2009年10月18日 (日)

夢のシネマパラダイス403番シアター:三谷幸喜特集

12人の優しい日本人

00000398526l 出演:相島一之、塩見三省、豊川悦司、大河内浩、梶原善

監督:中原俊

(1991年・日本・116分)NHK-BS

評価★★★★★/100点

内容:シドニー・ルメットの「十二人の怒れる男」に触発された三谷幸喜の同名舞台劇を映画化したディスカッション・コメディ。殺人事件の陪審員に選ばれた12人の男女が評決を下すまでの数時間を描く。始めは全員が無罪に投票したが、陪審員2号が意義を唱えて有罪に意見を変えたため、12人は延々と続く議論を始めることになった。

“Shall We Talk?”

監督の個性の赴くままに撮られているようでいて実は完璧に計算されつくした理詰めの緻密なカット割りのもとで、陪審員室という密室を縦横無尽に回転させ緊迫した鼓動を響かせた「十二人の怒れる男」。

一方、監督の個性の赴くままに撮られているようでいて実際まったくその通りな本作「12人の優しい日本人」。

そこに映画的な鼓動は見当たらない。

しかし、三谷幸喜の個性の赴くままにあっち行ったりこっち来たりで混乱をきたすシナリオのようでありながら実は完璧に計算されつくした理詰めの構成とセリフと人物造型のもとで、陪審員室という密室を笑いと興奮のるつぼに満ちあふれさせたことは、先の欠点を補って余りある。

そして自分はこちらの方も好きで好きでたまらないのだ。

              ・

              ・

              ・

<陪審員 みんなでやれば 怖くない>by日本人

ちなみにアメリカ人なら、

<陪審員 ヒーローになれるから 怖くない>

ドイツなら、

<陪審員 規則でやるから 怖くない>ってとこでしょうかね。。

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ラヂオの時間(1997年・東宝・103分)DVD

 監督・脚本:三谷幸喜

 出演:唐沢寿明、鈴木京香、西村雅彦、戸田恵子、細川俊之

 内容:生まれて初めて書いたシナリオが採用され、脚本家としてデビューすることになった主婦・鈴木みや子は、そのラジオドラマ「運命の女」の生放送の収録スタジオにやって来た。ところが本番直前になって、主演女優の千本ノッコが自分の役名が気に入らないとゴネ始め、プロデューサーの牛島はその場を納めるために彼女の要求通り役名をメアリー・ジェーンに変更する。が、それに合わせて他の登場人物の役名も外国人名に変えていくうちに物語はつじつまが合わなくなっていき・・・。

評価★★★☆/70点

CM入りっぱなしのラジオドラマ「運命の女」は眠気をもよおすツマラなさ、、なのに映画はそこそこ面白い・・・。

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みんなのいえ

Minnanoie02 出演:唐沢寿明、田中邦衛、田中直樹、八木亜希子、伊原剛志、野際陽子、中井貴一

監督・脚本:三谷幸喜

(2001年・東宝・115分)2001/06/19・日劇

評価★★★/65点

内容:脚本家の直介(ココリコ)と妻の民子(元フジアナ)はオシャレなマイホームを夢見る若夫婦。2人は新進気鋭のインテリア・デザイナー柳沢(唐沢)に設計を依頼し、施工は民子の父親で大工の長一郎(北の国から)が行うことになる。が、柳沢があげてきた設計図を見て頑固一徹の長一郎は絶句。。プライドの高い正反対の性格である2人はことあるごとに対立を繰り返し・・・。果たして新居は完成するのか!?

“「ダメだ、、、、自分の問題ですから。」とバーテン真田広之みたいに客を無視して一から妥協しないで作り直してもらいたいかも、職人三谷さん。。”

とはいうものの映画というのは、そもそものところどこかしら妥協の産物なのだろうからなぁ、黒澤天皇といった例外を除けば。

さらにいえば、脚本、演出家として一流の職人である三谷幸喜のものづくりに対するモットーがそっくりそのままこの映画に反映されているのかもしれない。

脚本は基本的には一人で完成させることができるが、映画にしろ舞台にしろ一人の力で作り上げるのはまず不可能。

様々な分野の職人が寄り集まって1つの作品を完成させるのだから。

その際、職人と職人、プロとプロとのぶつかり合いの中で、やはりどこかで妥協というものが必要になってくるわけで、そう、この映画で描かれた家造りと同じように。

バーテン真田は完全に一個人の世界へと没入していく、だからこそまさに自分の問題であるわけで、三谷さん自身もシナリオ作りに関してはバーテン真田になっているのだろう。

しかし、それらの集合体としてのひとつの家造り、映画作りは三谷さんに言わせれば題名にある通り、まさにみんなの問題なのだ。家族みんなの。監督一人の問題ではなくスタッフみんなの。

もしかして、それは田中邦衛親父のような職人の本来の気質とは相容れない考え方なのかもしれない。

三谷さん自身もシナリオ作りに関してはそういう面を持っているのだろうが、映画づくりにおいては唐沢デザイナーへと変貌を遂げるのだろう。一歩引いた形での立ち位置で。

ものづくりは傲慢にならなければ良いものを作り上げることはできないという面もある。しかし三谷さんはそういうやり方じゃなくても、ひとつの目的に向かってみんなが同じ方向を向いて作り上げる上においては、傲慢ではなく妥協と譲歩によってこそ良いものができるのだと言っているのだと思う。

これは笑いというある意味では最も難しい題材を毎回取り上げている三谷さんだからこそ言えるなんとも奥深い含蓄ある主張だと思うんだよね。

ここまで書いてきて、あれ、それで評価★3つなの??と気付いたけど・・・・。

やはり傲慢な血がたぎりまくっている映画を観るとこっちも熱くなるんだよな・・・。そういう独善的な映画の方が実際好きなのだ。。。

ごめんなさい三谷さん。

あなたはイイ人だ。これからもあなたの映画を観続けていくことだけは間違いない。大好きです!

取ってつけたような、、、(笑)ホントにゴメンなさい。。

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竜馬の妻とその夫と愛人

Vxbregygu 出演:木梨憲武、中井貴一、鈴木京香、江口洋介、橋爪功、トータス松本

監督:市川準

(2002年・東宝・115分)2002/09/24・シャンテ・シネ

評価★★★/60点

内容:三谷幸喜が2000年に書き下ろした舞台劇の映画化。坂本竜馬が暗殺されてから13年後の明治13年。新政府の間に維新の英雄である坂本竜馬の妻おりょうのよからぬ噂が広まっていた。これ以上竜馬の名声を汚すわけにはいかんと、役人でおりょうの義弟・菅野覚兵衛が竜馬の十三回忌を催すためという名目でおりょうの下に送られる。そこで彼が見たものは、西村松兵衛というサエないテキヤと再婚し、なおかつ竜馬にそっくりの愛人・虎蔵と駆け落ち寸前という有り得ない状況にあるおりょうの姿だった・・・。

“舞台という三次元的な文法を映画という二次元的な文法に落としこむことができていないため、どうしても単調かつ窮屈に感じてしまう。”

舞台のテンポや臨場感を出すための必須方法として長回しをこの映画でも使ってはいるが、なかなか画面に効果として表れてこないのが苦しい。

特に松兵衛のおんぼろ長屋での松兵衛&覚兵衛vs虎蔵のおりょう争奪舌戦(おりょうは外で最初待機しているが途中で中に入ってくる)での4人の掛け合い応酬のシーンなどはその典型で、どうも市川準のテンポにうまく乗ることができない。。

まぁ、シナリオの面白さだけが浮き立ってしまったかんじだが、その中でまるでビックリ箱みたいにどんなサプライズが出てくるのか良い意味で分からないノリさんの演技に救われたかんじかな。

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笑の大学

Wara 出演:役所広司、稲垣吾郎、高橋昌也、小松政夫

監督:星護

(2004年・東宝・121分)2004/11/08・MOVIX仙台

評価★★★★/75点

内容:太平洋戦争突入目前の昭和15年。言論・思想統制が厳しさを増す時代、芝居もまた台本の段階で厳しい検閲を受けていた。そんな年の秋、連日バッサバッサと検閲で台本を切り捨てていくカタブツ検閲官・向坂(役所)のもとに今日やって来たのは、浅草の軽演劇一座“笑の大学”の座付き作家・椿(ゴロー丸)。ここに一度も笑ったことがない男と笑いに命をかける男の必死の攻防戦が幕を開ける!

“役所広司の椿は想像できるが、稲垣の向坂は想像できない。”

それだけ役所広司の役者としての幅が広いのは一目瞭然で、もし両者が役を入れ替えたら稲垣の向坂よりも役所広司の椿の役回りの方で笑えてしまうのではないかと容易に勘ぐってしまうくらいだ。

例えばこの映画で向坂のサルマタ失敬!は笑えるが、椿のサルマタ失敬は笑えない。

それは当然といえば当然で、お堅い検閲官がサルマタ失敬!をやるから笑えるのであって、笑いをつくる椿がそれをしても笑えないのかもしれないが、役所広司が椿だったら笑えるんじゃないかという期待が俄然出てくる。それくらい役所広司は凄いし巧いと思う。

この映画で笑えるところといったらほとんどが役所広司・向坂パートで、稲垣の椿パートで笑えたのは椿と向坂の最初のやり取りで稲垣がセリフを噛みそうなところくらいだ(笑)。ウンナンのナンチャンに負けず劣らずカミカミマンかも。。

もうちょっとなんかこう椿はなんとかならなかったかなぁ、と。

その他脚本、演出ともに別段映画にしなくてもいいのではないかと思わせてしまうくらい特に取り立てて言うべきこともないのだけど、役所広司はホントに凄いというただ1点のみだけでこの映画を観る価値はなんとか見出せた。

向坂の指示どおりに椿が最後に書いてきた笑えない台本を読んだときの役所広司の演技は絶品です。

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THE 有頂天ホテル

B000c5pnt6_09_lzzzzzzz 出演:役所広司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、篠原涼子、戸田恵子、生瀬勝久、麻生久美子、YOU、オダジョー、角野卓造、寺島進、原田美枝子、唐沢寿明、津川雅彦、伊東四朗、西田敏行etc..

監督・脚本:三谷幸喜

(2005年・東宝・136分)2006/01/26・盛岡フォーラム

評価★★★★★/90点

内容:新年を控えた大みそかの夜。都内の高級ホテル“ホテルアバンティ”ではカウントダウンパーティーを2時間後に控えていた。ホテルの威信に関わる一大イベントを無事に終えることが副支配人の新堂に課せられた責務だったが、そんな新堂をあざ笑うかのように従業員とワケあり宿泊客たちを襲う数々のトラブル。はたして彼らは新年を無事に迎えることができるのか!?

