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2018年1月 2日 (火)

夢のシネマパラダイス422番シアター:必ず訪れる“死”を見つめて・・・

岸辺の旅

Poster2出演:深津絵里、浅野忠信、小松政夫、村岡希美、奥貫薫、蒼井優、柄本明

監督・脚本:黒沢清

(2015年・日/仏・128分)WOWOW

内容:夫の優介が失踪して3年、瑞希はピアノ教師をしながら孤独な日々を送っていた。そんなある日、優介が突然帰ってくるが、自分はすでに死んでいるという。そして3年の間を過ごした思い出の地をめぐる旅に瑞希を誘うのだった・・・。

評価★★★☆/70点

魂の抜け殻のような表情で知覚麻痺した生者と何食わぬ顔で現実世界の日常に違和感なく溶け込む死者の対比が、此岸と彼岸の境界をあいまいにしていて少々面食らってしまったけど、死者が生者を引きずり込むのではなく生者の方が死者を引き留めるという逆転の視点はなかなか面白い。

随所で宇宙物理学を引き合いに出して黒沢ワールドのあり得ない設定に理論武装を加えているけど、正直そんなのはどうでもよくてw、人が死を受け止めるまでの喪失感と後悔の念、その想いの深さや重さに共感できただけで十分だったように思う。

自分にも必ず訪れる最愛の人の死、そして自分の死。かけがえのない日々を一日一日かみしめて生きていこうと思った。

お盆に見るといいかもね。

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銀河鉄道の夜

20060324 声の出演:田中真弓、坂本千夏、堀絢子、一城みゆ希、常田富士男

監督:杉井ギサブロー

(1985年・日本・107分)NHK-BS

評価★★★★/75点

内容:宮沢賢治の名作童話を登場人物を猫に置き換えて映画化した、幻想的な長編アニメーション。父親が北洋漁業へ出たまま帰らない少年・ジョバンニは、病気の母を抱えて、放課後は文選工として働いていた。学校では級友達からいじめられ、親友のカンパネルラだけが彼をかばってくれる。ある時、丘の上で星空を見上げていたジョバンニの前に、不思議な汽車が出現した。彼が乗り込むと、車内にはカンパネルラがいて、2人は銀河への旅へと出掛けていく・・・。

“ハリポタに出てくる「闇の魔術に対する防衛術」を習得したいくらい、この作品で描かれる「闇」は深遠かつ幻想的、そしてなにより絶望的だ。”

幼稚園のときに劇場で見たのだが、その時にはっきりとこれは他のアニメ(例えば東映アニメ祭りとか)とは違うという違和感と言い知れぬ不安と恐怖を抱いたのを覚えている。

今見返してみてもあの時の感覚は如実によみがえってくるし、印象もさほど変わらない。

変わったといえば、“闇”というものが宮沢賢治の作品世界で重要なファクターを占めているということが、彼の様々な物語に触れてきたことによって今では理解できる、そのことを念頭に置いて今はこの映画を見られるということくらいか。

その観点でいえば、この映画は宮沢賢治の作品世界を非常に上手く表現してくれたと思う。

特に闇。

題名に夜とあるので当然といえば当然なのだけど、夜の暗闇、夕方から夜にかけて薄暗くなっていく森を覆っていく暗闇、銀河の星々を巡る漆黒の銀河鉄道、その宇宙空間の暗黒、そして人物の心に巣食う孤独の闇。

それが絶望的な“闇”として当時幼稚園児だった自分に落ちてきたのだ。

そう、草むらで星空を見つめていたジョバンニに天が降ってきたように。

その不安な“闇”は、例えば固く閉ざされたドアの向こう側から声だけを発し姿を現さないジョバンニの病気の母親であったり、活版所で鳴り響く不穏な電話の音であったり、蛾が電球の光に吸い寄せられて鱗粉をふり撒きながら羽をバタつかせる最後の飛行音であったり、、、

はたまた静寂の冬の森の奥深くから聞こえてくる凍裂のようにドコンドコンという音を立てながら走り抜ける銀河鉄道であったり、道すがらパッパッと点滅していた電灯がプツッと消える瞬間であったり、時計の音や雫がポタリポタリと滴る音、森をつんざくような鳴き声と林を滑空する鳥の不気味な影、そしてジョバンニとカンパネルラの会話における異様に長い間と静寂、、、

そして極めつけは猫人間!

それらが積み重なり増幅されて“闇”の空間を創り出し、宮沢賢治の作品世界を映像と音で表わしてくれた。

これは見事という他ない。

が、あまりにも見事すぎたため、当時幼稚園児だった自分には、“闇”のもつ言い知れぬ恐怖の方が少々過ぎてしまったようだ。しかも、その時の感覚が今に至っても消えない。

一人では見れない映画です(笑)。。

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私の中のあなた

943f4028 出演:キャメロン・ディアス、アビゲイル・プレスリン、アレック・ボールドウィン、ジェイソン・パトリック、ソフィア・ヴァジリーヴァ、ジョーン・キューザック

監督:ニック・カサベテス

(2009年・アメリカ・110分)WOWOW

内容:フィッツジェラルド家の11歳の次女アナはある日、両親を相手に訴訟を起こした。白血病にかかった長女ケイトを救うために遺伝子操作によってドナーにぴったりの身体に生み出された現実と、ケイトの治療のために何度も手術台に上がることに耐えられなくなったのだ。このまさかの行動を発端に家族のバランスは崩れていくのだが・・。

評価★★★★/75点

子供が親を告訴するという強烈ネタを引っさげたパンチの効いた問題作かと思いきや、かなり散文的かつ叙情的な趣のあるつくりになっていて意外だった。

登場人物には誰ひとり悪人はおらず、しかも各々に視点とテーマが与えられているのがこの映画のミソだろう。

周りが見えなくなろうとも人生の全てを白血病の娘のためにフォーカスする母親(キャメロン・ディアス)や、事故死した娘の死を仕事にまで引きずってしまい涙する女性判事(ジョーン・キューザック)をみれば分かるように、決して正解の出ない生と死の問題、そして家族の問題においては論理ではなく感情で突き動かされるのが人間なのだということ。そしてその感情によって絆が生まれ深まるのだということがよく伝わってきて、温かみのある愛にあふれた作品になっていて良かった。

感情は時にエスカレートして人を傷つけることがあるけど、その一歩手前で相手を思いやる気持ちが垣間見えて胸を打たれた。優しい穏やかな気持ちになれるんだよね

まぁ、法廷からして論理を捨てていて、神の視点を取っ払っているので、やや視点のボヤけた曖昧さは残るものの、涙よりも笑顔を忘れない演出は買い!

なんか音楽の使い方とか「アイ・アム・サム」(2001)と似たような作風だったのが気になったけど、監督は違うのね。。

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ワンダフルライフ(1999年・日本・118分)シネマライズ

 監督・脚本:是枝裕和

 出演:ARATA、小田エリカ、寺島進、谷啓、内藤剛志、伊勢谷友介

 内容:「あなたは昨日お亡くなりになりました。」と言われ、天国の入口にある施設にやって来た22人の老若男女。彼らはこれから7日間の間に大切な思い出をひとつだけ選ばなければならず、その思い出だけを持って天国に向かうのだという。しかも、その思い出は施設職員の手により撮影され、最終日に上映されることになっているという・・・。天国への入口で、人生を思い起こし大切な記憶を選ぶ死者たちを即興的に撮るという設定で、人間存在の本質に迫った作品。数々の国際映画祭で受賞し、1999年の単館系邦画興行成績で1位になった。

評価★★★★/80点

死者という最大の弱者に視点を当てるという毒気とユーモアの中で、さまざまな家族の肖像や人間の肖像を切り取っていく手法はさすがの一言。上手すぎる。

自分だったら何を選ぶだろうな、とついつい考え込んでしまったけど、でもよくよく考えてみたら、人生でたったひとつの最高の思い出の中で永遠に生き続けることができるのが天国って、、それもちょっと怖いよなぁ

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みなさん、さようなら

Sayo 出演:レミ・ジラール、ステファン・ルソー、マリー=ジョゼ・クローズ

監督・脚本:ドゥニ・アルカン

(2003年・カナダ/フランス・99分)仙台フォーラム

内容:末期ガンに冒された大学教授レミ。息子は放蕩者の父を嫌っていたが、最期だけはと、父の望むにぎやかな病室を演出しようとする・・・。生と死、父子の確執と和解を、シニカルなユーモアと政治的メッセージを交えて描く。アカデミー賞外国語映画賞やカンヌ国際映画祭の主演女優賞などを受賞。

評価★★★/65点

“回りまわって、、、やっぱり金だなおい(笑)。”

この映画で学んだこと。お金ですよお金。やっぱお金が1番!。おいおい・・。

あとはあれだな。映画見終わった後ウチ帰ってすぐにしたことが、秘儀“北京の花”と奥義“四川の竜”をネットでググッたことだからね(笑)。

あのエロジジイに負けず劣らずのエロジジイになってみせます。どうもボクですww

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息子の部屋(2001年・イタリア・99分)NHK-BS

 監督:ナンニ・モレッティ

 出演:ナンニ・モレッティ、ラウラ・モランテ、ジャスミン・トリンカ

 内容:イタリアの港町に住む精神科医のジョバンニは、妻パオラ、娘のイレーネ、息子のアンドレアと幸せに暮らしていた。が、ある日、アンドレアがダイビング事故で死んでしまう。事故前、アンドレアが学校の教材を盗んだ疑いをかけられていたことから心に微かなわだかまりを抱え、さらに事故当日、アンドレアとのジョギングの約束を破ってしまったことから自分を責めるジョバンニ。そんなある日、息子宛に1通の手紙が届く。それは息子のガールフレンドからのものだった・・・。カンヌ国際映画祭でパルムドール受賞。

評価★★★★/80点

非常に地味でオーソドックスかつありきたりな語り口、息子との関係を描いたエピソード等も含めて底が浅い。

が、見終わった後の余韻は、なぜか青々とした海のごとくとてつもなく底が深い。

2017年1月 3日 (火)

夢のシネマパラダイス330番シアター:インターステラー

インターステラー

Poster2_2出演:マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、エレン・バースティン、マイケル・ケイン、ジョン・リスゴー、ケイシー・アフレック、マット・デイモン

監督・脚本:クリストファー・ノーラン

(2014年・アメリカ・169分)盛岡フォーラム

内容:近未来。地球環境の加速度的悪化による食糧難で人類は滅亡の時を迎えようとしていた。そんな中、最悪の事態を回避するための重大ミッションクルーのひとりにシングルファーザーで元エンジニアのクーパーが抜擢される。そのミッションとは、未開の惑星に行き人類が居住可能かどうか調査するというものだった。地球に家族を残して行かなければならない不安と葛藤するクーパーだったが、泣きじゃくる幼い娘に帰還を約束し、宇宙へと旅立つ・・・。

評価★★★★★/100点

「メメント」「インセプション」と趣向を凝らした作劇で時間軸のズレを印象的に描いたクリストファー・ノーランは、同じく「インセプション」で虚無(夢)の世界で50年間たった2人だけで過ごす夫婦の純粋すぎて怖いくらいの愛の深さを描いた。

ちなみにあの映画では夢の階層によって時間の流れにズレが生じるという設定があり、夢の階層を下るごとに現実世界の時間より12倍引き延ばされていく。つまり現実世界で1時間夢を見ると、夢の第1階層では12時間、第2階層では144時間=6日間、第3階層では72日間、そして第4階層=虚無では2年4カ月の時が流れる。だから第4層で50年だと現実世界では大体20時間しか経っていないことになる。

そう考えると、宇宙で主人公クーパーが体験した2~3年の異次元旅行の間に地球では約80年経っていたという今回の映画は、人間の内へ内へ潜っていく「インセプション」と地球の外へ外へ飛び出していく本作の対照的な違いはあるにせよ、時間軸のズレがもたらすウラシマ効果と、愛は時空を超えるという壮大かつ純粋な愛の物語のモチーフは共通している。

そういう意味で今作はノーランの集大成といっていい作品だったと思う。

なにより実質数年しか年を取っていない父親が90歳くらいの寝たきりのおばあちゃんになった娘を看取るというSF映画史上でも屈指の名シーンにお目にかかれたのは涙が出そうなほどに感動した。

お涙頂戴の“愛は地球を救う”安っぽい映画wは数多くあれど、論理とか説得力を超越した愛の力に打ちのめされたのはこれが初めてだったかもしれない。

あとは何といってもクーパーがブラックホールに吸い込まれた後の4次元立方体の驚愕映像に尽きるだろう。これはつまり、点を動かすと線分ができる(1次元)→線分を動かすと平面ができる(2次元)→平面を動かすと立方体ができる(3次元空間)→立方体を動かすと超立方体ができる(4次元空間)ってことなんだけど、映画では幼少の頃のマーフの部屋がアーカイブのように幾層にも積み重なっていて、まるで複数のwebサイトをひとつのウィンドウ内に開くことができるタブ機能のごとくあらゆる時間のマーフの部屋につながることができるようだ。

さらにこれを作ったのは5次元の存在だと言及している。要は、3次元空間に時間軸の1次元を付け加えた4次元時空の住人である我々を超えた存在で、5次元では空間も時間も自在に操ることができる。そしてここがキーポイントなのだけど、本棚から本が落ちてきたり床に砂が流れ落ちてきたりと別次元のマーフには重力を介してメッセージを伝えることができる。

つまり、重力だけが別次元同士に干渉することができるということで、その根拠となっている仮説が、我々の住む3次元空間を1つのブレーン(膜)とみなし、その上でブレーンの外には行き来することのできない第5の次元が広がっているとするブレーンワールド仮説だ。

そしてその中では重力子だけがブレーンを離れて第5の次元を移動できるとする。これにより物理学における大きな謎である重力が極端に弱すぎる問題(例えば膨大な質量をもつ地球に比べて磁石の質量は無視できるほど小さいにもかかわらず、地球の作る重力は磁石の作る磁力に打ち負かされてしまう。電磁気力の強さを1とすると、重力は10のマイナス40乗しかない謎)が解決できる。

つまり、重力が他の力に比べて弱いのは、重力が異なる次元に漏れ出ている=重力は時間を含む次元を超えることができるからと説明できるのだ。

そういう最新の宇宙論に裏打ちされた映像の数々は、門外漢の自分の肌感覚にまで迫り来るような、ただの絵空事とは異なる説得力をもったリアリティがあったと思う。

とはいえ、理解度50%で見た気120%になっているというのが実際のところ(笑)。

でも、これだと普通だったら見た気にならないはずなのに、見た気満々にさせるのがこの映画のスゴイところなんだよね。「インセプション」もそんなかんじだったし、クリストファー・ノーランの醍醐味ってそこにあるのかも。

音楽も印象的だったし、自分の人生観をもビリビリ震わせるような大傑作だった。

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惑星ソラリス

Flyersolaris 出演:ドナータス・バニオーニス、ナターリヤ・ボンダルチュク、ユーリー・ヤルヴェト

監督:アンドレイ・タルコフスキー

(1972年・ソ連・165分)DVD

内容:21世紀、世界の科学者たちは表面をプラズマ状の海に覆われた惑星ソラリスに注目していた。心理学者のクリスは、原因不明の混乱状態に陥ったソラリスの軌道ステーションに真相究明のため派遣される。ステーションの混乱を目の当たりにしたクリスもまた不安にかられるようになり、さらに自殺したはずの妻ハリーが目の前に現れ・・・。

評価★★★☆/70点

キューブリックの「2001年宇宙の旅」(1968)と並び称されるSF映画の金字塔と聞かされ続けて十数年、レンタル屋にも置いておらず、BSでも放送してくれず、なかなか見る機会を得られなかったのだけど、ついにその時が来た!

