2009年10月18日 (日)

夢のシネマパラダイス403番シアター:三谷幸喜特集

12人の優しい日本人

00000398526l 出演:相島一之、塩見三省、豊川悦司、大河内浩、梶原善

監督:中原俊

(1991年・日本・116分)NHK-BS

評価★★★★★/100点

内容:シドニー・ルメットの「十二人の怒れる男」に触発された三谷幸喜の同名舞台劇を映画化したディスカッション・コメディ。殺人事件の陪審員に選ばれた12人の男女が評決を下すまでの数時間を描く。始めは全員が無罪に投票したが、陪審員2号が意義を唱えて有罪に意見を変えたため、12人は延々と続く議論を始めることになった。

“Shall We Talk?”

監督の個性の赴くままに撮られているようでいて実は完璧に計算されつくした理詰めの緻密なカット割りのもとで、陪審員室という密室を縦横無尽に回転させ緊迫した鼓動を響かせた「十二人の怒れる男」。

一方、監督の個性の赴くままに撮られているようでいて実際まったくその通りな本作「12人の優しい日本人」。

そこに映画的な鼓動は見当たらない。

しかし、三谷幸喜の個性の赴くままにあっち行ったりこっち来たりで混乱をきたすシナリオのようでありながら実は完璧に計算されつくした理詰めの構成とセリフと人物造型のもとで、陪審員室という密室を笑いと興奮のるつぼに満ちあふれさせたことは、先の欠点を補って余りある。

そして自分はこちらの方も好きで好きでたまらないのだ。

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              ・

<陪審員 みんなでやれば 怖くない>by日本人

ちなみにアメリカ人なら、

<陪審員 ヒーローになれるから 怖くない>

ドイツなら、

<陪審員 規則でやるから 怖くない>ってとこでしょうかね。。

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ラヂオの時間(1997年・東宝・103分)DVD

 監督・脚本:三谷幸喜

 出演:唐沢寿明、鈴木京香、西村雅彦、戸田恵子、細川俊之

 内容:生まれて初めて書いたシナリオが採用され、脚本家としてデビューすることになった主婦・鈴木みや子は、そのラジオドラマ「運命の女」の生放送の収録スタジオにやって来た。ところが本番直前になって、主演女優の千本ノッコが自分の役名が気に入らないとゴネ始め、プロデューサーの牛島はその場を納めるために彼女の要求通り役名をメアリー・ジェーンに変更する。が、それに合わせて他の登場人物の役名も外国人名に変えていくうちに物語はつじつまが合わなくなっていき・・・。

評価★★★☆/70点

CM入りっぱなしのラジオドラマ「運命の女」は眠気をもよおすツマラなさ、、なのに映画はそこそこ面白い・・・。

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みんなのいえ

Minnanoie02 出演:唐沢寿明、田中邦衛、田中直樹、八木亜希子、伊原剛志、野際陽子、中井貴一

監督・脚本:三谷幸喜

(2001年・東宝・115分)2001/06/19・日劇

評価★★★/65点

内容:脚本家の直介(ココリコ)と妻の民子(元フジアナ)はオシャレなマイホームを夢見る若夫婦。2人は新進気鋭のインテリア・デザイナー柳沢(唐沢)に設計を依頼し、施工は民子の父親で大工の長一郎(北の国から)が行うことになる。が、柳沢があげてきた設計図を見て頑固一徹の長一郎は絶句。。プライドの高い正反対の性格である2人はことあるごとに対立を繰り返し・・・。果たして新居は完成するのか!?

“「ダメだ、、、、自分の問題ですから。」とバーテン真田広之みたいに客を無視して一から妥協しないで作り直してもらいたいかも、職人三谷さん。。”

とはいうものの映画というのは、そもそものところどこかしら妥協の産物なのだろうからなぁ、黒澤天皇といった例外を除けば。

さらにいえば、脚本、演出家として一流の職人である三谷幸喜のものづくりに対するモットーがそっくりそのままこの映画に反映されているのかもしれない。

脚本は基本的には一人で完成させることができるが、映画にしろ舞台にしろ一人の力で作り上げるのはまず不可能。

様々な分野の職人が寄り集まって1つの作品を完成させるのだから。

その際、職人と職人、プロとプロとのぶつかり合いの中で、やはりどこかで妥協というものが必要になってくるわけで、そう、この映画で描かれた家造りと同じように。

バーテン真田は完全に一個人の世界へと没入していく、だからこそまさに自分の問題であるわけで、三谷さん自身もシナリオ作りに関してはバーテン真田になっているのだろう。

しかし、それらの集合体としてのひとつの家造り、映画作りは三谷さんに言わせれば題名にある通り、まさにみんなの問題なのだ。家族みんなの。監督一人の問題ではなくスタッフみんなの。

もしかして、それは田中邦衛親父のような職人の本来の気質とは相容れない考え方なのかもしれない。

三谷さん自身もシナリオ作りに関してはそういう面を持っているのだろうが、映画づくりにおいては唐沢デザイナーへと変貌を遂げるのだろう。一歩引いた形での立ち位置で。

ものづくりは傲慢にならなければ良いものを作り上げることはできないという面もある。しかし三谷さんはそういうやり方じゃなくても、ひとつの目的に向かってみんなが同じ方向を向いて作り上げる上においては、傲慢ではなく妥協と譲歩によってこそ良いものができるのだと言っているのだと思う。

これは笑いというある意味では最も難しい題材を毎回取り上げている三谷さんだからこそ言えるなんとも奥深い含蓄ある主張だと思うんだよね。

ここまで書いてきて、あれ、それで評価★3つなの??と気付いたけど・・・・。

やはり傲慢な血がたぎりまくっている映画を観るとこっちも熱くなるんだよな・・・。そういう独善的な映画の方が実際好きなのだ。。。

ごめんなさい三谷さん。

あなたはイイ人だ。これからもあなたの映画を観続けていくことだけは間違いない。大好きです!

取ってつけたような、、、(笑)ホントにゴメンなさい。。

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竜馬の妻とその夫と愛人

Vxbregygu 出演:木梨憲武、中井貴一、鈴木京香、江口洋介、橋爪功、トータス松本

監督:市川準

(2002年・東宝・115分)2002/09/24・シャンテ・シネ

評価★★★/60点

内容:三谷幸喜が2000年に書き下ろした舞台劇の映画化。坂本竜馬が暗殺されてから13年後の明治13年。新政府の間に維新の英雄である坂本竜馬の妻おりょうのよからぬ噂が広まっていた。これ以上竜馬の名声を汚すわけにはいかんと、役人でおりょうの義弟・菅野覚兵衛が竜馬の十三回忌を催すためという名目でおりょうの下に送られる。そこで彼が見たものは、西村松兵衛というサエないテキヤと再婚し、なおかつ竜馬にそっくりの愛人・虎蔵と駆け落ち寸前という有り得ない状況にあるおりょうの姿だった・・・。

“舞台という三次元的な文法を映画という二次元的な文法に落としこむことができていないため、どうしても単調かつ窮屈に感じてしまう。”

舞台のテンポや臨場感を出すための必須方法として長回しをこの映画でも使ってはいるが、なかなか画面に効果として表れてこないのが苦しい。

特に松兵衛のおんぼろ長屋での松兵衛&覚兵衛vs虎蔵のおりょう争奪舌戦(おりょうは外で最初待機しているが途中で中に入ってくる)での4人の掛け合い応酬のシーンなどはその典型で、どうも市川準のテンポにうまく乗ることができない。。

まぁ、シナリオの面白さだけが浮き立ってしまったかんじだが、その中でまるでビックリ箱みたいにどんなサプライズが出てくるのか良い意味で分からないノリさんの演技に救われたかんじかな。

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笑の大学

Wara 出演:役所広司、稲垣吾郎、高橋昌也、小松政夫

監督:星護

(2004年・東宝・121分)2004/11/08・MOVIX仙台

評価★★★★/75点

内容:太平洋戦争突入目前の昭和15年。言論・思想統制が厳しさを増す時代、芝居もまた台本の段階で厳しい検閲を受けていた。そんな年の秋、連日バッサバッサと検閲で台本を切り捨てていくカタブツ検閲官・向坂(役所)のもとに今日やって来たのは、浅草の軽演劇一座“笑の大学”の座付き作家・椿(ゴロー丸)。ここに一度も笑ったことがない男と笑いに命をかける男の必死の攻防戦が幕を開ける!

