなり2016年に飛んで、お墓参りの墓石に悟の名前が、、えっ?死んだの!?と呆然とする中でジ・エンド。

例えば、愛梨と面識がないことは原作通り悟がずっと植物状態になっていたということで済む話のはずなのに、、どうなっているんだこの脚本ww

半ば見切り発車としか言いようがないラスト30分の力技にある意味ド肝を抜かれたけどw、それまでの丁寧さとかけ離れた粗雑な出来とのあまりの落差に監督2人いるのか!?といぶかってしまうくらい目が点になってしまった・・・。

リバイバルというのが普通のタイムトラベルものと異なり、意識だけが当時の自分自身に飛ぶ(あるいは当時の自分の姿になる)ところが新機軸な設定だけに、うーん、、この出来というか納め方には残念至極としか言いようがない。

タイムトラベルものはお手の物のハリウッドで実写化求ム。

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青天の霹靂

P1399016757866出演:大泉洋、柴咲コウ、劇団ひとり、笹野高史、風間杜夫

監督・脚本:劇団ひとり

(2014年・東宝・96分)WOWOW

内容:39歳の売れない独り身マジシャンの晴夫は、幼い頃に母に捨てられ、父親ともいまや10年以上絶縁状態だった。そんなある日、警察からホームレス状態の父の死を知らされる。遺骨を抱え、やりきれない気持ちで父の住み家だった荒川の河川敷に佇む晴夫だったが、そんな彼を一閃の雷が直撃。そして気付くと、40年前の浅草にタイムスリップしていた。やがて演芸ホールでスプーン曲げを披露して人気マジシャンとなった晴夫は、同じくマジシャンをやっていた若き日の父とその助手を務める母と出会う。そして、父とコンビを組むことになるのだが・・・。

評価★★★☆/70点

手品とタイムスリップという映画のモチーフに鑑みていえば、プロットの運び方、伏線の張り方、心象風景の描き方、カットバックの使い方、スローモーションや省略などの時間軸の操作、巧みなカメラワークetc..要は映画とは嘘をついていいものだという心得をしっかりわきまえた手練れの演出に満ちている。

しかしその反面、冒頭の主人公のマジックを吹き替えなしのワンカット長回しで捉えるシーンなど、映画につかみとリアリティをもたせるツボもちゃんと押さえているのも強みだ。

多少その手法に酔いすぎてクドく見えるようなシーンもあるけど、およそこれが初監督作とは思えないほどエモーショナルにあふれた非常に見やすい作品に仕上がっていたと思う。

ただ、しいて希望を挙げれば、お腹いっぱいになる前に終わっちゃったてことかなw

でもこういうのってもっと盛っちゃいたいはずだし、見る方もそれを期待している所もあるんだけども、逆に編集でバッサバッサとカットして90分弱にまとめてしまう肝っ玉の強さは、やはり大いなるセンスといわなければならないだろう。

次回作が楽しみな監督のひとりになったな。

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この胸いっぱいの愛を

C_b0010500579_tl_2 出演:伊藤英明、ミムラ、勝地涼、宮藤官九郎、吉行和子、愛川欽也、倍賞千恵子

監督:塩田明彦

(2005年・東宝・130分)MOVIX仙台(試写会)

評価★★☆/45点

内容:百貨店に勤める比呂志は、出張で小学生時代を過ごした北九州・門司を訪れた。しかし、何か様子が違う。新聞見ると、、えっ?1986年?20年前じゃん!タ、タイムスリップ。。ていうか、少年時代の自分にも会っちゃった・・・。そんなこんなで比呂志は実家だった旅館に住みついてしまう。そんなある日、彼は憧れだった近所の和美姉ちゃんと再会する。彼女は難病のすえこの世を去ってしまう運命にあるのだが、今ならば救えるかもしれないと比呂志は考える・・・。

“タイムパラドックスの定石を捨ててまで描き出したのがこれなの・・・?思わず失笑。”

タイムスリップする1986年という時代設定がまずはビミョー・・・。

だって昭和61年やろ。

バブル景気がちょうど幕を開けた頃だと思うのだけど、なんかイメージとしてパッとしないというか、そんな昔でもなければつい最近でもないという時代背景の中途半端さが気になった。

しかもそれに輪をかけたように伊藤英明のメインストーリーがこれまたビミョーなんだよなぁ・・・。タイムパラドックスなど眼中にないくらいお構いなしで突き進むのは大目に見るとしても、肝心要のメインストーリーに力がなかったら、ただの独りよがりなだけの映画じゃないか。。

サブストーリーである若いヤクザ(勝地涼)、老婦人(倍賞千恵子)、クドカンのエピソードの方がフツーに感情移入できただけにメインの物足りなさが一層際立ってしまった。

これは多分に失われた命を取り戻そうという事の重みに対して、シナリオに力がないのか、伊藤英明に力がないのか、あまりにも人間ドラマの描写が軽すぎるというアンバランスさに起因するように思う。

そもそも「黄泉がえり」(2002)では現世で生きる人々のもとに亡くなった大切な人が舞い降りてくるという、あちらから会いたい人がやって来るという構図なのだけど、今作ではこちらから会いに行くという構図になっている。その点ですでに作為的要素が含まれているといってもいいのだけど、この映画のメインとなるのは結局この世を去った憧れの人を救おう、生き永らえさせようとする話なわけで、そこら辺はどうも自分は胡散臭さを感じてしまった。

だって要は積極的に未来を変えて死者を甦らせようとするわけで、そこに十分な説得力、つまり死んだ者は絶対に生き返らないという命題を覆す魔力を持たせるにはやはりタイムパラドックスの定石を使っていくしかないと思うのだけど。。

しかし、この映画はそれをあえて無視した上で完全に人間ドラマに徹した感がある、、、のだが、ものの見事に肩透かしをくらったような力の無さには目を覆うばかり。

作為に満ちた独りよがりな映画とはまさにこのことを言うのではなかろうか。

ただ、塩田監督もなにやら罪滅ぼしでもしたかったのか、それとも塩田監督なりのケジメの付け方なのか、ラストに出てきた生き永らえた和美(ミムラ)の姿にはなんとも厳しすぎる年輪が刻まれていて、それまでの演出とはかけ離れていたので驚いたというか、また別な意味で肩透かしをくらっちゃった・・(笑)。なんだかわけの分からん映画だったな。。

自分が思うに、生んだ直後に亡くなってしまった母親、今まで幻だった母親に会うことになる若いヤクザ(勝地涼)の話をメインにすればそれなりに見れたのではないかと思う。命のやり取りはこの映画には重すぎる・・・。

あるいは、どうせだったらどっかの老人ホームのバスが崖下に転落しちゃうとかさ(笑)、んでその拍子に1946年にタイムスリップしちゃうとか。だってジッちゃんバッちゃんの方が人生で本当にひとつだけやり直したいことの重みって説得力がありそうだし。

とにかく「黄泉がえり」の二匹目のドジョウとはなりえなかったな今回は。

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バブルへGO!!タイムマシンはドラム式(2006年・東宝・116分)WOWOW

 監督:馬場康夫

 出演:阿部寛、広末涼子、吹石一恵、伊藤裕子、劇団ひとり、薬師丸ひろ子

 内容:2007年の日本。国は800兆円の借金を抱え、日本経済は破綻寸前。そんな日本の危機を救うべく、財務省官僚の下小路(阿部寛)はある計画をぶち上げていた。それは、1990年にタイムスリップしてバブル崩壊をくい止めようというものだった。ところが、先にタイムスリップしていた開発者の田中真理子(薬師丸ひろ子)がそのまま行方不明になってしまう。そこで下小路は、真理子の娘で借金取りに追われているフリーターの真弓に目をつけ、真弓は母親を救うためにタイムマシンに乗り込むのだったが・・・。

