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2012年3月11日 (日)

夢のシネマパラダイス430番シアター:追悼ヒース・レジャー

ブロークバック・マウンテン

Img3d17e1a28fp1ww 出演:ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、ミシェル・ウィリアムズ、アン・ハサウェイ、ランディ・クエイド

監督:アン・リー

(2005年・アメリカ・134分)DVD

内容:1963年、ワイオミング。ブロークバック・マウンテンの農牧場に季節労働者として雇われ、運命の出会いを果たした2人の青年、イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)。彼らは山でキャンプをしながら羊の放牧の管理を任される。やがて2人は大自然の中で一緒の時間を過ごすうちに、深い愛に目覚めてしまう。山を下りてそれぞれに結婚相手を見つけたものの、あの夏のブロークバック・マウンテンでの思い出から逃れることができず・・・。アン・リーが雄大な風景をバックに綴る、2人のカウボーイの20年に渡る秘められた禁断の愛の物語。

評価★★★★☆/85点

はっきりいって今の今までこの映画を観るのは避けてきた。

数々の賞を総ナメにし、アカデミー賞で監督賞を獲ってもオイラはこの映画を観ることを躊躇した。

それはつまるところ自分の中にいわゆる同性愛者に対する偏見や好奇のまなざしがあることと無関係ではないし、ぶっちゃけ「マルホランド・ドライブ」や「バウンド」のような女同士のディープな絡み合いは見れても、男同士のディープなそれは正直見たくないというのが本音としてあったからだ。

しかもアメリカ西部の伝統的かつ保守的な極めてアメリカ的なランドスケープの中でカウボーイ姿の男2人が愛し合うという“ウエスタン”と“ゲイ”の合わせ技は、いかにも濃ゆいものを連想させ、観る勇気をなかなか振り絞ることができずにいた。

なんというかゲイに対しては、例えばおネエマンズのようなオネエ言葉を連発するオネエ&オカマキャラだったら笑いの対象として、作られたキャラあるいはタレントとして見ることができるのだけど、、、それは映画でも同じで「バードケージ」「プリシラ」「真夜中の野次喜多」などのデリケートさを一切排除したキャラと化したオカマが出てくる映画なら何の躊躇もなく見られてしまうのだ。

それは自分にとってようするにスクリーンやブラウン管の中=非日常の中だけで知っている“オカマ”であり、“キャラ”なのだとして認識してしまっているからなのだと思う。

しかし、この“キャラ”が一人の人間として日常の中に地に足を立てた生々しい存在としてスクリーンの中に現れたとき、“キャラ”は一転して“異人=ストレンジャー”へと姿を変えてしまう。

そう、触れたくない者へと・・・。

「Hush!」や「メゾン・ド・ヒミコ」といった映画になかなか馴染めない理由はそこにある。

さて、そんな中でついに観る機会を得てしまった「ブロークバック・マウンテン」だったが、、、フタを開けてみたら、、、まっさか心を揺り動かされるほどの感動に打ち震えることになろうとは思いもよらなかった。。。

しかもその感動はただの感動ではなく、罪、絶望、後悔、救済、哀切、痛みの入り混じった人間の情念が深く心に突き刺さりしみわたってくるものであり、観終わった後もしばらく余韻がさめることはなかった。

かといって決して彼らに同情したわけではない。感情移入さえできたかどうかすら怪しい。

ただ、暗い情念を背負った彼らの佇まいにただただ見入って圧倒されてしまったのだ。

また、アメリカの原風景と同性愛への耽溺が生々しく対峙するのかと思いきや、どこまでも青い空のもとに広がる風景が、それをすっかり浄化し包み込み、彼らのキャラクターの一部にまで昇華させている点も見逃せない。

アジア人のアン・リーがこれを撮ったというのも驚くべきことだけど、、、はっきり言っていいっスか。

オイラはこれほどまでに純粋でせつない普遍的な「純愛映画」というものを見たことがない!

そう、どっからどう見ても純愛だ。男性性とかそういうものを超越した純愛、、、そして愛の悲劇。

なにか京劇と西部劇という違いはあれど、「さらば、わが愛、覇王別姫」に通じるものがあると感じた。

そしてこれは言わずにおけないのが、エモーショナルに訴えかけてくるヒース・レジャーの表現力だ。

ジャックへの真摯な愛と悲痛な慟哭、自分を押し殺そうとしながら揺れ動く心理演技、その佇まいが深く胸をうつ。

ラスト、寂寞とした風景の中にひっそりとたたずむトレーラーハウスの中で永遠の愛を誓うイニス。

記憶に刻まれる名演でした。

しかし、DVDでこの映画を観た数日後、映画の残り香がまだ濃厚に残っている中、ヒース・レジャーの死という報せが届き、思わず自分でもビックリするほど叫んでしまいました。

ジャックに会いに天国に行っちまったのかよっ・・。

とにかく惜しい俳優さんを亡くしてしまったものです。合掌。

Posted at 2008/1/27

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Dr.パルナサスの鏡(2009年・英/カナダ・124分)WOWOW

 監督:テリー・ギリアム

 出演:ヒース・レジャー、クリストファー・プラマー、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレル、リリー・コール、トム・ウェイツ

 内容:2007年ロンドン。移動見世物小屋イマジナリウムを率いてやって来たパルナサス博士には悩みがあった。彼はかつて悪魔ニックと契約を交わし、不老不死を得る代わりに娘ヴァレンティナが16歳になったら悪魔に差し出すと約束していたのだ。一方、何も知らないヴァレンティナは、偶然救い出した記憶喪失の青年トニーと出会い、トニーは一座に加わることになるのだが・・・。映画撮影途中にヒースが急死し、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルがバトンタッチで主人公を演じ分け完成にこぎつけた。

評価★★★☆/70点

理解できたかどうかでいえば理解できない・・・。けど面白かったかどうかでいえば面白い。

ようするに何と言えばいいのか分からない映画なんだけど、一人で見るぶんには楽しめる映画w

現代ロンドンに現れた19世紀的見世物小屋、童顔なのにグラマーなリリー・コール、物語なくして世界はないとのたまっているくせに起承転結などお構いなしの構成、、、これらアンバランスさが映画の魅力になっていて個人的には楽しめた。

しかし、物語というよりは歪んだアートを見ているような感覚に近いので他人と面白さを共有するというのは難儀じゃなかろうかと思うわけで・・。ひとり部屋に閉じこもってギリアム流幻想世界に浸ってみようってかんじかな。。

でも何の前知識もなしで見たものだから、ジョニデが出てきた時は、2シーンくらいそれでも気付かなくて、あれっ!?これってもしかしてジョニデ!?とビックリしちゃったんだけど、、そっかぁヒースの遺作だったんだよね・・・。

ジョニデ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの順番だったけど、ジョニデを一番手に持ってきたのは正解だったな。

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ロック・ユー!

81u838d83b83n81408386815b81i81i81v 出演:ヒース・レジャー、ルーファス・シーウェル、シャニン・ソサモン、ポール・ベタニー、ローラ・フレイザー

監督・脚本:ブライアン・ヘルゲランド

(2001年・アメリカ・132分)2001/10/18・MOVIX仙台

評価★★★★/80点

内容:舞台は14世紀。ウィリアムは馬上槍試合のトーナメントに出場するエクター卿に随行していた。しかし試合中、主人が息を引き取ってしまい、彼は主人になりすまして出場。ウィリアムは強敵を相手に優勝を決め、その後の大会でも次々と勝利を収めていくのだが・・・。

“苦悩も苦しみも皆無の史劇を初めて見た気がする。”

お話自体は単純すぎるくらい単純だが、苦悩の代わりにラブコメ、苦しみの代わりにロックときたか。カレーにチーズとケチャップってかんじ!?

しかしこれがすこぶる美味で驚いた。こんなにしっくり来るものなのか。見かけによらないもんだねぇ。

でも本来ロックというのは、既成の価値観に真っ向から挑んでいく批評性にあふれるものなわけだから、ジャンルを飛び越えたこういう映画における使い方にはもの凄く共鳴してしまう。

だからこそクイーンやデビッド・ボウイ以外にもまだまだガンガン使ってもらいたい曲があったんだけどな。

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サハラに舞う羽根(2002年・英/米・133分)WOWOW

 監督:シェカール・カブール

 出演:ヒース・レジャー、ウェス・ベントリー、ケイト・ハドソン、ジャイモン・フンスー

 内容:19世紀末のサハラ砂漠を舞台に、イギリスの植民地政策と戦争に疑問を持った青年が、親友や恋人との確執を通して自分自身を模索するさまを壮大に描きあげる。

評価★★★/60点

“腰抜け呼ばわりを撤回させる方法”

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のマーティのごとく“腰抜け”とバカにされた相手に立ち向かっていく信念と勇気と、この映画の主人公のごとく他の国の人間を2,30人殺害してみる信念(しかもうやむやな)と勇気とではその意味合いは全く違うゾ。

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ブラザーズ・グリム

20051201003 出演:マット・デイモン、ヒース・レジャー、モニカ・ベルッチ、ジョナサン・プライス

監督:テリー・ギリアム

(2005年・米/チェコ・117分)2005/11/18・MOVIX仙台

評価★★★☆/70点

内容:19世紀のドイツ。世渡り上手の兄ウィルと夢想家の弟ジェイコブのグリム兄弟は、各地の村を旅して、その地に伝わる古い物語を集め回っていた。が、その一方で、行く先々の村々で魔物退治と称して荒稼ぎする詐欺師稼業も働いていたのだが、それがバレてしまい、フランス軍の将軍に捕まってしまう。そして将軍から、ある村で起きている少女連続失踪事件の解明を命じられるのだが・・・。

“「ゴーストバスターズ」と「スリーピー・ホロウ」を程よくブレンドしたかんじで取っ付きやすく安心して見られる。”

ギリアム映画で安心して見られちゃうというのも珍しいけど、幻想的かつグロテスクなギリアム色がしっかり素地としてこの作品を支えているのもヨロシイ。

また、ジェイコブ(ヒース・レジャー)とウィル(マット・デイモン)の兄弟コンビもキャラ立ちがしっかりしていて2人のやり取りもなかなか面白い。

特にヒース・レジャーは新境地開拓といったかんじ。マット・デイモンは何を演ってもマット・デイモンなんだけどね(笑)。

夢のシネマパラダイス438番シアター:海猿

Umizaru 出演:伊藤英明、加藤あい、海東健、香里奈、伊藤淳史、藤竜也

監督:羽住英一郎

(2004年・東宝・120分)2004/06/23・仙台第1東宝

評価★★☆/50点

内容:海上保安官の中でわずか1%しかいない人命救助のエキスパートである潜水士になるため、仙崎大輔ら若者たち14名が過酷な研修に臨んでいた。マスターライセンスを持つ彼は、主任教官からの指示で、落ちこぼれの工藤とバディを組むことになった。そんなある日、仙崎は伊沢環菜という女性と出会い、急速に惹かれあっていく。。

“いつまでプロローグが続くのだろうかと思ってるうちに2時間経っちまった・・・。”

「お前はなぜ潜水士になりたいんだ?」「人命救助をしたいからです。」

「お前は?」「同じく人命救助であります。」

「お前は?」「人命救助であります。」

「お前は?」「もちろん人命救助です。」

これが延々とつづき、、、ラストの締めはもちろん「お前はなぜ潜水士になりたいんだ?」「人命救助です!」

これがホントのリフレインが叫んでるnoteユーミンの顎もはずれましたーーッ。

「、、、ってコラー、その人命救助を全く描いとらんやんけー。お前、何様のつもりだぁーッannoy

「はい。TVドラマの方でやろうと思いまして、視聴率も稼げると思いますし、もったいぶってみようかと、、、もとい観客を焦らして楽しませてみようかと、左様に。。だから工藤が溺れてる人を助けようとするシーンは編集でチョキチョキさせていただきましたぁっ!こういうのはチョコチョコ小出しにしていけばいいんですよ。固定客は必ずついてきますから。」「おぬしも悪よの~~」「グホホホホ・・・」

、、、、工藤の霊が黙っとらんぞ。

海猿とは海の底で手招きしているサル顔の工藤の御霊のことだったのだ。シーモンキーだよ。

もうね、この映画、工藤がポイ捨てされて死んだ時点でもうどうでもよくなったから(笑)。

ちなみに、、、ケツばかり見せてないで前を見せろや!、、、わたくしの女友達がつぶやいた極めつけの一言でした。

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LIMIT OF LOVE 海猿(2005年・東宝・117分)2006/05/29・盛岡ピカデリー

 監督:羽住英一郎

 出演:伊藤英明、加藤あい、佐藤隆太、大塚寧々、吹越満、藤竜也

 内容:海上保安官である仙崎が潜水士となって早2年が経ち、現在は鹿児島第十管区で機動救難隊員として海難救助の最前線で働いていた。そんなある日、鹿児島沖3キロの海上で乗客620名を乗せた大型フェリーの座礁事故が発生する。すぐさまバディの吉岡哲也と現場へ駆けつける仙崎。しかし、船体に30mに渡って亀裂が生じ、沈没までに残された時間はわずか4時間。さらに、彼はそこで偶然乗り合わせていた婚約者、環菜の姿を発見する・・・。

評価★★★★/80点

“クサイ作りと主人公の真っ直ぐなアツさがものの見事にかみ合っている、余計なことは考えなくてもいい王道娯楽一直線映画!”