“役所広司の椿は想像できるが、稲垣の向坂は想像できない。”

それだけ役所広司の役者としての幅が広いのは一目瞭然で、もし両者が役を入れ替えたら稲垣の向坂よりも役所広司の椿の役回りの方で笑えてしまうのではないかと容易に勘ぐってしまうくらいだ。

例えばこの映画で向坂のサルマタ失敬!は笑えるが、椿のサルマタ失敬は笑えない。

それは当然といえば当然で、お堅い検閲官がサルマタ失敬!をやるから笑えるのであって、笑いをつくる椿がそれをしても笑えないのかもしれないが、役所広司が椿だったら笑えるんじゃないかという期待が俄然出てくる。それくらい役所広司は凄いし巧いと思う。

この映画で笑えるところといったらほとんどが役所広司・向坂パートで、稲垣の椿パートで笑えたのは椿と向坂の最初のやり取りで稲垣がセリフを噛みそうなところくらいだ(笑)。ウンナンのナンチャンに負けず劣らずカミカミマンかも。。

もうちょっとなんかこう椿はなんとかならなかったかなぁ、と。

その他脚本、演出ともに別段映画にしなくてもいいのではないかと思わせてしまうくらい特に取り立てて言うべきこともないのだけど、役所広司はホントに凄いというただ1点のみだけでこの映画を観る価値はなんとか見出せた。

向坂の指示どおりに椿が最後に書いてきた笑えない台本を読んだときの役所広司の演技は絶品です。

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THE 有頂天ホテル

B000c5pnt6_09_lzzzzzzz 出演:役所広司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、篠原涼子、戸田恵子、生瀬勝久、麻生久美子、YOU、オダジョー、角野卓造、寺島進、原田美枝子、唐沢寿明、津川雅彦、伊東四朗、西田敏行etc..

監督・脚本:三谷幸喜

(2005年・東宝・136分)2006/01/26・盛岡フォーラム

評価★★★★★/90点

内容:新年を控えた大みそかの夜。都内の高級ホテル“ホテルアバンティ”ではカウントダウンパーティーを2時間後に控えていた。ホテルの威信に関わる一大イベントを無事に終えることが副支配人の新堂に課せられた責務だったが、そんな新堂をあざ笑うかのように従業員とワケあり宿泊客たちを襲う数々のトラブル。はたして彼らは新年を無事に迎えることができるのか!?

“観終わって自然と笑みがこぼれ幸せになれる映画。”

単純なことだけど、昨今そういう映画がことに少ない。

最近はとかく考えさせる映画が流行りだが、中にはただ無駄に凝っているだけで、当の映画、作り手が世界をどう捉えているかが全く分からない意味不明な作品も多々存在する。

その中で、三谷作品は世界を、人間をどのように捉え、どのように考え、どのように表現するかという「創る」ことに関して非常に洗練されていると思う。

それは25人(+1匹)の人間たちの多面的な人生模様を個性を殺さずに切り取っていることからだけでも十分すぎるほど分かる。

しかも、彼らの人生模様は連鎖しつながっているのだ。

ミスチルが人間は連鎖する生き物だよ♪と歌っているように、人と人はつながっているんだということを面白おかしく36度5分の人の温もりで描写していく。

“幸せを運んでくるお人形”を巧く使ってリレーのように接点を分かりやすく明示したのも手法として本当にうまいと思う。

また、特に今回の作品では3番目のどのように表現するかという部分で三谷“監督”は腕をあげたといっていいのではないかと思う。

今までの三谷映画は舞台のエッセンスが前面に押し出され、「映画」という枠の中で見るにはどこか違和感がつきまとっていた。

しかし、今回の作品は、舞台的でありながら、しかし決して舞台ではないその微妙なバランスの中でれっきとした映画として何の違和感もなく最後まで見ることができた。

それは、セットの緻密さといった美術や裏方の面の貢献も大きいと思うのだが、三谷演出も長回しなど舞台演出の味を残して底上げしつつ、映画としてのレベルを保っていたと感じた。

とにもかくにも上質で純粋に面白い“パクリ”映画を心ゆくまで楽しませてもらった。良い意味でのパクリでっせ。。

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ザ・マジックアワー

The_magic_hourthumb 出演:佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、西田敏行、小日向文世、寺島進、戸田恵子、伊吹吾郎、香川照之

監督・脚本:三谷幸喜

(2008年・東宝・136分)2008/07/04・盛岡フォーラム

内容:港町・守加護。街を牛耳るギャングのボス・天塩(西田敏行)の愛人マリ(深津絵里)に手を出し、海に沈められる寸前の備後(妻夫木聡)。助かる唯一の条件として天塩が示したのは、5日以内に伝説の殺し屋デラ富樫を連れてくること。そこで備後は最後の手段として映画監督になりすまし、無名の俳優・村田大樹(佐藤浩市)を雇って、映画撮影と称してデラ富樫役を演じさせ、天塩をダマすことを画策するが・・・。

評価★★★★★/100点

三谷監督の前作「THE有頂天ホテル」の流れをくむ愛すべき“パクリ”映画といえると思うけど、今回のパクリ方は壮大そのもので、ギャングが街を牛耳る暗黒街=シカゴを連想させる架空の町・守加護(スカゴ)を舞台にしているのがキモで、今までの作品をはるかに超える大風呂敷の広げ方といっていい。

しかも、街のメインストリートといい港の波止場といい、あからさまにこれはオープンセットですよといわんばかりのリアリティのない舞台装置の造りは完全に舞台演劇向きで、これを映画で仕立てようというのはかなりの力量を要するといわなければならない。

が、今回、三谷監督はそれを嬉々としてやってのけてしまった。

映画の撮影と思い込んで伝説の殺し屋役を演じる売れない役者と、伝説の殺し屋と思い込んで仲間に引き入れる本物のギャングが誤解に誤解を重ねるシチュエーションコメディというストーリーラインの設定の勝利といえばそれまでだけど、マジックアワーが太陽が地平線の向こうに落ちてから光が消えてなくなるまでの淡い光に包まれた昼と夜の境目を表わすごとく、虚構と現実を時には重ね合わせ時には逆転させ行き来させた巧さは特筆もので、まさに喜劇のマジックアワーを堪能できてしまう。

そして、その虚構と現実の境目にある守加護というつくりものの街がまぁ見事にマッチしているんだわ。

また、裏方さんに至るまでそれぞれの登場人物に“人生で最も輝く瞬間”を提供しているのも三谷監督らしい演出ぶりで買いだし、なによりも映画への愛にあふれているのがイイ。

市川崑監督の「黒い十人の女」(1961)のオマージュを中井貴一&天海祐希の劇中映画で出してくるのを皮切りに、映画撮影の舞台裏を表舞台に反転させたシナリオは三谷監督の並々ならぬ映画好きが滲み出てくるものになっている。

「カサブランカ」(1942)をパロッたと思われる「暗黒街の用心棒」なる名画(?)に憧れる売れない役者の映画にかける思い、スクリーンにかける思いがイタイくらいに伝わってくるのも印象的で、思いもかけず自分の大写しの映像がスクリーンいっぱいに映し出されているのを見るシーンは涙してしまうほど感動してしまったweep

ギャングのボス天塩と愛人マリがラストで元サヤに収まるオチも「純然たるコメディ」を貫いていてヨロシイし、最後まで抱腹絶倒の映画を作ってくれた三谷監督に拍手!

それに加えて、家族みんなで見に行ったんだけども、館内もゲラゲラ笑いっぱなしで、映画の本来あるべき姿というのを体感できてもの凄く幸せなひとときを過ごすことができた気がする。

三谷監督は日本のビリー・ワイルダーといっても過言ではない!?

2009年10月15日 (木)

夢のシネマパラダイス255番シアター:魔法にかけられて

魔法にかけられて

N0013780_l_2 出演:エイミー・アダムス、パトリック・デンプシー、スーザン・サランドン、ジェームズ・マースデン

監督:ケヴィン・リマ

(2007年・アメリカ・108分)CS

評価★★★★/75点

内容:魔法の王国アンダレーシアに暮らすジゼル姫。彼女はエドワード王子との結婚を控えていたが、義母のナリッサ女王の陰謀により井戸に突き落とされてしまう。が、彼女が目を覚ますと、そこは現実世界のニューヨークだった!彼女はバツイチの離婚弁護士ロバートに助けられるが・・・。

“この残酷な世界では、ハトはゴキブリを食べるんです。。”

現実の世界からおとぎの世界へ行くというのがファンタジー映画の定型だと思うんだけど、おとぎの世界の住人が現実世界へやって来てしまうという今回の作品。

テレビは魔法の箱に、シャワーは魔法の泉に、デートは魔法の体験に、怒りは魔法の感情に様変わりしてしまう現実世界。

ディズニーランドが人々にとっての夢の国であるように、おとぎの国の住人にとっての夢の世界が、ドブネズミとゴキブリが跋扈する喧噪の大都市NYという逆転の発想は奇抜で、その中で繰り広げられるディズニー映画のセルフパロディと、白馬の王子様とのキスを夢見る古典的なヒロイン像から脱皮し多面的な人物になっていくお姫様というストーリーラインは誰が見ても面白いものに仕上がっている。

さらにそこに、「サウンド・オブ・ミュージック」や「メリー・ポピンズ」を連想させる開放的なミュージカルが華を添え、最後はドラゴンとの大格闘で締めて、終わってみれば非常に優れたファンタジーになっているのもヨロシイ。