“観終わって自然と笑みがこぼれ幸せになれる映画。”

単純なことだけど、昨今そういう映画がことに少ない。

最近はとかく考えさせる映画が流行りだが、中にはただ無駄に凝っているだけで、当の映画、作り手が世界をどう捉えているかが全く分からない意味不明な作品も多々存在する。

その中で、三谷作品は世界を、人間をどのように捉え、どのように考え、どのように表現するかという「創る」ことに関して非常に洗練されていると思う。

それは25人(+1匹)の人間たちの多面的な人生模様を個性を殺さずに切り取っていることからだけでも十分すぎるほど分かる。

しかも、彼らの人生模様は連鎖しつながっているのだ。

ミスチルが人間は連鎖する生き物だよ♪と歌っているように、人と人はつながっているんだということを面白おかしく36度5分の人の温もりで描写していく。

“幸せを運んでくるお人形”を巧く使ってリレーのように接点を分かりやすく明示したのも手法として本当にうまいと思う。

また、特に今回の作品では3番目のどのように表現するかという部分で三谷“監督”は腕をあげたといっていいのではないかと思う。

今までの三谷映画は舞台のエッセンスが前面に押し出され、「映画」という枠の中で見るにはどこか違和感がつきまとっていた。

しかし、今回の作品は、舞台的でありながら、しかし決して舞台ではないその微妙なバランスの中でれっきとした映画として何の違和感もなく最後まで見ることができた。

それは、セットの緻密さといった美術や裏方の面の貢献も大きいと思うのだが、三谷演出も長回しなど舞台演出の味を残して底上げしつつ、映画としてのレベルを保っていたと感じた。

とにもかくにも上質で純粋に面白い“パクリ”映画を心ゆくまで楽しませてもらった。良い意味でのパクリでっせ。。

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ザ・マジックアワー

The_magic_hourthumb 出演:佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、西田敏行、小日向文世、寺島進、戸田恵子、伊吹吾郎、香川照之

監督・脚本:三谷幸喜

(2008年・東宝・136分)2008/07/04・盛岡フォーラム

内容:港町・守加護。街を牛耳るギャングのボス・天塩(西田敏行)の愛人マリ(深津絵里)に手を出し、海に沈められる寸前の備後(妻夫木聡)。助かる唯一の条件として天塩が示したのは、5日以内に伝説の殺し屋デラ富樫を連れてくること。そこで備後は最後の手段として映画監督になりすまし、無名の俳優・村田大樹(佐藤浩市)を雇って、映画撮影と称してデラ富樫役を演じさせ、天塩をダマすことを画策するが・・・。

評価★★★★★/100点

三谷監督の前作「THE有頂天ホテル」の流れをくむ愛すべき“パクリ”映画といえると思うけど、今回のパクリ方は壮大そのもので、ギャングが街を牛耳る暗黒街=シカゴを連想させる架空の町・守加護(スカゴ)を舞台にしているのがキモで、今までの作品をはるかに超える大風呂敷の広げ方といっていい。

しかも、街のメインストリートといい港の波止場といい、あからさまにこれはオープンセットですよといわんばかりのリアリティのない舞台装置の造りは完全に舞台演劇向きで、これを映画で仕立てようというのはかなりの力量を要するといわなければならない。

が、今回、三谷監督はそれを嬉々としてやってのけてしまった。

映画の撮影と思い込んで伝説の殺し屋役を演じる売れない役者と、伝説の殺し屋と思い込んで仲間に引き入れる本物のギャングが誤解に誤解を重ねるシチュエーションコメディというストーリーラインの設定の勝利といえばそれまでだけど、マジックアワーが太陽が地平線の向こうに落ちてから光が消えてなくなるまでの淡い光に包まれた昼と夜の境目を表わすごとく、虚構と現実を時には重ね合わせ時には逆転させ行き来させた巧さは特筆もので、まさに喜劇のマジックアワーを堪能できてしまう。

そして、その虚構と現実の境目にある守加護というつくりものの街がまぁ見事にマッチしているんだわ。

また、裏方さんに至るまでそれぞれの登場人物に“人生で最も輝く瞬間”を提供しているのも三谷監督らしい演出ぶりで買いだし、なによりも映画への愛にあふれているのがイイ。

市川崑監督の「黒い十人の女」(1961)のオマージュを中井貴一&天海祐希の劇中映画で出してくるのを皮切りに、映画撮影の舞台裏を表舞台に反転させたシナリオは三谷監督の並々ならぬ映画好きが滲み出てくるものになっている。

「カサブランカ」(1942)をパロッたと思われる「暗黒街の用心棒」なる名画(?)に憧れる売れない役者の映画にかける思い、スクリーンにかける思いがイタイくらいに伝わってくるのも印象的で、思いもかけず自分の大写しの映像がスクリーンいっぱいに映し出されているのを見るシーンは涙してしまうほど感動してしまったweep

ギャングのボス天塩と愛人マリがラストで元サヤに収まるオチも「純然たるコメディ」を貫いていてヨロシイし、最後まで抱腹絶倒の映画を作ってくれた三谷監督に拍手!

それに加えて、家族みんなで見に行ったんだけども、館内もゲラゲラ笑いっぱなしで、映画の本来あるべき姿というのを体感できてもの凄く幸せなひとときを過ごすことができた気がする。

三谷監督は日本のビリー・ワイルダーといっても過言ではない!?

2009年10月16日 (金)

夢のシネマパラダイス615番シアター:レッドクリフ

レッドクリフPartⅠ

279_2 出演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、チャン・チェン、ヴィッキー・チャオ、中村獅童、リン・チーリン

監督:ジョン・ウー

(2008年・中/日/台/韓・145分)2008/11/23・盛岡フォーラム

内容:西暦208年。魏の曹操は呉蜀の制圧に向け80万の大軍を率いて南下を開始した。最初の標的となった僅か2万の劉備軍は、関羽・張飛・趙雲らの猛将を擁しながらも敗走を重ねる。そして、天才軍師の諸葛孔明は、江東の孫権との同盟を結ぶ以外に道はないと進言し、自ら呉の地へと赴く。そこで孔明は、呉の司令官・周瑜と出会う。。

評価★★★★/75点

人形劇、漫画、TVゲームと子供の頃から連綿と付き合ってきた三国志が満を持して実写映画として登場!ということだけでも血湧き肉躍る心持ちにさせられるのだけど、と同時に横山光輝が60巻かけて描いた大長編を2部作とはいえ描ききるのは到底無理という中で、三国志最大の見せ場である赤壁の戦いに的を絞ったのは賢いやり方だったとは思う。

その中で、人物紹介もそこそこに観客をいきなり渦中に巻き込む演出は三国志初心者の目にどう映るかは疑問だけど、織田信長や徳川家康、武田信玄にいちいちキャラクター説明が不用なように、三国志の登場人物も同じであるオイラからするとかなり満足のいく出来。

唯一、劉備だけは覇気のないオッサン風のバカ殿っぽく描かれていて意外だったけど、孔明や関羽を引き立たせるための設定だったのかも。そういう点では孫権もやや頼りなさげで、これも周瑜を引き立たせるためだったのだろう。

まぁ、演出といったって、ぶっちゃけオールスターキャスト時代劇の忠臣蔵を見るようなものだから、大ボケかまさないかぎりは面白くならないはずがないフォーマットだからね。

その中で、全体としては、人海戦術とCGを駆使したド派手な戦闘アクションを基本とした構成の中で、関羽・張飛・趙雲といったおなじみの英雄の大見得を切る見せ場もたっぷりあってファンとしては嬉しいかぎりのシーンの連続だったし、周瑜と孔明のカリスマ博識バトルはゾクゾクもの、絶世の美女・小喬(リン・チーリン)には目を奪われっぱなし、さらに三国志の様々なTVゲームで大変お世話になった最強布陣・八卦の陣を壮大な実写で見れたとくれば、あれよあれよという間の2時間半で、赤壁の戦いに向けてオイラのテンションはMAX状態!

まだ、大本番前の第一幕でしかないので評価しづらいところだけど、まずはこの壮大な歴史スペクタクルの夢の映像化に祝福を送りたい。

約15年ぶりにアジア圏に凱旋してきたジョン・ウーの並々ならぬ意気込みがスクリーンからも伝わってきたし、久々にこれが娯楽映画だ!と思える映画を見れた気がする。

第二幕に期待っス。

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2009年7月 6日 (月)

夢のシネマパラダイス71番シアター:レイジング・ブル

1900_0166 出演:ロバート・デ・ニーロ、キャシー・モリアーティ、ジョー・ぺシ

監督:マーティン・スコセッシ

(1980年・アメリカ・128分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:実在のプロボクサー、ジェイク・ラ・モッタを主人公に、彼の不屈の闘志をセミドキュメンタリータッチで描いた作品。

“言っちゃなんだけど、、、雄牛よりもたち悪いだろ、このおっさん”

同じボクシング映画でもこの映画は「ロッキー」のような努力とド根性のスポ根映画ではない。

努力も何もない映画だ。ただ拳闘の強い男ジェイク・ラ・モッタが存在するだけの映画だ。

では何を描くのか。

普通ならば、このての映画はリング外での物語がポイントになってくるが、主人公のリング外での成長度合いなどといったカタルシスもこの映画ではかえって生ぬるいだけだ。優しさや暖かさは、そこには無い。

あるのは嫉妬、猜疑、独善、獰猛。まさに獣の匂いそのものである。

それゆえ、リング上での闘いの結果がどうであろうと観ている側にとってはほとんどどうでもいい。そこにカタルシスなど得られるわけがないのだから。

となると、リング上にあるのはこの映画では痛みだけである。

その点この映画でのボクシングシーンは的を射ている。

顔のズームアップを多用し、血しぶきが飛んだり、顔がひしゃげたりといった痛々しさが痛烈に伝わってくる。

そう、ただの痛み。感情の入り込む隙がないただの痛みである。

観ている側にとってはこれほど痛いものはない。そこに何ら意味を感じ取ることさえできないのだから。何か意味をもたせるとすれば、それは相手をマットにたたき付けるという貪欲さだけである。

そもそもジェイクが、なぜボクシングをやろうと思ったのかということでさえ、この映画では描かれていないのだから、考えてみるとスゴイことである。

逆にいえば、リングを降りても人間としては幼稚だが獰猛でいつも危険な香りを漂わせる獣であり続けるジェイクを描ききること、あるいは見つめ観察することに着眼点が置かれているのだといえよう。

リングが檻の中だとすれば、リングの外にいるジェイクは檻から解き放たれた状態の獣に他ならない。

リングの中とリングの外、どちらが危険かは言うまでもない。

この実話がもたらした逆転の構図にこそ観ている側は怖れを抱きおののくのだ。

この映画はボクシング映画でありながらボクシング映画ではない。スリラーともいえる部類の映画だといえる。

そして感情の入り込むことさえ許さない。

この映画は、白黒で正解だった。

(追記)キャシー・モリアーティがローレン・バコールにとても似ていて驚いた。

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傷だらけの栄光(1956年・アメリカ・113分)NHK-BS

 監督:ロバート・ワイズ

 出演:ポール・ニューマン、ピア・アンジェリ、サル・ミネオ、アイリーン・ヘッカート

 内容:NYの下町に生まれ育ったロッキー・グラジアーノ。感化院送りになった不良少年時代を経て軍隊に入隊するものの、そこでも軍刑務所送りに。しかし、そこで出会った刑務官に素質を認められ、プロボクサーを目指すが・・・。ポール・ニューマンの出世作にして、スティーブ・マックィーンのデビュー作としても有名。

評価★★★★/75点

“これがホンマもんのロッキーだった!”

