2009年11月23日 (月)

夢のシネマパラダイス98番シアター:絶望的な闘いの先にあるもの・・・

闇の子供たち

1 出演:江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、鈴木砂羽、佐藤浩市

監督:阪本順治

(2008年・日本・138分)WOWOW

内容:大手新聞社のタイ特派員・南部浩行は、タイで行われている闇ルートの臓器移植の取材を始める。一方、タイの社会福祉センターにやって来たNGO職員の音羽恵子は、幼児買売春を強制される子供たちの悲惨な現実に打ちのめされながらも、最近センターに姿を見せなくなった少女の救出に奔走するが・・・。

評価★★★/65点

タイにおけるおぞましい幼児の人身売買、売買春の現実を鋭利な筆致であらわにしていく衝撃作といっていいと思うけど、生きたまま心臓をえぐり取られ、幼児性愛者にいたぶられ弄ばれ、ゴミ収集車に捨てられる子供たちの惨状には思わず目を覆いたくなってしまった。

でも、これが東京から地図の上で20cm離れた所にある現実なのか・・・。

しかし、このかなりヘビーな問題に対して目をそらさず真正面から見据えた映画の作り手の志は買いたいものの、終盤になってそれが空回りしている面は否めず、、。

特にデモ中にいきなりドンパチが始まるくだりはわけが分からない(笑)。

また、南部(江口洋介)が過去に幼児買春をしたことがあったというオチと、南部の部屋で幼児買春の事件記事が貼り付けられた鏡を与田(妻夫木聡)が凝視するラストのくだりは、観客の側の心をも暴き立てようとするがごとき強烈な問題意識にあふれていて、他人事ではいられなくなってしまうという意味でそれ自体の描写は理解できるものの、この唐突なオチのさらなる先に落としどころを持ってこなければならないはずなのに、南部が首を吊ってハイ終わりじゃなかろうに・・・。

人がそれぞれ持つ闇の恐さを暴くのも結構な話だが、それ以上に描かなければならないのは臓器売買、人身売買を成立させているシステムなり真相を暴くことなはずで、それを描かないまま中途半端に放り投げるというのは、じゃあそれまでに描かれてきた突撃取材はいったい何だったんだということになりはしまいか。。

しかも、エンディングはこれまた唐突に桑田佳佑のわけの分からん歌謡曲ときたもんだ。サザンは別格に好きだけど、この使い方には完全に辟易・・・。これだけで赤点やってもいいくらいなんだけど。。

なんというか、作り手の感情の方がヒートアップして先走っちゃって、逆に支離滅裂ここに極まれりになっちゃった悪例といえばいいだろうか。そんな映画ですた。。

重たいテーマだけに、後味の悪さは想定内だったけど、この後味の悪さは想定外だったなww。。

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トラフィック

Traffic 出演:マイケル・ダグラス、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、ベニチオ・デル・トロ、ドン・チードル、デニス・クエイド

監督:スティーブン・ソダーバーグ

(2000年・アメリカ・148分)DVD

評価★★★★☆/85点

内容:メキシコ、サンディエゴ、ワシントンの同時3点ドキュメント調で描かれる麻薬戦争の舞台裏・・・根深く浸透した麻薬の密売ルートに挑む麻薬捜査の物語。当時キャサリン・ゼタ・ジョーンズは実際にマイケル・ダグラスの手にかかり妊娠中であったが、身重の妻役をやけくそで?演じきったことでも有名ww。

“アメリカにおける銃社会が実際問題無くならないのと同様に、実際、国家対策的な麻薬戦争に勝つというのはベトナムあるいは今も続けられているテロ戦争で勝つより難しいということをアメリカ人はおろか日本人である我々もうすうす感じている。。”

需要-生産-加工-流通-消費という需要・供給システムの確立。そこに政府、国際資本、マフィア、地元ゲリラ、いたるところにはびこる腐敗などが複雑に絡み合う。

これはもう一大産業どころの話ではない。想像を絶する世界的規模のものだ。

このタガを崩すのは実際問題ムリだろう。テロ戦争に勝つより難しいといってもいいと思う。

アメリカは中南米(コロンビア、メキシコなど)への軍事援助などを展開し、ドラッグ・ウォー(麻薬戦争)を行ってはいるが、何の成果も上げていないというのが実情なのだ。

だが実は、アメリカ政府自体が何食わぬ顔で麻薬を利用してきたというウラの顔も存在することが、話をややこしくさせる・・・。

この映画でもその一端が語られているが、具体的には、世界各地で反米勢力と親米の地元勢力を戦わせる代理戦争の戦略の中で、アメリカは麻薬栽培を親米勢力の資金源にさせてきたといういわくがある。

それは例えば50年代中国国共内戦におけるゴールデントライアングルでの麻薬栽培。

60年代にかけてのキューバカストロ政権転覆を図ることを目的に、亡命キューバ人勢力の資金作りとしてアメリカ本土への麻薬密輸の容認(結局ピッグス湾事件でこのカストロ転覆作戦は失敗に終わる)。

全く同様のタイプで80年代のニカラグアやレバノンetc.

さらには、何といってもアフガニスタン。

ソ連が侵攻した際、アメリカのてこ入れによりオサマ・ビン・ラディンなどに代表されるゲリラが作られるが(後に周知の通り911同時テロでアメリカはこの飼い犬に咬まれてしまうのだが)、その資金源として麻薬栽培が行われた。そして現在、アフガンは世界最大のアヘン生産国となってしまった・・・。

アメリカのウラの顔。

と同時に、「麻薬カルテルを壊滅してやる!」と高らかに謳いあげているアメリカのオモテの顔。

、、、どう考えても救いようのない話である。

アメリカ社会の内深くまで侵攻している麻薬を消滅させるという麻薬戦争に勝つというのは、テロ戦争に勝つよりというよりも、ほとんど不可能といってもいいのではないか。

このへんのコノテーションをおそらく内包しているアメリカとまだ切実な問題となっていない日本とではこの映画の見方も違ってくるのではないだろうか。

ということで、映画の話に戻すと、この映画の凄いところは、あまりにも救いようがなくやりきれない麻薬戦争の絶望的な現実というマクロ的観点へ話を収束させ、そこに至るまでを至極客観的に描写している点にあると思う。

1つ1つの話は、家庭にドラッグが忍び込んでいくといったようにミクロ的なものだが、それらが並行・交錯して語られていくことにより、最終的にはマクロ的なものへと標榜する。

しかも別段難しいストーリーではない中で2時間30分近くで収めてしまうというのは、この監督ちょっと伊達じゃないな、と。

加えて実は最初から救いようのない話になることは自明の理であったこの映画において、ラストで差し込む微かな光は唯一の救いであるし、この終わらせ方の演出、この監督心憎いな、と。

要するにこの監督すげぇなと感心してしまいました。

もちろん、デル・トロとゼタ・ジョーンズの特筆ものの演技にも感心しなければなりませんが。

いずれにせよ、我々のいる現実世界も、そして映画の中の彼らもこの終わりなき戦いをこれからも続けていくことだろう。

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インサイダー

Insider 出演:ラッセル・クロウ、アル・パチーノ、クリストファー・プラマー、ダイアン・ヴェノーラ

監督・脚本:マイケル・マン

(1999年・アメリカ・158分)仙台第1東宝

評価★★★★★/90点

内容:大手のタバコ会社の企業秘密を暴こうと立ち上がった報道番組プロデューサーと元タバコ会社役員の姿を追った実録社会派ドラマ。

“もう一度見る価値があるかと問われれば、、、あると答えます。”

バシバシ実名が出てくる社会派の映画はもともと好きな部類ではある。しかし、ここまでズシリと重心の重い作品には最近そうは出会わない。

TV局にまで及んでくる巨大な見えざる圧力に苦しみつづけ、自分の家族の未来が人質にとられてしまうという不条理な現実を突きつけられる普通の男の闘いを静かな眼差しで見つめていく。

それは例えばマフィア犯罪の重要証人になり、マフィアに命を狙われるといった話でさえ薄っぺらく見えてしまうくらい重苦しいものだ。

勝利を勝ち取ったというヒーロー像はこの映画にはない。長く苦しい孤独ともいえる闘いが続くのみ。そして、それを演じきったラッセル・クロウの凄さ。

さらに、低音で鳴り響く音楽と凝りに凝ったカメラアングルがさらなる効果を演出していて、特に回転ドアのショットや、バーグマン(アル・パチーノ)とワイガンド(ラッセル・クロウ)が初めて会う場所での待ち合わせシーンのカメラ位置など強烈に印象に残る。

この監督に恋愛映画撮らせたらどうなるんだろうと思うくらい臨場感たっぷりのバリバリ骨太な映画だ。

しかしまぁ、硬派ネタを追い求めるバーグマンにアル・パチーノ+硬派ネタ専門家マイケル・マンとくりゃ女の出る幕はないわなぁww

ワイガンドの奥さんの気持ちと彼女がとった行動はそれが理由なんだと勝手に決めつけたいが、、、これって実話だったのね。。

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ペリカン文書(1993年・アメリカ・141分)WOWOW

 監督・脚本:アラン・J・パクラ

 出演:ジュリア・ロバーツ、デンゼル・ワシントン、サム・シェパード

 内容:法科の女子大生ダービーは、最高裁判事殺人事件に対して大胆な仮説をレポートで提出。しかし、その“ペリカン文書”と呼ばれるそのレポートは、事件の核心に迫っていた。国家上層部の黒幕に命を狙われるハメになった孤立無援の彼女は、ジャーナリストのグランサムに助けを求める・・・。

評価★★★☆/70点

社会悪の糾弾という社会派としての側面と、スリルとサスペンスとしての娯楽面が3:7、いわば広く一般受けするような興収重視の割合でブレンドされていて、非常に見やすい作品になっている。

初めて見たのが高1の時だったこともあって、オイラにとってのハリウッド製サスペンス・ミステリー映画の基準点になっている、そんな作品でっス。

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逃亡者(1993年・アメリカ・130分)NHK-BS

 監督:アンドリュー・デイビス

 出演:ハリソン・フォード、トミー・リー・ジョーンズ、ジュリアン・ムーア

 内容:シカゴの著名な外科医リチャード・キンブルは、ある夜、自宅に押し入った片腕の男に襲われ、妻を殺害される。ところが、キンブルは妻殺しの容疑で逮捕されてしまい、不利な状況証拠を突きつけられて死刑判決を受けてしまう。が、護送中に交通事故に巻き込まれたキンブルは混乱に乗じてその場から逃走、身の潔白を証明しようと奔走する・・・。

評価★★★★☆/85点

追う者と追われる者という普通対立すべき相容れない両者が、お互い執念のかぎりを尽くした逃走劇をこれでもかと繰り広げる様が非常によく描かれている極上のエンターテイメント。

そして、その相容れないはずの両者が執念から解放されたとき、お互いを認め合い妙な連帯感で結ばれていくラストに思わず拍手。

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地雷を踏んだらサヨウナラ(1999年・日本・111分)DVD

 監督:五十嵐匠

 出演:浅野忠信、川津祐介、羽田美智子、市毛良枝、矢島健一

 内容:1972年、内戦の激化するカンボジア。25歳のフリージャーナリスト、一ノ瀬泰造は、ロバート・キャパや沢田教一に憧れて戦場カメラマンを志し、激動のインドシナ半島を駆け巡るうちにアンコール・ワットをカメラにおさめることにとりつかれてしまう。しかし、そこは解放軍クメール・ルージュの聖域という超危険地帯だった・・・。

評価★★★/60点

この映画に対する作り手側のテーマが浮いちゃってるんだよねぇ。

まるで地雷原をたどたどしい足取りで歩いているみたいに地に足がついてなくて、その割りを食った役者陣がかわいそう。

2009年11月22日 (日)

夢のシネマパラダイス407番シアター:想いはつたわる!?

