2009年10月16日 (金)

夢のシネマパラダイス207番シアター:クライマーズ・ハイ

クライマーズ・ハイ

Climbershigh_1_1b 出演:堤真一、堺雅人、尾野真千子、高嶋政宏、山崎努、西田尚美、小澤征悦

監督:原田眞人

(2008年・東映・145分)CS

内容:1985年8月12日。乗員乗客524名を乗せた羽田発大阪行き日航機123便が墜落する。現場となった群馬県の地元有力紙・北関東新聞の編集局は騒然となるが、一匹狼として動いていた遊軍記者・悠木(堤真一)が全権デスクを命じられ、怒涛の1週間が幕を開けた・・・。

評価★★★☆/70点

今の日本映画界にあってクセのある濃密な社会派群像劇を描くことのできる数少ない映画監督だと思う原田眞人の作品は、観る側にとっては吹きこぼれてくるアクの強さを自力ですくい取らなければならない度量の大きさと忍耐力が必要で、途中でそれに挫折しようものなら一気に置いてけぼりをくらってしまう小難しさを持っている。

なのだけど、なにより映画を見たゾ!という気にさせられるし、個性派ぞろいのアンサンブルキャストとスタイリッシュな映像で畳み掛けてくる演出と作風は、今まで見たこともないような舞台劇に引きずり込む力強さも持っていて、けっこう好きで。

それに加えて熱いオトコ臭空間を仕立てることにも長けている和製マイケル・マンの今回の作品は、地方新聞社の編集局が舞台。

事件そのものよりも、新聞社という巨大組織の中でうごめく男たちの嫉妬と野心渦巻く喧噪劇に視点が置かれたところは、まるで銀行を舞台にした「金融腐蝕列島・呪縛」(1999)を焼き直ししたような構成になっていて、遊軍記者・悠木とナベツネを想起させる社長(山崎努)との関係は同作における役所広司と仲代達矢の関係と瓜二つ。

とはいうものの、さすがは原田眞人。

「金融~」よりもさらにまとまりのない混沌とした作劇になっている(笑)。

現場とデスク、現在と過去、父と子、組織と個、世代間対立といった二項対立のエピソードが空回りに空回りしまくっていて、それぞれのつながりが弱くてまとまりに欠けるのが最大の難点なのだけども、リズムのある臨場感で頂上まで一気に踏破し満腹感一杯に映画を見た気にさせる見せ切り方はなんだかんだいってやはりスゴイと思う。

NHKの土曜ドラマ版(主演は佐藤浩市)の方が個人的には好きだけど、ホンモノの“クライマーズ・ハイ”を味わえるという点では映画の方が的を射ているのかもしれない。

しかし、よくぞここまでクセのある役者さんを集めたもんだわ。感心しちゃいます。

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突入せよ!「あさま山荘」事件

Image197 出演:役所広司、宇崎竜童、伊武雅刀、天海祐希、椎名桔平、篠原涼子、武田真治、八嶋智人、藤田まこと

監督:原田眞人

(2002年・東映・133分)DVD

評価★★★★/75点

内容:1972年2月、連合赤軍のメンバー5人がひとりの女性を人質に、雪に閉ざされた軽井沢のあさま山荘に立てこもる事件が発生。10日間におよぶ攻防の末、警察が強行突入。運良く人質を無事救出、犯人全員の逮捕に成功するが、2人の殉職者と民間人1人が死亡、多数の負傷者を出す悲劇となった。この日本犯罪史上に残る大事件を、当時指揮官の一人だった佐々淳行氏の原作を基に映画化。

“青島刑事も和久さんも恩田刑事も出てこないどころか、犯人たちもただの謎の凶悪犯としか描かれていない完全特化フィクション映画。ドキュメンタリーXにもYにもZにもならない、劇映画としての立場をわきまえているトンだ代物。”

佐々氏の原作を読んだことがないばかりか、肝心のあさま山荘事件のことさえよく分かっていない自分。

以前NHKのプロジェクトXで事件について2夜連続だったかで取り上げていたが、それを見て初めて人質がいたことなどを知ったくらいだ。なにせ事件から約10年後に生まれてるんだから・・・。

連合赤軍はどんな輩なのか、どういうことをしていたのか今でもよく分からんし。ただ当時の人々がテレビの前にくぎ付けになったということだけは知っていた。

そして、、、この映画である。

映画の冒頭でこの映画は事件を基にしたフィクションであると前置きされていたとおり完全に原田眞人の作品世界やテーマに舵を取っていっているなというのが、事件のことをよく知らない自分でもさすがによく分かるつくりになっている。

どの程度事実と符合しているのかしていないのか分からないし、佐々氏から一方的に見た事の本質なのかどうかも分からないが、ただ1つ確かなのは、脚本も手がけている原田眞人の作品世界に実際にあったあさま山荘事件そのものが完全に組み込まれてしまっていることである。

それについての是非については個人的には完全に肯定する。あくまでも劇映画として撮っているわけだから、作り手の主観が入るのは当然だし、自分が撮りたいことのみを撮るというのも一向に構わないはずである。

そういう作り手の姿勢(主観が入ること、撮りたいことのみを撮ることetc.ようするに作り手が自由であること)について真っ先にとやかく言うつもりはない。

そのかわり、まずとやかく言うべきなのは、作り手の主観や主義主張そのものであり、またそれらをベースにして出来上がった作品や作品世界についてであろう。

つまり、作り手がやりたいように好きなように作るということに関してはどうぞご勝手にやって下さいなというわけだが、それで出来上がった作品についてはとやかく言わさせてもらいます、というのが自分のスタンスである。

よって前提としてはやりたいように映画は作るべきだと言っておきながら、出来上がった作品を見ると、やりたいようにやったからこんな体たらくな作品になっちゃってるんだとも言えちゃうわけで。なんかスゴイずるくて矛盾しているような映画批評スタンスかもしれないけども・・・。

ただ、やりたいようにやるというのは、決して作り手の無責任などではなく、必ず作り手の意志や主観が入っているはずだから重い責任が課されている(自由であることは実は重い責任を負うことでもある)のは当然なわけで、だから作り手の意志や主観をまずは第1に見ていこう、それを踏まえてから作り手の制作姿勢について思うことがあれば言おうと考えているのですが。。。

要は順序を間違えちゃうと、こちらもただ一方的になっちゃってるということになってしまう。難しいところです。

まぁ自分の中では納得しているので。といいつつ納得してるわりに全然うまく表現できないんだけど・・・。

さてさて、余談はさておき出来上がった今回の作品について言わせてもらうと、まあ自分好みの映画かなという印象はもったかな。

警察組織の呪縛と矛盾という観点から撮ったのであろうこの映画は、前々作の「金融腐蝕列島・呪縛」と同様の観点でもあるし、中央と所轄という視点でみれば、踊る大捜査線の逆バージョンの構図ともいえるわけで、個人的には非常に興味深いコンテンツであった。

しかしそのコンテンツのみに特化して描くための道具立て、題材が実際にあった浅間山荘事件というのはやはり少しばかり腑に落ちないところもある。

武田真治と篠原涼子なんてどこに出てたんだ??とエンドロールを見てビックリしたように、犯人と人質の描写はほとんど皆無といってよいし、長野県警もただの低脳集団としか描かれていない、いささか一方的な描き方なのはやはり気になった。

青島刑事が現場にいたらあの台詞が聞こえてきただろう。

「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」

2009年9月29日 (火)

夢のシネマパラダイス614番シアター:ひとりじゃない。。

陰日向に咲く

Kagehinata 出演:岡田准一、宮崎あおい、伊藤淳史、平山あや、緒川たまき、西田敏行、塚本高史、三浦友和

監督:平川雄一朗

(2008年・東宝・129分)WOWOW

評価★★☆/50点

内容:大型台風が接近中の東京。借金まみれの末に、ついにオレオレ詐欺に手を染めるギャンブル狂のサラリーマン・シンヤ(岡田准一)。若かりし頃に売れない芸人・雷太(伊藤淳史)に恋した母(宮崎あおい)を捜している寿子(宮崎あおい二役)。25歳の崖っぷちアイドル(平山あや)と、彼女を一途に応援するアキバ系オタクのゆうすけ(塚本高史)。歩道橋で人波の中をモーゼのように悠然と歩くホームレス(西田敏行)に心酔し、ダンボール生活を始めたエリートサラリーマンのリュウタロウ(三浦友和)。この一見無関係な彼らの人生が、次第に交錯していく。。。

“1分間の深イイ話、ならぬ130分間の浅イイ話・・・”