ロッキー・グラジアーノのケンカと暴力に明け暮れる世間知らずのチンピラ男風情は、まるで矢吹丈そのもので、特に前半のロッキーの手のつけられない暴走っぷりは、まんまあしたのジョー。

しかも、それを体現するポール・ニューマンがカッコ良いのなんのとくれば映画に引き込まれないわけがない。

とにかく、これが実質デビュー作というのが信じられないくらいのポール・ニューマンのキレキレの存在感にただただ圧倒されっぱなしの2時間だった。

難点としては、宿敵ゼールの存在感がちょい薄かったことくらいかな。

とはいえ、試合の演出なんかも50年代という時代を考えればよく出来てたし、シルベスター・スタローンのロッキーと見比べてみても面白いと思ったし、かなり収穫のある映画だったことはたしかだ。

ポール・ニューマンの映画見直してみよっ。

夢のシネマパラダイス542番シアター:ベスト・フレンズ・ウェディング

Bestfriends 出演:ジュリア・ロバーツ、ダーモット・マルロニー、キャメロン・ディアス、ルパート・エヴェレット

監督:P・J・ホーガン

(1997年・アメリカ・105分)仙台セントラル劇場

評価★★★★/80点

内容:大学時代の恋人から結婚すると知らされたキャリアウーマンのジュリアン。花嫁の付添い人となって、彼の心を再び引き戻そうと画策するのだが・・・。

“こんなに面白おかしく、ちょびっツ切なく哀しく、しかしもの凄く心が暖まって感動できる失恋映画をオイラは他に知らない。”

ハリウッドで勝ち組街道を邁進し、映画で共演した男優を落としまくり、まさにハリウッドの女王の座に君臨するまでに至ったジュリア・ロバーツは映画の中でも負けを知らない男勝りの女王そのもので通してきた。

今回の作品より時代は下るけど、「エリン・ブロコビッチ」(2000)でバツ2の子持ちで預金残高16ドルという社会的弱者&負け組下流女性に扮し、寄せて上げた胸とデカイ口をフル活用して、まくし立てにじり寄っていきながら勝利を勝ち取る姿にアカデミー賞が贈られたのはいわば自明の理であった。

そんな負けをも力ずくで勝ちにしてしまう女王ジュリア・ロバーツが、今回の映画においては、元カレの結婚を破談させようとアノ手コノ手で妨害破壊工作を展開するという、女王の風格に似つかわしくない大人げない作戦に打って出るという設定がまずは面白い。

しかも、その恋敵はジュリアになりかわって女王の座につくことになるキャメロン・ディアス!

新旧ロマコメ女王対決といってもいいゴージャスな配役であり、ジュリアとキャメロンが同じフレーム内に収まっているのを見るだけでも嬉しくなってしまう。特にジュリアン(J・ロバーツ)とキンバリー(C・ディアス)の初対面シーンは絶品です。

さらに、この映画がうまかったなと思うのは、キャメロン扮するキンバリーを気立ての良いお嬢様天然系として描いたこと。勝ち気で口八丁手八丁な猛者であるジュリアンを、ジャイアンも耳をふさいでしまうくらいの音痴な歌で制圧しちゃうのだからタダ者ではない(笑)。

日本でいったら、さしずめ篠原涼子vs蛯原友里といったところか。でも、話が進むにつれ篠原涼子が杉田かおるに見えてくるのがこれまた最高なんだよね。

新旧女王対決、数々の妨害工作がことごとく裏目に出て結果では負けたけど、内容ではボロ勝ちだったジュリアの勝ちーー!

いや、しかし、キャメロンも捨てがたい・・・。というか付き合うなら断然キャメロン。。

あ、そうそう、裏MVPはレストランでバート・バカラックの「小さな願い」を熱唱して店中大合唱にさせてしまったジョージ(ルパート・エヴェレット)に決定!

なにげにミュージカルな映画だったのもヨロシイ。

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幸せのポートレート(2005年・アメリカ・103分)NHK-BS

 監督・脚本:トーマス・べズーチャ

 出演:サラ・ジェシカ・パーカー、ダイアン・キートン、クレア・デーンズ、ダーモット・マルロニー

 内容:NYマンハッタンでバリバリに働くキャリアウーマンのメレディスは、クリスマスに恋人エヴェレットの実家に招かれることに。が、なかなか馴染めず家族に気に入られないメレディスは、妹のジュリーを呼び寄せるが・・・。

評価★★★/60点

そりゃサラ・ジェシカより断然クレア・デーンズの方だろ。その一言に尽きるわ、この映画は(笑)。

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理想の恋人.com(2005年・アメリカ・98分)WOWOW

 監督・脚本:ゲイリー・デヴィッド・ゴールドバーグ

 出演:ダイアン・レイン、ジョン・キューザック、エリザベス・パーキンス、クリストファー・プラマー

 内容:幼稚園の先生をする30代後半でバツ1の女性サラ。男っ気のなくなった彼女に家族たちは何かと縁談を探そうと躍起になり、姉と妹が勝手にサラになりすまして出会い系サイトにプロフィールを登録してしまう。しかし、それが功を奏してか、デートの申し出が次々と舞い込んでくるのだが、まともな相手が一向に現れず・・・。しかし、そんな時、ジェイクという好感の持てそうな男性とめぐり会う。

評価★★★/65点

“コンドーム調達に狂ったように東奔西走するダイアン・レインに5万点!”

結局見つからず、、、そしたっけば、え?サ、サランラップをかぶせるんですか、、、いや、巻くの(笑)?ローション使わないと入らないだろ・・・そこらへんでやめておけオレww。。。

あ、それ以外はいたってシンプルなラブコメでございました。。

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ラブソングができるまで(2007年・アメリカ・104分)NHK-BS

 監督・脚本:マーク・ローレンス

 出演:ヒュー・グラント、ドリュー・バリモア、ブラッド・ギャレット、キャンベル・スコット

 内容:80年代に一世を風靡したバンドの元ボーカル、アレックス。アイドル的人気も今は昔、現在ではすっかり忘れられた存在となっていた。そんな彼のもとに、今をときめく人気歌姫コーラからラブソングの新曲提供を依頼される。が、作詞が大の苦手のアレックスは悪戦苦闘。そんなある日、観葉植物の手入れに来ていたアルバイトのソフィーが口ずさむフレーズを耳にしたアレックスは、これだ!と確信、渋るソフィーをなんとか説得し曲作りをスタートさせるが・・・。

評価★★★☆/70点

「ラブコメができるまで」に題名を変えた方がいいのではないかというくらいの王道中の王道、また男女に扮するのもヒュー・グラント&ドリュー・バリモアという鉄板中の鉄板ということで、ハズレなしの安心して見ていられる作品になるのは当たり前っちゃあ当たり前なんだけど。

ドリューはもちろんのこと、80’sポップカルチャーを自虐ネタに歌い踊るヒュー・グラントは最っ高の一言。

まだまだ引き出し持っとるやんこの男(笑)。しかも歌うまいのねぇ。サントラ思わず聴いたくなっちゃったわな。

人気アイドルのコーラや、ドリューの姉もよさげなキャラで面白かったし、まさにハズレなしのラブコメですた。

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イルマーレ(2006年・アメリカ・98分)NHK-BS

 監督:アレハンドロ・アグレスティ

 出演:キアヌ・リーヴス、サンドラ・ブロック、ショーレ・アグダシュルー、クリストファー・プラマー

 内容:静かな湖畔に建つ一軒家。ここに住む女医のケイトは、シカゴの病院に着任することになり引っ越すことに。彼女は次の住人に自分宛の手紙の転送を頼もうと、郵便受けにメッセージを残した。そして、それを受け取ったのは建築家のアレックス。しかし、ここにはもう何年も誰も住んでいないはず・・。やがて2人は、お互いが2006年と2004年にいるということを知る・・・。

評価★★★☆/70点

孤独と情緒がキーワードのオリジナル作がハリウッドに行くとこうなっちゃうのかという点ではかなりのギャップを感じてしまうし、タイムパラドックスを完全無視したガサツな展開には少々面食らってしまうけど、個人的には受け身のオリジナル作より押しの強いハリウッド作の方が好きかも。

さらに、なにより「スピード」(1994)のベストカップルであるキアヌとサンドラの共演を再び見れたことだけでも一見の価値があり、キアヌが「スピード2」(1997)出演を蹴って、すれ違ってしまった2人が12年もの時を経て再会を果たしたというのは、ファンとしては感慨深いものがあり。

そういう点も含めて、オイラにとってはこの映画、買いでっス。

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パンチドランク・ラブ(2002年・アメリカ・95分)NHK-BS

 監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン

 出演:アダム・サンドラー、エミリー・ワトソン、ルイス・ガスマン、フィリップ・シーモア・ホフマン

 内容:ロスの倉庫街でトイレの詰まりを取るための吸盤棒を販売しているバリー・イーガンは、情緒不安定でキレやすい性格の持ち主。そんな彼の関心事は食品会社のマイレージ特典でタダで飛行機に乗ることで、そのことばかり考えている。そんなある日の朝、出社した彼は、隣の修理屋へ車を預けにきたという女性レナと出会う。。

評価★★★/60点

かなり好き嫌いが分かれる作品だと思うけど、オイラはちょっとこういうのは食わず嫌い・・。

映像と音楽の高質なエッセンスの抽出に彩られた演出の上手さはピカイチだし、情緒不安定な主人公もアダム・サンドラー以外に考えられないハマリっぷりだし、エミリー・ワトソンも不思議系と大人系の狭間で絶妙なバランスをとっていたし。そういうディテールは細かいとこまで唸らされるんだけど・・。

なんだけど、ひねくれてるんだかひねくれてないんだか、複雑なんだか単純なんだかすらあやふやなシナリオにあまりノリきれなかったんだよなぁ。。いまいちハジケてくれないというか・・・。

こういう小品はヴィンセント・ギャロあたりに任せて、PTAにはやっぱ3時間くらいの映画がお似合いなんじゃないかしらw。

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あなたが寝てる間に・・・(1995年・アメリカ・103分)NHK-BS

 監督:ジョン・タートルトーブ

 出演:サンドラ・ブロック、ビル・プルマン、ピーター・ギャラガー

 内容:地下鉄の改札で働く明るいシングルウーマンが憧れの男性の命を偶然助け、彼の家族に婚約者だと勘違いされる。そのうち彼の弟と親しくなりお互い惹かれ合うが・・・。

評価★★★/60点

根っから明るいサンドラ・ブロックとアメリカの古き良き家庭像が結びついて、素直に心温まる映画になっていたとは思うが、いかんせん男優陣に魅力がないのがイタイ。。

ビル・プルマンはナヨってしてるし、ピーター・ギャラガーはゲジ眉だし。そりゃ家族がセットでもれなく付いてこないと見れんわなぁw。

いや、クリスマスあたりに見るぶんには最適な映画であることには違いないんだけどさ。

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フォー・ウェディング(1994年・アメリカ・118分)NHK-BS

 監督:マイク・ニューウェル

 出演:ヒュー・グラント、アンディ・マクダウェル、クリスティン・スコット=トーマス

 内容:自分の気持ちを素直に表現することが苦手なイギリス人のチャールズは、32歳の独身男で、ハンサムで女性にもモテモテなのに結婚となると逃げ腰になってしまう。ある日、友人の結婚式に招かれたチャールズは、アメリカ人女性キャリーと出会い、ひと目で恋に落ちるが・・・。

評価★★★/60点

アタシの名前はキャリーですnoteモデルで美人のアメリカ人note富豪と婚約!人生バラ色!男性経験豊富なのnoteアタシの自慢教えてあげるnoteどんな男も一夜でコロス33人斬り凄いでしょって、、、、言うじゃな~~いnote

でも、アンタ、33人斬りしたおかげで、日頃から明らかなスケベ顔になっちゃって、誰も寄りついてきませんからーー残・念!

男というエサを漁るタレ目に注意ーー斬りッ!!