とはいっても、難解な映画とも聞いていたので、かっなり身構えて見たのだけども、フタを開けてみれば、未来都市に見立てられて映し出される東京の首都高が千駄ヶ谷から赤坂見附あたりだとはっきり認識できるくらいの理解の範疇を超えないレベルで見られたのはちょっと拍子抜けだったかんじ。

といっても、外ヅラを理解できた程度だけど、まぁダレることなく見れたからよかったかな。

あ、そっか、、ソダーバーグの「ソラリス」(2002)を以前見てたのがよかったのかw。つってもあれ半分くらい寝てたけど・・・

それはさておき、キューブリックの「2001年宇宙の旅」における人工知能をもったコンピュータHAL9000を、ソラリスという惑星自体に置き換えたような中、そこに行った人間の心が抱えている罪の意識や後悔といった悩みを読み取り、それを実物大にして作り出してしまうというトンでもな海を持つ惑星ソラリスと人間との遭遇を描いたこの映画。

ソラリスによって送り込まれた“客”によって物理学者ギバリャンは自殺し、電子工学のスナウト博士は怯え、生物学者サルトリウスは部屋に閉じこもったまま出てこない。

そして、心理学者クリスの前に現れたのは、毒を打って自殺したはずの妻ハリー。

クリスが抱える最も忌まわしい記憶が、どんなに消そうともがいても再生して甦ってくるハリーによって眼前に突きつけられるさまは、血にまみれながらドアをブチ破るハリーの姿を見てもかなり怖い。

しかし、その“客”は、自分自身の良心の呵責によって生み出されたものだった。

そして、良心の呵責に逆らっても研究対象としてソラリスの真実を追い求めようとする科学者魂にあふれたサルトリウス、一方ギバリャンは良心に耐え切れず自殺するわけだけど、「ヒロシマのように不道徳でも目的が達せられてしまう」科学の恐さ、そして恥も外聞もかなぐり捨てて風車に突撃するドン・キホーテのごとく外へ外へ文明を突き進んできた現代において人類愛なんてものは存在しないんだというメッセージはかなり痛烈だ。

それをこの映画は、時間と空間を超越し、宇宙には他にも生命体がいるんだという夢と希望あふれるSF世界において、そのSFが本来持つ外へ外へではなく、人間の内面世界という内へ内へと向かっていくことで露わにしていくのだから恐れ入る。

時間と空間を超えることができる夢を具現化したのがSFなわけだけど、同じ夢は夢でも人間の潜在意識の奥に眠る内省と願望=夢として、それを具現化するソラリスというのがなんとも面白い。

そういう点では「2001年宇宙の旅」とは全く逆の構図ともいえると思う。

そんな中クリスは、一度は妻ハリーをロケットで放逐したものの、その後は自分の良心と真摯に向き合うことで妻との愛を取り戻していくわけだが、ここにクリスと母親との間にあるビミョーな関係が影を落としているらしいことが差し挟まれることで、なかなか小難しい内容になっているのはたしかだし、ラストのオチも思わずビックリ。。

でも、難しくてダラダラしてるからもう見たくないという気にはならず、もう1回じっくり見たいなという気に駆られたのは自分でも意外だった。

クリスの故郷である水と緑にあふれる自然風景と、一面灰色に覆われた東京の首都高の対照的な風景なども印象的だったし、「2001年宇宙の旅」を初めて見たときは、もう二度と見たくないと思ったものだが(笑)、今回はその点でも対照的だった。

ラスト、茫洋たるソラリスの海に囲まれた島として漂うクリスの緑の故郷、それはクリスの思考の範囲の限界―科学の発達とともにある種の免罪符として唱えられる人類皆兄弟という人類愛の限界―を示しているともいえ、どんなに科学が発達しようとも人間はどこまでも私的な苦悩に苛まれる存在なのだということを表わしているといえる。

「人間の内なるものを省みずして、すなわち恥を知ることなくして人類は救われない」、、、思わず考える人のポーズになってしまう自分(笑)。

この映画が作られた70年代前半は東西冷戦が厳然としてあったわけだけど、あれから約40年、ITの発達で情報は瞬時に世界を駆け巡り、ヨーロッパはEUのもと統合の深化が図られ、オバマ大統領就任に世界が熱狂し、、、しかし世界の人々の距離が縮まったかといえばそういうわけでもなく・・・。便利な世の中にはなったが、人々は孤独の中を彷徨いつづけているように思える。

ソラリスの海から脱却できる日がいつか訪れるのだろうか。

なんかこの映画を5年ごとに見続けていったら、その時々で感じることが違ってくるのかもしれないななんてことを思ったけど、5年後、自分はこれ見てどう感じるのだろう。。

Posted at 2009.09.10

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ソラリス(2002年・アメリカ・99分)MOVIX仙台

 監督・脚本:スティーブン・ソダーバーグ

 出演:ジョージ・クルーニー、ナターシャ・マケルホーン、ジェレミー・デイヴィス

 内容:「惑星ソラリス」(1972)を生んだスタニスワス・レムの名作小説をS・ソダーバーグが新たな解釈で映画化。惑星ソラリスを探査中の宇宙ステーションで異変が発生し、心理学者が調査に向かうが・・・。未知の知的生命体と出会った人間が自己の内面と対峙させられるという深遠な物語を、今回は主人公と彼の妻の夫婦愛に焦点を絞って描いている。

評価★/15点

“見ている途中で不覚にも眠ってしまったからといって、この映画にかぎっては他人にとやかく言われる筋合いはないw!”

夢のシネマパラダイス604番シアター:女性という世界で1番ミステリアスな生き物について

この国の空

Poster2出演:二階堂ふみ、長谷川博己、工藤夕貴、富田靖子、石橋蓮司、奥田瑛二

監督・脚本:荒井晴彦

(2015年・日本・130分)WOWOW

内容:昭和20年の東京・杉並。戦争末期で若者は戦場へ送られ、子供は地方へ疎開し、女と老人しかいない街で母と2人暮らしの19歳里子。空襲で焼け出された伯母が転がり込んできて生活がますます苦しくなる中、妻子を疎開させ隣家で一人住まいをしている38歳の市毛は何かと頼りになる存在だった。しかし、いつしか里子は市毛を異性の男として意識するようになっていき・・・。

評価★★★☆/70点

昭和20年の平均寿命は男性24歳、女性38歳と聞いて愕然としたことがあるけど、そっか、銃後の街とは戦場に駆り出されていく男たちと集団疎開で田舎へ移っていく子供たちが不在の老人と女性しかいない街なんだ・・・。

考えてみれば当たり前の戦争が市井にもたらす常識に今回初めてハッと気付かされた。

また、国同士が殺し合いをし、いつ焼夷弾に焼き殺されるかもしれず、いつ敵方が上陸してきて蹂躙してくるかも分からないまさにこの世の終わりを目前とする中でも、このまま男の愛を知らないまま死ぬのは嫌だと悶々とする年頃の娘の心情もかなり新鮮に感じられた。

そしてラストの「これから私の戦争が始まる」という衝撃の一言には、女の怖さと生命力の強さに圧倒されてしまった

いつの世も恋は人を狂わせるのだねぇ

でも1番衝撃的だったのは、不倫相手の男の寝床の生々しさだったかもw

しかし、主人公の母親と伯母を工藤夕貴と富田靖子が演っていたことに最後まで気付かなかった自分って・・

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イニエーション・ラブ

Poster3出演:松田翔太、前田敦子、木村文乃、森田甘路、三浦貴大、前野朋哉、木梨憲武、手塚理美、片岡鶴太郎

監督:堤幸彦

(2015年・東宝・110分)WOWOW

内容:バブル真っ只中の1980年代後半、静岡。就活中の大学生・鈴木は、気乗りしないまま参加した合コンで、歯科助手のマユに一目ぼれ!少しでも彼女に釣り合う男になりたいと身なり格好に気を使い、次第に距離を縮めていく。やがて就職した鈴木は東京へ転勤となり、マユとは遠距離恋愛になってしまうが・・・。

評価★★★/65点

サイドAとサイドBでこれ見よがしに日付がいちいち出てくることからサイドAとサイドBって同時進行の話!?と途中で気付いちゃって、となると必然的にたっくんは2人いるというオチはなんとなく読めたんだけど、マユちゃんの二股事実があらためて示されると見てる方はやっぱりショックが大きくて・・・

なんか明石家さんまが好きそうな典型的小悪魔キャラのマユちゃんに前田敦子がドハマりで、女って怖ぇーという戦慄が倍加して襲ってきたかんじ

でも、これ冒頭でこの映画にはある秘密がありますってテロップが出なければたぶん最後まで気付かなかったと思うんだよね(笑)。普通にラストに秘密をばらさないで下さいってすればよかったのに、と思ったのは自分だけ?

まぁ、それもあって「あなたは必ず2回見る」というキャッチコピーは自分には通用しなかったけど、心身ともに1番大きな傷を負ってるのはマユちゃんでもあるわけで、そう考えるとマユちゃん視点のサイドCを見たかった気も。。

P.S. ラブホの前で躊躇しているたっくんに向かって「女に恥かかせないでよ。行くよ!」と引っ張っていく美弥子(木村文乃)のような女性と出会いたいですww

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私の男

Watasi出演:浅野忠信、二階堂ふみ、モロ師岡、河井青葉、三浦貴大、安藤玉恵、竹原ピストル、高良健吾、藤竜也

監督:熊切和嘉

(2013年・日活・129分)WOWOW

内容:北海道奥尻島を襲った津波で孤児となった10歳の少女・花。そんな彼女を遠縁だという男・淳悟が引き取り、二人は雪と流氷に閉ざされた紋別の田舎町で寄り添うように暮らしていた。しかし6年後、地元の名士の大塩は二人のゆがんだ関係に気付き、淳悟から離れるよう花を説得する。ところがその後、厳寒の海で大塩の遺体が発見される・・・。

評価★★★/60点

毎年、京都の清水寺で発表される「今年の漢字」。

東日本大震災に見舞われた2011年は“絆”だった。震災により人と人、家族の絆がクローズアップされ、復興支援においても震災で受けた傷を絆で癒やそうなんていうスローガンも掲げられたりした。

しかし、ここに福島の原発事故が絡んでくると“絆”はどこへやら。

震災のがれき処理を受け入れようとする他県の自治体は市民の袋叩きにあい、原発避難者はいじめや差別にあう・・・。

結局、絆絆と呪文のように唱えているのはマスコミと被災地に住んでいない人々の自己満足にすぎないのではないか、という違和感を岩手県民のひとりとして少なからず感じていたのだけど、“絆”とはそんな安っぽい偽善めいた言葉ではないのだという今回の映画のドロドロとした“血の絆”はかなり衝撃的。

ほぼほぼ悪意しかないインモラルな近親相姦ものなので共感度はゼロだったけど、二人の心象風景を写し取ったかのような北海道の鈍色の景色と淫靡なカメラアングル、そして浅野忠信&二階堂ふみの怪演に最後まで見入ってしまった。

ただ、家族を津波で一瞬にして失った少女がそのショックから背徳のモンスターに変貌を遂げていく(母親の遺体を蹴り上げるシーンがあることからもともと親に対する憎悪があった?)のは百歩譲って分かるとしても、家族が欲しいと少女を引き取った遠縁の男(実は父親)の内面心理がどうにも理解できず、やはり決定的に相容れない映画だったなと。。

まぁ、時々こういう映画もあっていいけどね(笑)。

しかし、シチューをぶっかけて刺殺するシーンが今になっても頭から離れないんですけど

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白河夜船(2015年・日本・91分)WOWOW

 監督・脚本:若木信吾

 出演:安藤サクラ、谷村美月、井浦新、高橋義明、伊沢磨紀、竹厚綾

 内容:仕事もせず部屋で惰眠をむさぼり、恋人の岩永からの電話を待つだけの日々を送る寺子。岩永には妻がいるが、交通事故に遭って以来ずっと眠り続けていた。そんなある日、お客の隣でただ添い寝をする仕事をしていた親友のしおりが自殺してしまう・・・。

