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2019年10月12日 (土)

夢のシネマパラダイス91番シアター:インデペンデンス・デイ

Id4 出演:ウィル・スミス、ビル・プルマン、ジェフ・ゴールドブラム、メアリー・マクドネル、ジャド・ハーシュ

監督・脚本:ローランド・エメリッヒ

(1996年・アメリカ・145分)1996/12/31・盛岡中劇

評価★★★/60点

 

内容:7月2日、全米各都市上空に直径24㎞の宇宙船の大群が出現し、人類に攻撃を開始。7月3日、米空軍は反撃するが、事態はさらに悪化。そして7月4日・・・。地球を侵略しようとする異星人と人類との3日間の攻防を描いたSFパニック大作。

“宇宙人が攻めてきたら悪の枢軸とも手を組むわけね。さっすが敵なしではやっていけない性ゆえ、ころっと七変化しちゃう国アメリカよ!”

なにせ自分で武器を供給しておきながら、その供給した国と戦争しちゃう国だもんな。敵を自ら生産し消費、還元するという恐るべき循環サイクルを唯一成り立たせている国だもんな。こりゃお手上げだわ。

ていうかまんまハリウッドそのものに置き換えることもできるんだけどね、、娯楽映画くらいは大目に見てあげましょうかね。

横道はそれくらいにして、この映画そのものは至って単純明快ゆえ見やすく分かりやすい。しかし、それがあだとなって宇宙船の攻撃後は至って鈍重な展開となってしまった。

巨大宇宙船やビル大爆破などのスリルとスペクタクルといったベクトルが後半になると愛国精神はたまた人類皆兄弟、宇宙船地球号といったようなメンタルな面、スピリチュアルな臭っさいベクトルへと急旋回してしまうので、いささか飽きるし萎えてしまう。これは例えば日本映画が同様に作ったとしても同じことだと思う。

それゆえ、例えばラストの呑んだくれジイさんの突撃なんかは、キューブリックの「博士の異常な愛情」をマネたのかは知らんけど、同じ爆弾抱えた突撃でもこうも意味合いが違ってくるというか、コメディとしても見れないという浅はかさを露呈してしまっている。ていうかこの映画では、ブラックコメディではなく感動するところなのだろうけど・・・。

ま、SFには見所ありということと前半の面白さに★3つ。

Posted at 2003.04.20

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インデペンデンス・デイ:リサージェンス

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出演:リアム・ヘムズワース、ジェフ・ゴールドブラム、ビル・プルマン、マイカ・モンロー、シャルロット・ゲンズブール

監督・脚本:ローランド・エメリッヒ

(2016年・アメリカ・120分)WOWOW 

内容:20年前に侵略してきたエイリアンに勝利した人類は、撃墜した宇宙船に残されていた技術をもとに、来たるべきエイリアンの襲来に備えて強固な防衛システムを築き上げてきた。そんな中、アフリカに唯一無傷で残存していた巨大宇宙船が突然起動。宇宙に向けて信号が放たれていることが判明する・・・。

評価★★/45点

1996年公開の前作から一切進化のない二番煎じどころか五番煎じくらいの出涸らし映画。。

ここまで真新しさがないのもある意味スゴイというか、20年前、白昼堂々宇宙船が現れ、突如日常風景が一変してしまうインパクトの大きさに圧倒されたわけだけど、それから5年後の9.11で現実世界の方が映画を凌駕してしまった中で、また20年前と同じことをされても・・。

いや、もっと言えば、20年前にエイリアンが残した宇宙船が完全な形で残っていたり、捕獲されたエイリアンが厳重に管理されているとか、前作の延長線上にある非日常が当たり前のように描かれていて、現実世界と地続きのリアリティがすでに破壊されている荒唐無稽な世界に宇宙人が襲来してきても、またかの一言で片付けられちゃうんだよねw

それを払拭するためにUFOの大きさが直径4800㎞っていうのも、振り切れ方がアホすぎて面白くないし・・。だって、身長4800㎞のゴジラ見たって逆に引くだろ。。

あとは、グラディウスやゼビウスばりのシューティングゲームを延々見せられて目が疲れたw

やっぱりウィル・スミスが出ないと続編やっちゃダメだよこれは。。

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マーズ・アタック!(1996年・アメリカ・105分)WOWOW

 監督:ティム・バートン

 出演:ジャック・ニコルソン、グレン・クローズ、アネット・ベニング、ピアース・ブロスナン、ダニー・デヴィート、マイケル・J・フォックス

 内容:地球に襲来した火星人たちに翻弄される人々の狂騒ぶりを、豪華キャストで描いたSFパニックコメデイ。

評価★★★☆/70点

“アッ、ガァッア、アッアー、ガァアッア、アッガァー、アーガッ。。”

宇宙翻訳機で訳してみたところ、「この映画にツッコミを入れるのは愚かなことだ。。」とピッコロ大魔王似の火星人は仰られておりますw

2019年10月10日 (木)

夢のシネマパラダイス6番シアター:青春ガチンコグラフィティ

ちはやふる-上の句-/-下の句-

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出演:広瀬すず、野村周平、新田真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、清水尋也、松岡茉優、松田美由紀、國村隼

監督・脚本:小泉徳宏

(2016年・東宝・上111分/下102分)WOWOW

内容:小学生の時に転校生の新&幼なじみの太一と競技かるたにのめり込んだ千早。卒業とともに3人はバラバラになったものの、かるたを続けていれば再会できると信じる千早は、高校でかるた部の創設に乗り出す。そこで同じ高校に進学していた太一と再会し、2人で部員集めに奔走。やがて古典オタクの女子・かなちゃん、小学生かるた全国準優勝の肉まんくん、秀才の机くんの勧誘に成功し、晴れてかるた部が誕生する。そして千早は全国大会優勝という新たな決意に燃えるのだった。

評価★★★☆/70点

上の句★4つ、下の句★3つ。

花びらがひらひらと舞い散る桜並木から始まる映画に悪い映画なんてあるわけがない(笑)。

今作も爽やかな青春映画として魅力ある作品になっていて、運動部のようなむさ苦しさのない和物の文化部を舞台にしながら、ベタなスポ根要素の熱さも加味したバランスの良さはかなり新鮮。

さらに、主人公が競技かるたの試合後に白目をむいて爆睡するというようなチープな漫画的要素も、登場人物の巧みなキャラクター造形とそれを演じる若手俳優陣の魅力も相まって上手く処理されているのも良い。

特に広瀬すずの素晴らしさは今更ながらに実感したかんじ。中でも対戦中の眼光の鋭さは印象的で、それがあっての白目落ちがちゃんとボケとして成立しているので面白く見られるんだよね。

けれど、上の句は団体戦、下の句は個人戦と色分けされてはいるものの、どう考えても1作にまとめられただろうとは思った(笑)。

特に上の句のラストで、かるたはもうやらない!と宣言した新が下の句のメインになるのかと思いきや、あくまでも勝負の土俵に上がろうとしない新がやっとで重い腰を上げるのがエンドロールって、、正直ガックリ。。孤高のクイーンしのぶ(松岡茉優)のキャラが良かっただけにちょっと消化不良・・。まぁ、上の句で描くことはやりきった感がやっぱりあるんだよね。。

でも、かるた部5人のキャラはこの映画最大の“ラッキーボーイ”机くんをはじめ各々個性が立ってて面白かったので、年を経ての続編はあっていいかも。

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おっぱいバレー

Main_large 出演:綾瀬はるか、青木崇高、仲村トオル、石田卓也、大後寿々花、福士誠治、光石研、市毛良枝

監督:羽住英一郎

(2008年・日本・102分)WOWOW

内容:1979年の北九州。中学校の新任国語教師・美香子は、男子バレー部の顧問を任される。が、キモ部と評される通り、部員たちはバレーボールすらまともに触ったことがなく、エッチなことしか興味がない脳タリンばかり。そんな彼らのやる気を出そうとした美香子だったが、ひょんなことから「試合に勝ったら、おっぱいを見せる」というとんでもない約束をするハメになってしまう。そしたっけ単純バカ部員たちは別人のようにやる気を見せ始め・・・。

評価★★★★/80点

実に清々しい作品だ。

おっぱいを連呼連発しておきながら実に爽やか。しかも「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」をも凌ぐレベルで。。

それはつまるところ第三者(物語の登場人物しかり監督をはじめとする作り手しかり)の悪意がこの映画にはないことに尽きると思うのだけど、とにかくおっぱいを見たいという動機付けオンリーで映画を引っ張っていくバカさ加減は逆にあっぱれ。キモ部とバカにされる落ちこぼれ童貞男子の脳内レベルから逸脱することがない愛すべきおバカ映画である。

しかし、童貞くんでもインターネットでポチッとクリックすればおっぱいを見られる今の世の中ではおっぱいは希望のかたまりにはなりえない。。

その点で橋の下に落ちているしなびたエロ本と11PMしかなかった昭和54年を舞台設定にしたのは大正解!昭和53年生まれの自分は珠玉の名曲をバックグラウンドに懐かしい香りに包まれながら見ることができて幸せですた。

ちなみに自分のノスタルジー心を最も刺激したのは、雨が降ったせいで女子の体操着が濡れてブラがスケスケになっている場面だったことを記しておこう・・。

オトコって単純。ハイ、そうですww

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ガチ☆ボーイ

Img080306 出演:佐藤隆太、サエコ、向井理、仲里依紗、宮川大輔、泉谷しげる

監督:小泉徳宏

(2007年・東宝・120分)CS

内容:とある大学。安全第一を是とするプロレス研究会に五十嵐良一という学内屈指の優等生が入門してきた。せわしなくメモを取りながら練習に励む五十嵐だったが、肝心の段取りがまるで覚えられない。そんな中、商店街でのデビュー戦で案の定段取りを忘れた五十嵐は掟破りのガチンコファイトをしてしまい、一躍人気レスラーに。しかし、そんな五十嵐には深刻な秘密があった・・・。

評価★★★★/80点

K-1やボクシングは好きで見るけど、出来合いのストーリー性の中で繰り広げられる筋肉ムキムキのエンタメお遊戯ショーにしか見えないプロレスは面白くなくて燃えないから見ない。

そんな自分が初めてプロレスの試合に燃えた。熱く燃えまくった

司法試験に受かったくせにプロレスの段取りは覚えられなくてカンニングしてしまうというガリガリの五十嵐(佐藤隆太)のキャラがそれ自体コメディとして面白かっただけに、まさかその裏に、眠るとその日のことを全て忘れてしまう高次脳機能障害というシリアスな記憶障害ネタが隠れていたとは思いもよらず・・・。

プロレスのみならず朝起きてからの一分一秒を否が応にもガチンコ勝負せざるを得ない五十嵐の奮闘に、日々のんべんたらりんと生きてる自分が喝を入れられたような、そんな感動を味わうことができた作品だった。

また、記憶障害を単なるあざといダシネタに終わらせずに、真摯かつ妥協なく描いているという点でも、「タイヨウのうた」(2006)で難病ネタを扱いながら丁寧な筆致が印象的だった小泉徳宏監督の演出は今回も健在で好印象。

あとは、やっぱなんといっても佐藤隆太だな。深刻な秘密を覆い隠さんばかりの満面の笑顔は見ていてツラクなってくるほどだったけど、佐藤隆太の長所がうまくハマッたかんじで、ガチの熱演を見せてくれていたと思う。

頭ではなく、身体で覚えた記憶で生きる実感を取り戻そうとする五十嵐のガチンコの生きざま。

はたして自分は生きる実感をしっかり持っているのだろうか。それすらビミョーだ・・

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ウォーターボーイズ

Image01 出演:妻夫木聡、玉木宏、平山綾、眞鍋かをり、竹中直人、杉本哲太、谷啓、柄本明

監督:矢口史靖

(2001・東宝・91分)仙台第一東宝

内容:部員が男ひとりという唯野高校水泳部に突如やって来た美人女性教師佐久間先生。すると彼女目当てに男どもがこぞって入部してくるが、佐久間先生は満面の笑みで「シンクロやって文化祭で発表しまーす!」と言い出してしまう。結局それを聞いた男どもはこぞって退部していく。残ったのはたったの5人、、、はてさて。。

評価★★★☆/70点

理屈抜きで面白いです。てか理屈で見たらダメなんですね。

眞鍋かをり先生が「有象無象が寄り集まってるだけじゃない」とおっしゃってたように、こういうのは頭ん中カラッポにして見ないと。どっかのお笑い番組でも見てるかんじで見るのが正解。

