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2021年1月10日 (日)

夢のシネマパラダイス390番シアター:ピクサーアニメ第2倉庫

WALL・E ウォーリー

2682405328_6d3e9a8dce 声の出演(日本語吹き替え):横堀悦夫、園崎未恵、草刈正雄、小川真司、小山茉美

監督・脚本:アンドリュー・スタントン

(2008年・アメリカ・103分)WOWOW

評価★★★★/75点

 

内容:人類に見捨てられ、ゴミに埋めつくされた29世紀の地球。そこで700年もの間、黙々とゴミ処理に励んでいるロボットのウォーリー。天涯孤独の彼は、ミュージカル映画「ハロー・ドーリー」の中の登場人物みたいに自分もいつか誰かと手をつなぎたいという夢を抱いていた。そんなある日、突如着陸してきた探査船から一体のロボット・イヴが降り立った。ウォーリーはたちまちイヴに心惹かれていくが・・・。

“目は口ほどに物を言う”

人間ではないものを擬人化することにかけては右に出るものがないピクサーがたどり着いた擬人化の最終進化形。それは鼻もなければ口もない、セリフもなければ足までないツンツルテンのデジタルロボットと、汚染物質とサビがビッシリくっついたアナログロボットだった!

喜び、泣き、笑い、怒りといった感情を“目”と“手”だけで表現する。それは例えば手をつなぎたいのに言い出せないで相手の手をもどかしそうに見つめる、その仕草だけで十分に映画たりえるのはチャップリンの「街の灯」(1931)なんかにも通じるところなんだけど、映画・アニメーションの原初的な動きが普遍的な愛―愛おしさや優しさ、つまりは人の温もり―をダイレクトに伝達してくれる、そのオーソドックスな素晴らしさを再確認させてくれただけでもこの映画を見た甲斐はあったというもの。

しかも、それを無機質なロボットで表現したのだからスゴイの一言だわ。

絵柄とか世界観が自分の大好きなTVゲーム「ラチェット&クランク」シリーズに似ていて馴染みやすかったし、あとはやはり人間以上にピュアで感情豊かなウォーリーにイチコロでやられたかんじ。

足のないイヴや歩くことをやめた人間とは対照的にキャタピラをカタカタ震わせながら地に足を着けて駆け回る姿、そしてイヴを一途に想いつづけるけなげな姿に思わずホロリとさせられてしまった。

まぁ、無人と化した地球で黙々と働きつづけるウォーリーの日常を追ったシュールな前半部分にもうちょっと捻りをきかせたエピソードを持ってきて、“700年間ひとりぼっち”というウォーリーの境遇にもっとスポットライトを当ててほしかった気もするけど。イヴの登場が早すぎたような・・。

でも、こういう映画を作れてしまうピクサーはやっぱりスゴイと思う。

宮崎アニメ以外で、見終わった後もう一度見たいと思わせる作品を作ってくれるピクサー、ずっとついて行きまっせ!

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カールじいさんの空飛ぶ家

O0264039110307093801 声の出演:飯塚昭三、大木民夫、立川大樹、松本保典、松元環季

監督:ピート・ドクター

(2009年・アメリカ・103分)WOWOW

内容:古い一軒家に住むカールじいさんは、最愛の妻エリーに先立たれてからひとり孤独に暮らしていた。しかし、家が地上げにあい、立ち退かなければならなくなる。そして迎えた立ち退きの日の朝、カールはエリーと約束した伝説の場所パラダイス・フォールへ旅立つことを決意する。。

評価★★★★/75点

個人的映画会社格付けにおいて文句なしのAAAを付けられる唯一の会社、ピクサー!

今回もまた期待を裏切ることのない出来で、その信頼は揺るぎのないものに!

まず、カールとエリーのなれ初めから始まるオープニング、そして2人の幸せな夫婦生活をサイレント風につづった5分にも満たないモンタージュシーンに一気にゾッコンになってしまった。

カールじいさんが冒険ブックにあったエリーの写真を見て在りし日の思い出にふける終盤のシーンもそうだけど、絵だけで見せきる力というのはズバ抜けていて、愛らしさ、温かさ、優しさ、哀しさといった要素が全て織り込まれているその映像からは説得力と感動が喚起される。

さらにそれを強化・増幅させているのが音楽で、ここまで映像とうまく融合した珠玉の音楽というのは久方ぶりで、必要最低限のセリフしかない今回の作品において、音楽の果たした役割は非常に大きいといえよう。

そしたっけば、音楽を担当したマイケル・ジアッチーノって自分の大好きなLOSTシリーズの音楽もやってたと知ってビックリ。他にも「Mr.インクレディブル」「レミーのおいしいレストラン」なんかもやってて、なるほどそれぞれの作品の世界観を十二分に引き立てる術を心得た作曲家なんだなと。今後要注目