評価★★★/60点

バブル全盛期に山ん中に秘密基地を作ったりして駆けずり遊んでいた小学生時代の自分にははっきりいってあまりピンとこなくて実感がわかない題材だし、しかしかといってバブル崩壊後の失われし10年の真っ只中で就職超氷河期にブチ当たってしまった自分からするとああいう軽いノリで描かれるとなんだかしゃくにさわるし・・・(笑)。なんだかなぁ。。

タイムマシーンを起動するのに洗剤を入れるというのは笑えたけどね。

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地下鉄<メトロ>に乗って(2006年・日本・121分)WOWOW

 監督:篠原哲雄

 出演:堤真一、岡本綾、常盤貴子、大沢たかお、笹野高史、吉行和子

 内容:43歳の営業マンである真次(堤真一)はある日、父が倒れたという連絡を受ける。が、真次は大財閥の総帥であった傲慢な父に反発し、高校卒業後に家を出たっきり一度も会っていなかった。そんな真次が地下鉄を出ると、、、昭和39年の東京にタイムスリップしていた!しかも真次の恋人であるみち子(岡本綾)もタイムスリップしてしまう。そして真次は、若き日の父(大沢たかお)に出くわすのだった・・・。

評価★★★/60点

とうとう解りあえなかった父親が戦前、戦中、戦後という激動の昭和をどのように生きてきたのか、その知られざる真実にスポットを当てることによって父親と息子がつながっていくという、いたってシンプルなお涙頂戴もののはずだったのに。

そこにいきなり80年代角川映画もビツクリの近親相姦ネタに、あげくの果てに妹が自殺(正確には存在自体を消してしまう)しちゃうって、、、こんなん2時間で消化しきれねぇよ。韓流ドラマみたいに全50話くらいでやってくれ(笑)。

しかも、階段から突き落とされたお時(常盤貴子)の人生はどうなっちゃうんだよ。全然消化不良じゃん。

ていうか肝心のテーマが一気にボヤけちゃったし・・・。

自分の祖父も小沼佐吉(大沢たかお)と同じように、戦時中に満州行って結局ソ連軍に連行されて、シベリア抑留を体験してなんとか生きて日本に帰ってくることができた人だったから、かなりリンクするところはあったと思うんだけど、ラストの仰天ネタに一気にガクッときてしまった・・・。

2018年1月 2日 (火)

夢のシネマパラダイス580番シアター:スター・ウォーズ/フォースの覚醒

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

926647_1159095954102428_664934172_n出演:ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、アダム・ドライヴァー、デイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、アンディ・サーキス

監督:J・J・エイブラムス

(2015年・アメリカ・136分)盛岡フォーラム

内容:帝国の崩壊から30年後。帝国軍の残党「ファースト・オーダー」が台頭していた。劣勢に立たされていた共和国陣営は、それを挽回するため、ずっと行方をくらませている最後のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーを探し出そうとする。一方、ファースト・オーダーもルーク抹殺を目論み、ルークの居場所を示す地図を手に入れようとダースベイダーを崇拝するカイロ・レンを送り出す。そんな中、砂漠の惑星で暮らす少女レイは、砂漠で迷子になっていたドロイドBB-8を助けるのだが・・・。

評価★★★★☆/85点

黒沢清監督の「岸辺の旅」で、いまだ加速度的に拡がりつづける宇宙はまだ始まったばかり、しかもそんな広大な宇宙が10の500乗個も存在している、という印象的なセリフに度肝を抜かれたものだけど、と考えると“遠い昔、はるか彼方の銀河系に”スター・ウォーズのユニバースがあってもおかしくないのではないか。砂漠の惑星ジャクーやジャングルに覆われたタコダナ、緑豊かな惑星ディカーは存在するのかもしれない・・・。

要は何を言いたいかというと、今作で描かれた世界は実在すると思わせるだけのリアリティーがあったということだ。

エピソード4~6のオリジナルシリーズはセットのミニチュア感や模型との合成のチグハグ感が、プリクエルのエピソード1~3ではこれ見よがしなCG映像の作り物感が目立っていたのだけど、今回はそういう違和感やぎこちなさが一掃され、眼前に広がってくるリアリティと迫力満載の映像に圧倒されてしまった。

なかでも砂漠の惑星ジャクーのシーンは、まるで「アラビアのロレンス」を想起させるくらい壮大な映像に彩られていて序盤から心をつかまれたんだけど、そこでポイントになったのがロングショットの多用ではないかと思う。

壮大なロケーションと卑小な人間の対比が逆にその世界の中に人物が存在しているという実存感を押し上げているのがミソで、実景映像に加えてスターデストロイヤーや帝国軍の歩行型マシンAT-ATの残骸、ミレニアム・ファルコン号などの巨大ガジェットやジャンクヤードの建物、大型クリーチャーなどが遠近感や奥行きを与えるのに大いなる効果をあげていたと思う。

そもそも、ファンと作り手の思いがスター・ウォーズというスペースオペラの世界観をオリジナル公開から30年以上経てなおビッグバンのごとく膨れ上がらせ続けてきたことで、オリジナルの頃から変わらないほとんど奥行きのない王道の物語展開wも深遠なる魅力に昇華されてしまうのだけど、そこで視覚的に嘘くささがないというのはかなり重要なことで、その意味で今回プロダクションデザインの果たした役割というのは大きかったと思う。

その点エピソード1~3はエピソード4~6より前の話にもかかわらず、やはりCGの先進性が出過ぎではあったんだよね。

しかし今回は、実写と特殊効果の按配が絶妙で、安心してスター・ウォーズの世界に没入することができた。

ラストにレイがルークに会いに行く孤島の空撮なんかはまさに鳥肌もので、アイルランドにある世界遺産のキリスト教遺跡の無人島らしいけど、やはり実際の景観に勝るものはないんだなと痛感。

登場人物もレイや懐かしのハン・ソロはじめ抜群のキャラクター造型で魅力満載だったし、大満足の一作だった。

2018年1月 1日 (月)

夢のシネマパラダイス466番シアター:白ゆき姫殺人事件

白ゆき姫殺人事件

Poster2_2出演:井上真央、綾野剛、蓮沸美沙子、菜々緒、金子ノブアキ、貫地谷しほり、谷村美月、染谷将太、生瀬勝久

監督:中村義洋

(2014年・松竹・126分)WOWOW

内容:長野の国定公園で地元化粧品会社の美人OL三木典子の惨殺死体が発見された。ワイドショー番組の契約ディレクター赤星は、典子の後輩社員だった同窓生から話を聞き、典子の同僚で事件後に失踪した城野美姫に疑いの目を向ける。そして周辺取材をもとに作った映像はスクープとして話題を集めた。一方で赤星は取材で得た情報をツイッターにどんどんアップしていくのだったが・・・。

評価★★★/60点

殺人事件の周辺関係者に対するルポルタージュのインタビュー形式で証言を積み重ねていく手法は、宮部みゆきの「理由」と同じかんじであまり新味はなかったし、人間の歪な心の闇をえぐり出す湊かなえ独特の陰湿さも薄まっていて印象としてはやや弱い。

逆にいえば小綺麗にまとまりすぎているのがあだになったのかなぁとも思うけど、有名原作小説を翻案に映画化することにかけては右に出る者がいない中村義洋監督の上手さと、どうしてもにじみ出る人の良い優しい作風が上回ったともいえ、湊かなえと身構えていたわりにはかなり安心して見られる利点はあった(笑)。しかもラスト感動までしちゃったし

ただ、あの人が典子(菜々緒)をメッタ刺しにするシーンだけは、らしいえげつなさで脳裏から離れない・・

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理由

Riyuu_2 出演:村田雄浩、寺島咲、岸部一徳、大和田伸也、久本雅美、宝生舞、松田美由紀、風吹ジュン、柄本明、渡辺えり子、菅井きん、小林聡美、古手川祐子、加瀬亮、ベンガル、伊藤歩、立川談志、石橋蓮司、小林稔侍、宮崎あおい、片岡鶴太郎、根岸季衣、峰岸徹