要は映画じゃない。記号でしょこれって。さらに言えば、マンガでしょ。この映画でリアリティといったら柄本明くらいなもんだし(笑)。だって竹中直人が出てるっつうだけで予想はつくw

ただ、唯一許せないのは、妻夫木が最後躊躇すること。

お笑い番組で芸人さんが躊躇することなんて普通ないだろー。なのに何で恥ずかしがるんだよ。その後のシンクロ演技で綾ちゃんに堂々と迫ってるくせに。あそこでフツーの心理描写を持ってくるなっつーの。

けどなんだかんだ言ってこういう映画もたまにはイイよね。

2018年5月 2日 (水)

夢のシネマパラダイス358番シアター:潜入捜査は命がけ

土竜の唄 潜入捜査官REIJI

T02200310_0722101612825903589出演:生田斗真、仲里依紗、山田孝之、上地雄輔、的場浩司、遠藤憲一、岩城滉一、大杉漣、岡村隆史、堤真一

監督:三池崇史

(2014年・東宝・130分)DVD

内容:警察学校を史上最低の成績で卒業したダメ巡査の菊川玲二は、正義感だけは人一倍ある。が、ついに署長からクビを宣告されてしまう、、というのは表向きで、秘かに潜入捜査官(通称モグラ)としての密命が下されたのだ。その任務は、関東最大勢力“数寄矢会”に潜入し、4代目会長を挙げるという危険な任務だった・・・。

評価★★★★/75点

もはや飽きるを通り越して嫌悪感さえ催すこともしばしばになってきたクドカンワールド

が、今回は予想に反して大当たり

それはクドカンのシナリオの手癖をうまく咀嚼し、テンポ良く三池節に染め上げた演出力のなせる技にあるといっていいけど、「脳男」で不気味すぎるほどの静謐なオーラを醸し出していた生田斗真の180度異なるハジケっぷりも大いに貢献したといっていい。

予告編で印象的だった全裸で車のボンネットにくくり付けられて爆走するシーンがのっけから出てくるハイテンションに一気に映画の中に入っていけたけど、それを超える勢いで乗っかってきた生田斗真の体当たり演技には感服した。

そしてセルフ人間洗車、ホルモン蝶結び、タバスコ目薬、ゲテモノ不老不死ジュース、盃丸かじり、早漏防止術などヒネリも何もないカビの生えたような小ネタのマシンガン連発に大いに乗せられてしまったw

これだったら続編もあっていいかも。。

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X-ミッション

Poster2出演:エドガー・ラミレス、ルーク・ブレイシー、テリーサ・パーマー、デルロイ・リンドー

監督:エリクソン・コア

(2015年・独/中/米・114分)WOWOW

内容:Xスポーツのアスリートだったジョニー・ユタは、競技中の事故で親友を亡くしてしまう。そんな彼に目を付けたのはFBI捜査官ホールだった。巷ではXスポーツを駆使した犯罪集団による強盗事件が立て続けに発生。Xスポーツのカリスマであるボーディ率いるチームの関与が捜査線上に浮かび上がる中、FBIはユタを特別捜査官に任命し、ボーディのチームに潜入させることにするが・・・。

評価★★★/65点

映画を見終わった後にキアヌ・リーブスの出世作「ハートブルー」(1991)のリメイクと知って大仰天!それ早く教えてくれよ~と思ってしまったんだけど。。

というのもFBI捜査官が潜入捜査先のワルと固い友情で結ばれていくプロットがワイスピみたいで、そちらのベクトルで見ていたものだから、途中でそれが裏切られてただの凡庸なドンパチ映画になっちゃってガックリきてたんだよね。

山岳モトクロスから始まり、スカイダイブ、ウイングスーツでのベースジャンプ、サーフィン、スノボ、ロッククライミングなど繰り広げられる絶景パフォーマンスをスクリーンの大画面で見れば迫力が違ったんだろうなとちょっと後悔しつつ、それを抜きにしても見てるこちらのテンションがなかなか上がっていかなかったというのは、やはり取って付けたようなストーリー展開に魅力がないからと思われ・・。

こちらが見たかったのは人が死なない痛快作だったのに、シーシェパードにマシンガン持たせたらドン引きだろww

せっかくのCG無しという謳い文句もどこか宝の持ち腐れのような中途半端作だった。。

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インファナル・アフェア

Inf1出演:トニー・レオン、アンディ・ラウ、アンソニー・ウォン、エリック・ツァン、エディソン・チャン

監督:アンドリュー・ラウ

(2002年・香港・102分)MOVIX仙台

評価★★★★/80点

内容:ハリウッド史上最高額でリメイク権が落札された香港黒社会を舞台にしたサスペンスドラマ。1991年、ストリート育ちの青年ラウは香港マフィアに入ってすぐ、その優秀さに目を付けたボスによって警察学校に送り込まれる。一方、警察学校で優秀な成績を収めていた青年ヤンは、警視に能力を見込まれマフィアへの潜入を命じられる。やがて2人の青年は、偽りの身分の中で着実に実績を積みそれぞれの組織で重要なポストを与えられていく。そして10年後、麻薬取り引き絡みのもつれから警察、マフィア双方がスパイの存在に気付いてしまうのだった・・・。

“つかみはイマイチ、終り良ければすべて良しだ!”

ほとんど何の予備知識もなしで見に行ったのだけど、オープニングの不親切極まりないとってつけたような速攻プロローグでいきなりつまづいてしまった。顔の区別がつかねぇし。話の事態を理解するまでけっこうかかってしまった・・。

そんなわけで出だしは低調だったのだけど、しかし話が進めば進むほど加速度的に映画の中にのめり込んでいく自分をはっきりと認識することができた。圧倒的追い込みでクライマックスへとなだれ込んでいき、もう目が離せないとはこのことよw

しかし画面を支配しているのはあくまでも“静”。

だって1番あからさまな“動”っていったら指の動きぐらいじゃん(笑)。

この映画全体を支配しているのは、視線、空気、音、思考、疑念といった静であり、それら“静”の中でふつふつと“動”がみなぎっているのだ。

例えていえば、冷えた水風呂に焼け石を放り込んだといえばいいだろうか。そんなふつふつと上昇してくるような状態。

逆に焼け石に水風呂の水をぶっかけてもまさに焼け石に水だから何の効果も意味もないわけで。ただヌルくなるだけ。

そういうところはこの映画しっかりと分かっていらっしゃる。拍手。

えっ?ハリウッドがリメイク?“動”全快のハリウッドが・・・?

「焼け石に水」にならなきゃいいけど

Posted at 2003.10.21

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インファナル・アフェアⅡ無間序曲

Inf2 出演:エディソン・チャン、ショーン・ユー、アンソニー・ウォン、エリック・ツァン、カリーナ・ラウ

監督:アンドリュー・ラウ

(2003年・香港・119分)盛岡フォーラム

評価★★★★/80点

内容:1991年、香港マフィアのボスであるクワンが暗殺された。手を下したラウは警察学校に送り込まれ、一方、クワンの私生児であることが発覚したため警察学校を退学になってしまったヤンは、ウォン警部に拾われ、組織への潜入を命じられる。前作の10年前に遡り、中国返還に揺れる香港を舞台に、ヤンとラウがそれぞれスパイになる過程が描かれる。

“北野武も真っ青の無限ブルーに否応なしに暗黒映画の深淵までズルズルと引きずり込まれてしまう。”

黒か白か。はたまた灰色か。

いや、これは青と赤のせめぎ合いだ。

冷静なスピリットと激情のパッションとが絶え間なく対峙し絡み合い、無限の螺旋を形づくる。

この螺旋に魅せられて1度飛び込んだが最後、果てのない業の螺旋に捕らえられ、それこそ無間にまで呑み込まれてしまう。

どうやら自分ももはやそこから逃げる術をとことん見失ってしまったらしい。

見終わった後、矢も盾もたまらずエピソード2である前作を速攻借りに行きましたがな。

こんなことめったにないんだけど、銃で乱射されたような衝撃に駆られてしまった。1回見てはいるんだけど、これ見て見ないわけにはいかないっしょ

そう、それこそ螺旋だよ。

Posted at 2004.09.23

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インファナル・アフェアⅢ 終極無間

Imf3 出演:トニー・レオン、レオン・ライ、ケリー・チャン、アンソニー・ウォン

監督:アンドリュー・ラウ

(2003年・香港・118分)盛岡フォーラム

内容:ヤンの殉職から10ヶ月。警官として生きることを選んだ元マフィアのラウは、警察内部に残る潜入マフィアを次々と始末していく。しかし、彼の前に保安部のエリート警官・ヨンが立ちはだかる。本土の大物密輸商人・シェンと接触しているヨンが潜入マフィアであると確信したラウは、彼の身辺を調べ始めるが・・・。

評価★★★/65点

1、2作目に関しては映画とのガチンコ勝負で見る側の方が打ちのめされるほどの衝撃と完敗を喫したが、今回は土俵下から後出しジャンケンの連発を繰り出されたかんじで、勝負をさせてもらえないツマラなさで覆われている。

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ディパーテッド

A5c7a5a3a5d1a1bca5c7a5c3a5c9 出演:レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォルバーグ、マーティン・シーン、アレック・ボールドウィン

監督・マーティン・スコセッシ

(2006年・アメリカ・152分)盛岡フォーラム

内容:マサチューセッツ州ボストン。犯罪組織とのつながりを持つ自らの生い立ちと決別すべく警官を志したビリー・コスティガン。一方、マフィアのボス、コステロによって育てられ、スパイとなるべく警察に送り込まれたコリン・サリバン。互いの存在を知らぬまま警察学校を優秀な成績で卒業した2人。やがて、コリンはマフィア撲滅のための特別捜査官に抜擢され、一方ビリーは、マフィアを内部から突き崩すべくコステロのもとへ潜入するという極秘任務を命じられるのだった。こうしてそれぞれに緊張の二重生活を送る2人だったが、ついに警察、マフィア双方ともに内通者の存在をかぎつけ、いよいよ2人は窮地に追い込まれていく・・・。アカデミー賞では作品・監督など4部門で受賞。スコセッシにとっては6回目のノミネートで念願かなっての初受賞となった。

評価★★★☆/70点

自分の好きな映画がリメイクされると、どうしてもオリジナルと比較してアラ探しをしてしまうのだけど、今回もその例にもれず。。

オリジナルの香港映画に関しては特に1作目、2作目が大好きでハマってしまったくちで。

静謐でダークな世界観の中で繰り広げられるギリギリのサスペンスと、シブくて陰のある男オーラをみなぎらせる俳優陣の存在感とぶつかり合いが人間の永遠に逃れられない業をえぐり出していく“無間道”ドラマは、香港ノワールの完成度としても一級品だったと思う。

さて、そこでスコセッシによるリメイク「ディパーテッド」となるわけだが、一言でいえば、きちっとしたフォーマットの中で合理的にサクサクと物語が処理されていく印象を受けたというのが見終わったときの第1印象だ。

スコセッシがこのリメイク企画の映画化にあまり乗り気ではなかったという話を聞いていたせいもあるのだろうけど、すっきりと型におさまりすぎていて、なにか逆にスコセッシらしくないというか。。

ただ、なぜスコセッシが乗り気ではなかったのかということについては、本作を見るかぎりほぼ明確に答えが出せるように思う。

それはスコセッシが数十年来構想をあたためていた企画をついに実現させた「ギャング・オブ・ニューヨーク」(2001年)にある。

この「ギャング・オブ・ニューヨーク」では、1800年代中頃のNYを舞台にプロテスタントvsカトリック=イングリッシュvsアイリッシュという人種・宗教対立の構図の中で、自分の父親を殺した仇を討つためにアイリッシュのディカプリオが、その仇であるダニエル・デイ・ルイスのもとに近寄り、組織の右腕にまで登りつめ父子愛に似た関係まで結ぶ。しかし一方で、復讐心をメラメラと煮えたぎらせるディカプリオと、真相を知ってもなお息子として見ようとする葛藤と苦悩の中でディカプリオを試すダニエル・デイ・ルイスの人間ドラマが描かれるわけで、「インファナル・アフェア」の擬似フォーマットがすでにこの「ギャング・オブ・ニューヨーク」にはあるのだ。