容疑者Xの献身

Yougisya_x_no_kensin 出演:福山雅治、柴咲コウ、北村一輝、松雪泰子、長塚圭史、堤真一

監督:西谷弘

(2008年・東宝・128分)WOWOW

内容:ある冬の日、顔を潰され指も焼かれた全裸の絞殺死体が発見される。が、ほどなく身元は富樫という男性であることが判明。貝塚北警察署の刑事・内海薫(柴咲コウ)と警視庁刑事・草薙(北村一輝)は、富樫の元妻・花岡靖子(松雪泰子)を容疑者と睨むが、彼女には完璧なアリバイがあった。困り果てた2人は、さっそくガリレオこと物理学者の湯川(福山雅治)に相談を持ちかける。そこで偶然にも、靖子のアパートの隣に住むサエない男・石神哲哉(堤真一)が、湯川の大学時代の同級生であることが分かる。やがて、湯川は石神がこの事件に関わっているのではと疑念を抱き始めるが・・・。

評価★★★★/80点

普段、小説をほとんど読むことがないオイラだけど、本屋大賞と直木賞受賞作だけは読むようにしていて。

その中でも、東野圭吾の直木賞受賞作の今回の原作は、宮部みゆきの「火車」と並んで今までで1,2を争うほど印象に残った小説。

なんて哀しく、そして心洗われる作品なんだろうと、サスペンス・ミステリーという範疇を超えた人間ドラマのエンタメ作として一気に読破してしまった。

だから、映画化されると聞いたときは、イエー^^ヾ(。・ω・)人(・ω・)ノーいshinenoteと飛び上がって喜んだけど、月9ドラマと同じ軽妙なタッチで描かれたら原作のテイストが損なわれやしないかという不安要素があって。。

、、だったんだけど、それは全くの杞憂に終わったようだ。

原作には登場しない内海薫を捨て駒にしてまで、あくまで石神と花岡靖子をメインに据え、TVドラマとは一転シリアスなトーンにして、音楽も月9でおなじみの曲はほとんど使わず、、フムフムよく分かっていらっしゃるなという印象。

石神も原作では小太りで目が細い冴えないオッサンで、堤真一はもの凄っかけ離れたイメージだったんだけども、なんともまぁ彼の演技には脱帽しちゃいましたわ。もう彼の独壇場というかんじで、映画の空気を彼一人の存在感で確定させちゃったような。

役者に引き込まれてしまうというのはこういうことを言うのかもしれないなってことを久々に感じさせてくれますた。。

その点では、柴咲コウはホント今回はご愁傷さまでしたとしか言いようがなくて、福山ガリレオとの丁々発止の掛け合いもほとんどなく、、、何の見せ場もなかったな。

ま、それは次回作に期待するとしてだ。ともかく、東野圭吾の文体がそもそもシナリオ的な要素を多分に含んでいるので映像化しやすいという面はあるのかもしれないけど、今回は「手紙」(2006)並みに心に残る秀作になったと思いまッス。

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鉄道員(ぽっぽや)

04ken01 出演:高倉健、大竹しのぶ、広末涼子、吉岡秀隆、志村けん、小林稔侍

監督:降旗康男

(1999年・東映・112分)1999/05/25・岩手教育会館(試写会)

評価★★★/65点

内容:北海道のローカル単線・幌舞線の終着駅、幌舞。駅長の佐藤乙松は、不器用だが真面目だけが取り柄の筋金入りの鉄道員(ぽっぽや)。職務に忠実なあまり、生後2ヶ月で死んでいった娘や病気で亡くなった妻を看取ることさえできなかった乙松は、近く廃線になる幌舞線とともに定年を迎えようとしていた。そんなある日、一人の少女が乙松の前に現れる・・・。

“線路は何のためにあんねん!”

前に進むためにあるんだろうが。えっ、乙松さんよ。

なのに決して前へ進むことをせず2時間もの間停車したまま動かないというのは、、、そういう映画オイラは見たくないし、何にも見出せません。

しかも挙句の果てにお棺となって前へ進む、ってのは・・・catface、あの~、勝手に逝ってらっしゃいませ。せっかく志村けんも出てることだし、ドリフでやったら。

雪と駅と健さん3点セットに目一杯サービスして★3っつ。

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ホテル・ビーナス(2004年・日本・125分)DVD

 監督:タカハタ秀太

 出演:草彅剛、中谷美紀、香川照之、市村正親、パク・ジョンウ、コ・ドヒ

 内容:フジテレビで放映されていた人気バラエティ「チョナン・カン」からのスピンオフ企画として製作されたセンチメンタルな群像ドラマ。ある最果ての街。片足が不自由な謎の老オカマ“ビーナス”が経営しているホテル・ビーナスには、生きることに希望を抱けない青年、酒に溺れる医者とホステスをしている妻、花屋を夢見る娘、常にピストルを持っている少年などワケありな人々が住んでいた。そこへある日、流れ者の男が幼い少女を連れてやって来る・・・。

評価★★/45点

フジの新春かくし芸大会でこういう外国語劇やるよね、、ってレベル。。

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人間の証明(1977年・東映・133分)WOWOW

 監督:佐藤純彌

 出演:岡田茉莉子、松田優作、ジョージ・ケネディ、ジョー山中、三船敏郎、岩城滉一

 内容:東京のホテル・ニューオータニでNYのハーレムからやって来た黒人男性(ジョー山中)が、「ストーハ」という言葉と西条八十の詩集を残して殺された。捜査線上に見え隠れするファッションデザイナー八杉恭子(岡田茉莉子)とその息子(岩城滉一)。黒人男性の過去を追って渡米する警視庁の棟居(松田優作)。やがて、八杉と黒人男性の意外な関係、そしてNY市警のシュフタン刑事(G・ケネディ)と棟居の関係が明らかになっていく・・・。「犬神家の一族」に次ぐ角川映画第2弾として、メディアミックスを駆使した大量宣伝とTVCM絨毯爆撃で大ヒットを記録した。「母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね?」は流行語になった。

評価★★★/60点

一様で扁平な内容よりも、次から次へと大物が出てくる顔見世興行の方に心が躍る贅沢な一品。

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アカルイミライ

Mirai2 出演:オダギリジョー、浅野忠信、藤竜也、笹野高史、りょう、加瀬亮

監督:黒沢清

(2002年・日本・115分)2003/01/28・下高井戸

評価★★★/65点

内容:仁村雄二(オダジョー)は、兄貴分的な存在で温厚な有田守(浅野)とおしぼり工場でバイトしている。雄二は他人とうまく渡り合えず無鉄砲な性格で、工場の社長である藤原(笹野)の言動にいちいちムカついてキレかかっている。そんな彼を見かねた守は2人だけにしか分からないサインを提案する。そしてその頃から守は自分が飼っている猛毒のアカクラゲの飼育方法を雄二に事細かに教えるのだった。そんなある日、守はクラゲを託して突然姿を消した・・・。

“守の「行け!」「待て!」の合図”

今、ウチのワン公に必死で教えてるところですflair。。

それくらいしかこの映画から得られるものがなかったんだわ・・・。

解らないようで、、、やっぱ解らない映画でした。

でも、あの真水に慣らされたクラゲたちが海に帰ったらどうなるんだろう。また順応できるのだろうか。それでも川を下っていくクラゲたち。

ラストの少年たちはあのままどこに流されていくのだろう。

時だけは変わらず流れていく・・・。

あのクラゲを見てふと宮崎あおい主演の「害虫」に出てくる、“あらゆる悪徳こそが人間存在の本質であり、善とはただかろうじて悪ではない状態にすぎない”という一説をなぜか思い出してしまった。

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嗤う伊右衛門(2003年・東宝・128分)2004/02/10・ヴァージンシネマズ六本木

 監督:蜷川幸雄

 出演:唐沢寿明、小雪、香川照之、池内博之、椎名桔平、六平直政

 内容:切腹を命じられた父親の介錯をした後、浪人へ身を落とした境伊右衛門は、御行乞食の又市から民谷家への婿入り話を持ちかけられる。相手は民谷家の娘・お岩。彼女は天然痘に冒されたせいで、顔の右側が崩れてしまっていたが、周りの冷たい視線にもめげず凛とした佇まいで懸命に生きていた。そして伊右衛門とお岩は晴れて夫婦となった。が、かつてお岩を好いていた与力の伊東はそれを面白く思わず・・・。

評価★★★☆/70点

内容はたいしたことない。しかし、観てから相当日数が経つというのに、伊右衛門、お岩、与力の伊東の狂気じみた情念だけが脳裏に焼きついて離れない。

離れようとしない・・・。

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天国の本屋~恋火(2004年・松竹・111分)WOWOW

 監督:篠原哲雄

 出演:竹内結子、玉山鉄二、香里奈、新井浩文、原田芳雄、香川照之

 内容:管弦楽団を解雇されたピアニストの健太は、人材管理人を名乗る男に連れられ、「天国の本屋」へやって来る。といっても彼は死んでいるわけではないらしく、ただのアルバイト要員だという。そこへ生前憧れていた翔子がやって来て・・・。松久淳、田中渉の小説「天国の本屋」「恋火」を基に映画化。天国と地上で交錯する愛を描いた異色ファンタジー。

評価★★★/60点

ちょっとイイ話にはなってるけど、映画として優しすぎて正直すぎることが逆にアダになっているかんじ。

ま、オイラの地元の本屋から原作が広まったのはチョット自慢だけどね。

2009年10月11日 (日)

夢のシネマパラダイス408番シアター:ジャッキー押忍!

ヤングマスター/師弟出馬(1980年・香港・100分)NHK-BS

 監督:ジャッキー・チェン

 出演:ジャッキー・チェン、ウェイ・ペイ、ユン・ピョウ

 内容:捨て子だったタイガーとチェンは、正風道場のカン先生に拾われ、カンフーを学びつつ今や立派な若者に成長していた。そんなある日、カン先生の厳しい修行に嫌気がさしていたタイガーが道場を飛び出し、大悪党キム一味の用心棒となってしまう。そんな彼を心配したチェンは、彼を連れ戻しに向かうのだが・・・。

評価★★★★/75点

“弟子にして下さい!マスター・ジャッキー!”

我らがジャッキーだったらマスター・ヨーダにも勝てる!

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プロジェクトA

51d98cnmw9l__sl500_aa240_ 出演:ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、サモ・ハン・キンポー、ディック・ウェイ

監督:ジャッキー・チェン

(1984年・香港・105分)DVD

内容:20世紀初頭の香港を舞台に、海上警察と陸上警察のいがみ合いと海賊討伐を、徹底したアクションで描いたジャッキー・チェンの娯楽大作。ドラゴンが所属する海上警察隊と、ジャガーが率いる陸上警察隊は、事あるごとにいがみ合っていた。ある日、両者は酒場で乱闘騒ぎを起こし、その非が海上警察側にあるとの裁定が下ったことで、ドラゴンたちは陸上警察に組み込まれてしまう。しかし、大掛かりな密輸組織を追って、大立ち回りを演じたドラゴンは、ジャガーと意気投合した。

評価★★★★☆/85点

“ジャッキーに飛び蹴りされたい!”