監督:大林宣彦

(2004年・日本・160分)WOWOW

評価★★★★/75点

内容:1996年6月5日の深夜未明、東京荒川区にある超高層マンションで、一家4人が殺される事件が発生する。当初、4人の遺体はこの部屋の住人である小糸家の人々と思われていたが、全くの赤の他人であることが判明する。マンション管理人によると、この部屋は以前から人の出入りが激しかったというのだが・・・。

“笑わず嫌い王決定戦!vs大林組”

大林宣彦は自分とは水と油のごとく合わない。恐ろしいほどに合わない。それが自分の中の常識であった。

マンガチックかつファンタジー色の強いタクトをこれ見よがしに執拗に振り回す姿が、もはや生理的にといっていいくらい性に合わない。。あまりにも合わなくて思わず笑っちゃうくらい。たぶん今まで見たことがある大林監督作の平均点は★2つを下回ると思う。

そんな中で、自分が最も好きな作家である宮部みゆきをよりによって大林宣彦!?しかも「理由」!?もうイジメか、と泣き叫びたくなりましたがな。

そして、蓋を開けてみたら、、尾道かよ(笑)。東京じゃなくて尾道のにおいがプンプン。尾道4部作ってか。

というのはさておき、妙な出来心を出さずに原作を忠実にトレースしてくれたのが、まぁ個人的には良かった。映画の作り方としてそれがいいのかどうかは別として、非常に見やすくできている。

普通、このての事件ものは極端にいえば、犯人は誰かという一点に集約され、それを目的として収束していくわけだけど、本作は事件という一点からまるで水面に落ちた石が波紋を描くように無限の広がりを見せていく。まるでネットサーフィンでもしているかのように無限のクリックを続けていく。

それは原作の持つ特色でもあるのだけど、しっかりと画面にすくい上げてくれたのはやはり評価したい。

ラストの加瀬亮のダイブも、なにか「攻殻機動隊」みたいでヨロシ。

がしかし、ことさらにこれは映画ですよ~という記号をチラつかせるのは頂けない。しかも最後はガマンできなくなって全景写しちゃうし。。

でもこれ下手すると、“映画化”じゃなくてただの“映像化”と言われてもおかしくないので、、それでこれは映画化なんだぞということをあくまでも強調したくてあんなパフォーマンスしちゃったのかもね

2017年12月31日 (日)

夢のシネマパラダイス161番シアター:才能vs狂気

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

A0212807_10131724出演:マイケル・キートン、ザック・ガリフィナーキス、エドワード・ノートン、エマ・ストーン、ナオミ・ワッツ

監督・脚本:アレハンドロ・G・イニャリトゥ

(2014年・アメリカ・120分)盛岡フォーラム

内容:かつて大ヒットしたヒーロー映画「バードマン」で主演したリーガンは、そのイメージを払拭できず、その後は鳴かず飛ばずの俳優人生を送っていた。そこで再起を期して、アカデミックな演劇でブロードウェイに打って出ようとするが、男優のひとりが事故に遭ってしまう。舞台に危機が迫る中、出演女優レスリーが代役として使えそうな俳優マイクを連れてくるが、そいつはトンだセクハラ男だった。さらにアシスタントに付けた娘サムも麻薬に溺れる始末で、いよいよリーガンは追い詰められていく・・・。

評価★★★★/80点

落ちぶれた大スターが過去の名声の幻影に憑りつかれて悲劇的な末路をたどるというのは「サンセット大通り」だし、そこにバックステージものを絡めるのは「スタア誕生」ということで、題材としては特に真新しいものではない。

また、役者の実キャリアに重ね合わせる皮肉ともいえる配役も前者におけるグロリア・スワンソンを想起させるんだけど、今作はバードマン=バットマンというこれ見よがしなセルフパロディにまで昇華したダブらせ方が強烈で、さらにレッテル貼りの批評家はたまたハリウッド流見せかけの血とアクション好きの観客である我々をもブラックにあざけり嗤う痛烈な脚本の引きつけ方はハンパない。

特に現実世界と劇中世界が行きつ戻りつし混濁していくプロットは大胆そのもの。しかも時間軸の超越を疑似ワンカット長回しで描いていくので、見ている方は混乱するばかりなんだけど、役者としての怨念や狂気のオーラさえ持ち合わせない主人公リーガンのただただ空回りしジタバタするだけで報われない虚しい内面に実にうまくフォーカスした表現方法だったと思う。

まぁ、リーガンが脚本・演出・主演を務めるだけあってレイモンド・カーヴァーの劇中劇にほとんど魅力が感じられないのが映画的には玉にキズな気がしたけど、これも計算の内だったらマジで恐い(笑)。

しかし、ファラ・フォーセットはマイケル・ジャクソンと同じ日に死んだためニュースにもならず運が悪かったとかシニカルを通り越してもはや猛毒だろww

ネットの日常化で消費サイクルが目まぐるしく変わっていく中で有名人がどんどん“あの人は今”にふるい落とされていく時代、パンツ一丁で街中を歩かなければダメなんて可哀想すぎるよね

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セッション

86dfce36cc2497990be7dc7b35aec976出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、ポール・ライザー、メリッサ・ブノワ、オースティン・ストウェル

監督・脚本:デイミアン・チャゼル

(2014年・アメリカ・107分)盛岡フォーラム

内容:名門のシェイファー音楽院に入学したニーマン。ある日、鬼のような練習で知られるフレッチャーの目に止まり、彼のバンドにスカウトされる。そこで成功すれば将来は約束されたも同然。偉大なドラマーになるという夢を持つニーマンは、血のにじむ練習に励む日々を送るが、フレッチャーの理不尽すぎる仕打ちにより精神的に追い詰められていく・・・。

評価★★★★☆/85点

自分が社会人1年目で入社した会社にフレッチャー(J・K・シモンズ)みたいな上司がいて、数年で耐えられずに辞めた。

仕事外の休憩時間などでは何の変哲もないミーハーな50代のオッサンにしか見えないのだがw、いざ仕事が始まるとスパルタな鬼畜に変ぼうを遂げる。まぁ職人気質といえばそれまでなんだけど、毎朝浴びせられる罵詈雑言の嵐にアンドリューのようにブチ切れることなく逃げ出して挫折の道を選んでしまった。

あれから10年以上経ったけど、今回この映画を見てその当時を思い出して息苦しくなってしまった

特に、アンドリューが交通事故に遭って血まみれのままステージに立った時に、一瞬動揺するそぶりを見せながらも気遣うことなく指揮を始めるところとかそういうかんじがめちゃめちゃ似てて、もうダメ・・

ただ先述したように、自分はその上司の前では何ら自己主張も口答えすることもなく、ただただ閉口して言われるがままになっていた。まさにヘビににらまれたカエル状態ww

しかし考えてみれば、自分にはアンドリューのような将来への野心もなければ理想も特にない学生気分の抜けないなんとなく生きている人間だったことは否定のしようがなく・・

それを思えば、どんなにフレッチャーから理不尽なしごきを受けても途中で投げ出さずにへこたれることなく、逆に破滅して早死にしたとしても世に名前を残したいという大いなる夢と、フレッチャーにつかみかかるまでの気概をみせるアンドリューの姿勢はスゴイとしかいいようがないし、そこまで打ち込めるものがあるというのも羨ましくさえ感じた。

天才は血のにじむような努力と多くのことを犠牲にする節制により生まれるというのはまさしく真なのだなと思い知らされたかんじ。

でも、恩師の導きがこんな憎悪むき出しの生き地獄なんて、そんな導き自分はいらない(笑)。

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ブラック・スワン

Black_swan_pos01 出演:ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー、ウィノナ・ライダー