1作目は完全にTVドラマの前振りのようなかんじで、しかも青春スポ根ものに特化しておきながら肝心の人命救助がほとんど描かれないという、それは例えていうならば高校球児の試合を描かないのと同じようなものであり、1作目に関しては個人的には物足りなさを感じてしまった。

しかし、今回は最初っから人命救助をメインとして、アクセル全開のヒーローものに特化しており、いうならば「ポセイドン・アドベンチャー」はたまた「デイライト」に少々「タイタニック」のラブロマンス要素を足したようなイイとこ取りに徹している単純明快さが、海難救助の最前線をストレートに伝えてくれてオイラとしては良かった。

この映画に何を求めるかといったら娯楽感動路線であることには違いないわけで、そういう意味では、いらない要素を排除した潔くて“クサイ”割り切り方はハリウッドの定番娯楽映画のつくりと大差はなく、日本映画もそういう合理的な考え方ができるようになったか、、とオイラなんかは逆に嬉しくなっちゃったんだけど。

しかもそのような“クサイ”つくりと主人公・仙崎大輔(伊藤英明)の真っ直ぐなアツさがものの見事にかみ合っているのが、この映画の成功ポイントといえるだろう。

しかし、このハリウッド定番娯楽方式には重大な欠点があることも肝に命じておかなければならない。

それは、いわゆる“ご都合主義のオンパレード”というものであり、数多のツッコミどころも含めて好意的に見れるかどうかが映画を楽しめるかどうかの大きなポイントとなる。

今回の映画もそういう点では収穫満載のご都合主義が見られるわけだけど、自分はそういうところも含めて楽しめた。

ハリウッド映画好きには普通に楽しめる映画なのではないかな、と。

永遠に伸びていくと思われる空へとつづく煙突ハシゴに一人を背負い、一人を片手に掴み、片手一本で必死にしがみつく仙崎が、ついに手を離してしまうシーンも、シルベスター・スタローンだったら登ってたぞみたいな(笑)。

でもこの後につづくシーンがまた泣かせるんだよなぁ。

救助隊の仲間たちが次々と潜水許可を打診してくる、決してあきらめない仲間たち。男と男の友情、信頼、アツさに思わずジ~~ンweep

あるいは仙崎ひとりにヒーローぶりの見せ場を全部持ってかれてたまるかぁっ!という意地の見せ場だったのかも・・・。みんな異常に潜る気マンマンだったし(笑)。

、、、でも、岸壁と目と鼻の先で座礁して、大型フェリーとはいえ、あんなに手こずるかぁ?とか、吉岡が生死の窮地に陥っている時に、しかも早くはしごを登らなければならないその時にクサイ言葉でプロポーズする馬鹿がどこにいる、、、だとか確かにツッコミどころは満載ですた。

しかし、「デイライト」もそうだったけど、生きることへの執念というか絶対に死にたくないという思いが直に伝わってくる映画は好きだな。

“死”で泣かせる映画よりは“生”で泣かせてくれる方があざとさも感じないし、、とは言いつつ、くっさい「タイタニック」で号泣したからなぁ・・・coldsweats01

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THE LAST MESSAGE 海猿(2010年・東宝・129分)WOWOW

 監督:羽住英一郎

 出演:伊藤英明、加藤あい、佐藤隆太、加藤雅也、吹石一恵、香里奈、時任三郎

 内容:巨額を投じた国家プロジェクトとして福岡沖で稼働する天然ガスプラント“レガリア”で火災事故が発生。折しも大型台風が接近、一層の緊張が高まる中、仙崎大輔ら潜水士がレガリアの設計主任・桜木と共に現場へ駆けつける。が、救出作業中に突然爆発が起こり、仙崎たちはレガリア内に取り残されてしまう・・・。

評価★★★/60点

前置きも全くなくいきなり本題に入っていくのは3作目ともなれば通用する作りとはいえ、中身は2作目の焼き直しにしか見えず面白味に欠ける。

3Dメガネをかければ魅力的なのかもしれない絵作りもイマイチだし、吉岡(佐藤隆太)ら仲間たちも土俵際からただ叫ぶばかりで全く活きてこない。

こうなると自分にとっての見所は加藤あいの嫁さんっぷりだけになるんだけど、これがまぁすこぶるヨロシクてlovely

「大輔くんがいないとダメなの~~ッ!」て、、そんなこと言われてみてーっ!

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(おまけ)

252 生存者あり

21be1638101ff8154778cd12249c2363 出演:伊藤英明、内野聖陽、山田孝之、香椎由宇、木村祐一、桜井幸子

監督:水田伸生

(2008年・日本・128分)CS

内容:東京で震度5の直下型地震が発生した数日後、地震の影響で海水温度が急上昇し、史上最大規模の台風が発生する。巨大な雹につづき、東京湾からの高潮が凄まじい勢いで都心になだれ込んでくる。その頃、元ハイパーレスキュー隊員の篠原祐司は、妻と娘と銀座で待ち合わせをしていた。しかし、2人は新橋駅で台風によるパニックに巻き込まれてしまう・・・。

評価★★★/55点

奇しくもこの作品、東日本大震災の1週間前に日本映画専門チャンネルでやってて録ってたんだよね。で、震災数日後に見たんだけど、、娯楽映画を見る目では見られなかったのが正直なところ。

特に史上最大の巨大台風直撃によって引き起こされた高潮が都心を襲うさまは津波そのもので、地下鉄駅構内に大量の水が押し寄せるシーンなどは思わず目を背けたくなるほど・・。

それだけの迫力のある見応えありの映像で、映像面では文句の付けようはない。

が、しかし、それに寄り添うべきドラマがドラマとしての体を成していないのが致命的に痛い。

登場人物それぞれにワケありなバックボーンを与えるのはご結構だけど、それが物語を空回りさせる役目しか果たしていなくて、こんなに登場人物の行動原理に共感できないのも珍しいというか・・coldsweats01

研修医・山田孝之のカミツキキャラがいちいち気に障ったけど、元ハイパーレスキュー隊員・伊藤英明のハイパーレスキューを辞めた理由にまで首を突っ込むかねフツーw!?

どうも理解に苦しむ場面が多くて参っちゃった。しかもその空回りしたドラマをスローモーションの多用でさらに盛り上げようってんだからお寒いばかり。ていうかクドすぎるわannoy

あとは、新橋駅の地下構内だけでしか話が動かないので、それもまぁスペクタクルものとしてみればこじんまりとしすぎてるというか、例えば抜け道があって銀座有楽町方面に移動するとかさ。そういうのがあってもよかったと思うんだけど、シナリオがちゃちいのでどうにもならんわな(笑)。

見る時期が違っていたら★2つだったな。。

2011年9月28日 (水)

夢のシネマパラダイス216番シアター:パブリック・エネミーズ

パブリック・エネミーズ(2009年・アメリカ・141分)CS

 監督:マイケル・マン

 出演:ジョニー・デップ、クリスチャン・ベイル、マリオン・コティヤール、ビリー・クラダップ、スティーヴン・ラング

 内容:1930年代の大恐慌時代に銀行強盗を繰り返しながらも義賊として民衆に支持されたギャング、ジョン・デリンジャー。FBIは彼を“社会の敵No.1”として逮捕に全力を挙げていく・・・。

評価★★☆/50点

生きざまというよりは死にざまを描いた映画だけど、ジョン・デリンジャーの人となりがほとんど分からないまま何の感情もなく銀行強盗してドンパチやってるようにしか見えないので、印象としてはホントにラストの死に際しか残らない。

おそらくアメリカ人にはデリンジャーはものすごくメジャーな人で、そこらへんは描かなくても分かるってことなのかもしれないけど、何も知らないオイラにはこの描き方はキビシイものがあった。

パイレーツ俳優になったとはいえw、ハリウッドのアウトロー的存在感をいまだに有しているジョニデのキャラと乾いた映像美だけで引っ張っている映画といえばいいだろうか。

ジョニデファンにはたまらないんだろうけど、銀行強盗、ドンパチ、刑務所、脱獄のリフレインは退屈きわまりないものがあり・・・。

聞くところによるとデリンジャーは義賊だったみたいだけど、そこもあまり伝わってこなかったし。。

ただ、エンドロールまで監督がマイケル・マンだとは気付かず、、なるほどスタイリッシュな映像やクラシカルな男の世界観など合点がいくといえばいくんだけども、男しか描けないはずの監督がマリオン・コティヤールをこれだけ美しく撮れて刹那的なロマンチシズムを主軸に据えちゃうなんて思いもよらず。

その点ではマイケル・マンの新たな一面を見れたことだけは収穫だったかも。

でもそれが分かった上で見れば、やはり構成のぎこちなさというかドラマの単調さは気になるところで、ジョニデvsクリスチャン・ベイルのバシッとした男の対峙をこそ見たかった気も・・。

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ロード・トゥ・パーディション(2002年・アメリカ・117分)MOVIX仙台

 監督:サム・メンデス

 出演:トム・ハンクス、ポール・ニューマン、タイラー・ホークリン、ジュード・ロウ、ジェニファー・ジェイソン・リー、ダニエル・クレイグ

 評価★★★☆/70点

 内容:1931年のシカゴ。アイルランド系マフィアの幹部であるサリヴァンは、長男のマイケルに殺しの現場を目撃されてしまう。さらに、もともと彼が邪魔だったボスの息子コナーが、サリヴァンの妻と次男を殺害。サリヴァンは復讐を胸に、マイケルとともに逃避行に旅立つ。。

“題名に隠されたもうひとつの意味「地獄への道」、、、<聞いて地獄、見て地獄>なら文句なしに★5つ付けられただろうが、なぜかこの作品は地獄の一丁目で立ち止まったまま前に進もうとしない。”

<聞いて極楽、見て地獄>ならまだしも、この作品は<聞いて地獄、見てお上品>というこちらの燻りはじめた不満をうまくはぐらかされ、かわされながら結局その燻りは赤々とした炎になることなくラストまで観せられちゃったかんじ。

サム・メンデスにしてやられたな、と。。

素晴らしい映像に表向きは映画観たなぁという気にさせられるが、どこかで釈然としないわだかまりが胸の中にずっと燻り続けている。

それはつまるところ、ことごとく二項対立で配置された人物たちが、観ている自分の中で勝手にひとり歩きしないというところに行き着いてしまう。

まるでサム・メンデスの掌の上に乗るただの駒のような印象を抱いてしまうのだ。マイクはここ、ルーニーはここ、マイケルはここ、コナーはここ、と。

しかもその事前に割り当てられたマス目からはみ出ちゃダメだというような立ち位置で。そしてそこにサム・メンデスの圧倒的映像美のカーテンが覆いかぶさる。

それも映画のひとつの醍醐味ではあるのだけど、、しかし。。

物語の内容がベタであることは全くかまわない。

良くも悪くもほとんどの映画は基本的にベタなのだから。

問題は映画の中で息を吹きかけられた登場人物たちに味わいを感じなかった、もっと言えば高まる生の鼓動を感じなかった、そこにわだかまりが残ってしまうのだ。

とはいえ、ジュード・ロウ演じる見ていて虫酸が走る殺し屋になぜか味わいを感じてしまったのは何とも皮肉。

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グッドフェローズ

1900_0043  出演:レイ・リオッタ、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ぺシ、ロレイン・ブラッコ、ポール・ソルヴィノ

監督・脚本:マーティン・スコセッシ

(1990年・アメリカ・145分)NHK-BS

内容:ヘンリーは幼い頃から“グッドフェローズ”と呼ばれるマフィアの世界に憧れ、12歳にして地元のボス、ポールの舎弟となる。兄貴分のジミーや、気はいいがキレやすいトミーと友情で結ばれる。やがて結婚し子供にも恵まれるのだが、ジミーの指揮した600万ドルの強奪事件が起こり、ヘンリーはFBIに内部告発を強要される。。名匠スコセッシが挑んだ本格的ギャングムービー。抗争や犯罪描写よりも、マフィアに憧れた1人の男の苦く空しい一生を軸に、組織内での生活、友情、そして裏切りを正攻法の人間ドラマとして描いているのが特色。

評価★★★/65点

中学生のときにビデオで観て、アメリカ人はとにかく「Fucking!」という言葉を使うのが好きなのだということが分かった。

しかし、なぜか学校の英語のテストには1回も出てこなかった・・・。

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フェイク(1997年・アメリカ・126分)仙台第1東宝

 監督:マイク・ニューウェル

 出演:ジョニー・デップ、アル・パチーノ、マイケル・マドセン、アン・ヘッチ

 評価★★★★/75点

 内容:FBI捜査官ピストーネは、おとり捜査のためにマフィア組織に潜入することを命ぜられる。ドニー・ブラスコという名で接触を図った彼に最初に近づいたのは組織の末端の気さくな男レフティだった。レフティは聡明で行動力あふれるドニーとの出会いに、あきらめていた出世への夢を再び抱くようになるが・・・。

“あれだけ命張って、得たものが雀の涙ほどって一体・・・。”

ようするにメダルとたった500ドルで友情を裏切ってしまったという何とも哀しいお話。

話の展開としては、実話ゆえの難しさか、フィクションならばもっと盛り上げたりスリリングにできる展開にできるネタなのだけども、なんか淡々と進んでいくかんじで少し惜しい気もする。

例えば、兄貴分に付いたレフティは、俺たちは組織の小さな歯車の1コに過ぎないと半ばあきらめてるけど、このレフティがもしも上昇志向のある若手組員だったならばもっと違う展開にすることだってできたはずだ。

まぁレフティの人物造形がリストラされていく中年オヤジの悲哀たっぷりなので致し方ないか。。

ホント、あの哀愁を帯びた表情が頭にこびりついて離れないもん。

だから、スリルよりも人物同士の友情に重きを置いた点は当然の帰結ともいえるし、やっぱりこの点は買いたい。

ただ、どうしてもマフィアものでアル・パチーノとくると「ゴッドファーザー」のマイケルを思い浮かべてしまうんだよね。

マイケルをほとんど感じさせないキャラとアル・パチーノの巧い演技でその点は消されてるけど、ニューヨークとマイアミといったら「ゴッドファーザーPart2」そのまんまじゃんみたいな(笑)。