劇団ひとりの原作は読んだことないから何とも言えないけど、映画だけ見ると、原作読みたいと思う気にはなれなかったな。。

群像劇なのかオムニバスなのかがまずは中途半端で、9本の糸がより合わさって1本の太い糸になる力は毛頭なく、かといって別個に伸びているわけでもなく、細い糸のほつれた枝先がかすかに触れるくらいで、そのつながりはなんとも弱々しい。

また、登場人物がいくら日の目が当たらないとはいえ、揃いに揃って過去の方を向いているというのはあまり好きじゃないんだよね。そういう後ろ向きつながりは韓国映画の方が十八番なのだから(笑)。

まぁ、この映画の浅さは原作に非があるわけではもちろんなく、映画の作り手の非力に拠るところが大なのだろうけども。

しかし、その中で宮崎あおいたんのけなげな一人二役を見れたのは良かったし、しかも「ただ、君を愛してる」(2006)に引き続きのメガネっ娘姿はゴク唾ものheart04

それだけでも一応見た甲斐はあったかなと。

、、、ってこれで満足してもなぁ・・。期待していただけに惜しいというか残念というか、そんな作品ですた。

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ギミー・ヘブン(2004年・日本・121分)WOWOW

 監督:松浦徹

 出演:江口洋介、安藤政信、宮崎あおい、小島聖、鳥肌実、石田ゆり子

 内容:ヤクザの下請け仕事としてネット上で盗撮サイトを運営する葉山(江口洋介)は、ある感覚情報から全く違ったイメージを受け取る特殊な感覚“共感覚”の持ち主で、誰にも理解されないゆえの孤独を抱えながら日常を送っていた。一方、奇妙な絵の描かれた自宅の床で変死していた富豪の事件を追う刑事・柴田(石田ゆり子)は、富豪の娘である麻里(宮崎あおい)が共感覚性という体質であることを医師から聞かされる・・・。

評価★★/40点

共感も同感も感動もできない置いてけぼり映画。

ふ~ん、へェー、あ、そう、、、終わり、みたいな。。

ていうか、共感覚という設定を持ち出してくる意味があったのだろうかという、、、根本的なところからして奇妙奇天烈な映画になっていたと思う。もうちょっと具体性を前面に出して料理してもらいたかったなぁ。

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ドラッグストア・ガール(2003年・松竹・105分)WOWOW

 監督:本木克英

 出演:田中麗奈、柄本明、三宅裕司、伊武雅刀、六平直政、三田佳子

 内容:薬科大学3年生でラクロス部に所属する恵子は、ある日彼氏の浮気現場に遭遇。動転した彼女は電車に飛び乗り、あてもなく揺られているうちに聞いたこともない郊外の寂れた街・摩狭尾にたどり着く。そしてひょんなことからそこに新規オープンしていた大型ドラッグストアでバイトすることになるのだが、地元商店街のオッサンたちはこのドラッグストアを敵対視していた・・・。

評価★★/40点

役者陣は映画級だが、内容は深夜にやってる程度の低いVシネにしか見えない。

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ロスト・イン・トランスレーション(2003年・アメリカ・102分)仙台フォーラム

 監督・脚本:ソフィア・コッポラ

 出演:ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソン、ジョヴァンニ・リビシ

 内容:CM撮影で来日した中年のハリウッドスターと、夫の仕事に付き添って来日しながら孤独感を拭えない人妻。ふたりは、互いを癒すかのように惹かれ合っていく・・・。アカデミー賞で脚本賞受賞。

評価★★★/60点

舞台がNYだったらと考えると、、、相当チンケな映画だぞこれ。

“TOKYO”は知ってるけど、“日本”は知らないお人ですね、この監督さん。

でも、病院のロビーにいた婆ちゃんは良かった。

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バッファロー’66(1998年・アメリカ・111分)仙台フォーラム

 監督・脚本・音楽:ヴィンセント・ギャロ

 出演:ヴィンセント・ギャロ、クリスティーナ・リッチ、アンジェリカ・ヒューストン、ロザンナ・アークエット

 内容:大人になりきれない孤独な男のラブストーリー。刑務所を釈放になった男ビリーは、母親に電話で「女房を連れて帰る」と嘘をついてしまう。女房どころか友達もいない彼は、通りすがりのレイラを誘拐するが・・・。

評価★★★★/80点

note赤いくつ~履いてたーー男のコ~~note

28歳っ!!の男のコ。大人の女のコに連れられて行っちゃった~notes

どーしょーもないダメ男だけどこの上なく純粋なヤサ男と、年不相応な豊満ロリっ娘の不器用な恋愛はまるで小学生か中学生の初デートでも見ているようなかんじで、見ていてなんともいじらしくなってくる。でも、そこがイイんだよなぁ。

女性が観たら、おそらく母性本能をくすぐられると思うんだけど、男のオイラからするとこの童貞男をバカにしつつも、いつの間にか共感して応援してる自分がいて、なんとも微笑ましく見ていられる作品ですた。

また走り方が可愛いんだよね、このガキ(笑)。そして淋しさを湛えた独特さがあって、そこも印象的だったな。良作です。

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フル・モンティ

Full_monty 出演:ロバート・カーライル、トム・ウィルキンソン、マーク・アディ

監督:ピーター・カッタネオ

(1997年・イギリス・92分)シャンテ・シネ2

内容:イギリス北部の町シェフィールド。かつては鉄鋼業で栄えたこの町も、今は失業者であふれかえっていた。ギャズも失業中で、別れた女房に息子の親権を奪われそうになっていた。そんな時、彼はひょんなことから男性ストリップの巡回ショーに潜り込み、女性客の熱気と歓声にビックリ。これは金儲けのチャンスだと踏んだギャズは、仲間を集めて男性ストリップショーを始めようと目論むが・・・。

評価★★★☆/70点

ネイサンは立派な大人になると思うなぁ。

ブヨブヨに爺さまに、垂れパイにホースetc.が懸命に頑張ってる姿を見てるんだもん。人間、追い込まれたら何でも出来るねんな(笑)。

でも、決して下品ではなく、愛嬌と可笑しみと哀しみのペーソスにあふれていて、悲喜劇にリアルな生活感を滲ませるイギリス映画ならではの作品に仕上がっていたと思う。

でも、「フラッシュダンス」のビデオ買うのを恥ずかしがってるような男がやすやすと服脱げるかあ?という説得力の無さとオバさんの立ちションに★-1。

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スモーク(1995年・アメリカ・113分)NHK-BS

 監督:ウェイン・ワン

 出演:ハーヴェイ・カイテル、ウィリアム・ハート、フォレスト・ウィテカー

 内容:ブルックリンでタバコ店を営むレンは、毎日店の前を写真に撮るのを趣味にしていた。一方、店の常連で作家のポールは、ぼんやりしていて車にはねられそうになったところを、ラシードと名乗る少年に助けられる。数日後、少年の叔母がポールの家を訪れ、彼の本名はトーマスといい、行方不明なので心配していると告げる・・・。ブルックリンのタバコ店に集う男たちをめぐる、ユーモアと人情にあふれた群像劇。ベルリン国際映画祭作品賞。

評価★★★★/75点

煙草の煙も臭いも苦味も大っ嫌いだが、映画が燻らす人間臭さと人生の苦みを味わうのは大っ好き。

2009年9月25日 (金)

夢のシネマパラダイス543番シアター:グエムル~漢江の怪物~

Guemuru3 出演:ソン・ガンホ、ピョン・ヒボン、パク・ヘイル、ぺ・ドゥナ、コ・アソン

監督:ポン・ジュノ

(2006年・韓国・120分)2006/09/20・盛岡フォーラム

評価★★★★/80点

内容:米軍基地から大量の薬物がソウルの中心を流れる河・漢江に垂れ流されてから幾年、、、突如、正体不明の巨大な怪物が出現。驚異的なスピードで動き回り、逃げ惑う行楽客を次々と喰い殺し始めた。河川敷で売店を営むカンドゥは、中学生の一人娘ヒョンソと逃げるが、あろうことかヒョンソが怪物に連れ去られてしまう。カンドゥは、父ヒボン、アーチェリーの名手である妹ナムジュ、弟ナミルとともにヒョンソを探し出そうとするのだった。が、政府は怪物が死のウイルスの宿主であると発表、怪物と接触した人々を隔離し始める・・・。

“最凶のたたり神グエムルvs怪物ポン・ジュノ!”