そういう意味では様々な要素が入り混じっている型破りな映画ではあるんだけど、ディズニーの王道路線が基本としてしっかりあるので安心して見ていられるし、なんといってもおとぎの国のお姫様役のエイミー・アダムスの一挙手一投足が完璧な説得力を持っているのも特筆もの。

エンディングのない現実世界と、永遠の幸せがつづくファンタジー世界の素晴らしい融合、、、オイラはこの映画、買いですsign01

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カラー・オブ・ハート

Pleas19 出演:トビー・マグワイア、リース・ウィザースプーン、ジョアン・アレン、ジェフ・ダニエルズ、ウィリアム・H・メーシー

監督:ゲイリー・ロス

(1998年・アメリカ・123分)WOWOW

評価★★★★/80点

内容:1950年代のホームドラマ“プレザントヴィル”に夢中の内気な男子高校生デイビッド。ある日、双子の姉ジェニファーとテレビのチャンネル争いをしていた彼は、ふとしたことから姉とともにTVの世界に入ってしまう。その白黒の世界は暴力もセックスもないアットホームで完璧にコントロールされた清潔な世界。しかし本能のままに行動する現代ッコの姉によって、白黒の世界は次第に色づき始める・・・。

“素晴らしい人生讃歌の映画だと思って見ていたら・・・”

メアリー・スーのお母さんがお風呂でお試し初体験をする場面で、オイラの彼女の4歳になる姪御ちゃんに、なんであのママお風呂でアーン、アーンって言ってるの?と訊かれて何と答えればいいのか窮してしまったじゃんかよ・・・(笑)。

でも、お風呂に入ったときに、いい湯だな~アハハーン♪いい湯だーな~アハハーン♪って歌うじゃん。そのアハハーンの部分を言ってるんだよ、と苦しまぎれに答えたら納得してくれた。

お義姉さんにも後で誉められた。

これでまた勝ち点を稼いだオレ。フッwink

<追記> 後に彼女とは破局しました・・・。フッ・・・weep

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ハート・オブ・ウーマン(2000年・アメリカ・127分)DVD

 監督・脚本:ナンシー・マイヤーズ

 出演:メル・ギブソン、ヘレン・ハント、マリサ・トメイ、アラン・アルダ

 内容:ある日、バスルームで転倒し感電したことをきっかけに、突然女心が聞こえるようになった男と、広告代理店に勤める彼の上司でもある孤独なキャリアウーマンとの恋愛劇。

評価★★★★/75点

女心がつかめないから男としちゃ燃えるわけじゃん。そして時には恐っろしい面も垣間見せたりする・・・。

、、、感電してまでオイラは知らなくていいです、ハイ。

ま、他人事だと思って映画見ながらゲラゲラ笑ってたけどねw。。

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千年女優(2001年・日本・87分)DVD

 監督:今敏

 声の出演:折笠富美子、小山茉美、荘司美代子、飯塚昭三

 内容:映像製作会社社長・立花源也は、かつて一世を風靡した大女優・藤原千代子の半生を振り返るドキュメンタリー制作を依頼された。千代子の大ファンだった立花は若いカメラマンを引き連れ、30年前に人気絶頂の中、忽然と姿を消した千代子の屋敷へ向かった。そして70を越えた千代子は自らの人生を語り始める。それは、女優になる前、女学生の頃に恋した名も知らぬ男性を、生涯をかけて追い求める壮大なラブストーリーだった。。

評価★★★/60点

女優という人間がもつ業をアニメが描いてしまうとは・・・。

“未来永劫恋の炎に身を焦がす”女の恐ろしいほどに一途な想いを、彼女が女優として出演した映画の劇中劇という形で描き出しているのがなんともユニークで、昭和初期の女学生、宇宙飛行士、戦国時代のお姫様、くノ一、、と銀幕の世界から時空を超えた一大ラブロマンスへと昇華させているのがこの作品のスゴイところ。

ただ、この初恋に囚われつづける女に共感できるかといえば、、オイラ的にはかなり疑問符で、逆に怖いくらいで・・。純愛も度を過ぎると怖さ倍増ってか。ある意味ホラーです。。

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ニューヨークの恋人(2002年・アメリカ・118分)MOVIX仙台

 監督・脚本:ジェームス・マンゴールド

 出演:メグ・ライアン、ヒュー・ジャックマン、リーヴ・シュレイバー、ブレッキン・メイヤー

 内容:キャリアウーマンのケイトは、1876年のNYからやって来たレオポルド公爵と出会う。2人は時と文化のギャップを超えて惹かれあっていくが、レオポルドが現代にいられる時間は残りわずかで・・・。

評価★★★/60点

タイムスリップものとしても恋愛ものとしても見せ場となるネタがあちこちに散らばっているのに、それらには一切目もくれずラブコメの王道を突っ走る。

ある意味卑怯です(笑)。

寸止めでもいいから、せめてネタを拾おうとする姿勢くらいは見せてもいいのに・・。

その姿勢すら見せないことを潔いというのか無知というのかは人それぞれだろうけど、場が煮詰まってくるとメグの笑顔で切り抜けようとするのはもうそろそろどうなんだろうと・・・。

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星に願いを。(2002年・東宝・106分)WOWOW

 監督:富樫森

 出演:竹内結子、吉沢悠、高橋和也、中村麻美、牧瀬里穂、國村隼

 内容:北海道の函館。笙吾は3年前の交通事故で失明し声も失って以来、心を閉ざしていたが、担当看護師の青島カナに献身的に支えられ生きる勇気を取り戻していく。そして2人は恋仲になっていくが、その矢先、笙吾が車にはねられ亡くなってしまう。しかし、流星のはからいで別人の身体として自分の正体を決して明かさないことを条件に再び数日間の命を与えられた笙吾は、戸惑いながらもカナのところに会いに行くのだが・・・。

評価★★/40点

微妙にズレまくっている映画。

笙吾のキャラがまずは嫌い。國村隼よく殴った!!てかんじ。

あと失明してたはずの笙吾が初めてカナを見たときの映画的感動を全く描いていない。おっぱいビビビッのクソガキよりも描かなければならないことをしっかり描きや。

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フォーエヴァー・ヤング/時を超えた告白(1992年・アメリカ・102分)CS

 監督:スティーブ・マイナー

 出演:メル・ギブソン、ジェイミー・リー・カーティス、イライジャ・ウッド

 内容:恋人が事故で植物人間になったことに絶望した空軍パイロットが冷凍睡眠装置の実験台になる。50年後目覚めた彼は恋人が生きていることを知り、会いに行こうとするのだが・・・。

評価★★★☆/70点

極度の閉所恐怖症のオイラには、冷凍睡眠なんざ到底耐えられるものではない・・・。

2009年8月29日 (土)

夢のシネマパラダイス60番シアター:マイティ・ハート/愛と絆

マイティ・ハート/愛と絆

Mightyheart_2 出演:アンジェリーナ・ジョリー、ダン・ファターマン、アーチー・パンジャビ、イルファン・カーン、ウィル・パットン        

監督:マイケル・ウィンターボトム

(2007年・アメリカ・108分)CS

内容:2002年1月。パキスタンのカラチでウォールストリート・ジャーナルの記者ダニエル・パールが何者かに誘拐された。共にジャーナリストとして活動してきて、妊娠5ヶ月になる妻マリアンヌは地元警察とともに必死の捜索を開始するが・・・。

評価★★★/65点

パキスタンでウォールストリート・ジャーナル紙の記者がテロリストに誘拐され、自身もジャーナリストである妻が関係機関と協力しながら夫の帰りを待ち続ける姿をドキュメンタリータッチで追った作品。

アメリカとイスラムの対立という単純な構図の裏に、ユダヤ系アメリカ人という出自から夫ダニエルがイスラエル諜報機関モサドの工作員と疑われてしまったり、夫の同僚であるインド人記者から見えてくるパキスタンとインドのただならぬ関係など、一筋縄ではいかない複雑な文化・歴史・地域的関係というのが垣間見えてくるわけだけど、あくまでも垣間見えるというだけで、その深層まで描ききるまでには至っていないのがややイマイチなところではある。

それは多分に、2002年というさほど遠くない最近の実話をもとにしていることと、ドキュメンタリータッチという視点からやや平板な事実の羅列にしかなっていないと揶揄されても仕方ないような演出によるところが大きい。

しかし、その中で、ジャーナリストとしての客観的視点と、夫を愛する妻としての主観的視点を併せ持つ賢明な女性を、いつもはエキセントリックでワイルドな印象を抱かせるアンジーが抑えた演技で表現していたのは真に迫っていて印象的だったし、映画のバランスを保っていたと思う。

また、彼女の精神的強さのバックボーンにあるのが仏教というのは興味深かったんだけど、そこらへんの人物描写がもうちょっとあれば良かったのになぁとは思った。

もっと突っ込んで事件の背景にある底知れぬ闇をえぐり出して描き出してほしかったというのが本音ではあり、悲劇的な実話から見えてきたのが妻マリアンヌの凛とした強さだけというのはあまりにも中途半端ではあるんだけど、まぁ今この時期に映画化するという観点ではこれが限界なのかもね。もうちょっと時代を経ないと。。

しかし、アンジーはなかなか良かったなぁ。「ひまわり」(1970)のソフィア・ローレンのような役柄も見たいような気になってきたゾ!