ソニーソニーソニーっていったらゴッドファーザーの長男ジェームズ・カーン扮するソニーじゃんみたいな・・・。ちょっとかぶりすぎ。

2011年6月 9日 (木)

夢のシネマパラダイス304番シアター:ピクサーアニメ倉庫

トイ・ストーリー

Toystory_small 声の出演(日本語吹き替え):唐沢寿明、所ジョージ、名古屋章、永井一郎、戸田恵子

監督:ジョン・ラセター

(1995年・アメリカ・81分)盛岡ピカデリー

評価★★★★/75点

内容:おもちゃたちの友情と冒険を描いた、世界初の全編フルCGによる長編アニメーション。アンディの6歳の誕生日に、プレゼントとして最新式のアクション人形バズ・ライトイヤーがやって来た。木製のカウボーイ人形ウッディは、バズにアンディのお気に入りの座を奪われてしまい、気が気ではない毎日。ある日、ひょんなきっかけで家の外に飛び出たウッディとバズは、いがみ合ううちに隣家の悪ガキ・シドに捕まってしまった・・・。

“ここにわたくしは罪を告白いたします・・・”

帰ってきたウルトラマンとウルトラマンタロウのフィギュアの首を取って付け替えてしまったことをどうかお許し下さい。

メカ恐竜のゾイドをすべり台から滑らして落としてしまい、アガッアガッと言ったあと動かなくさせてしまったことをどうかお許し下さい。

キン肉マン消しゴム通称キン消しで本当に字が消えるのかやってみたところ、なかなか消えなくて意地になってこすってたら腕から真っ二つに裂けてしまったことをどうかお許し下さい。

妹が大事にしていたリカちゃん人形のスカートをめくってみたり、顔に油性マジックで鼻毛などを落書きしたところ消えなくなってしまい、あの美貌を汚してしまったことをどうかお許し下さい。

ロシアのお土産で歴代大統領の姿を木で模してつくった置き物、エリツィンの上半分を取るとその中に一回り小さいゴルバチョフが入ってて、それをまた取っていくとさらに小さいフルシチョフが入ってるみたいなやつ、あの中ににロウソクを立てて密封したところ(酸素がなくなって火は消えると思ったんです・・・)、エリツィンが激しく燃えてしまったことをどうかお許し下さい。

ミッキーマウスのぬいぐるみを兄弟げんかの時に投げ合ったことをどうかお許し下さい。

田宮のミニ四駆を友達より速く走らせるためにパーツを軽量化しようとして、どこかしこに肉抜きや穴あけをしまくったところぶっ壊れてしまったことをどうかお許し下さい。

その他諸々のおもちゃに対する非人道的な行為をどうかお許し下さい。

ちなみにこれらはオイラが小学生のときのお話ですから・・・

この罪は自分に子供ができたときにしっかり教え諭すことで償いたいと思います。

決してシドみたいな子供にはさせませんので。許して。

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バグズライフ(1998年・アメリカ・94分)仙台日之出プラザ

 監督:ジョン・ラセター

 声の出演(日本語吹き替え):宮本充、土井美加、須藤祐実、磯辺万沙子

 内容:ホッパー率いるバッタ軍団に収める食料を集めるため、重労働を強いられるアント・アイランドのアリたち。発明家の働きアリ・フリックはバッタに対抗するために用心棒を捜しに都会へ旅立ち、七人の侍ならぬ8匹の昆虫たちを連れてくるが、彼らはただのサーカス団員で・・・。

評価★★★/65点

NGシーンを心底楽しめるまでに各キャラクターの味わいが深くなかったのが、なにか物足りなさを残す。

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トイ・ストーリー2(1999年・アメリカ・92分)MOVIX仙台

 監督:ジョン・ラセター

 声の出演(日本語吹き替え):唐沢寿明、所ジョージ、日下由美、名古屋章、三ツ矢雄二

 内容:ある日、ウッディがガレージセールでおもちゃ屋のアルにさらわれてしまう。超レアもののビンテージ品としての価値に目をつけたアルは、彼を博物館へ売りつけようと画策。バズたちはウッディを助けるためアルの行方を追うのだが・・・。

評価★★★/60点

このシリーズは子供に絶対見させておいて損はない!いや、見せるべき作品だ!ていうかピクサーの映画は全部そう。

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ファインディング・ニモ

51tfxw6bjpl__aa240_ 声の出演(日本語吹き替え):木梨憲武、室井滋、宮谷恵多、山路和弘

監督:アンドリュー・スタントン

(2003年・アメリカ・101分)2003/12/20・MOVIX仙台

内容:オーストラリアのグレートバリアリーフ。カクレクマノミのマーリンは妻のコーラルとの間にできた400個の卵が孵化するのを楽しみにしていた。が、ある日サメに襲われ、コーラルの命が奪われたあげく、無事に卵から生まれたのはたった1つだけだった。父親となったマーリンは、この子をニモと名付け、過保護なまでに大事に育てていく。そして6歳になったニモが初めて学校へ行く日がやってきた。が、好奇心旺盛なニモがボートに近づいていったそのとき、人間のダイバーにニモがさらわれてしまう。マーリンは陽気なナンヨウハギのドリーの助けを借りてニモを取り戻す旅に出るが・・・。

評価★★★★★/90点

あ゛っ・・・。シドニーセラピーじゃなくてカキピーじゃなくてワラビー、、、ワラビーだぁっ。シドニーワラビー通り、、、ギャーーッ。マジで思い出せない。ド忘れしちまったぁー。

誰か助けて下さい。夜も眠れません。(((;゜д゜))アワアワ・・・...

でもでもいいんだ!この映画のことは決して忘れることはないのだから。

でも、、、眠れねぇ。。。

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Mr.インクレディブル

B0006jeeh0_09_lzzzzzzz1 声の出演(日本語吹き替え):三浦友和、黒木瞳、綾瀬はるか、海鋒拓也、宮迫博之

監督・脚本:ブラッド・バード

(2004年・アメリカ・115分)2004/12/23・MOVIX仙台

評価★★★★/80点

内容:Mr.インクレディブルは、かつては世界の危機を救ったスーパーヒーローだったが、15年前に、被害を受けた一般市民に告訴されて敗訴して以来、スーパーヒーローとしての活動を禁じられていた。今では保険会社のクレーム担当のサラリーマンとして働く日々を送っており、妻と3人の子供も正体を隠しながら生活していた。しかし、巷で元ヒーローたちが次々と行方不明になる事件が続発しはじめ・・・。

“黒木瞳の大開脚スプリングかかと落としを後頭部に喰らいたいッス!”

ピクサーでは人間をモチーフにして描いた最初の作品ということだったわけだけど、個人的には少なからず懐疑的な目を向けていたというか、不安があったのはたしかだ。

それは、それまでのピクサー作品に出てくる人間がまったく形式的かつ機械的なものとしてしか描かれていなかったからだ。いわば漫画、アニメにおける記号としての人間。

しかし、その不安は全くの杞憂に終わった。

もちろんそれまでの作品において人間は完全な従として登場してきたわけだけど、その点を差し置いてもこの映画におけるキャラクター、人間造型にはさすがだなと唸らされた。

特に顔の表情は、今までのハリウッド製アニメにはなかった生き生きとした実感が刻まれており、正直ド肝を抜かれた。

ダッシュの通う学校の先生や、ボブの勤める保険会社の上司など、脇に至るまで非常に個性的で魅力的だし、インクレディブル一家もヴァイオレットなんかは貞子そっくりで思わず笑ったけど、髪の毛を耳にかけるという仕草だけで彼女の成長を表現してしまうあたりは、もうホントほれぼれしちゃいますわな。

ボブの上司にしても、カレンダーの枠線の上に鉛筆を重ねて置かないと気が済まないという、いかにも几帳面で神経質な性格を表わしていて、シナリオにどのくらい時間かけてるのか知らないけど、アニメでこういう細かいところまで設定を生き生きと活かせるというのは珍しいと思うし、スゴイの一言しか出てこない。

そして、なんといってもヘレン=イラスティガールだ。

正直ストーリーそのものは至極単純で魅力に乏しかったのだけど、ヘレンの一挙手一投足に集中することで、この映画の世界に居続けることができたし、ヘレンをはじめとするキャラクター同士の楽しく魅力的なコラボが映画を支えていたと思う。

キャラに関しては全ての歯車がかみ合っていたといっていい。

欲をいえば、やはりストーリーにやや奥深さが足りなかったかなと。

ヴァイオレットとダッシュの学校生活なり日常生活を一つ二つ付け加えただけで、もっと面白い作品になったと思うんだけど。

でも、ヴァイオレットとダッシュが夕飯中にケンカするシーンはこの映画の白眉で、「ズルイよ、シールド使うのは!」には爆笑ですた。この映画最高の名セリフでしたな。

あと、これも付け加えておかないと。

車よ車rvcar

次作が「カーズ」なためなのかどうかはともかく、車の造型がピカイチ。ボブの乗る小さい車なんて、あれはMr.ビーンの車か、はたまたカリオストロでルパンが乗る壁よじ登りカーでしょ。

車が角を曲がる時のコーナーリングも文句なし。「おもひでぽろぽろ」(1991)で柳葉敏郎が運転していた車の微妙なぎこちなさは完全に払拭されたね。

ピクサー。いいっス。

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カーズ

20060716cars640_s 声の出演(日本語吹き替え):土田大、山口智充、戸田恵子、浦山迅、パンツェッタ・ジローラモ

監督・脚本:ジョン・ラセター

(2006年・アメリカ・122分)2006/07/11・盛岡フォーラム

評価★★★★☆/85点

内容:ライトニング・マックイーンは、ピストンカップで史上初の新人チャンピオンを狙う若き天才レーサーだが、自己チューで生意気な性格が玉にキズ。そんな彼が、レース会場への移動中に辺鄙な片田舎ラジエーター・スプリングスに迷い込んでしまい、町をメチャクチャにしてしまう。早くレース会場に戻らなければと焦るマックイーンだったが、町の住人に道路の補修をしていけと言われ・・・。

“カリオストロの城から26年。やっとこさオイラを納得させるカー・アクションが現れた!”

「映画史上もっとも完璧なカーチェイス」とスピルバーグが絶賛してやまない宮崎駿の「ルパン3世カリオストロの城」(1979)の冒頭におけるフィアット500、シトロエン2CV、ハンバースーパースナイプの激走カーチェイスは、お金を払って見てもお釣りが返ってくるほどの素晴らしさと面白さで満ち満ちている。

フィアットが片輪走行で対向車の大型バスをかわしたり、崖を疾走したり林の中を突っ切ったり、シトロエンがボロボロになっていく有り様など、アニメにしかできない創造力とリアリティの新境地にド肝を抜かれた。

それから様々なアニメで車の動きを見るたびに、動きの滑らかさや機動性、そしてアニメの心を忘れない面白さという点で、カリオストロを超える描写はなかなか世に出てこなかった。

しかし、カリオストロから26年。

やっとで万人が納得できる車・車・車映画が出来上がった。

3DCGをフル活用しているという点で、26年前とは手法がもろに異なっているけど、しかし、デジタルとアナログという違いはあれ、出来上がった作品世界の匂いみたいなものは共通していたと思う。

今回の映画が心魅かれるのは、デジタル技術に特化していながら、作品からアナログ感が程よく漂ってくる点だと思う。

もちろん、CG技術のハイクオリティによる車の自然な動きと滑らかさは特筆もので、ボディの質感、揺れ具合、傾斜、タイヤの躍動感、陰影、ボディに反射する景色や照明、、、素材という素材を完璧に作りこんだリアリティにはもはや脱帽するほかない。

「ターミネーター2」のT-1000型ターミネーターを見たとき以来の衝撃と言ったら大げさだろうか。

そして、さらにそのリアリティあふれる車を完全に擬人化し、変幻自在の表情をつけることでアニメキャラとしての心と魂が吹き込まれた。

目の表情はもとより、口元が小粋でイイんだよね。メーターの出っ歯とか、チック・ヒックスの口ヒゲとか。ホント、生き物だよあれはw。

十人十色のキャラクターが完璧ともいえる造型=演技で表情豊かに走り回るさまは見ていてホントに心が躍ったし楽しかった。

アニメで表現するということの意味や意義みたいなものをしっかり分かってると思うな。この映画の作り手さんは。

3DCGというと、とかく実写なみの写実性に走りがちだけど、策士策におぼれるみたいにアニメでこれを使うことの目的意図からどんどんかけ離れていく傾向にあっただけに、アニメ本来の面白さを忘れていないピクサーにはホンマもんの拍手を送りたいです。

マックイーンとサリーのデートドライブなんかはグランツーリスモを彷彿させたりしてホンモノ感もしっかりアピールしていたし、カリオストロに出てくるフィアット500が今回の映画でタイヤ専門店の店主ルイジとして出てくるのだけど(オマージュだと思う)、宮崎フィアットと互角かそれ以上に渡り合える小粋なイタリアンフィアットにうまくアレンジされていることを見ても、文句の付けどころがない完璧さだろう。

また、時代に置き去りにされていくルート66の田舎町を舞台にし、登場する車も1950~70年代型にすることで、アナログ感を程よく醸し出すことに成功していたと思う。

デジタル技術でアナログを表現する。

上手い、巧い、美味いhappy02

車がヨガのエクササイズに励むなんて最高じゃないッスか。

DVD買ってまた観よっ。

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レミーのおいしいレストラン

Ratatouille 声の出演(日本語吹き替え):岸尾だいすけ、佐藤隆太、浦山迅、甲斐田裕子、有川博

監督・脚本:ブラッド・バード

(2007年・アメリカ・120分)2007/08/10・盛岡フォーラム

評価★★★★★/95点

内容:ドブネズミでありながら天才的な料理の才能を持つレミーは、尊敬する名シェフであるグストーの著書を読みながら一流レストランのシェフになるという夢を持っていた。しかし、そのグストーは料理批評家イーゴに店の星を減らされ、失意のうちに急死してしまう。そんなある日、レミーは嵐で家族とはぐれてしまい、パリのグストーのレストランにたどり着く。そこの厨房で、雑用係のリングイニがスープを台無しにするのを見たレミーは、こっそりとスープを作り直すのだが・・・。

“偉大な映画は勇気から生まれる!”