また、ディカプリオとダニエル・デイ・ルイスの2人の間に決定的な揺らぎをもたらしていくキャメロン・ディアスの三角関係もまんま「ディパーテッド」におけるディカプリオ、マット・デイモン、女性カウンセラーの三角関係として流用されているし(「インファナル・アフェア」ではカウンセラーのケリー・チャンに潜入捜査官トニー・レオンが想いを寄せているという形で、潜入マフィアのアンディ・ラウにはマリーという婚約者がいる)。

仏教観がにじみ出るのが「インファナル・アフェア」ならば、プロテスタントvsカトリックという宗教対立はもとより、スコセッシの宗教観がにじみ出ているのも「ギャング・オブ・ニューヨーク」なわけで、つまるところ「ギャング・オブ・ニューヨーク」で「インファナル・アフェア」のスコセッシ版リメイクは事足りているわけで・・・。

今回の「ディパーテッド」は、ディカプリオはまたまたアイリッシュの出自をもったキャラで、現代の「ギャング・オブ・ニューヨーク」もとい「ギャング・オブ・ボストン」といったところだが、そこに宗教観は全くなく、「インファナル・アフェア」とは異なるラストの合理的解釈の切り口などを見てもスコセッシらしくなく、あくまで雇われ監督としてのやっつけ仕事という感は否めない。

が、その中でスコセッシ節を堅実に出してきたがゆえ、なおさら残酷かつ痛々しいシーンばかりが目立ってしまったかんじ・・・。

役者陣に関しては奮闘は認めるとしても、ディカプリオ&マット・デイモンは童顔すぎて、う~ん・・・

いっそのことフォーマットを西部劇にした方がよかったのでは、というのはあまりにも冒険、かな。

でも、これで念願のアカデミー賞獲っちゃうというのも皮肉だよなぁ。。

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フェイク(1997年・アメリカ・126分)仙台第1東宝

 監督:マイク・ニューウェル

 出演:ジョニー・デップ、アル・パチーノ、マイケル・マドセン、アン・ヘッチ

 評価★★★★/75点

 内容:FBI捜査官ピストーネは、おとり捜査のためにマフィア組織に潜入することを命ぜられる。ドニー・ブラスコという名で接触を図った彼に最初に近づいたのは組織の末端の気さくな男レフティだった。レフティは聡明で行動力あふれるドニーとの出会いに、あきらめていた出世への夢を再び抱くようになるが・・・。

“あれだけ命張って、得たものが雀の涙ほどって一体・・・。”

ようするにメダルとたった500ドルで友情を裏切ってしまったという何とも哀しいお話。

話の展開としては、実話ゆえの難しさか、フィクションならばもっと盛り上げたりスリリングにできる展開にできるネタなのだけども、なんか淡々と進んでいくかんじで少し惜しい気もする。

例えば、兄貴分に付いたレフティは、俺たちは組織の小さな歯車の1コに過ぎないと半ばあきらめてるけど、このレフティがもしも上昇志向のある若手組員だったならばもっと違う展開にすることだってできたはずだ。

まぁレフティの人物造形がリストラされていく中年オヤジの悲哀たっぷりなので致し方ないか。。ホント、あの哀愁を帯びた表情が頭にこびりついて離れないもん。

だから、スリルよりも人物同士の友情に重きを置いた点は当然の帰結ともいえるし、やっぱりこの点は買いたい。

ただ、どうしてもマフィアものでアル・パチーノとくると「ゴッドファーザー」のマイケルを思い浮かべてしまうんだよね。マイケルをほとんど感じさせないキャラとアル・パチーノの巧い演技でその点は消されてるけど、ニューヨークとマイアミといったら「ゴッドファーザーPart2」そのまんまじゃんみたいな(笑)。ソニーソニーソニーっていったらゴッドファーザーの長男ジェームズ・カーン扮するソニーじゃんみたいな・・・。ちょっとかぶりすぎw

2017年1月 3日 (火)

夢のシネマパラダイス127番シアター:自分の子供たちを戦争に行かせたくありません。

硫黄島からの手紙

324563view001出演:渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童、裕木奈江

監督:クリント・イーストウッド

(2006年・アメリカ・141分)2006/12/25・盛岡フォーラム

評価★★★★★/95点

内容:戦況が悪化の一途をたどる1944年6月。アメリカ留学の経験をもち、米軍との戦いの厳しさを誰よりも覚悟していた陸軍中将栗林が硫黄島に降り立った。着任早々、栗林は本土防衛の最期の砦である硫黄島を死守すべく、島中にトンネルを張り巡らせ、地下要塞を築き上げる。そんな栗林の登場に硫黄島での日々に絶望していた西郷ら兵士たちは希望を見出す。しかし、古参の将校たちの間では反発が高まり、、、。米軍は当初圧倒的な戦力の違いから5日で陥落できると踏んでいたが、予想以上の日本軍の抵抗により36日間に及んだ激戦となった硫黄島の戦いをイーストウッド監督、スピルバーグ製作により日米双方の視点から見つめた硫黄島2部作の第2作目。

“2006年から61年前の硫黄島にタイムスリップした現代人・二宮和也が間近で体験した硫黄島の激戦!世界ウルルン滞在記。”

といっても過言ではないつくりにはなっていると思う。

だって、あの言葉遣いは実際どうなの

なんかふと2005年の年末にテレ朝でやった山田太一ドラマスペシャル「終りに見た街」を思い出してしまった。

システムエンジニアをしている中井貴一扮する主人公とその家族が、朝家でフツーに起きたら昭和19年の東京になっちゃってたというとんでもない話。

主人公の友人(柳沢慎吾)も息子とともに昭和19年の東京にタイムスリップしてしまうのだけど、その息子(窪塚俊介)がなんか今回の映画の西郷(二宮和也)と似てたような気がしたもんで。。

冷めた視線とかやる気のない感じとか。だってあんなヤル気のない「天皇陛下万歳!」を映画で見たのは初めて(笑)。

それはともかくあのTVドラマはあの時代にタイムスリップしたことによるジェネレーションギャップをことさら強調して描くことで戦争の恐ろしさを過去の絵空事としてではなく、より現実感をもって伝えられていたように思うが、一方今回の「硫黄島からの手紙」は内地・東京のお話ではない。最前線の戦場に置かれた兵士たちの話なのだ。

ここにあのTVドラマとの大きな違いが生じる。

そう、、少なくとも自分は最前線の戦場に置かれた兵士たちどころか、あの戦争でお国のために戦ったいわゆる旧帝国軍人の話や体験談などことごとく聞いたことがないのである。

たぶん自分みたいに戦後何十年も経って生まれてきた人たちはみんなそうだと思う。

空襲や原爆、特攻、沖縄のひめゆり部隊などは耳にタコができるくらい聞かされてきたし、脳裏に焼きつくくらい映像で見せられてきたが、なぜか外地で戦っていた兵隊さんたちの話は、まるでタブーであるかのごとくほとんど聞かされたことがないし、そういう映画すらほとんど見たことがない。

なのに判で押したようなステレオタイプとして旧帝国軍人は人道にもとる極悪非道な絶対悪として言われ、教えられ、描かれてきた感は拭えない。

個人的には、人殺しを生業とする軍隊に良い軍隊などあるわけがないと思っているので、それが善か悪かと問われれば問答無用で悪と答えるだろう。

しかし、その悪の中に自ら進んで飛び込んでいった者であれ、強制的に放り込まれた者であれ、彼ら軍人一人一人を単純にいっしょくたに悪一色で片付けてしまう思考の処理の仕方は絶対におかしいと思うのだ。それは日本軍であれ米軍であれ。

問題は、善良な人間がその悪の中に入っていかざるをえなかった時に、その人間が内に持っていた理想や信じていた大義が、戦争の圧倒的に無慈悲な現実の前で打ちのめされ殺がれていく中で、次第に彼の中にある善なるもの悪なるもののせめぎ合いさえもなくなっていく、すなわち人間性が消失していくという愚かで醜くて空しい狂気の過程こそが重要であって、誰が善で誰が悪か、どっちが善でどっちが悪かという結果ありきの線引きは意味を成さないと思うのだ。

もちろんそのせめぎ合いの中で人間性を完全に消失してしまい、狂気の戦闘マシーンへとなりはてる者もいれば、かろうじて人間性を失わない者もいるだろう。

そしてその悲劇の過程を通した上で戦争という悪、軍隊という悪、死ぬことを強要する狂気という絶対悪へと駆り出していった国家の罪というものをあぶり出していくというのが至極まっとうな戦争映画だと自分は思う。

例えば今回の映画の製作にも名を連ねるスピルバーグが監督した「プライベート・ライアン」では、トム・ハンクス演じたミラー大尉がアメリカ本国にいた時に何の職業に就いていたかを部下たちが予想して賭けをするというシークエンスがあったが、国語の教師をしていたことが明らかになることで、生きることを子供たちに教えるはずの教師が暴力と殺戮の世界である戦争に駆り出されるという異常性と悲劇を如実に暴き出していたと思う。

しかし、今までの日本映画なりTVドラマなりで描かれてきた軍人像というのはそういう過程を骨抜きにして、最初っからこの人は善良で正直者で可哀想な人ですよ、こっちの人は悪の塊で善良な人や敵国の一般住民をとにかく虐げ、殺しまくる人間性の欠片もない人ですよというふうに完全に色分けして描かれてきた面が相当あると思う。

前々から戦場を描いた日本の戦争映画って、なんで狂気を描けなくてこんなうわべだけの薄っぺらい“青春映画”(戦争映画ではなく・・・)になっちゃうんだろう、と思うことがしばしばだったのだけど、そういう思考回路で作っちゃうからそうなっちゃうわけで、この思考がいかに幼稚で薄っぺらなものかということは今回の映画を見るまでもなく分かろうものだ。

、、、がしかし、ここが1番大きな問題だと思うのだが、今まで日本人はそれを建て前上良しとしてきた面があった(と自分は感じる)のではないだろうか。

心のどこかであの戦争の被害者を演じることで、加害者としての側面や戦争の闇、狂気の部分というものから逃避し思考をストップさせてしまうある種の逃避装置として働いてきたのではないだろうか、ステレオタイプな描き分けというあまりにも単純で通り一辺倒の手法を通してあの戦争の総括から逃げ続けてきたのではないだろうか、、、そして日本の戦争映画というのはいつしか被害や加害、善か悪かを超えた理不尽な悲劇としてではなく、あくまで被害者として狂気ではなくいかに可哀想に描くか、ということになっていき、戦場を描いた映画というのが数えるほどもないという体たらくに陥ってしまったし、日本人もそれを良しとした・・・。

そういうことが今回のクリント・イーストウッド監督作のアメリカ映画を通して一気に骨抜きにされた気がしてならない。

日本人の多くが教えられてきたであろうあの戦争は間違った悪い侵略戦争だったという認識を暗黙の了解のもと旧日本軍=旧帝国軍人がやったことは全て悪という図式(逃避装置)でいっしょくたにして極力触れないようにしてきた一方、それじゃああの戦争を外地でお国のために懸命に戦った500万人(うち200万人余が戦死)もの日本人を断罪できるのか、といったらほとんどの日本人は断罪ではなく、哀悼の方を選ぶだろう(当たり前だ)。

しかも、うち300万人余は外地から無事復員してきて、生きて無事に帰ってこれて本当に良かったねぇと家族に迎えられ(かくいう自分の祖父もノモンハン事件からシベリア抑留などの死線を経て無事生きて帰ってきた)、その後良い父親なり良い息子、そして普通の良き日本人として戦後日本社会の礎として懸命に生きてきたはずなのだ。

そういう建て前と本音のひずみの中に埋没することを避け、上っ面の中を浮遊してきた日本人、、、“天皇”や“靖国”の問題、突きつめていけば国家の戦争責任としての罪の問題にケリをつけられない、あるいはケリをつけようとしないできた日本人には「硫黄島からの手紙」のような映画は作れないし作りようがないのかもしれない。これから先も・・・。

そういうことを考えても、60年前にアメリカに戦争で負け、60年後映画でもアメリカに負けた、、、と言わざるをえないほどの衝撃を少なくとも自分は受けた。

日本人の自分でさえ、玉砕や潔い自決が美徳とされたあの時代の兵隊さんたちの内面を知ることや理解することが到底難しい中で、冷めた視線をもち、絶対に生きて帰るんだという意志をもつ現代っ子的なキャラである西郷(二宮和也)を中間点に置いて第三者的立場で語らせたのは上手いし、各々の人物の深みのある人間像の描き方には唸るしかない。