テーブルマウンテンに下りたあとに、いかにもディズニーらしい動物キャラが出てきた時は色合いがガラリと変わって不安になったけど、ピクサーらしい独創的な味付けが加えられていてさすがだなと思わせられたし、ひとひねり利かせたユーモアのセンスや絶妙な間の取り方など随所に巧さを感じさせるかなり完成度の高い作品なんだけども、唯一意外にあっけなく家が飛んだのにはあれっ!?てかんじだったかもw

ただ、体にホースをくくりつけて家を運ぶくだりが長かったように、飛ぶこと自体にはそこまで執着していない印象で、飛ぶというよりは浮いているといった方が的確なような気もする。

そこらへんはどうしてもジブリと比較しちゃうんだけど、チャールズ・マンツの飛行船とカールじいさんの家の空中戦はラピュタのゴリアテとタイガーモス号を思い起こさせたな。

そして最後に思うのは、自分もああいう幸せな結婚してみたいなぁ、ってこと

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トイ・ストーリー3(2010年・アメリカ・103分)WOWOW

T0008404p 声の出演:唐沢寿明、所ジョージ、日下由美、辻萬長、松金よね子、大塚周夫、永井一郎、三ツ矢雄二

監督:リー・アンクリッチ

内容:前作から12年後。アンディは17歳になり、大学進学のため寮に引っ越すことに。すでにオモチャで遊ぶこともなくなっていたアンディはウッディだけを寮に持っていくことにし、それ以外のオモチャは屋根裏にしまうことにするのだが、母親の手違いで危うくゴミに出されそうになってしまう。アンディに見捨てられたと憤慨する彼らは保育園行きを決断するのだが・・・。

評価★★★★★/100点

シリーズものの3作目はえてして方向性を間違えた凡作が多い。それはアニメ映画もまたしかり、シュレックシリーズの体たらくを見れば分かる通り、ネタ切れとマンネリによる失速から逃れるのは至難の業としかいいようがない。

そんな壁に絶対にハズレのないピクサーが挑む!というか手を出しちゃったかとゲンナリしちゃったのだけど、、フタを開けてみたらその不安は一気に雲散霧消、3作目にして最高傑作という離れ技を前にしてピクサーやっぱスゲェーッ!と拍手喝采してしまった。

なにより、めくるめくキャラクターのアンサンブルには脱帽するしかない。

10以上のキャラクターに躍動する個性を吹き込むだけでも目を見張るのに、スリンキーのバネ胴体やミセス・ポテトヘッドの右目など小道具としての特性を駆使した見せ場も工夫されていて十二分に楽しめてしまうし、ウッディがトイレの便座によじ登るときにトイレットペーパーを敷いたり細かなところまで気が利いていてつい目を細めてしまう

あとは泣かせどころ満載のストーリー!

かくいう自分は4回泣かされてしまいますた。。

冒頭からしてすでに涙腺をつかまれてしまい・・。自分たちの存在を思い出してもらおうと、オモチャ箱の中でアンディの携帯を鳴らす精一杯の努力がなんともせつなくて

いつしか忘却の彼方へ追いやられてしまうオモチャの背負う宿命に立ち向かっていくウッディたちの生き生きとした姿には胸躍らされるとともに身につまされっぱなしだったのだけど、溶鉱炉で皆で手をつないで最期を悟るところはついにこらえきれず・・

で、ラスト、アンディとの別れでさらなる追い打ちをかけられ・・w

別れが印象的な映画は、カリオストロ、ラピュタ、ローマの休日、ゴースト~ニューヨークの幻~、リトル・ダンサーなど心に焼き付いて離れない映画ばかりなのだけど、今回は最も幸せな気分に浸れる別れの映画になっていたと思う。

しかし、これで終わりかと思いきや、エンドロールでチャックルズの笑顔にとどめを刺されてジ・エンド。

世の中だけでなく様々な映画作品でもディスコミュニケーションが蔓延する中、何があってもみんな一緒!とチームプレイと絆と思いやりを前面に押し出した作風にはなんとも清々しい気持ちにさせられた。

自分の心の中に間違いなく宝物として残る映画だったと思う。

P.S. しかし、セピア調で語られるロッツォの過去のなんとせつないことよ・・。かと思えばケン&バービーのおバカコントに爆笑したり。涙あり、笑いあり、活劇あり、ドラマあり、傑作です!