ミッキーマウスというディズニーが誇る世界最強の“ネズミ”キャラクターを差し置いて、グレーの毛並みの1本1本まで実に生々しくフサフサしている醜悪なドブネズミを造型して主人公にしてしまった勇気(ちなみにピクサーは06年にディズニーの完全子会社になっている)。

そして調理場の最大の敵である西の横綱がゴキブリならば東の横綱は紛うことなくネズミ、そのネズミに料理をさせてしまおうという身の毛もよだつようなお話を作ってしまった冒険。

耳で聞くぶんには、とてもじゃないが目にはしたくない作品なのだが、恐る恐るフタを開けてみたら、アントン・イーゴの言葉のごとくオイラの先入観は見事なまでに大きくくつがえされた。

これは決して大げさな表現ではない。まさに衝撃だった。

小麦粉と卵、砂糖とバニラビーンズ、そしてほのかなビターレモンの香りが漂ってくるスクリーンの中のえもいわれぬ世界に完全に酔いしれてしまった。

やはり5つ星レストラン、ピクサーは期待以上の仕事をしてくれる。

さすがに天井裏にビッシリと張り付いたネズミが部屋にワッサと落ちてきたシーンや、キッチンを占拠しているシーンは思わず背筋にゾワゾワッと悪寒が走ったけど(笑)。

でも、料理するのに手を汚したくないから地面に手を付けて歩きたくないといったレミーのキャラクターだとか、それとは対極の雑食たるネズミがグルメを解すわけがないという兄・エミールの位置付け、また、魔女の陰険な執事を思わせるイーゴの造型などよく練り込まれていて面白かったし、日常生活の中でなかなか思い切って前へ歩み出すことができない自分がドブネズミに説教くらってるような複雑な気分になるのもなにやらシュールなかんじで、ネズミに出来るのにオレに出来ないわけがない!と変な勇気までおみやにもらっちゃって、もう何も言うことはございません。

ゴチになりましたぁーーっrestaurant

また、美味しそうなんだ料理がlovely

ただ、強いていえば、グストーのレストランのわけありの従業員たちのことをもっと描いてほしかったかなぁ。なんかもったいなかったような。

だって親指だけで人を殺せるってのはホントすごいことだぞ(笑)。

とにかく、またお腹をすかして、ピクサーレストランに足を運ぼうと思います。今度はどういう料理を出してくれるのかなぁ。。

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WALL・E ウォーリー

2682405328_6d3e9a8dce 声の出演(日本語吹き替え):横堀悦夫、園崎未恵、草刈正雄、小川真司、小山茉美

監督・脚本:アンドリュー・スタントン

(2008年・アメリカ・103分)WOWOW

評価★★★★/75点

内容:人類に見捨てられ、ゴミに埋めつくされた29世紀の地球。そこで700年もの間、黙々とゴミ処理に励んでいるロボットのウォーリー。天涯孤独の彼は、ミュージカル映画「ハロー・ドーリー」の中の登場人物みたいに自分もいつか誰かと手をつなぎたいという夢を抱いていた。そんなある日、突如着陸してきた探査船から一体のロボット・イヴが降り立った。ウォーリーはたちまちイヴに心惹かれていくが・・・。

“目は口ほどに物を言う”

人間ではないものを擬人化することにかけては右に出るものがないピクサーがたどり着いた擬人化の最終進化形。それは鼻もなければ口もない、セリフもなければ足までないツンツルテンのデジタルロボットと、汚染物質とサビがビッシリくっついたアナログロボットだった!

喜びhappy02、泣きweep、笑いhappy01、怒りangryといった感情を“目”と“手”だけで表現する。それは例えば手をつなぎたいのに言い出せないで相手の手をもどかしそうに見つめる、その仕草だけで十分に映画たりえるのはチャップリンの「街の灯」(1931)なんかにも通じるところなんだけど、映画・アニメーションの原初的な動きが普遍的な愛―愛おしさや優しさ、つまりは人の温もり―をダイレクトに伝達してくれる、そのオーソドックスな素晴らしさを再確認させてくれただけでもこの映画を見た甲斐はあったというもの。

しかも、それを無機質なロボットで表現したのだからスゴイの一言だわ。

絵柄とか世界観がオイラの大好きなTVゲーム「ラチェット&クランク」シリーズに似ていて馴染みやすかったし、あとはやはり人間以上にピュアで感情豊かなウォーリーにイチコロでやられたかんじ。。

足のないイヴや歩くことをやめた人間とは対照的にキャタピラをカタカタ震わせながら地に足を着けて駆け回る姿、そしてイヴを一途に想いつづけるけなげな姿に思わずホロリとさせられてしまった。

まぁ、無人と化した地球で黙々と働きつづけるウォーリーの日常を追ったシュールな前半部分にもうちょっと捻りをきかせたエピソードを持ってきて、“700年間ひとりぼっち”というウォーリーの境遇にもっとスポットライトを当ててほしかった気もするけど。イヴの登場が早すぎたような・・。

でも、こういう映画を作れてしまうピクサーはやっぱりスゴイと思う。

宮崎アニメ以外で、見終わった後もう一度見たいと思わせる作品を作ってくれるピクサー、オイラはついて行きまっせ!

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カールじいさんの空飛ぶ家

O0264039110307093801 声の出演:飯塚昭三、大木民夫、立川大樹、松本保典、松元環季

監督:ピート・ドクター

(2009年・アメリカ・103分)WOWOW

内容:古い一軒家に住むカールじいさんは、最愛の妻エリーに先立たれてからひとり孤独に暮らしていた。しかし、家が地上げにあい、立ち退かなければならなくなる。そして迎えた立ち退きの日の朝、カールはエリーと約束した伝説の場所パラダイス・フォールへ旅立つことを決意する。。

評価★★★★/75点

オイラ的映画会社格付けにおいて文句なしのAAAを付けられる唯一の会社、ピクサー!

今回もまた期待を裏切ることのない出来で、その信頼は揺るぎのないものにww

まず、カールとエリーのなれ初めから始まるオープニング、そして2人の幸せな夫婦生活をサイレント風につづった5分にも満たないモンタージュシーンに一気にゾッコンになってしまった。

カールじいさんが冒険ブックにあったエリーの写真を見て在りし日の思い出にふける終盤のシーンもそうだけど、絵だけで見せきる力というのはズバ抜けていて、愛らしさ、温かさ、優しさ、哀しさといった要素が全て織り込まれているその映像からは説得力と感動が喚起される。

さらにそれを強化・増幅させているのが音楽で、ここまで映像とうまく融合した珠玉の音楽というのは久方ぶりで、必要最低限のセリフしかない今回の作品において、音楽の果たした役割は非常に大きいといえよう。

そしたっけば、音楽を担当したマイケル・ジアッチーノってオイラの大好きなLOSTシリーズの音楽もやってたと知ってビックリ。他にも「Mr.インクレディブル」「レミーのおいしいレストラン」なんかもやってて、なるほどそれぞれの作品の世界観を十二分に引き立てる術を心得た作曲家なんだなと。今後要注目eye

テーブルマウンテンに下りたあとに、いかにもディズニーらしい動物キャラが出てきた時は色合いがガラリと変わって不安になったけど、ピクサーらしい独創的な味付けが加えられていて、さすがピクサーだなと思わせられたし、ひとひねり利かせたユーモアのセンスや絶妙な間の取り方など随所に巧さを感じさせるかなり完成度の高い作品なんだけども、唯一意外にあっけなく家が飛んだのにはあれっ!?てかんじだったかもw

ただ、体にホースをくくりつけて家を運ぶくだりが長かったように、飛ぶこと自体にはそこまで執着していない印象で、飛ぶというよりは浮いているといった方が的確なような気もする。

そこらへんはどうしてもジブリと比較しちゃうんだけど、チャールズ・マンツの飛行船とカールじいさんの家の空中戦はラピュタのゴリアテとタイガーモス号を思い起こさせたな。

そして最後に思うのは、オイラもああいう幸せな結婚してみたいなぁ、ってことheart04

2011年3月21日 (月)

夢のシネマパラダイス288番シアター:飛びたがる男たち!

スカイ・クロラ

20070623005109 声の出演:菊池凛子、加瀬亮、谷原章介、山口愛、竹中直人、栗山千明

監督:押井守

(2008年・日本・121分)CS

内容:平和というものを実感させるための見世物として企業間で戦争が行われているある時代。その戦争とは思春期の姿で成長を止め、戦争で死なない限り生きつづける宿命にある“キルドレ”による空中戦だった。そんなキルドレのひとり、カンナミ・ユーイチは、女性司令官クサナギが指揮をとる前線基地に配属されるが・・・。

評価★★★☆/70点

いつも通り何の前知識もなしで見たもんだから、押井作品の今までの例にもれず今回もキルドレやらジンロウやら分からん用語が出てきて、前半は何がしたい映画なのかイマイチ分からず・・。

でも、見終わってみると全てのピースがカチリとハマって、押井作品を見てはじめてスッキリと納得できてまた見たいと思わせられてしまった。。まさかこんな日が来るなんて・・・(笑)。

とはいえ、今回の作品、「うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー」(1984)における終わることのない円環構造の迷宮、「機動警察パトレイバー2」(1993)の平和の裏に隠された欺瞞、「攻殻機動隊」(1995)や「イノセンス」(2004)が問いかける自己存在という概念の危うさといったこれまでの作品のテーマを踏襲するものになっていて、集大成的な作品になっている。

とともに、押井作品の入門編としても最適で(あくまでも見終わっていえることww)、押井を見るならまずはこれ!と言ってもいいんじゃないかなと。。

つーか、監督になって30年経って入門編というのもすごい話だけどw、この疑り深くて小難しいオッサンにしては驚くくらい真っ当で真っ直ぐなメッセージを投げ込んできたという印象で、はじめて押井映画に出てくる犬がカワイイと思えたww

思えば、エヴァの搭乗員は14歳の子供だったけど、これは多分に大人と子供の境界線-思春期-の不安定さにドラマを見出すからだろう。

これはガンダムのニュータイプにも当てはまると思うんだけど、今回のキルドレという設定もタバコやSEXといったシニカルな大人味をふりかけつつも本質は同じだと思う。

大人と子供の境界線を外側へ踏み越えようとすることはすなわち自立を表わすもの。

それを今回は無敵のパイロット・ティーチャーへの挑戦として描写しているのだけど、この映画における自立とは死であり、永遠の生(=永遠の日常)からの脱却だ。

この映画で自立を描くには、ラストで青空から生還することは許されないのだ・・。

逆に、境界線の内側に足を踏み出せばその先にあるものは自殺という選択肢であり、なんつー救いようのないお話しなんだとも思ってしまうけど、例え行く先に不幸が待っていようとも、引きこもってないで外に向かって飛び出してみろ!というメッセージを押井監督なりの回りくどい言い回しで送り出したってことなんだろう、、、やっぱ小難しいオッサンだよねていう・・(笑)。

ラストのラストに何人目かの新たな“ユーイチ”が基地に入隊してきて閉じた輪が再び開かれるわけだけど、これもそのメッセージに則っていえば、例え失敗してもまた挑めばええやん!ていうことなんじゃないのかな、と。

リアルで地続きな空想世界の構築は圧倒的ながら、その中で繰り広げられる魂のないキャラたちの猿芝居合戦にはいつも辟易していたことを思えば、今回の押井映画はよく出来ていたなとは思う。。

脚本を押井自身ではなく、伊藤ちひろが担ったことがけっこう大きかったりしてww

よし、押井さん!これからシナリオは外注しなはれ(笑)!

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スペース カウボーイ

2000026 出演:クリント・イーストウッド、トミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランド、ジェームズ・ガーナー

監督:クリント・イーストウッド

(2000年・アメリカ・130分)MOVIX仙台

評価★★★/60点

内容:ロシアの通信衛星が故障。かつて空軍の英雄的存在だったフランクはNASAからの修理依頼に、元飛行士4人の現役復帰を条件に承諾する。アメリカ初の宇宙飛行士になりそびれた40年前の屈辱を晴らすべく、男たちは宇宙へ飛び立つ!