しかし、ジャッキーの決死の時計台からの落下シーンでの落下直後のセリフが、

「1つ大事なことを学んだよ。地球には間違いなく引力があるよ。エヘヘ。」って(笑)。

この期に及んでもまだ笑いを取りにいくジャッキー。

深刻さなど微塵もみせないジャッキーの映画魂にはホントに感服してしまう。

オイラの中でジャッキーはハロルド・ロイドやバスター・キートンをも超えた!まさに伝説shine

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プロテクター(1985年・香港・97分)テレ東木曜洋画劇場

 監督:ジェームズ・グリッケンハウス

 出演:ジャッキー・チェン、ダニー・アイエロ、ソーン・エリス、ロイ・チャオ

 内容:ファッションデザイナー誘拐事件をきっかけに、ジャッキー扮するNYの刑事がシンジケートを相手に香港とNYを行ったり来たりの大活躍、、、といきたいところだったが、ジャッキー2回目のアメリカ進出となった今作はまたもや不発に終わる。。3度目の正直となった「レッド・ブロンクス」で念願だった全米1位を獲得するまでさらにここから10年の月日を要した。

評価★★★/60点

やっぱジャッキーが銃を使うと面白さも半減やな・・・。

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サンダーアーム龍兄虎弟(1986年・香港・98分)NHK-BS

 監督:ジャッキー・チェン

 出演:ジャッキー・チェン、アラン・タム、ローラ・フォルネル

 内容:数千年の昔、聖地エルサレムを中心とする宗教戦争で、6種の「神の秘宝」が各地に四散した。そして、その6種の秘宝を集めることに狂奔していた邪教集団の教祖は、宝探しのプロフェッショナル“アジアの鷹”ことジャッキーに目をつける・・・。ジャッキーが石垣から木に飛び移るシーンの撮影中に誤って落下、頭蓋骨陥没骨折の重傷を負ったことでも有名。

評価★★★☆/70点

誘拐シーンでさえも思わず笑ってしまうほどの演出で彩られている本編を味わった後は、演出の域を超えたシリアスなNGシーンでお口を調えて下さい。

ジャッキー命punch

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プロジェクトA2(1987年・香港・105分)DVD

 監督:ジャッキー・チェン

 出演:ジャッキー・チェン、マギー・チャン、ロザムンド・クワン、リッキー・ホイ

 内容:前作で海賊グループの壊滅に成功したドラゴンは、その功を買われ水上警察署長に任命された。が、ダイヤ泥棒の濡れ衣を着せられてしまい、さらにドラゴンの就任を快く思わない前署長がドラゴンを失脚させるために陰謀を張り巡らしてきて・・・。

評価★★★★★/90点

TVのリモコンの消音ボタンを押してそのまま観続けても面白さが全く減退することがない。この映画の凄さはそこにある。

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プロジェクト・イーグル(1991年・香港・116分)NHK-BS

 監督・脚本:ジャッキー・チェン

 出演:ジャッキー・チェン、ドゥドゥ・チェン、エバ・コーポ

 内容:「サンダーアーム/龍兄虎弟」のキャラクターである“アジアの鷹”が再び登場する、ジャッキー版インディ・ジョーンズ。

評価★★★★/80点

キートンとフェアバンクスはいつものことながら、インディ・ジョーンズにチャーリーズ・エンジェルかよ。ジャッキー最高っ!押忍!

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ツイン・ドラゴン

Pibf1182_l 出演:ジャッキー・チェン、シー・チェン、レン・シークアン

監督:チュン・チュアン

(1992年・香港・104分)DVD

評価★★★★☆/85点

内容:赤ん坊の時に生き別れになり離ればなれに育った双子の兄弟。兄はNYで一流指揮者となり、弟は香港の暗黒街で生きていた。その双子が再会を果たし、マフィアを相手に戦いながら繰り広げる恋のさや当てを描いたアクション・コメディ。ジャッキーは一人二役の大奮闘。

“ジャッキーこそサイレントどたばた喜劇の正統な後継者であるということをこれほどまでに示している映画もなかろう。”

大げさな仕草、単純明快な筋立て!

セリフなんていらない。字幕でいい!

音なんていらない。簡単な想像力だけでいい!

色なんていらない。モノクロでいいんだ!

サイレント映画にしても十分すぎるほど通じちゃうんだ。これぞジャッキーなのだ!

ジャッキー命!押忍っ!

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レッド・ブロンクス(1995年・アメリカ・105分)盛岡中劇

 監督:スタンリー・トン

 出演:ジャッキー・チェン、アニタ・ムイ

 内容:NYのブロンクスで休暇を過ごしていたクーン刑事が、ダイヤ密売シンジケートによって荒廃した街を救うため、巨大な悪に立ち向かう!

評価★★★★★/100点

同時上映だったスタローンの「ジャッジ・ドレッド」がなんとチンケに見えたことか。。

ジャッキー映画の中で実はこれが1番好き。

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WHO AM I?(1999年・香港・120分)Video

 監督:ジャッキー・チェン

 出演:ジャッキー・チェン、ミッシェル・フェレ、山本未来

 内容:ヘリの墜落で救出された男は記憶を失っていた。原住民から“フー・アム・アイ”と名付けられた男は、自分の記憶を求めて町に出るが、なぜか命を狙われるハメに・・・。

評価★★★/65点

ワールドワイドにロケするのは結構だが、それと反比例してジャッキーのコミカルアクションが減るのは困る。

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シャンハイ・ヌーン(2000年・アメリカ・111分)WOWOW

 監督:トム・デイ

 出演:ジャッキー・チェン、オーウェン・ウィルソン、ルーシー・リュー、ロジャー・ユーファン

 内容:西部開拓時代のアメリカ。アメリカに連れ去られた中国の王女を救い出すため、近衛兵チョンとガンマンのロイが手を組んだ!ジャッキーのハリウッド進出第2弾となった西部劇カンフー・アドベンチャー。

評価★★★☆/70点

単純明快、完璧なご都合主義、コミカルアクション。

これがジャッキー映画なのでっス。ハリウッドに行っても変わらないスタンスはご立派。命がけアクションは影をひそめたものの、やはり見ていて楽しい。

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ラッシュアワー2(2001年・アメリカ・90分)WOWOW

 監督:ブレット・ラトナー

 出演:ジャッキー・チェン、クリス・タッカー、エリザベス・ペーニャ、チャン・ツィイー

 内容:香港のアメリカ大使館で、少女による爆破事件が発生。香港にバカンスに来ていたリー捜査官とカーターが捜査を進めるうちに、事件は思いもよらない方向へ展開していく・・・。

評価★★★/55点

白すぎケバすぎチャン・ツィイー、、、けど喜んで彼女のかかと落とし受けます!

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タキシード(2002年・アメリカ・99分)DVD

 監督:ケヴィン・ドノヴァン

 出演:ジャッキー・チェン、ジェニファー・ラヴ・ヒューイット、ジェイソン・アイザックス

 内容:運転の腕前を買われて富豪の運転手にスカウトされたジミー。ある時、富豪のタキシードに袖を通してみると、なんとダンスや格闘技までこなせる特殊能力が身についてしまった。実は諜報部員だった富豪になりすまし、ジミーは危険な任務に挑むのだが・・・。

評価★★/40点

ジェニファーのお色気攻撃が、いちいちウザイ。。

と、エロエロな自分が言うのもなんだかだけど、オイラはジャッキーだけが見たいのよ、ジャッキー映画では。

まぁ今までのジャッキー映画でジェニファーと似たような女キャラがいないではなかったけど、ジャッキーとテンポが合ってないんだよなぁ今回は。かみ合わないテンポに最後までノリきれず・・・。

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シャンハイ・ナイト(2003年・アメリカ・114分)DVD

 監督:デビッド・ギブソン

 出演:ジャッキー・チェン、オーウェン・ウィルソン、ドニー・イェン、アイダン・ギレン

 内容:1887年、アメリカで保安官となったチョンに、中国皇帝の龍玉を守っていた父が謎の英国人に殺されたとの報せが届く。チョンはかつての相棒ロイを連れ、ロンドンへ向かう。

評価★★☆/45点

“ジャッキーvsドニー・イェン3分12R紫禁城-ニューヨーク-ロンドン決戦の方が客呼べると思う。。”

好きな映画スターは誰かと訊かれたら真っ先にジャッキーの名を挙げるオイラでもさすがにこれは評価できない。

話にキレがなければジャッキーにもキレが・・・見てて哀しくなってきちゃったよ。。

前作は、異文化同士の出会いと摩擦によるギャップのコミカルさが面白かったし、アクションにもそのコミカルさが反映されていた。

もともとジャッキー映画のアクションはコミカルさが売りだから、その点でも前作はストーリーとアクションの相乗効果がしっかりかみ合っていたと思う。

ところが、本作ときたら。

何が問題って、ジャッキーの中国人としてのアイデンティティが全くゼロになっちゃってて、ほんとジョン・ウェインという名前のアメリカ人になっちゃってるんだよね。だから相棒のホンマもんアメリカ人との絡みも全然面白くない。

妹リンちゃんを主人公にした方が良かったんちゃうか。。

あ゛っ、次作“シャンハイ・モーニング”なんてのはナシだぞ(笑)。

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メダリオン(2003年・香/米・88分)DVD

 監督:ゴードン・チャン

 出演:ジャッキー・チェン、クレア・フォーラニ、リー・エバンス

 内容:聖なるメダルで死者を蘇らせることができる少年ジャイ。彼を狙う犯罪組織スネークヘッドを、香港警察のエディが追う。一度は命を落とすエディだったが、メダルの力で超人的パワーを得て復活する!スゴッ。。

評価★★★/60点

最初はハリウッド映画としてのいい加減さが目に付いてどうなることかと不安になったけど、途中からは香港映画としてのいい加減さが板について安心して見ることができたというオチ。

たとえハリウッドで映画を作ろうともジャッキー映画の基本は香港映画特有のいい加減さにあると思うわけで。そうじゃないとジャッキー映画は面白くならないのでっス!といういい加減な感想・・。

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80デイズ

80day 出演:ジャッキー・チェン、スティーブ・クーガン、セシル・ドゥ・フランス、ジム・ブロードベンド

監督:フランク・コラチ

(2004年・アメリカ・121分)2004/11/16・MOVIX仙台

評価★★/40点

内容:1956年にアカデミー作品賞受賞した「80日間世界一周」をジャッキーの製作総指揮・主演でリメイク。19世紀のロンドン。変わり種の発明家フォッグ氏は王立科学アカデミー長官ケルヴィン卿と80日間で世界一周ができるかどうか賭けをし、無謀な旅に出ることに。フォッグ氏のお供をするのは、イングランド銀行から有名な仏像を盗み、フォッグ氏の助手に成りすましているパスパルトゥーことラウ・シン(ジャッキー)だった・・・。

“シュワちゃん、サザエさんになるの巻!?いやいや、あれは「あたしンチ」に出てくるオカンそのものだぁッ!フ~~ッ、、、アホらし・・・。”

そもそもなぜジャッキーである必要があるのか。

徹底的にジャッキー色に染めてくれるのならまだしも、あれじゃただロケハンを映画にしただけだろ、おい。。

しかもスケールがどう考えても50年前のオリジナル版の方がデカイぞ・・・。

カメオ出演という言葉を生み出したともいわれる元祖デヴィッド・ニーブン版には、フランク・シナトラ、マレーネ・ディートリッヒ、シャルル・ボワイエ、バスター・キートンをはじめとして43人もの往年の大スターが出てくるけど、今回のはどうだ。

どっかの首相じゃないけどサプライズが足りへんよサプライズが。

しかしまぁオリジナル版はいろいろな意味でビッグだったわけで、トッドAO方式なる大型スクリーン方式で撮影され、エキストラは7万人!