スパイダーマンの運動性能とプレデターの腐臭と醜さ、アナコンダばりの尻尾、もののけ姫に出てくる猪神・乙事主の遺伝子を有し、レリックそのまんまの形態を持った怪物グエムル。なんとまぁ凄んごいやっちゃ。

でも1番ピンときたのはブチ切れた時のカオナシなんだよね(笑)。千と千尋の・・。ドバドバ吐き出してるし。

また、巷では「WXⅢ機動警察パトレイバー」に出てくる“廃棄物13号”に酷似してるとか言われてるけど、、たしかに似てるかも。

でも、そんなことはグエムルの圧倒的存在感と予測不能の動きを眼前にすればどうでもいいことであり、今まで見てきたどのクリーチャーとも異なる唯一無二のオリジナリティあふれる怪物だったと思う。

そして、それは多分に映画のジャンルの壁を面白おかしく崩してしまうポン・ジュノ監督のなせる技によるところも大きい。

例えば、今まで都市を闊歩する怪物といえばゴジラやキングコングなど巨大怪獣が主であり、殺戮というよりはスケールの大きさと破壊神の象徴として描かれてきた一方、レリックやエイリアンなどのコンパクトサイズの怪物は地下や宇宙船内などの閉塞感極まれる逃げ場のない密閉空間で特定の人々を殺戮し、暴れ回ることによってその恐怖の真価を発揮してきた。

しかし、今回は体長10m程度と大きすぎず小さすぎずのコンパクトサイズの怪物が、しかもたった一匹、大都市ソウルを横滑りしながら疾走し、人間を丸呑みしてしまうという、今までありそうでなかった作り方をしているのだ。

それをグエムルにさらわれた娘をなんとか助け出そうとするパク一家に焦点を合わせることによって崩れたジャンルの壁をポン・ジュノ流錬金術で全く新しいものへと生まれ変わらせている。

さらに、暗がりの限られた密閉空間から真っ昼間のだだっ広い都市空間という180度異なる場へ放り出されたことによる恐怖感の減退、スケール感の無さといった不安要素も、グエムルのとにかく凄い動きと驚愕のリアリティでもって払拭するとともに、恐ろしいほどの開放感とユーモアセンスを織り込んでまたまたジャンルの壁を軽々と突き破ってしまっている・・・。

「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」でサンディエゴを我が物顔でのし歩くTレックスの肩透かし度とは天地の差だ。

特に圧倒的なリアリティに関しては唸るほかない。。

なによりも、この映画にまるでグエムルの尻尾に根こそぎ身体を持っていかれるかのごとく引きずり込まれたのは、グエムルの登場場面に尽きるのだが、ここで描き出されるリアル感というのは筆舌に尽くしがたい。

休日、のどかな昼下がりの河川敷という舞台設定にまずは驚かされるけど、真っ昼間てのがやっぱ特筆ものだね。そして、漢江に架かる橋げたにぶら下がって風に揺れなびいている“何か”に人々は気付くのだけど、この“何か”という感じがまた絶妙。

人々が指さしているのを見て観客のオイラも思わず目をこらして見ちゃったけど、えっ何?どこ?ん?何だあれ・・?みたいな。

ありふれた日常風景に混入している異物感というか、あるはずのない所から手首がニョキッと出ている心霊写真を見た時のような感覚で、あの橋からぶら下がっているグエムルの遠景ショットだけでオイラは背中を何か得体の知れない舌でザワリと舐められたような、そんな薄気味悪さを体感してしまった、、、と思ったが最後、オイラも河川敷を必死で爆走していた・・・。

凄い映画だ。

あと、電車の窓からフツーに異様な殺戮シーンが見えちゃうというのもまた絶品だし、アメリカがまき散らす情報操作にまんまと乗せられ右往左往する人々、そしてひと段落して事の真実がやっとで伝えられた時にはもうすでに人々の関心の俎上にも上っていないという顛末を痛烈なブラックユーモアで包んだかなり強烈なラストといい、このポン・ジュノという男、まさに怪物ですな。

とにかくこんなわけの分からない、しかしこんなに面白い怪物映画というのは今まで見たことがない。

ああ、ホント美味しかった~ゲップ、、ウィ~~catface

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クローバーフィールド/HAKAISHA

20080427_305407 出演:マイケル・スタール=デヴィッド、マイク・ヴォーゲル、オデット・ユーストマン、ジェシカ・ルーカス

監督:マット・リーヴス

(2008年・アメリカ・85分)2008/04/20・盛岡中劇

評価★★★/60点

内容:5月22日、NYマンハッタン。仕事で日本へ栄転となったロブを祝うため、アパートの一室で送別パーティーが開かれていた。ハッドは出席者のコメントを録るためビデオカメラを回していた。が、そんな最中、外で突然轟音が響き渡り・・・。

“怪獣映画、下からみるか?横からみるか?”

NY・セントラルパークで回収されたシロウトの撮ったビデオカメラを再生、そこに映っていた驚愕の映像とは!?

本編すべてが撮影者の主観視点で進む今までありそうでなかった、こんな映画一度は見てみたかったという、そんな願望を実現してくれたアイデアは秀逸。

なのだけど、フタを開けてみれば、、、ちと飽きた・・・(笑)。そして、ちと酔った・・・。

なまじ予備知識があっただけに、こんなもんかというかんじで。。

たしかに今までの怪獣映画なり、例えばウルトラマンなんかにしてもそうなんだけど、ほとんど全てが大局的視点で撮られていて、街中を暴れ回る怪獣の足下にいる一般市民は逃げ惑う記号としてしか描かれず、押しつぶされる建物や電車の中にいるはずの数多の人間は暗黙の了解のもとに黙殺されてきたわけで、その意味では怪獣映画というのは下から見上げるものではなく横から見るものだった。

そこに風穴をあけたのが金子修介の平成ガメラシリーズだったわけだけど、それをさらに極端にしたのが今回の作品といえばいいのだろうか。

ただ、例えばF1のTV中継で、時速300キロで駆け抜けるレーシングカーの車載カメラ映像はド迫力そのものだけど、それオンリーでレース中継が成り立たないのは自明の理で、今レースはどういう状況にあるのか、その中でこの車はどういう位置にいるのかという俯瞰視点はどうあっても必要になってくるわけで、それがなければ様々なドラマ、言い換えれば物語なんて生まれるはずもなく、、、それと同じことが今回の映画にもいえるのではないかなと思ってしまった。

つまり、カメラが1つ所に固定されることによる制約が物語を封殺してしまっている典型的な例だと思うんだけども、ことディザスタームービーに関しては、主観アングルというのは弱点というか失うものの方が大きいんだなということを実感してしまったような・・。

逆にそれが有効になるのは、限定されたシチュエーションや密閉空間に閉じ込められてしまった場合であり、最近では左目以外の自由を奪われてしまった男の視点で描かれる「潜水服は蝶の夢を見る」(2007)やテレビ局の取材クルーが出向いたアパートで起こる恐怖を描いた「RECレック」(2007)といった作品があるけど、これらの作品は主観アングルという制約が無理なく活かされた映画になっていると思う。

要は、主観アングルというのは、カメラの動きが制限されているのだから、観る側にとっては苦痛の方が大きいわけで、それを逆手にとるには基本的には何らかの自由を奪う設定にするしかないというのが自然な流れなのだ。

ところが今回は、プロデューサーのJ・J・エイブラムスの言葉を借りれば、“モンスターをあまり見せないように隠したかった”から主観アングルにしたというではないか。

ななんと、自由を奪われたのは他でもない怪獣だったというオチ・・・(笑)。

そう考えるとこれほど本末転倒な怪獣映画もなかろう。

思う存分暴れ回るために生み出された怪獣がカクレンボをしなければならないなんて・・・。

そして、この奪われた自由の枷を軽減し映画としてまがりなりにも成り立たせるために、主人公たちがむざむざ竜巻の中に突っ込んでいくかのようにパニックの渦の中心に歩を進めるように仕向け、あげくの果てに小型モンスターという反則技まで繰り出してくるシナリオは、かなり説得力に欠けるし、未知の何かがヌラリと視界の隅に入ったのにそれをカメラで追おうとしないところなどもどうしても気になってしまう。

この主観アングルに、裏で緻密に操る計算されつくした神の目を感じ取ってしまう不純なオイラは、もう途中から飽き飽きしちゃって・・・w。

手ブレのハンディカメラという点でも、スピルバーグの「プライベート・ライアン」(1998)や「宇宙戦争」(2005)といった先達があるし、なにより9.11同時多発テロという現実に勝るものはなかろう。

ま、こういうのは何も考えずに見ればいいんだけどさ。ブレブレのカメラに酔ってついつい考えさせられちゃったんだよ(笑)。。

しかし、あの怪獣、オイラがゴキブリに次いで大っ嫌いなカマドウマに肢体が似ていてイヤだcoldsweats02!!