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カーズ2

Cars2_03 声の出演:山口智充、土田大、大塚芳忠、朴路美、パンツェッタ・ジローラモ、福澤朗、戸田恵子

監督:ジョン・ラセター

(2011年・アメリカ・113分)WOWOW

内容:天才レーサー、ライトニング・マックイーンは、久々に故郷ラジエーター・スプリングスに帰ってきて羽根を伸ばしていたが、ひょんなことからワールド・グランプリに出場することに。そこでマックイーンは、大親友のおんぼろレッカー車、メーターをピット・クルーのメンバーとして帯同させることにする。一方、英国のスパイ、マックミサイルはある事件を追っていて・・・。

評価★★★/60点

今まで一度もハズレがなかった鉄板ピクサー、初めてハズしたかも

今回の映画を一言でいえば、めまぐるしくてせわしなくてドタバタしているといえばいいだろうか。

前作にあったノスタルジックな味わいから一転してアクション満載のカーレース映画へ変貌をとげた今作は、さらにマックイーンからメーターに視点を移してかなりのシフトチェンジを果たしているのだけれど、ただのドタバタカーレースだけをピクサーに求めるものではない自分にとってはやや消化不良。。

キャラクターの成長の深度がピクサーの真骨頂だとするならば、苦悩や葛藤からは最も程遠いムードメーカーのメーターを主軸に据えた時点で作品の風合いはガラリと変わらざるをえないわけで、そこを穴埋めするのにスパイアクションを取り入れたのは理にかなってはいるのだけど、イマイチそこに見る方としては乗り切れなかったかなと。

まぁ、アニメ映画としてのエンタメ水準をゆうに超えているのは言うまでもない出来だけど、どうしてもピクサーの場合はハードル一気に上げて見ちゃうからなぁ・・w

驚異のCG映像もまるでプレステ3でも見ているかのようだったけど、3Dを意識しすぎたあざといカットもあってちょっと気に障ったし(笑)。。

結果、今回の映画はクルマじゃなくてもよかった気が・・

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メリダとおそろしの森

O04500636org_20120418000601声の出演:大島優子、山路和弘、塩田朋子、木村有里、内田直哉

監督:マーク・アンドリュース、ブレンダ・チャップマン

(2012年・アメリカ・94分)WOWOW

内容:中世スコットランドのダンブロッホ王国。王女メリダは弓を手に野山を駆け回るのが大好きなお転婆少女で、立派な王女に育てたい母親のエリノア王妃とは衝突してばかり。そんなある日、メリダの夫選びが元で親子げんかしたメリダは家出ならぬ城出してしまう。そして森で不思議な鬼火に導かれた先で魔女と出会ったメリダは、自分の運命を変えてほしいと願うが・・・。

評価★★★☆/70点

メリダとおそろしの魔女となぜか頭にインプットされていたので、ハンガーゲームのジェニファー・ローレンスばりの弓矢の名手がカーリーヘアをなびかせながら魔女と対決するのかと思いきや、まさかくまモンと大島優子の痛快ドタバタコント劇になっているとは露知らず。

結果、爆笑させてもらったのでこの点数だけど、全体的にはピクサーらしからぬ大雑把な仕上がり。

そもそも、この映画の主人公ってメリダじゃなくて、くまモン王妃じゃんw

おてんばで勝気なメリダの成長よりもガミガミ王妃の改心の方がほろっとしたし、生シャケにむしゃぶりついたり、女性としての恥じらいを見せたりといったくまモンの演出は非常によく練られていて楽しく見られた。

あと何よりCGが凄すぎで、毛並みとか表情とかビジュアル面はさすがピクサーだけに一歩図抜けている。

まぁ、ピクサーの場合どうしても期待のハードル値を上げて見てしまうので、今回のようなお子ちゃまレベルだとガクンと評価が下がっちゃうけどw、それでも他の凡百のアニメ映画よりは断然見れてしまうのだから相変わらずピクサーには恐れ入る。

ディズニーは余計な口出しすんじゃないぞー(笑)。

といいつつ、ディズニーの「塔の上のラプンツェル」の方が出来としては上だったのはどーゆーこと!?

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ファインディング・ドリー

168779_02声の出演:室井滋、木梨憲武、上川隆也、中村アン、田中雅美、八代亜紀

監督・脚本:アンドリュー・スタントン

(2016年・アメリカ・96分)WOWOW

内容:1年前にニモ捜索の旅に同行したドリーは、相変わらず物忘れがひどいものの楽しい毎日を送っていた。しかしそんなある日、ひょんなことから幼い頃に離ればなれになってしまった家族との記憶を取り戻す。居ても立っても居られなくなったドリーは、わずかな手がかりをもとにカリフォルニアの海を目指す。そして、そんなドリーを放っておけず、ニモと父親マーリンも一緒について行くのだが・・・。