誇りある帝国軍人としての教育と鬼畜米英の精神的な貧弱さを徹底的に叩き込まれてきたであろうエリート憲兵隊員清水(加瀬亮)が現実と真実を目前で見せられることによって、理想と信念が揺らいでいき生への執着を見せ始める様、そして極めつけは今まで典型的ステレオタイプの憎まれ役で描かれてきたであろう厳格な帝国軍人伊藤中尉(中村獅童)のあまりにも皮肉の効いた顛末など、どれをとっても本当に考えさせられてしまう描写の連続だったと思う。

「天皇陛下万歳!」と叫ぶ姿、泣き叫びながら手榴弾を腹に抱いて自決する酷い姿、ものすごい砲弾の雨あられの中で排泄物の入ったバケツを四苦八苦しながら拾い上げる姿、、、本音と建て前のひずみの中に埋没していき、もがき苦しむ日本兵の姿に、人間の、そして日本人の深い所をえぐられたような、そんな重い衝撃を受けた。

先日開業したばかりの最新設備が調っているシネコンで見たのだが、閉所恐怖症の自分は地下洞窟の中に響き渡る砲弾の轟音を聞いて足がガクガク震えそうになったくらいだ・・・。

そして、序盤で米軍が硫黄島を爆撃してくるシーンで空から爆弾がズドーンという腹に響くもの凄い爆音とともに砂塵を巻き上げて降り注いでくるところなんかは、ああ、これが爆弾が空から落ちてくるってことなんだ、、、と生まれて初めて実感したというか体感した気がする。

もちろん、この映画が硫黄島の戦いの悲劇を全て描き出していたとは思わない。

8月にNHKスペシャルで「硫黄島玉砕戦/生還者61年目の証言」を見たが、それによると米軍が硫黄島を制圧した後も何千という日本兵が地下にこもっていたそうだ。

そして“生きて虜囚の辱めを受けず”と徹底的に教育され投降が許されなかった彼らを新たに襲ったのが飢餓だったというのも悲しい・・・。

炭を食べたとか、遺族の方には決して話せないような仲間内での陰惨な悲劇など、それを証言者の一人は「畜生の世界」と言っていたのがあまりにも印象的だった。

いまだ1万数千もの日本兵の遺骨が未収集のまま眠っている硫黄島。

それを知っている日本人ははたしてどのくらいいるのだろうか。

自分も初めて知ったくちなのだが、渡辺謙がインタビューで言っていたように日本人は過去の戦争についてあまりにも知らなさすぎる。

それを戦後60年経った今考えさせてくれた今回の映画には感謝してもしきれないくらいだ。

中国映画の「鬼が来た!」(ちなみに本国中国では上映禁止処分)、そして今回のアメリカ映画「硫黄島からの手紙」で中国人、アメリカ人が提示した一言では括りきれない日本人像に自分は衝撃を受けた。

日本人自身の手で撮った真の戦争映画が世に出る日がいつかやって来るのだろうか・・・。

Posted at 2006/12/29

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野火

689ecc7e483d1c57f823484a793b2c00出演:塚本晋也、森優作、神高貴宏、入江庸仁、山本浩司、中村優子、中村達也、リリー・フランキー

監督・脚本:塚本晋也

(2014年・日本・87分)盛岡フォーラム

内容:日本軍の敗北が濃厚となった太平洋戦争末期のフィリピン・レイテ島。結核を患った田村一等兵は野戦病院行きを命じられ、部隊から追い出される。しかし野戦病院でも食糧不足を理由に追い返され、行き場を失った彼は、酷暑のジャングルを彷徨いつづける・・・。

評価★★★★/80点

今までの戦争映画は、反戦悲劇のイデオロギーを基調としながらも、いわゆる英雄譚めいたミッションもの(作戦遂行もの)のフォーマットをとって、そこにキャラクターやストーリーをかぶせてくることが多かったと思う。

しかし、指揮系統が失われ、飢えて痩せこけた兵士達の撤退作戦と呼べるものですらないジャングルの彷徨にはイデオロギーなど存在するわけもなく、ただただ餓鬼・畜生と化した人間の姿だけが浮き彫りになる。

戦争には物語などない。ある意味それが戦争の真実なのだろう。

また、そのリアリズムを強化するのが目を覆いたくなるほどの人体破壊描写なんだけど、肉体が金属化していく男の不条理をグロテスクに紡いだ「鉄男」から一貫して肉体の内部・深部にフォーカスを絞ってきた監督だけに、今回の映画は監督ならではの破壊衝動と肉体論を結実させたというなるべくしてなった流れだったのだと思う。

でも、人間の身体がいともたやすくグチャグチャになり、そこにウジ虫が湧くような光景こそが戦争の真実なのだろう。

さらにその中で世界から色が消えていくのが戦争だと思うけど、吸い込まれそうな空の青、生命力あふれる密林の緑、そして誘惑してくるような花の妖しげな赤と、大自然のどぎついまでの美しさが際立つ色もまた印象的だった。

しかし、自分は子供の頃、「はだしのゲン」や「黒い雨」「ビルマの竪琴」などを親に見せられて戦争に対するトラウマを植え付けられたくちなんだけどw、この映画はそのレベルを超えていて子供に見せるのは躊躇しちゃいそう

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野火(1959年・大映・105分)NHK-BS

 監督:市川崑

 出演:船越英二、ミッキー・カーティス、滝沢修、浜口喜博、石黒達也、稲葉義男

 内容:太平洋戦争末期、フィリピン戦線レイテ島で日本軍は山中に追い込まれ飢餓状況にあった。病気で原隊を追い出され、野戦病院にも入れてもらえない田村一等兵は、敗走する戦友2人と合流するが、飢餓に苦しむ彼らは“猿”と称して兵士の死肉を食べていた。田村は彼らと決別し、さらなる彷徨を続けるが・・・。

評価★★★/65点

2015年の塚本晋也監督版を先に見てからの鑑賞。大岡昇平の原作を読んだことがないので分からないけど、塚本版がかなり忠実にこの市川版を踏襲していることが分かってちょっと驚いた。

ただ、市川版の方がモノローグやセリフで状況を論理的に説明していて分かりやすいんだけど、視線を一向に合わせない上官など物語性を排除し、人間が人間でなくなる非論理の世界をまるで白昼夢のように肌感覚に迫るまで描き切った塚本版の方が上か。

あとはやっぱり市川版のモノクロに対し、塚本版のカラーが活写するどぎつい天然色の威力は凄まじく、映画の世界観をより増幅させていたと思う。

と、なぜか塚本版にばかり目がいってしまったけど、感傷に訴えてくる市川版の手法も決して悪くはない。

今度は原作の方をしっかり読んでみたいと思う。

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太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-

Img_0出演:竹野内豊、ショーン・マッゴーワン、井上真央、山田孝之、中嶋朋子、岡田義徳、トリート・ウィリアムズ、ダニエル・ボールドウィン、阿部サダヲ、唐沢寿明

監督:平山秀幸

(2011年・東宝・128分)WOWOW

内容:1944年、日本軍の重要拠点であるサイパン島。劣勢に立たされていた守備隊は、圧倒的な兵力差を誇るアメリカ軍に上陸を許し、陥落寸前まで追い込まれていた。そしてついに軍幹部は玉砕命令を発令。そんな中、陸軍歩兵第18連隊の大場栄大尉は生きることに執着し、無駄死にすることなくアメリカ軍への抵抗を続けることを決意する。そんな彼の人望を慕って、上官を失った兵士や民間人たちが集まってきて、やがて彼らはサイパン島の最高峰タッポーチョ山に潜み、ゲリラ戦を展開していく・・・。

評価★★★/60点

サイパン島の激戦終結後も多数の民間人と共にジャングルにこもり1年半もの間アメリカ軍に抵抗しつづけた大場大尉の実話を日本軍、アメリカ軍双方に加えて民間人も含めた視点から描いた丁寧な筆致は好感が持てるのだけど、作品としてはあまりパッとしない印象。

要は、アメリカ軍視点はいらなかったと思う。

この映画の軸となるべきは、一人でも多くの敵を殺し、生きて虜囚の辱めを受けず徹底抗戦すべし!という、軍人勅諭や戦陣訓によって叩き込まれた軍人としての使命感と、一人でも多くの日本人を生かし日本の地を踏ませたいという人としての思いの狭間の葛藤を縦軸に、軍人と民間人がジャングル奥地で共生するという異常な状況下での苛酷さを横軸にして描かれるべきものだからだ。

しかし、それが米軍視点の勝手な賛美が介入してくることにより、何かうわべだけの美化描写になってしまった感が否めない。

例えば横軸として挙げた軍民一体化は、沖縄戦最大の悲劇といってもよく、その先駆として行われたサイパン戦でも追いつめられた民間人はバンザイクリフから次々に飛び降りていったわけで、“奇跡”などという綺麗事では片づけられないそういう戦争のおぞましさや悲惨さを描かなければサイパン戦を題材にした意味がなかろう。そこがこの映画は甘いし浅いと思う。

せっかくの井上真央や中嶋朋子の良い演技があるのに、その存在価値が軽くなっちゃってて、なんかもったいなぁと。

まぁ、唐沢寿明演じる堀内一等兵の人物造形なんかは完全に浮いてたけど、岡本喜八の独立愚連隊に出てきそうなキャラで個人的には好きだったw

って本当にいたんだ!こんな入れ墨兵士

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聯合艦隊司令長官山本五十六-太平洋戦争70年目の真実-(2011年・東映・141分)WOWOW

 監督:成島出

 出演:役所広司、玉木宏、柄本明、柳葉敏郎、阿部寛、吉田栄作、椎名桔平、坂東三津五郎、原田美枝子、田中麗奈、伊武雅刀、宮本信子、香川照之

 内容:日本が恐慌にあえいでいた1939年。国内では好戦ムードが盛り上がり、陸軍が日独伊三国同盟の締結を強硬に主張していた。しかし、海軍次官の山本五十六は慎重論を唱える。ドイツと結べばアメリカとの戦争は必然であり、両国の国力の差を見知っていた山本にとっては絶対に避けなければならない戦いだった。そんな中、山本は聯合艦隊司令長官に就任するが、その翌年に三国同盟が締結され、対米戦が日に日に現実味を帯びてくる・・・。

評価★★★/65点

太平洋戦争を題材にしたこのての映画を見ると、国力が日本の10倍のアメリカに勝てないことは明白でありながら、あの悲惨な戦争をおっ始めた挙句、日本を焼け野原にするまで延々と長引かせた責任者は誰なのかという視点を拭い去れないのだけど、この映画を見るかぎりその責任は内地で談合を繰り返す軍人官僚や日独伊三国軍事同盟を強行した陸軍上層部にあったということらしい。

また、真珠湾攻撃やミッドウェー海戦での不手際も南雲中将など取り巻きにその責任はあり、山本五十六はつとめて冷静かつ良心的な名将として描かれている。

要は、彼の言うとおりにしていればあんな事にはならなかったのに、という描き方だ。

そこに若干の違和感を感じずにはいられないのだけど、役所広司の堂々とした存在感と物腰柔らかな包容力にほだされて、結局受け入れてしまう(笑)。

いや、それじゃダメなんだけど、こういうエリート軍人を伝記ものに括るような映画はどうしても美化のフィルターがかかってしまうのだということを承知して見ないとダメなんだろうね。

ただこの映画、評価できるところも少なからずある。

それは戦争を遂行したのは軍部であることは明白なのだけど、軍部だけが突出して暴走していたのではなく、マスコミ・メディアが戦争をあおり、国民自身が好戦的ムードに包まれそれを後押ししていたという点を描いたところだ。

もちろんその背景には不景気や政治不信といった社会の閉塞感、また軍国教育や大本営発表といった情報操作があったのだろうけど、その図式はなにも当時にかぎったことではなく今の世の中にも通じるものだろう。

だからこそ「自分の目と耳と心を開いて広く世界を見なさい」という山本五十六の言葉をしっかり噛みしめなければならないのだと思う。あの戦争を絶対繰り返さないためにも・・・。

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陸軍(1944年・松竹・87分)WOWOW

 監督:木下恵介

 出演:田中絹代、笠智衆、上原謙、東野英治郎、杉村春子

 内容:九州小倉で質屋を営む高木家は、奇兵隊の山県有朋の知己を得たことをきっかけに、お国への滅私奉公を家訓としてきた。明治37年、智彦は使用人のわかと結婚。やがて日露戦争が勃発するが、智彦は病弱のため前線で働けず、銃後でしか国に尽くせなかった。それから時を経た昭和。智彦は果たせなかった思いを太平洋戦争に出征する息子に託す。妻のわかも天子様のために役立てるのだと安堵する中、出征の朝を迎えるが・・・。