監督:ダーレン・アロノフスキー

(2010年・アメリカ・108分)WOWOW

内容:NYのバレエ・カンパニーに所属するニナは、看板プリマだったべスの引退を受けて、新たに企画された「白鳥の湖」の新プリマに抜擢される。しかし、白鳥の湖では純真な白鳥役と同時に、官能的な魔性の黒鳥役も演じなければならず、優等生タイプのニナは、黒鳥をなかなか表現できないことに苦しむ。さらに、大胆不敵な踊りで監督のトーマスに理想的な黒鳥と言わしめたライバルダンサーのリリーの台頭により、二ナの歯車は狂い始めていく・・・。

評価★★★★/80点

真に圧倒される映画というのはそうそう巡り会えるものではない。だから映画を見つづけるのだともいえるけど、驚異的な映像美、斬新なシナリオ、胸に迫り来る音楽、監督の演出力など様々な要素がある中、役者の演技力に圧倒されるというのはさらに稀だ。

「復讐するは我にあり」の緒形拳、「明日の記憶」の渡辺謙、「ダークナイト」のヒース・レジャー、「フェイス・オフ」のニコラス・ケイジ&ジョン・トラボルタ、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のダニエル・デイ・ルイス、「ディア・ハンター」のクリストファー・ウォーケン、「パピヨン」のスティーブ・マックイーン、「レオン」のゲイリー・オールドマン、いろんな映画でのラッセル・クロウ、、、

また女優でいえば「疑惑」の桃井かおりや「ミザリー」のキャシー・ベイツ、いろんな映画での大竹しのぶなどが思い浮かぶけど、絞りにしぼり出してもこれしか出てこない(笑)。

が、今回ここに「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンが新たに加わった。

純潔を守るお行儀の良い少女と性に目覚めた自由奔放な女、その純真無垢な白と小悪魔的な黒のシンメトリーの境界をアザだらけの繊細な足先で右往左往し混乱していく様をものの見事に演じきった。

見る人によって様々な解釈ができようが、自分の中で抑えこんできた自我の覚醒と過保護な母親からの自立、すなわち少女から大人への脱皮と巣立ちの物語と自分は見たけど、白鳥から黒鳥へ変貌し悠々と羽ばたくクライマックスはまさに鳥肌もの。

狂気のダークサイドに完璧に堕ちてみせたナタリー・ポートマンに往年のベティ・デイビスはたまたグロリア・スワンソンのような誰にも真似のできないペルソナを見たといっても言いすぎではなかろう。

また、子役は脱皮できずに消えていくことがほとんどの生き馬の目を抜くハリウッドで、子役から生き残ってきたナタリーの女優人生と物語がシンクロしているのもポイントで、ナタリーの演技が真に迫ってくるゆえんになっている。

そういう意味ではこの役はナタリー以外にはありえなかったともいえるけど、例えばウィノナ・ライダーの使い方を見ても、かなり嗜虐的かつ絶妙なキャスティングになっている。そこにいるだけでなんだか恐いバーバラ・ハーシー、挑発的な色気を醸し出すミラ・クニスしかりだ。

そのようにみれば、これは監督と女優のエネルギーがぶつかり合って奇跡的なカタルシスを生み出した稀有な映画である。

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へルタースケルター

5484a78f1b39c293fcf7a87f4056055d 出演:沢尻エリカ、大森南朋、寺島しのぶ、綾野剛、水原希子、新井浩文、鈴木杏、寺島進、哀川翔、窪塚洋介、原田美枝子、桃井かおり

監督:蜷川実花

(2012年・日本・127分)WOWOW

内容:人気絶頂のトップ・モデル、りりこ。が、実は彼女には絶対に知られてはならない秘密があった。彼女の美しさは、事務所の社長とともに全身整形で作り上げたものだったのだ。しかし、手術の後遺症は確実にりりこの身体を蝕むとともに、芸能界のプレッシャーや若い後輩モデルの突き上げにより、次第にりりこは精神的にも追い詰められていく・・・。

評価★★/40点

もう長らくリアルタイムで新作を追うヒマがなくなり、WOWOWで話題作を見るのが精一杯な自分は自ずと見る映画をしぼってしまわざるをえない。

それゆえハズレ率はかぎりなくゼロにしたいわけだけど、どうしても年に2,3本は大ハズレにぶち当たってしまう。

そう、これである(笑)。

序盤から脱いじゃってる映画にロクなものはないというのは鉄則だけどw、いの一番に脱いじゃってるんだから、そりゃあハズレからハズレるわけないよなっていう・・・。

それはさておき、美を売る仕事のトップの座に登りつめたカリスマモデルが全身整形の後遺症と移り気の激しい世間の目から“見られなくなっていく”恐怖におびえ悩まされ精神を病んでいくというのは、スターの転落劇としては鉄板ものだろう。

しかし、繊細な内面のもろさや危うさがどこまでも虚無的にしか描かれないので、飾り立てられた外面に中身はカラッポな映画としか見れないのがイタい。

それが意図した演出なのかどうかは別として、写真家としてモデルとフォトセッションする機会も多いであろう蜷川実花がこんな程度でしか撮れない&語れないのだとしたら、映画監督としてのセンスはダサいとしか言いようがない。

唯一、りりこの後継の座に据わることになる後輩モデルに水原希子をもってきたことだけは見事だったけど・・。

沢尻エリカについては、りりこが彼女自身のキャラクターとシンクロするところもあり、実にタイムリーな企画だったとは思うけど、その熱演むなしく単なるさらし者にしか見えないのはなんとも皮肉だ。

この映画が復帰作として歩くスキャンダルという称号を払拭するどころか、ますます彼女を使いづらくしてしまった感がしてしまうのは自分だけだろうか。。女優としての資質はピカイチだし、役者根性は見上げたものだけど。

一本調子な演出しかできなかった監督のやらかしてしまった責任は、思っている以上に大きいと思う・・・。

2016年8月12日 (金)

夢のシネマパラダイス602番シアター:進撃の巨人

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN/エンドオブザワールド

L_wk_141213shingeki01出演:三浦春馬、長谷川博己、水原希子、本郷奏多、三浦貴大、桜庭ななみ、石原さとみ、ピエール瀧、國村隼

監督:樋口真嗣

(2015年・東宝・98分/2015年・東宝・87分)盛岡フォーラム

内容:かつて人類は、突如出現した謎の巨人たちに襲われ、大半が喰い殺された。かろうじて生き残った者たちは、巨大な壁を三重に築き、その内側でどうにか生き延びた。それから100年後、壁の中は平和な日常が当たり前のように続いていたが、青年エレンは壁の外に広がる未知の世界に憧れを抱くようになっていた。そんなある日、壁よりも高い超大型巨人が出現し、最外壁が崩壊、その穴から多数の巨人が侵入し、街は地獄絵図と化した。それから2年、惨劇を生き延びたエレンは、武装調査団の一員として外壁修復作戦に臨むが・・・。

評価★★/40点

伸びきったラーメンを食べても食べても減らない絶望感に似たツマラなさ、、正直それ以上の言葉が思い浮かばない。

なんだろなぁ、前後編とも各90分枠ってところからして、ヤル気あんのかコイツらって思ったけど、民放地上波の映画放送枠に収まるようにやっつけ仕事で作ったようなかんじ。

大作なんだから、せめて2時間×2で描けよていう・・。

そもそも、100年間巨人が現れなかった世界だよ。なのにものの10分で超大型巨人が現れるってどうなのよ(笑)。「ジュラシック・パーク」「ジョーズ」のスピルバーグみたいにちっとは焦らせよって思ったのは自分だけ!?