それは1950年代後半という時代が映画産業に求めたニーズでもあったわけで、世界一周というプロットも含めその時代と見事にマッチした当時としては破格にビッグな映画だったのだ。

それでなければアカデミー賞で5部門も獲れるはずはなかろう。

だが、それから50年後のグローバリゼーション全盛の今の時代に八十日間世界一周をリメイクすることにどんな面白さを見出せるというのか。

企画段階で気付けよ、と言ってやりたいがネタ切れ問題が深刻なハリウッドにとってはワラをもつかむ気持ちだったのか・・・。

もう、やけのやんぱちでジャッキーを起用したとしか考えたくないけど、ハリウッド超大作と呼ぶにはあまりにも貧相で稚拙であり、またジャッキー映画と呼ぶにはあまりにも笑うに笑えない薄っぺらさである。

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THE MYTH/神話

Imgf27cfd53exz1i7 出演:ジャッキー・チェン、キム・ヒソン、レオン・カーフェイ、マリカ・シェラワット、チェ・ミンス

監督・脚本:スタンリー・トン

(2005年・香/中・120分)2006/03/27・MOVIX仙台

内容:我らがジャッキーが初めて挑んだ本格武侠アドベンチャー。考古学者のジャックは最近同じ夢ばかり見ていた。その夢に登場する美しい女性のことが頭から離れないジャックだったが、この夢が何を意味しているのか分からなかった。一方、今から2200年前、秦の時代。皇帝の信頼厚い将軍モンイーは、隣国の朝鮮から迎える新たな妃・ユシュウ姫の警護を任されるが・・・。

評価★★★★/80点

「グリーン・デスティニー」が火をつけ、それ以来毎年のように送り出されてきた武侠映画。

そこに最後の大物ジャッキー・チェンがついに重い腰を上げた、ということだけでもジャッキーファンの自分は感涙ものなのだが、一抹の不安としてあったジャッキーのアイデンティティであるコミカル要素がはたして武侠映画の要素と相容れるのかという部分も、現代(コミカルないつものジャッキー)と2200年前の昔(シリアスなジャッキー)という2段階構成にすることによって、ジャッキーの良さと特徴を活かすことに成功している。

2段階構成にしたことにより武侠映画としては異質になったものの、そのかわりストーリーに深みが増したこと、ジャッキーの硬軟織り交ぜた信頼に足るアクション、今までのジャッキー映画の中でピカ一の韓国美人女優キム・ヒソンが相手役となりロマン要素も十分、中国政府の前面協力によるスケール感アップと久々にジャッキー映画を心ゆくまで堪能できた気がする。

もちろんジャッキー映画に伝統的な稚拙さやご都合主義もいつになく健在なのだが、ジャッキーファンのオイラにとってはこの部分が健在であればあるほどジャッキー映画の良さが際立ってくると思っているので、その点でも合格点です。

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プロジェクトBB

Projekutobb 出演:ジャッキー・チェン、ルイス・クー、マイケル・ホイ、カオ・ユアンユアン、ユン・ピョウ

監督:ベニー・チャン

(2006年・香港・126分)2007/04/10・盛岡名劇

内容:ギャンブル狂のサンダル(ジャッキー)、妻がいながら他の女に貢いでいるフリーパス(ルイス・クー)、心を病んだ妻を抱える大家(マイケル・ホイ)は3人組の泥棒チーム。そんなある日、大家の家に空き巣が入り、盗んで貯めた大金が盗まれてしまった。追いつめられた3人は、ギャングのボスから仕事を請け負い、富豪のリー家から赤ん坊を誘拐してしまうのだが・・・。

評価★★★★☆/85点

「香港国際警察NEW POLICE STORY」(2004)でハリウッドナイズされたジャッキーの香港への原点回帰といえる帰還にもろ手を挙げて喜んでから3年、ついに香港でのジャッキーの本領発揮といえるアクションコメディがお目見えした!

「赤ちゃん泥棒」(1987)はたまた「スリーメン&ベイビー」(1987)をなぞったような、これぞ香港映画というユル~いストーリー、ジャッキー映画十八番のドタバタ劇、そしてジャッキーのコミカル&決死アクションの三拍子そろった、これぞ香港ジャッキー映画決定版といえる出来で、「ツイン・ドラゴン」(1992)を彷彿とさせる三拍子そろった楽天的なジャッキー映画を見ることができて非常に満足度は高かった。

必死の格闘バトルで死人が1人も出ないところもいつもながらに好感が持てるし、今回は吹き替えで観たんだけど、マイケル・ホイ役の広川太一郎の脱力オヤジギャグ満載のアドリブも炸裂して十分に楽しめる。

もうちょっとアクションの方に比重を置いてほしかったかんじもするけど、まぁ年だしねジャッキーも。あんまり無理されてもね。例えば、階段の長い手すり(しかもカーブがかっている)をうつ伏せになって頭から滑り降りるシーンひとつとっても、フツーに考えたら本当に危ないで。エンドロールのNG集にもあったけどさ。

ジャッキー最高!!

しかし、赤ん坊を投げるわ落とすわ引っ掴むわ爆走させるわ凍らせるわ電気ショックを与えるわ、、、アンタらちょっとやり過ぎだぞ(笑)。

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ドラゴン・キングダム

869cdda7 出演:ジャッキー・チェン、ジェット・リー、マイケル・アンガラノ、コリン・チョウ

監督:ロブ・ミンコフ

(2008年・アメリカ・105分)WOWOW

評価★★★★/80点

内容:ボストンに住む気弱なカンフーオタクの学生ジェイソン。ある日、彼は不良たちに脅されて、中国人の老人が経営する馴染みの質屋に盗みに入るハメに。そして不良に撃たれた老人に謎の棒を託されたジェイソンも追い詰められてしまい、ビルの屋上から転落・・・。が、目を覚ますと、そこは言葉も通じない古代中国だった。そんな中、ジェイソンの前にルー・ヤンという酔拳の達人が現れ、その棒がジェイド将軍によって石に封印されてしまった孫悟空の武器「如意棒」だと知らされる・・・。

“これがホントのドラゴンボールだ!!”

宮本武蔵vs佐々木小次郎、武田信玄vs上杉謙信、星飛雄馬vs花形満、バッファローマンvsウォーズマン、矢吹丈vs力石徹、孫悟空vsべジータ、アル・パチーノvsロバート・デ・ニーロ、、、

これらドリームマッチにまた新たな1ページが加わった。

ジャッキーvsジェット・リーshine!!

この2人の共演を見れただけでもファンとしては嬉しいかぎりだけど、往年のカンフー映画にオマージュを捧げつつ、元祖酔拳のジャッキーと元祖少林寺拳法のジェット・リーという最高の素材を甦らせた手腕もなかなかのもので、しかもこれを実現したのがアメリカ映画というところがスゴイしビツクリ。

かなり香港映画のお勉強というか好きじゃないとこういうのは作れないと思うんだけど、2人のキャラを殺さずに両雄並び立たせた作り手の上手さには思わず納得してしまった。

スター・ウォーズでいえば、オビワン・ケノービとマスター・ヨーダにジャッキーとジェット・リーをあてて、2人の間にルーク・スカイウォーカー役のカンフーオタク少年を介在させるつくりは、まぁ型にハマりすぎているといえばそれまでだけどもね。

でも、これしか選択肢はなかっただろうし、あるいはハリウッドに対抗して本場香港でホンモノの1本を2人に作ってもらうってのは欲張りかな。。

2009年9月14日 (月)

夢のシネマパラダイス52番シアター:我が最大のヒーロー!インディ・ジョーンズ!

Raiders0 レイダース失われた聖櫃《アーク》

出演:ハリソン・フォード、カレン・アレン、ウォルフ・カーラー

監督:スティーブン・スピルバーグ

(1981年・アメリカ・115分)

内容:1936年、考古学者インディアナ・ジョーンズ博士は、軍情報部の依頼で、モーゼの十戒を収めた伝説の秘宝、聖櫃探しの旅に出る。ヒマラヤで恩師の娘マリオンと会い、埋蔵地の手掛かりを得るが、ナチスのスパイに邪魔をされてしまう。カイロへと飛んだジョーンズは、遂に埋蔵地をつきとめるのだが・・・。

評価★★★★★/100点

10歳の頃のBEST1は間違いなくインディシリーズだった。初見は懐かしの水野晴郎の饒舌ぷりが懐かしい金曜ロードショーだったと思うが、まさにバイブルだった。

どれほど夢と楽しさを与えてくれたか計り知れない。

あれから長い月日を経た今でもそれは変わらないし、聖櫃のように封印されることなく今後もこの気持ちは変わることはないだろう。

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インディ・ジョーンズ魔宮の伝説

Plx052235_1 出演:ハリソン・フォード、ケート・キャプショー

監督:スティーブン・スピルバーグ

(1984年・アメリカ・119分)

評価★★★★★/100点

内容:前作レイダースの1年前にあたる1935年。上海からインドの奥地にやって来たインディは、村人から聖なる石の奪回を頼まれる。そしてインディは、ジャングルの奥地にある魔の宮殿に向かう。

“古き良き時代の映画を全く恥じることなく踏襲しているからこそ、広く観客の支持を集めた映画。そして観る側にも作る側にもそれを許す土壌があった最後の時代・・・その時代に出てきたまさに伝説たりうる映画。”

インディ・ジョーンズシリーズで古典ものの影響をこれ見よがしにさらけ出してみせたのはこの映画が1番でしょう。

のっけから往年のミュージカルを思わせるレビューショーから始まるのだから。

特に踊り子たちを真上から撮るショットなんて「四十二番街」でのいわゆるバークリー・ショットといわれる有名な手法でしょ。

さらにインドの邪教集団が出てくる活劇は「ガンガ・ディン」そのもの。その他にもいろいろ影響を受けてる映画はあると思いますが、大体がインディシリーズの舞台となった1930年代に公開されてる映画だと思います。

まさに古典、クラシックというわけですよね。

この映画のスゴイところは、往年の古典的な要素をベースとしてツボを押さえたSFXを随所に散りばめて展開させている点で、まず最初に特撮ありきという映画ではないということが長く人気を保っている所以なのだと思います。

そういう点では同年に公開された「ゴーストバスターズ」と比べれば一目瞭然。当時のSFXをふんだんに駆使した「ゴーストバスターズ」はただ新しいだけの映画であり、20年経った今ではただ古いだけの映画ですもんね。では、インディ・ジョーンズはどう形容できるかといえば、“古くて新しい”といえるのではないかなと。

“古くて新しい”という一見水と油ともいえる要素をくっつけることだけでもスゴイことなのに、この映画ではうまく調和させてますからね。ホント脱帽しちゃいますよ。

具体的なシーンを挙げれば、セスナ機からゴムボートをパラシュート代わりに使って飛び降りるという合理的に考えればこんなんあり得ないだろというシーン。

このシーンは時代は下ってしまうけど、おそらく007から来ていると思うのですが、007映画もスパイ映画という1ジャンルを確立したいわば古典(ただ、スパイ映画の本流をたどれば間違いなくヒッチコックに行き着きますが)。

007映画なんか今でも平気でああいうシーン出すけど、007映画だから許される手法だと思うわけです。今の映画ではまずあり得ないシーンでしょ。

ともかくそういう古典的要素を踏襲しながら新しい要素を付け加える。このシーンでいえば、ゴムボートが着地した後、さらに谷底に落ちていくという息もつかせぬ二段落ちを見せる。ここで特撮を使ってますよね。

まさに古くて新しいという典型だと思うのです。

だから全く嫌味にならずに楽しく見れるのだと思います。さらに同じ手法をとっているシーンが随所に見られるわけで、“完璧なご都合主義”とでも形容すればいいでしょうか。

さて、この映画が公開された1980年代というのはSFXが映画自体に占める割合が格段に大きくなるまさに初期段階。

もちろん火付け役となったのは1970年代の終わりにつくられた「スター・ウォーズ」と「エイリアン」なわけですが、ちょうど魔宮の伝説が公開された84年には「ターミネーター」と「ゴーストバスターズ」が公開され、画期的ともいえるSFXがクローズアップされた年でもあります。

そしてだんだんと映画自体そのものよりもSFXという技術に目がいくようになり、しまいには映画自体がSFXに食われてしまうという悲惨な映画も次々に生まれてくるわけですよね。

つまり、古典的な要素と新しい要素の均衡が取れなくなっていくわけで、まさに1984年あたりの時代はそういうアンバランスが現出してくるちょうど境目にあたる時代だといえると思うのです。

要するにこの魔宮の伝説というのは、古い要素と新しい要素のバランスが取れていた時代の最後の作品なのではないかな、と。。

85年には「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でしょ。まさに境目に位置する伝説たりうる映画ですよこの2作は。

そしておそらく「ターミネーター2」の1991年あたりでバランスは完全に崩壊したと思うのです。前年の1990年に「BTF3」、1989年に「インディ・ジョーンズ最後の聖戦」ですから、そう考えていいでしょう。

となると、当然インディ・ジョーンズ4作目の製作が進まなかったという理由も分かる気がするんです。古典的要素と新しい要素のバランスがとれなくなった90年代そして2000年代。

例えば「ハムナプトラ」なんかを観てもインディ・ジョーンズ4作目は作らない方がいいのではないかなと思わざるをえません。

「ハムナプトラ」はあれはあれで面白いのだけど、古典的要素と新しい要素のバランスはとれないんだ!と最初から開き直ってますからね。インディ・ジョーンズがああなったら困るなぁ。。不安ですね。

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インディ・ジョーンズ最後の聖戦

Indiana6 出演:ハリソン・フォード、カレン・アレン、ケート・キャプショー、ショーン・コネリー、リバー・フェニックス

監督:スティーブン・スピルバーグ

(1989年・アメリカ・127分)

評価★★★★★/100点

内容:ナチス・ドイツが猛威を奮っていた1938年。インディは行方不明の父親と、キリストが最後の晩餐で使ったという“聖杯”を探しにベニスへ飛ぶ。

“インディ・ジョーンズを子供の頃に観て、考古学者になる夢を抱き、実際に考古学の道に進んだくらいだから、もう言葉では言い表せません。ちなみに実際の考古学はあそこまで命がけではありません。あしからず。”

今見返してみると、香港映画にも負けず劣らずのご都合主義のオンパレードなんだけどね(笑)。そのことについては魔宮の伝説で述べた通りです。

ま、逆にそれを見るのがうれしくて楽しいのですよ。ハイ。

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インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国

20080712_180743 出演:ハリソン・フォード、シャイア・ラブーフ、レイ・ウィンストン、カレン・アレン、ケイト・ブランシェット

監督:スティーブン・スピルバーグ

(2008年・アメリカ・124分)2008/07/11・盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:1957年、米ソ冷戦の真っ只中。女諜報員スパルコ率いるソ連秘密部隊は、インディを捕らえ、宇宙の神秘を解き明かす力を秘めているというクリスタル・スカルの探索を強要する。スキをみて脱出したインディだったが、今度は母親を誘拐されたという青年マットと出会い、南米に向かうことに・・・。

“X-ファイル・ザ・ムービー/ファイナル・ディシジョン!?”