2009年5月17日 (日)

夢のシネマパラダイス601番シアター:パンズ・ラビリンス

パンズ・ラビリンス

Photo 出演:イバナ・バケロ、セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ、ダグ・ジョーンズ

監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ

(2006年・メキシコ/スペイン・米・119分)2007/10/23・盛岡フォーラム

評価★★★★/80点

内容:1944年のスペイン。スペイン内戦終結後もフランコ政権に反発する人々がゲリラ闘争を繰り広げる山間部。内戦で父親を亡くした少女オフェリアは身重の母親カルメンと共にこの山奥へやって来る。ゲリラ鎮圧にあたるビダル将軍と再婚したカルメンは、自らの手元で子供を産ませようとするビダルに強引にこの地に呼び寄せられたのだ。冷酷で残忍な義父に恐怖と憎しみをつのらせるオフェリア。そんな夜、彼女は昆虫の姿をした妖精に導かれ、謎めいた迷宮へと足を踏み入れ、そこで迷宮の守護神パン<牧神>と出会う・・・。

“ファンタジーの本質をこれほど的確についた作品はいまだかつてない。”

いまだかつてこれほど残酷で暗く悲しいファンタジー映画というのを見たことがない。

それくらい心にズシリと重くのしかかってくるような作品だった。

スペイン内戦についてその歴史的背景など、もっとちゃんとした知識があればと観る方としては反省しちゃったけども。。

戦争、仕立て屋だった父の死、日に日に衰弱していく身重の母、残忍な義父と、オフェリアを取り巻く過酷な現実は小さな少女ひとりの力ではどうにも抗しがたいものがある中で、おとぎ話の童話好きな彼女が生み出したもう一つの空想世界、それが地底の魔法の国。

ファンタジーとは逃避の文学であるとはよくいわれるが、それは一見たしかにそうなのだが、しかし、別な視点でみれば、ファンタジーというものがツライ現実を回避し、なおかつ生きるための勇気を呼び起こすための最適な糧であるということは、「ハリー・ポッター」や「ピーターパン」「オズの魔法使い」など古今東西のファンタジー作に共通するものであることは捉えておかなければならない。

その点でみれば本作はまさにファンタジーというものの本質を突いているといっていい。

しかも、その中で本作は、振り子でいうところの最果ての地に位置する作品であり、多くのファンタジーが生きるための勇気を異世界での冒険を通して獲得し成長して現実世界に帰って来るというパターンを踏襲しているのに対し、今回のお話はそんな生易しいものではなく、現実の困難にひとり孤独に直面し直視しつづける中で、強い自己犠牲精神のもとその魂が異世界(または死後の世界)へと永遠に旅立つ、つまり魂の解放の物語になっているのだ。

しかしこれ、数あるファンタジーの中でもかなり稀有なタイプのお話で、今思いつくところでは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」だとか、ナルニア、あとはギリで「フランダースの犬」くらいしかないだろう。

しかし、その中でも今回の作品ほど端的かつ強烈な形でなおかつどこまでも遠慮のないファンタジーを見せられるというのは今だかつてなかった気がする。

戦争という死の恐怖と痛みを伴なう過酷な現実のかたわらにポッカリと空いた薄暗い穴から続いていく異世界。

孤独な少女の、身重の母をなんとか助けたい、そして生まれたばかりの弟を助けたいという切なる願い。

その思いを結実させるためにやって来た妖精と与えられた三つの試練・・。

「銀河鉄道の夜」におけるカムパネルラとジョバンニの旅が単なる夢だったのかもしれないということと同様、地底の魔法の国は少女の頭が作り出した単なる空想世界だったのかもしれない。

しかし、戦争という逃げ場のない圧倒的な現実と義父という極悪非道な怪物に囚われたダークな世界、そして魔法の国のファンタジーという無限の創造の物語とプリンセスというヒロインに夢と希望が託されるイノセントな世界、この2つの世界が対峙しなおかつ絡み合いながら確固として存在していたのもまたたしかなのだ。

そしてその2つの世界が影響し合い、ダークなこちら側の世界があちら側の世界を侵食していき、隔てていた一枚の壁が取り払われたとき、現実が幻想を一気に喰いやぶり呑み込んで覆いつくしてしまう。

そのグロテスクで悪夢のような光景はなんとも恐ろしく見るに堪えないほど残酷なものなのだが、しかしそれを描くことで、物語性を超越したところにある人間本来のもつ本質をえぐり出していくのだ。

そしてその極めつけとなるラストの悲劇は、「フランダースの犬」と思えば涙なしでは見られないシーンなのだけど、ネロとパトラッシュが天使に連れられ天に上っていくように、オフェリアの魂も解放され、母親の王妃が待つ魔法の国へと旅立っていったのだろう。

何度でも言おう。ファンタジーの本質というものをこれほど的確に突いた作品はいまだかつてない。

スゴイの一言に尽きる。

ただ、、、グロいシーンがホンマにグロかったのでw、弱冠差し引いてこの点数・・・。

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ライラの冒険/黄金の羅針盤

01 出演:ニコール・キッドマン、ダコタ・ブルー・リチャーズ、サム・エリオット、エヴァ・グリーン、クリストファー・リー、ダニエル・クレイグ、イアン・マッケラン(声)、フレディ・ハイモア(声)、クリスティン・スコット・トーマス(声)、キャシー・ベイツ(声)

監督・脚本:クリス・ワイツ

(2007年・アメリカ・112分)DVD

内容:英国オックスフォード。現実世界とは似て非なるパラレルワールドであるこの世界では、人々はダイモンと呼ばれる守護精霊とともに生きている。幼い頃に両親を亡くした12歳の少女ライラもパンタライモンというダイモンと常に一心同体。そんな彼女の周囲で子供たちが行方不明になる事件が相次ぎ、ついに親友ロジャーまでもが姿を消してしまった。持ち前の好奇心を活かして捜索に乗り出した彼女は、北の地へ子供たちが連れ去られていることを突き止め、黄金に輝く羅針盤を手に北の地を目指すが・・・。

評価★★☆/50点

LOTRを世に送り出したニューラインシネマだけに、次なるファンタジー3部作として送り出された今回のライラの冒険には期待してたのだけど、ものの見事に肩透かしを食らっちゃったかんじ。

とにかく拙速にもほどがある展開で、現実世界とは似て非なるパラレルワールドというせっかくのユニークな世界観の設定がしっかりとかみ砕かれないまま矢継ぎ早に進んでいくので、なかなかスリリングな冒険の中に入っていくことができない・・。

なんか、ジェットコースターに乗ろうとしたら、身長が低くて乗れなくて下で見ているようなかんじといえばいいだろうか、、、このウズウズをどうにかしておくれ(笑)。

どうせだったらLOTRみたいに3時間くらいにすればよかったのに。。

かなりヒステリックで反抗的なライラや、体感温度を一気に下げるコールター夫人(N・キッドマン)の意味深な行動など、一筋縄ではいかなそうなキャラ設定は魅力的だっただけに、かえって後味の悪い消化不良な印象を抱いてしまった。

しかもこれだけ豪華なメンツを揃えておきながら・・・。

画面から伝わってくる冷気以上に寒さを感じたお寒い内容の映画でございました。

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ベオウルフ(2007年・アメリカ・114分)WOWOW

 監督:ロバート・ゼメキス

 出演:レイ・ウィンストン、アンソニー・ホプキンス、ジョン・マルコヴィッチ、ロビン・ライト・ペン、アンジェリーナ・ジョリー

 内容:古代デンマーク。戦士ベオウルフは、人々を苦しめる呪われし巨人グレンデルの討伐に成功する。が、グレンデルの妖艶な母親の魔の手がベオウルフに降りかかろうとしていた・・・。

評価★★/40点

“アンジーのフルコーティングヌードに5万点!”

あれって、オッパイの型とったのかなぁ、、ってお前はいったい何を見とるんじゃいっ(笑)!でも、はっきりいってそれしか印象に残らなかったんですけど。。

「ゲド戦記」(2006)に匹敵するどっちらけ映画だった。

パフォーマンス・キャプチャーを駆使したアクションもカックンカックンしてて薄っぺらいし、化け物には己の肉体のみで立ち向かうしかないとか言って素っ裸になるバカ男、しかもアソコをうまく隠し通す手練手管はまるで「オースティン・パワーズ」そのもの(笑)。

何なんだこりゃ。。センスないよこの映画・・・。

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ピノッキオ(2002年・イタリア・111分)NHK-BS

 監督・脚本:ロベルト・ベニーニ

 出演:ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ、カルロ・ジュフレ、キム・ロッシ・スチュアート

 内容:ジェペット爺さんが丸太から作った人形、ピノッキオ。言葉を話して動き回り、お爺さんの心配やコオロギの忠告も聞かずに、やすやすと世間の誘惑に負けてしまうのだが・・・。嬉々として飛び跳ねる50歳のベニーニをキモイと見るかカワイイと見るかはあなたの自由です!?

評価★☆/25点

“子供には見せられません・・・”

というのが真っ正直な感想・・・。

だって、横山ノックかアホの坂田がピノキオをやってるんでっせ。映画じゃなくて演芸場の世界やろ(笑)。

ジェペット爺さんを演じるならまだしも、なぜにハゲッピオになる必要がある。口のまわりは青ヒゲだし・・。夢もなにもあったもんじゃない。

子供には見せられん!

2009年3月23日 (月)

夢のシネマパラダイス228番シアター:世界中がアイ・ラブ・ユー

ラブ・アクチュアリー

Love_2 出演:ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、エマ・トンプソン、アラン・リックマン、コリン・ファース、キーラ・ナイトレイ

監督・脚本:リチャード・カーティス

(2003年・英/米・135分)2004/02/18・仙台フォーラム

内容:「ブリジット・ジョーンズの日記」の脚本家R・カーティスが初監督に挑み、人種も職業も異なる19人の人々が織り成す様々な恋愛模様と愛情の物語をクリスマスと絡めてロマンティックに描いた群像ラブ・コメディ。豪華キャストはもちろんだが、劇中で流れる絶妙な選曲は必聴。必ずやサントラを買いたくなるはず!

評価★★★★★/100点

“今オレにどんな憎しみや怒りを買う言葉をかけても無駄だぜ。映画を観終わった今この時だけは、さすがのオレも愛であふれかえってるからな(笑)!”

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ホリデイ

Holidaybt3 出演:キャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット、ジュード・ロウ、ジャック・ブラック、イーライ・ウォラック、エドワード・バーンズ

監督・脚本:ナンシー・マイヤーズ

(2006年・アメリカ・135分)WOWOW

内容:ロンドンの新聞社に勤めるアイリス(ケイト・ウィンスレット)とロスで映画の予告編製作会社を経営するアマンダ(キャメロン・ディアス)。クリスマス前に共に失恋した傷心の2人は、インターネットを介して出会い、お互いの家を交換して2週間の休暇を過ごすホーム・エクスチェンジをすることに。やがてアイリスはアマンダの仕事仲間マイルズ(ジャック・ブラック)と、一方のアマンダはアイリスの兄グラハム(ジュード・ロウ)と出会い恋に落ちるのだが・・・。

評価★★★★/75点

涙を一滴もしぼり出すことができない不器用な女アマンダが涙を流すまで、そして涙がドボドボと溢れ出てくる哀れな女アイリスが笑顔を取り戻すまでを、ホーム・エクスチェンジという環境の変化とそこで始まる恋愛模様を軸に同時並行で描いていくのだけど、休暇も女もおらへんオイラからすると、イイ男とイイ女の道楽にしか見えないのが悔しいところ・・・weep

ジャック・ブラックまでシャウトを封印して好感度上げようとしちゃって、、何やってんだよって言いたくなったけどさ(笑)。

でも、キャメロンは相変わらず音痴だったし、ケイトはますますキャシー・ベイツっぽくなってたし、ジュード・ロウは子持ちのパパという役どころを新鮮味たっぷりに演じてくれたし、結局のところ映画としては面白楽しく見れてしまった。

また、ハリウッドの生き字引きで90歳の元脚本家アーサー爺さんとアイリスの交流もかなり良い話に仕上がっていて、映画自体も下ネタ描写を除けばハリウッドの往年のロマコメ映画の小洒落た香りを漂わせており、そこらへんは女性監督ならではの味わい深さと品の良さがあったように思う。

ただ、せっかくイギリスを舞台にしているのだから、もっとなんかこうイギリス特有のユーモアセンスを織り込んでもらいたかったように思うんだけど、まぁハリウッドそのものというべきキャメロンにそれを求めるのは酷だよな。

しかし、現実を忘れさせてくれる、いわば非現実空間に身を置くのが休暇の理想とするならば、これほど夢のようなホリデイはないだろう。羨ましいかぎりっス。。

オイラにそんな夢のようなホリデイがやって来る日は訪れるのだろうか、、、と考えると鬱になってきた・・・。

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ノッティングヒルの恋人

3001243 出演:ジュリア・ロバーツ、ヒュー・グラント、リス・エヴァンス、ジーナ・マッキー

監督:ロジャー・ミッチェル

(1999年・アメリカ・123分)1999/09/15・ジョイシネマ1

評価★★★★/80点

内容:ロンドンのノッティングヒルで本屋を営むウィリアムと美しいハリウッド女優のアナ。偶然の出会いから始まった2人の恋の行方は如何に!?