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ジェヴォーダンの獣(2001年・フランス・138分)MOVIX仙台

 監督:クリストフ・ガンズ

 出演:サミュエル・ル・ビアン、ヴァンサン・カッセル、モニカ・ベルッチ、エミリエ・デュケンヌ

 内容:1764年、フランスのジェヴォーダン地方で、100人を超える人々が謎の魔獣に惨殺された。獣の正体を突き止めるべく、科学者フロンサックらが派遣されたが・・・。フランス史上最大の謎と語り継がれる連続殺人事件を映画化。

評価★★★/60点

“東京フレンドパーク風にいえば、4,5本ダーツを持っているにもかかわらず、全部的をハズしたか、たわしを当ててしまったかといったかんじ。”

ていうかダーツは1本でいいのよ。的を的確に射てくれればさ。

どうもこの映画は欲張りすぎて逆にドツボにハマッちゃってるかんじなんだよな。数打ちゃ当たるじゃダメダメだってことをこの映画はモロにやっちゃってる。

ま、好意的に名付ければ、フランス成人版もののけ姫といったところか。。海を渡ってやって来た鎮西の乙事主も、フランス版では鎮西ではなくアフリカになっちゃうのね。ふーん・・。

2009年8月10日 (月)

夢のシネマパラダイス612番シアター:河童のクゥと夏休み

河童のクゥと夏休み

Img070802 声の出演:田中直樹、西田尚美、なぎら健壱、ゴリ、冨沢風斗、横川貴大

監督・脚本:原恵一

(2007年・松竹・138分)NHK-BS

内容:夏休みを心待ちにしていた小学生の康一は、学校帰りに不思議な石を拾う。そして、持ち帰って水で洗うと、なんと河童の子供が姿を現した。最初に発した「クゥ~~」という第一声からクゥと名付けられたその河童は、日本語を解し、江戸の世から地中に埋められていたのだという。最初は驚いた家族も、気前のいいクゥを受け入れ、一緒に暮らし始めるが・・・。

評価★★★★/80点

どこぞの町の教育会館で巡回上映されるような児童向け映画かと思いきや、めっちゃ心打たれる感動作に仕上がっとるやないけ。

オイラは今、モーレツに感動している(笑)sign03

とともに、盛岡に住んでいるオイラにとっては、岩手県人であることを誇りにさえ思ったわな。

民話の里・遠野は河童の伝承としても有名で、盛岡からは車で1時間半くらいの距離にあり、盛岡人からしてもかなり良質な田舎の空気を味わえる所。

そんな鮮やかな緑と青藻が生える清らかな川に囲まれた遠野の雰囲気を表現できていたのは良かったし、終着点を沖縄ヤンバルにしたのも意外で面白かった。

でも、遠野に河童はもういないんだ、と断言されたのはちょっと悲しかったけど・・・。有名な河童淵に行けば会えるんでっせw

まぁ、話の展開としては、「E.T.」などの定型的なフォーマットを単純になぞっただけともいえるけど、義理人情に厚い古風な気質のクゥちゃんのキャラクターが魅力的で面白かったし、そのクゥちゃんが東京タワーに登るくだりは、エンパイヤステートビルに登って転落した哀しきモンスター、キング・コングを思い起こさせて引き込まれてしまった。

そして本当のバケモノは人間なのだという残酷さをリアルに捉えた演出力もなかなかのもので、例えば携帯電話を片手に追っかけてくる殺風景な人々は現代社会の象徴みたいなもので、これを子供向けアニメで描いたストレートさは買いたいところ。

また、小学4,5年生のリアルというか、同級生の女のコが泣いているのに主人公の康一がモジモジしながらその場を立ち去ってしまう場面なんかは、恥ずかしさの方が前面に出るこの年頃のぎこちなさがよく表現できていて上手いなと思った。

その他にもイジメや環境破壊、総ワイドショー化するメディアなど、様々な社会問題を盛り込む中、決してシビアな堅苦しさに陥らずに子供・大人両方の鑑賞に十二分に堪えうる作品に仕上げたのは、さすがクレしん劇場版で大人たちを号泣させた監督さんだけのことはある。

こういう真摯なアニメが増えてくればいいんだけどねぇ。

細田守とか、この映画の監督・原恵一など期待できる人材も出てきてるので、楽しみっちゃあ楽しみかな。ジブリ後をそろそろ考えないとダメだしな。おいおい・・・

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ジュブナイル(2000年・東宝・105分)NHK-BS

 監督・脚本:山崎貴

 出演:香取慎吾、酒井美紀、鈴木杏、遠藤雄弥、清水京太郎

 内容:夏休みを利用してキャンプに来ていた岬と裕介ら4人組は、森の中で奇妙なロボット・テトラと出会う。こっそり持ち帰ったテトラを裕介の部屋で飼うことにした4人は、タイムマシンを研究する近所のオタク青年・神崎のもとでテトラの謎を解明しようとする。一方、その頃、テトラを追うボイド人が出現して・・・。

評価★★★/65点

題名からしてそのものズバリのド直球を冠しただけのことはあり、つくり手の気概がかなり感じられるオリジナリティとジュブナイルのエッセンスにあふれる作品になっていることはたしかで、子供にとっては純粋に楽しめるはず。

なのだけど、、もうそういう年頃でもなくなった自分にとっては物足りなさが否めず・・。

それは、つまるところジュブナイルものに必須のノスタルジーを感じ取ることができなかったというのが最も大きな要因で、例えば80年代後半を小学生として過ごしたオイラはまさにファミコン世代だと思うのだけど、この映画で子供たちがプレステ2と携帯をツールとして使うヴァーチャルアトラクション的な冒険にはどうも心躍らないというか現代っ子とは世代的にビミョーなズレが・・・。いや、かなりのズレか。。今は山の中で秘密基地作ったりなんてしないんだろうなぁ・・。

あとは、子供がテトラと出会ったときのインパクトをはじめとして感情表現がかなりあっさりしているのも乗り切れない理由で、「E.T.」(1982)みたいな子供の輝きに乏しいのはいただけないかなと。

そういうところもヴァーチャル的なかんじで、、、う~ん。。

、、、ようするに、イマイチですた・・。ハイ。

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キャスパー(1995年・アメリカ・100分)CS

 監督:ブラッド・シルバーリング

 出演:クリスティーナ・リッチ、ビル・プルマン、キャシー・モリアーティ

 内容:12歳のキャスパーと3人(匹?)の叔父は広大な屋敷に100年も住むお化け。そんな屋敷を相続した強欲な女主人に、叔父ゴーストたちはいやがらせを開始。困った女主人はゴースト退治のために心霊学者を呼び寄せるのだが・・・。

評価★★★☆/70点

安心して子供に見せられる映画なのだと割り切って見ることをおススメします。そうすればあなたもキャスパーに会いたくなること間違いなしbleah

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ニューヨーク東8番街の奇跡(1987年・アメリカ・107分)NHK-BS

 監督:マシュー・ロビンズ

 出演:ヒューム・クローニン、ジェシカ・タンディ、フランク・マクレー

 内容:ニューヨークの下町で、地上げ屋の嫌がらせにあっている安アパートの住人達の前に現れたのは、小型円盤型の宇宙人!住人達を助けるため、可愛いメカ生命体が活躍する。

評価★★★★/75点

もうアメリカはいいから大規模な地上げが横行している中国に行ってやりなはれUFOさんww。

でも、週末夜にこういうほのぼのとしたおとぎ話映画を見るとなぜか幸せな気分に浸れて好きhappy01

2009年8月 6日 (木)

夢のシネマパラダイス611番シアター:母べえ

母べえ

Kaabee000  出演:吉永小百合、浅野忠信、檀れい、志田未来、戸田恵子、大滝秀治、笑福亭鶴瓶、坂東三津五郎

監督・脚本:山田洋次

(2007年・松竹・132分)2008/02/10・盛岡フォーラム

内容:昭和15年の東京。野上佳代(吉永小百合)は、文学者の夫・滋(坂東三津五郎)と2人の娘・初子(志田未来)と照美(佐藤未来)とともに、つましいながらも幸せな毎日を送っていた。しかし、ある日、反戦を唱える滋が治安維持法に引っかかり逮捕されてしまう。そんな中、滋のかつての教え子・山崎(浅野忠信)や滋の妹・久子(檀れい)、拝金主義にどっぷり浸かっている型破りな叔父・仙吉(笑福亭鶴瓶)らが一家のもとに駆けつけ、佳代たちを支えていくのだった。。

評価★★★★/75点

家族を描かせたら右に出る者のいない山田洋次。12貫足らずの痛々しい身体、ひび割れた瀬戸物のような身体で歯をくいしばって働く母親を描かせたら右に出る者のいない山田洋次の真骨頂が存分に発揮された佳品。