X-ファイルのモルダーとスカリーが出てくる映画かと見紛うばかりのオチには少し引いてしまったところもあったけど、まずは自分にとっての最大のヒーローの復活を素直に喜びたいかな。

冒頭のシルエットと後ろ姿の登場シーンには我が身が打ち震えちゃったもん。

とともに、ハリソン・フォードあってのインディ・ジョーンズなのだということも痛感。おなじみの服とムチを身に付けたハリソンの出で立ちは19年前よりもよりいっそうしっくりきているかんじで、ラストにシャイア・ラブーフからトレードマークの帽子をひったくるシーンに象徴されるように、まだまだ現役バリバリのインディの姿を見れたことはファンにとっては嬉しいかぎり。

また、VFX技術最盛の今にあって、30年代冒険活劇映画を意識した程よいローテク感と、“スピード感のない”マンガ的なアクションをオリジナルからしっかりと継承し、インディ・ジョーンズの世界観を壊さなかったのもファンとしてはひと安心。

ジェイソン・ボーンやダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドのようなリアルな肉弾アクションはインディ・ジョーンズには必要ないわけで、そこらへんは変に欲を出さずに演出してくれて良かった。

ヤヌス・カミンスキーの映像にどうしても硬さが出てしまうのはちょっと気になったけども。。

さて、どうしても触れないわけにはいかない“グレイ”なオチの内容だけど、旧約聖書に登場する神秘のアーク、インドの邪教集団の黒魔法、キリストの聖杯という今までのネタからみても、オカルト超常現象+トレジャーハンター+アドベンチャーという要素を満遍なく取り入れた本シリーズが、いわゆる超古代文明のオーパーツと切っても切り離せない宇宙人来訪説ネタに行き着くのは今までのシリーズから脱線してるわけでは全然ないんだけども、、、真正面からおなじみのグレイの姿をバン!と出す必要があったかどうかは疑問ww。

まぁ、インディも年を食って50年代を舞台に設定せざるを得なかったことで、50年代B級SF映画の要素を取り入れるには格好の題材であることには違いなく、巨大アリの襲撃とか空飛ぶ円盤なんてその象徴のようなものだしね。

ただ、B級のつくりでバリバリのA級であることがインディシリーズの強みであったとすれば、今回はあのオチでホンマもんのB級になっちゃった感が強く、伝説であり続けた30年代のインディがエルビス・プレスリーのロックとともに幕を開ける50年代で生きるのはギリギリ限界なのかなとも思ってしまった・・・。

ネバダの核実験に遭遇し、冷蔵庫に隠れて難を逃れるシーンなんてだいぶムリがあるし(笑)。。ここはB級に描くところじゃないやろと・・・。

しかし、その中で、敵役スパルコ大佐に扮したケイト・ブランシェットが、往年の大女優マレーネ・ディートリッヒを彷彿とさせる雰囲気を出していて、映画のバランスを保っていたのはさすが。

まぁ、とにもかくにも作られることはないだろうと思っていた4作目が作られたってだけでもありがたいこった。手ぐしを手放せないリーゼント頭のマット(シャイア・ラブーフ)へとバトンが受け継がれていくのかも気になるところだけどね。

ところで、インディがCIAの前身であるOSSに所属していたというのは意外。ようするにスパイ活動もしていたことがあるってことでしょ。

その頃を舞台にしたスピンオフ作品も観てみたいものだけど、ハリソンの年齢を考えるとやっぱムリか・・。

とにもかくにも「インディ・ジョーンズ~墓泥棒と冒険家と、時々、教授~」は永遠にオイラの心の中に残り続けていくことだろう。

また、いつかその扉のカギを開く時がやってくることを願いつつ・・・。

2009年8月 6日 (木)

夢のシネマパラダイス6番シアター:ガチ☆ボーイ

ガチ☆ボーイ

Img080306 出演:佐藤隆太、サエコ、向井理、仲里依紗、宮川大輔、泉谷しげる

監督:小泉徳宏

(2007年・東宝・120分)CS

内容:とある大学。安全第一を是とするプロレス研究会に五十嵐良一という学内屈指の優等生が入門してきた。せわしなくメモを取りながら練習に励む五十嵐だったが、肝心の段取りがまるで覚えられない。そんな中、商店街でのデビュー戦で案の定段取りを忘れた五十嵐は掟破りのガチンコファイトをしてしまい、一躍人気レスラーに。しかし、そんな五十嵐には深刻な秘密があった・・・。

評価★★★★/80点

K-1やボクシングは好きで見るけど、出来合いのストーリー性の中で繰り広げられる筋肉ムキムキのエンタメお遊戯ショーにしか見えないプロレスは面白くなくて燃えないから見ない。

そんなオイラが初めてプロレスの試合に燃えた。熱く燃えまくったpunch

司法試験に受かったくせにプロレスの段取りは覚えられなくてカンニングしてしまうというガリガリの五十嵐(佐藤隆太)のキャラがそれ自体コメディとして面白かっただけに、まさかその裏に、眠るとその日のことを全て忘れてしまう高次脳機能障害というシリアスな記憶障害ネタが隠れていたとは思いもよらず・・・。

プロレスのみならず朝起きてからの一分一秒を否が応にもガチンコ勝負せざるを得ない五十嵐の奮闘に、日々のんべんたらりんと生きてる自分が喝を入れられたような、そんな感動を味わうことができた作品だった。

また、記憶障害を単なるあざといダシネタに終わらせずに、真摯かつ妥協なく描いているという点でも、「タイヨウのうた」(2006)で難病ネタを扱いながら丁寧な筆致が印象的だった小泉徳宏監督の演出は今回も健在で好印象。

あとは、やっぱなんといっても佐藤隆太だな。深刻な秘密を覆い隠さんばかりの満面の笑顔は見ていてツラクなってくるほどだったけど、佐藤隆太の長所がうまくハマッたかんじで、ガチの熱演を見せてくれていたと思う。

頭ではなく、身体で覚えた記憶で生きる実感を取り戻そうとする五十嵐のガチンコの生きざま。

はたしてオイラは生きる実感をしっかり持っているのだろうか。それすらビミョーだ・・・。もうギブアップ寸前です(笑)。。。

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(おまけ)

ウォーターボーイズ

Image01 出演:妻夫木聡、玉木宏、平山綾、眞鍋かをり

監督:矢口史靖

(2001・東宝・91分)DVD

評価★★★☆/70点

内容:部員が男ひとりという唯野高校水泳部に突如やって来た美人女性教師佐久間先生。すると彼女目当てに男どもがこぞって入部してくるが、佐久間先生は満面の笑みで「シンクロやって文化祭で発表しまーす!」と言い出してしまう。結局それを聞いた男どもはこぞって退部していく。残ったのはたったの5人、、、はてさて。。

“ぅおりゃーっ妻夫木ぃぃぃ、綾ちゃんと腕組むなーーっ!腕が綾ちゃんのムネに当たっとるじゃないけーわれーっ・・・ゴホッ”

理屈抜きで面白いです。てか理屈で観たらダメなんですね。

眞鍋かをり先生が「有象無象が寄り集まってるだけじゃない」とおっしゃってたように、こういうのは頭ん中カラッポにして観ないと。

どっかのお笑い番組でも見てるかんじでオイラは観ちゃいました。

要は映画じゃない!記号でしょこれって。さらに言えば、マンガでしょ。

この映画でリアリティといったら柄本明くらいなもんだし(笑)。だって竹中直人が出てるっつうだけで予想はつく。

ただ、唯一許せないのは、妻夫木が最後躊躇すること。

お笑い番組で芸人さんが躊躇することなんて普通ないだろーが。なのに何で恥ずかしがるんだよ。その後のシンクロ演技で綾ちゃんに堂々と迫ってるくせに。

あそこでフツーの心理描写を持ってくるなっつーの。

けどもなんだかんだ言ってこういう映画もたまにはイイな。

2009年6月10日 (水)

夢のシネマパラダイス197番シアター:恐怖のウイルス感染★バイオハザード★

バイオハザード

Bhl 出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ミシェル・ロドリゲス、エリック・メビウス、ジェームズ・ピュアフォイ

監督・脚本:ポール・W・S・アンダーソン

(2001年・アメリカ・101分)2002/09/09・MOVIX仙台

評価★★★/65点

内容:外部と遮断されたバイオ研究所で、人類を滅亡させる新型ウイルスが流出。事態収拾のため特殊部隊が送り込まれるが、ウイルスによってゾンビと化した研究所員たちに襲われ、次々と命を落としていく。隊員のアリスは必死の攻防を繰り広げるが・・・。

“他人がプレイしているTVゲームを横で見ていることほど味も素っ気もないことはない。。この映画にも同じことを感じる。”

冒頭からバイオハザードの世界に難なく入っていけるのはこの映画の巧みさではある。

しかし、ただそれだけという感がどうしても否めない。

自分がTVゲームでプレイしている時に感じる怖さというものはこの映画からは感じられないのだ。

ゾンビにとっ掴まれてガリガリ喰われてしまう時に自分に及んでくる生々しい感触も、次の角を曲がると何かが潜んでいるのではないかという得体の知れない言い知れぬ恐怖もここには無い。

良くも悪くも洗練されてしまっていると言えばいいだろうか。

ま、そりゃ自分がプレイしているという自分主体のTVゲームと、作り手主体の映画とでは、はなっから較差が生じてしまうのは当然といえば当然だけど。

バイオハザードの世界観を表現しきれていたということからすれば、この映画はこれはこれで成功しているといえるのかもしれない。

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バイオハザードⅡ アポカリプス

Biohazard_2 出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、シエンナ・ギロリー、ジャレッド・ハリス、オデッド・フェール

監督:アレクサンダー・ウィット

(2004年・アメリカ・94分)DVD

評価★★★/60点

内容:無事に地下施設から生還したアリスたちは、アンデッドに支配されたラクーン・シティからの脱出を図ろうとするが、脱出口のブリッジは封鎖されていて・・・。

“完全に安心しきって、くつろいで見れてしまうのは、やはり結局のところコントローラを自分が握っているか作り手側が握っているかというところに行き着いてしまう。”

1作目よりもスケールがでかくなっていて見応えがあるのはたしかで、ラクーン・シティの市街戦なんかは、ふと「ブラックホーク・ダウン」を思い浮かべてしまうほどの出来栄え、、、と言ったら言いすぎだな、ハイ。

ところがだ、スケールがでかくなっているのはいいものの、それに比例して面白さが付いてくるのではなく、ミラジョヴォの強さが比例してしまったのが何とも救いようがないところ。。

おかげで超人になっちゃいました、、、ってキン肉マンにでも出とけぇ!!