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イン・ディス・ワールド(2002年・イギリス・89分)WOWOW

 監督:マイケル・ウィンターボトム

 出演:ジャマール・ウディン・トラビ、エナヤトゥーラ・ジュマディン

 内容:パキスタンのペシャワールの難民キャンプにはアフガニスタンから逃れてきた難民たちであふれていた。15歳の孤児ジャマールと従兄弟のエナヤットは、そこで育ち暮らしていた。そんなある日、エナヤットの父親は息子の将来を案じて、密入国業者に大金を払い、エナヤットを親戚のいるロンドンに向かわせることを決意。英語を話せるジャマールも同行することになり、2人は6400キロ彼方の亡命先へ死と隣り合わせの危険な陸路の旅に出ることになる・・・。ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞。

評価★★★/65点

命のリレーといえば聞こえはいいが、まるでベルトコンベアーで流されていく宅急便の箱のような無味乾燥さを覚えてしまったのもたしか。

それがこの世界の現実なのか・・・。

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アフガン零年(2003年・アフガニスタン・82分)東京都写真美術館

 監督・脚本:セディク・バルマク

 出演:マリナ・ゴルバハーリ、モハマド・アリフ・ヘラーティ

 内容:タリバン政権下のアフガニスタンでは、女性は身内の男性の同伴なしには外出が厳しく禁止されていた。そんな中、男たちを全員戦争で失い、祖母と母親、そして12歳の少女の3人だけになってしまった一家があった。外出もできずに生活の糧を失ってしまった一家は、仕方なく少女を男の子に変装させて働かせることを決意し、おさげ髪をバッサリと切って亡き父の戦友だったミルク屋に働きに出す。しかし、タリバンが兵士育成のために少年たちを招集し始め・・・。カンヌ国際映画祭でパルムドール受賞。

評価★★★☆/70点

映画で描かれる本当の不幸というものを初めて見せられた気がする・・。哀しい哀しい物語です。

2009年7月18日 (土)

夢のシネマパラダイス14番シアター:耳をすませば

Jp2020bbbbbzlhuebl_sclzzzzzzz_ 声の出演:本名陽子、高橋一生、立花隆、室井滋

脚本:宮崎駿

監督:近藤喜文

(1995年・東宝・111分)盛岡中劇

評価★★★★☆/85点

内容:読書好きの女のコ月島雫は、ある日図書館で借りた本の貸し出しカードに「天沢聖司」という名前を発見。そして注意してみると自分が読む本には必ず先にその名前があることに気づく。雫は顔も名前も知らないその名前に胸をときめかせていくのだった。そんな夏休みのある日、雫は1人の少年と出会う。

“高校生の時、人目をはばかることなく女友達から原作マンガを借りて堂々と読んでいたことがある・・・。”

いや、それだけではない。大学生の時なんか、狙っていた女のコに家に誘われてヨッシャ!と戦闘態勢を整えて彼女の部屋に突入していったら、「アタシ、ジブリの耳をすませば借りてきたから一緒に見よッッ」と言われイヤイヤ観てるうちに、、あろうことかエロ心が浄化されていくと共に純な男に変容していき、その後何事もなく2人でマタ-リ過ごした、ハァハァ、、、ことだってあるのだ(笑)。。なんじゃそりゃ。

そして毎回観るたびに雫と聖司の青空のように純粋な恋に人知れず憧れている自分がいた・・・(アータ、ろくな恋愛しとらんもん。)

そして、雫みたいな奴もイイなと妄想してみたりするのだ・・・。

が、しかし、社会人になってそういう女子とめぐり合ってしまったのだ。

同じ会社に新入社員として入った同期のコ。電車に乗ってて猫が入ってきたら、「ネコちゃんネコちゃんどうしたの?」なんて平気で言ってそのネコについて行くであろう恐るべき女。

かくして憧れは吹き飛んだ。

オカシイ、やっぱりオカシイぞこの人。他人とは異なるもの凄い感性を持っているのだ。

ゴメン、自分ついて行けません・・・。

オイラはその会社を2年ほどで辞めたのだが、ああいう人に出会ったのは今までなかったから。

が、しかし、この映画を嫌いにはならないのだ。

雫と聖司が夢に向かって頑張っている姿を見るとオレもやるぞーーーっという気持ちにさせてくれるのだ。

それで、いいのだ!

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猫の恩返し(2002年・東宝・75分)2002/07/16・銀座ガスホール

 監督:森田宏幸

 声の出演:池脇千鶴、袴田吉彦、前田亜季、山田孝之、佐藤仁美、丹波哲郎

 内容:女子高生のハルは憧れの男子が他の女子とイイかんじになっているのを目撃したりと最近何かと落ち込むことばかり。そんなある日、ハルはトラックに轢かれそうになった1匹の猫を助けた。しかし、その猫が“猫の国”の王子ルーンだったことから、ハルはお礼として猫の国へと招待される・・・。

評価★★/40点

おい、ちょっ待てよ、待てって、、おい待てよっ!と思う間もなくこちら側を置き去りにしたまま勝手に独走していってしまうトンだジブリ映画。タヌキよりもタチが悪い。。

ギブリーズepisode2([猫の恩返し」の同時上映作)

 監督:百瀬義行

 声の出演:西村雅彦、鈴木京香、古田新太、斉藤暁、篠原ともえ、今田耕司、小林薫

 内容:ジブリの鈴木敏夫プロデューサーが周囲の人々を描いた似顔絵をもとに、とあるアニメスタジオ“ギブリ”に集う人々の面白おかしい日常を綴った4つのショートショートからなるオムニバスアニメ。

評価★★/35点

こういう内輪向けのものは2本立ての2本目にもってくるだろフツー。それを先に見せるバカがどこにいる(笑)。

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(おまけ)

未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~

1 出演:松下奈緒、竹財輝之助、原田泰造、西田尚美、関めぐみ、松坂慶子

監督:蝶野博

(2007年・松竹・115分)WOWOW

内容:大学時代のサークルで知り合い恋に落ちた宮本さやかと福島慶太。順調に交際を続ける2人の愛は、慶太が尊敬する建築家・ガウディを生んだ情熱の国スペインへの卒業旅行で沸点に達する!卒業後、さやかは印刷会社でOLをしていたが、雑誌編集者になる夢を叶えるために転職。が、同じ頃、建築家を目指す慶太がスペインに赴任することになり、2人は別々の道を歩むことを決断する・・・。

評価★★★★/75点

新海誠が好きそうな映画だなぁ(笑)。

学生生活、バイク、プラトニックな恋愛、夢追い人、、、なんつー陳腐この上ないお約束映画だろう。

って、大っ好きです!ジャーーンshine

こういうオーソドックスで最高に幸せな恋愛映画って邦画でもTVドラマでも最近お目にかかることがなくなっていたので、逆に新鮮だったのかもね。

しかも、劇中ラブシーンどころかキスシーンさえなくて、あな珍しやと思ってたら、ラストの結婚式できやがった。クゥ~~~ッ。。上手い!

んで、この結婚式で、慶太の男友達が号泣してんのね(笑)。

最高にイイ奴。最高にイイ上司。最高にイイ家族。そして最高にイイ松下奈緒。友情、恋愛、親子愛に彩られた幸せめぐり三昧に素直に心打たれますた。

オイラも幸せになりてぇーーっ。(-人-)・・・†アーメン

2009年4月19日 (日)

夢のシネマパラダイス87番シアター:メメント

メメント

Meme 出演:ガイ・ピアース、キャリー・アン・モス、ジョ-・パントリアーノ

監督・脚本:クリストファー・ノーラン

(2000年・アメリカ・113分)WOWOW

評価★★★/60点

内容:妻を殺されたショックから、10分しか記憶を保つことができなくなったレナード。大事なことはペンとカメラ、そして刺青で記録し、彼は必死で犯人を捜そうとするが・・・。ラストシーンから始まりへ、時間を逆行させていく斬新な構成が話題をよんだサスペンス。

“「筋が分かっている本を何度も読み返して面白いのか?」だとぉ?はあっ?当たり前やないけーっワレーッ!`o(X',っ`)=⊃))`-д゜);、;.・ウルァ!!!この映画は2度と観ることはないだろう・・・。”

まともだった頃のレナードの回想シーンで、同じ本を何度も読みふけっている奥さんに向かって言うセリフ。

もちろんこの問いに対して奥さんは「面白いからいいの。」と答えている。

そりゃそうだ。忘れた頃にまた読み返してみたくなる本、あるいはまた観たいと思わせてくれる映画なんて誰だってあるはずだし、自分だって数えきれないほどある。

しかし、翻ってこの映画はどうよ。

筋は何となく分かる。でも、完結するどころか推測の域を出ない何通りもの答えが出てきちゃう映画というのはまだいいとしても、映画というものが本来持つべき“未来”が何にも提示されてないやんけ。

こういう類の映画は個人的にはもう観なくていい映画なんだわ、ウン。

たしかに観てる側の記憶は試される、ただそれだけ。しかもこっちに勝ち目が無いやり方で。。

こういう作り手側、いやもっと突きつめていけば監督しか満足し得ない、1人でにんまりほくそ笑んでいるようなマスターベーション映画観ると胸くそ悪くなる(笑)。

しかも嫌らしいことに、この映画ってスターウォーズ的にいえば第2部のエピソード2みたいなところに当てはまるんちゃうの。

だからといって第1部に当たる映画はつくらなくてもいいけどさ、記憶、記憶、記憶にございません、って記憶が試されるのは頭のネジが緩んでる政治家だけで十分だ。

ちなみに「ユージュアル・サスペクツ」やら「スティング」やらは大っ好きです。

2009年2月 2日 (月)

夢のシネマパラダイス169番シアター:広島カープは永久に不滅です!