評価★★★/60点

人は人生の3分の1を睡眠にあてているのと同様、映画の3分の1が睡眠シーンみたいなかんじ。

ただ、主人公の寺子(安藤サクラ)のは睡眠というより惰眠であり、現実逃避のために眠る行為があるのが、常に睡眠不足の自分には決定的に理解不能(笑)。。

安藤サクラの脱ぎっぷりは評価に値するけど、ある意味その女優魂だけでもっているような映画だった。

もっと夢と現実の境目があいまいになるような奇っ怪な夢うつつの世界の危うい恐怖感=死のメタファーみたいなものが前面に出てきてもよかったかなぁと思ったけど、安藤サクラの生命力と存在感が強すぎてそれも難しいんだよね。

そういう意味では企画倒れだと思うけど、パンツが食い込んでいる安藤サクラのどーでもいい日常風景だけで元が取れるってのもスゴイと思うw

要するに、安藤サクラはスゴイ女優さんだ!ってことでした。

2016年8月28日 (日)

夢のシネマパラダイス567番シアター:アイアムアヒーロー

アイアムアヒーロー

Poster2出演:大泉洋、有村架純、長澤まさみ、吉沢悠、岡田義徳、片瀬那奈、マキタスポーツ、塚地武雅、風間トオル、徳井優

監督:佐藤信介

(2015年・東宝・127分)盛岡フォーラム

内容:漫画家アシスタントをする35歳の鈴木英雄は、同棲している彼女にもあきれ果てられるほど肩身の狭い日々を送っている。そんなある日、徹夜仕事から帰宅した英雄は、なにやら様子がおかしい彼女に突然襲われる。なんとか逃げ出した英雄だったが、街中で目の当たりにしたのは新型ウイルスに感染し、異形の姿に変貌を遂げた者たち(ZQN・ゾキュン)が次々と人々を襲う光景だった・・・。

評価★★★☆/70点

正直期待はあまりしていなかった。

グロくて生々しく生理的不快指数の高いキワドい描写が多い原作マンガにあって、大泉洋&長澤まさみのNHK大河ドラマ組と清純派筆頭の有村架純というキャスティングは突き抜けた冒険はしづらいだろうなと思ったし、そう考えると「ワールド・ウォーZ」のような血しぶきの少ない俯瞰的なパンデミック路線に舵を切るのだろうと予想していた。

ところがフタを開けてみたら、あらビックリ。

ZQNのリアルで気持ち悪い造形は完璧だったし、売れない漫画家・鈴木英雄(大泉洋)のさえない日常風景が恋人てっこ(片瀬那奈)のZQN変貌により崩壊していく序盤は、原作ファンとしては100点満点の出来。さらにそれに続く職場事務所でのドランクドラゴン塚地が金属バットで頭をベッコンバッコンするモラルや葛藤無視の暴走っぷりは、ゾンビより人間の方がはるかに恐ろしいことをショッキングな映像でつづる海外ドラマ「ウォーキング・デッド」を凌駕するものだったと思う。

終盤アウトレットモールでの大スプラッタ祭りも邦画でここまでやるかっていうくらい過激だったし、全体的なインパクトは絶大で、えっ?ここでもう終わっちゃうの!?と思ってしまうくらいあっという間の2時間だった。

あとは何といっても大泉洋のハマり具合が笑っちゃうくらいハンパなかったことだね。初めて発砲する時の「はーい」という掛け声はあまりにもマンガのイメージ通りで背中に電流が走ったくらいww

あと、序盤にチョイ役で出てくる中田コロリ役のラーメンズ片桐もまんまで(笑)、というか原作者の花沢健吾が芸能人を当て書きしてるふしがあるのであれだけど、見終わってみればキャスティングも満点。

こうなると否が応にも続編に期待しちゃいたいところだけど、ズッコケ臭がプンプンするのでやらない方がいっかな

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ワールド・ウォーZ

O0480071112654808260 出演:ブラッド・ピット、ミレイユ・イーノス、ジェームズ・バッジ・デール、ダニエラ・ケルテス、デヴィッド・モース

監督:マーク・フォースター

(2013年・アメリカ・116分)DVD

内容:フィラデルフィアで妻と2人の娘と平穏な日々を送っていたジェリー・レイン。ある日、家族を乗せた車で渋滞中にビル群の爆発や相次ぐ玉突き事故などの異様な光景を目の当たりにする。さらに人の群れが手当たり次第に人に咬みつき、被害者は突如として凶暴化するのだった。なんとか現場を逃れた彼のもとにかつて勤務していた国連から、謎のウイルスが全世界的に感染拡大しているという連絡を受け、調査隊への参加を要請される・・・。

評価★★★★/75点

“Around The World In Seven Days”

アメリカの大都会フィラデルフィアとNY、韓国の米軍基地、聖地エルサレム、ウェールズのWHO研究所の全4ステージを“Z”と戦いながら、カーアクション、チャリンコレース、飛行機パニック、密室劇といった多彩なサバイバルシチュエーションとミッションをこなしてクリアしていくアクションRPG!という言葉がピタリとくる映画w

出会い頭に車が衝突しようが、飛行機の中で手榴弾を爆発させて客席が吹き飛ぼうが、その飛行機が墜落しようが、鋭利な破片が脇腹に突き刺さって貫通しようが、3日も寝れば全快になってしまうブラピの不死身ぶりはまさにゲームの主人公そのもの。

しかし、それをご都合主義と揶揄することは容易いものの、追うゾンビと逃げる人間というゾンビ映画の基本シークエンスであるミニマムな主観視点に、空撮とモブシーンというパニック映画のマクロな俯瞰視点を距離的空間的スケールで加えることにより阿鼻叫喚のパンデミック映画にブラッシュアップした演出はバカにはできない。

端的にいえばゾンビを天変地異と同類としたディザスタームービーにしたという点が新しいというか。要するにイナゴの大群だよね(笑)。

で、グロさを控え目にしている点も含めてテンポよく見れてしまう面白さはある。

ただ、ディザスタームービーにしちゃうと絶望が心地良いという欠点が出てきて、そこがクリアされていないため、どうしてもゲーム的になっちゃうんだよね。

それはつまりZを殲滅することに対する罪悪感、もっといえば肉親に手を下さなければならない絶望という極限状況まで追い込まれた人間模様を描かなければダメだったと思う。

まぁ、ブラピが出るビッグバジェットのイメージ的にそれは難しかったのかもしれないし、そんな悪夢のような心地の悪い映画を見たいかというと見たくはないんだけどね

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コンテイジョン

621 出演:マリオン・コティヤール、マット・デイモン、ローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウ、グィネス・パルトロー、ケイト・ウィンスレット

監督:スティーヴン・ソダーバーグ

(2011年・アメリカ・106分)WOWOW

内容:ある日、香港からアメリカに帰国した女性がその2日後に高熱で死亡。同じような事例が世界各地で相次ぎ、それが短期間で死に至るような新種のウイルスによることが判明する。驚異的な速さで感染拡大し、死亡者も増大していく中、世界保健機関WHOやアメリカ疾病予防管理センターCDCなどはウイルスの特定とワクチン開発に乗り出すとともに、感染者の隔離と感染ルートの解明に奔走するが・・・。

評価★★★☆/70点

香港で発生した新種の殺人ウイルスが驚異的なスピードで全世界に広がっていくパニック群像劇だけど、不思議と緊迫感も迫り来る恐怖も感じられない。

それは締まりがないということではなく、驚異的なまでにそつなくまとめられていて、退屈はしないし、ifストーリー&シミュレートとしては面白く見られるのだけども、どこまでも淡々と状況説明だけに終始していてテンションが上がってこないのだ。

39度の熱にうなされている人々を35度の低熱で見つめ続ける他人事な感覚は好みではない。

まぁ、ソダーバーグ映画特有の熱量のなさについてはすでに免疫ができているので物足りなさを面白さが上回ったかんじではあるけど、映画を見たという感触には乏しい。

やはりこう考えてくると、映画にはヒーローがいた方がいいんだなと思ってしまうわけだけど・・・

しかし、今回はワールドワイドなマクロ視点をベースにしていたので、どうしても個人・家族レベルのミクロ視点とは一定の距離を置かざるをえなかったのかもしれない。

そういう点ではソダーバーグの演出は舌を巻くばかりにこなれていて巧いとしか言いようがなく、どこぞの国の「感染列島」なんかよりは断然見応えがあることだけはたしかだww

2016年6月 5日 (日)

夢のシネマパラダイス141番シアター:ミッション・インポッシブルシリーズ

ミッション:インポッシブル

Missionimpossible 出演:トム・クルーズ、ジョン・ヴォイト、エマニュエル・ベアール、ジャン・レノ

監督:ブライアン・デ・パルマ

(1996年・アメリカ・110分)仙台第1東宝

評価★★★★/75点

内容:極秘スパイ組織IMFのメンバーであるイーサン・ハントたちは、東欧に潜入しているCIA情報員のリストを盗んだアメリカ大使館員と情報の買い手を捕らえる指令を受けた。しかし、作戦はなぜか敵に筒抜けで、メンバーの数人が銃弾に倒れてしまう。辛くも逃れたハントはIMFに内通者がいることを聞かされ、今回の作戦がそれを暴くために仕組まれたものであることを知るのだが、、、。

“「クレアの味を知っているからねぇ・・・」このエロ親父

ジョン・ヴォイトのイヤらしい目が脳裏から離れない。。セクハラ親父でっせどう見ても。

しかもエマニュアル・べアールに手を出すなんて。うう・・考えただけでも・・・。ていうか妄想すんなオレ・・

マックスばあさんの方がお似合いだろうがよ。。

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M:I-2(2000年・アメリカ・124分)DVD

 監督:ジョン・ウー

 出演:トム・クルーズ、ダグレー・スコット、サンディ・ニュートン、ビング・レイムス

 内容:休暇を楽しむイーサン・ハントにまたもや指令が下る。それは、ロシアの医学博士が開発した、感染後約30時間で人間の赤血球を破壊する殺人ウイルスの行方を探し出せというものだった・・・。

評価★★★☆/70点

“あまりにもジョン・ウーの独特な映像美が強すぎて、映画のもつスリルにハラハラドキドキできない。ルーサーに比べたら観てるこちら側のスリル感なんてちっぽけなもんだ。”

ライトバンの中にこもってモニター見ながらイーサン・ハントのバックアップをする男、ルーサー。

イーサンが何を好き勝手しようがモニターを見てただ待つしかない男、ルーサー。

「敵がそこまで来ているーーッ!」「おい、あと19秒しかないぞーーッ!」「10、9、8、7、6、、、急げーーッ!」・・・ただ叫び伝えることしかできない男、ルーサー。

爆弾まで仕掛けられてしまう男、ルーサー。

浮いた話が全くない男、ルーサー。

そのくせ実はけっこうイイ奴、それがルーサー。

心拍数上がりまくりで、強心臓じゃないと耐えられない精神的重労働に文句一つこぼさず務める男、ルーサー。

Part3にも出てほしい男、ルーサー。

はたしてPart3まで心臓もつのかな・・・。

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M:i:Ⅲ

061117_mi3_dvd 出演:トム・クルーズ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ヴィング・レイムス、マギー・Q、ローレンス・フィッシュバーン

監督:J・J・エイブラムス

(2006年・アメリカ・126分)2006/08/03・MOVIX仙台

評価★★★★/80点

内容:看護士ジュリアとの結婚を控えるイーサン・ハントは、一線を退いて教官としてスパイの育成に務めていた。そんなある日、イーサンのもとに新たなミッションが届く。教え子である女性エージェントのリンジーがベルリン潜入中に、闇ブローカーのオーウェン・デイヴィアンの組織に拘束されてしまったのだ。さっそくイーサンは、同僚とともに救出へ向かうのだが・・・。

“ヤル気満々ハイテンションフルスロットルで疾走するトム・クルーズにジャッキーの幻影を見た!”

上海の裏町をラン・ローラ・ランも真っ青の全力疾走、ビルからビルへスパイダーマンも真っ青の大ジャンプからカリオストロのルパンも真っ青のビルの壁面直滑降。

ここだけ聞けばジャッキー・チェンの映画としか言いようがないのだけど、開けてびっくり見てびっくり、ヤル気満々のトム・クルーズが必死の形相で世界を股に息もつかせぬ熱血体当たり演技を120分にわたって繰り広げる本気度120%のサスペンスアクションになっていたのだ。

断じてこれはスパイ映画とは呼べないシロモノだが(笑)、しかしミッション・インポッシブルシリーズでは1番出来の良い作品だといえよう。

1作目の裏切りサスペンスネタをより洗練させ、2作目の「24」ばりのタイムリミットネタとハードアクションをよりスピーディかつ派手にしたことで、前2作がそれぞれシンプルかつバージョンアップした上でうまく融合された形となった。

また、“ラビットフット”と呼ばれる世界を破滅に導く武器名としか分からないシロモノが、いわゆるマクガフィンとして映画のサスペンスと緊張を持続させる道具として効果的に用いられている。

結局最後までラビットフットとは何だったのか詳しく明かされることはなかったが、そのことが全く気にならないほど映画としての完成度は高い。これほどマクガフィンがうまく活かされている映画というのは近年では稀ではないだろうか。

J・J・エイブラムスの確かな手腕を見出せる作品だった。

しかし、、、イーサンの奥さんのド素人とは思えない銃さばき・・・まさか奥さんもどっかの秘密組織に(笑)!?