だから非常に安心して見れちゃうのねこれ・・・。

ん?待てよ。

自分がプレステでバイオハザードやる時はいっつも絶望的な戦いを繰り広げてるんだけど。そこんとこどうなのよ。

安心して見させるのは、この作品においては限りない罪でっせアータ!

だから、要するに、、、ミラジョヴォいらね。。。

あ、そうしないと客来ない?

そっかぁ、、客寄せかぁ、、、ってことにならないでね3作目は。

って作るのかよ!

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バイオハザードⅢ(2007年・アメリカ・94分)WOWOW

 監督:ラッセル・マッケイ

 出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、オデッド・フェール、アリ・ラーター、イアン・グレン、アシャンティ

 内容:T-ウイルスの感染は世界中へ広がり、地上世界は急速に砂漠化、さらに人類は次々にゾンビ化していく。その中で、地下施設に潜っていたアンブレラ社は、アリス計画なるものを始動させる。一方、アンブレラ社の研究施設から脱走していたアリスは、ウイルスの及ばない安息の地アラスカを目指すが・・・。

評価★★★/60点

はっきりいってバイオハザードという冠を付けてるのがバカらしいくらいかけ離れちゃってる作品になっちゃってて、しかも1作目の偽クローン映画みたいなかんじ。。

そこにプラス「エイリアン4」とヒッチコックの「鳥」かよっ!

さらに、2作目ですでに95万パワーの超人の域に達していた女戦士ミラジョヴォが今回さらなる進化を遂げ、なんとスーパーサイヤ人に変貌!!なんじゃそりゃ(笑)。ドラゴンボール実写版にでも出とけ!

が、一方では、灼熱の砂漠を舞台に、さんさんと降り注ぐ太陽にさらされている渇きまくったアンデッド軍団という設定は今までにない光景で、、、ようするにバイオハザードと思って見なければそれなりに楽しめる作品になってはいる。

しかし、、続編まだいくのかよ・・。次の舞台は宇宙か(笑)!?

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アウトブレイク(1995年・アメリカ・129分)DVD

 監督:ウォルフガング・ペーターゼン

 出演:ダスティン・ホフマン、レネ・ルッソ、モーガン・フリーマン、ケビン・スペイシー

 内容:アフリカの小村に派遣された米国陸軍伝染病医学研究所のサムは、そこで未知のウイルスに侵された村人たちが次々と死んでいくのを目の当たりにする。ところが、その直後、カリフォルニアのシーダークリークという町で同じ症状の伝染病が発生してしまう・・・。

評価★★★☆/70点

“警報!警報!レベル4発生!レベル4発生!下手な人間関係を持ちこむことは禁止されています。繰り返します。ヘタクソな人間関係描写は被害を甚大にするだけですので即刻止めてください。”

アメリカ映画にありがちな夫婦愛を織り込んでいるのはまだ許せる。

がしかし、悪役D・サザーランド少将を逮捕したときのモーガン・フリーマン准将の満面の笑みを見たときは思わずブチ切れそうになりましたがな。

いかにもなパターン化されたアメリカ映画なんだよなぁ毎度のことだけども・・。結局全てが安易なハッピーエンドで終わっちゃう。ていうか全然問題は解決されてないままじゃん。

このての題材を扱うならもう一段高いレベルでつくってほしいもんだ。

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ウルトラヴァイオレット(2006年・アメリカ・87分)WOWOW

 監督・脚本:カート・ウィマー

 出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、キャメロン・ブライト、ニック・チンランド、ウィリアム・フィクトナー

 内容:21世紀末、新種のウイルスが蔓延。感染した人間はファージと呼ばれ、超人的な知能と運動能力を持つかわりに12年しか生きられない運命にあった。ファージを根絶しようとする政府は掃討作戦を繰り広げるが、ファージも地下組織を結成し反抗を試みていた。そして、ファージ最強の女戦士ヴァイオレットが政府の最終兵器を強奪することに成功するが、それはたった9歳の少年だった・・・。

評価★★/40点

この監督の前作「リベリオン」は少ない予算の中で出来ることを密にやり込んでいる印象があったが、今作は使いこめるだけの予算を得たことで、かえって中身がスカスカになってしまった感が・・・。

無敵のミラジョヴォも正直見飽きたし(笑)。なんかもう女版セガールのキャリアを邁進しているかんじやな。。

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カサンドラ・クロス(1976年・イギリス・128分)NHK-BS

 監督・脚本:ジョージ・P・コスマトス

 出演:バート・ランカスター、リチャード・ハリス、ソフィア・ローレン、エヴァ・ガードナー

 内容:ジュネーブのWHO本部を爆破しようとしたテロリストが、襲撃に失敗して逃げる途中、誤って細菌に感染。そしてそのままストックホルム行きの大陸横断鉄道に潜り込んでしまう。秘密漏洩を恐れたアメリカ陸軍のマッケンジー大佐は、ポイントを切り換えて列車の進路を変更させ、今は使われていないカサンドラ大鉄橋ごと千人の乗客もろとも爆破しようと目論むのだが・・・。

評価★★★/65点

まるで聖闘星矢の必殺技に使われてそうな題名のカッコ良さから、いったいどんな映画なんだろうと思ってたら、トンでもない惨劇映画だったなww。ラストで半分死んで半分生き残るって・・。

セガールが乗ってたらねぇ(笑)。。

しかし、こういう映画にソフィア・ローレンだとかエヴァ・ガードナーといった大物女優が出てるとは意外だった。

あと、「グラディエーター」(2000)やハリポタシリーズでヨボヨボの爺さんだったリチャード・ハリスの若かりし日の姿を見れたのは収穫だったかも。

2009年3月29日 (日)

夢のシネマパラダイス281番シアター:攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL

Mainvisual 声の出演:田中敦子、大塚明夫、家弓家正、山寺宏一

監督:押井守

(1995年・松竹・80分)

評価★★/40点

内容:2029年の企業集合体国家に、謎の天才ハッカー“人形使い”が出現。精鋭サイボーグによる特殊部隊・攻殻機動隊がその捜査にあたった。隊長の草薙素子は、電脳に侵入し人格まで操作してしまう人形使いの能力を知って、自らの存在意義に疑念を抱き始める・・・。近未来の超高度ネットワーク社会を舞台に、公安警察の特殊部隊の活躍を描いたサイバーパンクアニメ。アメリカでビデオチャートの1位を記録したことでも有名。

“自分の知識欲を刺激し、煽る映画は好きだが、知識欲を麻痺させる映画を観るのははっきりいって嫌い。”

この作品を始めて観たのは公開数年後、大学に入ってからだったと思う。

原作マンガを読んでいなかったとはいえ、おバカなオイラなんかは「ろっか」というところだけですでにな、何?みたいな・・・。

ロッカなのか六家なのか六課なのか、、、と思ったら「きゅうか」という言葉が。。

旧家?九課?

もうよほどレベルが低かったんだね、、、我ながら。。

まぁそんなところで立ち止まってしまうぐらいだから、内容にもほとんどついていけず、デジタル技術の海の中で創造されたアニメ、そのデジタル情報の渦の中でただただ溺れているだけだったのです。

でもまぁやっぱり原作マンガを読んでから見るべきものだったのかなという感じはする。

なんてったって士郎正宗だからなぁ。

押井守には悪いけど、この映画もまた士郎正宗の“攻殻機動隊”の1つのパーツとしてみるべきものなのかな、とは感じた。

1個の独立した作品としてはなんだか見れへんなあと。

自分がおバカなのを加味してもちょっとこの映画は情報量が少なすぎる。

だからまぁ何回か観ないと分からないのかもとは思うのだけど、これって士郎正宗のマンガの読み方とは全く逆じゃないだろうか。

後に攻殻を読んだりしても思うけど、士郎正宗の印象はとにかく情報量が多い。欄外に注釈がわんさか書かれてるし、絵の情報量もあふれていて1ページ読むのにけっこう時間がいるんだよね。読めば読むほど理解が深まるというかんじで。

情報量が多いから何回も読む、しかし映画の方は情報量が少ないから何回も見るというそういう違いがあると感じたかな。

あと士郎正宗マンガの楽しみ方って「アップルシード」なんかだとデータブックとかイラスト集などの副読本も出てて、それらを見ることによってさらにそのマンガの世界を楽しめてしまうといういわば副教材になってるわけで。

だからそういう副教材を含めて1つの作品世界として楽しむ、それが士郎正宗マンガの独特の面白さだと思うのですが。

なんかこの映画を観ると、これも士郎正宗攻殻の副教材の1つなんじゃないかなと、逆にいえば副教材にしか見えないということをすごく感じてしまったのだった。

それがいいのか悪いのかといえば★2つ付けてるくらいだから言わずもがなだけど。

ただどうなんだろう。押井守の側からすると、この作品は単なる実験的な作品だったのかもしれない。押井守自身はまだ過渡的な段階にいるのかなぁなんてことを当時はふと思っていた・・・。

ま、「イノセンス」観てその思いは見事に裏切られたけどね(笑)。

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イノセンス

051106_innocence

声の出演:大塚明夫、田中敦子、山寺宏一、竹中直人

監督:押井守

(2004年・東宝・99分)2004/03/16・MOVIX仙台

評価★★☆/45点

内容:2032年の日本。世の中は、人とサイボーグ、そしてロボット(人形)の共存が進んでいた。と同時にテロも各地で続発。そんな犯罪を取り締まる政府直属の機関・公安九課の刑事バトー。彼は、身体全体がサイボーグで、純粋な部分はわずかな脳だけ。そして彼を人間たらしめているのは、かつて想いを寄せていた草薙素子の記憶と、愛犬バセットハウンドへの無償の愛情だけだった。そんなある日、暴走した少女型のロクス・ソルス社製の愛玩用ロボットが所有者を惨殺する事件が発生。さっそく相棒トグサとともに捜査に乗り出すバトーだったが、その過程で彼の脳を攻撃する謎のハッカーの妨害に見舞われていく・・・。

“この映画からは魂(ゴースト)を感じない。それゆえこの作品を観る意味という根源的なところで何も見出すことができない。”

「マトリックス・リローデッド」でも感じたことだけど、娯楽としての映画に、より強いエンタメ性を付加しなおかつ補強していくものが、作り手と観客の相互理解の強化のためのストーリーと映像のバランス取りと補完性ではなく、徹底した圧倒的映像体験の強化なのだとすれば、それは自分の感性とは本質的に合わない。

というかもともと自分の好みではなくて、あまりやってもらいたくない手法だということは前もって言っておく。

観てる時は面白いが、それは決まって一過性で、結局心の中に何も残していかないのだから。

そして、攻殻もそうだし、本作イノセンスもまたしかり。と個人的には感じてしまったのだった。

まずもってこのシリーズからは“情”を感じることができない。

人間と機械の境界が曖昧になっている世界観とそこから来る自分という存在定義への言い知れぬ不安を描こうとしているのは、特に前作よりも顕著で、そのため“情”が定まらないというのも無理やり理屈づけて考えれば分からないでもない。。

そうでなくとも本作では、ゴーストを持たないロボットの暴走事件を扱っているわけで、その愛玩ロボット「ハダリー」に“情”がないのは言うまでもない。

そして、そこから我々が認識し得るものは、ただ恐怖それのみである。

だが、この映画のある意味信じがたい点は、「ハダリー」が我々の内に呼び覚ます恐怖というただ一面でのみ完全に立ち止まっているところで、この愛玩ロボット「ハダリー」を作ったヤツも出てこなければ、所有するヤツも出てこないという欠陥を平然とやってのけている。

魂(ゴースト)がないのではなく、魂(ゴースト)を描いていないのだ、と自分勝手に解釈させてもらった。

では、“情”の対極にある“理”はどうかといえば、これがまた悲惨そのもの。

孔子やら何やらいろいろご立派な比喩やら理屈やらの数々を次々にひけらかしてくるが、それらが自分の中に残すものは空虚と倦怠だけ。

この映画はあれなのか?人間と機械の境界線というよりか、理屈と屁理屈の境界線を彷徨う映画を目指しているのか?