“やっぱりご老人なのか、まるで死に急ぐかのようにパッパと一本調子で話を進めていくやり方が映画の魅力を半減させている。”

ていうかぶっちゃけ前半部分を引っ張ってラストで打ち上げ、という構成でもよかったかな、と思っちゃう。それくらい前半はディテールとして輝いていた。

しかもまだまだ磨けば輝きが増すディテールの原石が星空のごとく散らばってましたよ。

なのに中途半端に足早にほったらかして、打ち上げ後の後半に突入しちゃった。

んでせっかくの原石が、まるで部品が宇宙空間に散らばって壊れていく衛星のごとくボロボロになっちゃったかんじ。

もっと優しく扱ってあげないとダメッすよイーストウッドお爺さま。

しかし最後まで老人と若者は打ち解けあうことがなかったなぁ。。

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アルマゲドン

Armageddon 出演:ブルース・ウィリス、ビリー・ボブ・ソーントン、ベン・アフレック、リヴ・タイラー

監督:マイケル・ベイ

(1998年・アメリカ・150分)仙台第1東宝

評価★★/45点

内容:スペースシャトルの爆発事故が起きた1時間後、無数の隕石群がNYに降り注ぎ、瞬時にして世界一の大都市は壊滅状態に陥った。さらに、テキサス州に匹敵する大きさの小惑星が地球に向かって接近していることが判明!!衝突すれば地球は壊滅してしまう。NASAでは地球終焉までの残り時間を18日間と分析し、様々な打開策が検討されたが、小惑星の地中深くで核爆発させて軌道を変えるしか他に手はなかった。そこでハリーをリーダーとする石油採掘のプロ8人に白羽の矢が立つ。

“隕石が地球にぶつかることの危険性よりも、危険人物スティーブ・ブシェーミが地球に帰還してくることの方がよっぽど危険だ・・・。”

真のアルマゲドンはS.ブシェーミだった!!

途中から隕石なんてどうでもよくなってくるもん(笑)。

だってヤバ過ぎるもん、S.ブシェーミ。隕石の毒気にやられたのか、宇宙空間の無重力でおかしくなったのか、いや最初からどこかおかしかったんだけどね。

だってすでに達観の域に達してるでしょあの男。

アブナイっしょフツーに。縛り付けて正解です(笑)。

そしてラスト見事に地球に降臨してくる。いや、再臨か。

どうなる!地球、、、。

浦沢直樹の漫画「20世紀少年」に出てくる“ともだち”ってあんなかんじじゃなかろうか。

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6デイズ/7ナイツ

Vwds4274 出演:ハリソン・フォード、アン・ヘッチ、デビッド・シュワイマー、ジャクリーン・オブラドース

監督:アイバン・ライトマン

(1998年・アメリカ・103分)WOWOW

評価★★★/60点

内容:南海のパラダイス、マカテア島でバカンスを楽しむ予定だった雑誌編集者のモンローが、島で唯一のパイロット、クインに頼んで島を出発する。しかし悪天候のため、2人を乗せたセスナ機が無人島に不時着。南の楽園でのサバイバル生活が始まる。やがて、どこからか彼らの前に海賊が現れ・・・。

“アン・ヘッチに+1。”

縄はあるわ、火は簡単につくわ、ナタにノコギリはあるわ、双眼鏡はあるわ、鳥はいるわブタもいるわ水もあるわ・・・無人島である必要がどこにある??

それじゃ話にならなくなっちゃうから海賊にご登場いただきました。

って海賊かよおい、、、、なんつう稚拙な発想。。

撃たれて殺された挙句海に投げ捨てられた人もあんなんじゃ浮かばれませんなぁ。。

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ライトスタッフ(1983年・アメリカ・160分)NHK-BS

 監督・脚本:フィリップ・カウフマン

 出演:サム・シェパード、エド・ハリス、スコット・グレン、デニス・クエイド

 内容:1957年、ソ連がスプートニクの打ち上げに成功したことから、NASAは今まで以上に宇宙計画に本腰を入れざるを得なくなった。宇宙パイロットとして選ばれたのは、一匹狼的な男っぽさと冷淡さの同居したアラン(スコット・グレン)をはじめとする7人で、彼らは様々な試験を受けて訓練を重ねる。。トム・ウルフの同名ノンフィクションを原作に、1950年代末にマーキュリー計画の飛行士に選ばれた7人の男とその妻たちの生活や友情、葛藤を描いたヒューマンドラマ。

評価★★★/65点

“大気圏に挑戦しつづけた男たちを描いたれっきとした歴史大作映画”

モハベ砂漠の荒野を馬で駆け抜けるように大空を疾駆するイエーガー(サム・シェパード)の姿は、西部を開拓したフロンティア・スピリットにあふれたカウボーイそのもの。

そして一匹狼的な職人気質を備えた孤高の姿はフツーにカッコ良い。

ラスト、地平線の彼方から真っ黒になりながら凛として現れるイエーガーは、まるで「西部警察」の大門警部=渡哲也のようで、男でもホレるよあれは(笑)。

このイエーガーだけでも骨太な映画には十分すぎるのだけど、ここにさらにスコット・グレン、エド・ハリス、デニス・クエイドらが扮するアメリカの宇宙飛行士第1期生の過酷かつ人間臭い物語が絡んでくるわけだから、正直胸焼け起こしちゃうくらいお腹いっぱい。

このての映画でまさかIntermission休憩時間があるとは思わなかったけど、でもそういう点ではこの宇宙飛行士の映画はれっきとした歴史映画なのかもしれないな。昔の歴史大作映画ってIntermissionが多いじゃん。ってそこかよ・・・

それにしても、25%の確率で生きて帰ってこれない仕事って、、、なんじゃそりゃだな(笑)。。

2010年2月14日 (日)

夢のシネマパラダイス562番シアター:“家族”って、かっこ悪い!?

歩いても歩いても

N_609bcdr2214rpl 出演:阿部寛、夏川結衣、YOU、高橋和也、田中祥平、樹木希林、原田芳雄

監督・脚本:是枝裕和

(2007年・日本・114分)CS

内容:夏のある日。子連れのゆかり(夏川結衣)と再婚した良多(阿部寛)は、15年前に亡くなった兄の命日に合わせて東京近郊の実家を訪れる。が、開業医を引退した父(原田芳雄)とはもともと反りが合わなかった上、失業中の身の上でもあり気が重い帰郷だった。ひと足先に、姉(YOU)一家も到着していて、久しぶりに家族全員が集まった。。

評価★★★★/80点

「男はつらいよ寅次郎相合い傘」(1975)にこんなシーンがある。

めちゃ美味メロンを人数分に切って食べようとしたら、ちょうどそこに寅さんが商売から帰ってくるんだけど、妹のさくらがうっかり寅さんの分を勘定に入れ忘れてしまい、いじけた寅さんがとらやの面々と大ゲンカになるという爆笑シーンだ。

たかが一片のメロンごときでしつこすぎるくらいムキになる寅さんの度量の小ささが笑いを生み出すわけだけど、今回の映画も男連中の他人から見れば笑ってしまうような「小っちぇ~」ことにこだわる様がリアルに描かれていてまことに面白い。

しかし、この面白さの裏には思わず背筋がゾクゾクしてしまうような怨念と、思わず卒倒してしまいそうな毒があるのがミソ。

和気あいあいとした空間に漂う様々な恨みつらみや口に出せない秘密、その中で料理を手順を踏んで作るように消化していく夏の一日、そんなお盆に3世代が集まる家族の風景、そしてそこに刻まれる何十年にも渡る家族の歴史劇が、建前9:最強本音爆弾1のセリフ劇で見事にあぶり出されていく今回の映画。

夫と妻、父と息子、母と娘、嫁と姑、祖父と孫、従兄弟、、、ズケズケと何でも言い合える関係もあれば、遠慮から奥歯に物がはさまったような言い方しかできないぎこちない関係もある・・・。その中でこの映画はそれぞれの関係性における微妙な間や会話の妙が絶妙で恐ろしいくらいにリアルなのだ。

まるで録音した自分の声を聴いた時のような居心地の悪さ、と同時に懐かしい思い出を思い起こさせる居心地の良さをも喚起させてくれる世界がそこには広がっている。

なんとも不思議な感覚を味わわせてくれる映画だ。

例えばオイラなんかは、ゆかり(夏川結衣)の連れ子であるあつし(田中祥平)に妙にシンクロしてしまって(笑)。。

それはおそらく小学校時代に転校が多かったこととかも関係してると思うんだけど、彼が初めて敷居をまたいだ家で感じる居心地の悪さと緊張感が痛いくらいに伝わってきて見てて可哀想になってくる一方、彼がしたたかに立ち回る様もリアルに実感できて、コイツ大人やなぁと感心してしまった。

普段はあまりにもありきたりすぎて立ち止まって考えることがない家族の風景。温かくて痛くて優しくて哀しくてウザッたくて、それでも無性に帰りたくなって、、、そんな家族の愛おしい情景。

一年に一日、この映画を日本人全員が見る日ってのを作ってもいいんじゃなかろうか(笑)。

それにしても樹木希林、上手すぎ。そしてYOU、そのまんまww。原田芳雄は鈴木清順と見間違えちゃったけど・・。

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メゾン・ド・ヒミコ

Himiko 出演:オダギリジョー、柴咲コウ、田中泯、西島秀俊、歌澤寅右衛門

監督:犬童一心

(2005年・日本・131分)WOWOW

評価★★☆/50点

内容:ある日、24歳の沙織(柴咲コウ)のもとを岸本(オダジョー)という男性が訪ねてくる。彼は、沙織と母親を捨ててゲイ・卑弥呼として生きていく道を選んだ父親(田中泯)の恋人だった。岸本は、ゲイのための老人ホーム“メゾン・ド・ヒミコ”を建てて運営していた彼がガンになり余命いくばくもないことを沙織に伝え、ホームを手伝わないかと誘うのだが・・・。

“「たそがれ清兵衛」の田中泯の変身っぷりには脱帽・・・。”

「ハッシュ!」(2001)のときもそうだったけど、このてのゲイを扱った映画には深入りするのを避けちゃう傾向があって、今回もやっぱダメだった・・・。

ゲイ老人たちのファッションにもドン引きだったし、ダンスホールでのハイテンションぶりも全くついてけない。。

「ブスの処女と、性病持ちのオカマどっちがいい?ギャハハハannoy」、、、グーでぶん殴りたくなったんですけど、あのジジイ(笑)。

というかんじで、全くもって入っていけない異界ワールドだったのだけど、ただ1つ思ったのは、このてのゲイの人々ほど愛するということへの純粋さを持ち合わせている人種はいないだろうということ。

そこの点はちょっと羨ましさを抱いてしまったかも。

他人はおろか社会からも拒絶されてしまうという絶対的な孤独を身をもって知っているからこそ生み出される想いなんだろうね。そしてそこを突き抜けちゃうと、ああいう開放的な世界の住人になることができるってわけだ。

その中で、彼らがつくった小さな共同体にまぎれ込んでくるノンケの沙織の孤独と憂鬱の方が際立って見えてくるのはうまいつくりになっているなとは思う。

そういう点では、この映画は沙織の傷ついた人生の再生物語という側面の方が強いわけで、ゲイ映画ではないんだよね。ゲイの人物像の内面に映画自体が深入りしてないし。ま、それでも生理的にちょっとダメだったけど・・・。

あとはまぁ、なんといっても柴咲コウの化粧っ気のない地味ぃ~なコンビニ店員姿だな。ちょっと引いたわ(笑)。。

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酒井家のしあわせ(2006年・日本・102分)NHK-BS

 監督・脚本:呉美保

 出演:森田直幸、ユースケ・サンタマリア、友近、鍋本凪々美、谷村美月、笑福亭仁鶴

 内容:三重県のとある田舎町。一見ごく普通の家族にみえる酒井家だったが、14歳の長男・次雄(森田直幸)は最近家庭にうんざりしていた。母・照美(友近)は再婚、次雄は事故死した前夫の連れ子、下の娘・光(鍋本凪々美)は母と義父・正和(ユースケ)との間にできた父親違いの妹という複雑な家庭環境にあったからだ。そんなある日、照美とケンカした正和が突然、好きな男ができたとカミングアウトして家を出て行ってしまう・・・。

評価★★★★/75点

“だ、ダマされた・・・。”

家族の何気ない日常を切り取っていく視点が独特の間の中でユーモアたっぷりに描かれていて、終始楽しく見ることができた。

例えば、家族で外出する時に、オカンが早くしなさいと急かしているくせに、当の本人が1番遅く家を出てくるシーンも、車の中でジィーッと待っている夫と子供たちの姿がたまらなくおかしかったり。どこの家のオカンも同じなんやな(笑)。

しかしこの監督、コミカルな間を作って、「あ、それってあるある」というエピソードをテンポよく見せていく演出の手腕はかなりこなれているなという印象。と思ったら新人さんなのね、この監督。。

あとこの映画で外せないのが、配役の妙ね。

日テレ「エンタの神様」のひとりコントにそのまんま出てきてもおかしくないような格好の友近が、決して類型的ではない妙にリアルなオカン像を演じていて新鮮だったし、関西弁をしゃべれないユースケ・サンタマリアの不器用なオトン役がものすごくしっくりきていた。

そして極めつけが仁鶴やな(笑)。ユースケが笑い転げちゃうのも無理ないわ。

とにかくほんわか温かいぬくもりが残るかなりしあわせな映画だったと思う。これからが楽しみな若手監督さんだね。

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アルゼンチンババア

Big 出演:役所広司、堀北真希、鈴木京香、森下愛子、手塚理美、岸辺一徳

監督:長尾直樹

(2007年・日本・112分)2007/03/26・盛岡フォーラム

評価★★★/60点

内容:高校生のみつこは、両親との3人暮らしだったが、誰よりも活気のあった母親が病気で亡くなってしまう。そしてその直後、墓石彫り職人の父親が行方をくらましてしまうのだった。それから半年後、父親はどうやら町外れの草原に建つ古ぼけた洋館にいるらしいことが判明する。しかし、その屋敷にはアルゼンチンババアと呼ばれている謎の女が住んでいるらしい。みつこは勇気を出して訪ねてみるが・・・。

“あのハチミツ、、、二缶ほど譲ってくれませんか(笑)。。”

アルゼンチンババア特製の媚薬ハチミツが欲しいってことと、堀北真希のムチウチ症姿が見れたってことくらいしか得るものがなかったな(笑)。

でも、フツー原作ものの映画って、映画が面白くなくても原作は読んでみたいなという場合が多いのだけど、今回は正直全く読みたいと思わなかったんだよね。そういう意味では逆に不思議な映画だったともいえるけど・・・。

登場人物の行動や会話がことごとく意味不明で伝わってこなくて、一人蚊帳の外で見続けなければならない、なんとも題名に相応しいわけの分かんない遠い世界の映画だったけど、その中で孤軍奮闘した堀北真希ちゃんを見るぶんには十二分に元が取れるのもまたたしかで。。やっぱ不思議な映画。

でも、、、ババアに鈴木京香をあてるってどうなんだろという根本的なところも気になる。室井滋とか夏木マリはたまたYOU、久本雅美あたりだろフツー。あるいは大竹しのぶ、浅野温子あたり?