戦争反対の信念を貫き、思想犯として治安維持法違反でしょっぴかれた父べえ・滋の不在の中、野上家をひしと支え続ける母べえ・佳代の姿と家族の絆が描かれていくこの映画。

ドラマティックさを排除したようなありふれた日常を丹念に紡いでいくことで、かえって非日常的な世の中の空気―不合理なことに無神経にならなければ生きていけない銃後の世の中―というものがよく伝わってくる演出の妙はさすがで、例えば野上家によくしてくれる近所の炭屋のおじさんも、息子を兵隊にとられる不安を抱きつつ鬼畜米英を当然のように唱え、最終的にはドイツと日本が戦争して日本が世界を制覇するんだということをマジメに語ったりする。

また、母べえにしても、夫の反戦思想は間違っていないと元警察署長の父親には言うものの、代用教員として就いている小学校の教室では皇軍の勝利を祈ってくださいとしか言いようがない。

街頭では、婦人会の女性が道行く人々にぜいたくは敵だ!と呼びかけ、それに対しぜいたくは素敵じゃ!と言う仙吉叔父さんを非国民呼ばわりするのは戦前の皇民化教育の薫陶を最も受けた子供たち、、、。町内会の隣組も、しかし皆が右向け右!と一致迎合せざるを得ないような監視的な役割を担っている。

こういうホントのことを言えない世の中の空気というものを、決して声高に強調するわけではなく、日常の中にひっそりと、しかし確実に浸み込んでいるものとして描き出しているのはスゴイの一言だ。

また、和やかな風景から焼け野原に移ろっていく家の玄関から見た路地の風景も印象的で、まさに完璧ともいえる演出。

今、銃後をこんなにしっかりと描ける監督さんっていないだろうな。

戦争というのはすみやかにおっ始まるのではなく、国が一斉にそっちの方向を向いていく中で行われるものだと思うのだけど、そういう意味ではその下地として国民の総意が不気味に形成され誘導されていく流れというのはホントに怖いなと感じたし、母べえが言うところの「弱虫でぶきっちょで泳げもしない意気地のない」優しくて善良な市民に死ぬ覚悟をさせる国家の責任というのはホントに重く大きいのだということを実感できた気がする。

素晴らしい映画です。

、、、が、ここであえて難点を言わさせてもらえば、浅野忠信が実年齢で30歳近く離れている吉永小百合に恋慕を寄せるというのは、ちょっとムリがあるというか(笑)。。

それを描くんだったら、母べえ役はもうちょっと若手にしてもよかったんでないかいと思っちゃったな。

例えば、竹下景子、大竹しのぶ、黒木瞳だとか、もう1世代下げて沢口靖子とか宮沢りえ、松嶋菜々子あたりの方が自然のような、、、ねぇ。

まぁそれ考えたら映画の根幹に関わる大問題だと思うのだけども、60代になっても30代の妻を演じられる吉永小百合の“日本の母”ぶりもまたこれはこれで良かったのかもしれない。

そしてなにより御年77歳ながら精力的に映画を撮りつづける山田洋次には、“日本のジョン・フォード”としてまだまだ頑張っていって欲しいなという思いを強くしたのでありました。

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家族(1970年・松竹・107分)WOWOW

 監督・脚本:山田洋次

 出演:井川比佐志、倍賞千恵子、笠智衆、前田吟

 内容:桜の咲く長崎の島を旅立った労働者一家が、北海道の東端・根釧原野の開拓地にたどり着くまでを、ドラマ性を排除したシナリオとドキュメンタリーのようなカメラワークで綴った異色のロードムービー。2人の幼児を抱えた労働者夫婦は、祖父を連れて5人で長崎の小さな島を後にした。大阪に着いた一家は雑踏にとまどい、大阪万博会場の入口につめかけた群衆を見て茫然とする。さらに北へ向かった彼らは、途中で急死した子供の遺骨を抱えて北海道へ渡るのだった・・・。

評価★★★★/80点

“日本のジョン・フォード=山田洋次”

浦沢直樹の「20世紀少年」にハマっていたオイラにとっては、この漫画のカギを握っているといってもいい1970年―主人公ケンヂが秘密基地を作った少年時代と大阪万博―の日本列島の風土と街並みを、北から南まで満遍なく見られたのはかなりタメになって有意義だった。

特に話でしか聞いたことがない大阪万博を正面入口だけとはいえ見られたのはよかった。

あの雑踏の中で、オッチョやヨシツネが日射病にかかってぶっ倒れながら並んでたんだなぁと思うと感慨深くなっちゃったけど、一方では、あの雑踏の中でエスカレーターにたじろいで上手く乗れない笠智衆のような爺ちゃんもいたんだろうw

しかし、笠智衆はイイねぇ。ビールを美味そうに飲むところや、歌を口ずさむところだとか、一挙手一投足に思わず泣きそうになっちゃったわな。

また、九州弁でまくし立てる倍賞千恵子は堂に入ってたし、その倍賞千恵子と前田吟が義姉弟の関係というのはなんか違和感あったけど、「男はつらいよ」シリーズの面々がかなり正反対ぽい役柄で出てきたのは面白かった。

でも、わずか1週間足らずで赤ん坊と祖父を失うなんて、、、かなり唖然とする展開だったけど、高度経済成長と産業転換の真っ只中にあって、そこから置き去りにされた人々が大多数いたであろうことは想像にかたくなく、彼らを丁寧に見つめた山田洋次の視点は、経済成長の豊かさの代償として家族のあり方というものをポロポロと落とし喪失してきた今の時代だからこそ見直すべき視点なのかもしれない。

長崎から北海道へ命を削りながら縦断した家族の絶望と希望を、後世に残しておくべき映像とともに刻みつけたロードムービーの傑作といえよう。

「幸福の黄色いハンカチ」(1977)といい、「男はつらいよ」といい、旅と労働者と街を描かせたら山田洋次の右に出る者はおらへんな。

貴重な本当の日本の姿をこれからも描いていってほしいです。

余談、、、

北海道にたどり着いて酪農を営むことになったこの一家の物語が、今度は「遥かなる山の呼び声」(1980)に続いていくのだと考えるとまた感慨もひとしおだなぁ。

ということは、井川比佐志は亡くなっちゃって、そこに高倉健がやって来るっちゅうわけか。

人生いろいろやな(笑)。

夢のシネマパラダイス6番シアター:ガチ☆ボーイ

ガチ☆ボーイ

Img080306 出演:佐藤隆太、サエコ、向井理、仲里依紗、宮川大輔、泉谷しげる

監督:小泉徳宏

(2007年・東宝・120分)CS

内容:とある大学。安全第一を是とするプロレス研究会に五十嵐良一という学内屈指の優等生が入門してきた。せわしなくメモを取りながら練習に励む五十嵐だったが、肝心の段取りがまるで覚えられない。そんな中、商店街でのデビュー戦で案の定段取りを忘れた五十嵐は掟破りのガチンコファイトをしてしまい、一躍人気レスラーに。しかし、そんな五十嵐には深刻な秘密があった・・・。

評価★★★★/80点

K-1やボクシングは好きで見るけど、出来合いのストーリー性の中で繰り広げられる筋肉ムキムキのエンタメお遊戯ショーにしか見えないプロレスは面白くなくて燃えないから見ない。

そんなオイラが初めてプロレスの試合に燃えた。熱く燃えまくったpunch

司法試験に受かったくせにプロレスの段取りは覚えられなくてカンニングしてしまうというガリガリの五十嵐(佐藤隆太)のキャラがそれ自体コメディとして面白かっただけに、まさかその裏に、眠るとその日のことを全て忘れてしまう高次脳機能障害というシリアスな記憶障害ネタが隠れていたとは思いもよらず・・・。

プロレスのみならず朝起きてからの一分一秒を否が応にもガチンコ勝負せざるを得ない五十嵐の奮闘に、日々のんべんたらりんと生きてる自分が喝を入れられたような、そんな感動を味わうことができた作品だった。

また、記憶障害を単なるあざといダシネタに終わらせずに、真摯かつ妥協なく描いているという点でも、「タイヨウのうた」(2006)で難病ネタを扱いながら丁寧な筆致が印象的だった小泉徳宏監督の演出は今回も健在で好印象。

あとは、やっぱなんといっても佐藤隆太だな。深刻な秘密を覆い隠さんばかりの満面の笑顔は見ていてツラクなってくるほどだったけど、佐藤隆太の長所がうまくハマッたかんじで、ガチの熱演を見せてくれていたと思う。

頭ではなく、身体で覚えた記憶で生きる実感を取り戻そうとする五十嵐のガチンコの生きざま。

はたしてオイラは生きる実感をしっかり持っているのだろうか。それすらビミョーだ・・・。もうギブアップ寸前です(笑)。。。

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(おまけ)