しかもこの決められたような通り一遍の“理”が、不器用なバトーやトグサの微かな“情”の灯を消してしまいもはや風前の灯だし、1つの型に嵌めてしまい自分の中で何も震えず。

オイラは映像よりもまずストーリーとキャラクター重視、“情”と“理”の融合と“魂”を見たいタチなので、この点は看過できない。

しかし、ただひとつ、映像だけはスゴイことは認めよう。

映画のオープニングでヴィリエ・ド・リラダンの「未来のイヴ」の一説が引用されているが、この「未来のイヴ」に出てくる人造人間ハダリーの、まだ髪の毛や人工肉、皮膚が付着される前の内部系統。また、その製作者であるエディソンのハダリー内部の身体組織の詳細な驚くべき解説などから想起される造型描写を見事に再現してくれた。

とはいっても、1880年代にこの「未来のイヴ」を書き上げてしまったリラダンの魔術師ぶりには到底かなわない。

ちなみに前作で、ネットの海に消えた草薙素子の本作における守護天使ぶりも、「未来のイヴ」でものの見事に表現されている。

さすがにネットという概念は出てこないけど、それに似たものとして、神経流体や流体電導網といった言葉でソワナ(本作にも名前だけ出てくる)の魂と意志が距離を無視して飛んでいくといった驚きの描写がなされている。

押井はリラダンになれるのか。。

概念や世界観は今までの作品で飽きるほど見てきた。

今度はこちらが身震いするほどの“魂”をもしっかり描いてみせてもらいたい。

一応は期待しとるのよ・・・。

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アップルシード

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声の出演:小林愛、小杉十郎太、松岡由貴、藤本譲

監督:荒牧伸志

(2004年・東宝・103分)DVD

評価★★☆/45点

内容:西暦2131年、世界中を巻き込んだ非核大戦は人類に大きな爪あとを残して集結した。そんな荒廃した世界の中で、人々に唯一の希望を与えたのは、最後の理想郷“オリュンポス”。だが、その人口の50%は、ヒト社会の安定を目的に造られたクローン人間“バイオロイド”が占めていた。そのオリュンポスに大戦を生き抜いた若き女性兵士デュナン・ナッツが連行されてくる。そして彼女の前には大戦で死んだはずの恋人ブリアレオスが現れる。しかし、彼は戦争で重傷を負った体の大半を機械化されており、かつての面影をなくしていた・・・。「攻殻機動隊」の原作者としても知られる士郎正宗の「アップルシード」を3Dライブアニメという世界初の手法で映像化した近未来SFアクション。

“最初は新鮮な映像に引き込まれるが、所詮はゲームショウの特設ブースで初体験映像として流してた方がまだマシなレベル。”

手塚治虫の「火の鳥 未来編」に出てくる電子頭脳ハレルヤを想起してしまったけど、その点においても本作は描写が致命的に浅い。

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べクシル2077 日本鎖国(2007年・松竹・109分)WOWOW

 監督:曽利文彦

 声の出演:黒木メイサ、谷原章介、松雪泰子、朴路美、大塚明夫

 内容:バイオ&ロボット技術で市場を独占していた日本は、国際協定に反発し国際連合を脱退、ハイテク技術を駆使した完全なる鎖国を開始する。それから10年後の2077年、日本を牛耳る企業・大和重鋼の暗躍を危惧した米国特殊部隊SWORDは潜入作戦を決行する。そして女性兵士べクシルが潜入に成功し、レジスタンスを率いるマリアと行動を共にするが・・・。

評価★★☆/50点

1ヌキ2スジ3ドウサ(映像・シナリオ・演技)という映画の評定マニュアルに照らしてみると、、、映像、スゴイ。シナリオ、薄っぺら。演技、大根・・・。

プレステ3でメタルギアソリッドやってる方が断然面白いっちゅうレベルです。。

なんつーか、作り手の技術屋として志向するベクトルと、観る側が求めるベクトルというのがかなりかけ離れちゃってるなと。「ファイナル・ファンタジー」もそうだったけど。

3DCGなどの専門的なことがホメられて、それがいい映画とか完成度の高い映画なんだというベクトルじゃなくて、自分にとって、また誰かにとって好きな映画、愛すべき映画というのを作ってもらいたいんだわなぁ。。

クールじゃなく子供っぽくていいから、そんな映画を観たいんだよオイラは。

ま、だから、ピクサー映画は大好きなんだけどさ。そんなオイラがこの“大人な”映画を語る資格なんてないのかもしれないけど、大丈夫かなと思っちゃうよジャパニメーションの将来・・・。

しかし、、「砂の惑星」のサンドワームをここで見ることになるとはね(笑)。

2009年3月27日 (金)

夢のシネマパラダイス293番シアター:殺人の追憶

ゾディアック

20071111_256484 出演:ジェイク・ギレンホール、マーク・ラファロ、ロバート・ダウニー・Jr、アンソニー・エドワーズ、ブライアン・コックス

監督:デヴィッド・フィンチャー

(2006年・アメリカ・157分)CS

評価★★★★/75点

内容:1969年7月4日、カリフォルニアで若いカップルが銃撃され、男性は一命をとりとめたものの、9発もの弾丸を浴びた女性は絶命、警察に通報してきた男が自分が犯人だと言い残した。それから約1ヵ月後の8月1日、新聞社に一通の手紙が届いた。それは、のちに自らを“ゾディアック”と名乗る者からの犯行声明で、差出人に通じる暗号文も添えられていた。そして、その暗号文を新聞の一面に載せなければ大量殺人を決行すると脅迫してきたのだった。以来、新聞記者エイブリーと風刺漫画家グレイスミスはこの事件に没頭していくことになる・・・。

“「ダーティハリー」のハリー・キャラハン刑事の行動が初めて理解できた気がする。。”

1968年のクリスマスに幕を開けた“ゾディアック”による連続殺人事件と、その最も危険なゲームに翻弄されつづけた4人の男の人生。

10日後、、1ヵ月後、、3ヵ月後、、半年後、、1年後、、1年半後、、2年後、、4年後、、7年後、、、と矢継ぎ早かつ淡々と時間と場所を飛ばしていき、結局1991年にロバート・グレイスミス(ジェイク・ギレンホール)が本を出版するまでの23年間にわたる長いスパンを描いていくのだが、2時間40分の長尺の中でデヴィッド・フィンチャーにしてはかなり単調な構成になっていて、観る側にかなりの労苦と忍耐を強いるものになっている。

しかし、それが逆に泥沼にはまって抜け出せなくなった事件捜査関係者の徒労と疲弊、そして人間の知への果てなる探求心やマニアックなまでの欲求をも体感させるものになっていて、最後までジッと見入ってしまった。

そして、ドッと疲れた・・・。

掴めそうで掴めないジレンマ、解かれることを望まない謎、限りなく黒に近い灰色、トークショーに生出演したシリアル・キラー、、、追えば追うだけハマる迷宮。。そして、2時間40分咀嚼し続けなければならない徒労感。

しかし、結局映画を通して最も見せつけられたのは、1番この事件にのめり込んだのは間違いなくオレなんだ!と自信をもって豪語しているデヴィッド・フィンチャーの自己顕示欲だったというオチ・・・。

「セブン」や「ゲーム」などとはまた違った形で今回またそれを見せ付けられたかんじがして、胸くそ悪くなってきた(れっきとしたホメ言葉ですので・・・w)。

しかし、「ダーティハリー」でイーストウッドが44マグナムを問答無用で犯人(ゾディアックがモデルになっている)のどてっ腹にブッ放し、警察バッジを投げ捨てたのも分かるわなぁ、今回のを見ちゃうと。。

あな恐ろしや・・・。オイラはこんなんハマりたくありません。。。

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殺人の追憶

Mom出演:ソン・ガンホ、キム・サンギョン、パク・ヘイル、キム・レハ

監督・脚本:ポン・ジュノ

(2003年・韓国・131分)2004/04/06・とうきゅうスクエア

内容:1986年、ソウル。若い女性の変死体が発見された。その後も同じ手口の殺人事件が連続して発生。特別捜査本部が設置され、個性も操作方法も全く違う2人の刑事が事件の解明にあたる。韓国を震撼させた実際に起こった未解決連続殺人事件をもとにしたサスペンス。

評価★★★/65点

時代の空気や背景、歴史といったベースをかなり意識したつくりになっている映画だと思うが、それらがDNAに刻み込まれている韓国の人々にとっては自分と社会、時代とのつながりや関わりを事件を通して追体験するという側面もあると思うわけで、彼の国の人にとってはまさに追憶たりうる映画だと思う。

しかし、韓国で行われていた防空訓練なぞ知りもしないオイラみたいな日本人にとっては、この映画で残るものといえば拷問フェチの暴力変態デカをはじめとするただの韓国変態オトコ図鑑のインデックスだけで、、はっきりいえば。

手の込んだ残虐な殺人や暴力、またそれに対する怒りをただなぞって見ていくことはできても、時代を追憶していくことなんてまずもってできないわな。下手すりゃ妄想でっせ。。

まぁでも、終盤からラストにかけての圧倒されんばかりの描写力をはじめとして最後まで見せきる力をゆうに持った作品であることは確かだけども。

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インソムニア

Pac2_2 出演:アル・パチーノ、ロビン・ウィリアムス、ヒラリー・スワンク、モーラ・ティアニー

監督:クリストファー・ノーラン

(2002年・アメリカ・119分)2002/09/22・MOVIX仙台

評価★★★/60点

内容:24時間太陽が沈まないアラスカの町ナイトミュートで、爪を切られ洗髪された17歳の少女の全裸死体が発見される猟奇殺人事件が発生。ロス市警から派遣された不眠症の刑事、地元の女性刑事、犯人の三つ巴の心理劇が繰り広げられる。

“インソムニアって体長10cmくらいのムカデかなにかの虫の学術名かと勝手に思ってた。とにかく足がいっぱいあるやつ・・・?”

予備知識は猟奇殺人ものということしか知らなかったので、何なんだろうインソムニアってと考えてたら、なんか古生代や中生代あたりから生き永らえている虫の名前にありそうだなと勝手に思ってしまったんだい。

そして死体からそのムカデが出てくる。。プチプチッて。ウゲェッ、オェッ。

でもなぜ死体からムカデが、、どうやって死体にムカデを入れた、、いやもしかして生きている間に体内に?、、とかなんとか勝手に想像してしまったんだい。

そしたらなああんだ、、、不眠症かよっ・・・。

しかも冒頭からすでに、あ、犯人ってロビン・ウィリアムスだとすぐに感づく。

となるとアル・パチーノら捜査陣はいかにしてロビンにたどりつくのか、そのプロセスを丹念に追っていく久々の正統派路線をとるんだろうな、と序盤の作り込みを見てて勝手に思った。

が、しかし、、あ゛っ、仲間撃った・・・え?