評価★★★★/75点

原恵一監督の「はじまりのみち」において丸ごと引用した「陸軍」のラストシーンに痛く心を打たれ、見たいと思っていたらTV放送していたので鑑賞することに。

まず、冒頭の松竹のロゴの登場シーンからえらく古い映画だなと思ってたら昭和19年だって

しかし、軍が主導した戦意高揚映画が「陸軍」の他にも何本も作られていたなんて、不幸で悲しい時代だったんだなと改めて思う。

肝心の映画の方は国策映画とはいえ、当時の風俗や時代の風潮が色濃く感じられて有意義だったし、母親が戦地に向かっていく息子を見送るラスト10分はやはり感動的で胸に迫ってくるものがあった。

それまでは「天子様からの預かりもの」である息子が立派な兵隊になれるように小さい頃から厳しく叱咤しながら育ててきた軍国の母のお手本のような姿が印象的だったけど、いざ息子を送り出す段になると、気丈な建前から一転哀しみの本音が顔を出してくるのは母親として自然なことだろうし、当然なことを当然なこととして描いた勇気に拍手したい。

他にも子供が橋から川に飛び込む度胸試しみたいなところを通りかかった母親が、男なんだから潔く飛び込め!と背中を押したり、今の時代では考えられないシーンもあったりして面白かった。

あと、印象的だったのが水戸光圀編纂の大日本史が一家の家宝として象徴的に映し出されていたことだ。

これは光圀が創始した水戸学というものが、絶対の忠誠の対象は将軍や殿様などではなく天皇なのだとした朱子学的思想の一環として編まれたものであるため、天子様=天皇を尊ぶ教典として重宝されたことがうかがえるものなのだろうと思われる。

いずれにしてもこの映画は時代を越えて残されるべき作品だし、今だからこそ見なければならない映画だと思う。

2016年10月23日 (日)

夢のシネマパラダイス177番シアター:お伽の国からやってキターーッ!!

トゥモローランド

Poster2出演:ジョージ・クルーニー、ブリット・ロバートソン、ヒュー・ローリー、ラフィ・キャシディ、トーマス・ロビンソン

監督:ブラッド・バード

(2015年・アメリカ・130分)WOWOW

内容:1964年。自分の発明したランドセル型飛行機械をNY万博の発明コンテストに出そうと会場を訪れた少年フランクは、そこでアテナという不思議な少女と出会い、小さなピンバッジを渡される。すると彼女の後をついて入ったパビリオン“イッツ・ア・スモール・ワールド”の中で突如ピンバッジが発動。未知なる未来都市トゥモローランドへと導かれていった・・・。そして現代のフロリダ。17歳の女子高生ケイシー・ニュートンは、ある日、自分の荷物の中に見知らぬピンバッジを見つける・・・。

評価★★★/60点

ディズニーランドのイッツ・ア・スモール・ワールドとパラレルワールドがつながっている夢発想は悪くなかったけど、全体的に話がややこしくて、ん?ん?と立ち止まることしきりで腹八分目にもう少しで届かなかったかんじ・・。

設定として自分の中でトゥモローランド=ネバーランドに置き換えて見ちゃってたんだけど、そうすると1964年の少年時代に空を飛べるジェットパックを携えてトゥモローランドを訪れたものの後に追放され現実世界に送り返されたフランクは「フック」におけるピーターパンで、アンドロイドの少女アテナはティンカーベルだろう。

つまり「フック」に当てはめていえば、アテナに誘なわれたフランクがトゥモローランドに帰還し、宿敵フック船長=ニックス総督と対決するというストーリーラインが思い浮かぶ。

のだけども、今回の映画は、ここに第3の人物ケイシーが現れるのがミソで、荒廃したトゥモローランドを在りし日の姿に取り戻すためにフランクが闘うのかと思いきや、1番ヤバいのは実は現実世界の方で58日後に滅んでしまう、その救世主となるのがケイシーで、破滅の遠因はトゥモローランドにあるという捻りの利いた展開になっている。

しかし、この捻りに不親切なほど説明が乏しいので、捻りがただのもつれにしかなってなくて映画に求心力を感じないんだよね。

自分が見たかったものと映画のベクトルが最後までズレたままだったかんじ・・。

まぁ、ピンバッジどこかに落ちてないかなぁとは思ったけどw

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エバー・アフター

51zdttwnkkl__sl160_ 出演:ドリュー・バリモア、アンジェリカ・ヒューストン、ダグレイ・スコット、ジャンヌ・モロー

監督・脚本:アンディ・テナント

(1998年・アメリカ・121分)WOWOW

評価★★★☆/70点

内容:おとぎ話「シンデレラ」をモチーフにしたラブストーリー。16世紀のフランスを舞台に、継母と姉にいじめられる少女ダニエルが、自らの力で運命を切り開き王子と結ばれるまでを描く。

“劇的ビフォー・アフター!?”

シンデレラの真実の物語と銘打っている中で、中世16世紀フランスという時代にうまく当てはめて作られており、レオナルド・ダヴィンチが絡んでくるところなどファンタジーものとは一線を画した物語になっていてなかなか面白い作品になっていたと思う。

政略結婚でフランスへ連れてこられたスペイン王女が婚礼式でボロ泣きするシーンなんてホントにあったんじゃなかろうかと思うし、情けなさすぎるヘンリー王子みたいな王もごまんといただろう。

、、、てそれじゃダメなんだぞヘンリー(笑)!なぜダニエル(ドリュー)がホレてしまうのか、あんなヘナチョコに・・・。

まぁ、それだけダニエルが強かったということだと思うけど、1発KOしてしまうような腕っぷしの強い土まみれ泥まみれのオテンバ姫も逆にドリューが映えていてヨロシイ。

「マスク・オブ・ゾロ」のキャサリン・ゼタ・ジョーンズあたりだと強面で強すぎるからあれだけど、ドリューだとちょうど良いあんばいだし、パッツンパッツンしててイイんだよね(笑)。

継母アンジェリカ・ヒューストンも「101」のグレン・クローズみたいなディズニーお決まりパターンの悪女かと思ったら、やや人間味が付け加えられていて、なんかタイムボカンシリーズに出てきそうな憎めなさがあって良かった。

けど、ダニエルの親父って、あの継母が毒を盛って殺したのかと思ってたけど、ちゃうんか??

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チキ・チキ・バン・バン(1968年・イギリス・143分)NHK-BS

 監督・脚本:ケン・ヒューズ

 出演:ディック・ヴァン・ダイク、サリー・アン・ホーズ

 内容:夢想家で発明家のポッツが、「チキ・チキ・バン・バン」と名付けたポンコツ車で子供たちと冒険の旅に出る!007シリーズの原作者イアン・フレミングの童話をもとにした冒険ミュージカル。

評価★★★/65点

何度聞いてもチリ・チリ・バン・バンとしか聞こえてこないんだけど、チリ・チリの方が正しいということを後で知ってひと安心。

肝心の映画はというと、山あり海あり空あり谷あり草原あり城ありと見所も満載で、合成シーンも嫌気にならないで巧い見せ方で演出していて好感がもてる。

特に俯瞰シーンは白眉で、ミュージカルシーンや星空の下で海上を飛行しているシーンなどは強く印象に残る。

しかし、如何せんこの内容では2時間半はちと長い。。

ミュージカル映画でありながら冒険映画ともいえるけど、逆にいえば中途半端そのもので、時おり出てくる魅力的な映像で2時間半もっているといったかんじだった。

話の筋が映像に追いついていればもっと見入っていたはずで、その点が惜しいかな。。

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フック(1991年・アメリカ・141分)NHK-BS

 監督:スティーブン・スピルバーグ

 出演:ロビン・ウィリアムス、ダスティン・ホフマン、ジュリア・ロバーツ、グィネス・パルトロウ

 内容:自分がピーターパンだったことを忘れてしまった、さえない中年男ピーターが、子供たちを救うためフック船長の待つネバーランドへ旅立つ!

評価★★★☆/70点

最初に見たのは劇場だったけど、心躍る冒険譚を期待して劇場に入ったはずが、まるで親子関係修復セミナーに強制参加させられたような違和感を抱いたのを子供ながらに覚えていたんだけど。

でも、先日久方ぶりにテレビで見たら、年食ったせいか純粋に楽しめちゃった(笑)。グロさがもうちょっと加味されてればもっと良かったけど。

ピーターみたいに子供の心を忘れてしまったからこそ、こうやって見れる作品なのかもしれないな・・。

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ショコラ(2000年・アメリカ・121分)DVD

 監督:ラッセ・ハルストレム

 出演:ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ、ジュディ・デンチ、アルフレッド・モリーナ、レナ・オリン

 内容:冬のある日、伝統が深く根付くフランスの村に、謎めいた女性が娘を連れて越してきた。彼女がオープンさせた、見たこともないような美味しそうなチョコレートであふれたお店が、保守的な村の人々に変化をもたらしていく。。

評価★★★☆/70点

チョコレートのCMも2時間ぶっ続けで見るとさすがにダレるな。

お味の方も、今までに味わったことのないような絶品なのかと思いきや、そんな取り立てていうような味でもないし・・・。

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グリンチ(2000年・アメリカ・105分)WOWOW

 監督:ロン・ハワード

 出演:ジム・キャリー、テイラー・モムセン、クリスティン・バランスキー、モリー・シャノン

 内容:全身が緑色の毛で覆われた嫌われ者のグリンチは、美しいフーヴィルの町を見下ろすクランペット山に住んでいた。フーヴィルの町では、楽しいクリスマスの準備で大わらわ。しかし、グリンチはクリスマスが大っ嫌い!そこで彼はフーヴィルのクリスマスをメッタクタにしようと作戦を練る。。アメリカ人なら誰でも知っているという児童文学の映画化。

評価★★★/55点

ウォレスとグルミットのようにクレイアニメで見たかった気がする。

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リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い(2003年・アメリカ・110分)MOVIX仙台

 監督:スティーブン・ノリントン

 出演:ショーン・コネリー、スチュワート・タウンゼント、ペータ・ウィルソン、シェーン・ウエスト

 内容:1899年、謎の集団が近代兵器で欧州各地を襲撃し戦争の危機に。冒険家アラン・クォーターメインは、ネモ船長、透明人間、吸血鬼、不死身の男ドリアン・グレイ、ジキル博士、トム・ソーヤーらと超人同盟を結成、謎の集団に立ち向かう・・・。人気小説の主人公たちが一同に会するコミックを映画化。

評価★★/40点

B級からA級に昇格するためにA級養成ギプスを無理やり付けさせられたノリントン。

しかし結果はA級に戦犯が付いてしまうという本末転倒なものに終わってしまった。

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レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語(2004年・アメリカ・109分)WOWOW

 監督:ブラッド・シルバーリング

 出演:ジム・キャリー、メリル・ストリープ、エミリー・ブラウニング、リーアム・エイケン

 内容:発明好きの長女・ヴァイオレット、読書家の弟・クラウス、末っ子のサニー。両親を亡くしたボードレール家の3人の子供たちは、遠縁のオラフ伯爵に引き取られる。しかし、実は遺産目当てだったオラフ伯爵は、子供たちに執拗な嫌がらせを繰り返していく・・・。世界的ベストセラーの児童書の映画化。

評価★★★/55点

小公女のごとく徹底的に不幸なトーンに落としていくわけでもなく、ホーム・アローンのごとく痛快さを前面に押し出すわけでもなしに、世にも不幸せなというわりには、ちょっと中途半端な印象。

徹底的なオーバーアクションと七変化でボードレール3姉弟をいじめ抜くジム・キャリーにもはっきりいって凄みが感じられない。

冷徹な狂気よりも軽いノリのコメディぷりの方が勝ったかんじで、そこらへんのバランスがもうちょっと取れていればシニカルでブラックな世界観がもっと際立ってよかったと思うんだけどなぁ・・。

2016年8月28日 (日)

夢のシネマパラダイス35番シアター:教師びんびん物語!