ウォーターボーイズ

Image01 出演:妻夫木聡、玉木宏、平山綾、眞鍋かをり

監督:矢口史靖

(2001・東宝・91分)DVD

評価★★★☆/70点

内容:部員が男ひとりという唯野高校水泳部に突如やって来た美人女性教師佐久間先生。すると彼女目当てに男どもがこぞって入部してくるが、佐久間先生は満面の笑みで「シンクロやって文化祭で発表しまーす!」と言い出してしまう。結局それを聞いた男どもはこぞって退部していく。残ったのはたったの5人、、、はてさて。。

“ぅおりゃーっ妻夫木ぃぃぃ、綾ちゃんと腕組むなーーっ!腕が綾ちゃんのムネに当たっとるじゃないけーわれーっ・・・ゴホッ”

理屈抜きで面白いです。てか理屈で観たらダメなんですね。

眞鍋かをり先生が「有象無象が寄り集まってるだけじゃない」とおっしゃってたように、こういうのは頭ん中カラッポにして観ないと。

どっかのお笑い番組でも見てるかんじでオイラは観ちゃいました。

要は映画じゃない!記号でしょこれって。さらに言えば、マンガでしょ。

この映画でリアリティといったら柄本明くらいなもんだし(笑)。だって竹中直人が出てるっつうだけで予想はつく。

ただ、唯一許せないのは、妻夫木が最後躊躇すること。

お笑い番組で芸人さんが躊躇することなんて普通ないだろーが。なのに何で恥ずかしがるんだよ。その後のシンクロ演技で綾ちゃんに堂々と迫ってるくせに。

あそこでフツーの心理描写を持ってくるなっつーの。

けどもなんだかんだ言ってこういう映画もたまにはイイな。

2009年8月 3日 (月)

夢のシネマパラダイス609番シアター:蒲田行進曲

51286kamata_640 出演:松坂慶子、平田満、風間杜夫、清川虹子、蟹江敬三、原田大二郎、萩原流行

監督:深作欣二

(1982年・松竹・109分)WOWOW

評価★★★☆/70点

内容:『新撰組』を撮影中の花形スター銀四郎は、お嬢様との見合い話が進み、妊娠してしまった恋人の女優・小夏が邪魔になり、取り巻きの大部屋俳優の一人ヤスに彼女を押し付ける。彼女の大ファンだったヤスは、小夏と結婚し、生まれてくる子供も我が子として育てることを承知するが・・・。

“戸籍は屁よりも劣るのかぁーッ!”

テンション5割増の超ハイテンションで繰り広げられる失笑もんの青くさいドタバタ劇に最初は付いていけなかったんだけど・・。

しかし、大見得を切りながら二枚目の大根役者・銀ちゃんを演じきった風間杜夫。その銀ちゃんにドツかれまくりながらも、「これがこれなもんで~heart01」という名ゼリフとともに大部屋俳優としてのプライドと意地を見せていくヤスに扮した平田満。そして銀ちゃんの子をはらませた落ち目の女優とヤスとの結婚生活に本当の幸せを見出していく良き妻との間で揺れ動く女心を泣きじゃくりオッパイまでさらけ出しながら熱演した松坂慶子。

彼らの体当たり演技に裏打ちされたアツい空気とテンションに力づくで映画の中に引きずり込まれてしまった・・・。

永遠に続くかと思われるハイテンションを、これは劇中劇でっせというラストのオチで綴じたのも巧かったし、全てが納得できたかんじ。

しっかし、10メートルの高さの大階段は見てるこっちが足すくむわな(笑)。

人間が1番恐いと実感する高さは10メートルなんだそうな。くわばらくわばら・・・。

でも、タイトルに蒲田って付いてるから、松竹を思い浮かべちゃうけど、映画の舞台はどう見ても東映京都撮影所なんだよね(笑)。あてつけか何かなのかしらw?

2009年7月13日 (月)

夢のシネマパラダイス607番シアター:華氏451

華氏451

Fahrenheit451dvdcover 出演:オスカー・ウェルナー、ジュリー・クリスティ、シリル・キューザック、アントン・ディフリング

監督・脚本:フランソワ・トリュフォー

(1966年・イギリス・112分)NHK-BS

評価★★★☆/70点

内容:極度に機械化され、あらゆる知識や情報がテレビで伝達される未来社会では、読書が禁止されていた。隠された本を焼却する焚書隊の一員のモンターグは、本を隠し持った妻にそっくりの女性と出会って恋に落ち、彼女を通して本の魅力を知る。彼を逮捕に来た隊長を殺害したモンターグは、人々が自由に読書を楽しみ、それを後世に伝えようと一冊ずつ暗記しているという「本の国」に逃亡するが・・・。

“これを観て、本を読みたいとは別に思わなかったけど、映画を見たいとはつくづく思った。”

サンダーバードかよっ!と思ってしまう消防隊ならぬ焚書隊の出動シーン、壁掛けテレビから流れてくる奇妙な双方向番組、乗り降りが大変そうな階段付きモノレール、車の走っていない郊外の街、ジェット噴射機を背負って空を飛ぶ人間、なのにボートは手漕ぎ・・。

そういうチープさとレトロ感の入り混じった40年前に捉えられた近未来を、赤や緑の原色を使った人工的な世界観で描写した絵づくりは素敵で、本の燃えていく様は美的ともいえるセンスを発揮している。

さすがはトリュフォー、映像詩人と呼ばれるだけのことはある。

この映画を観て、本を読みたいとは別に思わなかったけど、映画を見たいとはつくづく思った。本の良さというよりは、やっぱ映画ってイイよねていう、そういう気にさせられた作品だったと思う。

その中でも、やはり白眉はラストの白い雪で包まれた森の中で本を暗誦する人々のシーン。

聞くところによると、あの雪は撮影中に偶然降ってきたんだそうで、やはり人工ではない自然の白にはどのシーンもかなわないといったところだろうか。

でも、オイラだったら何の本になろうかなぁ。

、、、エッチな本は、、、ダメだよね。。ていうかエロ本も発禁なのw!?おいおい・・

じゃ、じゃあ、官能小説を暗記して人々を癒したいと思いますわ。クゥ~~ッbleah

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アルファヴィル(1965年・フランス・100分)NHK-BS

 監督:ジャン=リュック・ゴダール

 出演:エディ・コンスタンティーヌ、アンナ・カリーナ、ラズロ・サボ

 内容:1984年。左利きの探偵レミー・コーションは地球から9千キロ離れた星雲都市アルファヴィルに潜入する。アルファヴィルはアルファー60という電子頭脳に支配された思考構造符号化社会で、住民のすべては記号化され、個人の自由は完全に剥奪されていた。そこには愛の言葉さえ存在せず、詩人や芸術家は処刑されまくっていた。そのアルファヴィルに潜入したレミーの目的は、アルファー60を開発したブラウン教授の救出と、先遣隊で行方不明のアンリの捜索だった。レミーは教授の娘ナターシャを救出するのだが・・・。

評価★★★/60点

第3級誘惑係てことは、もちろん第1級もあるわけっしょ。

いったいどんなことしてくれはるんやろ、、、うっ、、映画そっちのけで気になるheart02。。

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ジョージ・ルーカスのTHX-1138(1971年・アメリカ・86分)NHK-BS

 監督・脚本:ジョージ・ルーカス

 出演:ロバート・デュバル、ドナルド・プレザンス、イアン・ウルフ

 内容:25世紀の未来世界。人類は地下都市に住み、コンピュータの支配下に置かれていた。セックスは禁止、精神安定剤の服用は義務。そんな中、主人公の“THX-1138”は、その管理社会からの脱出を企てる・・・。

評価★★★/60点

セックスは不浄だという未来社会だとぉpout。許せん。オイラが言うと信憑性に欠けるけど、決して不浄じゃねえんだ!!

、、と思わせるほど、イヤ~な管理社会を描くことには成功している。

でも、ただそれだけ。。

ルーカスがやりたいこと、見せたいことがたくさんあるらしいってことは何となく分かるのだが、それが空回りしちゃってるかんじ。

見せ方次第ではかなり面白い映画にできると思う。例えば「ガタカ」(1997)だとか。

まぁ、初監督作品としてはこんなとこかといった出来。

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シックス・デイ(2000年・アメリカ・123分)MOVIX仙台

 監督:ロジャー・スポティスウッド

 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ロバート・デュバル、トニー・ゴールドウィン、マイケル・ルーカー

 内容:容易にクローンが作れる近未来。テクノロジーの暴走を防ぐための「6d法」により社会は秩序を保っていた。しかし、2010年、帰宅したアダムは、もう一人の自分を目撃。アダムは真相を突き止めようとするが・・・。

評価★★/45点

天下無双のシュワちゃんが2人出てきても、クローンものはやはりキモかった・・・。

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リベリオン(2002年・アメリカ・106分)WOWOW

 監督・脚本:カート・ウィマー

 出演:クリスチャン・ベール、エミリー・ワトソン、テイ・ディグス、アンガス・マクファーデン

 内容:第3次世界大戦後の警察国家。感情こそが戦争の源だとみなされ、人々は精神制御剤の服用を義務づけられていた。ある日、違反者を取り締まる役人プレストンが、忘れていた“感情”に目覚める。そしてただひとり、武術と銃の技術を融合させた究極の戦闘術“ガン=カタ”を駆使して国家に立ち向かう!