と霧の中の事故からいきなりそれまでの路線を脱線して別路線へと乗り換えてしまった。

オイラは正直とまどってしまった。

だって「セルピコ」であんなに熱血で正義感の塊の新米警官だったパチーノが、30年後には自己保身に奔走してるんだもの。そんなのありってかんじ。。

でもラストで警官としての道を再度取り戻したので良しとするか。

ただこれだけは確実にいえるな。

「セルピコ」のときからずっっと不眠症だったと(笑)。

あ、「セルピコ」のラストでも死ぬんだった・・・。

2009年3月26日 (木)

夢のシネマパラダイス327番シアター:アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー

Ahiru_kamo 出演:濱田岳、瑛太、関めぐみ、田村圭生、松田龍平、大塚寧々

監督・脚本:中村義洋

(2006年・日本・110分)2007/07/11・盛岡フォーラム

評価★★★☆/70点

内容:大学入学のため仙台へ引っ越してきた椎名(濱田岳)。ボブ・ディランの「風に吹かれて♪」を口ずさみながら荷物の整理をしていると、アパートの隣室の住人・河崎(瑛太)に声をかけられる。そして椎名に奇妙な計画を持ちかける。それは、同じアパートに住むブータン人留学生に広辞苑をプレゼントするため、本屋を襲うというものだった・・・。伊坂幸太郎の同名小説の映画化。

“実はボク、住んでました。あそこに。”

仙台生まれの仙台育ちのオイラとしては、懐かしさに包まれながら、かなり入れ込んで見入ってしまった。

なんてったってオイラ、椎名らが住むアパートがある泉区歩坂町に2年ほど住んでましたからっ!そして、椎名が通う東北学院大学(映画では青葉学院大学)にも通っていたので。

立地的には仙台市北部にある大学の泉キャンパス(1・2年は泉で、3・4年になると仙台市中心部の土樋キャンパスに移るんデス)の真後ろに歩坂町はありまして、その名の通り坂、坂、坂だらけで、その坂のてっぺんにドデカイ鉄塔タワーがドッカンドッカン立ってて、よく友達と「電磁波に侵されて病気になっちゃう~shock」て言ってたっけ。

そんな歩坂町は、ほとんどが色とりどりのアパート群で占められておりまして、学生タウンのようなかんじになってるんです。

だから、歩坂町のアパートと泉キャンパスなんて徒歩5分くらいで着く距離なので、椎名がバスに乗って帰るというのはありえないんだけどね(笑)。

まぁ、そういう細かいとこは置いとくとしても、原作は読んだことないんだけど、仙台の情景もあいまってかなり心に染み入るせつない映画に仕上がっていたと思う。

最初の方は、家賃4,5万のアパートに住んでるくせして広辞苑目当てで本屋を襲うというどこかミステリアスな河崎という男がよく分からないキャラクターだったし、ドルジ(田村圭生)も本当にブータン人なのか?というかんじで、全体的にしっくりこなくて、2年前と現在のプロット、ペット殺傷事件と本屋襲撃がどういうふうに繋がって着地するんだろう、と思いながら見ていたのだけども。

ところが、な、なぬっ!?とおもわず後ろにのけぞってしまうほどのネタ晴らしが明らかになったあとは、すべての伏線がつながり、まるで流しそうめんがスルスルと落ちてくるように一気に引きずり込まれてしまった。

久々に身震いするほどのどんでん返しに気圧された気がする。こりゃ原作も読んでみないとイカンな。

ていうか、“となりのとなり”をそう解釈する奴はおらへんよなぁ(笑)。やられますた。。

キャラクターを見事に演じきった瑛太をはじめとして、役者陣も大変よろしく、松田龍平の存在感は抜群だったし、あとは特に人の良いドギマギ系の椎名を演じた濱田岳がヨカッタな。

もう一回見たいと思わせる作品です。

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(おまけ)

青の炎

Aonohonou 出演:二宮和也、松浦亜弥、鈴木杏、秋吉久美子、中村梅雀、山本寛斎

監督:蜷川幸雄

(2003年・東宝・116分)2003/03/20・新宿武蔵野

評価★★★★/75点

内容:湘南の高校に通う17歳の少年・秀一は母・友子と妹・遙香との3人で穏やかに暮らしていた。ところがある日、母が10年前に離婚した男・曽根がひょこっと現れ、家に居ついてしまったことから平和だった家庭は一変する。曽根は傍若無人に振る舞い、母ばかりか妹にまで手を出そうとする始末。やがて警察や法律では問題が解決できないと悟った秀一は、自らの手で曽根を殺害する決意を固め、完全犯罪計画を練り始めるのだった・・・。

“どう思い返してみてもサブリミナルとしか考えられない映像が2,3コマ入ってた気がするんですけど・・・”

竹中直人その人。

それまでの流れや空気を一瞬断絶させた張本人。

青の炎が一瞬ねずみ色に変わってしまった・・・。

そのサブリミナル映像以外は、北野ブルーともまた違う、はたまたガタカブルーとも違うれっきとした蜷川ブルーで包まれた非常に印象的な映画になっていたと思う。

アヤヤは天然オーラを発しているからまだしも、二宮があれだけの雰囲気を醸し出せるヤツだとはちょっと驚いてしまった。

まぁクストリッツァの映画が好きっつうトンデモ男だからなぁ秀一という男は・・・。あとなんだっけ、トム・ウェイツの声?おい、お前は昭和何年生まれだよ。。

自分が共感できたのはカリカリに焼けたベーコンとジダンのボールさばきくらいだな。

P.S.

あ、あれって自転車だろ秀一さんよ。

お亡くなりあそばしたお前さんの事故がもしニュースになったら、キャスターはロードレーサーにダンプカーが追突しましたなんて言わねえよ。絶対自転車って言うと思うぜ。

いくらお前が天国で、違う!ロードレーサーだ!と文句を言おうともう意味なしだぞ。それでも不満があるなら死ぬんじゃねぇよボケ。

今頃になって自分の内なる炎がメラメラ燃え出してきた・・・。

(初記)2003/03/22

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サイダーハウス・ルール(1999年・アメリカ・126分)DVD

 監督:ラッセ・ハルストレム

 出演:トビー・マグワイア、シャーリズ・セロン、マイケル・ケイン、デルロイ・リンドー

 内容:孤児院で生まれ育ったホーマーは、院長ラーチの下で分娩と当時禁止されていた堕胎手術を手伝っていた。ある日、堕胎手術にやって来たキャンディとその恋人に刺激され、ホーマーは孤児院を出ることを決意する・・・。巨匠ジョン・アービング自らが自身の原作を脚色。アカデミー助演男優賞と脚色賞を受賞。

評価★★★★/80点

“親友ディカプリオを軽々と飛び越えてしまった瞬間”

監督ラッセ・ハルストレムは早熟ディカプリオを見出し、大器晩成マグワイアを開眼させたというところなのかな。

2009年3月13日 (金)

夢のシネマパラダイス598番シアター:ホタル

ホタル

Hotaru02 出演:高倉健、田中裕子、夏八木勲、原田龍二、中井貴一、井川比佐志

監督:降旗康男

(2001年・東映・114分)NHK-BS

評価★★★☆/70点

内容:鹿児島の小さな港町で漁師をして静かに暮らす元特攻隊員の山岡秀治(高倉健)と腎臓を患っている妻の知子(田中裕子)。時代が昭和から平成に変わったある日、同じ元特攻隊員だった藤枝洋二(井川比佐志)の自殺の報せが届く。時を同じくして、金山という朝鮮籍の特攻隊員の遺品を故郷の韓国に届けに行って欲しいと頼まれた山岡は、ある決意を胸に妻を連れて海を渡るのだった・・・。

“桜島のぽっぽや”

北海道の“ぽっぽや”ならぬ南の国の“ぽっぽや”を彷彿とさせる夫婦愛を縦軸に、そして昭和天皇崩御による昭和という激動の時代の終焉を横軸にとり、過去の戦争による癒しきれない傷と悔恨、特攻から生きて帰ってきてしまったことによる複雑な様々な思い、戦争に翻弄された朝鮮人の特攻兵、そして夫婦の絆のドラマが淡々と綴られていく。

、、のだが、他愛のない純粋な夫婦愛が前面に出てきてしまい、根底にあるべき大事なテーマが裏に隠れて埋没してしまったような、そんな物足りなさは正直感じてしまう。

例えば、高倉健が朝鮮半島に渡って謝罪するというのは、ものスゴッ画期的なことだと思うんだけど、そこに至るまでの過程がやや平板に過ぎて現実感に迫ってくるものが乏しいというか、、、健さんと田中裕子の存在感だけでなんとか立脚していたかんじで、ちょっと残念だったかな。。

そういう意味ではすごい不器用な映画。高倉健だけに・・。

ただ、こういう過去の戦争を語っていこうとする真摯な映画はもっと多く作られていくべきだとは思った。

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俺は、君のためにこそ死ににいく(2007年・東映・140分)WOWOW

 監督:新城卓

 出演:岸惠子、徳重聡、窪塚洋介、筒井道隆、多部未華子

 内容:太平洋戦争末期、鹿児島の知覧飛行場から敵艦目指して片道燃料で飛び立っていく特攻隊の若者たちの儚い青春模様を、彼らから母のように慕われていた富谷食堂の女主人・鳥濱トメの視点で描く。ちなみに製作総指揮・脚本を手がけたのは石原慎太郎。

評価★★★/55点

“葛藤を描けない戦争映画ほど怪しいものはない。”

石原慎太郎が岸惠子を迎えるにあたって、あまりにも無難なところに軟着陸しちゃったなという印象。

歯に衣着せぬ暴言でおなじみの石原慎太郎としてはかなり控え目なかんじで、それがかえって映画として芯にまとまりと力強さがない印象を与えてしまっている。

また、食堂のお母さん・鳥濱トメの視点を一応借りてはいるものの、視点としてはかなり俯瞰的で、事象を細めに切り取ってただエピソードを羅列しているだけというかんじで、なかなか人物に入り込んでいくことができない。

そういう点では群像劇にすらなっていない散漫さばかりが目につき、なんというかもっと人物を絞って寄り添って描いていってもらいたかった。

つまるところ、葛藤を描けない戦争映画ほど怪しいものはないのだから。

そのため、特攻隊員が軍神と人間との間で宙ぶらりんになっている様相を呈している中で、「靖国で待ってるぜ!」なんざ連発されても、はたしてその意味するところは、“理不尽な犬死にという悲劇”なのか、それとも“「あなた」ではなく「君」のために儚く散っていった美談(美しい日本人の姿)”なのか、かなり意図的に曖昧にされているかんじでかえって不気味だし、バックにいる石原慎太郎がどうこうは別にしても映画としての重心の弱さにもつながっていて、なんとか岸惠子がつないでいたからいいものの、映画としての出来ははっきりいって悪いと言わざるをえない。

もっとバシッと、右なら右、左なら左と舵を切ってほしかったような、、、立ち位置はまるで違えど石原慎太郎が朝日新聞のような切り抜け方をしてどないすんねん(笑)。

(追記)

これをWOWOWで見たちょうどその日に民放で「千の風になってスペシャル 戦場のなでしこ隊」というスペシャルドラマがあって、おもわず見入ってしまった。

特攻隊員たちの身の回りの世話をするなでしこ隊については、映画の中でも鳥濱トメ(岸惠子)の次女(多部未華子)がその一員として描かれているけど、TVドラマの方は、なでしこ隊のリーダーだった前田笙子さん(当時15歳)の視点から、彼女がつけていた日記や、まだ御生存の方々の証言を交えて描いた証言ドラマで、映画の中でも「智恵子、会いたい。話がしたい、無性に、、、」という手紙の引用でちらっと出てきた穴澤少尉などにスポットを当てていた。

250キロの爆弾と片道燃料で敵艦に体当たりしていく特攻隊員たちの軍神などではない若者の本当の姿と23日間で106人もの若者を見送った彼女たちの苦痛と嘆きがよく伝わってくるドラマだった。

エピソードというエピソードを満タンに詰めこんで絨毯爆撃してしまった映画とピンポイントに絞って描いたTVドラマ。こりゃ映画の完全な負けだわ・・・。

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メンフィス・ベル(1990年・アメリカ・107分)NHK-BS

 監督:マイケル・ケイトン・ジョーンズ

 出演:マシュー・モディン、エリック・ストルツ、テイト・ドノヴァン、D・B・スウィーニー

 内容:数多くの戦火を潜り抜けてきた爆撃機メンフィス・ベル。若者たちの守り神ともなっているこの爆撃機が、今度はナチスの軍事基地爆撃という危険きわまりない任務に飛び立つことに・・・。

評価★★★/65点

そっちがメンフィスで出会った女の名前付けてくるのなら、こっちはYAMAGATAアキコって付けてやる(笑)!!

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