いまを生きる

Mp186 出演:ロビン・ウィリアムス、イーサン・ホーク、ゲイル・ハンセン

監督:ピーター・ウィアー

(1989年・アメリカ・128分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:1959年、創立100周年を迎えたバーモントの全寮制の名門校に、英語教師キーティングが着任した。彼は初授業の日に、ラテン語の「カーぺディエム(いまを生きよ)」というモットーを生徒たちに与え、型破りな授業を行って人生を楽しむ心を教える。

“キーティングは実在する”

自分が小学4年のときだから1987年かな?少年少女友情の船ってやつでグアム・サイパンに行ったことがある。

その時の班長さんを、この映画を見るたびに思い出してしまう。

すべての班長さんが教師を目指している大学の教育学部の学生で、うちの班長さんもそんな一人だった。

ほとんど毎日が船の中での集団生活で、班での行動が主。そういう中で班長さんからはいろいろ教わった。

特に耳にタコができるくらい聞かされたのが、「今この一瞬を大切に生きろ」ということ。

「今から10秒後にはどうなっているか分からないんだ」「今、俺が話している間も1秒1秒時は過ぎていってるんだ!」みたいなことを熱~く語ってたっけ。

今でも時折ふと班長さんの言葉を思い出すことがあって。

その後、ちゃんと教師になれたのかなぁ。。

オフ会で班長さんの家に遊びに行った時、「ビーバップハイスクール」見せてもらったことを鮮烈に覚えているんだけど・・

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ビリギャル

T0019660p出演:有村架純、伊藤淳史、野村周平、あがた森魚、安田顕、吉田羊、田中哲司

監督:土井裕泰

(2015年・東宝・117分)WOWOW

内容:名古屋の私立女子高に通う高2の工藤さやか。いつもギャル友と遊びまくり勉強なんて全くしない日々を送り、ついに成績は偏差値30の学年ビリに。そこで心配した母親はさやかを塾に通わせることにする。ノリで第一志望を慶應大学と宣言したさやかに対し、塾講師の坪田は巧みな指導でやる気を引き出していくが・・・。

評価★★★/60点

この映画の描写力からするとビリギャルが合格したのは慶応大学ではなく偏差値45の桂王大学の間違いじゃないかと思えるくらいのリアリティしか感じられないのが全体的に映画をユルユルなかんじにしているけど、勉強のノウハウや慶応に受かったという結果ありきの美談よりもポジティブな人間力と家族再生の物語として描いたのは作劇の手法として間違ってはいない。

ただ、塾>学校という構図でことさらに学校教育を貶める論法が一貫して見られるのは違和感ありで、挙句のはてに授業中に寝ててもOKってそれはあんまり。学校でしか寝る所がないんです!ていうセリフは初めて聞いたよ(笑)。

まぁ、長い物には巻かれよ方式の均一化を是とする学校教育と、一人一人の個性に応じて教え方を変えられる塾とではたしかに方針は違うんだろうし、自分の可能性を信じなくさせてつぶしてしまうダメ教師もいるんだろう、、いや、実際そういう先生はいたし、生徒をクズ呼ばわりする学校は救いようがない。

にしても一介の映画が学校は寝る所と嬉々として描くのは違うと思う。

環境うんぬんより結局最後は自分の意志とヤル気なわけだから、そこさえしっかり描けていれば学校を絶対悪のように描かなくてもよかったと思う。

まぁ、下痢ピーに悩まされる有村架純を見れたのは乙ではあったけどねww

しかし、英語と日本史は詰め込みで偏差値上げることはできるとしても、小論文は偏差値とは別な尺度の自分で考えまとめる文章力や時事ネタの知識が必要で、よほど鍛錬しないとちょっとやそっとじゃ向上しないはず。そこの嘘っぽさだけはすごく引っかかったな・・。

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ブタがいた教室(2008年・日本・109分)CS

 監督:前田哲

 出演:妻夫木聡、大杉漣、田畑智子、戸田菜穂、原田美枝子

 内容:都心の小学校。6年2組の担任教師・星先生は、ある日教室に子ブタを連れてくる。それは、生きるものを育てそれを最終的に自分たちで食べるまでに至る過程を学ぶことを目的にした授業の一環だった。生徒たちは子豚にPちゃんと名前をつけ可愛がるようになるのだが、1年が経ち卒業を前に、ブタを食肉とするか後輩たちに託すかの選択に迫られる・・・。

評価★★★☆/70点

なんとも酷なお話だなぁと思いつつも、ドキュメンタリ要素を取り入れた劇映画として見る価値は十分にあるなかなかの作品になっていたと思う。

生徒たちの討論シーンでは台本がなかったということらしいけど、その実験性が映画の虚構性を良い意味で逸脱していて真に迫るものになっていたし、自分も一緒になって考えさせられてしまった。

まぁ、結末はいくらなんでも先に決まっていたのだろうけど、作り手・大人たちの作為のレールをかき消すほどの子供たちの本音演技には脱帽。

テレビドキュメンタリーの方も見てみたいなぁと思った。

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デンジャラス・マインド(1995年・アメリカ・99分)DVD

 監督:ジョン・N・スミス

 出演:ミシェル・ファイファー、ジョージ・ズンザ、コートニー・B・ヴァンス

 内容:元海兵隊員ルアンは、長年の夢だった教師になるが、赴任校は問題児ばかりが集まる荒廃校だった!原作のルアン・ジョンソン自らの体験を綴った感動作。

評価★★★★/80点

生徒に教えてくれと懇願されることほど先生にとって本望なことはないよね。って、実話ってのがスゴイ。。

妊娠は伝染するのよ!と言われた時のM・ファイファーの唖然とした表情といったらない。このシーンで女優として一皮むけたな(笑)。

2016年8月14日 (日)

夢のシネマパラダイス262番シアター:チャッピー

チャッピー

Poster3出演:シャールト・コプリー、デヴ・パテル、ヒュー・ジャックマン、シガニー・ウィ―ヴァ―

監督・脚本:ニール・ブロムカンプ

(2015年・米/メキシコ/南ア・120分)WOWOW

内容:凶悪犯罪が多発する南アフリカのヨハネスブルグ。ロボット警官隊が導入され成果をあげる中、その開発者ディオンは世界初となるAI搭載ロボットの開発に成功する。しかし、会社はロボット警官隊へのバージョンアップを却下。諦めきれないディオンは、一体だけ製作していたAIロボット22号をひそかに持ち出すが、あろうことか大金強奪を目論むギャングに誘拐されてしまう。ギャングたちは、“チャッピー”と名付けたそのロボットに強盗を手伝わせようとするが・・・。

評価★★★★/75点

まず、役者のパフォーマンスキャプチャーをもとにしているとはいえ、チャッピーの一挙手一投足に愛嬌味があって面白い。

顔も眉毛と口付近にあたるレバーの上げ下げと耳みたいな触覚しか動く部分がないのだけど、豊かな感情表現を感じ取ることができて印象深く、単純な擬人化以上のリアリティがある。そしてそのリアリティが、人工知能が超えられない壁である“意識”と“死の恐怖”という今回の映画のコンセプトに説得力をもたせている。

特に後者については、自分がいつか死ぬと認識している動物は人間だけであり、それが多様な「生きる」目的意識につながるのだと思うけど、チャッピーの人格形成における死の概念を得る描写も秀逸。

バッテリーが5日しかもたないという消費期限=寿命以外のところで、チンピラたちに集団リンチを受ける凄惨なシーンが肉体的な生存本能のスイッチを入れるところは説得力があり、それを経ての利他心を覚えるまでの成長過程には自然と感情移入してしまった。

5年後にAIは人を殺す可能性があるとスティーヴン・ホーキング博士が警鐘を鳴らしているくらい日進月歩の進化をつづけるAI技術開発時代の中で、サイエンスフィクションがフィクションでなくなる可能性を感じさせる現代と地続き風の作劇術は上手かったし、かと思えばUSBメモリに“意識”=心を収めて他のボディに転送してしまうという突飛な発想力もはっきり言って好きだ。

ヒュー・ジャックマンをそういうふうに使っちゃうかという意外性も含めて、ニール・ブロムカンプはやはりただ者ではない。

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アンドリューNDR114

Ndr114出演:ロビン・ウィリアムズ、エンベス・デイビッツ、サム・ニール、オリバー・プラット

監督:クリス・コロンバス

(1999年・アメリカ・131分)仙台セントラル劇場

評価★★☆/45点

内容:マーティン家は家事をこなすロボット“NDR114”を購入、アンドリューと名付ける。暖かいマーティン家の人々に囲まれ、次第に感受性や独創性を表し始めたアンドリューは、人間になりたいと願うようになり・・・。

“それから12年後、、16年後、、10年旅をつづけて、、歳月は流れて、、っておい!大河ドラマの総集編かよっ。”

だって200年分だろこれって。大河でも200年なんてやらねーよ。

なんだかロビン・ウィリアムズにロボットパーツを着せて演技させたら面白いんちゃうという安易な発想から企画がスタートしたとしかいいようがない。

要は、アンドリューが起動した2005年には人間の外見と同じようにする技術がなかったってだけのことだろ。でもロビンにはどうしてもロボットパーツの着ぐるみ着せたいから2005年という設定は変えたくないと。

でも本当に描きたいところは、人間として生きていきたいと願うロボットのアンドリューの闘いと葛藤、そして恋愛じゃないのか?

そこには生と死、自然と人工という要素も絡んでくる非常に複雑でデリケートな問題が大きく横たわっているではないか。

そして映画の中で誰かさんもこの問題に判断を下すには時間が必要です、とのたまっているではないか。

なのにわずか20分かそこらでパッパッと片付けちゃう始末。。そしてアンドリューもパッパッと人間としての機能が備わっていっちゃうし・・・。どこがデリケートなんだか。

あまりにも大雑把すぎて開いた口が塞がらなかった・・・。

まず200年分のエピソードをパッパッと小出しにしていく無味乾燥なやり方はバッサリ切り捨てて、2005年か2225年かどちらかに絞ってやった方がいい。

2225年が舞台なら前述した問題を十分吸い上げていく形にすればいいし、2005年が舞台だったらロボットだと思っていたアンドリューは実はロボットではなく、中に人間が入っていて、再婚した妻に未練タラタラでロボットになりすまして家にやって来た、、、っておい!「ミセス・ダウト」じゃんww

2016年3月19日 (土)

夢のシネマパラダイス354番シアター:オトコとオンナのキワドい生態

アイズ ワイド シャット

51kexb2mbxl出演:トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、シドニー・ポラック、トッド・フィールド、マリー・リチャードソン

監督・脚本:スタンリー・キューブリック

(1999年・アメリカ・159分)WOWOW

内容:ニューヨークに住む内科医ビルとその妻アリスは、何不自由ない暮らしを送っていた。が、ある日、妻の口から語られた過去の不倫願望を聞いたビルは次第に心のバランスを崩していき、性の妄想に憑りつかれていく。そしてある夜、ビルは旧友の紹介で仮面乱交パーティに赴くのだが・・・。キューブリック監督の遺作。

評価★★★/60点

“結局最後まで一度もヌケなかったトム・クルーズに憐れみの一票”

実夫婦だったトム・クルーズ&ニコール・キッドマンのプライベートな夜の秘め事を覗けるという好奇の目が先についてしまったのが正直なところだったけど、その点では2人の絡みは数えるほどもなく大いに肩すかし(笑)。

さらに中身の方も、性の妄想にとらわれた夫の彷徨の果ての破滅というプロットは、ブライアン・デパルマあるいはロマン・ポランスキーに撮らせた方が良かったのでは、、とも勘繰ってしまった。まぁ、誘ってくるのは必ず女性の方という様々な刺客に見舞われながら心の身ぐるみをはがされていくリアクターとしてのトム・クルーズを見るのも一興ではあっただけに、その願望はより一層強まったともいえる。

しかし、じゃあこれ誰が撮ったかと言われたら疑いもなくキューブリックだといえるほど入念かつ流麗な演出に支配されていて、見ている間は2時間40分の長尺も冗長だとは微塵も感じなかった。

特にクラシック音楽の使い方は毎度ながら完璧で、ピアノの不協和音が主人公の内面描写を増幅させていて映像に深みを持たせていたと思う。

ただ、見終わった途端に、長っげぇーってグッタリしたけどね。

ラストの妻の言葉も「市民ケーン」の“バラのつぼみ”に通じるかんじではあったけど、いちいち映画にすんなやとも思ってしまったw

でもこれってフツーに撮ってたら1時間は短くできるよね

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愛の渦(2014年・日本・123分)WOWOW

 監督・脚本:三浦大輔

 出演:池松壮亮、門脇麦、新井浩文、滝藤賢一、三津谷葉子、中村映里子、柄本時生、窪塚洋介、田中哲司

 内容:都心のとあるマンションの一室。そこは、見知らぬ男女が集まってセックスを楽しむ乱交パーティ会場だった。集まってきたのは内気そうなニートや真面目そうなサラリーマン、地味な女子学生やOLなど男女8人。全員バスタオル1枚の姿で、いかにも気まずい空気が漂うが、店長のルール説明が終わると、次第に性欲と本性が露わになっていき・・・。