“シュールだけど素敵!”

アナ・スコット(J.ロバーツ)がたとえ一般人だったとしても、あのヒステリックで高飛車度満点な女はオイラは願い下げでっす。。。

だって、けっこう最低な傷つけ方してない?この女。“ヘナヘナ”ウィリアム(ヒュー・グラント)くんも従順すぎるよちょっと(笑)。

ただ、ハリウッド大物女優とつぶれかけた本屋の店主であるごく平凡な男という、まるでジュリア・ロバーツを一躍スターダムにのし上げた「プリティ・ウーマン」の逆バージョンのような体裁を取りながら、終始ハリウッドから遠く離れたロンドンの下町・ノッティングヒルを舞台に、しかもウィリアムの現実的視点からあくまで逸脱せずに夢のような恋物語を紡いでいるのが素直に共感できる所以なのではないかな。

さらにそこに英国ユーモアがたっぷりと振り掛けられて全体的にセンスの良い小粋な作品に仕上がったと思う。ジュリア・ロバーツが出ているにもかかわらずね・・・(笑)。

アメリカが舞台だったら面白くなかっただろうね。

ウィリアムの取り巻き連中も、同居人スパイクをはじめとして妹ハニーや友人たちなど皆よかった。アナ・スコット以外はね、、、おいおい。

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ユー・ガット・メール(1998年・アメリカ・119分)仙台フォーラム

 監督・脚本:ノーラ・エフロン

 出演:トム・ハンクス、メグ・ライアン、グレッグ・キニア

 内容:小さな絵本店を切り盛りするキャサリンの目下の宿敵は、大手書店チェーンの御曹司ジョー。彼女のストレス解消法はメル友とのEメールのやり取りだったが、なんとその相手は・・・。

評価★★★★/75点

自分の生涯ベスト1映画である「ゴッドファーザー」をベタ褒めしている映画を貶めるなんてそんなこと僕にできるはずがないじゃありませんか。

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世界中がアイ・ラヴ・ユー(1996年・アメリカ・102分)仙台フォーラム

 監督・脚本:ウディ・アレン

 出演:アラン・アルダ、ウディ・アレン、ドリュー・バリモア、ルーカス・ハース、ジュリア・ロバーツ、ナタリー・ポートマン、エドワード・ノートン、ゴールディ・ホーン

 内容:NYのリッチな弁護士一家を中心とする人々の恋愛模様を綴ったミュージカル・コメディ。ウディ・アレンが往年のミュージカル映画にオマージュを捧げ、演技派役者を揃えつつ吹き替えなしの歌声に彩られた一作に仕上げている。

評価★★★☆/70点

かなり鼻につくウディ・アレンが出てなければ★4っつにしたのに・・・(笑)。。

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フレンチ・キス(1995年・アメリカ・111分)Video

 監督:ローレンス・カスダン

 出演:メグ・ライアン、ケヴィン・クライン、ティモシー・ハットン、ジャン・レノ

 内容:パリでフランス美人と恋仲になってしまった婚約者を取り戻すため、極度の飛行機恐怖症と闘いながらパリへ飛んだアメリカ女性ケイトは、途中で何やら怪しげなフランス人男性リュックと出会う。性格もなにもかも違う2人はやがてひょんなことから一緒に婚約者を探し始めることになるのだが・・・。

評価★★★★/75点

“メグ・ライアンとフレンチキスできるなら前の座席にいる奴にションベンかけることなんて容易い!!(一応ネタバレですw)”

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めぐり逢えたら(1993年・アメリカ・104分)NHK-BS

 監督・脚本:ノーラ・エフロン

 出演:トム・ハンクス、メグ・ライアン、ビル・プルマン、ロス・マリンガー

 内容:妻を亡くしたショックから立ち直れないシアトル在住の建築家。彼の8歳の息子がラジオの身の上相談に電話。それを聞いていたボルチモアに住むアニーは彼に運命の赤い糸を感じてしまい・・・。

評価★★★★/80点

映画の恋に恋している映画だけど、好き勝手にプロットを押し付けがましくするようなことはせず、さらりと笑いの要素も加えて描いたサジ加減は秀逸。

2009年1月20日 (火)

夢のシネマパラダイス591番シアター:お伽の国からやってキターーッ!!

エバー・アフター

51zdttwnkkl__sl160_ 出演:ドリュー・バリモア、アンジェリカ・ヒューストン、ダグレイ・スコット、ジャンヌ・モロー

監督・脚本:アンディ・テナント

(1998年・アメリカ・121分)WOWOW

評価★★★☆/70点

内容:おとぎ話「シンデレラ」をモチーフにしたラブストーリー。16世紀のフランスを舞台に、継母と姉にいじめられる少女ダニエルが、自らの力で運命を切り開き王子と結ばれるまでを描く。

“劇的ビフォー・アフター!?”

シンデレラの真実の物語と銘打っている中で、中世16世紀フランスという時代にうまく当てはめて作られており、レオナルド・ダヴィンチが絡んでくるところなどファンタジーものとは一線を画した物語になっていてなかなか面白い作品になっていたと思う。

政略結婚でフランスへ連れてこられたスペイン王女が婚礼式でボロ泣きするシーンなんてホントにあったんじゃなかろうかと思うし、情けなさすぎるヘンリー王子みたいな王もごまんといただろう。

、、、てそれじゃダメなんだぞヘンリー(笑)!なぜダニエル(ドリュー)がホレてしまうのか、あんなヘナチョコに・・・。

まぁ、それだけダニエルが強かったということだと思うけど、1発KOしてしまうような腕っぷしの強い土まみれ泥まみれのオテンバ姫も逆にドリューが映えていてヨロシイ。

「マスク・オブ・ゾロ」のキャサリン・ゼタ・ジョーンズあたりだと強面で強すぎるからあれだけど、ドリューだとちょうど良いあんばいだし、パッツンパッツンしててイイんだよね(笑)。

継母アンジェリカ・ヒューストンも「101」のグレン・クローズみたいなディズニーお決まりパターンの悪女かと思ったら、やや人間味が付け加えられていて、なんかタイムボカンシリーズに出てきそうな憎めなさがあって良かった。

けど、ダニエルの親父って、あの継母が毒を盛って殺したのかと思ってたけど、ちゃうんか??

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チキ・チキ・バン・バン(1968年・イギリス・143分)NHK-BS

 監督・脚本:ケン・ヒューズ

 出演:ディック・ヴァン・ダイク、サリー・アン・ホーズ

 内容:夢想家で発明家のポッツが、「チキ・チキ・バン・バン」と名付けたポンコツ車で子供たちと冒険の旅に出る!007シリーズの原作者イアン・フレミングの童話をもとにした冒険ミュージカル。

評価★★★/65点

何度聞いてもチリ・チリ・バン・バンとしか聞こえてこないんだけど、チリ・チリの方が正しいということを後で知ってひと安心。

肝心の映画はというと、山あり海あり空あり谷あり草原あり城ありと見所も満載で、合成シーンも嫌気にならないで巧い見せ方で演出していて好感がもてる。

特に俯瞰シーンは白眉で、ミュージカルシーンや星空の下で海上を飛行しているシーンなどは強く印象に残る。

しかし、如何せんこの内容では2時間半はちと長い。。

ミュージカル映画でありながら冒険映画ともいえるけど、逆にいえば中途半端そのもので、時おり出てくる魅力的な映像で2時間半もっているといったかんじだった。

話の筋が映像に追いついていればもっと見入っていたはずで、その点が惜しいかな。。

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フック(1991年・アメリカ・141分)NHK-BS

 監督:スティーブン・スピルバーグ

 出演:ロビン・ウィリアムス、ダスティン・ホフマン、ジュリア・ロバーツ、グィネス・パルトロウ

 内容:自分がピーターパンだったことを忘れてしまった、さえない中年男ピーターが、子供たちを救うためフック船長の待つネバーランドへ旅立つ!

評価★★★☆/70点

最初に観たのは劇場だったけど、心躍る冒険譚を期待して劇場に入ったはずが、まるで親子関係修復セミナーに強制参加させられたような違和感を抱いたのを子供ながらに覚えていたんだけど。

でも、先日久方ぶりにテレビで見たら、三十路にさしかかって年食ったせいか、純粋に楽しめちゃった(笑)。グロさがもうちょっと加味されてればもっと良かったけど。

ピーターみたいに子供の心を忘れてしまったからこそ、こうやって見れる作品なのかもしれないな・・。

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ショコラ(2000年・アメリカ・121分)DVD

 監督:ラッセ・ハルストレム

 出演:ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ、ジュディ・デンチ、アルフレッド・モリーナ、レナ・オリン

 内容:冬のある日、伝統が深く根付くフランスの村に、謎めいた女性が娘を連れて越してきた。彼女がオープンさせた、見たこともないような美味しそうなチョコレートであふれたお店が、保守的な村の人々に変化をもたらしていく。。

評価★★★☆/70点

チョコレートのCMも2時間ぶっ続けで見るとさすがにダレるな。

お味の方も、今までに味わったことのないような絶品なのかと思いきや、そんな取り立てていうような味でもないし・・・。

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グリンチ(2000年・アメリカ・105分)WOWOW

 監督:ロン・ハワード

 出演:ジム・キャリー、テイラー・モムセン、クリスティン・バランスキー、モリー・シャノン

 内容:全身が緑色の毛で覆われた嫌われ者のグリンチは、美しいフーヴィルの町を見下ろすクランペット山に住んでいた。フーヴィルの町では、楽しいクリスマスの準備で大わらわ。しかし、グリンチはクリスマスが大っ嫌い!そこで彼はフーヴィルのクリスマスをメッタクタにしようと作戦を練る。。アメリカ人なら誰でも知っているという児童文学の映画化。

評価★★★/55点

ウォレスとグルミットのようにクレイアニメで見たかった気がする。

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リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い(2003年・アメリカ・110分)MOVIX仙台

 監督:スティーブン・ノリントン

 出演:ショーン・コネリー、スチュワート・タウンゼント、ペータ・ウィルソン、シェーン・ウエスト

 内容:1899年、謎の集団が近代兵器で欧州各地を襲撃し戦争の危機に。冒険家アラン・クォーターメインは、ネモ船長、透明人間、吸血鬼、不死身の男ドリアン・グレイ、ジキル博士、トム・ソーヤーらと超人同盟を結成、謎の集団に立ち向かう・・・。人気小説の主人公たちが一同に会するコミックを映画化。