ちょっと鈴木京香は役違いのような気が。まぁ、「ゼブラーマン」でコスプレ好きになって一皮剥けた女優さんだからババアもやってみたかったのかな(笑)。おいおい・・

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リトル・ミス・サンシャイン

Lms 出演:グレッグ・キニア、トニ・コレット、スティーヴ・カレル、アラン・アーキン、ポール・ダノ、アビゲイル・ブレスリン

監督:ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス

(2006年・アメリカ・100分)2006/12/25・仙台フォーラム

評価★★★★★/95点

内容:アリゾナ州ニューメキシコに住むフーヴァー家は、家族それぞれに問題を抱え崩壊寸前。父は独自の成功論をまとめた自著の売り込みに必死、長男は一言も発さず、祖父はヤク中、伯父はゲイの恋人にフラれて自殺未遂と、まとめ役の母は一苦労。そんなある日、7歳の娘オリーヴがカリフォルニアで開かれる美少女コンテストの本選に進むことになる。そこで一家は、オンボロのミニバスに家族全員で乗り込み、カリフォルニア目指して出発するのだが・・・。

“オリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)って誰かに似てるよねぇ・・・”

ってあれよあれ、フィギュアスケートの安藤美姫だよ。あの出っ腹はさておき、精神年齢もほぼ変わらんだろうし・・(笑)。

というのはさておき、この映画、オイラ的2007ベストムービーにまず間違いなく選ばれるであろう愛すべき一品になってしまいました。

とにもかくにも笑いと涙が同時に押し寄せてくる映画体験というのはそうざらにあることではないので、そういう意味でも心に残る一本となりますた。

しっかし、途中から笑いのドツボにハマッちゃって笑って泣いてんだか感動して泣いてんだか最後は分からなくなっちゃったな・・・。

色覚異常で空を飛べないと分かり、野っ原で完全ふてくされ状態になった15歳の兄ドウェーンを無言で肩に寄り添いながら慰める大人な7歳オリーヴ。

笑いの導火線に火が付いたのはこの次のシーン。ドウェーンが「分かった。」と気を取り直して車に戻るときに土手を登るわけだけど、オリーヴちゃんあの体型もあって登れないんだ(笑)。そこをドウェーンが抱っこして持ち上げて登る何気ないシーンがなんとも可笑しみのあるオチで、シリアスな感傷モードに入る一歩手前で何気なく笑いに転回させる絶妙さに完全に引き込まれてしまった。

クラクションが鳴り止まなくなったミニバスを警官に停車させられ、トランクに積んであるシーツにくるまれたジイちゃんの遺体が見つかってしまうのかという絶体絶命の状況で、エロ本がドサッと落ちてきて、それを見つけた警官がニヤリとするオチも最高で、何も知らない妻シェリル(トニ・コレット)の不安そうな表情とエロ本を3冊(うち1冊はゲイもの)も買い込んでいたフランク(スティーヴ・カレル)へのお前はなんて奴だ!というリチャード(グレッグ・キニア)の視線とフランクのえっ何?オレ何かした?という表情がこれまた何気なく描かれていて、逃げ場のないバスのミニ空間の中に凝縮される人間模様が面白おかしく自然に描かれてるんだよね。

この自然なオーソドックスすぎる演出も良くて、例えばギアのブッ壊れたミニバスを家族みんなで押して発進させて飛び乗るこの映画を象徴するシーンや、ラストの珍妙なダンスを家族みんなで踊るシーンだとか、とにかく映画的な動きというのが終始物語をしっかりと牽引していく。

しっかり映画しちゃってるんだよねこれ。こういう映画観ると嬉しくなっちゃう。

才能が少々欠けようが負け組と揶揄されようが前に進むしかないんだというメッセージも心にしみわたりました。

イイ映画です。

ちなみにオリーヴのタヌキ腹は、詰め物を入れてるのだそうで、実際のアビゲイルちゃんはフツーの体型らしいです。

2010年1月16日 (土)

夢のシネマパラダイス568番シアター:レッドクリフ

レッドクリフPartⅠ

279_2 出演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、チャン・チェン、ヴィッキー・チャオ、中村獅童、リン・チーリン

監督:ジョン・ウー

(2008年・中/日/台/韓・145分)2008/11/23・盛岡フォーラム

内容:西暦208年。魏の曹操は呉蜀の制圧に向け80万の大軍を率いて南下を開始した。最初の標的となった僅か2万の劉備軍は、関羽・張飛・趙雲らの猛将を擁しながらも敗走を重ねる。そして、天才軍師の諸葛孔明は、江東の孫権との同盟を結ぶ以外に道はないと進言し、自ら呉の地へと赴く。そこで孔明は、呉の司令官・周瑜と出会う。。

評価★★★★/75点

人形劇、漫画、TVゲームと子供の頃から連綿と付き合ってきた三国志が満を持して実写映画として登場!ということだけでも血湧き肉躍る心持ちにさせられるのだけど、と同時に横山光輝が60巻かけて描いた大長編を2部作とはいえ描ききるのは到底無理という中で、三国志最大の見せ場である赤壁の戦いに的を絞ったのは賢いやり方だったとは思う。

その中で、人物紹介もそこそこに観客をいきなり渦中に巻き込む演出は三国志初心者の目にどう映るかは疑問だけど、織田信長や徳川家康、武田信玄にいちいちキャラクター説明が不用なように、三国志の登場人物も同じであるオイラからするとかなり満足のいく出来。

唯一、劉備だけは覇気のないオッサン風のバカ殿っぽく描かれていて意外だったけど、孔明や関羽を引き立たせるための設定だったのかも。そういう点では孫権もやや頼りなさげで、これも周瑜を引き立たせるためだったのだろう。

まぁ、演出といったって、ぶっちゃけオールスターキャスト時代劇の忠臣蔵を見るようなものだから、大ボケかまさないかぎりは面白くならないはずがないフォーマットだからね。

その中で、全体としては、人海戦術とCGを駆使したド派手な戦闘アクションを基本とした構成の中で、関羽・張飛・趙雲といったおなじみの英雄の大見得を切る見せ場もたっぷりあってファンとしては嬉しいかぎりのシーンの連続だったし、周瑜と孔明のカリスマ博識バトルはゾクゾクもの、絶世の美女・小喬(リン・チーリン)には目を奪われっぱなし、さらに三国志の様々なTVゲームで大変お世話になった最強布陣・八卦の陣を壮大な実写で見れたとくれば、あれよあれよという間の2時間半で、赤壁の戦いに向けてオイラのテンションはMAX状態!

まだ、大本番前の第一幕でしかないので評価しづらいところだけど、まずはこの壮大な歴史スペクタクルの夢の映像化に祝福を送りたい。

約15年ぶりにアジア圏に凱旋してきたジョン・ウーの並々ならぬ意気込みがスクリーンからも伝わってきたし、久々にこれが娯楽映画だ!と思える映画を見れた気がする。

第二幕に期待っス。

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レッドクリフPartⅡ-未来への最終決戦-(2009年・中/日/台/韓/米・144分)2009/05/03・盛岡フォーラム

 監督:ジョン・ウー

 出演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、チャン・チェン、ヴィッキー・チャオ、中村獅童、リン・チーリン

 内容:80万の曹操軍を5万の軍勢で撃退した孫権・劉備連合軍だったが、依然として強い勢力を誇る曹操は、2千隻の軍船を率いて長江の赤壁へと進軍する。慣れない土地で疫病が蔓延するものの、曹操の非情な決断が功を奏し対岸の連合軍にも疫病が飛び火、劉備軍が撤退するハメに陥ってしまう。ひとり孫権軍に残った孔明と周瑜が策を練る中、周瑜の妹・尚香が曹操軍に潜入する・・・。

評価★★★/65点

PartⅠが145分だったからPartⅡもそのくらいじゃないとダメやろっちゅうことで作ったのかもしれないけど、完全に冗長な作品に堕してしまい、MAX状態だったオイラのテンションは尻つぼみに・・・。

1作目は個々のキャラクターの見せ場を存分に引き出すことで娯楽大作として見所満載の作品に仕上がっていたけど、今回の第二幕の見せ場はスクリーンを焼き尽くさんばかりの爆薬たっぷりの炎と赤壁の海上戦のスペクタクルのみ。

たしかにそれで十分元は取れるのだけど、そこに介在する人間の魅力が決定的に乏しいのがなんともイタイ。

早々に劉備軍が撤退してしまうため、関羽・張飛・趙雲といった勇猛果敢な闘将の出番がほとんどなくなってしまったことがかなり影響していて、知将の周瑜と孔明の泰然自若の面構えだけが強調されすぎてしまい、さらに孫権も1作目同様パッとしなかったし、どうも人間味が足りず・・・。

さらに、蜀の将軍たちに代わって前線に出て行く周瑜の妹・尚香と敵のおデブ隊長とのロマンスも蛇足に過ぎて面白くないし、周瑜の妻・小喬の命を賭した決断と行動もイマイチ燃えず。

唯一、善悪二面性を強烈に持ち合わせた曹操だけが人間臭かったのはなんとも皮肉だ。

史実はどうあれ、人物がある程度ステレオタイプに描かれるのは致し方ないとしても、もうちょっと造型深く描いてほしかったかなと。

どうせだったら、関羽や張飛の出番が少ないぶん、他のキャラにもっとスポットを当てた方が良かったのかも。

例えば、赤壁の戦いにおいて重要な役割を担った呉の老将・黄蓋なんて絶対に面白いと思うんだけどなぁ。演じてる役者さんが北大路欣也に似てたしww。

わざと周瑜と対立し、その不満を理由に曹操に投降した黄蓋。しかしそれは曹操を油断させるための偽りの投降で、戦いの火蓋が切って落とされると、自軍の軍船に火を放って曹操軍に突入。その最中、流れ矢に当たったものの九死に一生を得て火攻めの最大の功労者となった。

わざと自身を苦しませて敵を欺いたこの黄蓋の行為は「苦肉の策」という名言の語源となったことでも有名だ。

ところがだ、映画ではこの苦肉の計は周瑜にあっさり却下されちゃって(笑)、かわりに小喬が曹操陣営に赴く話にすり替わってしまった。。

分かりやすすぎるくらい分かりやすいお話ゆえ、いろいろ脚色しやすかったのだろうけど、手を加えすぎて逆に「危急存亡の秋」(これも三国志からの語源)になってしまったら元も子もない。

とにもかくにも、第二幕はな~んか物足りなかったな・・。

2009年12月28日 (月)

夢のシネマパラダイス393番シアター:“その日、すべてが始まる”

イキガミ

20081029_538942 出演:松田翔太、塚本高史、成海璃子、山田孝之、柄本明、劇団ひとり、金井勇太、笹野高史、風吹ジュン

監督:瀧本智行

(2008年・東宝・133分)WOWOW

内容:生命の価値を国民に再認識させ、国家繁栄につなげることを目的に制定された“国家繁栄維持法”。これは全国民が小学校入学時に体内に特殊カプセルを摂取され、18歳から24歳の若者の1000人に1人の割合で逝紙(イキガミ)=死亡予告証を受け取った者は24時間後に死を迎えてしまうというもの。そして、逝紙を配達する厚生保健省の藤本賢吾は、ストリートミュージシャンの田辺翼、盲目の妹のために闇金で働く飯塚さとし、保守系議員を母にもつ引きこもり少年の滝沢直樹のもとへイキガミを配達するのだった・・・。

評価★★★★/80点

「バトル・ロワイアル」や「リアル鬼ごっこ」は、国家によって強制される死、「ファイナル・デスティネーション」「デスノート」「ソウ」などは決して逃れられない死、また迫りくる死に対して残りの人生をどのように全うするかという点では「生きる」や「最高の人生の見つけ方」といった映画があり、いつか誰にでも訪れる死というものをネタにした作品はジャンルを問わず数多くある。

しかし、その中でも24時間後にアータは死にますという今回の設定はかなりシビア。

なのだけど、この究極の設定が荒唐無稽に見えないほどディストピアものとしてのSF世界がしっかりと描かれており、極限の人間ドラマに真実味を持たせることに成功していて思わず見入ってしまうほどの出来だったと思う。

それは、現実世界と地続きであるかのような感覚でもってこの世界が描かれているのがポイントだと思うのだけど、イキガミを受け取った者は交通費や飲食代がタダになったり(レストランのウェイターがイキガミと知って態度を一変させるシーンは秀逸)、残された家族には遺族年金が支給されるといった設定など細かいところまでよく考えられているし、イキガミ自体が戦時中の赤紙を連想させるものになっているのも大きな要素になっているのだと思う。

ハリウッドだったらアクションにもっていきそうなところを、残り24時間という抗いようのない限られた時間の中で、どのように命の輝きときらめきを精一杯燃焼させるかという人間ドラマに特化させたのも良いと思ったし。

まぁ、国家繁栄維持法というものがこの映画の中で究極の人間ドラマを描くための単なる道具立てにしかなっていない面も見受けられ、安易なお涙頂だいもののつくりになっているのも否めないとも思うんだけど、何か観ている側に人生の応援歌とまで感じさせてくれたドラマは見応えがあり、ここまで描ければ御の字かなと。

なにより役者陣が素晴らしい。

特に「十五才・学校4」(2000)などで印象的な金井勇太、「手紙」(2006)で泣かせ演技はお手のものの山田孝之には自分の魂をしこたま持ってかれたわな。

唯一、松田翔太の仏頂面だけが浮いてたけどww。親父さんを超える道はまだまだ遠いてか。

それはさておき、自分がもしイキガミを受け取ったら、、、どうするんだろう。。

まず、風俗行ってぇ、、、ってオイッannoy

でも、これ例えば松田翔太演じるイキガミ配達人の愛する恋人にイキガミが渡ることになって、もともと自らの仕事に疑問を持っていた彼が反旗を翻して恋人を救うために奔走するというのを、「24」のジャック・バウアー風にTVドラマにしたら面白そうと思ったのはオイラだけ!?