で、シナリオが最悪すぎるのは明白で、それについてはとやかく言う気力もないのでどうでもいいとしてw、それ以外に根本的な問題として、作り手の志向するベクトルが見る側のベクトルとズレちゃってるというのはあったと思う。

それはつまり、ハリウッドのようにCGで全てをまかなえる資金と時間に乏しい中で、日本映画伝統のミニチュアや着ぐるみを使ったアナログ特撮技術による映像表現で撮るしか他に道はなかったのはたしかにそうだろうし、CGには出せない進撃の巨人独特の気持ち悪さはよく伝わってくる。

しかし、特撮畑出身の樋口監督ということもあって、その気概が強くなりすぎて、結局ウルトラマンやゴジラの系譜と同じ単なる特撮映画の枠に成り下がっちゃってるんだよね。でも、マンガ読んでる時に怪獣とバトルするような先に挙げた系譜なんてこれっぽっちも頭に浮かばないわけで、進撃の巨人はベクトルとしてはそっちじゃないよねっていう。

じゃあどっちなのってことになると、特撮の雰囲気はもちろん必要不可欠だけど、主テーマは少年兵を主人公にした「フルメタル・ジャケット」であり「プライベート・ライアン」ではないのか。

作り手はそこを全く分かっていない。巨人と巨人のタイマンプロレスが主じゃないんだってことを小一時間問いつめたい(笑)。

そういう意味では、前編のオープニングで壁の外にあるといわれている海を見てみたいって本当の自由の獲得という伏線があるんだから、壁外調査をメインにして後編ラストで海にたどり着くってのが自然な流れだと思ったんだけど。まさか壁登ったら海見えたって、、100年気付かなかったのかよっ

もう、マジで笑うに笑えない。映画自体とんだ不発弾だったというオチ・・・。

P.S. マンガ原作は作者が意図してのものなのかどうなのか笑いを誘うツッコミだったり小ネタがけっこう散りばめられていて、にもかかわらずことごとく苦笑するほどツマラなくて(爆)、それがまた独特な進撃ワールドを醸し出しているんだけど、映画でそれを真似なくてもいいんだからね。。サシャ・ブラウスの食い意地なんて不要だからww

2016年2月 7日 (日)

夢のシネマパラダイス458番シアター:謝罪の王様

謝罪の王様

Poster2_2出演:阿部サダヲ、井上真央、竹野内豊、岡田将生、尾野真千子、荒川良々、濱田岳、高橋克実、松雪泰子

監督:水田伸生

(2013年・東宝・128分)WOWOW

内容:帰国子女の倉持典子はある日、ヤクザの車相手に追突事故を起こしてしまい、うまく謝罪できないまま法外な要求を突きつけられてしまう。そんな彼女が頼ったのは、謝罪のプロだという東京謝罪センター所長、黒島譲だった。そして、黒島の見事な謝罪テクニックで窮地を脱した典子は、そのまま黒島のアシスタントとして働くことに。やがて2人は、大小様々なトラブルを抱えた依頼人から舞い込む様々な事件に遭遇していく・・・。

評価★★★★/80点

クドさとウザさとしつこさにかけては右に出る者がいない東西横綱のクドカンと阿部サダヲが揃い踏みってことで、ただでさえそのアクの強さが癇に障ることがままあるのにw、2人にタッグを組まれちゃどうにもならないというのは「舞妓Haaaan!」で実証済み(笑)。

なので今作も胸焼け覚悟で見たんだけど、オーバーリアクションとハイテンションの暴走に陥ることなく意外にバランスが取れていて、今回のクドカンワールドはかなり面白く見られた。

日本の謝罪文化を面白おかしく茶化していくどえらい発想力に加えて、それぞれのエピソードに控えめな繋がりをもたせる筋立ても良かったし、ボケとツッコミの按配が「あまちゃん」レベルのベタなライト感覚に落ちついていて見やすかったのが大きかったのかなと。

特に、脇役陣のコメディセンスを生かしたボケに対し阿部サダヲがツッコミに回って、さらにその上段から井上真央がツッコミを入れるという構図がことのほかハマっていたと思う。

要するにこれは阿部サダヲの抑え込みに成功したともいえるんだけど(笑)、個人的にはこれくらいがちょうどいいw

ウザさは岡田将生が、クドさは高橋克実が全部持ってっちゃったしねww

最後の方は大味な展開になったけど、楽しい映画だった。

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なくもんか(2009年・東宝・134分)WOWOW

 監督:水田伸生

 出演:阿部サダヲ、瑛太、竹内結子、塚本高史、皆川猿時、片桐はいり、鈴木砂羽、陣内孝則、伊原剛志、いしだあゆみ

 内容:幼い頃に両親の離婚で父親に引き取られた兄・祐太だったが、父は大金を抱えてトンズラ。その後は東京の下町商店街でハムカツが名物の惣菜屋夫婦の所でお世話になり、今では店の二代目を継ぐまでになった。一方、母親に引き取られた弟・祐介だったが、母が事故死してしまいドン底の少年時代を送る。その後お笑い芸人を目指した彼は、コンビを組む大介と兄弟漫才で一躍スターダムに登りつめるが・・・。

評価★★★/60点

泣くもんかというわりには泣いてばっかりじゃんと思ったけど、話が進むにつれてグダグダ感がハンパなくなっていって、沖縄入り後はもう惰性で見ていたかんじ

最後まで見れはしたけど、なんかこう突き抜ける面白さはなかったよね。散発的な小さい笑いが大きな笑いや感動につながっていかないツマラなさといえばいいかな。まぁ、フォーマットとしては人情喜劇なんだけど、寅さんや三丁目の夕日といった王道を意図的に外していて、そこがビミョーな違和感として映ったのはあると思う。

ただ、その王道の人情喜劇は、どんなにハメを外しても家族という帰る場所があると同時に、人間関係が筒抜けなほど密な共同体がなければ成立しないものなんだけど、地方の商店街はシャッター通りと化し、共同体どころか核家族という形態すら危うくなっている現代ではそもそものところで人情喜劇自体が成り立たない時代といえるわけで。その中で主人公が究極の八方美人にならなければ人情喜劇は成り立たないんだというある種のパロディになっているといえるとは思う。

しかしそれは近所のおばあさんの家で起きた窃盗事件の犯人に疑われてしまったように非常にもろいものであり、そのことをクドカンも重々承知した上でシナリオの筆を進めているんだけど、どこかでそれが足かせになって散漫になっちゃってて、そういうところが何かすっきりしないものとして残るゆえんになっているんだよね。

まぁ、クドカンにとってはチャレンジだったろうけど、全体的に中途半端だったといわざるをえない。

ただ、役者陣の健闘はプラス要素で、これがなければ途中でホントに放っぽり出すところだった・・・

でも、あのハムカツ食いてぇー!作り方見てると、相当カロリー高そうなかんじはしたけど(笑)。

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舞妓Haaaan!!!(2007年・東宝・120分)WOWOW

 監督:水田伸生

 出演:阿部サダヲ、堤真一、柴咲コウ、小出早織、京野ことみ、吉行和子、伊東四朗

 内容:平凡なサラリーマン、公彦。彼は高校時代に修学旅行先の京都で舞妓に出会って以来、いつか舞妓さんと野球拳をするという夢を抱いていた。そんな中、念願の京都支社への転勤命令が下り、彼女を捨てて京都入り。颯爽とお茶屋デビューをしようと意気込む公彦だったが、「一見さんお断り」という壁が立ちふさがるのだった・・・。

評価★★/45点

阿部サダヲを主役に据えるなら小文字のaが4連続付くくらいのテンションで突っ走る映画しかないよなとは思ってたけど、これほどまでにハチャメチャなものだとは予想をはるかに超えていて、途中からついて行けなくなった・・・。

ただ、植木等(これが遺作になった)が出てきて、ああ、これは「無責任シリーズ」なのねと妙に合点がいったけど、時すでに遅く。。

“一見さんお断り”の映画ってこういうことをいうのだね・・(笑)。。

2016年2月 1日 (月)

夢のシネマパラダイス261番シアター:子供を経験したすべての大人たちへ

STAND BY ME ドラえもん

Poster2声の出演:水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昂、関智一、妻夫木聡

監督:八木竜一、山崎貴

(2014年・東宝・95分)WOWOW

内容:運動に勉強に何をやってもダメな小学生のび太は、いつもジャイアンやスネ夫にいじめられる日々を送っていた。そんなある日、彼の前に22世紀からタイムマシンに乗って彼の孫の孫セワシが、ネコ型ロボット“ドラえもん”を連れてやって来た。のび太の最低最悪な未来を変えるため、ドラえもんを世話係として置いていくというのだが・・・。