がんばれ!ベアーズ(1976年・アメリカ・103分)NHK-BS

 監督:マイケル・リッチー

 出演:ウォルター・マッソー、テイタム・オニール、ヴィク・モロー

 内容:元マイナーリーグの投手で、今はアル中のプール掃除人のバターメイカーは、落ちこぼれたちが寄せ集められた弱小少年野球チーム・ベアーズのコーチに就任した。第1戦で26点も取られ惨敗したチームに呆れ返ったバターメイカーは、以前からピッチングを教えている元恋人の娘アマンダをチームに参加させ、不良少年のケリーもスカウトしてチームを強化していく。

評価★★★★/75点

少年野球をやってたオイラから言わさせてもらうと・・・

面白いですこれ。

笑える笑える!一瞬ギャグ映画ですかと思っちゃうくらい。

わざとデッドボールになれと命令する監督。試合中相手チームのピッチャーに中指おっ立てるおデブくん。監督に反抗して退場するヤンキースのピッチャー。

ま、相当にレベルの低いリーグだわな。

でも野球をやってたからこそ分かる面白さと、あの少年たちに対するシンパシーは永久に不滅です!

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ナチュラル

Natural 出演:ロバート・レッドフォード、ロバート・デュバル、グレン・クロース

監督:バリー・レヴィンソン

(1984年・アメリカ・138分)NHK-BS

内容:ネブラスカにある農家の青年ロイは、父に教わった野球の腕が認められ、20歳でプロにスカウトされる。しかし、キャンプ地に行く途中でアクシデントに巻き込まれ、体に銃弾を受けてしまう。時を経て、35歳の新人選手としてロイはメジャーリーグ入りを果たすのだが・・・。

評価★★★★/75点

野球映画ほど予定調和の定まっているジャンルもない。いかに映画を盛り上げていくかが作り手の腕の見せ所。

その中でこの映画、主人公のキャラ設定がまさに沢村賞なみ。他は全部2軍キャラ。

そしてこの映画のスゴイところは、この主人公キャラだけで映画を9回完投してしまうことなのだ。

他のチームメートに話の視点が向くことはない。ただひたすら少年の心を持ったままのロイ・ホッブスの夢を追い続ける姿を描くのみなのだ。

フィクションとしての野球映画では珍しい手法だが、この映画の輝かしい勝利といえる。

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ミスター・ベースボール(1992年・アメリカ・110分)NHK-BS

 監督:フレッド・スケピシ

 出演:トム・セレック、高倉健、高梨亜矢

 内容:体力的に疲れが見え始めた現役メジャーリーガー、ジャックが日本の中日ドラゴンズにトレードされる。始めのうちはカルチャー・ギャップもなんのそのの活躍をみせていたものの、次第にスランプに陥り始め、大リーグ時代のプライドを捨てきれずに監督の内山と事あるごとに対立。しかし、日本に来ての唯一の理解者であるヒロ子との愛が彼の辛い日々を忘れさせてくれるのだった、、、、が、なんとヒロ子は内山監督の一人娘で、、、。

評価★★★/60点

まあ、いわゆるひとつのですね、ま、ミスターと呼ばれてきた長嶋茂雄さんもですね、この映画のことは大目にみてくれるんじゃないでしょうかねぇ、ええ、ウへへへ、ハイ・・・

まぁいわゆるひとつのですね、、、、??ん?あっ、Hey!カール!Hey!カール、コングラッチュレイション!大会史上3度目の、おめでとうございます。。。

話をもとに戻しますと、まあいわゆるひとつのですね、ま、この映画におきまして、フランス料理のレストランが出てくるわけですけども、なんていうんですか、そこでウエイトレスをしている女性がですね、着物を着ているのにはわたくしも少々ウケましたですけどもね、ええ、ハイ、ウヘッヘエ・・・・あ、そこにバットあるの?あったら振ってみて、うん。

以上、神奈月のものまねでお送りしました、、、。

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プリティ・リーグ

Leagueoftheirown 出演:トム・ハンクス、ジーナ・デイヴィス、ロリ・ぺティ、マドンナ、ロージー・オドネル

監督:ペニー・マーシャル

(1992年・アメリカ・125分)NHK-BS

評価★★★☆/70点

内容:第二次世界大戦真っ只中のアメリカ、メジャーリーガーたちが次々と戦場へ駆り出され、大リーグの運営は危機を迎えていた。そこで全米女子プロ野球リーグが発足することになり、全米から選ばれた64人の選手が4チームに振り分けられる。その中の1つのロックフォード・ピーチズを率いるのは、昔は大リーグの強打者だったが怪我で引退し、今は酒浸りの生活を送っているジミーだった。1943年から1954年にかけて実在した全米女子プロ野球リーグの選手たちの奮闘を描いたスポーツコメディ。

“プリティじゃないことだけは確かです。。”

初代ピーチズスターティングメンバー!

 1番センター “やりまくり”メイ

 2番サード  “チームのムードメーカー”ドリス・フーフィー

 3番キャッチャー “伝説のキャプテン”ドティ

 4番セカンド   “ノートルダムの傴僂女”マーラ・フーチ

 5番ファースト  ヘレン・ヘーリー

 6番レフト  “サインは読めるが字は読めない”シャーリー・ベイカー

 7番ショート   エレン・スー

 8番ライト   “子連れ狼”エブリン

 9番ピッチャー  “打倒姉貴!”キット

 監督      “飲んだくれ”ジミー

 プリティ度   限りなくゼロ!!

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メジャーリーグ3(1998年・アメリカ・100分)NHK-BS

 監督・脚本:ジョン・ウォーレン

 出演:スコット・バクラ、コービン・バーンセン、テッド・マッギンリー、石橋貴明

 内容:前2作のインディアンズに代わって、3Aのサウスカロライナ・バズが舞台。最下位独走のバズの監督は、元インディアンズのペドロとタカを招き、選手にベースボールの素晴らしさを教える。バズはたちまち連勝を重ねるが、オーナー指令でメジャー球団とエキシビジョン試合をやるハメになり・・・。

評価★/25点

「クール・ランニング」(1993)みたいに、野球を知らないような国のド素人たちがメジャー軍団に挑むとかさぁ、、、最低限の新機軸を打ち出さないと3作目ともなると、文字通りただの消化試合だよ、これ。。

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ラブ・オブ・ザ・ゲーム(1999年・アメリカ・138分)NHK-BS

 監督:サム・ライミ

 出演:ケビン・コスナー、ケリー・プレストン、ジョン・C・ライリー

 内容:引退をかけてマウンドに上がる大リーグの名投手。完封試合のプレッシャーの中、彼は自らの野球人生、彼から去った最愛の女性との日々を思い返していた・・・。「さよならゲーム」「フィールド・オブ・ドリームス」と野球映画でもお馴染みのK・コスナーの本領発揮作!?