評価★★★/60点

好き勝手に人間同士で殺し合うのは自由だが、犬コロまで巻き込むのは頼むから止めれ。。

2009年7月12日 (日)

夢のシネマパラダイス606番シアター:コクーン

コクーン

Aiwyjconq 出演:ドン・アメチー、ウィルフィールド・ブリムリー、ヒューム・クローニン

監督:ロン・ハワード

(1985年・アメリカ・117分)NHK-BS

内容:老人と異星人の遭遇に端を発したSFファンタジー。フロリダの優雅な老人ホームに暮らすアート、ジョー、ベンの3人はいつも隣の空き家のプールで泳いでいた。ある日、3人はプールの中に巨大な繭を発見する。これは異星人の生命維持装置で、回収にやって来た異星人から彼らは秘密を守る代わりにプールの使用許可をもらった。ところが、この繭の影響で、老人たちは急速に若返っていく。。

評価★★★★/80点

硫酸ぶっかけたり、人の体内に寄生したり、有無を言わさず皆殺しにしたりと、ろくな奴がいないエイリアンの中で、なななんと自分の生命エネルギーを分けてくれる自己犠牲精神にあふれた優しいエイリアンがいたとは(笑)!!

しかも、その生命エネルギーを分けてもらうのが余命いくばくもないジジババというのがまた新鮮で面白く、ヨレヨレの彼らがハッスルしまくるのも微笑ましく見られてヨロシイ。

まぁ、ブレイクダンスまでするのはおいおい、、と思っちゃったけど、これほど温かみのあるエイリアンものはついぞ見たことがなかったので嬉しくなってしまった。

ただ、宇宙に旅立つ目的が不老不死オンリーというのが、まぁアメリカらしいっちゃあアメリカらしいんだけど、ロマンがあまり感じられなかった部分はあったかなと。

また、愛する人との別れや死ということについて考えさせられるという点では、臆病者呼ばわりされながらも地球に残る決断をしたジイさんの方が正解なのかもね。

オイラ的には、純粋に知的好奇心から行ってみたいけども。

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コクーン2/遥かなる地球(1988年・アメリカ・117分)WOWOW

 監督:ダニエル・ペトリ

 出演:ドン・アメチー、スティーヴ・グッテンバーグ、ターニー・ウェルチ、ブライアン・デネヒー

 内容:前作のラストで宇宙に飛び立った老人たちと異星人が、海底地震の予兆を受け、繭(コクーン)救出のために5年ぶりに地球に帰ってくるが・・・。

評価★★★/60点

1作目の落とし前をつけたといえばいいのか、1作目と表と裏の関係といった作品になっていると思うけど、つまるところ、死を受け入れるのか、それとも永遠に生きるのかという点がより深刻に描かれていて、特に1作目で地球に残ったバーニー爺さんのプロットは印象的なのだけど、しかし、そもそものところで地球に帰ってきたらアカンやろー(笑)、、というのが率直な感想。

今回宇宙に旅立った奴はもう帰ってくんなよーッ!

で、結局分かったのは、やっぱ地球が1番だってこと。

オイラは絶対に出て行かんゾ。1作目見たときとはコロリと変わっちゃった・・・。

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スターマン/愛・宇宙かなたに(1984年・アメリカ・114分)NHK-BS

 監督:ジョン・カーペンター

 出演:ジェフ・ブリッジス、カレン・アレン、チャールズ・マーティン・スミス

 内容:地球からのメッセージに応えて飛来した異星人が、宇宙船を米空軍に攻撃されて不時着する。近くの未亡人宅を訪れた異星人は夫の姿に変身!2人は車で母船とのランデブー地点に急ぐが、軍や政府の追跡も迫っていた。。

評価★★★/65点

あっ、シュワちゃんだ、、、と思ったら誰やねんアンタ。。

というのはさておき、恐怖映画の鬼が畑違いの純な映画撮っちゃうなんて、まるで楳図かずおがホラー以外のマンガを描くのと同じようなズッコケ感があるのだけど、これがどうしてなかなかの作品になっていてビックリ。

実は異星人に乗り移られた別人が撮ってたりして(笑)。。

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禁断の惑星(1956年・アメリカ・98分)NHK-BS

 監督:フレッド・M・ウィルコックス

 出演:ウォルター・ビジョン、アン・フランシス、レスリー・ニールセン、ジャック・ケリー

 内容:地球外の惑星を舞台にしたSFスリラー。西暦2200年、高度に文明の進んだ地球人は他の惑星に植民を行い、光より速いスピードの原子艇で宇宙を駆け巡っていた。20年前に惑星アルティア4に派遣されたまま消息を絶ったモービアス博士をはじめとする科学者の一団を捜すために、アダムスを機長とする宇宙巡察機が惑星に赴く。アダムスはそこで、唯一生き残っていたモービアスが、この惑星で生まれた娘のアルティアと精巧なロボットのロビーとともに何不自由なく生活しているのを知る。しかし・・・。

評価★★★☆/70点

耳を傾けたくなくてもイヤでも耳に入ってくる奇妙キテレツな音たち。それだけで画面から目が離せなくなる。

もうね、最初の最初MGMのトレードマークが出てくるときのライオンの咆哮からしてすでにあの独特な音がかぶさってるんだもんなぁ(笑)。やってくれるぜホント。映画の世界にいやでも引きずり込まれてしまうのだから。

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スフィア(1998年・アメリカ・134分)NHK-BS

 監督:バリー・レビンソン

 出演:ダスティン・ホフマン、シャロン・ストーン、サミュエル・L・ジャクソン

 内容:太平洋の深海で300年以上も前に追突したと思われるハイテク宇宙船が発見される。そして、科学者らが政府の緊急要請を受けて内部調査を行い、巨大な球体(スフィア)を発見する。しかし、その後次々と異様な出来事が起こる。なんと、その球体にはその中に入った人間が想像したことを現実にしてしまうという、恐ろしくも不思議な力があったのだ・・・。

評価★★★/55点

それなりの顔ぶれでそれなりの内容。良くも悪くもそれなりってかんじ。。

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コンタクト(1997年・アメリカ・150分)仙台セントラル劇場

 監督:ロバート・ゼメキス

 出演:ジョディ・フォスター、マシュー・マコノヒー、ジェームズ・ウッズ、ジョン・ハート

 内容:天文学者のエリーは、恒星ベガ付近から地球に向けて発せられている奇妙な電波信号を受信し、その研究に没頭する。やがて、それが宇宙間移動装置(ポッド)の設計図が信号化されたものであることを解読したエリーは、建造が正式に決定したポッドの乗員に志願する。。

評価★★★★/80点

夢と現実の境界にはっきりと線引きをし、その区別をつけることに自覚的なSF映画はざらにはない。

この映画はそのことを重視しており、その上でハリウッド工房らしく夢を紡いでいる点に個人的にはスゴク好印象。

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スターゲイト(1994年・アメリカ・121分)CS

 監督:ローランド・エメリッヒ

 出演:カート・ラッセル、ジェームズ・スペイダー、ジェー・デヴィッドソン

 内容:軍が長く極秘にしていた象形文字の刻まれた石板。それこそ巨大な“環”の形をした異世界への扉、スターゲイトを起動させる鍵だった!その扉の先にあるものとは・・・。

評価★★★☆/70点

ついに正義のアメリカ軍銀河系へ進出!アメリカの正義が、神を騙り大量破壊兵器を保持している独裁者に虐げられている人々を解放へといざなう。

さあ、武器を供給してやっから戦え!アメリカこそが神の目なのじゃ!皆の者控えーーい!