評価★★★/60点

秦基博の主題歌がカラオケの十八番になっている自分にとっては、映画の方もどんな感じなんだろうと気にはなっていて、今回約30年ぶりにドラえもんを見ることに。

で、30年ぶりに見てみて、図らずも劇中で大人になったのび太が、ドラえもんは子供時代の友達で、その思い出を大切に胸に仕舞っておきたいので今は会わなくていいみたいなことを言うんだけど、それがそっくりそのまま自分の映画の感想になっちゃった

大山のぶ代のドラえもんを見ていた80年代のノスタルジーを喚起させるでもなく、“ドラ泣き”させるでもなく、なんか中途半端な印象だったな。

その中で、泣かせエピソードの羅列が感動に集約していかない平板さが1番の欠点だと思うけど、3Dを意識した絵作りがけっこうよく出来ていただけに、22世紀の未来を舞台にするとかそういう意外性がほしかった。

あるいは、別れと旅立ち(巣立ち)を裏テーマとして想起してしまうスタンド・バイ・ミーとわざわざ銘打つなら、ジャイアンとスネ夫が完全におざなりになっている今作のつくりはいただけないし、ドラえもんとの別れのあとにウソ800飲んでやっぱり戻ってきてハッピーエンドというオチもいただけなかった。

そう考えると、やはり22世紀のセワシの視点でドラえもんとのび太たちの関係を見るというのはひとつの手法として有りだったのではないかと思う。

まぁ、ドラえもんは子供のための作品だと思うので、中年のオッサンがとやかく言うことではないんだけどねww

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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲

Shinchan02声の出演:矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、こおろぎさとみ

監督・脚本:原恵一

(2001年・東宝・89分)DVD

評価★★★★/75点

内容:春日部に誕生した「20世紀博」。そこはひろしやみさえたちが育った70年代のテレビ番組や映画、そして暮らしなどを再現した懐かしい世界に浸れるテーマパークだった。大人たちは子供そっちのけで20世紀博に熱中していく。そんな姿をしんちゃん達“かすかべ防衛隊”の面々は不安な目で見つめるのだった・・・。21世紀をなかったことにして、再び世界を20世紀の時代に返そうと画策するイエスタデイ・ワンス・モアのリーダー、ケンと自分たちの未来を守るべく立ち上がったしんちゃんの壮絶な戦い!

“子供は笑えて親は泣けるという触れ込みに該当しない80’s生まれの独身男が恐れ多くも言わさせていただけるならば・・・”

汚いカネと燃えないゴミで覆われている21世紀も捨てたもんじゃないなと

しんちゃん一家が夕日に照らされたかすかべの家に帰ってきて玄関開けてただいまーーっと言うラストシーンを見てそんな思いを抱きました。

ついでにエンディングにカーペンターズのイエスタデイ・ワンス・モア♪が流れたらもっと良かったのに。。

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若い頃は

好きな曲がかかるのを待ちながら

よくラジオを聴いていたものだった

そんな曲がかかると笑いながら

一緒に口ずさんだものだった

♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪

そんな幸せなひと時は

それほど昔のことじゃないのに

あの歌はどこへ?と、どんなに心配したことか

でもここにあの歌の数々はよみがえってきたね

久しく会わなかった友達のように

どの曲も 大好き

♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪

でも歌の歌詞が

彼が彼女を失恋させるくだりになると

今でも無性に泣きたくなってしまう

まるであの頃のように

過ぎ去った日々よもう一度

♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪

こうしてあの頃のことを振り返り

消えていった年月や楽しかったことを思い出すと

あまりにも変わってしまった今日のことが少し悲しく思えてしまう

♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪

あの頃よく歌っていたのは恋の歌

歌詞も隅々まで覚えていたっけ

そんな懐かしいメロディは今でも私の心に快く響きます

過ぎ去った日々を溶かしていったあの頃のように

♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪

最高の想い出ばかりが鮮明によみがえってきて

泣きたくなるものさえあるんだ

まるであの頃のように

過ぎ去った日々よ もう一度・・・  

                    by カーペンターズ

今から何十年か経ったとき、今日この時を懐かしいと思えるのかな。

そう思えるように今日一日を大切に生きていこうっと。

懐かしいと思えるのは、その時を生きていた自分の心が豊かだったという何よりの証拠なのだから!

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(おまけ)

クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶジャングル(2000年・東宝・90分)テレ朝

 監督:原恵一

 声の出演:矢島晶子、ならはしみき、藤原哲治、玄田哲章

 内容:クレしん映画版シリーズ第8作。

評価★★★/65点

しんちゃんだと思ってバカにしてはいけない(笑)。ジャパニメーションの高水準を如実に示す好例といえるのでは。冗談じゃなく。

2016年1月10日 (日)

夢のシネマパラダイス404番シアター:神話の世界へようこそ

タイタンの戦い

T0007501p 出演:サム・ワーシントン、ジェマ・アータートン、マッツ・ミケルソン、レイフ・ファインズ、リーアム・ニーソン

監督:ルイ・レテリエ

(2010年・アメリカ・106分)WOWOW

内容:古代ギリシャ、神と人が共存していた神話の時代。人間の王の反旗に激怒した大神ゼウスは人間を滅ぼすため冥界の王ハデスを解放する。ハデスの暴虐により家族を殺されたペルセウスが立ち上がり、命知らずの戦士たちとともに打倒ハデスの旅に出る。

評価★★★/60点

ギリシア神話に何の傾倒ももたない自分からすると、アクションRPGのノリで見られてそこそこ楽しめたかなと。尺もちょうどいいレベルだったし。

クラーケン、ペガサス、メデューサなど魅力的なクリーチャーが怒涛の出演を果たし、はっきりいって見せ場だけで撮られたような映画w

ドラマもヘッタクレもあったもんじゃない。アクションRPGですよこれは。

この監督、相当なおバカさんだとお見受けしました。一応ホメ言葉だからね(笑)。

こういう映画はもう割り切って見るっきゃないッス。

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タイタンの逆襲(2012年・アメリカ・99分)WOWOW

 監督:ジョナサン・リーベスマン

 出演:サム・ワーシントン、リーアム・ニーソン、レイフ・ファインズ、ダニー・ヒューストン、ロザムンド・パイク、ビル・ナイ

 内容:前作から10年後。勇者ペルセウスは、愛する一人息子と漁師として暮らしていた。一方天上界では、冥界の王ハデスの陰謀により巨神タイタン族の王クロノスが甦ろうとしていた。それを阻止せんと父親であるゼウスから協力を求められるペルセウスだったが・・・。

評価★★★/60点

ストーリーもヘッタクレもない、ただ闘って闘って闘いまくるだけの映画だけど、アクションシーンはじめ絵づらはけっこう好み。

炎を吐き出す魔獣キメラや阿修羅マンのような出で立ちで兵士をバッサバサと斬り捨てるマカイ、そしてペルセウスが乗る黒馬のペガサスなどCGクリーチャーも魅力的で、重量感もあって良かった。

また、バカでか溶岩巨神兵クロノスもロードオブザリングに出てくる火のたてがみと炎のムチを持つ怪物バルログを想起させたけど、溶岩を絨毯爆撃のようにバラバラと振りまいて圧倒的だった。

でも、これってほんとLOTRのデジャヴを見ているかんじだったな・・w

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300 スリーハンドレッド

P0001555  出演:ジェラルド・バトラー、レナ・へディ、デヴィッド・ウェンハム、ドミニク・ウェスト

監督:ザック・スナイダー

(2007年・アメリカ・117分)DVD

評価★★★☆/70点

内容:紀元前480年、大帝国ペルシアはスパルタを次なる標的に定め、ペルシア大王クセルクセスに服従の証を立てるよう迫ってきた。これに対し、戦闘国家スパルタの王レオニダスはそれを一蹴、100万の軍勢で迫ってくるペルシアと戦うことを決意する。そして、レオニダスのもとには300人の精鋭が集結した!ヘロドトスの「歴史」でも記されているテルモピュライの戦いを舞台に描いたフランク・ミラーのグラフィックノベルを映画化。

“嗚呼!!少年ジャンプ黄金時代!”