評価★★☆/45点

、、、試合中あんなに回想にふけれるほど大リーグは甘くないと思うんですけど・・・。

さらにさ、桑田でもあんなにマウンドでブツブツ独り言しゃべらないと思うんですけど・・・。

ま、どうでもいいんだけどさ・・・(笑)。

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オールド・ルーキー(2002年・アメリカ・128分)NHK-BS

 監督:ジョン・リー・ハンコック

 出演:デニス・クエイド、レイチェル・グリフィス、ブライアン・コックス

 内容:’99年に35歳でメジャーリーグの投手となったジム・モリスの半生を映画化。怪我でメジャーを断念した過去を持つジムは、高校で弱小野球部の監督を務めていた。しかし、生徒たちの励ましで、デビルレイズの入団テストを受けることに。今なお150キロを超える剛速球は、スカウトの目を釘付けにして・・・。

評価★★★☆/70点

“ケビン・コスナーよりも上手いということだけは確かだ。”

構成とかスゴイ無器用な映画なんだけど、夢とベースボールに対するひたむきさは直に伝わってくる。

モリスのメジャー初登板のごとく直球、直球、直球勝負の映画だったな。だから素直に評価できるのかも。

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バッテリー

I_n_image_20070815_104454 出演:林遣都、山田健太、蓮沸美沙子、天海祐希、岸谷五朗、菅原文太

監督:滝田洋二郎

(2006年・東宝・118分)WOWOW

内容:中学入学を控えている天才ピッチャー原田巧(林遣都)は、病弱な弟(鎗田晟裕)の療養のため、祖父(菅原文太)の住む岡山へ家族と引っ越してきた。天才ゆえに他者を寄せ付けない気難しい一面を持っていた巧は、彼の才能に惚れ込んだキャッチャー永倉豪(山田健太)と中学の野球部に入部するが・・・。

評価★★★/60点

野球を扱った作品って、例えば漫画でいえば「巨人の星」からはじまり「ドカベン」「タッチ」、そして今オイラがハマッている「おおきく振りかぶって」に至るまで、やはり長期連載という長いスパンの中で、野球にかける思いや一球にかける思いというのを丹念に紡いでいく中で、その良さがジワジワと伝わってくるものだと思うんだよね。

たった一球投げるのに時には3,40ページ割かないとダメな世界、それが野球を扱った作品だと思うわけ。

で、それをたった2時間足らずでササッと描かれたってたかが知れてるわけで、、、底がどうしても浅くなってしまう。。

でも、これだけ野球オンリーでストレートな青春映画って実はそうあるわけではないので、まぁ新鮮ではあったかな。

ただなぁ、、いかんせん主人公・巧がいけ好かないんだわ(笑)。、、って、そこかよっ。

いや、そこなんですよ。イマイチ乗れなかった理由は・・・。

オイラ、ああいう奴、嫌(笑)。。

2009年1月30日 (金)

夢のシネマパラダイス594番シアター:松ヶ根乱射事件

松ヶ根乱射事件

Teaserposca_250350 出演:新井浩文、山中崇、川越美和、木村祐一、三浦友和、キムラ緑子

監督:山下敦弘

(2006年・日本・112分)2007/06/04・仙台セントラル

評価★★★☆/70点

内容:90年代初頭の雪に閉ざされた田舎町、松ヶ根町。鈴木光太郎(新井浩文)は派出所勤務の警察官。一方、双子の兄・光(山中崇)は、姉夫婦が切り盛りする畜産業を手伝っているが、全くやる気なし。また、父親(三浦友和)は近所の床屋の女(烏丸せつこ)の店に行ったまま帰って来ないが、それに対し母親(キムラ緑子)の方も全く無関心。そんなある日、町でひき逃げ事件が発生する。検死に回された被害者の女性・池内みゆき(川越美和)は、しかし意識を取り戻し、西岡佑二(木村祐一)という怪しげな男と犯人捜しを始めるが・・・。ちなみに、、実話だそうです・・・。

“平成版「楢山節考」”

「リンダリンダリンダ」「天然コケッコー」と同じ監督が撮ったとは思えない辛くて苦い映画だけど、いっとき日本のアキ・カウリスマキと呼ばれていたこともあったが、これ完全に今村昌平じゃないか(笑)。。

何なんだこの器用さは。しかも器用貧乏になってないところがスゴイんだよな、この監督。

オイラより3つくらい上で年代としてはあまり変わらないんだけど、何なんでしょうホント。この人のルーツを小一時間くらい問いつめて知りたい気分。

同じ信州長野が舞台ということで、なんかホント今村昌平の「楢山節考」(1983)を真っ先に思い浮かべちゃったんだけど、かの作品がドロドロとまとわりついてくるような生と性、そして閉鎖的ゆえにそこに蓄積し沈殿していく欲望と土着のエネルギーを執拗に描いたといえるならば、今作で描かれる90年代にはもはやそういう土着性は皆目なくなっており、まとわりつくべき対象すら見出せない中で、ただドロドロとしたような空気感だけが宙を漂っている。

そういう時代性を敏感に感じ取った上で、ラスト、新井浩文が拳銃を宙空のあらぬ方向に向けて撃ちまくるというのは、もの凄く的を射ている象徴的なシーンだったと思う。映画史に残る銃撃シーン、、なんつって。。

そう考えても、やっぱこの監督さんはスゴイと思う。

あと、出色だったのが木村祐一。あの無表情のしゃべりが淡々としていて余計に恐いんだよね。

でも、「ファーゴ」と似たような光景から始まったかと思いきや、いきなり小学生の男の子が女の下半身まさぐっちゃったり、木村祐一のSEXも吐き気をもよおすくらい下手クソだし、車の中で運転しながらゲロ吐く新井浩文といい、まぁたぶんもう二度と観ることはないと思うけど・・・(笑)。でも、この監督の次作は待ちきれない。

そういえば、思わず脱力しちゃうようなポヨヨンnotesみたいな音楽って、「男はつらいよ」の寅さんが腑抜けキャラになる時に使われてたのと同じだったけど、そっからヒントを得たのかな。

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(おまけ)

リアリズムの宿(2003年・日本・83分)

 監督:山下敦弘

 出演:長塚圭史、山本浩司、尾野真千子、多賀勝一、山本剛史

 内容:冬のある日、若手の映画監督・木下(山本浩司)と脚本家・坪井(長塚圭史)は、共通の友人である俳優の船木に誘われて旅に出るが、肝心の船木が来ない。顔見知り程度の関係でしかない2人は、ビミョーな雰囲気の中、鳥取のとある温泉街の駅で途方にくれていた。そして、日本海をボーッと眺めていた2人は、海で泳いでいたら荷物を波にさらわれたという裸同然の女性・敦子(尾野真千子)と出会う・・・。原作は、つげ義春の漫画。

評価★★★☆/70点

“リアリズムのコント”

日常の取るに足らないムダ話に照準を合わせて思いっきり引き伸ばしていき、絶妙な間による展開と笑いをすくい取っていくというのは、基本的にコントの作りと同じだと思うのだけど、よくぞここまでマッタリとした世界観で一貫して作り上げたなと関心してしまった。

よほどリハーサルを重ねて作り込んでいかないと、こういう微妙かつ絶妙な間というのは出てこないと思うのだけど、なんかダウンタウンの松ちゃんが映画で1本立ちしたらこういう映画になるんじゃないかなという気がする。

映画界の松本人志たる地位に上りつめていくのか、、、山下敦弘、要注目です。

(初記)2004/06/27 シネマ・ソサイエティ

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ファーゴ(1996年・アメリカ・98分)仙台セントラル

 監督・脚本:ジョエル・コーエン

 出演:フランシス・マクドーマンド、スティーブ・ブシェーミ、ウィリアム・H・メーシー

 内容:1987年冬、ミネソタ州。自動車ディーラーのジェリーは、多額の借金を背負い、妻を偽装誘拐して養父から多額の身代金を引き出そうと考えた。ジェリーは整備工場で働く元囚人の2人組を紹介してもらい、ノースダコタ州ファーゴへ向かう。2人組は誘拐を決行するが、逃走中にパトロール中の警官と目撃者を殺してしまった。翌朝、出産を控えた女性警察署長マージが殺人事件の捜査に乗り出す・・・。

評価★★★★/75点

耳に残るは「ヤー」の掛け声・・。

「ヤー」「ヤー」「オー、ヤー」の連発が妙に印象に残ってたりする。

でも、1番の見所はなんといっても死体の前で熱いコーヒーを幸せそうにすすり、大量のミミズが入った袋の前で「美味しそうねdelicious」と言いながらハンバーガーをたらふく食べる身重のマージの食いっぷりと食欲だろう。。

2009年1月14日 (水)

夢のシネマパラダイス11番シアター:世界の黒澤シネマスタイルズvol.5

赤ひげ

Kurop23 出演:三船敏郎、加山雄三、山崎努、団令子、桑野みゆき、香川京子、内藤洋子

監督・脚本:黒澤明

(1965年・東宝・185分)NHK-BS

評価★★★★★/95点

内容:江戸の小石川療養所の医師、赤ひげの破天荒だが慈愛にあふれる生き様を、あるエリート青年医師の目を通して描くヒューマニズム巨編。「病気の原因は社会の貧困と無知によるもので、これには治療法がない」というのが口癖の赤ひげだが、それでも人の命を救うため黙々と働き続ける。その姿に、最初は彼に反発していた青年医師だが、次第にエリート意識を捨てて敬意を抱くようになる。黒澤絶頂期の大力作。

“映画の8割は人間の悲しみと不幸で溢れている。しかし、映画を観終わった後は自分の心の中が希望と嬉しさと幸せであふれ返っている。この映画を通して自分も赤ひげ先生に心を診断されたようだ。”

身体を診断するのと同時に心も診断してしまう赤ひげ。

しかし、忘れてはならないのは、例えばおとよにしても彼女の悲しみ、傷、不幸はいくら赤ひげの手にかかっても完全に消し去ることはできないということだ。

家族もなく、12歳で売春させられていたおとよの悲しみと傷は一生消えることはない。

同じことは毒を飲んで一家心中したがなんとか生き残った小ねずみにもいえる。

家族で親兄弟話し合って死ぬことに決めたというのはあまりにもむごく残酷だ。

これらがいわば赤ひげの言うところの貧困と無知に対する闘い、貧困と無知が起こらなければ病気など起こらないということにつながるのだが、一方ではおとよ自身、小ねずみ(長坊だっけか)自身自分の力で生きていかなければならない。多少癒えはしても消え去ることはない悲しみと傷を背負って生きていかなければならない。