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ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

Img_579923_22207219_0 出演:トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ、ポーラ・パットン、ミカエル・ニクヴィスト、ジョシュ・ホロウェイ、レア・セドゥ、トム・ウィルキンソン、ヴィング・レイムス、ミシェル・モナハン

監督:ブラッド・バード

(2011年・アメリカ・132分)盛岡フォーラム

内容:ロシアで核テロを目論むコードネーム“コバルト”という人物の情報を入手する任務についていたイーサン・ハントだったが、その最中クレムリンで爆破事件が発生。その容疑がイーサンのチームにかけられてしまう。米国大統領は政府の関与を否定するべく“ゴースト・プロトコル”を発令、イーサンらはIMFから登録を抹消されてしまう。後ろ盾を失ったままイーサンたちは孤立無援のミッションの遂行を余儀なくされる・・・。

評価★★★★/80点

デビューから30年、常にハリウッドのトップランナーとして君臨してきたトム・クルーズ。

考えてみれば30年間ヒット作を絶え間なく出し続けるということがどれほどスゴイことか、例えば音楽シーンなんかを見てもそうめったに出来ることではない。

ではどうやってヒット作を生み出しつづけてきたのか。それは時代のトレンドを捉え貪欲に自分の可能性にチャレンジし進化してきた証なのだろう。それが大スターであり続けるゆえんなのだ。

それをふまえていえば、ミッション・インポッシブルのテーマは“挑戦”、“既成概念を打ち破る発想”、“不可能を可能にする”というものであり、それはそのままトム・クルーズという役者そのものを言い表しているともいえると思うのだけど、ミッションシリーズ4作目となる今回はその衰えを知らぬ飽くなきエンタメ魂を身をもって体感できた気がする。

なにより地上828メートルの壁面に余裕でへばりついているだけでも高所恐怖症の自分からするともの凄いことなんだけどw、映画そのものの方も東西冷戦の古典的対立構図の象徴であるクレムリン爆破というプロットで度肝を抜いたかと思えば、大仕掛けの“だるまさんが転んだ”で笑いをとり、趣向をこらしたスリリングなアクションがこれでもかと続くあれよあれよという間の130分は新鮮な驚きと面白さに満ちあふれている。

最大のポイントは、今まではイーサン・ハントの個人能力を活かした一人舞台という色合いが濃かったのが、今回はチームワークを活かしたアンサンブルに切り替わっていて筋立てに幅が出ていることにあるといえる。

しかも、ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ、ポーラ・パットンというチームメンバーがみんなユニークで、コミカルなドタバタ劇風に味付けされているのも大きな強みだ。

ジェレミー・レナーが過去の事件で心に傷を抱えハントに負い目を持っていたり、ポーラ・パットンは恋人のエージェントを女殺し屋に殺されて復讐心を抱えていたり、サイモン・ペッグは、、相変わらずボケまくりだけどw、キャラクターの背景がしっかり作りこまれていて、それをベースに映画が構築されている。その点でキャラ立てのクオリティに関して常に120点満点を与えられるピクサーアニメ出身のブラッド・バードは初実写映画でもさすがの手腕を発揮している。

1作ごとにメンバーを入れ替えているイーサンのチームだけど、ぜひとも次回作もこのメンバーでやってもらいたいものだ。

しかし、女暗殺者のレア・セドゥ。ブルジュ・ハリファから突き落とすにはもったいない美人さんだったなぁ・・

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ミッションインポッシブル/ローグ・ネイション

Poster2出演:トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴィング・レイムス、アレック・ボールドウィン

監督・脚本:クリストファー・マッカリー

(2015年・アメリカ・131分)盛岡フォーラム

内容:イーサン・ハント率いるIMFは、世界各地で事件を引き起こす謎の組織“シンジケート”を追っていたが、情報が洩れて逆にイーサンが囚われの身になってしまう。さらに、CIA長官によってIMFが解散を命じられ、CIAに吸収される事態に。そんな中、イーサンは謎の女スパイ・イルサに助けられ窮地を脱出、バラバラになったメンバーに秘かに接触し、シンジケートを暴くべく動き出すが・・・。

評価★★★★/80点

離陸する軍用機の機体にしがみつくオープニングショットからラストのソロモン・レーン捕縛作戦に至るまでジェットコースター感覚の行き着く暇もない怒涛のアクションシークエンスで成り立っている映画なんだけど、アクションがそれ別個に逸脱して存在するのではなく、ストーリーラインにしっかり乗っかった上で不自然さや違和感のない流れになっているところがこの映画のスゴイところ。

要はアクションのために物語があるのではなく、物語のためにアクションがあるといえるのだけど、アクション映画でそれを形成できるというのはそうそうあるものではない。

ではこの映画の稀有なバランス感覚は何に由来するのか、と考えると1番大きいのはIMFチームメンバーの強固なキャラクターと絶妙な立ち位置のバランスにあったのではないかと思う。

これまでのシリーズの作品はイーサンの個人プレイだけで場を醸成してきた感が強く、まぁ前作あたりからチームプレイも大切にしてきてはいたのだけど、今作でそれが確立されたかんじ。

オラオラ感の抜けたイーサン、ボケ担当ベンジー、堅物ブラント、古株ルーサー、謎の美女イルサとまるでルパン三世一味を思わせるバランスの良さで、うまく緊張と緩和が生み出され観客を飽きさせることがない。特にベンジー(サイモン・ペッグ)はMVP級だった。

あとはここに銭形警部が加われば完璧なんだけど、アレック・ボールドウィンはイマイチちょっとなぁw

ともかくこのベストな布陣プラスアルファで次作も臨んでほしいところ。チームメンバーにファミリー感を取り入れたことで進化を遂げたワイルドスピードシリーズに追随する流れになっていけばいいけどね。

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(おまけ)

ナイト&デイ

Knight001590x873 出演:トム・クルーズ、キャメロン・ディアス、ピーター・サースガード、ヴィオラ・デイヴィス、ポール・ダノ

監督:ジェームズ・マンゴールド

(2010年・アメリカ・109分)WOWOW

内容:妹の結婚式のためボストンへ向かおうとしていたジューンは、空港でロイと名乗る男と出会う。機内でも近くの席になり、ナイスガイな彼の笑顔に浮かれるジューンだったが、これが彼女の人生を変える出会いになるとはこのときは知るよしもなかった。ふと化粧室に行って戻ってくるまでは・・・。

評価★★★/60点

ジェイソン・ボーンシリーズをはじめとする00年代のストイックなスタイリッシュアクションのすっかりお得意様になってしまったオイラからすると、今回の80年代臭がプンプンするお気楽アクションの大げさなノリはなかなかなじめず、アドレナリンのかわりに眠気が襲ってきてしまった・・。

とはいえ、寄る年波をものともしない中年オジサンとオバサン、いやお姉さんwの魅力は幾分も減退しておらず、2人のスター性はスクリーンにMAXに焼きついている。

ちょっとお姉さんのしわが増えたかな、、とは思ったけど(笑)、お茶目な天然ボケ姿はやはりキャメロンの真骨頂であり、どこまでも颯爽なトムはトムでありつづける。

そんな2人に陰のあるシリアスさは似合わない。明朗な能天気アクションであればこそ、この2人の魅力が生きるのだとストンと納得!

、、、で、一体誰と戦ってたんだっけ!?

と思うくらい2人しか印象に残ってないてのもある意味スゴイよねww

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(番外編)

ワルキューレ

A5efa5eba5ada5e5a1bca5eca1a1c9bd 出演:トム・クルーズ、ケネス・ブラナー、ビル・ナイ、トム・ウィルキンソン、テレンス・スタンプ

監督:ブライアン・シンガー

(2008年・アメリカ・120分)WOWOW

内容:第二次大戦下、アフリカ戦線で左目を失い奇跡の生還をはたしたシュタウフェンベルク大佐。ヒトラー独裁政権へ反感を抱いていた彼は、ドイツ軍内部の反ヒトラー勢力の一員になる。そして、彼はヒトラー暗殺後、ベルリンの予備軍によって政権及び国内を掌握するクーデター計画“ワルキューレ作戦”を立案、暗殺の実行も任されることになるのだが・・・。

評価★★★☆/70点

先日テレビで42回もヒトラー暗殺は企てられていたというのをやっててビックリ仰天しちゃったんだけど、ていうか42回も失敗し続ける確率って、どんだけ悪魔に魅入られた男だったんだヒトラーは・・・。

結局、ヨーロッパ全土を火の海にしたあげく自ら命を絶ったわけだけど、今回の映画は歴史に「ifもしも・・」があるならば、と思わず考えてしまう作品になっている。

軍や警察、政治の中枢にまでネットワークが及ぶ反ヒトラー組織があったというのは目からウロコだったし、歴史的事実として暗殺計画が失敗に終わることが分かっている中で緊張感の途切れることのない演出に引っ張られて最後まで見入ってしまった。

ただ、微妙なボタンのかけ違いから計画が破綻していくプロセスを見るのは、まるで完全犯罪が崩れていく犯罪ドラマを見ているかのようなのだけど、そこにはシニカルな視点もなければ破滅の美学もない。

かといって血生臭さもなければ悲壮感が漂うわけでもなく、いたってシンプルな娯楽サスペンスにしか見えない軽さは、この手の映画ではいかがなものかとも思うけど、まぁ面白ければいいのか・・ww

まぁ、たしかにスーパーヒーロー、トム・クルーズに悲壮感なんて似合わないしな。

彼が銃殺されてしまうラストにはド肝を抜かれたけど、悲壮というよりはやっぱ美しくてカッコ良くて様になるんだよね。

そういう点では、トム・クルーズが大石内蔵助をやってる忠臣蔵を見ているような感覚とでも言えばいいのかな。。秩序だった存在感のある安定したエンタメ作だったとは思う。

2016年3月28日 (月)

夢のシネマパラダイス573番シアター:ワイルドスピード

ワイルド・スピード

009  出演:ポール・ウォーカー、ヴィン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースター

監督:ロブ・コーエン

(2001年・アメリカ・107分)DVD

内容:ドミニクはストリートレースに全てを賭け、あらゆる挑戦者を打ちのめし君臨するカリスマ・レース狂。しかし、そこへ新たなレーサー、ブライアンが登場。彼はロサンゼルスで頻発している連続トラック・ジャック事件を追う若手潜入捜査官だった。。

評価★★★/65点

潜入捜査の葛藤や緊張感など完全スルーのアクセル踏み続けの車バカ映画なのだけど、みんな真っ正直に車バカなので気楽に楽しめてしまう。

しかも、ワル番長ドミニク(ヴィン・ディーゼル)が実は妹と仲間思いのめっちゃイイ奴なのもポイント高しで、人の良さが目ににじみ出ちゃってるのが笑えるw

カーアクションもワイルドかつスピード感たっぷりに撮られていて及第点。

日本車が多いのも良かったね

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ワイルド・スピード×2(2003年・アメリカ・108分)WOWOW

 監督:ジョン・シングルトン

 出演:ポール・ウォーカー、タイリース・ギブソン、コール・ハウザー、エヴァ・メンデス

 内容:潜入捜査中に犯人を逃がしたことで警察官を辞め、ストリートレースに身を投じていたブライアン。そこに、再び囮捜査の依頼が舞い込む。彼は信頼する天才ドライバー、ピアースとともに巨悪に挑んでいく。なぜか日本車ばっかりの爆走レースは必見!

評価★★★/60点

ヴィン・ディーゼルがいなくなったことにより続編としての魅力が減退しているのはたしか。

敵役もヌルいし、安っぽいバディムービーになり下がってしまった感が・・。

しかし、ニトロ注入していくらブッ飛ばそうが、ドでかいネズミが腹に注入される恐怖に比べたら屁みたいなもんだなww

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ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT(2006年・アメリカ・104分)DVD

 監督:ジャスティン・リン

 出演:ルーカス・ブラック、バウ・ワウ、千葉真一、サン・カン、北川景子

 内容:カリフォルニアの高校生ショーンは、大の車好きが高じてチューンナップした車を爆走させてたびたび警察の厄介になっていた問題児。が、ある日ついに大事故を起こしてしまい、少年院送りが確実となってしまう。それを逃れるため、ショーンは軍人の父親を頼って日本へやって来る。そこで彼は、日本が生んだ超絶技、ドリフトレースを初めて目の当たりにするのだった。。。

評価★★★/60点

“妻夫木の「GO!」をもう一回撮り直した方がいい。。”

軽っるぃーーんだもん、あの演技(笑)。

というのはさておき、ショーンが日本に着いた途端、駅の宣伝看板にM.C.ハマーが貼られているという時代錯誤など、いろいろツッコミどころ満載の日本描写だったけど、あたかも実際に渋谷で撮影したかのようなカーチェイスシーン(ロスで撮影し、渋谷の街をハメ込み合成しただけらしい)や首都高を疾走するシーンなど、カーアクションに関しては見所も多く、深く考えないで見れば普通に楽しめる映画になってはいる。

だって映画開始10分後の大クラッシュで、あれはどう見ても即死やろっていう(笑)。ノリで見ないとダメだなこれは。

あ、あと日本では180キロ以上のスピード出してる車は警察は追わないというのはホンマかいな。。

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ワイルド・スピード MAX(2009年・アメリカ・107分)

 監督:ジャスティン・リン

 出演:ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースター、ジョン・オーティス、ラズ・アロンソ、サン・カン、ロン・ユアン

 内容:指名手配中の凄腕ドライバー・ドミニクが、ある人物への復讐を誓いLAに舞い戻ってきた。一方、FBI捜査官となったブライアンは、麻薬組織摘発のため潜入捜査をしていた。メキシコからのヤクの運び屋を選ぶストリート・レースに出場することになったブライアンはそこでドミニクと再会するが・・・。

評価★★★☆/70点

この後にメガヒット街道を邁進していくド級エンタメに大化けする端緒となったドミニクファミリー映画としてその雛形を提示した記念すべき1作。

7作中唯一見逃していたため最後に見ることになったんだけど、キャラクターや作劇に粗さはあるものの、ドミニクとブライアンの1作目のしこりがいまだに残っているビミョーなコンビ感など今となっては新鮮で感慨深く見れて楽しめた。

まさかレティがあんな早くに退場しちゃうとは思わなかったけど、これが後作の伏線になるとは誰も思わなかっただろうね(笑)。

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ワイルド・スピード MEGA MAX

Poster 出演:ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ジョーダナ・ブリュースター、ドウェイン・ジョンソン、タイリース・ギブソン、リュダクリス、サン・カン

監督:ジャスティン・リン

(2011年・アメリカ・130分)DVD

内容:ドミニクと彼の脱獄に協力した元FBI捜査官のブライアンたちはブラジル・リオに身を隠していた。が、彼らはそんな生活から抜け出し、もう一度自由を手に入れるべく、リオの犯罪王レイエスの財産を強奪するという無謀な賭けに出る。一方、ドミニク一味の逮捕に執念を燃やす捜査陣は、特別捜査官ホブスをブラジルに送り込む・・・。