評価★★/40点

B級からA級に昇格するためにA級養成ギプスを無理やり付けさせられたノリントン。

しかし結果はA級に戦犯が付いてしまうという本末転倒なものに終わってしまった。

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レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語(2004年・アメリカ・109分)WOWOW

 監督:ブラッド・シルバーリング

 出演:ジム・キャリー、メリル・ストリープ、エミリー・ブラウニング、リーアム・エイケン

 内容:発明好きの長女・ヴァイオレット、読書家の弟・クラウス、末っ子のサニー。両親を亡くしたボードレール家の3人の子供たちは、遠縁のオラフ伯爵に引き取られる。しかし、実は遺産目当てだったオラフ伯爵は、子供たちに執拗な嫌がらせを繰り返していく・・・。世界的ベストセラーの児童書の映画化。

評価★★★/55点

小公女のごとく徹底的に不幸なトーンに落としていくわけでもなく、ホーム・アローンのごとく痛快さを前面に押し出すわけでもなしに、世にも不幸せなというわりには、ちょっと中途半端な印象。

徹底的なオーバーアクションと七変化でボードレール3姉弟をいじめ抜くジム・キャリーにもはっきりいって凄みが感じられない。

冷徹な狂気よりも軽いノリのコメディぷりの方が勝ったかんじで、そこらへんのバランスがもうちょっと取れていればシニカルでブラックな世界観がもっと際立ってよかったと思うんだけどなぁ・・。

2009年1月14日 (水)

夢のシネマパラダイス10番シアター:世界の黒澤シネマスタイルズvol.1

生きる

07101801 出演:志村喬、日守新一、田中春男、千秋実、小田切みき、山田巳之助、藤原釜足、小堀誠

監督・脚本:黒澤明

(1952年・東宝・143分)NHK-BS

評価★★★☆/70点

内容:30年間無欠勤の模範的な役人である、市役所の市民課長・渡辺勘治は、ある日、自分が胃ガンのために余命いくばくもないことを知った。早くに妻を失ってから男手ひとつで育て上げてきた息子にも冷たくされ、渡辺は絶望のあまり街をさまよう。生きることの意味を考え始めた渡辺は、翌日から人が変わったように遮二無二働き出し、貧民街の環境を改善してそこに小さな公園を造ることに情熱を注ぐのだった・・・。

“黒澤明の「残酷狂時代」”

定年間近の生ける屍、渡辺課長よりは若く健康でブラックホール並みの胃袋を持つ事務員、小田切みきの方にどこからどう見たって近いだろうと自負できるオイラにとっては、単純に渡辺さんみたいなお方には付きまとわれたくないなという感想しか浮かばなかった・・・。

異様に光った鬼気迫る瞳で、「いや、そ、そんな、私は、ただ、、、私は、、、君、、、私は、、もうすぐ死ぬんだ、、、君は、どうして、そんなに、その、活気があるのか、君を、その、見ていると、何か、何か、、温かくなる。。」なんて切実に訴えられたら、そりゃはっきり言ってキモイ以外の何ものでもないわな(笑)。

1枚のレントゲン写真から幕を開けたこの物語は、後半1枚の遺影を前に集まった人々が、故人について語るドラマへと飛躍し、そして語る彼らの本性が1枚1枚レントゲンに写し出されるように暴かれていき、ラストに至ってはこの映画を観る側の本性さえも暴かれてしまうわけで、この点についてはさすが世界のクロサワだなと感嘆してしまう。

しかし、映画のつくりに感嘆はできても、肝心の物語の核心にまで個人的になかなか入っていけないもどかしさがあって、それはやはり渡辺課長という人物が、自分にとっては何かまだ遠い存在だったということが大きな要因なのかもしれない。

しかし、物語には入り込めなくても映画のつくり自体には感嘆したのと同様、渡辺課長には観てるこっちの方が疲れてきても、それを演じた志村喬には脱帽してしまう。

とにかくあの瞳は、、、恐いです。なんか、「アバウト・シュミット」のJ・ニコルソンの死んだ魚の目を思い出しちゃった。

あと、あの鬼気迫る目を見て、ふとチャップリンを思い浮かべてしまったのだけど、この映画が喜劇にも通じるユーモア要素を兼ね備えていることを考えると何かどこかで繋がっているのかもしれない。奇しくも1952年度のキネ旬の邦画第1位が「生きる」で外国映画第1位が「チャップリンの殺人狂時代」だったり。

チャップリン映画の3大要素といえば、“愛する”“働く”“食べる”と言っていいと思うけど、「生きる」も見事なまでにそれを貫いている。

やはりこの映画は、黒澤明の残酷狂時代ともいうべき傑作なのかもしれないな、なんてことをふと思ってしまいました。

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羅生門(1950年・大映・88分)DVD

 監督・脚本:黒澤明

 出演:三船敏郎、京マチ子、森雅之、志村喬、千秋実

 内容:戦乱と天災地変と疫病の続く平安の乱世、都に近い山科のやぶの中で旅の侍・武弘の死体が発見される。検非違使は関係者である武弘の妻・真砂と盗賊・多襄丸を取り調べ、巫女を使って武弘の霊からも証言を得るが、彼ら3人の陳述はすべて食い違っていた。事件を目撃した杣売(そまうり)は、この様子を羅生門の下で旅法師に語りながら怖れおののき続ける・・・。芥川龍之介の小説「藪の中」に材をとり、人間のエゴや不信感、不条理などを抉り出す心理ドラマ。戦後、日本から初めて正式出品されたヴェネチア映画祭で作品賞受賞。後にアカデミー名誉賞(後の外国語映画賞)も受賞し、クロサワの名を世界に知らしめると同時に、日本映画黄金期の到来を告げる記念碑的作品となった。

評価★★★★★/100点

“死闘と呼ぶにふさわしい多襄丸と侍の斬り合いが目に焼きついて離れない。あれは殺陣ではなく、まさに殺人だった。”

「用心棒」でのラグビー並みの斬り合い肉弾戦も、「椿三十郎」での0.3秒瞬殺斬りも非常に印象的だが、それらとは対照的なこの映画の型も何もあったものではないヘッピリ腰バトルが1番好きかも。

両者のジリジリしたにらみ合いの最中のんきに首スジを掻く多襄丸。と思ったらヘッピリ腰同士ヒィヒィ息をあげて、時には野獣のごとき叫び声をあげながら、のたうち這いずり転げ回り足を引っ張り合いながら斬り合う両者。

土に突き刺さる剣、切り株に刺さったまま抜けない剣、そして侍に突き刺さる多襄丸の投げた剣。

死闘から生還してへたり込む多襄丸に覆いかぶさるように鳴り響くセミの声がまた印象深い。

人を一人殺めるってこういうことなんだという実感を眼前で見せられたような気がしてしまった。

ドシャ降りの豪雨と焼けつく太陽の生々しい陽光の下で繰り広げられる人間模様もまた実に生々しかった。

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用心棒

Ph_s 出演:三船敏郎、仲代達矢、山田五十鈴、東野英治郎、加東大介、志村喬、藤原釜足

監督:脚本:黒澤明

(1961年・東宝・110分)NHK-BS

評価★★★★☆/85点

内容:2人の親分が縄張り争いを続ける宿場町に、桑畑三十郎と名乗る浪人がやって来た。男は両方の親分に自分を売り込み、高く買ってくれた方に用心棒として味方につくと持ちかける。浪人は、腕も立つが頭もよく切れる男で、巧みな策略で双方を戦わせていくが・・・。アクションの切れ味に加え、ユーモアたっぷりの黒澤演出が冴えわたる娯楽活劇。

“傑物黒澤と怪物三船が暴れまくる娯楽劇。これを見ずしていつ死ねる!”

日米安保問題など激しい政治闘争が渦巻き、やがてカラーテレビ放送など経済成長への端緒を開いた節目となった時代、世の中のパッションがそのまま反映された映画は数多い。

日本映画が最も輝いていた時代だ。

その中でもこの「用心棒」は、娯楽性という面で翌年公開の続編「椿三十郎」とならんで珠玉の中の珠玉ともいえる一本だ。

砂じん吹きすさぶ中、悠然と立ち構える三船敏郎、イギリス製のマフラーを首に巻きつけ拳銃を携えた、いったいどこぞの時代やねんという仲代達矢、棺おけ担いでそそくさそそくさ東野英治郎、アホ丸出しの剛力男・加東大介、紅一点の司葉子、そしてどこまでもヘッピリ腰なヤクザたち。

このメンツでルパン3世撮れるだろ(笑)。

それくらい魅力的なキャラクターたちが入り乱れるシマ争いは、ユーモアも満点、しかし命がけ・・・。

高見の見物を決めこむ三十郎が物見はしごを降りて地上に降り立ったとき、一陣の風の中、怪物の疾風怒濤の大立ち回りのもと、辺りは地獄絵図と化す。

拳銃を向ける卯之助(仲代達矢)にズッズッと近寄っていく三十郎(三船)の凄みたるや、思わず卯之助が躊躇して後ずさりしてしまうのも分かるほどのリアリティが画面から伝わってくる。

このシーンを観る側に力づくで納得させてしまうこの映画は、やはり正真正銘のホンモノだと言うほかない。

一度斬っただけでは人は死なないということから生まれた衝撃の2度斬り3度斬りの殺陣、そしてドスッバツッという効果音。舞い上がる砂じんには砂以外に塩ときな粉が混ぜられていたという演出の凝りよう。

伸び伸びと楽しんで撮ったと黒澤は語っているが、役者は相当に大変だったようだ。

暴れるだけ暴れまわったあげく、「あばよ!」と捨て台詞を残して後片付けもせずにさっさと町を去っていく三十郎の後ろ姿は、これが娯楽だ!見たかお前ら!と言わんばかりのやりきった黒澤明の颯爽とした自信の表れとダブって見えてしまう気がしてならない。

傑物黒澤と怪物三船が暴れまくる娯楽劇。これを見ずしていつ死ねる!

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姿三四郎(1943年・東宝・97分)NHK-BS

 監督・脚本:黒澤明

 出演:藤田進、大河内傳次郎、月形龍之介、志村喬、轟夕起子

 内容:明治15年、修道館・矢野正五郎の闇討ちで柔術と柔道の闘いに直面した三四郎は、柔道に誠実な矢野の門下生となった。己の力量に慢心する三四郎は矢野の教えを受け、心身共により鍛えられていく。様々な対戦者に打ち勝った三四郎は、柔術派の檜垣の挑戦を受け、右京ヶ原の決闘に挑む。。原作の出版広告を見た黒澤が自ら企画、脚色した監督デビュー作で、同じ年にデビューした木下恵介と並んで、優れた新人監督に贈られる山中貞雄賞を同時受賞した。

評価★★★★/75点

“笑撃の黒澤柔道ダンス”

柔道とは思えない、まるでジャパニーズ・ダンスと呼んだ方がしっくりくるようなダイナミックさにまずは度肝を抜かれるというか、それはもう漫画の世界で思わず笑っちゃうくらいなんだけど、黒澤映画が黒澤映画たるゆえんの「面白い映画を作るんだ!」という意気込みや躍動感が作風としてすでにデビュー作から感じられるというのは正直驚いた。

黒澤明は最初っから黒澤明だったんだ。やっぱスゴイ監督さんなんだな。

お寺の境内に上がっていく石階段で、ヒロインの娘の下駄の鼻緒を三四郎が手ぬぐいですげ替えてあげるシーンのカット転換のなんと美しいことよ。藤田進と轟夕起子の淡い恋はなんともカビの生えたような古風な恋愛劇だったけど、あのシーンはホレボレしちゃった。

間の作り方が恐ろしいほど巧いんだよなぁ。

そして、敵役の月形龍之介の洋装風のシャレた出で立ちは後の黒澤映画でおなじみの悪役、仲代達矢にもつながると思うんだけど、ラストの右京ヶ原の対決なんかも黒澤映画の原点を見ているようで見ていて興奮してしまった。

強風吹きすさぶ中、駆けるように流れる白い雲と揺れ動くようにさんざめくススキ野の群れ、そこに睨み合いながら佇む2人の男。ビリビリと震えがくるようなシーン、、、監督1作目で撮れねぇよフツー。。しかも戦時中だってさ。

黒澤明、、、神っス。

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続姿三四郎(1945年・日本・83分)NHK-BS

 監督・脚本:黒澤明

 出演:藤田進、月形龍之介、河野秋武、轟夕起子、森雅之、大河内傳次郎

 内容:前作で檜垣源之助を倒した三四郎に、今度は檜垣の弟で復讐に燃える空手家・鉄心&源三郎兄弟が牙をむく!