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ザ・エージェント

Jer 出演:トム・クルーズ、キューバ・グッティング・ジュニア、レニー・ゼルウィガー

監督・脚本:キャメロン・クロウ

(1996年・アメリカ・138分)劇場

内容:全米一のスポーツ・エージェント会社に勤めるジェリーは優秀なエージェントだったが、初心に戻って商売を度外視した理想あふれる提案書を提出し、それが原因で会社をクビになってしまった。独立したジェリーのクライアントは落ち目のアメフト選手ロッドたった1人、スタッフもシングルマザーの会計係ドロシーだけになってしまう・・・。理想主義のスポーツ・エージェントが、人生のどん底で愛する人に出会い、本当に大切なものに気付くまでを描くロマンティックなサクセスストーリー。アカデミー賞で助演男優賞を受賞。

評価★★★★/80点

他所さまのウチの居間にずかずかと入り込んで行ってその人と信頼を結ぶというのは並大抵のことではない。

しかし、それがエージェントというお仕事。そして恋する男の避けて通れない道。

この映画は三者三様の角度からその過程を描き込んでおり、ジェリーの単純なサクセスストーリーにはなっていないところに好印象を持てる。

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解夏(2003年・東宝・113分)WOWOW

 監督:磯村一路

 出演:大沢たかお、石田ゆり子、富司純子、林隆三、田辺誠一、古田新太

 内容:東京で小学校教師をしている隆之は、ある日、体の不調から幼なじみの医者に診察を受ける。そして、徐々に視力を失っていくベーチェット病だと診断される。隆之は辞職し長崎へ帰郷、懐かしい故郷の光景を目に焼き付けていく。そんな彼のもとに、モンゴルに留学していた恋人の陽子がやって来る。隆之は彼女とは別れる決心をつけていた。しかし、2人で訪れた聖福寺で出会った老人は、失明した瞬間こそがあなたの解夏(修行の終わり)だと語りかけるのだった・・・。さだまさしの同名小説の映画化。

評価★★★☆/70点

絶対的な余韻は残らないが、気付くと良い意味で心が真っ白になっている映画。

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海辺の家

Epxbepyl 出演:ケビン・クライン、クリスティン・スコット=トーマス、ヘイデン・クリステンセン

監督:アーウィン・ウィンクラー

(2001年・アメリカ・125分)DVD

内容:20年間勤めた建築事務所を突然解雇されたうえ、余命3ヶ月と宣告されたジョージ。彼には10年前に別れた妻との間に、反抗期を迎えた16歳の息子・サムがいた。彼は家を壊し、息子と2人で海の見える丘の上に新しい家を建てようとするが・・・。

評価★★★☆/70点

男よりも女連中の方が発情しまくっちゃってるというのは個人的には大歓迎なのだけど、しかし、どうもこの映画にとっては蛇足でしかないというか、映画の足を引っ張ってるというか。。。

海がすぐそこに見える家は身も心も開放的になるということかいな!?

、、と本当の蛇足はこれくらいにして。。

この映画で描かれたこととしては“変わる”ということがキーワードになっていたと思うのだけど、これ観てつくづく感じたのは“突然自分が変わる”というのは半ば強制されないとできないことで、ホントに難しいということ。

人間誰しもが自分を変えたいとか、こう変わりたいとか思ってると思うんだけど、かくいうオイラもそう。だけど、1日じゃそこらじゃ変われないし、危機に直面しないとホントの意味で変われないのが人間の悪いところというか難しいところなんだよね。

でも、“知らないうちにだんだん変わっていく”ことはできるんだってことをこの映画を観て実感した。そしてたった1人だけでは変われない、周りのみんなとの触れ合いが必要だってことも。

病気という緊急的外圧から変わらざるを得なかった父ジョージと、その父やエロエロ娘、そして家造りによって知らないうちにしかし確実に変わっていくサム。

人間やはり1人で内にこもって生きていくことはできないってことなのだ。うん。

こういう映画、好き。

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レナードの朝

Awakenings 出演:ロバート・デ・ニーロ、ロビン・ウィリアムス、ジョン・ハート

監督:ペニー・マーシャル

(1990年・アメリカ・120分)NHK-BS

評価★★★★☆/85点

内容:1969年、ブルックリンの病院に赴任したセイヤーは、嗜眠性脳炎患者が運動能力や生命力を保っていることを発見し、新薬を投与することを思いついた。セイヤーは30年間もその病院で眠り続けていたレナードに新薬を投与。そしてある日、彼はよみがえった。レナードは生きる幸福を噛み締めていたが、やがて再び病状が悪化し始める・・・。

“「人の幸せは、命の長さではないのです。」と某TVドラマのフレーズにあったが、この映画のそれはあまりにも理不尽でツラすぎる。”

うちのジイちゃんが先日他界した。

7年間の寝たきり生活。後半の何年かは自分で呼吸することもできず、喉から人工呼吸器を通すという状態だった。

ジイちゃんは筋萎縮性側索硬化症といういまだ原因が不明の難病と闘って帰らぬ人となってしまった。

言葉を話す筋力さえもなくなっていき、久々にお見舞いに行った時には呂律が回らなくなっていてうまく話せなくなっていた。

それでも一生懸命いっぱい話をしようとするジイちゃんの笑った姿。そして、笑う筋力さえもなくなり、言葉のやり取りもできなくなり、しかしそれでもノートにふらふらとした筆記で一生懸命に言葉を書いて自分の気持ちを表そうとしたり伝えようとしていたジイちゃんは、とにかく一生懸命だった。

最後はただ目が開いているだけの姿だったが、それでもジイちゃんは一生懸命に生きた。

この映画に出てくる人たちも一部の先生を除いては皆一生懸命だった。

一生懸命話しかけ、恋をしようとし、看病し、闘い、生きようとした。

それで十分ではないか。

幸せを測る尺度は人それぞれ。

人はとかく自分の幸せと他人の幸せを比べたがるものだが、それって実はあまり意味がない。

それよりも一生懸命に生きる、生きようとすることの方が大事ではないか。

そんなことをふと考えた。

1番悔しくて苦しむのは他ならぬ病気になった本人なんだろうけどね。でも、その中でも何かささやかな幸せを与えたり与えられたりもしたはず。

冒頭の某TVドラマではこんなセリフもあった。

「人が一生で味わう喜びや幸せの量は皆同じなんだって。」と。

でも例えそうだとしても、、、やっぱりあまりにも理不尽でツライよ。。。

2009年10月18日 (日)

夢のシネマパラダイス403番シアター:三谷幸喜特集

12人の優しい日本人

00000398526l 出演:相島一之、塩見三省、豊川悦司、大河内浩、梶原善

監督:中原俊

(1991年・日本・116分)NHK-BS

評価★★★★★/100点

内容:シドニー・ルメットの「十二人の怒れる男」に触発された三谷幸喜の同名舞台劇を映画化したディスカッション・コメディ。殺人事件の陪審員に選ばれた12人の男女が評決を下すまでの数時間を描く。始めは全員が無罪に投票したが、陪審員2号が意義を唱えて有罪に意見を変えたため、12人は延々と続く議論を始めることになった。

“Shall We Talk?”

監督の個性の赴くままに撮られているようでいて実は完璧に計算されつくした理詰めの緻密なカット割りのもとで、陪審員室という密室を縦横無尽に回転させ緊迫した鼓動を響かせた「十二人の怒れる男」。

一方、監督の個性の赴くままに撮られているようでいて実際まったくその通りな本作「12人の優しい日本人」。

そこに映画的な鼓動は見当たらない。

しかし、三谷幸喜の個性の赴くままにあっち行ったりこっち来たりで混乱をきたすシナリオのようでありながら実は完璧に計算されつくした理詰めの構成とセリフと人物造型のもとで、陪審員室という密室を笑いと興奮のるつぼに満ちあふれさせたことは、先の欠点を補って余りある。

そして自分はこちらの方も好きで好きでたまらないのだ。

              ・

              ・

              ・

<陪審員 みんなでやれば 怖くない>by日本人

ちなみにアメリカ人なら、

<陪審員 ヒーローになれるから 怖くない>

ドイツなら、

<陪審員 規則でやるから 怖くない>ってとこでしょうかね。。

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ラヂオの時間(1997年・東宝・103分)DVD

 監督・脚本:三谷幸喜

 出演:唐沢寿明、鈴木京香、西村雅彦、戸田恵子、細川俊之

 内容:生まれて初めて書いたシナリオが採用され、脚本家としてデビューすることになった主婦・鈴木みや子は、そのラジオドラマ「運命の女」の生放送の収録スタジオにやって来た。ところが本番直前になって、主演女優の千本ノッコが自分の役名が気に入らないとゴネ始め、プロデューサーの牛島はその場を納めるために彼女の要求通り役名をメアリー・ジェーンに変更する。が、それに合わせて他の登場人物の役名も外国人名に変えていくうちに物語はつじつまが合わなくなっていき・・・。

評価★★★☆/70点

CM入りっぱなしのラジオドラマ「運命の女」は眠気をもよおすツマラなさ、、なのに映画はそこそこ面白い・・・。

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みんなのいえ

Minnanoie02 出演:唐沢寿明、田中邦衛、田中直樹、八木亜希子、伊原剛志、野際陽子、中井貴一

監督・脚本:三谷幸喜

(2001年・東宝・115分)2001/06/19・日劇

評価★★★/65点

内容:脚本家の直介(ココリコ)と妻の民子(元フジアナ)はオシャレなマイホームを夢見る若夫婦。2人は新進気鋭のインテリア・デザイナー柳沢(唐沢)に設計を依頼し、施工は民子の父親で大工の長一郎(北の国から)が行うことになる。が、柳沢があげてきた設計図を見て頑固一徹の長一郎は絶句。。プライドの高い正反対の性格である2人はことあるごとに対立を繰り返し・・・。果たして新居は完成するのか!?

“「ダメだ、、、、自分の問題ですから。」とバーテン真田広之みたいに客を無視して一から妥協しないで作り直してもらいたいかも、職人三谷さん。。”

とはいうものの映画というのは、そもそものところどこかしら妥協の産物なのだろうからなぁ、黒澤天皇といった例外を除けば。

さらにいえば、脚本、演出家として一流の職人である三谷幸喜のものづくりに対するモットーがそっくりそのままこの映画に反映されているのかもしれない。

脚本は基本的には一人で完成させることができるが、映画にしろ舞台にしろ一人の力で作り上げるのはまず不可能。

様々な分野の職人が寄り集まって1つの作品を完成させるのだから。

その際、職人と職人、プロとプロとのぶつかり合いの中で、やはりどこかで妥協というものが必要になってくるわけで、そう、この映画で描かれた家造りと同じように。

バーテン真田は完全に一個人の世界へと没入していく、だからこそまさに自分の問題であるわけで、三谷さん自身もシナリオ作りに関してはバーテン真田になっているのだろう。

しかし、それらの集合体としてのひとつの家造り、映画作りは三谷さんに言わせれば題名にある通り、まさにみんなの問題なのだ。家族みんなの。監督一人の問題ではなくスタッフみんなの。

もしかして、それは田中邦衛親父のような職人の本来の気質とは相容れない考え方なのかもしれない。

三谷さん自身もシナリオ作りに関してはそういう面を持っているのだろうが、映画づくりにおいては唐沢デザイナーへと変貌を遂げるのだろう。一歩引いた形での立ち位置で。

ものづくりは傲慢にならなければ良いものを作り上げることはできないという面もある。しかし三谷さんはそういうやり方じゃなくても、ひとつの目的に向かってみんなが同じ方向を向いて作り上げる上においては、傲慢ではなく妥協と譲歩によってこそ良いものができるのだと言っているのだと思う。

これは笑いというある意味では最も難しい題材を毎回取り上げている三谷さんだからこそ言えるなんとも奥深い含蓄ある主張だと思うんだよね。

ここまで書いてきて、あれ、それで評価★3つなの??と気付いたけど・・・・。

やはり傲慢な血がたぎりまくっている映画を観るとこっちも熱くなるんだよな・・・。そういう独善的な映画の方が実際好きなのだ。。。

ごめんなさい三谷さん。

あなたはイイ人だ。これからもあなたの映画を観続けていくことだけは間違いない。大好きです!