評価★★★★/80点

W杯にオリンピックとメガ国際大会が連続してあるブラジル・リオにとって何らプラスになることはない映画であることはたしかだけどw、シリーズ中でも出色の出来であることは疑う余地がない。

悪党が家族愛に目覚めたあげく、大悪党をギャフンと言わせたる!というプロットは、名作「スティング」を想起させるといったら言いすぎだけど愉快痛快だし、単なるレーシング映画からメガ盛りの犯罪アクションに変貌を遂げている中で、カーアクションが添え物になるどころか、それに比例してメガ盛りになっているのも嬉しいところで、満腹感はハンパない。

総じて満足できる映画になっていると思う。

なにより、金庫破りで金庫をそのまま引っこ抜いて直接引きずっていくという、ATMをショベルカーでぶっ壊す奴も考えつかないバカ発想を力づくでやっちゃうのには目が点になってしまった。

そもそも10トンもの金庫を車2台で引っ張れるものだろうかとも思っちゃうけど

でも、超ド迫力映像を前にすると、ただただ納得する以外になくなってしまうし、ここまでくるともはや気持ちがイイ。

5作目にして最高傑作、、ってありえねーよ普通(笑)。

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ワイルド・スピード EURO MISSION

10_px280 出演:ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ドウェイン・ジョンソン、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースター、タイリース・ギブソン、リュダクリス、サン・カン、ルーク・エヴァンス

監督:ジャスティン・リン

(2013年・アメリカ・130分)盛岡フォーラム

内容:元エリート軍人ショウ率いる国際犯罪組織を追うホブスは、ドミニクに捜査協力を要請する。渋るドミニクにホブスは、死んだはずの恋人レティがショウ一味に荷担していることを示す写真を見せる。一転してドミニクはブライアンたちを招集し、危険なミッションに挑むのだが・・・。

評価★★★★/75点

最初はただの暴走族がスピードに酔いしれるだけのカーアクションムービーだったのが、次第にクライムアクションへシフトしていき、スタイルもバディもの、チームものと来て、ついには家族愛を謳うまでに進化。

いまやド派手な総合エンタメアクションムービーと呼ぶにふさわしいビッグバジェットになった中で、今回は戦車にジャンボジェットと規格外のチェイスを繰り広げて、いったいどこまでスケールアップすれば気が済むんだというかんじ。

ゆくゆくは“ドミニクファミリー、地球を救う”なんてとこまで行っちゃいそうな予感

ってもう完全に正義のヒーローじゃんw

でも、6作も続くとキャラ立ちもルパン3世なみに強固になってきて、アクションや作劇はもうハードルが上がりきったかんじだから、キャラだけでも十分見どころがあるのは強みだね。

しかし、そんな矢先にポール・ウォーカー死去の報せが届き呆然

7作目の公開も決まったようだけど、この喪失を新たなサイクルの始まりとしてプラスに転じさせることができるように願うばかりだ。

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ワイルド・スピード SKY MISSION

21588971_8348出演:ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ドウェイン・ジョンソン、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースター、タイリース・ギブソン、リュダクリス、トニー・ジャー、ジャイモン・フンスー、カート・ラッセル、ジェイソン・ステイサム

監督:ジェームズ・ワン

(2015年・アメリカ・138分)盛岡フォーラム

内容:前作でオーウェン・ショウ率いる国際犯罪組織を壊滅させたドミニクファミリー。しかし、そんな彼らの前に弟オーウェン・ショウの仇討ちに燃える兄デッカード・ショウが現れる。手始めに東京にいたハンを血祭りに上げたデッカードの予測不能の攻撃に、為す術もないまま窮地に陥っていくドミニクたちだったが・・・。

評価★★★★★/100点

ポール・ウォーカーが撮影中に不慮の事故で亡くなるという悲劇を乗り越えて完成にこぎ着けただけに情が入って評価も甘くなっちゃうけど、しかしそれを抜きにしても娯楽アクションとして最高の一級品だったと思う。

邦題の付け方が的を射ているように、フォーマットとしては完全にミッション・インポッシブルと化しているけど、本家がトム・クルーズのオレオレ感を前面に出しているのに比べて、こちらの方がチーム力を超える強靭なファミリーの絆を武器にキャストの一体感がより深く伝わってきて、映画の求心力を高めている。

また、7作目ともなると型にはまったカタログ映画になってしまうのがオチなのだけど、この映画のスゴイところは前作をしのぐ進化をいまだに遂げていること。

足かけ14年に渡るシリーズの蓄積がしっかり貯金となってキャラクターやストーリーに還元され進化の原動力になっていて、例えば車のスカイダイブやビルからビルへの大ジャンプはもちろんだけど、逆にドム(ヴィン・ディーゼル)とデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)の挨拶がわりのアクセル全開のガチ正面衝突とか、断崖絶壁へのフン転がしダウンヒルとかw、普通ならこれやったら冷めちゃうだろっていう掟破りも常識に転化させてしまう力があるんだよね。

あと、進化という点ではキャスティングのバージョンアップも大きかった。

現役バリバリのアクションスターであるジェイソン・ステイサムをドミニクファミリーを向こうに回して一人で無双ぶりを発揮する孤高の敵役に置いたことが最も大きいけど、脇にレジェンドのカート・ラッセル、さらにムエタイの超絶体技を“マッハ!!”で魅せるトニー・ジャーも配して、カーアクション&肉弾戦ともにお腹いっぱい

そんな腹十二分目のところにラストは涙まで添えてくれちゃって、、もう言うことなし。

マンネリズムとサプライズが高次元で結合している史上稀にみる快作シリーズの今後が楽しみで仕方がない。

2016年3月19日 (土)

夢のシネマパラダイス354番シアター:オトコとオンナのキワドい生態

アイズ ワイド シャット

51kexb2mbxl出演:トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、シドニー・ポラック、トッド・フィールド、マリー・リチャードソン

監督・脚本:スタンリー・キューブリック

(1999年・アメリカ・159分)WOWOW

内容:ニューヨークに住む内科医ビルとその妻アリスは、何不自由ない暮らしを送っていた。が、ある日、妻の口から語られた過去の不倫願望を聞いたビルは次第に心のバランスを崩していき、性の妄想に憑りつかれていく。そしてある夜、ビルは旧友の紹介で仮面乱交パーティに赴くのだが・・・。キューブリック監督の遺作。

評価★★★/60点

“結局最後まで一度もヌケなかったトム・クルーズに憐れみの一票”

実夫婦だったトム・クルーズ&ニコール・キッドマンのプライベートな夜の秘め事を覗けるという好奇の目が先についてしまったのが正直なところだったけど、その点では2人の絡みは数えるほどもなく大いに肩すかし(笑)。

さらに中身の方も、性の妄想にとらわれた夫の彷徨の果ての破滅というプロットは、ブライアン・デパルマあるいはロマン・ポランスキーに撮らせた方が良かったのでは、、とも勘繰ってしまった。まぁ、誘ってくるのは必ず女性の方という様々な刺客に見舞われながら心の身ぐるみをはがされていくリアクターとしてのトム・クルーズを見るのも一興ではあっただけに、その願望はより一層強まったともいえる。

しかし、じゃあこれ誰が撮ったかと言われたら疑いもなくキューブリックだといえるほど入念かつ流麗な演出に支配されていて、見ている間は2時間40分の長尺も冗長だとは微塵も感じなかった。

特にクラシック音楽の使い方は毎度ながら完璧で、ピアノの不協和音が主人公の内面描写を増幅させていて映像に深みを持たせていたと思う。

ただ、見終わった途端に、長っげぇーってグッタリしたけどね。

ラストの妻の言葉も「市民ケーン」の“バラのつぼみ”に通じるかんじではあったけど、いちいち映画にすんなやとも思ってしまったw

でもこれってフツーに撮ってたら1時間は短くできるよね

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愛の渦(2014年・日本・123分)WOWOW

 監督・脚本:三浦大輔

 出演:池松壮亮、門脇麦、新井浩文、滝藤賢一、三津谷葉子、中村映里子、柄本時生、窪塚洋介、田中哲司

 内容:都心のとあるマンションの一室。そこは、見知らぬ男女が集まってセックスを楽しむ乱交パーティ会場だった。集まってきたのは内気そうなニートや真面目そうなサラリーマン、地味な女子学生やOLなど男女8人。全員バスタオル1枚の姿で、いかにも気まずい空気が漂うが、店長のルール説明が終わると、次第に性欲と本性が露わになっていき・・・。

評価★★☆/50点

エロ動画でマジックミラー号シリーズという企画ものがあって、個人的にいつもお世話になっている(笑)。何を言ってるんだオレは・・・

トラックの荷台がマジックミラーになっていて、外からは見えないけど中からは外が丸見えで、その一室で初対面の素人男女がエッチするっていう。あたかも外から丸見えであるかのような羞恥心と初対面のぎこちなさが次第に興奮と快感に凌駕され我を忘れていく様がたまらないんだよねってだから何を言ってるんだオレは・・・ww

でまぁ、この映画もそういう目線で見始めるしかなかったわけでw、しかし、もちろん作り手の力点は身体の交わりよりもデリカシーゼロの乱交空間においてさらけ出される赤裸々な人間関係にあったと思うんだけど、なんだろなぁ、、最後までゴム付けてるような安心感に覆われていて、定型の域を出ないカミングアウト大会で終わってしまったというか・・。もっと見てるこちら側まで不穏にさせ興奮させるような破綻めいた突き抜け感のある心理劇をこそ見たかった。

映画のラストで門脇麦が「あそこにいた時の私は本当の自分じゃないんだと思います」と言うのに対し、池松は「僕はあそこにいたのは本当の自分だったと思います」と言うそのギャップにフォーカスをもっと当てるだけでもかなり違ったと思うんだけど・・・。

まぁ、終わってみれば門脇麦の絶叫と、保母さんはスケベが多いっていうトリビアしか頭に残らない映画だったね

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トーク・トゥ・ハー

Tth 出演:ハビエル・カマラ、ダリオ・グランディネッティ、レオノール・ワトリング、ロサリオ・フローレス

監督:ペドロ・アルモドバル

(2002年・スペイン・113分)DVD

評価★★★/60点

内容:交通事故で昏睡状態となり、4年間眠り続ける清楚なバレリーナ、アリシアと、そんな彼女を慈しみをこめて毎日語りかけながら介護する看護士のベニグノ。一方、女性闘牛士のリディアも競技中の事故で昏睡状態に陥る。彼女の恋人でライターのマルコは悲嘆にくれるが、ベニグノとそれぞれの愛する者への切ない想いを共有するうちに友情が芽生え始める。しかし・・・。

“問答無用でブタ箱へ行ってらっしゃい!”

例えばベニグノがアリシアを犯しているシーンを描いたらどうなっちゃうわけ?

神様のご加護で子供を授かりましたといううわべとは全く次元が違うだろこれは。けなげに世話してけなげに孕ませ、、、ってそんなん通用しねえよ。

問答無用のギルティ!ブタ箱経由施設行きです。

なんだろう、障害者施設やら養護学校で頻発しているいかがわしい事件を新聞やニュースで見たときの不快感やらキナ臭さやらと同じものを感じてしまった。。

人間というよりモノとしてしか見てないんじゃないのああいうことする奴ってのは。ベニグノにもそういう気や要素は見られたしね。

ま、★3っつで思いとどまらせただけでも良しとしなさい。

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橋の上の娘(1999年・フランス・90分)NHK-BS

 監督:パトリス・ルコント

 出演:ヴァネッサ・パラディ、ダニエル・オートゥイユ、ニコラ・ドナト

 内容:男から男へと渡り歩き、すぐ捨てられてしまう人生に絶望したアデルは、セーヌ川に身を投じようと橋の上に立っていた。そんな彼女を、ナイフ投げの曲芸師ガボールが、“的”としてスカウトする。やがて2人はツキを呼び込み、行く先々で喝采を浴びるが・・・。名もない橋の上で運命的に出会った男女の、奇妙でストイックな愛の行方が独特のモノクロームの世界の中で綴られていく。

評価★★★★/80点

“おとぎ話とホラ話の間に架かっている橋の上から見事現実に飛び降りたオチ方は評価できる。”

「男はドレスと同じ、、、どうしても試着したくなるの」だってよオイオイオイオイ!!パトリス・ルコントこのヤロー。。

このアデルの台詞とシーンがいっちばんリアルでエロかった

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若者のすべて(1960年・イタリア・118分)NHK-BS

 監督:ルキノ・ヴィスコンティ

 出演:アラン・ドロン、アニー・ジラルド、レナート・サルヴァトーリ

 内容:イタリア南部の町からやって来たパロンディ一家は、大都市ミラノに希望を託して移住してきた。次男のシモーネはボクサーとなって頭角を現したが、次第に娼婦のナディアにのめり込んで落ちぶれていく。やがてナディアは三男のロッコと愛し合うようになるが、嫉妬に狂ったシモーネはロッコの目の前でナディアを犯してしまう・・・。

評価★★★☆/70点

“もしオレだったら、刺す!”