・・・と見れなくもない。。

2009年6月29日 (月)

夢のシネマパラダイス604番シアター:プライドと偏見

プライドと偏見

20051222_119385 出演:キーラ・ナイトレイ、マシュー・マクファディン、ドナルド・サザーランド、ブレンダ・ブレシン、ジュディ・デンチ

監督:ジョー・ライト

(2005年・イギリス・127分)CS

内容:18世紀末のイギリス。田舎町に暮らすベネット家の5人姉妹。女性には相続権がない時代、娘たちを路頭に迷わせまいと両親は彼女たちの結婚相手探しに躍起になっていた。そんなある日、ビングリーという大富豪が近所に越してきた。そして舞踏会の夜、次女エリザベスは、ビングリーの親友ダーシーと出会うが、彼の高慢な態度に嫌悪感を募らせていく・・・。ジェーン・オースティンの小説「高慢と偏見」の映画化。

評価★★★/65点

コスチュームプレイは大の苦手なオイラ。

しかし、今回は結婚という普遍的なテーマのもと、女性の権利や自由が制限されていた時代的制約の中で、決められた結婚を平気でブチ破るなど、当時としては破天荒な気の強い女性像のエリザベスが、現代のフツーの女性の生き方に難なく通じるところがあって、また彼女を生き生きと演じたキーラ・ナイトレイも素晴らしく、何の抵抗感も抱かずに最後まで見れてしまった。

ここらへんは、現代版「プライドと偏見」ともいえる『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)の製作陣が関わっているのが大きいのかもしれない。

また、舞踏会シーンの画作りの上手さや、「恋におちたシェイクスピア」(1998)をはじめとしてチョイ役でも重厚な存在感を醸し出してしまうことにかけては右に出る者がいないジュディ・デンチはもとより、女ばかり一家の中で温かみのある父親像を演じたドナルド・サザーランドが近年では出色の演技を披露していて、全体としてみても出来の良い作品に仕上がっていると思う。

ただ、最後までフツーに見れてしまったがゆえ、逆に欲が出てくるというか、さくさくとテンポよく進んでいくのはいいんだけど、もうちょっとエリザベスとダーシーの心の機微というのを掘り下げてもらいたかったような・・。

2時間ちょいの映画だけど、あと20分延ばしてもらってもよかったかなぁ。

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シルク(2007年・加/仏/伊/英/日・109分)WOWOW

 監督・脚本:フランソワ・ジラール

 出演:マイケル・ピット、キーラ・ナイトレイ、役所広司、芦名星、中谷美紀

 内容:19世紀のフランス。絹商人の青年エルヴェ(マイケル・ピット)はエレーヌ(キーラ・ナイトレイ)と結婚し、幸せの只中にいた。そんな中、アフリカ産の蚕が疫病で全滅し、彼の村の製糸工場が打撃を受けてしまう。それを打開するため、彼は最高品質の蚕の卵を買い付けに日本へと赴くことに。蚕業の有力者・原十兵衛(役所広司)に迎えられたエルヴェは、そこで絹のように美しい肌を持つ少女(芦名星)と出会い魅せられていく・・・。

評価★★★/65点

フランスからヨーロッパを縦断し、酷寒のシベリアの平原をひたすら進み、ウラジオストクから日本海を渡り、山形の酒田港から最上川を上り、いくつもの峠を越え、信濃の山奥の村へたどり着くという厳しい道程が、まるでドラえもんのどこでもドアの向こう側にすぐ日本があるかと見紛うくらいあっさりと描かれていて、しかもそれを3往復もしちゃうんだから、そこにあまりリアリティというものを感じられなかったのは否めない。

しかし、これは多分に監督の意図したところなはずで、現実に生きる妻エレーヌ(キーラ・ナイトレイ)への愛を合わせ鏡のように湯煙わき立つ幻想の世界に生きる言葉を発しない美しい女性(芦名星)に仮託して描き縒り合わせることで、神秘性や寓話性といったものを表現したかったのかもしれない。

しかし、絹のような感触の繊細な映像美に彩られてはいるものの、そこには決定的に抑揚というスパイスがない。

大ざっぱなストーリーとの差し引きゼロで、フランス産ワインとお茶漬けの組み合わせは、なんとも印象の薄っすい味に仕上がっちゃったかんじ。

容れ物は大作仕様だっただけに、よりいっそう薄味が際立ってしまったような・・・。

もうちょっと重みと深みとコクのある説得力のある演出をしてほしかったなぁ。

そんなオイラはやっぱコテコテのハリウッドテイストの方が好みやわ。。

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恋におちたシェイクスピア

Mp278 出演:グィネス・パルトロウ、ジョゼフ・ファインズ、ジェフリー・ラッシュ、ジュディ・デンチ、コリン・ファース、ベン・アフレック、ルパート・エヴェレット

監督:ジョン・マッデン

(1998年・アメリカ・123分)仙台フォーラム

内容:1593年、芝居熱盛んなエリザベス朝のロンドン。人気戯曲家シェイクスピアはスランプに悩んでいた。ある日、客席の片隅で詩を口ずさむ美しい女性ヴァイオラに目を留めた彼は、歯止めのきかぬ恋に落ちていく。バルコニーでの逢瀬、婚約者のいるヴァイオラとの人目を忍ぶ激しい恋は、シェイクスピアのペンを走らせ、傑作「ロミオとジュリエット」の誕生につながっていくのだった。。

評価★★★★☆/85点

“★4っつまでしか点数を付けられない自分が口惜しい。”

映画でしかシェイクスピア作品に触れたことがない、、しかも『十二夜』ってほとんど知らないんです・・・。

そんな自分がまがりなりにもこの映画の面白さの全てを堪能したとは言いがたいのであって。。ていうか言いたくないんだな、悔しいから。

ただの恋愛映画としても十分楽しめるけど、もっともっと深く味わえる作品なのだから。

綿密な時代考証、虚実入り混じった登場人物の魅力的な造型、言葉の魔術師シェイクスピアの映画に相応しいめくるめく言葉のパワーと、本当によく出来た映画だし、本当は満点にしたい!

でも、シェイクスピア作品をより深く味わってからこの映画をいつかまた観るときのために今は★4っつにしときます。

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華の愛(2001年・香港・120分)NHK-BS

 監督:ヨン・ファン

 出演:宮沢りえ、ジョイ・ウォン、ダニエル・ウー

 内容:1930年代の中国。美しき歌姫ジェイド(宮沢りえ)は大富豪の貴族に5番目の妻として嫁ぎ、何不自由なく暮らしていた。しかし、贅を尽くした豪華な生活も、夫の愛が冷めた後は、ジェイドにとっては何の慰めにもならなかった。そんな彼女の哀しみを癒してくれたのは夫の従姉妹との同性愛にも似た関係とアヘンだった。しかし、栄華を極めた貴族の家にも没落の時が近づいていた・・・。

評価★☆/30点

どこの国の映画に出ても華になる確かな力を秘めた宮沢りえの魅力に酔う、そのただ一点突破のみで作られたような映画。

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鳩の翼(1997年・イギリス・101分)NHK-BS

 監督:イアン・ソフトリー

 出演:ヘレナ・ボナム=カーター、ライナス・ローチ、アリソン・エリオット

 内容:1910年のロンドン。没落した上流階級の娘ケイトは、因習と支配的な叔母によって、貧しいジャーナリストのマートンとの結婚を禁じられていた。そんな時、ケイトは富豪のアメリカ人女性ミリーに出会い、彼女の寛容さに心惹かれる。一方、ミリーはマートンに心を奪われていた。。

評価★☆/25点

18,9世紀のパリやロンドンを舞台にした映画の印象。。

その1.全体的にかったるい

その2.気だるいSEXとヌード

この映画もその例に漏れず・・。

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レジェンド・オブ・フォール(1994年・アメリカ・132分)NHK-BS

 監督:エドワード・ズウィック

 出演:ブラッド・ピット、アンソニー・ホプキンス、アイダン・クイン、ジュリア・オーモンド、ヘンリー・トーマス

 内容:戦いの記憶から逃れるため、モンタナの深い山奥の牧場でひっそりと生活を送る元騎兵隊の父と3人の息子たち。時は流れ、息子たちはそれぞれの思いを胸に人生を模索していくが、やがて第1次世界大戦にアメリカが参戦。父の思いとは裏腹に3兄弟は志願してヨーロッパ戦線へと出征していく。

評価★★/40点

バカでかいギョーザの皮を使っているのに、食べてみたら肝心の具が無くて皮の味しかしないってやつ・・。そんな映画。。

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ジョイ・ラック・クラブ(1993年・アメリカ・138分)NHK-BS

 監督:ウェイン・ワン

 出演:キュウ・チン、ツァイ・チン、リサ・ルー

 内容:移民として中国からアメリカに渡り、苦難の人生を送ってきた母親たちと、アメリカ人として生まれ育った娘たちの世代間の相違と心の絆を描いた群像劇。

評価★★★/65点

自分の価値が因習によってがんじがらめになっている事ほど悲惨なものはない。女性ならなおさらだろう。

今ならはっきり言える。一家を仕切るのは、オカンなのだ!、、と。

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