この映画を見ていて真っ先に思い浮かべたのが“北斗の拳”“花の慶次”だ。

ようするに原哲夫の漫画なのだが、荒ぶる「漢(おとこ)」気質とやたらに醜悪な敵キャラはそのまんまだし、「仲間たちとの絆は絶対にちぎれない」=友情、「苛酷な鍛錬と場数を積んで経験値を上げていく」=努力、「バリ3根性で戦えば例え己の命が尽き果てようとも決して負けることはない」=勝利という少年ジャンプ精神まで受け継いでいる始末。

ジャンプ黄金世代の匂いをこれほどまでにトレースしてくれた映画が今までにあっただろうか!?、、って製作者にそんな意図など100%なかっただろうけど

ホモッ気漂うクセルクセス王をイランのアフマディネジャド大統領になぞらえて、アメリカンフリーダムの精神のもと、健常者アメリカが蛮族イランに鉄槌を下すというプロパガンダとも容易にとれてしまうほど映画レベルとしては相当にエグくて低いのだが、単純に80年代少年ジャンプの世界観を堪能できたことを評価したいのでこの点数っス。。

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300<スリーハンドレッド>帝国の進撃(2014年・アメリカ・103分)WOWOW

 監督:ノーム・ムーロ

 出演:サリヴァン・ステイプルトン、エヴァ・グリーン、レナ・ヘディ、ハンス・マシソン、ロドリゴ・サントロ

 内容:テルモピュライの戦いで惨敗したペルシア帝国はそれでも侵略の手を止めなかった。美貌の女将軍アルテミシア率いるペルシアの大艦隊がエーゲ海を席巻し、ギリシャに迫っていた。それに対し、かの戦いで美しく散ったスパルタ軍の魂を受け継いだテミストクレス将軍率いるギリシャ連合軍が立ち向かい、圧倒的な戦力差がありながらも勇猛果敢に跳ね返していく。そんな中、ギリシャ人でありながら、ギリシャへの復讐に燃えるアルテミシアは、テミストクレスを取り込もうと画策する・・・。

評価★★/40点

前作は300人vs100万人というえげつないシチュエーションにテンションがアゲアゲになるんだけど、今回はそういう特異な要素もなく、ひたすら筋肉祭りに付き合わされる100分間は正直ツライ(笑)。

いや、見所となる要素もなくはないはずだった。

前作で壮絶な玉砕を遂げたレオニダスの遺志を継ぐギリシャ将軍テミストクレス、ギリシャ人でありながらペルシアの女将軍としてギリシャへの復讐の鬼と化すアルテミシア、その彼女の義弟で目前で父王をテミストクレスに射抜かれ親の仇に燃えるクセルクセスというトライアングルはシェイクスピアの四大悲劇に通じるキャラクタリゼーションを持っているのだけど、作り手の興味はマッチョと飛び散る血のりとスローモーションにしかないらしく・・

紅一点エヴァ・グリーンの蟻地獄のような妖艶さが筋肉バカ以上に突出していただけにもったいないなぁというのが正直な感想。

まぁでも、そんなこと言っても聞く耳もたないよねコイツらと思わせるほど“ギリシャ無双”ゲームに特化した作りは潔いというしかないのかな。。

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パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々(2010年・アメリカ・121分)WOWOW

 監督:クリス・コロンバス

 出演:ローガン・ラーマン、ピアース・ブロスナン、ユマ・サーマン、ショーン・ビーン、キャサリン・キーナー

 内容:母親と暮らす高校生のパーシー・ジャクソンは、ある日、“ゼウスの稲妻”を返せ!と叫ぶ化け物に襲われ、母までさらわれてしまう。そして彼はギリシャ神話の神々と人間との間に生まれた“デミゴッド”であること、そして父親は海王ポセイドンだという衝撃の事実を知らされる。さらに全能の神ゼウスの最強の武器である“稲妻”を盗んだ犯人にされたパーシーは、“稲妻”を探し出し母を救い出すため仲間と共に旅立つのだが・・・。

評価★★★/60点

“お笑い芸人モンスターエンジンのネタ、暇をもてあました神々の遊びを豪華ハリウッドリメイク!?”

同じくギリシア神話をモチーフにした「タイタンの戦い」を先に見ていたのだけど、3Dアクション大作とは打って変わって、児童文学を下敷きに現代風にアレンジした学園青春ファンタジーに生まれ変わった本作も見てるぶんにはそこそこ楽しめる作品に仕上がっていたとは思う。

エンパイアステートビルが神々の住処、ラスベガスが怠惰の象徴、ハリウッドが地獄の入口などアメリカの名スポットをうまく設定に盛り込んでくるあたりもなかなか面白い。

そこはファミリー映画の大王クリス・コロンバスの十八番なのだろうけど、まぁ全体としてみればあくまでティーン向けというかんじ。

そのわりに脇がものすごく豪華なんだけど(笑)。

続編ありきなのかな。ハリポタもクリス・コロンバスだったし、二匹目のドジョウを狙ったのか。。にしてはライトすぎて薄っぺらいような・・。

どうせなら聖おにいさんみたいなシュールなコメディにしちゃえばいいのにw

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トロイ(2004年・アメリカ・163分)MOVIX仙台

 監督:ウォルフガング・ペーターゼン

 出演:ブラッド・ピット、エリック・バナ、オーランド・ブルーム、ダイアン・クルーガー

 内容:古代ギリシャ。和平のためスパルタを訪れたトロイの王子パリス(オーランド・ブルーム)がスパルタの王妃へレン(ダイアン・クルーガー)に一目惚れ。あろうことかこのイケメン王子、ヘレンを口説き落として帰国してしまう。これにスパルタ王はブチギレ!ヘレン奪還を名目に全ギリシャ軍を挙兵し、ここにトロイvsギリシャの一大戦争が幕を開ける。

評価★★☆/50点

今から3200年前の話だけど、今から3200秒後の歴史にさえまずもって名を残さない映画だなw。

人物が全くもって多面的に描かれていないのがホントに致命的・・。なんたって何か問題が起きれば「すべては神々の思し召し」で片付けられちゃうんだから。

だからまぁパリスみたいな空っぽ一直線キャラになっちゃうのも当然といえば当然なんだけど。。

戦闘シーンが意外にも出色だっただけに、埋もれ忘れ去られていくにはちょっと惜しい気もするけど、致し方なしのポイ捨て映画。

2015年12月11日 (金)

夢のシネマパラダイス162番シアター:地獄でなぜ悪い

地獄でなぜ悪い

Mig出演:國村隼、堤真一、長谷川博己、星野源、二階堂ふみ、友近

監督・脚本:園子温

(2013年・日本・129分)WOWOW

内容:一世一代の傑作映画を撮ることを夢見る30手前のフリーター・平田のもとについに映画製作の話が舞い込んだ。依頼者は獄中にいる妻のために、かつて子役として活躍した娘のミツコを主演に映画を作ろうとしていたヤクザの組長・武藤。当初、監督はミツコに無理やり頼まれたド素人の橋本だったが、映画を完成させないと殺されることに肝を冷やした橋本が奇跡的に出会ったのが平田だったのだ。こうしてスタッフ&キャストは手下の組員、しかもテーマは現実に敵対する池上組への殴り込みという前代未聞の映画撮影が幕を開ける・・・。

評価★★★☆/70点

映画バカにささげるオマージュを散りばめた映画愛をうたった映画って古今東西あるけど、そのてのものって甘酸っぱいノスタルジー色に彩られたものが多い。ニューシネマパラダイスはもとより三谷幸喜の「ザ・マジックアワー」しかりJ.Jの「スーパーエイト」しかり「桐島、部活やめるってよ」しかりだ。

しかし、これはどうだ!