ナディアを目の前で犯したシモーネを我が愛しのレアル・マドリーの名に賭けて、刺す。んでナディアを正真正銘ものにする。なんじゃそりゃ・・・。

ヴィスコンティについては、そう多くの彼の映画を見てるわけではないのだけど、上流階級の退廃と崩壊を描いたときに彼の真骨頂が真っ向から発揮されると思う。

具体的には「山猫」以降ということになるのだろう。この「若者のすべて」は「山猫」直前の作品なんだよね。たしか。

たださっき上流階級を描いたときにヴィスコンティの真骨頂-それはプライドと血統そして監督の鋭利な視線-が発揮されると書いたけど、別に「山猫」以前の作品が一段落ちるということではないのであしからず。また別な凄みを生み出しているといえるのではないかな。

この「若者のすべて」においては、職にもありつけないような、上流階級とは程遠い下層階級の家族の物語なのだけど、にもかかわらずどうしても確実にヴィスコンティの視線、すなわち名門貴族一家の息子ヴィスコンティの誇り高い視線が注がれてしまうのです。特に人物像。

そしてここに不完全要素がもやもやと映画全体に生み出されてくるわけで。

誇り高く完全主義のヴィスコンティと不完全要素の現出とのアンバランス。

それが何とも言いようのない凄みを出していたと思う。なんだか凄いんだよホント。うまく言葉が思い浮かばないんだけど。

話のプロットが凄いということでは全くなくて、、、でも映画として凄いのよ(笑)。うーん・・・。

10年後に自分がもっと成熟してたときにまた見るべきかな。

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インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(1994年・アメリカ・123分)盛岡フォーラム1

 監督:ニール・ジョーダン

 出演:トム・クルーズ、ブラッド・ピット、アントニオ・バンデラス、クリスチャン・スレーター

 内容:バンパイアとして生きる美青年の数奇な運命を描いたロマンティック・ホラー。

評価★★★☆/70点

“この映画を見たことによって、あるいはトム・クルーズがN・キッドマンの首すじに咬みつく練習をしていたという話を聞いて、自分も恋人or奥さまの首すじを咬んだ、あるいは咬まれた、あるいはヴァンパイアプレーに耽ったことがある方は正直に手を挙げてくださいまし。”

ルイがあなたを探していますよ♪

フッ、もちろんオイラは、、、って何を言わせんねん!言わずもがなに決まっとるやないけ(笑)。

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オール・オブ・ミー/突然半身が女に(1984年・アメリカ・88分)NHK-BS

 監督:カール・ライナー

 出演:スティーブ・マーティン、リリー・トムリン、ヴィクトリア・テナント

 内容:楽団のギタリストとの二足のわらじで、出世街道とは無縁の弁護士ロジャーは、死にかけた大富豪の女主人エドウィナの遺言の件を担当することになる。早速屋敷を訪れると、彼女は今まさに死の床にあった。と、エドウィナはインドの妙な霊術に傾倒していて、その導師ブラガが「転生輪廻」の呪文を唱えるが、ひょんなことから彼女の魂がロジャーの右半身に乗り移ってしまい・・・。

評価★★★★/80点

“その日、ネットでググらなければ一生見ることはなかったであろう笑撃作!!”

同じ弁護士つながりで真っ先に挙がるであろうジム・キャリーの「ライアーライアー」と双璧をなすぶっ飛びコメディかも。

2015年12月 5日 (土)

夢のシネマパラダイス450番シアター:偶然にも最悪な帰結

藁の楯

O065009191020029_650出演:大沢たかお、松嶋菜々子、岸谷五朗、伊武雅刀、永山絢斗、余貴美子、藤原竜也、山崎努

監督:三池崇史

(2013年・日本・125分)WOWOW

内容:財界の大物・蜷川隆興の7歳の孫娘が惨殺された。容疑者は8年前にも少女を殺害し、釈放されたばかりの清丸国秀だった。しかし、なかなかその足どりをつかめない中、業を煮やした蜷川は“清丸を殺した者に10億円を支払う”という新聞広告を出す。こうして全国民の標的になり観念した清丸は福岡県警に自首する。さっそくその身柄を東京・警視庁に移送するため、警護課の銘苅一基をリーダーとする5人の精鋭が護衛官として集められ、国の威信をかけた護送任務が始まるが・・・。

評価★★★/60点

例えばナベツネが同じように犯人を殺した者に10億やるって読売に一面広告出したらどうなるw!?

って考えただけで日本の国民性としてありえない話だし、さらにいえば、こんなのヘリで警視庁に飛べばいいだけの話だと思うけど、荒唐無稽な着想設定を2時間間延びせずいかにリアリティをもった娯楽演出で描き切るかが肝になってくると思う。

で、護送車にニトロを積んだトラックが突っ込んでくる前半までは見ていられるレベルだった。

が、新幹線に乗り換えてからの後半は急速にどっちらけ。。内通者探しの内部分裂を引っ張りすぎだし、刺客が単発だし、警察上層部の買収もありきたりだし・・。

ここで起承転結の“転”調ができていればまだ見れたと思うんだけど。

例えば、清丸を殺す動機が「金の話が絡むと全てが言い訳に聞こえる」という範疇を超えた刺客を登場させるとかね。清丸以上のカリスマ殺人鬼とか(笑)。藤原竜也のわめき散らしとは真逆の無表情なサイコパスにして、金なんていらないからただ人を殺したいっていう。

で、そのハンニバルレクターが清丸を殺しちゃって、え!?こいつに10億払っていいのかよ!?みたいなww

そこまでブッ飛んでいればまだダレずに見れた、かなw

まぁ、絵的にはよくも悪くもこれが日本映画の限界なんだろうけど、シナリオはまだまだこんなレベルじゃないだろ、、と思いたい。。

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S.W.A.T.(2003年・アメリカ・111分)NHK-BS

 監督:クラーク・ジョンソン

 出演:コリン・ファレル、サミュエル・L・ジャクソン、ミシェル・ロドリゲス、LL・クール・J、ジェレミー・レナー

 内容:ロス市警のSWAT隊員ストリートと相棒ギャンブルは、銀行強盗の作戦現場で人質に怪我を負わせてしまう。この件でギャンブルはクビになる一方、ストリートは備品係への左遷を受け入れる。そして半年後、彼はホンド巡査部長率いるSWATチームのメンバーに選ばれ復帰する。やがてその新チームに麻薬王を護送する命令が下るが・・・。

評価★★★/60点

前半はSWAT隊員の訓練や日常を描き、後半は護送される麻薬王が自分を逃がしてくれたら100億円払うでー!と豪語する中でのサスペンスフルなアクションが描かれるのだけど、前後半でかなり毛色の異なる作風になっていてやや面食らってしまう。

個人的にはSWAT隊員の日常に対してそもそも需要がないし(笑)、前半1時間以上もかけたわりにはチームのキャラクターがいまいち伝わってこなかったので、もう序盤から麻薬王護送の話で運んでいった方がもっと面白くなったと思う。

しかし、ラスボスが飛行機で逃げようとしてあえなく挫折するパターンはもう見飽きたなww

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コラテラル

Collateral 出演:トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス、ジェイダ・ピンケット=スミス、マーク・ラファロ

監督:マイケル・マン

(2004年・アメリカ・120分)MOVIX仙台

評価★★★/60点

内容:ロサンゼルスで12年間タクシーを運転してきたマックスは、ある夜、運悪くプロの殺し屋ヴィンセントを乗せてしまう。一晩で5人の殺しを請け負っていたヴィンセントは、タクシーで移動しながら冷徹に仕事を実行していくのだが・・・。トム・クルーズが初の悪役に挑んだ果てにあるものとは・・!?

“《ヴィンセント》・ドノフリオ!”

アンタ、「メン・イン・ブラック」に出てた奴だろ?そうなんだろヴィンセント。

銀髪の頭がパッカーーンて開くと中から小っちゃい宇宙人が出てくるんだろ(笑)?そうなんだろヴィンセント。

人物描写がマックスに比して極端に浅いのは、ようするにアンタ人間じゃないんだろ?そうなんだろヴィンセント。

本当の殺し屋ヴィンセントはすでにこの世にいないんだろ?アンタが消したから、だろ?

どうりでプロの殺し屋にはあるまじき行動をしちゃうんだろ?そうなんだろヴィンセント。

マックスが予想外の反抗を見せるとは思わず、対処の仕方がマニュアルの想定外でぶっちゃけわけ分からなくなったんだろ?そうなんだろヴィンセント。

ホントのことを言ってくれ。

地下鉄でのマックスとの撃ち合いもマックスとやり合うのがもう面倒臭くなって、自分で自分の胸撃ったんだろ?そうなんだろヴィンセント。

ラストの地下鉄の座席で眠ったようにうなだれて死んでる姿は、もうアンタが頭の操縦席から抜け出した後の抜け殻なんだろ?

そうなんだろ、、う、う、、宇宙人!!

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チェンジング・レーン(2002年・アメリカ・98分)WOWOW

 監督:ロジャー・ミッチェル

 出演:ベン・アフレック、サミュエル・L・ジャクソン、トニー・コレット、シドニー・ポラック

 内容:ハイウェイでの急な車線変更が原因で人生の危機に直面した2人の男が、互いに相手に対する怒りを爆発させ、やがて命がけの闘いへとエスカレートしていく・・・。

評価★★★☆/70点

基本的にこの手の他人の不幸を神の目線で悠々と眺めるのは好きなのだが、この映画の中に舞い降りてしっかりと地に足をつけられなかったのは、この映画の罪であり不幸でもある。

でも最初の事故の対応はやっぱベン・アフレックの方に落ち度があると思われ。。

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レディ・キラーズ(2004年・アメリカ・104分)WOWOW

 監督・脚本:イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン

 出演:トム・ハンクス、イルマ・P・ホール、ライアン・ハースト

 内容:アメリカ南部ミシシッピ州。カジノの事務所近くで一人暮らしをしている老婦人は、楽団の練習をするために部屋を借りたいという教授と名乗る男に地下室を提供することに。そして楽団仲間4人が新たにやって来るが、実は自称・教授率いる彼らは、カジノの金を盗もうとする強盗団だった・・・。1955年の「マダムと泥棒」をリメイク。

評価★★/40点

南部の匂いがしない、土の匂いがしない、汗の匂いがしない、人の匂いがしない、殺しの匂いがしない、ハンクスの匂いがしない、兄弟の匂いがしない、、

、、、心に残らない。

音楽に身を委ねたいんじゃない。映画に身を委ねたいんだよオレは。

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ブロークダウン・パレス(1999年・アメリカ・101分)DVD

 監督:ジョナサン・カプラン

 出演:クレア・デーンズ、ケイト・ベッキンセール、ビル・プルマン

 内容:高校の卒業旅行でタイのバンコクに旅をし、ハンサムな青年に出会った二人は、彼の荷物を預かるが、その中から身に覚えがないヘロインが発見され・・・。現在も東南アジアへ旅行する若者たちが何人も無実で投獄されているという痛々しい事実がもとになった作品。

評価★★★/60点

初めての海外旅行者向け安全危険マニュアル過酷友情編!

教材としては★5っつ。

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シークレット ウインドウ(2004年・アメリカ・96分)WOWOW

 監督・脚本:デビッド・コープ

 出演:ジョニー・デップ、ジョン・タトゥーロ、マリア・ベロ、ティモシー・ハットン

 内容:スランプ中の小説家モートを見知らぬ男が訪ねてきた。「俺の小説を盗んだ」と言いがかりを付ける男の狙いとはいったい・・・?原作はスティーブン・キング。

評価★★/45点

パッと見た目は足がつかないくらい深いのかなと思わせるが、ドボンと飛び込んでみたら膝下までしかない浅さで違う意味でドボン・・・。

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ガントレット(1977年・アメリカ・115分)NHK-BS

 監督:クリント・イーストウッド

 出演:クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック、パット・ヒングル

 内容:フェニックスの警官ショックリーは、ギャングの絡んだある事件の重要証人のガスを、ラスベガスから護送してくる仕事を命じられる。ところが、男とばかり思っていたガスは、女学生のような顔をした売春婦だった。ガスはフェニックスに行けば殺されると同行を拒むが、ともかく出発した2人は次々と命を狙われる・・・。

評価★★★/65点

やっぱアメリカ人って、根本的に、、、

バカなんだねぇ

「男はつらいよ」の、おいちゃんも言うことだろう。

バカだねぇ、ホントにバカだよ。俺は頭が痛くなってきた、、、はあ~ぁ。。

って寝込んじゃうんちゃいまっかww

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裸足のピクニック(1993年・日本・92分)NHK-BS

 監督・脚本:矢口史靖

 出演:芹沢砂織、浅野あかね、Mr.オクレ、梶三和子、あがた森魚、泉谷しげる

 内容:女子高生の鈴木純子はある日、たまたま借りた定期券でのキセル乗車がバレて駅員に捕まってしまう。事情聴取から逃げ出した彼女は、疎遠になっていた祖母の家に駆け込むが、その祖母はたったいま息を引き取ったところだった。さらに、遺骨を抱え父母と一緒に帰る途中に車が交通事故に遭ってしまい・・・。

評価★★★/60点

男子高校生とシンクロ、女子高生とジャズ、おじいちゃんとロボット、東京育ちの浪人生と田舎暮らしの林業というふうに題材の組み合わせの意外性を借りてハートウォーミングなコメディを作り上げる矢口ワールドに慣れ親しんできた者としては、劇場デビュー作がこんなに毒気のあるブラックコメディになっているとはかなり意外だった。

また、次の展開が読めない破天荒ぶりも、破綻なく定番に落としていく現在の作風とは天地の開きがあり興味深い。

作りはまだまだ粗いんだけど、今回の不条理極まりない転落ロードムービーはすこぶる個性的で、引き込まれるに足る作品になっていたと思う。

もう最後の方なんて主人公が貞子状態になってたからなw

しかし、ブラックではあれど笑えないのは問題。やっぱり今の作風の方がいいね。

2015年11月 8日 (日)

夢のシネマパラダイス259番シアター:ここに集いし働きマン!

プラダを着た悪魔

Prada 出演:メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチ

監督:デヴィッド・フランケル

(2006年・アメリカ・110分)WOWOW

評価★★★☆/70点

内容:一流大学を卒業し、ジャーナリストを目指してNYにやって来たアンドレア。ジャーナリストへのステップアップのためという程度の思いで、一流ファッション誌“RUNWAY”のカリスマ編集長ミランダのアシスタントになったが、オシャレにとことん疎いのが玉にキズ。しかもミランダの次々に繰り出される理不尽な命令に、いつしか彼女の私生活までめちゃくちゃに・・・。

“ネチッこさではメリル・ストリープの上をいくグレン・クロースがミランダだったら、アンディ(アン・ハサウェイ)の人間臭さがもっとほじくり返されたかも!?”