その自分自身で生きる力を取り戻す手助けを赤ひげ、そして保本は施していくわけだ。

そしてそこで重要なのがいかに相手と心を通わせ合うかということになるわけだが、この映画では保本の変化と成長を通してその過程を描いていく。

この映画の白眉はまさにここにあると思う。

長崎に留学していたエリート新人である保本。彼は療養所に来るまでは最新の西洋医学書にのみ頼ろうとしていたわけだが、赤ひげやおとよと接していくうちにだんだん変化をみせ、しまいには口調まで赤ひげと同じになっていく。

そこまでに至る描写が実に素晴らしい。

特に印象的なのが、蒔絵師のジイさんの臨終シーンから目を背け、ただ醜悪なものとしてしか見られなかった保本が、病人の人生における内に秘めた悲しみや不幸を知った時、臨終シーンが赤ひげの言っていたとおり荘厳に見えてくるところだ。

それはなにも病人に対する保本の同情がそのように見させたのではないだろう。

その病人がとてつもなく大きな悲しみ、不幸を抱いていてもなお生きていく力を今までしっかり持っていたという真の強さを認識したときに荘厳に見えたのだと思う。

だからこそ病人の苦痛や死のすさまじさから目をそらしてはいけないのだと赤ひげは言うのだと思う。

これはなにか現代にも通じるものがあると思う。

おとよの世話疲れから、また赤ひげに言わせれば“世の中”を急激に見たための知恵熱でぶっ倒れた保本。

そう、現代の世の中もいつも人間の不幸で覆われているではないか。

そして人生は喜びよりも悩み、苦しみの方が圧倒的に多い。それでもしかししっかり地に足をつけて生きていかなければならない。

別々のシーンで赤ひげと保本は同じことを言う。「わしは実にイヤなやつだ。下劣な男だ。」「わたしは実にダメなやつなんです。わたしは下劣なやつです。」と。しかしそれを分かっているからこそ、それでも療養所で医者として生きていく赤ひげとその決心をする保本。

この映画は時代劇という枠をかる~く超越してしまっている。

考えてみればこの映画、刀が出てこない。チャンバラシーンもない。赤ひげは素手で闘う。療養所のオバさんたちは刀のかわりに大根1本で女郎の頭をぶっ叩く。

相手は死なない。

医者も看護師も人を殺すことなどできるはずがないのだ。

だから刀など必要なかった。必要なのは言葉であり、現実を直視する目であり、無知と闘う頭であり、強さと優しさを併せ持つ心である。ようするにいっぱしの人間なのだ。

そして彼らは命の尊さ、真の力強さを知っている。

今の医者はどうだか知らないけど・・・(笑)。

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Kurop27 出演:仲代達矢、植木等、隆大介、原田美枝子、ピーター、寺尾聰、根津甚八

監督・脚本:黒澤明

(1985年・日/仏・162分)NHK-BS

内容:シェイクスピアの「リア王」を下敷きに、3本の矢の逸話で知られる毛利元就の3人の息子の物語を組み合わせて描いた戦国絵巻。70歳になる一文字家の領主・秀虎は、ある日、3人の息子に家督を譲り、城を1つずつ与えて引退すると告げた。真っ直ぐな性格の三男・三郎は父の弱気を批判し、その場で秀虎に追放される。一方、長男・太郎の正室・楓の方は、親兄弟を秀虎に滅ぼされ、略奪された形で嫁になったことから、長男を軽んじた秀虎の態度に不満を覚えていた・・・。

評価★★★★/75点

体裁としては、「蜘蛛巣城」(1957)のカラー版というかんじで、原田美枝子が山田五十鈴、仲代達矢が三船敏郎、盲目の野村萬斎が怪かしの妖婆といったふうにリンクしている。

また、映画のつくりも「蜘蛛巣城」と同じく演劇・舞台を意識した様式美で彩られており、アカデミー賞を受賞したワダ・エミの黄・赤・青・白を人物に当てはめて使った装飾衣装から、どこまでも果てしないロングショットに至るまでかなり徹底していて、むしろ「蜘蛛巣城」よりも静と死に深くこだわった作品になっているように思う。

黒澤映画の醍醐味が動と生にあることは誰も異論はないだろうが、このいつの世も繰り返される人間の悪行、そして安らぎよりも悲しみと苦しみを奪い合う人の世への無常観漂うレクイエムを自覚した今回の作品は、まさに壮大な舞台劇を見ている錯覚に陥ってしまう。

しかし、この壮観さがハンパないんだわ(笑)。

向こうの山の尾根に敵軍がズラリと並んでいるシーンや、燃えさかる城から仲代達矢が出てくるシーンなど、80年代死に体にあった日本映画界にあって巨匠黒澤の底力を見せつけられたような、そんなスゲェ映画だった。

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(1990年・日/米・121分)NHK-BS

 監督・脚本:黒澤明

 出演:寺尾聰、倍賞美津子、原田美枝子、いかりや長介、マーティン・スコセッシ、笠智衆

 内容:夢をモチーフにした8話の短編から成るオムニバスドラマ。日照り雨の日に狐の嫁入りを見てしまった5歳の“私”が主人公の第1話「日照り雨」を皮切りに、次第に成長していく私が見た「桃畑」、「雪あらし」、「トンネル」、「鴉」、「赤富士」、「鬼哭」、「水車のある村」の計8話から成る夢を、様々なスタイルで描きながら、文明社会への批判と自然とのかかわりの重要さが語られる。

評価★★★/60点

黒澤明の頭の中はいったいどうなってるのかと覗いてみたら、テリー・ギリアムやティム・バートン、デヴィッド・リンチ、クローネンバーグなどの混沌とした世界とは似ても似つかない理路整然とした夢で、あれれ、、てかんじ。。

しかもオチもなんにもないんだもん。ただの説教臭いメッセージの羅列になっちゃっててイマイチ楽しめず。

まぁ、このとき御年80歳のお爺さんだったことを考えると、こういう作りになるのもしゃあないのかなぁ。

でも、手榴弾くくりつけた犬=“犬死に”の暗喩とか、どぎつい赤富士と放射能汚染、動き出すゴッホの絵など随所に印象的な造型の具現化が見られるのもたしかで、これはこれでお見事な映画なのかもしれない。

ただ、1スジ(シナリオ)2ヌキ(映像)3ドウサ(演技)を重視するオイラとしては、2ヌキだけの映画ってのはどうもイマイチ、、ねぇ、、複雑。。。

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まあだだよ(1993年・東宝・134分)NHK-BS

 監督・脚本:黒澤明

 出演:松村達雄、香川京子、井川比佐志、所ジョージ、油井昌由樹、寺尾聰

 内容:随筆家・内田百閒とその門下生たちとの心の触れ合いを様々なエピソードで綴った黒澤明の遺作。昭和18年の春、百閒先生は作家活動に専念するため旧制高校を去ることを教え子たちに告げた。生徒たちは「仰げば尊し」を歌って敬愛する先生を送る。しかし退職後も先生と門下生の交流は続いていくのだった。

評価★★☆/50点

“正直、、「もういいよ。」って早く言ってほしかった・・・(笑)。”

夏目漱石門下の随筆家・内田百閒とその門下生との交流を、人情味オンリーで描ききった作品で、所ジョージや、若かりし頃から黒澤映画に出続けている香川京子の好演などほほ笑ましく見ていられる映画ではある。

、、、のだが、逆にこれが黒澤映画だと思って見ると途端にツマラなくなってしまうわけで・・・。

往年のダイナミックさもなければ「夢」などの絵画的美しさも見受けられず、社会風刺もなければゲージツ的でもない、そういう損得勘定の一切皆無な映画の中で、善人100%の師弟関係とドンチャン騒ぎ、、、正直気持ち悪いcatface、、もとい、こっ恥ずかしい。。

ツッコミ役のいない映画見るのがこれほどツライものだとは思わなかったわ・・・。

だからぁ、北海道から鹿児島まで各駅を暗誦してるオッサンに誰かツッコんでやれよ(笑)。気になってしかたなかった。

でも、先生だけは最後までちゃんと聞いてるんだよな。

優しい映画だ。しかも度を越した優しい映画だ・・・。ダウンタウンの松っちゃんが提供する優しさライセンスを無条件で差し上げたい気分です。

ようするに、、、映画としてイマイチ。。

でもでも、オイラにとっての映画のお師匠は黒澤先生にほかならず、これからも黒澤映画を見続けていこうと考えておるわけであります。黒澤映画ほど素晴らしい映画体験をすることはできないのだから。

オイラにとって黒澤明は「まあだだよ」なんだよね。

まだまだです。

2009年1月 7日 (水)

夢のシネマパラダイス145番シアター:蟲師

T0004950 出演:オダギリジョー、江角マキコ、大森南朋、蒼井優、りりィ

監督・脚本:大友克洋

(2006年・日本・131分)2007/04/03・盛岡フォーラム

評価★★☆/50点

内容:100年前の日本。そこには動物でも植物でもない妖しき生き物“蟲”がいた。ときに蟲は人間に取り憑き不可解な自然現象を引き起こす。そして蟲の姿を見ることができる者は蟲師と呼ばれ、蟲に取り憑かれた人々を癒す能力を持っていた。そんな蟲師の一人であるギンコは、雪深い山の庄屋で4本の角が生えた少女と出会う・・・。

“オイラは貞子を見に来たんじゃないやい!”