取ってつけたような、、、(笑)ホントにゴメンなさい。。

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竜馬の妻とその夫と愛人

Vxbregygu 出演:木梨憲武、中井貴一、鈴木京香、江口洋介、橋爪功、トータス松本

監督:市川準

(2002年・東宝・115分)2002/09/24・シャンテ・シネ

評価★★★/60点

内容:三谷幸喜が2000年に書き下ろした舞台劇の映画化。坂本竜馬が暗殺されてから13年後の明治13年。新政府の間に維新の英雄である坂本竜馬の妻おりょうのよからぬ噂が広まっていた。これ以上竜馬の名声を汚すわけにはいかんと、役人でおりょうの義弟・菅野覚兵衛が竜馬の十三回忌を催すためという名目でおりょうの下に送られる。そこで彼が見たものは、西村松兵衛というサエないテキヤと再婚し、なおかつ竜馬にそっくりの愛人・虎蔵と駆け落ち寸前という有り得ない状況にあるおりょうの姿だった・・・。

“舞台という三次元的な文法を映画という二次元的な文法に落としこむことができていないため、どうしても単調かつ窮屈に感じてしまう。”

舞台のテンポや臨場感を出すための必須方法として長回しをこの映画でも使ってはいるが、なかなか画面に効果として表れてこないのが苦しい。

特に松兵衛のおんぼろ長屋での松兵衛&覚兵衛vs虎蔵のおりょう争奪舌戦(おりょうは外で最初待機しているが途中で中に入ってくる)での4人の掛け合い応酬のシーンなどはその典型で、どうも市川準のテンポにうまく乗ることができない。。

まぁ、シナリオの面白さだけが浮き立ってしまったかんじだが、その中でまるでビックリ箱みたいにどんなサプライズが出てくるのか良い意味で分からないノリさんの演技に救われたかんじかな。

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笑の大学

Wara 出演:役所広司、稲垣吾郎、高橋昌也、小松政夫

監督:星護

(2004年・東宝・121分)2004/11/08・MOVIX仙台

評価★★★★/75点

内容:太平洋戦争突入目前の昭和15年。言論・思想統制が厳しさを増す時代、芝居もまた台本の段階で厳しい検閲を受けていた。そんな年の秋、連日バッサバッサと検閲で台本を切り捨てていくカタブツ検閲官・向坂(役所)のもとに今日やって来たのは、浅草の軽演劇一座“笑の大学”の座付き作家・椿(ゴロー丸)。ここに一度も笑ったことがない男と笑いに命をかける男の必死の攻防戦が幕を開ける!

“役所広司の椿は想像できるが、稲垣の向坂は想像できない。”

それだけ役所広司の役者としての幅が広いのは一目瞭然で、もし両者が役を入れ替えたら稲垣の向坂よりも役所広司の椿の役回りの方で笑えてしまうのではないかと容易に勘ぐってしまうくらいだ。

例えばこの映画で向坂のサルマタ失敬!は笑えるが、椿のサルマタ失敬は笑えない。

それは当然といえば当然で、お堅い検閲官がサルマタ失敬!をやるから笑えるのであって、笑いをつくる椿がそれをしても笑えないのかもしれないが、役所広司が椿だったら笑えるんじゃないかという期待が俄然出てくる。それくらい役所広司は凄いし巧いと思う。

この映画で笑えるところといったらほとんどが役所広司・向坂パートで、稲垣の椿パートで笑えたのは椿と向坂の最初のやり取りで稲垣がセリフを噛みそうなところくらいだ(笑)。ウンナンのナンチャンに負けず劣らずカミカミマンかも。。

もうちょっとなんかこう椿はなんとかならなかったかなぁ、と。

その他脚本、演出ともに別段映画にしなくてもいいのではないかと思わせてしまうくらい特に取り立てて言うべきこともないのだけど、役所広司はホントに凄いというただ1点のみだけでこの映画を観る価値はなんとか見出せた。

向坂の指示どおりに椿が最後に書いてきた笑えない台本を読んだときの役所広司の演技は絶品です。

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THE 有頂天ホテル

B000c5pnt6_09_lzzzzzzz 出演:役所広司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、篠原涼子、戸田恵子、生瀬勝久、麻生久美子、YOU、オダジョー、角野卓造、寺島進、原田美枝子、唐沢寿明、津川雅彦、伊東四朗、西田敏行etc..

監督・脚本:三谷幸喜

(2005年・東宝・136分)2006/01/26・盛岡フォーラム

評価★★★★★/90点

内容:新年を控えた大みそかの夜。都内の高級ホテル“ホテルアバンティ”ではカウントダウンパーティーを2時間後に控えていた。ホテルの威信に関わる一大イベントを無事に終えることが副支配人の新堂に課せられた責務だったが、そんな新堂をあざ笑うかのように従業員とワケあり宿泊客たちを襲う数々のトラブル。はたして彼らは新年を無事に迎えることができるのか!?

“観終わって自然と笑みがこぼれ幸せになれる映画。”

単純なことだけど、昨今そういう映画がことに少ない。

最近はとかく考えさせる映画が流行りだが、中にはただ無駄に凝っているだけで、当の映画、作り手が世界をどう捉えているかが全く分からない意味不明な作品も多々存在する。

その中で、三谷作品は世界を、人間をどのように捉え、どのように考え、どのように表現するかという「創る」ことに関して非常に洗練されていると思う。

それは25人(+1匹)の人間たちの多面的な人生模様を個性を殺さずに切り取っていることからだけでも十分すぎるほど分かる。

しかも、彼らの人生模様は連鎖しつながっているのだ。

ミスチルが人間は連鎖する生き物だよ♪と歌っているように、人と人はつながっているんだということを面白おかしく36度5分の人の温もりで描写していく。

“幸せを運んでくるお人形”を巧く使ってリレーのように接点を分かりやすく明示したのも手法として本当にうまいと思う。

また、特に今回の作品では3番目のどのように表現するかという部分で三谷“監督”は腕をあげたといっていいのではないかと思う。

今までの三谷映画は舞台のエッセンスが前面に押し出され、「映画」という枠の中で見るにはどこか違和感がつきまとっていた。

しかし、今回の作品は、舞台的でありながら、しかし決して舞台ではないその微妙なバランスの中でれっきとした映画として何の違和感もなく最後まで見ることができた。

それは、セットの緻密さといった美術や裏方の面の貢献も大きいと思うのだが、三谷演出も長回しなど舞台演出の味を残して底上げしつつ、映画としてのレベルを保っていたと感じた。

とにもかくにも上質で純粋に面白い“パクリ”映画を心ゆくまで楽しませてもらった。良い意味でのパクリでっせ。。

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ザ・マジックアワー

The_magic_hourthumb 出演:佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、西田敏行、小日向文世、寺島進、戸田恵子、伊吹吾郎、香川照之

監督・脚本:三谷幸喜

(2008年・東宝・136分)2008/07/04・盛岡フォーラム

内容:港町・守加護。街を牛耳るギャングのボス・天塩(西田敏行)の愛人マリ(深津絵里)に手を出し、海に沈められる寸前の備後(妻夫木聡)。助かる唯一の条件として天塩が示したのは、5日以内に伝説の殺し屋デラ富樫を連れてくること。そこで備後は最後の手段として映画監督になりすまし、無名の俳優・村田大樹(佐藤浩市)を雇って、映画撮影と称してデラ富樫役を演じさせ、天塩をダマすことを画策するが・・・。

評価★★★★★/100点

三谷監督の前作「THE有頂天ホテル」の流れをくむ愛すべき“パクリ”映画といえると思うけど、今回のパクリ方は壮大そのもので、ギャングが街を牛耳る暗黒街=シカゴを連想させる架空の町・守加護(スカゴ)を舞台にしているのがキモで、今までの作品をはるかに超える大風呂敷の広げ方といっていい。

しかも、街のメインストリートといい港の波止場といい、あからさまにこれはオープンセットですよといわんばかりのリアリティのない舞台装置の造りは完全に舞台演劇向きで、これを映画で仕立てようというのはかなりの力量を要するといわなければならない。

が、今回、三谷監督はそれを嬉々としてやってのけてしまった。

映画の撮影と思い込んで伝説の殺し屋役を演じる売れない役者と、伝説の殺し屋と思い込んで仲間に引き入れる本物のギャングが誤解に誤解を重ねるシチュエーションコメディというストーリーラインの設定の勝利といえばそれまでだけど、マジックアワーが太陽が地平線の向こうに落ちてから光が消えてなくなるまでの淡い光に包まれた昼と夜の境目を表わすごとく、虚構と現実を時には重ね合わせ時には逆転させ行き来させた巧さは特筆もので、まさに喜劇のマジックアワーを堪能できてしまう。

そして、その虚構と現実の境目にある守加護というつくりものの街がまぁ見事にマッチしているんだわ。

また、裏方さんに至るまでそれぞれの登場人物に“人生で最も輝く瞬間”を提供しているのも三谷監督らしい演出ぶりで買いだし、なによりも映画への愛にあふれているのがイイ。

市川崑監督の「黒い十人の女」(1961)のオマージュを中井貴一&天海祐希の劇中映画で出してくるのを皮切りに、映画撮影の舞台裏を表舞台に反転させたシナリオは三谷監督の並々ならぬ映画好きが滲み出てくるものになっている。

「カサブランカ」(1942)をパロッたと思われる「暗黒街の用心棒」なる名画(?)に憧れる売れない役者の映画にかける思い、スクリーンにかける思いがイタイくらいに伝わってくるのも印象的で、思いもかけず自分の大写しの映像がスクリーンいっぱいに映し出されているのを見るシーンは涙してしまうほど感動してしまったweep

ギャングのボス天塩と愛人マリがラストで元サヤに収まるオチも「純然たるコメディ」を貫いていてヨロシイし、最後まで抱腹絶倒の映画を作ってくれた三谷監督に拍手!

それに加えて、家族みんなで見に行ったんだけども、館内もゲラゲラ笑いっぱなしで、映画の本来あるべき姿というのを体感できてもの凄く幸せなひとときを過ごすことができた気がする。

三谷監督は日本のビリー・ワイルダーといっても過言ではない!?

2009年7月 6日 (月)

夢のシネマパラダイス71番シアター:レイジング・ブル

1900_0166 出演:ロバート・デ・ニーロ、キャシー・モリアーティ、ジョー・ぺシ

監督:マーティン・スコセッシ

(1980年・アメリカ・128分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:実在のプロボクサー、ジェイク・ラ・モッタを主人公に、彼の不屈の闘志をセミドキュメンタリータッチで描いた作品。

“言っちゃなんだけど、、、雄牛よりもたち悪いだろ、このおっさん”

同じボクシング映画でもこの映画は「ロッキー」のような努力とド根性のスポ根映画ではない。

努力も何もない映画だ。ただ拳闘の強い男ジェイク・ラ・モッタが存在するだけの映画だ。

では何を描くのか。

普通ならば、このての映画はリング外での物語がポイントになってくるが、主人公のリング外での成長度合いなどといったカタルシスもこの映画ではかえって生ぬるいだけだ。優しさや暖かさは、そこには無い。

あるのは嫉妬、猜疑、独善、獰猛。まさに獣の匂いそのものである。

それゆえ、リング上での闘いの結果がどうであろうと観ている側にとってはほとんどどうでもいい。そこにカタルシスなど得られるわけがないのだから。

となると、リング上にあるのはこの映画では痛みだけである。

その点この映画でのボクシングシーンは的を射ている。

顔のズームアップを多用し、血しぶきが飛んだり、顔がひしゃげたりといった痛々しさが痛烈に伝わってくる。

そう、ただの痛み。感情の入り込む隙がないただの痛みである。

観ている側にとってはこれほど痛いものはない。そこに何ら意味を感じ取ることさえできないのだから。何か意味をもたせるとすれば、それは相手をマットにたたき付けるという貪欲さだけである。

そもそもジェイクが、なぜボクシングをやろうと思ったのかということでさえ、この映画では描かれていないのだから、考えてみるとスゴイことである。

逆にいえば、リングを降りても人間としては幼稚だが獰猛でいつも危険な香りを漂わせる獣であり続けるジェイクを描ききること、あるいは見つめ観察することに着眼点が置かれているのだといえよう。

リングが檻の中だとすれば、リングの外にいるジェイクは檻から解き放たれた状態の獣に他ならない。

リングの中とリングの外、どちらが危険かは言うまでもない。

この実話がもたらした逆転の構図にこそ観ている側は怖れを抱きおののくのだ。

この映画はボクシング映画でありながらボクシング映画ではない。スリラーともいえる部類の映画だといえる。

そして感情の入り込むことさえ許さない。

この映画は、白黒で正解だった。

(追記)キャシー・モリアーティがローレン・バコールにとても似ていて驚いた。

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傷だらけの栄光(1956年・アメリカ・113分)NHK-BS

 監督:ロバート・ワイズ

 出演:ポール・ニューマン、ピア・アンジェリ、サル・ミネオ、アイリーン・ヘッカート

 内容:NYの下町に生まれ育ったロッキー・グラジアーノ。感化院送りになった不良少年時代を経て軍隊に入隊するものの、そこでも軍刑務所送りに。しかし、そこで出会った刑務官に素質を認められ、プロボクサーを目指すが・・・。ポール・ニューマンの出世作にして、スティーブ・マックィーンのデビュー作としても有名。

評価★★★★/75点

“これがホンマもんのロッキーだった!”

ロッキー・グラジアーノのケンカと暴力に明け暮れる世間知らずのチンピラ男風情は、まるで矢吹丈そのもので、特に前半のロッキーの手のつけられない暴走っぷりは、まんまあしたのジョー。

しかも、それを体現するポール・ニューマンがカッコ良いのなんのとくれば映画に引き込まれないわけがない。

とにかく、これが実質デビュー作というのが信じられないくらいのポール・ニューマンのキレキレの存在感にただただ圧倒されっぱなしの2時間だった。

難点としては、宿敵ゼールの存在感がちょい薄かったことくらいかな。

とはいえ、試合の演出なんかも50年代という時代を考えればよく出来てたし、シルベスター・スタローンのロッキーと見比べてみても面白いと思ったし、かなり収穫のある映画だったことはたしかだ。

ポール・ニューマンの映画見直してみよっ。

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