余計なことを考えずにサクサクと進んでいく軽快なテンポと、プラダ・シャネル・ドルチェ&ガッパーナなどのブランドものに彩られた目もくらむような華やかな世界をフツーに楽しめてしまうオシャレ映画。

でありながら、仕事や愛、人生に対する教訓がチクリと差し込まれている健全極まりない映画。でありながらユーモアもたっぷり盛り込まれた、要するに誰が見ても満足できる映画。

それが「プラダを着た悪魔」なのです。

まるで少女マンガに出てくるようなギョロ目のアン・ハサウェイ=アンディの底抜けポジティブシンキングに、なんか自分もガンバってみよう♪と思わされてしまうタメになる映画、、、と持ち上げるのはここまでにしとくか。。

あまりにも喉に引っかからないサクセスストーリーなので、そういう意味では低カロリーな映画なのだけど、そこにちょっと物足りなさを感じちゃったかも。。

特にファッションに全く興味のないダサダサ女だったアンディの変身ぶりは、まんま魔法をかけられたシンデレラそのもの。

酒をあおって悩み泣く人間臭さの塊のようなブリジット・ジョーンズとは対極にあるような女のコ。それでいて可愛い顔の下には要領よく立ち回る術を体得している実にしたたかな女性の面を隠し持っていたりする。

ギョロ目はすべてをお見通しよ!てか。。

天賦の才能ポジティブシンキングを武器に、計算マコちゃんである同僚エミリーを爽やかに蹴落としていくシンデレラの姿はビミョーに怖い。

一方のミランダは、さしずめシンデレラをいじめ抜く継母といったところだが、ミランダの方がよっぽど人間臭さを感じさせる。

特に後半、眼鏡を外した疲れきった表情でアンディに離婚の弱音を吐くシーンは出色で、それまでの強面一辺倒のミランダ女王も一介の家庭持ちの母親にすぎなかったのだとふと思わせてしまう。

十二分に押しつけがましいキャラの中でサラリと現実味を表現できるのはやはりスゴイ。

さすが“美”を追求した「永遠に美しく・・・」(1992)で首を回転させ散弾銃をブッ放したメリル・ストリープだけのことはあるな。“美”に関することになると悪魔になっちゃう性分らしいが・・・。

とはいえこんな人が上司というのは自分だったら絶対キレちゃうけどね。

ハリポタ最終巻の出版前の原稿を持って来いだとか、子供の科学の宿題までやらなきゃならないなんて(笑)。

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ジャッジ!(2013年・松竹・105分)WOWOW

 監督:永井聡

 出演:妻夫木聡、北川景子、リリー・フランキー、鈴木京香、豊川悦司、荒川良々、玉山鉄二、風間杜夫、竹中直人

 内容:ある日、大手広告代理店で働く落ちこぼれ社員の太田喜一郎は、上司の大滝から彼になりすまして世界一のテレビCMを決めるサンタモニカ広告祭に審査員として参加するよう命じられる。さらに、大手スポンサーのバカ息子が作ったちくわのCMを入賞させろという無茶ぶりな指示まで加わり、泣く泣く了解する。しかし、参加するにはパートナーの同伴が必要だったため、太田は優秀な同僚のひかりと偽夫婦になりすまして広告祭に乗り込むが・・・。

評価★★★/65点

CMがウザくていちいち興が削がれるから民放でやる映画を見なくなった自分は、CMなんてこの世からなくなればいいのにとさえ思っているw

そんなCM嫌いにとって、CMフェスティバルなんてほとんど興味を引くことはないネタなのだけど、案の定主人公がサンタモニカ入りし、いざ審査が始まってからのトーンダウンは尋常ではなかった

賞を獲るための裏工作や取引きなど何でもござれの伏魔殿に闖入した丸出だめ男が、バカ正直とペン回しを武器に周囲を変えていくのだけど、「良いものは良い!悪いものは悪い!」という正論だけで最後まで押し切ってしまう青臭さは、コメディとして見ていた自分にとっては全くもってツマラナイばかり。

それこそ賞には絶対入らない“ちくわCM”を妻夫木たちが新たに撮り直すくらいのハッタリが欲しかった。

あと、ツンデレ北川景子がなぜにホクロから毛が生えている男に惹かれていくのか意味不明だったし、舞台を海外にしたのも結果イマイチだったね。海外のCMが断片的に流れてもよく分からないし、せっかくトヨタやエースコックなど実名企業を出してるんだから、ACCとかの国内のCMフェスにすればよかったのに。。

ただ、トヨタウンの実写版ドラえもんCMで妻夫木をのび太に起用したトヨタの眼力はさすがだったことは今回の映画見ると一目瞭然(笑)。これほど純粋なダメっぷりがハマる役者もそうはいないよw

男はつらいよの渥美清、釣りバカの西田敏行に続く松竹喜劇ができるとしたら、その時はぜひ妻夫木で一本!

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摩天楼はバラ色に(1986年・アメリカ・110分)NHK-BS

 監督:ハーバート・ロス

 出演:マイケル・J・フォックス、ヘレン・スレイター、リチャード・ジョーダン

 内容:カンサスからNYへ就職にやって来た青年。だがどこの会社も未経験者を雇ってくれない。そこで遠い親戚が社長をしている大会社に、メール・ボーイとして潜り込むが・・・。

評価★★★★/75点

笑えちゃってしかも憎めない、かぐわしき80年代の香りを、デビッド・フォスターの音楽が心地良く彩ってくれる。これぞ80’s!

当時小学生だった自分でさえも体感ベースとして残っているくらい、なんかイイんだよねぇ。

ときどき80年代の映画を見ると懐かしくそして羨ましくも思ってしまう自分なのでした。今こんな映画作れないっしょ。

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ワーキング・ガール

Plans34419 出演:メラニー・グリフィス、シガニー・ウィーバー、ハリソン・フォード

監督:マイク・ニコルズ

(1988年・アメリカ・114分)NHK-BS

評価★★★★/75点

内容:一介のOLが上司になりすまして、アメリカ証券業界を舞台に大奮闘するサクセスストーリー。

“下着姿がやけに多いというのはともかくとして、1番イイ思いしたのはハリソンだな。。”

ギスギス女キャサリンと寝取り横取り女テスをうまく操り利用して自分の体裁をとかく保ちつつ商談交渉を成立させるジャック。

そして1番手柄はテスにやりつつ、自分もしっかり分け前にあずかる実質的に1番得した人間。しかもギスギス女から寝取り横取り女に乗り換えることにも成功。

でもね、、おそらくこのジャックという男、他にも女いるで。そういう男じゃコイツは。オイラの経験がそう言っているww

まぁ社会的にも1人立ちしたテスにとっては例えジャックとの恋が途中で破談したとしても何ら害にはならないとは思うけども。

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アンカー・ウーマン

Anchor 出演:ミシェル・ファイファー、ロバート・レッドフォード、ストッカード・チャニング

監督:ジョン・アブネット

(1996年・アメリカ・125分)NHK-BS

評価★★★/55点

内容:テレビの人気キャスターになるのが夢だったタリーは念願かなって地方局へ入社。敏腕プロデューサーに認められて出世の階段を駆け上がっていくが・・・。

“エッ?これって実話なの?だとすると二重に救いようがないな”

そうかぁ。たしかに実話ものによくある詰め込みすぎ感による安っぽさと重心の無さからくる散漫さがこの映画にもあることを考えると、実話というのも頷けはする。

だけど、このリアリティの無さはなんだ?

お天気お姉さんにしては年増のM・ファイファーはまだいいとして、問題はレッドフォード。彼が出てくるだけでリアリティが薄まってしまうというのは致命的じゃないか。

だって「俺は何度か部下と関係をもったことがある。」ってサラッとカッコ良く言っちゃうんだもんなぁ。石田純一レベルじゃないもんな(笑)。

そりゃ言われた女も逆燃えするわな。。

とにかくレッドフォードにはスターのオーラがありすぎてレッドフォードそのものにしか見えず、実話に見えないってとこが痛いね。

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チャンス!(1996年・アメリカ・113分)NHK-BS

 監督:ドナルド・ペトリ

 出演:ウーピー・ゴールドバーグ、ダイアン・ウィースト、ティム・デイリー、イーライ・ウォラック

 内容:ローレルは業界トップクラスのやり手のキャリアウーマン。ある日、後輩のゴマスリ男に昇進を奪われてしまった彼女は、会社を辞めて自分で会社を起こして独立。しかし、男社会のウォール街では女というだけで相手にされずじまい。。そこでローレルは男性パートナーとして架空の人物を作り出すことにするのだが・・・。

評価★★★☆/70点

東の横綱ダスティン・ホフマン、西の横綱ロビン・ウィリアムス。ウーピーは東の関脇ってとこだな。

ハリウッド版扮装番付でした。

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陽はまた昇る(2002年・東映・108分)DVD

 監督:佐々部清

 出演:西田敏行、緒形直人、篠原涼子、真野響子、渡辺謙

 内容:リストラを迫られながら一人の首切りもすることなく、家庭用VTRの分野で当時優位に立っていたSONYのベータマックスを一発逆転で打ち負かし、ついには世界標準にまで上りつめた日本ビクタービデオ事業部の伝説の成功譚。

評価★★★☆/70点

純粋に良かったとはいえるが、あまりにも濁りがない描き方で逆に心に残らないかも。。

2015年7月 3日 (金)

夢のシネマパラダイス19番シアター:9.11と映画

ゼロ・ダーク・サーティ

200出演:ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク、ジョエル・エドガートン、ジェニファー・イーリー、マーク・ストロング

監督:キャスリン・ビグロー

(2012年・アメリカ・158分)WOWOW

内容:9.11のテロ以降、CIAはアルカイダの首謀者オサマ・ビンラディンを血眼になって追うも居場所をつかめずにいた。そんな中、ビンラディン捜索の前線基地であるパキスタン支局にまだ20代の女性分析官マヤが配属される。しかし、彼女の奮闘むなしく捜査は困難をきわめ、その後もテロは続発し、マヤの同僚はじめCIA局員にも多くの犠牲が出てしまう・・・。2011年5月、米海軍特殊部隊によるビンラディン暗殺をめぐる舞台裏を映画化。

評価★★★/65点

はたしてこれを見たアメリカ人はビンラディン殺害にもろ手を挙げて快哉を叫ぶのだろうか。だとするならば幻滅せざるをえない。

なぜならテロ撲滅という名の正義のもとで行われる拷問、蹂躙、殺りくはただの醜悪な報復としか見れないからだ。

あげくの果てに他人の家に上がりこんで容赦なく人を撃ち殺す一方、おびえる子供たちには大丈夫だから怖がらなくていいよと言う無神経さには開いた口がふさがらず胸くそが悪くなった。

この映画を見るかぎり、どっからどう見てもアメリカのやってることは野蛮であり、これを正当化することはできない。

毒をもって毒を制することがはたして正義といえるのか、そういう善悪の線引きをあいまいにした描き方は確信犯だとは思うのだけど、いかんせん主人公である女性局員マヤがその狭間でもがき苦しみ感情を爆発させるようなシーンが皆無なため、見てるこちら側も映画に対するスタンスを測りかねてしまってどうもすっきりしない。

その中で伝わってくるのは、ビンラディンを見つけられないという焦燥のみだが、しかし2時間半だらだらと付き合わされて気付くことは、もう一歩も引くに引けないという強迫観念に晒された主人公の姿がアルカイダの狂信的テロリストと表裏一体、何ら変わりがないということだ。アメリカもアルカイダも同じ穴のむじな・・・。

そんな中で示されるラストのマヤの気の抜けたような涙は、やられたらやり返すという血と報復の連鎖の先にあるものは喪失と虚無しかないことを明白に示した表情だったのではなかろうか。

ビンラディンを消したところで憎悪のループが閉じられることはないのは誰もが分かっているのだから・・・。

それでも続けられる対テロ戦争とジハード、そのために一体どれだけの人が犠牲にならなければならないのか・・・。否応なく虚脱

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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

Poster1 出演:トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン、マックス・フォン・シドー、ヴァイオラ・デイヴィス、ジョン・グッドマン、ジェフリー・ライト

監督:スティーヴン・ダルドリー

(2011年・アメリカ・129分)WOWOW

内容:2001年9月11日、あの日商談で世界貿易センタービルにいた父親からかかってきた電話に出られなかったことを悔やみ、その留守電に吹き込まれた父の声を忘れられない少年オスカー。そんなある日、彼は父の遺品の花瓶の中から一本の鍵を見つける。そして鍵が入っていた封筒には“Black”の文字が。オスカーはこの鍵に父のメッセージが託されていると確信し、Black姓の人物をしらみつぶしにあたっていくが・・・。

評価★★★☆/70点

9.11テロから10年。ようやくあの惨事を冷静に振り返り、いち家族の物語として語ることができるようになったという点で今回の映画は見るべき価値のある作品だといえる。

どんな些細なネタにも闇雲に飛びつくハリウッドでさえもこれを扱うのに10年を要したというのは、いかにアメリカにとってあの出来事が巨大な喪失と傷をもたらしたのかをうかがい知ることができる。

物語としては、父親を911で亡くし、しかもその時にかかってきた父からの電話に出ることができなかったという悲しみと罪悪感を背負った少年が、父親の遺品に残されたメッセージを探し回る過程でNY中の様々な人々と出会っていき、ポッカリと空いた心の穴を埋めていくというもの。

911自体にことさら拘泥するわけではなく、あくまで父親を亡くしたひとりの少年の視点に寄り添って親子のつながり、人と人のつながりという普遍的なテーマを描いていて、例えば少年だけが喪失に苦しんでいるわけではなく、誰もが何かしらの悲しみを抱えて生きていて、その心にあいた穴を埋めるのは人なのだということ、人はひとりでは生きていけないのだということを痛感させられる。