評価★★★/65点

“弟、、、怖っ。。”

公開が昭和20年4月ということらしいけど、東京大空襲の翌月に映画なんて観れたのかという疑問はさておき、雨あられと降り注ぐ爆撃の中でこういう娯楽映画を作ってしまう黒澤はやはり初めっからただ者ではなかったということなのだろう。

アメリカ人ボクサーとの異種格闘技戦、そして空手の使い手である檜垣鉄心・源三郎兄弟との決闘など画面の荒さはあるものの見応えのあるシーンがつづくし、前作で三四郎が打ち破り病床のふちにある檜垣源之助と三四郎、小夜との哀しい三角関係のシーンも非常に印象に残る。

また、能装束を纏った言葉を発しない源三郎の造型はモノクロ画面の中ではかなり不気味で、一方、鉄心の方は江頭2:50とオッパッピーを掛け合わせたような動きでこれまたかなり滑稽で、それを考えると、もっと檜垣兄弟をクローズアップさせてほしかった気もする。

しかし、、あのご時世にどうやってあんなに外人集めたんだろ。。

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どですかでん(1970年・東宝・126分)NHK-BS

 監督・脚本:黒澤明

 出演:頭師佳孝、伴淳三郎、井川比佐志、田中邦衛、三波伸介、渡辺篤、三谷昇

 内容:電車バカの六ちゃんは、毎日、電車の走る音を「どですかでん」と口マネしながら、町内を回っている。六ちゃんの住む集落には、暗い過去を背負ったり、苦しい現在に打ちのめされ悩んだりしながらも、優しい心を持って懸命に生きている人たちがたくさん住んでいた・・・。黒澤映画初のカラー作品。

評価★/20点

日本はもとより、世界に通用する映画を世に送り出そうと結成された四騎の会の企画作品がこれかよ。。何も言葉が浮かんで来ん・・・。

夢のシネマパラダイス11番シアター:世界の黒澤シネマスタイルズvol.5

赤ひげ

Kurop23 出演:三船敏郎、加山雄三、山崎努、団令子、桑野みゆき、香川京子、内藤洋子

監督・脚本:黒澤明

(1965年・東宝・185分)NHK-BS

評価★★★★★/95点

内容:江戸の小石川療養所の医師、赤ひげの破天荒だが慈愛にあふれる生き様を、あるエリート青年医師の目を通して描くヒューマニズム巨編。「病気の原因は社会の貧困と無知によるもので、これには治療法がない」というのが口癖の赤ひげだが、それでも人の命を救うため黙々と働き続ける。その姿に、最初は彼に反発していた青年医師だが、次第にエリート意識を捨てて敬意を抱くようになる。黒澤絶頂期の大力作。

“映画の8割は人間の悲しみと不幸で溢れている。しかし、映画を観終わった後は自分の心の中が希望と嬉しさと幸せであふれ返っている。この映画を通して自分も赤ひげ先生に心を診断されたようだ。”

身体を診断するのと同時に心も診断してしまう赤ひげ。

しかし、忘れてはならないのは、例えばおとよにしても彼女の悲しみ、傷、不幸はいくら赤ひげの手にかかっても完全に消し去ることはできないということだ。

家族もなく、12歳で売春させられていたおとよの悲しみと傷は一生消えることはない。

同じことは毒を飲んで一家心中したがなんとか生き残った小ねずみにもいえる。

家族で親兄弟話し合って死ぬことに決めたというのはあまりにもむごく残酷だ。

これらがいわば赤ひげの言うところの貧困と無知に対する闘い、貧困と無知が起こらなければ病気など起こらないということにつながるのだが、一方ではおとよ自身、小ねずみ(長坊だっけか)自身自分の力で生きていかなければならない。多少癒えはしても消え去ることはない悲しみと傷を背負って生きていかなければならない。

その自分自身で生きる力を取り戻す手助けを赤ひげ、そして保本は施していくわけだ。

そしてそこで重要なのがいかに相手と心を通わせ合うかということになるわけだが、この映画では保本の変化と成長を通してその過程を描いていく。

この映画の白眉はまさにここにあると思う。

長崎に留学していたエリート新人である保本。彼は療養所に来るまでは最新の西洋医学書にのみ頼ろうとしていたわけだが、赤ひげやおとよと接していくうちにだんだん変化をみせ、しまいには口調まで赤ひげと同じになっていく。

そこまでに至る描写が実に素晴らしい。

特に印象的なのが、蒔絵師のジイさんの臨終シーンから目を背け、ただ醜悪なものとしてしか見られなかった保本が、病人の人生における内に秘めた悲しみや不幸を知った時、臨終シーンが赤ひげの言っていたとおり荘厳に見えてくるところだ。

それはなにも病人に対する保本の同情がそのように見させたのではないだろう。

その病人がとてつもなく大きな悲しみ、不幸を抱いていてもなお生きていく力を今までしっかり持っていたという真の強さを認識したときに荘厳に見えたのだと思う。

だからこそ病人の苦痛や死のすさまじさから目をそらしてはいけないのだと赤ひげは言うのだと思う。

これはなにか現代にも通じるものがあると思う。

おとよの世話疲れから、また赤ひげに言わせれば“世の中”を急激に見たための知恵熱でぶっ倒れた保本。

そう、現代の世の中もいつも人間の不幸で覆われているではないか。

そして人生は喜びよりも悩み、苦しみの方が圧倒的に多い。それでもしかししっかり地に足をつけて生きていかなければならない。

別々のシーンで赤ひげと保本は同じことを言う。「わしは実にイヤなやつだ。下劣な男だ。」「わたしは実にダメなやつなんです。わたしは下劣なやつです。」と。しかしそれを分かっているからこそ、それでも療養所で医者として生きていく赤ひげとその決心をする保本。

この映画は時代劇という枠をかる~く超越してしまっている。

考えてみればこの映画、刀が出てこない。チャンバラシーンもない。赤ひげは素手で闘う。療養所のオバさんたちは刀のかわりに大根1本で女郎の頭をぶっ叩く。

相手は死なない。

医者も看護師も人を殺すことなどできるはずがないのだ。

だから刀など必要なかった。必要なのは言葉であり、現実を直視する目であり、無知と闘う頭であり、強さと優しさを併せ持つ心である。ようするにいっぱしの人間なのだ。

そして彼らは命の尊さ、真の力強さを知っている。

今の医者はどうだか知らないけど・・・(笑)。

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Kurop27 出演:仲代達矢、植木等、隆大介、原田美枝子、ピーター、寺尾聰、根津甚八

監督・脚本:黒澤明

(1985年・日/仏・162分)NHK-BS

内容:シェイクスピアの「リア王」を下敷きに、3本の矢の逸話で知られる毛利元就の3人の息子の物語を組み合わせて描いた戦国絵巻。70歳になる一文字家の領主・秀虎は、ある日、3人の息子に家督を譲り、城を1つずつ与えて引退すると告げた。真っ直ぐな性格の三男・三郎は父の弱気を批判し、その場で秀虎に追放される。一方、長男・太郎の正室・楓の方は、親兄弟を秀虎に滅ぼされ、略奪された形で嫁になったことから、長男を軽んじた秀虎の態度に不満を覚えていた・・・。

評価★★★★/75点

体裁としては、「蜘蛛巣城」(1957)のカラー版というかんじで、原田美枝子が山田五十鈴、仲代達矢が三船敏郎、盲目の野村萬斎が怪かしの妖婆といったふうにリンクしている。

また、映画のつくりも「蜘蛛巣城」と同じく演劇・舞台を意識した様式美で彩られており、アカデミー賞を受賞したワダ・エミの黄・赤・青・白を人物に当てはめて使った装飾衣装から、どこまでも果てしないロングショットに至るまでかなり徹底していて、むしろ「蜘蛛巣城」よりも静と死に深くこだわった作品になっているように思う。

黒澤映画の醍醐味が動と生にあることは誰も異論はないだろうが、このいつの世も繰り返される人間の悪行、そして安らぎよりも悲しみと苦しみを奪い合う人の世への無常観漂うレクイエムを自覚した今回の作品は、まさに壮大な舞台劇を見ている錯覚に陥ってしまう。

しかし、この壮観さがハンパないんだわ(笑)。

向こうの山の尾根に敵軍がズラリと並んでいるシーンや、燃えさかる城から仲代達矢が出てくるシーンなど、80年代死に体にあった日本映画界にあって巨匠黒澤の底力を見せつけられたような、そんなスゲェ映画だった。

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(1990年・日/米・121分)NHK-BS

 監督・脚本:黒澤明

 出演:寺尾聰、倍賞美津子、原田美枝子、いかりや長介、マーティン・スコセッシ、笠智衆

 内容:夢をモチーフにした8話の短編から成るオムニバスドラマ。日照り雨の日に狐の嫁入りを見てしまった5歳の“私”が主人公の第1話「日照り雨」を皮切りに、次第に成長していく私が見た「桃畑」、「雪あらし」、「トンネル」、「鴉」、「赤富士」、「鬼哭」、「水車のある村」の計8話から成る夢を、様々なスタイルで描きながら、文明社会への批判と自然とのかかわりの重要さが語られる。

評価★★★/60点

黒澤明の頭の中はいったいどうなってるのかと覗いてみたら、テリー・ギリアムやティム・バートン、デヴィッド・リンチ、クローネンバーグなどの混沌とした世界とは似ても似つかない理路整然とした夢で、あれれ、、てかんじ。。

しかもオチもなんにもないんだもん。ただの説教臭いメッセージの羅列になっちゃっててイマイチ楽しめず。

まぁ、このとき御年80歳のお爺さんだったことを考えると、こういう作りになるのもしゃあないのかなぁ。

でも、手榴弾くくりつけた犬=“犬死に”の暗喩とか、どぎつい赤富士と放射能汚染、動き出すゴッホの絵など随所に印象的な造型の具現化が見られるのもたしかで、これはこれでお見事な映画なのかもしれない。

ただ、1スジ(シナリオ)2ヌキ(映像)3ドウサ(演技)を重視するオイラとしては、2ヌキだけの映画ってのはどうもイマイチ、、ねぇ、、複雑。。。

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まあだだよ(1993年・東宝・134分)NHK-BS

 監督・脚本:黒澤明

 出演:松村達雄、香川京子、井川比佐志、所ジョージ、油井昌由樹、寺尾聰

 内容:随筆家・内田百閒とその門下生たちとの心の触れ合いを様々なエピソードで綴った黒澤明の遺作。昭和18年の春、百閒先生は作家活動に専念するため旧制高校を去ることを教え子たちに告げた。生徒たちは「仰げば尊し」を歌って敬愛する先生を送る。しかし退職後も先生と門下生の交流は続いていくのだった。