評価★★☆/50点

エロ動画でマジックミラー号シリーズという企画ものがあって、個人的にいつもお世話になっている(笑)。何を言ってるんだオレは・・・

トラックの荷台がマジックミラーになっていて、外からは見えないけど中からは外が丸見えで、その一室で初対面の素人男女がエッチするっていう。あたかも外から丸見えであるかのような羞恥心と初対面のぎこちなさが次第に興奮と快感に凌駕され我を忘れていく様がたまらないんだよねってだから何を言ってるんだオレは・・・ww

でまぁ、この映画もそういう目線で見始めるしかなかったわけでw、しかし、もちろん作り手の力点は身体の交わりよりもデリカシーゼロの乱交空間においてさらけ出される赤裸々な人間関係にあったと思うんだけど、なんだろなぁ、、最後までゴム付けてるような安心感に覆われていて、定型の域を出ないカミングアウト大会で終わってしまったというか・・。もっと見てるこちら側まで不穏にさせ興奮させるような破綻めいた突き抜け感のある心理劇をこそ見たかった。

映画のラストで門脇麦が「あそこにいた時の私は本当の自分じゃないんだと思います」と言うのに対し、池松は「僕はあそこにいたのは本当の自分だったと思います」と言うそのギャップにフォーカスをもっと当てるだけでもかなり違ったと思うんだけど・・・。

まぁ、終わってみれば門脇麦の絶叫と、保母さんはスケベが多いっていうトリビアしか頭に残らない映画だったね

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トーク・トゥ・ハー

Tth 出演:ハビエル・カマラ、ダリオ・グランディネッティ、レオノール・ワトリング、ロサリオ・フローレス

監督:ペドロ・アルモドバル

(2002年・スペイン・113分)DVD

評価★★★/60点

内容:交通事故で昏睡状態となり、4年間眠り続ける清楚なバレリーナ、アリシアと、そんな彼女を慈しみをこめて毎日語りかけながら介護する看護士のベニグノ。一方、女性闘牛士のリディアも競技中の事故で昏睡状態に陥る。彼女の恋人でライターのマルコは悲嘆にくれるが、ベニグノとそれぞれの愛する者への切ない想いを共有するうちに友情が芽生え始める。しかし・・・。

“問答無用でブタ箱へ行ってらっしゃい!”

例えばベニグノがアリシアを犯しているシーンを描いたらどうなっちゃうわけ?

神様のご加護で子供を授かりましたといううわべとは全く次元が違うだろこれは。けなげに世話してけなげに孕ませ、、、ってそんなん通用しねえよ。

問答無用のギルティ!ブタ箱経由施設行きです。

なんだろう、障害者施設やら養護学校で頻発しているいかがわしい事件を新聞やニュースで見たときの不快感やらキナ臭さやらと同じものを感じてしまった。。

人間というよりモノとしてしか見てないんじゃないのああいうことする奴ってのは。ベニグノにもそういう気や要素は見られたしね。

ま、★3っつで思いとどまらせただけでも良しとしなさい。

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橋の上の娘(1999年・フランス・90分)NHK-BS

 監督:パトリス・ルコント

 出演:ヴァネッサ・パラディ、ダニエル・オートゥイユ、ニコラ・ドナト

 内容:男から男へと渡り歩き、すぐ捨てられてしまう人生に絶望したアデルは、セーヌ川に身を投じようと橋の上に立っていた。そんな彼女を、ナイフ投げの曲芸師ガボールが、“的”としてスカウトする。やがて2人はツキを呼び込み、行く先々で喝采を浴びるが・・・。名もない橋の上で運命的に出会った男女の、奇妙でストイックな愛の行方が独特のモノクロームの世界の中で綴られていく。

評価★★★★/80点

“おとぎ話とホラ話の間に架かっている橋の上から見事現実に飛び降りたオチ方は評価できる。”

「男はドレスと同じ、、、どうしても試着したくなるの」だってよオイオイオイオイ!!パトリス・ルコントこのヤロー。。

このアデルの台詞とシーンがいっちばんリアルでエロかった

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若者のすべて(1960年・イタリア・118分)NHK-BS

 監督:ルキノ・ヴィスコンティ

 出演:アラン・ドロン、アニー・ジラルド、レナート・サルヴァトーリ

 内容:イタリア南部の町からやって来たパロンディ一家は、大都市ミラノに希望を託して移住してきた。次男のシモーネはボクサーとなって頭角を現したが、次第に娼婦のナディアにのめり込んで落ちぶれていく。やがてナディアは三男のロッコと愛し合うようになるが、嫉妬に狂ったシモーネはロッコの目の前でナディアを犯してしまう・・・。

評価★★★☆/70点

“もしオレだったら、刺す!”

ナディアを目の前で犯したシモーネを我が愛しのレアル・マドリーの名に賭けて、刺す。んでナディアを正真正銘ものにする。なんじゃそりゃ・・・。

ヴィスコンティについては、そう多くの彼の映画を見てるわけではないのだけど、上流階級の退廃と崩壊を描いたときに彼の真骨頂が真っ向から発揮されると思う。

具体的には「山猫」以降ということになるのだろう。この「若者のすべて」は「山猫」直前の作品なんだよね。たしか。

たださっき上流階級を描いたときにヴィスコンティの真骨頂-それはプライドと血統そして監督の鋭利な視線-が発揮されると書いたけど、別に「山猫」以前の作品が一段落ちるということではないのであしからず。また別な凄みを生み出しているといえるのではないかな。

この「若者のすべて」においては、職にもありつけないような、上流階級とは程遠い下層階級の家族の物語なのだけど、にもかかわらずどうしても確実にヴィスコンティの視線、すなわち名門貴族一家の息子ヴィスコンティの誇り高い視線が注がれてしまうのです。特に人物像。

そしてここに不完全要素がもやもやと映画全体に生み出されてくるわけで。

誇り高く完全主義のヴィスコンティと不完全要素の現出とのアンバランス。

それが何とも言いようのない凄みを出していたと思う。なんだか凄いんだよホント。うまく言葉が思い浮かばないんだけど。

話のプロットが凄いということでは全くなくて、、、でも映画として凄いのよ(笑)。うーん・・・。

10年後に自分がもっと成熟してたときにまた見るべきかな。

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インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(1994年・アメリカ・123分)盛岡フォーラム1

 監督:ニール・ジョーダン

 出演:トム・クルーズ、ブラッド・ピット、アントニオ・バンデラス、クリスチャン・スレーター

 内容:バンパイアとして生きる美青年の数奇な運命を描いたロマンティック・ホラー。

評価★★★☆/70点

“この映画を見たことによって、あるいはトム・クルーズがN・キッドマンの首すじに咬みつく練習をしていたという話を聞いて、自分も恋人or奥さまの首すじを咬んだ、あるいは咬まれた、あるいはヴァンパイアプレーに耽ったことがある方は正直に手を挙げてくださいまし。”

ルイがあなたを探していますよ♪

フッ、もちろんオイラは、、、って何を言わせんねん!言わずもがなに決まっとるやないけ(笑)。

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オール・オブ・ミー/突然半身が女に(1984年・アメリカ・88分)NHK-BS

 監督:カール・ライナー

 出演:スティーブ・マーティン、リリー・トムリン、ヴィクトリア・テナント

 内容:楽団のギタリストとの二足のわらじで、出世街道とは無縁の弁護士ロジャーは、死にかけた大富豪の女主人エドウィナの遺言の件を担当することになる。早速屋敷を訪れると、彼女は今まさに死の床にあった。と、エドウィナはインドの妙な霊術に傾倒していて、その導師ブラガが「転生輪廻」の呪文を唱えるが、ひょんなことから彼女の魂がロジャーの右半身に乗り移ってしまい・・・。

評価★★★★/80点

“その日、ネットでググらなければ一生見ることはなかったであろう笑撃作!!”

同じ弁護士つながりで真っ先に挙がるであろうジム・キャリーの「ライアーライアー」と双璧をなすぶっ飛びコメディかも。

2015年12月 5日 (土)

夢のシネマパラダイス292番シアター:それでも夜は明ける

それでも夜は明ける

Poster2出演:キウェテル・イジョフォー、マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチ、ポール・ダノ、ポール・ジアマッティ、ルピタ・ニョンゴ、ブラッド・ピット

監督:スティーヴ・マックィーン

(2013年・アメリカ・134分)盛岡フォーラム

内容:19世紀。ニューヨークに暮らす自由黒人ソロモンはヴァイオリニストとして妻子とともに幸せな日々を送っていた。しかし、ワシントンでの演奏会に参加した際に、興行主に騙されてしまい、奴隷制が残る南部に送られてしまう。そして名前も人間としての尊厳も奪われ、奴隷として大農園主フォードに買われる。それでも聡明なソロモンは温厚なフォードに気に入られるのだったが・・・。

評価★★★★/80点

小学低学年まで夜8時に寝ることを義務付けられていた自分にとって夜9時からテレビで映画を見ることはほとんど許されず、唯一親が推薦した映画は見てもいいという決まりになっていた

それは例えば風の谷のナウシカであったりE.Tだったりしたのだけど、その中でもアンクル・トムの小屋のTVムービーは強烈に心に刻まれた。

人が人を差別する残酷さと不条理さを飲み込めずに、見終わった後に布団の中にもぐって泣いてしまったことを今でも覚えている。

その後、黒人差別を扱った映画というと1960年代の公民権運動を中心とした時代背景が主で、アンクル・トムの小屋と同年代(19世紀半ば)の映画は南北戦争が舞台の「グローリー」や奴隷が武器を取って反乱を起こした「アミスタッド」くらいしかなかったように思われる。

なので、今回の映画で人身売買や拷問、性的搾取など南部の綿花農園に半永久的に縛りつけられる黒人奴隷の凄惨な実態を目前にしてアンクル・トムの小屋を見た時の胸がしめつけられるような思いがよみがえった。

しかし、今回は奴隷制というものが単純な善悪ではなく、より複雑かつ多面的で一筋縄では理解できないものだということをまざまざと見せつけられた気がする。

例えば自由証明書があれば白人社会で不自由なく生きていける自由黒人という身分があったこと。

神の前では皆平等であると書いているはずの聖書に忠実な敬けんなキリスト教徒が黒人差別を差別とこれっぽっちも思っていない矛盾、つまり黒人を家畜としか見ていない社会が普通に成立してしまう怖さ。

また、主人公ソロモンが木に吊るされてかろうじて地面に爪先立ちしている中で白人はおろか他の奴隷たちもまるでそこにソロモンなどいないかのようにふるまっている異様な状況。

そしてラスト、12年ぶりに解放され自由の身になるソロモンと一生解放されることはないであろう女奴隷パッツィーの残酷なコントラスト・・・。

正直、今回も奴隷制というあまりにも残酷であまりにも不条理な真実を飲み込めないまま布団の中にくるまって全て忘れて無かったことにしたい気に駆られてしまいそうになったけど、絶望と祈りのはざまでカメラ目線でこちらをジッと見つめるソロモンの瞳が、そしてパッツィーの背中に切り刻まれた無数のムチの跡がそうはさせてくれなかった。

後味の悪さも含めて、とにかく目をそむけずに見て感じることが大切なのだと思う。

同じ歴史を繰り返さないためにも・・・。

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ヘルプ 心がつなぐストーリー

5831出演:エマ・ストーン、ヴィオラ・デイヴィス、オクタヴィア・スペンサー、ブライス・ダラス・ハワード、ジェシカ・チャステイン、シシー・スペイセク

監督・脚本:テイト・テイラー

(2011年・アメリカ・146分)WOWOW

内容:1960年代のアメリカ南部ミシシッピー州。上流階級に生まれ、黒人メイドに育てられた白人娘スキーター。大学卒業後、作家を目指す彼女は新聞のコラム記事を担当することになり、その取材過程で人種差別はびこる地元で黒人メイドたちが置かれた立場を知り記事にしようと思い立つ。ところが、相談したメイドのエイビリーンには、本音を語ると身の危険があるからと取材拒否されてしまう。そんなある日、別なメイドのミニーが、白人用トイレを使ったことで解雇されたことからスキーターに協力することにするのだが・・・。