ぬい(江角マキコ)の成れの果てが井戸から出てきた貞子そのものじゃないか。なんだあれは。。

原作マンガを読んだことない人がこれ見たら、ホラーマンガだと絶対に誤解しちゃうよ。最悪。そんなんじゃないのに。

映像化するにあたって視覚的にインパクトを出さないとダメだとかいう制約があったのか知らんが、そんなん蟲師には必要ないっちゅうの。ホントに原作読んだんだろうな大友は。。

しかも、ぬいとギンコの関係をストーリーの主眼に置くことからして解せないというか、ギンコが何者かってのははっきりいってどうでもいいことで(笑)、そこの描写はボカしちゃってもよかったと思うんだけど。

なんか全てに答えを出そうとして、かえってドツボにハマッてしまってわけが分かんなくなっちゃってるような・・・。あげくの果てに貞子だし。ガックリ。。

蟲師を一言で言い表すなら、日本昔ばなしにファンタジーをふりかけたような世界観の中で、人と蟲が織り成す悪役の出てこない悲劇と、あまりにもか細く消え入りそうな人と人とのつながり、人と自然とのつながりの再生を描いているといえると思うのだけど、そういう点では父と子、母と子、夫と妻といった家族の物語を軸にして描かないと良さが伝わりにくいと思うんだよね。

だからギンコはぶっちゃけ狂言回し的な立ち位置でいいんだよ。なのにそれを主軸にもってくるから中途半端な尻切れトンボになっちゃうんだ。

その点でこの映画は、ストーリーの構成にかなり難があると言わざるをえない。

映像面は蟲師の世界観を崩さないかなりの出来だっただけに、かっなり残念な映画になってしまったと思う。残念sad

ちなみにアニメ版の方は最っ高の出来です。

2008年12月27日 (土)

夢のシネマパラダイス585番シアター:アタシ、体張ってます!?

マッハ!(2003年・タイ・108分)2004/08/09・シネマ東急

 監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ

 出演:トニー・ジャー、ペットターイ・ウォンカムラオ、プマワーリ・ヨートガモン

 内容:一、CGを使いません。二、ワイヤーを使いません。三、スタントマンを使いません。四、早回しを使いません。五、最強の格闘技ムエタイを使います。以上ですsweat01

評価★★★/65点

通信簿つけるとしたら“よくできました”ではなく、“よくがんばりましたgood”ってつけるな。

がんばりは認めるけど、それ以上のプラスアルファはないってことで・・。

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七人のマッハ!!!!!!!(2004年・タイ・95分)WOWOW

 監督:パンナー・リットグライ

 出演:ダン・チューポン、ゲーサリン・エータワッタクン、ピヤポン・ピウオン

 内容:テコンドーやサッカー、体操といった各種競技のチャンピオンが集う慰問団に加わった刑事デューは、タイ国境の村を訪れる。しかし、その村は麻薬王率いる武装ゲリラに占拠されていた。そこで慰問団の面々は、競技で培った肉体と技のみを武器に武装ゲリラに立ち向かっていく・・・。「マッハ!」のアクション監督が、さらなるアクションシーンの限界に挑んだタイ映画。

評価★★/40点

“子供に「とどめを刺して!」と言わせしめる映画というのは正直好きになれない。”

凄惨な村人バトルロワイアルという様相だったけど、しかもほとんどが銃殺バトルっつうのがいただけない。いたいけな少女を投げ落とすわ、おいおいってかんじ。

これ見たらジャッキー・チェンも泣くぞ・・。R12指定というのも頷けるレベルの低さですた。

しかもエンディングロールで流れるメイキング映像でのた打ち回っているスタントマンを見てさらに引いたわ(笑)。。

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YAMAKASI ヤマカシ(2001年・フランス・91分)DVD

 監督:アリエル・ゼトゥン

 出演:シャルル・ペリエール、チョウ・ベル・ディン、ウィリアムズ・ベル

 内容:華麗なスタントアクションを披露する7人のパフォーマンス集団“YAMAKASI”。「TAXi2」で忍者を演じた彼らを主人公に、リュック・ベッソンが脚本を書き下ろしたアクション。

評価★★★/60点

ちゃんとした映画としての体裁がしっかりとれちゃってるというのが、逆に面白さを半減させているというなんともな皮肉。

世界まる見え特捜部でやってた15分ばかりのドキュメンタリー映像の方が面白かった印象が・・・。

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G.I.ジェーン(1997年・アメリカ・125分)仙台セントラル劇場

 監督:リドリー・スコット

 出演:デミ・ムーア、ビゴ・モーテンセン、アン・バンクロフト、スコット・ウィルソン

 内容:アメリカ海軍のエリート特殊部隊SEALの訓練兵となったジョーダン・オニール大尉。希望にあふれる彼女を待ち受けていたのは、脱落者60%の地獄の軍事訓練だった。

評価★★☆/50点

“女スタローン参上!彼女はジャンヌ・ダルクになれるのか!?の巻”

世の女性陣はこれ観てどう思うんだろうか・・・。オイラにはただキショイとしか映らなかったけど。

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ロング・キス・グッドナイト(1996年・アメリカ・121分)WOWOW

 監督:レニー・ハーリン

 出演:ジーナ・デイビス、サミュエル・L・ジャクソン、クレイグ・ビアーコ

 内容:記憶喪失の女教師サマンサが正体不明の連中に命を狙われ、自分がCIAの暗殺工作員だったことを思い出す。そんな彼女が巨大組織に立ち向かう姿を描いたアクション。

評価★★★/60点

“サマンサの娘さんは正常に育つのだろうか・・・。”

体を張ってる女優ベスト3に間違いなくジーナ・デイビスは入ると思う。それくらい生々しくて痛々しい。ちょっと引いちゃう・・・。

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ミザリー(1990年・アメリカ・108分)NHK-BS

 監督:ロブ・ライナー

 出演:ジェームズ・カーン、キャシー・ベイツ

 内容:ロマンス小説を書くベストセラー作家のポールは、出版社に向かう途中、事故を起こし気を失ってしまう。それを助けたのは彼のナンバーワン愛読者を自称する中年オバさんのアニーだった。新作でポールは主人公のミザリーを死なせるが、原稿を読んだ熱狂的ファンのアニーは執拗に書き直しを迫っていき・・・。童女のような可愛らしさから一変、冷酷な狂女と化すアニーを演じたK・ベイツがアカデミー主演女優賞を受賞。

評価★★★★/80点

“最凶ヘルパーの最凶介護計画!”

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トワイライト・ゾーン-超次元の体験-(1983年・アメリカ・101分)NHK-BS

 監督:ジョン・ランディス、スティーブン・スピルバーグ、ジョー・ダンテ、ジョージ・ミラー

 出演:ダン・エイクロイド、アルバート・ブルックス、ヴィク・モロー、ジョン・リスゴー

 内容:人気TVシリーズ「ミステリー・ゾーン」の復刻映画版。ヴィク・モローが撮影中に事故死した作品としても有名。

評価★★★/60点

往年のTV版に敬意を表してB級な仕上がりになったのだと信じたい・・・。しかし、B級だと死人も出るのか・・coldsweats02

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ワイルドバンチ(1969年・アメリカ・137分)NHK-BS

 監督・脚本:サム・ペキンパー

 出演:ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン、ロバート・ライアン、ウォーレン・オーツ、ベン・ジョンソン

 内容:20世紀初頭の動乱のメキシコを舞台に、西部のならず者たちの壮絶な生と死を描いたアクション西部劇。老年のガンマン、パイクをリーダーとする5人組の強盗団ワイルドバンチは、戦利品を抱えてメキシコに逃走する途中の小さな村で、マパッチ将軍の率いる野盗の掠奪を目撃する。マパッチは米軍輸送列車を襲撃してくれば1万ドルを提供するとパイクに持ちかけ、パイクたちは銃器や弾薬を強奪するが・・・。スローモーションを多用するペキンパーの独特のすさまじくも美しい暴力描写は後の映画に多大な影響を与えた。

評価★★★★/75点

“アウトロー軍団花の69年組!”

だって「明日に向って撃て!」「真夜中のカーボーイ」「イージー・ライダー」に、この「ワイルド・バンチ」っしょ。

いったいこの年に何があったんだ!?

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