表情と身ぶりだけで感情を伝える言葉を話せない老人、実は少年のために秘かに先回りしてサポートしていた母親など、大人たちが言葉ではなく行動で示すことで愛と絆を形にしていくのも共感ポイントだったし、人の優しさや家族の愛を感じられる佳作だったと思う。

世の中が苦手でありながら理屈だけはのべつ幕なしに出てくる傍若無人な主観と、細かなことまで数値でデータ化する緻密な客観が入り混じったオスカー少年は、どっからどう見ても面倒で、たとえ彼がウチを訪ねてきても軽くあしらってしまう自信があるけどw、少年から手紙が送られてきたら思わず笑顔がこぼれてしまうのだろうな

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11’09’’01/セプテンバー11(2002年・仏・134分)スカパー

 監督:サミラ・マフマルバル、クロード・ルル-シュ、ユーセフ・シャヒ-ン、ダニス・タノヴィッチ、イドリッサ・ウェドラオゴ、ケン・ローチ、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、アモス・ギタイ、ミラ・ナイ-ル、ショーン・ペン、今村昌平

 内容:2001年9月11日、アメリカで起きた同時多発テロ事件を、世界各国を代表する11人の監督が11分9秒1フレームという共通の時間枠にそれぞれの文化、立場を背景に描く。

評価★★★★/80点

“人の個性ほど素晴らしいものはない。どれとして同じものはなく、全てがダイヤの原石のように輝いている。しかし、時としてその原石が一瞬にして砕け散ってしまうことがある、、、この世の中”

サミラ・マフマルバフはイラン映画らしく“子供”。クロード・ルルーシュはやはり“男と女”。ケン・ローチはやっぱり“移民”。そして今村昌平は意地でも“エロ”。

麻生久美子の太股をさする必要があんのかい?と思いつつ、しかし、それでいいのだ。

表現するという行為が本当に素晴らしいものだということが、11人の監督の内面的、主観的な個性に触れてみてあらためて分かった。

1つのテーマを取り上げるにしたって全く異なるアプローチと思考が繰り広げられるのだから。

そしてより多角的な視点で物事を考えることができる。

大学で歴史を学んでいた自分としてはこの点は重要です。

大本営発表を鵜呑みにしてはいけない。例えば、日本書紀1つ採ったって当時の政権が自分たちのいいように書いているわけで、他の中国の史書等と対照してみなければならない。

9.11テロでも、いや最近の世界情勢の中ではますますもってそのことの重要さを感じてしまう。地球の裏側の情報が一瞬にして分かる今の時代だからこそ。

しかし恐ろしいことに、素晴らしい個性が国家という名のもとに1つの枠組みの中に埋没し、ときに排除されてしまうというとんでもないことが起こってしまう。

マジでヤバイことだ。そうならないことを切に願います。

個人的にはイドリッサ・ウェドラオゴの“掴め!2500万ドル”が面白かったな。ショーン・ペンはそう来たかぁ、と思わず唸ってしまいました。

Posted at 2006.09.11

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ワールド・トレード・センター

070223_wtc_dvd 出演:ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャ、マギー・ギレンホール、マリア・ベロ、スティーブン・ドーフ

監督:オリバー・ストーン

(2006年・アメリカ・129分)2006/10/15・MOVIX仙台

評価★★★/65点

内容:2001年9月11日の早朝。いつものように家を出て署へと向かう港湾警察のマクローリン巡査部長。ところが、ありきたりな日常は突然破られた。世界貿易センタービルに旅客機が激突する大惨事が発生、港湾警察官たちに緊急招集がかけられた。現場へと急行したマクローリンは、4人の警官とともにビル内に入る。しかし、その直後、大音響とともにビル全体が崩れ始め・・・。9.11同時多発テロの際、崩落したビルの瓦礫の中から生還した2人の港湾警察官の実話をもとに映画化。

“いっそのことカーンズ軍曹を主人公にすれば・・・”

2001年9月11日火曜日。

オイラはPM7:30頃に仕事から帰宅し、シャワーを浴びてPM8:00から日テレ「踊るさんま御殿」を見ながら夕食をとる。PM9:00からTBSのバラエティ「ガチンコ!」を見る。優勝者は日本武道館で歌えるという企画“アイドル学院”をやっていて、学院生をケチョンケチョンのメッタ打ちにする歌唱指導の鬼教師に戦々恐々としながら見たのを覚えている。

そして、PM9:54、今日のトップニュースを見ようとニュースステーションにチャンネルを合わせる、、、と、どこぞやの高層ビルの上の方から白い煙がたなびくように出ている映像が映し出されている。

久米宏は夏休み中でいなくて、渡辺真理だったかがアメリカCNNからの中継だということを言っていて、オイラは真っ先に「タワーリング・インフェルノ」(1974)を思い出しちゃったりしたのだけど、ま、すぐに消化する火災だろと思ったし、国内ニュースに切り換わったので、土曜日に録っていたケビン・コスナーの「ポストマン」を見ようとビデオをセット。

そして、ビデオ画面に切り換えると、偶然にもNHKに合わさっていて、ニュース10でもビルの映像が映し出されている。へぇ~、NHKでもトップに持ってくるてことはけっこうな大火災なんだぁと意外に思ってしまった。

そしてテレビ画面を一応2分割して「ポストマン」を見ようとした、、、次の瞬間。

画面右から何かが飛んでくるのが見えた、気がした。

あ、カラスだ。え?アメリカにカラスっているのか?アメリカといえば鷲だろ、、のわりにはデカイ鳥だなぁ、とその間わずかゼロコンマ数秒の間に頭を駆け巡ったことまでもが鮮明な記憶として残っている。

しかし、その直後に巨大な火柱があがったことで、飛行機だーーーッ!とようやく認識できたのだった。

それからは誰しもが知っている通りの映画やフィクションをはるかに凌駕したショッキングな現実が刻まれていくことになる。おそらく今まで生きてきた中で、最も重く深く脳裏に刻まれた事件映像となった。

高3のときの阪神大震災や中1のときの湾岸戦争も衝撃だったが、リアルタイムで目撃してしまったという点では、やはりこの9.11同時多発テロはそれまでの自分の既成概念や常識をブチ破ってしまうくらいの衝撃を与えたという意味でも一生涯忘れえない事件となった。

さて、映画以上に映画的だった9.11同時多発テロの映画化をすると知った時、オイラはネタ尽きハリウッドのことだから9.11に飛びつくのも当たり前かと思いつつ、たいした作品にはならないだろう、というか果たして9.11を映画化することにいったいどういう意義があるのだろうという疑問を抱いてしまった。

スローモーションのように脳裏深くに刻まれた衝撃的な映像の数々を超える緊張感を生み出すのは不可能ではないかと思ったし、また、その映像を再現し、リピートすることに果たしてどんな意味があるというのか、とも思ってしまった。

例えば、9.11後に数々の関連番組が放送されたが、ちょうど事件の1年後に放送された日テレの特番「カメラはビルの中にいた」で映し出されたビル内部の映像は記憶に新しい。

ボコン、ボコンと落下してくる人間が天井にブチ当たる音はあまりにも生々しかった。

そこでやはり思うのは、はたしてこれを映画化することに何かテーマを見出し得るのだろうかということであり、さらにいえば映画という虚構をはるかに超えた現実を、映画が超えることなどできようはずがないではないかということだ。

せいぜいテレビの再現映像止まりが関の山であり、あとはそこにどのようなテーマをふりかけるかでどのくらいプラスアルファになるかといったところなのだろうけど多くは望めないだろう、と。

しかし、その中で唯一の興味といえたのは、監督が社会派の御大オリバー・ストーンだということだった。数々のセンセーションを巻き起こしてきたオリバー・ストーンが9.11をどのように料理するのだろうか。

スピルバーグやイーストウッドあたりなら安定地点に軟着陸できそうなかんじはするけど、オリバー・ストーンと9.11となるといやでも何かアブない匂いが漂ってきてしまう。

そして、出来上がった作品を観てみると、、、情熱の塊のようなオリバー・ストーンの作風とは対極にあるような非常に冷静かつ地味な筆致にまずは驚く。

朝日昇るNYの街並みの静かな目覚めを優しく描き出し、あの大惨事をことさら大仰に映像として描き立てることなどせず、瓦礫の下に閉じ込められた港湾局警察官とその家族、そして救助に駆けつけた人々の姿を淡々と映すのみ。

そこには何かを暴きたててやろうというような変な気概はなかった。

そこにあるのは、様々な人種と国籍が集うアメリカが受けた深い傷と深い鎮魂のまなざし、ただそれだけだった。

例えば誰しもの記憶に刻み込まれてしまっている数々の衝撃的なニュース映像の再現をこの映画は全くといっていいほど避けているが、単なるハリウッドテイストのディザスタームービーに陥らせたくないという思いがよく伝わってくる演出意図ではある。この映画は観客のエンタメ欲を刺激して満足させるような映画になってはならないのだという思い。

その中で、激突の瞬間をマンハッタンの上空を横切る機影として表現したことをはじめとして、オリバー・ストーンの演出には文句の付けようがなく、演出意図としてはけっして間違っていない作品に仕上がっていることはたしかだ。

しかし、そう理解した上で、イチャモンをつければやはりどこかで物足りなさを感じてしまうのも事実なわけで。。

なにか傷物に触るような当たり障りのないかんじで、オリバー・ストーンでさえもこのように描かざるをえなかったという意味では、アメリカが受けた深い傷はいまだに癒えていないのだということだけはよく分かったが、ある意味ただそれだけで、悪くいえば面白くもなんともない映画だな、と。

また、ぶっちゃけオリバー・ストーンである意味もないような・・・。人間ドラマのエモーショナルな部分をうまく引き出せる監督はオリバー・ストーンよりも他にいるだろみたいな。ちょっと畑違いというか。。

だって、あのオリバー・ストーンがキリストの光臨を描くなんて、どう考えたって異常だよ(笑)。

オリバー・ストーンが描きたいのは、どちらかといえばカーンズ軍曹の方だろ。怪しいというよりちょっとアブない元海兵隊員・・。ラストに、イラクに志願して戦った、とポツンと字幕で示されたのがまたなにか気味が悪くなっちゃったのだけど、オリバー・ストーンが監督するんだったら、この謎のカーンズ軍曹を主人公にすればよかったんじゃないかなとも思ってしまう。

10年後、また9.11が映画化されたらどんなふうになるのだろうか・・・。

Posted at 2006.10.17

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ユナイテッド93

United932706int27lus 出演:ハリド・アブダラ、ポリー・アダムス、オパル・アラディン、ルイス・アルサマリ、リチャード・ベキンス

監督・脚本:ポール・グリーングラス

(2006年・アメリカ・111分)WOWOW

評価★★★/65点

内容:2001年9月11日早朝、ニューアーク空港を飛び立ったサンフランシスコ行きのユナイテッド航空93便。しかしその頃、地上の管制センターでは針路を外れた旅客機数機がワールド・トレード・センターと国防総省ペンタゴンに激突したことが伝わる。そして、93便はハイジャックされた・・・。ターゲット(ホワイトハウスか連邦議事堂といわれている)に到着することなく、ペンシルベニア州郊外に墜落、全員が死亡した93便の乗客たちの緊迫した様子を描き出すノンフィクション・サスペンス。

“あれから5年・・・。”

リアルタイムで目撃してしまった9.11同時多発テロ事件の生々しい惨劇は、いまだに脳裏に焼きついて離れない。

あの日の夕食は何だったかだとか、あの夜見ていたTV番組だとか今でもはっきりと覚えている。そして、22時3分に目の前で起こったことも。

まるで永遠に時を止められてしまったかのようなあの衝撃は一生忘れることはないだろう。

そして約3千人にのぼる犠牲者の遺族の方々にとっては、いまだにあの9月11日から歩みを進められない人々も多いであろうことは想像に難くない。

一方で9.11後、急速に保守化したアメリカの常軌を逸した暴走は、アフガン、イラクで繰り広げられた対テロ戦争という名の報復により10万人ともいわれる犠牲者を出している。

9.11から始まった負の連鎖は今なお世界に大きな傷跡を残しつづけているのだ。

そのことを鑑みるに、いくらあれから5年経って冷静さを取り戻そうとも、9.11を物語ることにおいてフィクションや創作が入り込む余地など一寸もないことは明らかだろう。

それゆえエンタメ帝国ハリウッドと9.11がはたして結びつくのかという疑問は、オリバー・ストーンの「ワールド・トレード・センター」を見ても感じてしまったし、9.11を物語り描くことにおいてのテーマと意義は、ことさら大仰に傷を暴き立て掘り返すことなどではなく、ただ“真実”と“鎮魂”しかないのだということも不気味なほど冷静なオリバー・ストーンの姿勢と演出を目の当たりにして感じた。

9.11に対して陰謀論なども取りざたされる中で、“真実”と“鎮魂”を描くフィクションや創作たりえない物語を撮るには、今作のようなドラマ性や作り手の意思・主張を排除した疑似ドキュメンタリーになるのは当然の帰結だっただろうと思う。

ハッピーエンドではないと分かっている物語を手持ちカメラのブレのみが揺り動かし、リアルな感情を引き出していく。今までありそうでなかった斬新かつよく出来た演出だと思う。

が、、、一個の映画として見るには「ワールド・トレード・センター」同様、物足りなさを感じてしまったのもたしかだ。

アメリカとアメリカ映画がいつかは踏み越えていかなければならない9.11というテキストに5年経って手を付けたという意味では、映画としてどうこうというよりもメモリアルな作品としての意味合いの方が強いのかもしれない。

唯一この映画でメッセージ性を出したと思われるシーンが、飛行機内で神に必死で祈りを捧げるキリスト教徒とイスラム教徒が同じフレーム内に収まっているシーンだと思うが、それを見てなんともやり切れない複雑な悲しい気持ちになってしまった。

神って、、祈りって、、何のためにあるんだろう。。人殺しをするためにあるものでは決してないはずなのに・・・。

こんな悲しい映画が作られなくて済むような世の中になってほしいものです。。

Posted at 2007.06.15

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