露悪的で破壊的で不健全でアンバランスでとにかく滅茶苦茶w、狂気の沙汰に針が振り切れた全力歯ぎしりレッツゴー!な超激辛ムービーを見せられてしまうとは。

甘酸っぱさとは真逆の唯一無二の悪趣味全開バカ映画!

それ以上でも以下でもない(笑)。

しかし、途中で息切れすることなく130分ハイテンションで突っ切る力技はスゴイの一言。これが撮れたら死んでもいいというほどの一生に一度の名作がヤクザのガチの殺し合いというハリボテ感をなんなく突き破っていく阿鼻叫喚のカタルシスが、映画にかける情熱をブラックなユーモアに昇華させている。過剰すぎる表現方法の好き嫌いは別にしてそこだけは認めざるをえない。

役者陣もこんな血みどろ大宴会によく付き合ったと思うよww

でも、なんというか、こんな雑極まりない映画を認めたくない自分もいたりして・・

映画愛を露骨にセリフで何遍も語らせるのもなんか違うし、結局映画はハリボテでしかないんだよと予定調和な落としどころをさらに突き破る「はい、カット~!」の掛け声で締めるラストも、ここまできて監督の照れ隠しかよっと引いちゃったしw

まぁでも、今回は園子温の映画バカっぷりの軍門に潔く降るよ。あー負けだ負けだ。こっちももうヤケッパチだww

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51286kamata_640 出演:松坂慶子、平田満、風間杜夫、清川虹子、蟹江敬三、原田大二郎、萩原流行

監督:深作欣二

(1982年・松竹・109分)WOWOW

評価★★★☆/70点

内容:『新撰組』を撮影中の花形スター銀四郎は、お嬢様との見合い話が進み、妊娠してしまった恋人の女優・小夏が邪魔になり、取り巻きの大部屋俳優の一人ヤスに彼女を押し付ける。彼女の大ファンだったヤスは、小夏と結婚し、生まれてくる子供も我が子として育てることを承知するが・・・。

“戸籍は屁よりも劣るのかぁーッ!”

テンション5割増の超ハイテンションで繰り広げられる失笑もんの青くさいドタバタ劇に最初は付いていけなかったんだけど・・。

しかし、大見得を切りながら二枚目の大根役者・銀ちゃんを演じきった風間杜夫。その銀ちゃんにドツかれまくりながらも、「これがこれなもんで~」という名ゼリフとともに大部屋俳優としてのプライドと意地を見せていくヤスに扮した平田満。そして銀ちゃんの子をはらませた落ち目の女優とヤスとの結婚生活に本当の幸せを見出していく良き妻との間で揺れ動く女心を泣きじゃくりオッパイまでさらけ出しながら熱演した松坂慶子。

彼らの体当たり演技に裏打ちされたアツい空気とテンションに力づくで映画の中に引きずり込まれてしまった・・・。

永遠に続くかと思われるハイテンションを、これは劇中劇でっせというラストのオチで綴じたのも巧かったし、全てが納得できたかんじ。

しっかし、10メートルの高さの大階段は見てるこっちが足すくむわな(笑)。

人間が1番恐いと実感する高さは10メートルなんだそうな。くわばらくわばら・・・。

でも、タイトルに蒲田って付いてるから、松竹を思い浮かべちゃうけど、映画の舞台はどう見ても東映京都撮影所なんだよね(笑)。あてつけか何かなのかしらw?

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キネマの天地(1986年・松竹・135分)NHK-BS

 監督:山田洋次

 出演:中井貴一、有森也実、渥美清、松坂慶子、倍賞千恵子、すまけい、笠智衆、岸部一徳、田中健、松本幸四郎、柄本明、ハナ肇

 内容:昭和初期。浅草の活動写真小屋で売り子をしていた小春は、松竹の映画監督に見出されて蒲田撮影所の大部屋女優となる。彼女はすぐに演技の難しさに直面するが、周りの人々の励ましもあって少しずつ女優として成長していく。やがて、大作の主演に決まっていた大スター川島澄江が愛人と失踪し、小春に代役が回ってくるが・・・。

評価★★★/60点

山田洋次に井上ひさしに山田太一という個性の強すぎる巨匠がトリオで脚本に参加しているけど、えてしてそういうコラボってお互いの良さを消し合って逆効果になっちゃうんだよね。で、これもご多聞にもれず、あまり統一感のない作品に仕上がってしまった・・・。

ただ、松竹大船50周年企画のお祭り映画という意味では日本映画草創期の映画ネタと楽屋オチが楽しめるのもたしかで、個人的に1番面白かったのはアカ狩りで思想犯の部屋に踏み込んできた特高警察がマルクスの本を見つけるんだけど、その本がハリウッドのナンセンスギャグマイスターのマルクス兄弟の本だったというシーンw

他にも宮崎駿の「風立ちぬ」でドイツ人スパイのカストルプがピアノの弾き語りをしていた曲“ただ一度だけ♪”を木の実ナナがビアホールで歌ってたり、、って30年を経ての邂逅ってスゴッ。

あとは何といっても渥美清の名人芸にこの映画が救われていることは口を強くして言っておかなければならない。寅さんの父親役というのも珍しくて見どころだったけど、味わいがあって良いんだよね。特に渥美清と笹野高史のかけ合いは絶品だった。

まぁ、全体的にいえば駄作だけどw、見て損はしないso-so映画といえるだろう。

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イン・ザ・ヒーロー(2014年・東映・124分)WOWOW

 監督:武正晴

 出演:唐沢寿明、福士蒼汰、黒谷友香、寺島進、小出恵介、及川光博、加藤雅也、松方弘樹、和久井映見

 内容:戦隊ヒーローショーや特撮ドラマなどで着ぐるみをかぶるスーツアクターを25年やっている本城渉。いつか“顔出し”で映画出演するという夢を追い続けているが、妻子には逃げられ、訪れたチャンスも売り出し中の新人・一ノ瀬リョウに奪われてしまう。ところが、そんな本城のもとに、ハリウッドから忍者アクション大作への出演オファーが舞い込んできた。が、その内容は命がけのあまりにも無謀なスタントだった・・・。

評価★★★☆/70点

映画を見た後日に、日本のアクションスターのパイオニアである千葉真一がたまたまバラエティ番組に出ていて面白いエピソードを話していた。

自分が主演したアクション映画のアクションシーンで、相手役のアクションも自分が吹き替えでやらなければならないほどアクションスタントをこなせる人材がいなくて、これではいかんということで人材育成のために1970年にジャパンアクションクラブ(真田広之、伊原剛志、堤真一などを輩出)を立ち上げたというのだ。

ハリウッド映画で好きなアクション映画は?とか香港映画で好きなアクション映画は?という問いには真っ先に答えられるのに、日本映画で好きなアクション映画は?となると答えに窮してしまう理由が分かった気がしたけど、作り手の裾野の狭さがいまひとつクオリティが上がってこなかった要因なんだなぁと。。

まぁ、七人の侍やるろうに剣心、十三人の刺客といったチャンバラ活劇は世界水準を凌駕しているけど、それくらいだよね。

でも、普段何気なく楽しんで見ているアクション映画の裏には映画バカたちの夢と裏方スタッフの頑張りがたくさん詰まっているんだなぁと思えたし、アクションはリアクションがあって初めて成立するチームプレーという言葉が心に染みた。

大団円のアクションシーンも気合の入った仕上がりで説得力があったし、今回の映画は全体的にみても印象深い作品になっていたと思う。

しかし、戦隊ヒーローの中に入っているのがブラジャー付けたオッサンって、、この映画は子供には見せられないな(笑)。

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