評価★★★☆/70点

小さい頃に「アンクル・トムの小屋」を見て、子供ごころに黒人差別の悲惨さに胸が張り裂けそうになったことを覚えている。

その後、「風とともに去りぬ」で、しつけの厳しい黒人メイドが主人公一家に家族の一員のように慕われていることにホッとしたものだ。

昔のクラシック映画を見ると黒人ってメイド役くらいしか印象にない中、ひどく扱われているシーンはほとんど見たことがなかっただけに、今回の映画で描かれる厳しい現実にはやはりショックを受けざるをえなかった。

60年代のアメリカが法で認められるほど人種差別が苛烈を極めていたことは他のいろんな映画を見て知っていたけど、裕福な白人家庭の中で働くメイドも変わらず差別されていたというのは、あらためて差別の実体の根深さを思い知った気がする。

表玄関から入ってきたらダメだとか、同じ食器を使ってはダメとか、まさかトイレまで別々というのは仰天・・

しかも金持ちマダムたちの丸出しの差別意識が小学生レベルのバカさ加減でドン引きしてしまうのだけど、それがあの当時のスタンダードだったのだと思うと、なんて愚かな時代だったんだと思ってしまう。

また、保守的な白人コミュニティの中にも村八分的な監視システムが成り立っていて、ラストのエイビリーンの言葉を借りれば、そんな窮屈な生き方疲れない?と吐き捨てたくもなるよね。。

しかし、その中でも笑いと明るさを忘れずしっかりと自分を持ちながらたくましく生きる黒人女性たちの姿に見てるこちらがパワーをもらったかんじ。

しかし、ウ○コ入りチョコレートパイを食べさせちゃうってのは、なかなかそういう映画もあるもんじゃないよね・・。ハンニバル・レクターじゃあるまいしww

いや、そういえば「フライド・グリーン・トマト」ではある物をコトコト煮込んだスペシャルスープがあったのを思い出した。ま、この話はこれ以上広げなくていいか

でも、ヒリーがそのチョコレートパイをパクパク食べてるのを見てザマァ♪と快哉したのはたしかでw、それだけの憎々しい演技をみせたブライス・ダラス・ハワードは天下一品だった。

あと、最近イチオシのエマ・ストーンも好演だったし、見て良かったです。

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ミシシッピー・バーニング(1988年・アメリカ・126分)NHK-BS

 監督:アラン・パーカー

 出演:ジーン・ハックマン、ウィレム・デフォー、ブラッド・ドゥーリフ、フランシス・マクドーマンド、R・リー・アーメイ、ゲイラード・サーテイン

 内容:1964年6月、3人の公民権運動家が失踪した事件を捜査するため、アンダーソンとウォードの2人のFBI捜査官がミシシッピー州ジュサップを訪れた。アンダーソンは、非協力的な保安官スタッキーと彼の助手ベルに狙いをつけ、ベルの妻を問い詰めるが確証は得られず、逆に黒人を標的にした事件が相次いで起きるようになる・・・。

評価★★★★/80点

人権問題で他国に干渉することもいとわないアメリカが抱える大きな矛盾、人種差別。

黒人を人権が与えられる人ではなくモノとしか見てこなかった闇の歴史をこれほどまざまざと描き出している映画はない。

「フライド・グリーン・トマト」や「ドライビング・ミス・デイジー」などアメリカ南部の伝統的な風土をハートウォーミングに見つめた映画が好きな者としてはかなりショッキングだし、南部の田舎町に蔓延する閉塞感と、まるで家畜をなぶるかのごとく黒人を痛めつける凄惨な暴力にゾッとしてしまう。

しかも倫理や論理などまるであてにならない人種差別意識の高い壁には法でさえも無力どころか、それを正当化する法律(人種隔離法)まであったというのだからホントにどうにもならない。あげくの果てに聖書まで持ち出されるのだから・・・。

ハックマンが汚い手を使ってでも力づくで悪をこらしめるポパイ刑事にならざるをえなかったのも道理というわけだ。

しかし1番ショックだったのは、この差別と憎しみが7歳の時分までに教育で徹底的に植えつけられるということだ。いわゆる刷り込み教育というやつなのだろうけど、子供に何を教えるのかがどれほど重要なのか、これ見て肝に銘じた方がよさそうだ。

この映画の舞台となったのが1964年というから、あれから約50年。

黒人の大統領が誕生したということだけでもアメリカも変わってきたということなのだろうけど、実際のところはどうなんだろう。。

また、ヨーロッパでもサッカーの試合で有色人種の選手に対するファンの差別的ヤジがけっこうあって問題になってるし、相当に根深い問題なんだよね。

こういう映画をもう見なくて済むような世の中になってもらいたいものだね。

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アミスタッド

Wgnwtqpwq出演:マシュー・マコノヒー、モーガン・フリーマン、アンソニー・ホプキンス、ジャイモン・ハンスゥ、ピート・ポスルスウェイト、アンナ・パキン

監督:スティーヴン・スピルバーグ

(1997年・アメリカ・155分)DVD

評価★★★/60点

内容:自由を勝ち取るために戦った黒人奴隷たちを救うべく奔走した元アメリカ大統領ジョン・クインシー・アダムズの姿を描いたヒューマン・ドラマ。19世紀半ば、アフリカの大地で暮らす青年シンケは奴隷として拉致され、スペイン人に買われた53人の仲間とともにアミスタッド号に乗せられた。船員たちによる暴力にさらされた彼らは、やがて暴動を起こし、白人たちを惨殺していく。アメリカの沿岸警備船に取り押さえられたシンケたちは、殺人罪に問われ投獄されたが、彼らを救うためにアダムズが立ち上がった。。

“自分が単純なだけなのかもしれないが、この映画は絶対に時系列ごとに描写していくべきだった。すなわちシンケが体験した身の毛もよだつような惨劇を冒頭にもってくるべきだったと思う。”

自分の住んでいた村からシエラレオネの砦に連行され、奴隷船に乗せられ、鎖で繋がれ、鞭打たれ、ある者は海に投げ捨てられ・・・

この映画の中で1番重要な場面かつこの映画の中で1番重要な役柄シンケに迫っていくためにも冒頭にもってくるべきであり、それが長い映画の求心力にもなったはず。

それができるということはすなわちこの映画の主人公はシンケだ!と宣言することであり、それができなかったということはすなわちこの映画の中でシンケは単なる重要参考人にすぎないというようなものであろう。

この映画において、あの悲劇を冒頭にもってくるというのは、同監督の「プライベート・ライアン」の冒頭とは全く意義も役割も異にするものである。

しかしながらこの映画は、完全に後者の道を選んでしまった。

そう、やはりこれも白人側からみた視点の映画にすぎないのだ・・・。

2015年12月 1日 (火)

夢のシネマパラダイス209番シアター:ジャック・ライアンシリーズ

レッド・オクトーバーを追え!

Phma101312_l出演:ショーン・コネリー、アレック・ボールドウィン、スコット・グレン、サム・ニール

監督:ジョン・マクティアナン

(1990年・アメリカ・135分)NHK-BS

内容:CIAの分析学者ジャック・ライアンが活躍するトム・クランシーの冒険小説シリーズの最初の映画化。ソ連の最新型原子力潜水艦レッド・オクトーバーが突然姿を消す事件が起きた。艦長のラミウスはレーダーで探査することのできない原潜を駆って、アメリカ東海岸のすぐ近くまでやって来る。アメリカへの攻撃か、はたまた亡命か、艦長の真意が分からず苦悩するCIAは、レッド・オクトーバーを追うアメリカの潜水艦ダラスにジャック・ライアンを送り込む・・・。

評価★★★★/80点

潜水艦の構造といった詳しい知識は自分自身ほとんど皆無。しかも米ソ両側から描いているためネタバレが常時浸水してくる。

それなのにこの面白さは一体何なんだ

潜水艦ものは余程のヘマをしでかさないかぎりハズレることはないということを示した典型的作品。

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パトリオット・ゲーム

Patriot_games出演:ハリソン・フォード、アン・アーチャー、パトリック・バーギン、ショーン・ビーン

監督:フィリップ・ノイス

(1992年・アメリカ・117分)NHK-BS

内容:妻子の目の前で、英国王室一家をIRA過激派テロの襲撃から守ったジャック・ライアンはナイトの称号を授与される。しかし、テロ集団の恨みを買ってしまい、家族の命が狙われることに・・・。 

評価★★★/65点

前作が国家レベルなら今回は個人レベル、、っておいおい随分スケールが小さくなったな。

単なる個人の復讐譚と化しちまってるじゃんかよ。しかも理性のかけらもない暴走男。

「ケープ・フィアー」見るためにこの映画見たんじゃないんですけど・・・。

前作のスケールと緊迫感は何処へ。。

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今そこにある危機

56850906_1出演:ハリソン・フォード、ウィレム・デフォー、アン・アーチャー、ホアキン・ド・アルメイダ

監督:フィリップ・ノイス

(1994年・アメリカ・141分)NHK-BS

内容:麻薬撲滅の指令を受け、南米コロンビアの麻薬カルテルを調査していたCIAのライアンは、アメリカ軍による非合法の軍事作戦の陰謀をつかむのだが・・・。

評価★★★★/75点

合衆国大統領をロクデナシ大統領として描いたのはこの映画のささやかな反抗ではある。

しかし、アメリカにとって麻薬カルテルの撲滅は絵空事であるどころか、麻薬そのものが“今そこにある危機”というよりも、既にあきらめがついているというのが現実なのだろう。。

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トータルフィアーズ(2002年・アメリカ・124分)WOWOW

 監督:フィル・アルデン・ロビンソン

 出演:ベン・アフレック、モーガン・フリーマン、ジェームズ・クロムウェル

 内容:CIA長官の右腕に抜擢された新米分析官のジャックは、ロシアの核兵器に関する調査を始めたが、捜査中にスーパーボウルの会場で核爆弾が爆発してしまう・・・。

評価★★★/55点

“原爆をお気楽にエンターテイメントで使うのはやめて下さい。”

「ターミネーター」はまだ許せる。

しかしこの映画でのお気楽レベルは目に余るものがあり、笑うにも笑えない状況・・。

アメリカとイスラエルの関係など、非常に挑戦的なテーマをも内包している面白い題材だっただけに残念だけど、どうもゲーム感覚の域を出ていない気がしたな。

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エージェント・ライアン

Poster2_2出演:クリス・パイン、ケヴィン・コスナー、ケネス・ブラナー、キーラ・ナイトレイ

監督:ケネス・ブラナー

(2014年・アメリカ・106分)WOWOW

内容:ウォール街の銀行で若き経済アナリストとして名を上げていたジャック・ライアンは、CIAに分析員としてスカウトされる。そんな中、世界恐慌を狙う大規模テロ計画がロシアで発覚。CIAは真相を暴くために現場経験ゼロのジャックをモスクワへ送り込むが・・・。

評価★★☆/50点

このてのスパイアクション映画って、ご都合主義やストーリー上の矛盾から逃れられない運命にあるものだけど、アクションの質や人物のキャラクター造形など細かいディテールにリアリティを付加することでツッコミ所を納得させるレベルのつくりが求められる。しかし、そこで粗がリアリティを越えてしまうと一気に作り物感が前面に押し出て白けてしまう。

で、今回、久々にその感覚を味わった(笑)。

まず、リアリティという点で最も大きくつまづくのが、恋人キーラ・ナイトレイがライアンの浮気を疑ってモスクワまで飛んできてしまうくだりだ。若い二人だけにそれだけの関係性と時間経過が描かれていたとも思えず、その中で映画の半券見つけたってだけで浮気!?でわざわざモスクワ!?ありえねーだろww

ここで4割くらい白けた

せめてここは夫婦設定の方がまだ分かりやすい気がしたけど・・。

あと、せっかく殺しもスパイ経験もゼロなホワイトカラーの金融アナリストを主人公設定にしたんだからもっとヘタレに描けよって話(笑)。

オリジナリティがゼロなんだよなぁこれ。。

今どき米ソの対立なんていう古臭いモチーフを持ち出してくる勇気があるなら、男女の痴話ゲンカなんてチープな話ではなく、もっと骨太な男の映画を見たかったよ・・。

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