評価★★☆/50点

“正直、、「もういいよ。」って早く言ってほしかった・・・(笑)。”

夏目漱石門下の随筆家・内田百閒とその門下生との交流を、人情味オンリーで描ききった作品で、所ジョージや、若かりし頃から黒澤映画に出続けている香川京子の好演などほほ笑ましく見ていられる映画ではある。

、、、のだが、逆にこれが黒澤映画だと思って見ると途端にツマラなくなってしまうわけで・・・。

往年のダイナミックさもなければ「夢」などの絵画的美しさも見受けられず、社会風刺もなければゲージツ的でもない、そういう損得勘定の一切皆無な映画の中で、善人100%の師弟関係とドンチャン騒ぎ、、、正直気持ち悪いcatface、、もとい、こっ恥ずかしい。。

ツッコミ役のいない映画見るのがこれほどツライものだとは思わなかったわ・・・。

だからぁ、北海道から鹿児島まで各駅を暗誦してるオッサンに誰かツッコんでやれよ(笑)。気になってしかたなかった。

でも、先生だけは最後までちゃんと聞いてるんだよな。

優しい映画だ。しかも度を越した優しい映画だ・・・。ダウンタウンの松っちゃんが提供する優しさライセンスを無条件で差し上げたい気分です。

ようするに、、、映画としてイマイチ。。

でもでも、オイラにとっての映画のお師匠は黒澤先生にほかならず、これからも黒澤映画を見続けていこうと考えておるわけであります。黒澤映画ほど素晴らしい映画体験をすることはできないのだから。

オイラにとって黒澤明は「まあだだよ」なんだよね。

まだまだです。

2008年12月30日 (火)

夢のシネマパラダイス587番シアター:リング&呪怨&着信アリ

リング

1000548_m 出演:真田広之、松嶋菜々子、中谷美紀

監督:中田秀夫

(1998年・東宝・95分)もちろんVideoっしょ。。。

評価★★★/60点

内容:若者たちの間で広まっている呪いのビデオについて取材していたテレビディレクターの浅川玲子は、親類の娘・智子がビデオを見た1週間後に謎の心臓発作で死んだことから調査を始め、うわさのビデオの現物を見つける。自分も死の予告を受けた玲子は、前夫である大学講師の高山竜司に助けを求めるのだが・・・。

“原作を★5つとすると映画は★3つより上は付けられない。”

いまいちノレない原因はビデオの内容。まばたきが無い時点で★-1だし、原作の方が妙な息苦しさがある。

このビデオ見ると本当に1週間後に死ぬ、、、かもしれないと思わせる文章。

このビデオ見たからって1週間後には死なねぇだろうと思わせてしまう映画。

おいおい、映像が文章に負けるってのはどういうことだ。

唯一、映像が原作を上回っていたのは貞子の登場場面だけだなんて・・・。

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らせん(1998年・東宝・97分)Video

 監督:飯田譲治

 出演:佐藤浩市、中谷美紀、真田広之、鶴見辰吾、佐伯日菜子

 内容:息子を海の事故で亡くした医師・安藤は、突然死した男を病理解剖するが、胃の中から数字が羅列された紙切れを発見する。その男がかつての同級生だったことから、第一発見者の高野舞とともに、その謎に挑もうとするが・・・。

評価★★☆/50点

もともと原作からしてホラーの域を脱したSFサスペンス調だったので、これを映像化するというのはどうなんだろう、というのはあったんだけど、バカ正直に完全に理屈オンリーで作った駄作になっちった・・。

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リング0 バースデイ(2000年・東宝・99分)WOWOW

 監督:鶴田法男

 出演:仲間由起恵、田辺誠一、田中好子、麻生久美子

 内容:鈴木光司のベストセラーを映画化した人気ホラーシリーズの完結編。第1作「リング」から30年前に遡り、呪いのビデオテープを生み出した山村貞子の秘密を描く。

評価★★☆/50点

金属音のようなノイズと貞子の一瞬横ステップだけは認めてやるよ。

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ザ・リング(2002年・アメリカ・116分)2002/11/20・MOVIX仙台

 監督:ゴア・ヴァービンスキー

 出演:ナオミ・ワッツ、マーティン・ヘンダースン、ブライアン・コックス

 内容:中田秀夫の「リング」をドリームワークスがリメイク。新聞記者でシングルマザーのレイチェルは、見ると7日後に必ず死ぬというビデオテープのうわさを聞く。やがて彼女が発見したテープには、血の波紋、鏡に映る女性、馬の死体、井戸が・・・。

評価★★★/55点

“「ザ」が付くと付かないとでは、、、大して差はない。”

サマラがTVから出てきた時の目eyeがダメダメ。

あの目はエクソシストの目になっちゃってるもんなぁ。青白く光ってたし。

あのね、白目剥かないとダメなのよ。こんなふうに・・・ウxッ。。

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ザ・リング2(2005年・アメリカ・128分)DVD

 監督:中田秀夫

 出演:ナオミ・ワッツ、サイモン・ベイカー、デビッド・ドーフマン

 内容:ハリウッドオリジナル脚本による続編。引っ越しし新たな生活を始めたレイチェル親子だったが、町で起きた怪死事件をきっかけに、息子のエイダンに異変が起き始めた。サマラの呪い、ビデオテープの恐怖が再び2人に襲いかかる!

評価★★/40点

ジュラシックパークばりの鹿の方が断然恐い・・。

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呪怨

Juon_2_thumb 出演:奥菜恵、伊東美咲、上原美佐、市川由衣、津田寛治

監督:清水崇

(2002年・日本・92分)2003/02/06・テアトル新宿

内容:ある日、介護ボランティアをする女子大生の里桂は、寝たきりの老婆の様子を見るためその家を訪れるが・・・。死者の強い恨みや怒りの情が呪いとなって宿るとある一軒家を舞台に、そこに関わった人々と襲いかかる恐怖が描かれる。

評価★★★/55点

“15~20分の同じ内容のショートホラーフィルムを6回続けて観たオイラはその日、相当ヒマだったらしい・・・。”

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呪怨2(2003年・日本・92分)2003/09/03・テアトル新宿

 監督:清水崇

 出演:酒井法子、新山千春、堀江慶、市川由衣、葛山信吾

 内容:ホラー映画への出演が続く女優・原瀬京子は、関わった者たちの悲惨な死や行方不明が後を絶たない呪われた家をレポートするテレビ特番にゲスト出演した。そしてその夜、婚約者の将志の車に乗り家路につく途中、首都高でネコを轢いてしまい・・・。

評価★★★☆/70点

“ふ~ん、ちょっとは頭使うようになったんじゃん。”

これまでは“見せ方”のみに執心していた作り手がやっとで“語り方”にも頭使うようになったと。

例えば前作でいうと15分の同じ内容のショートホラーフィルムの単なる羅列にすぎないレベルだったと思うんだけども、今回はレベルが1段上がったかんじ。

やっぱり見せる怖さと語る怖さが、髪の毛がねじれるように絡み合ってこそ怖さの相乗効果も高まると思うから。最近の和製ホラーはアトラクション化しちゃってるからなぁ・・。

でもホント今回は怖さのツボにハマッちゃった。

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THE JUON/呪怨(2004年・アメリカ・92分)DVD

 監督:清水崇

 出演:サラ・ミシェル・ゲラー、ジェイソン・ベア、ウィリアム・メイポーザー、クレア・デュバル

 内容:東京の大学で福祉を学ぶ留学生カレンは、介護を手伝うため友人の家を訪れる。だが、家の中には人のいる気配がなかった・・・。「呪怨」のハリウッドリメイク版。全米興行成績第1位を獲得したことも話題になったが、日本では鳴かず飛ばずに・・。

評価★★☆/45点

このシリーズは、レンタル屋のカウンターでレンタル料金を払ったときが自分のテンションが1番高い。アドレナリンもこの時にしか出ない・・・。そんなシリーズに成り下がってしまいそう。。

ってそんなん初めから分かってた?

ハイ・・・。

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着信アリ

Chakushinari 出演:柴咲コウ、堤真一、吹石一恵、岸谷五朗、石橋蓮司

監督:三池崇史

(2004年・東宝・112分)DVD

評価★★☆/45点

内容:女子大生・由美が参加した合コンメンバーを次々に襲う怪奇。それは自分の携帯電話に自身の番号で着信がかかり、伝言メッセージには自分の悲鳴にも似た断末魔が録音されていて、しかも着信時刻は3日後。やがて3日後の着信時刻が来ると、不可解な死を遂げていく・・・。

“関心ナシ”

携帯という発想もどっかで見たことあれば、映像もどっかで見たことあるのばっかり。怖くもカユくもない。

最初の犠牲者が出るまでの描写と光の具合と雰囲気だけかな、ゾクゾクきたのは。

ていうか何が1番恐ろしかったって、、企画・原作の秋元康がDVDの特典映像のインタビューで、「男はつらいよ」シリーズみたいに50作目指して頑張りマッスルgood!って言ってたこと。戦慄・・shock。この人やりかねないで(笑)。

寅さん、どうぞ祟ってあげて下さい!

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着信アリ2(2005年・東宝・106分)WOWOW

 監督:塚本連平

 出演:ミムラ、吉沢悠、瀬戸朝香、ピーター・ホー、石橋蓮司

 内容:保育士の杏子の携帯にかかってくる不吉な死の着メロ。杏子を救うため、恋人のカメラマン、尚人は事件を追うルポライターの孝子とともに行動を開始する。そしてついに3人は、事件のカギが台湾にあることを突き止める・・・。

評価★★/35点

AMラジオに混線してくる台湾ラジオがウザイ、、てかんじ。。

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着信アリ Final(2006年・東宝・105分)WOWOW

 監督:麻生学

 出演:堀北真希、黒木メイサ、板尾創路、ジャン・グンソク

 内容:韓国に修学旅行で来た安城高校2年C組。が、その最中、女子生徒の一人が死の着メロを受け、予告通りに無残な死を遂げる。その後も鳴り続ける死の着メロ。そして、その死から逃れる唯一の方法は、送られてきた死の予告を誰かに転送することだった・・・。

評価★★★/60点

“自分だったら、、、どうする!?究極の選択ネタ”

まずは設定に、死の着メロを他人に転送すれば死なないという新味を持ち出してきたことには素直に拍手したい。転送という究極の選択ネタを取り入れることで、携帯でしか繋がれない今の若者の希薄な人間関係がいじめ問題と絡めてあらわになっていく様はテーマとしても見応えがある。

転送されまいと生徒たちが携帯を取り合う壮絶なシーンは、まんまリアルなバトルロワイアルものだったし。

さらに、幽霊を倒す方法が、メールを大量に送り込んでサーバーをフリーズさせるというのもなかなか笑えて面白かった、、って笑っちゃダメやん・・(笑)。

日韓の国境を越えてネットカフェにたむろする名もなき若者たちが一致団結して手助けする、しかも「ひとりじゃないよ!」という決めゼリフ付きときたもんにゃ、これは完全に「電車男」やろという・・・。

良くも悪くも不特定多数の人々が結びつくネットや携帯の功罪がテーマとしてあって、意外に最後まで飽きずに見れたかんじ。

ただ、映画を締める方向だけはバカ正直にいつもと同じで一気にトーンダウンしちゃったな。。

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