評価★★★★/75点

前作から13年経っても変わらない作風だったのは嬉しいけど、良くいえば欲を出さずに手堅く道を踏み外さなかったかんじ。悪くいえば、チャレンジ精神に乏しくボールを置きに行ったかんじ。

前作以上に人工物主体の閉鎖空間における箱庭アドベンチャーに舵を切ったつくりは、アクションが映えるとはいえトイストーリー的で新味はない。

しかし、ニワトリ並みの記憶力しかない健忘症のドリーをはじめサブキャラに至るまで、障害をキャラクター造型に意図的に取り入れているんだけど、それらはハンデではなく豊かな個性として描いているところにオーソドックスなストーリーを感じさせない面白さがあって、プラスマイナスでいえば完全にプラス。

ルイ・アームストロングの「素晴らしき世界」の使い方など音楽のセンスも良かったし、やはりさすがピクサー印の映画だったなという感想に落ち着く。

ただ、なぜ八代亜紀なんだ?てところだけは腑に落ちないw

2020年12月30日 (水)

夢のシネマパラダイス609番シアター:アベンジャーズ選抜トライアル

ドクター・ストレンジ

6ccbf0387d0ae9d9a8523c9c9b0c2281出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キウェテル・イジョフォー、レイチェル・マクアダムス、ベネディクト・ウォン、ティルダ・スウィントン

監督・脚本:スコット・デリクソン

(2016年・アメリカ・115分)WOWOW

内容:ニューヨークの天才外科医スティーヴン・ストレンジ。ある日交通事故に遭い、両手にマヒが残る重傷を負ってしまう。医者としてのキャリアを失い途方に暮れた彼は、下半身不随から復活した男がいるという噂を頼りにネパールに渡る。そしてエンシェント・ワンという女魔術師と出会い、彼女に弟子入りするのだが・・・。

評価★★★☆/70点

主人公のキャラ設定はアイアンマン、映像面はインセプションやマトリックスetc..どこかで見たような既視感ありありで、ティルダ・スウィントンなんてバットマンビギンズの渡辺謙そのまんまなんだけど、前記作品群はどれも面白かったせいかそんなに悪い感触はないっていう(笑)。

例えば、マッチョマンなアベンジャーズに比べると今回は魔術主体なので、それこそ自分の大好きな鋼の錬金術師にも似た腕力に頼らない面白さがあったし、時計の針が逆回転していく中でのバトルもジョジョの奇妙な冒険のスタンド、ザ・ワールドのさらに先をいく今までありそうで無かった新機軸で見応えがあった。特段ケチをつける所はなかったかなと。

しいて言えば、横文字用語が多すぎてついて行きづらいのと、ラスボスがストレンジの最強根比べにいい加減飽きて退散するオチにはちょっと腰砕けになっちゃったけどw

まぁ、映画館で見てなんぼの作品なのはたしか。

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デッドプール

O0297042013780560343出演:ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクライン、T・J・ミラー、ジーラ・カラーノ

監督:ティム・ミラー

(2016年・アメリカ・108分)WOWOW

内容:今から2年前、特殊部隊を退役したウェイドは娼婦のヴァネッサと出会い、あまりにも相性が良いものだから本気で結婚を考え始めたのだが、その矢先に末期ガンと診断されてしまう。やがて彼は酒場で出会った男に一縷の望みを託し、治療と引き換えに極秘の人体実験を受けることを承諾した。その結果、不死身の肉体を手に入れたものの、その代償として全身が焼けただれたような醜い姿になってしまう。そして現在。ヴァネッサの前から姿を消した彼は、赤いコスチュームに身を包んだ男“デッドプール”として、人体実験を行った組織を追っていた・・・。

評価★★★/65点 

まるでタランティーノ映画から闖入してきたような品性2:お下劣8キャラが、ヒーロー映画の常道を茶化しながら好き放題ヤリまくる悪ふざけはたしかに新鮮。

が、言ってしまえば見所はそこだけしかないわけで、マーベルヒーローものという括りを取り外せば、ただのパロディ映画。

にもかかわらず、そこに徹することなく途中でまともな方向に舵を切り失速感ありありになったのはちょっと中途半端だったかな。

ま、唯一無二の愛さえあれば何だって許されるってのは一本スジは通ってるけどねw

でも、正直ピンで見るよりはX-MENの中で見たいかなぁ。って、えっ!ウルヴァリンの敵役で出てたって!?これからどう繋がっていくんだ・・?

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アントマン

1_large出演:ポール・ラッド、マイケル・ダグラス、エヴァンジェリン・リリー、コリー・ストール、アンソニー・マッキー

監督:ペイトン・リード

(2015年・アメリカ・117分)WOWOW

内容:バツイチ無職のスコット・ラングは、最愛の娘の養育費も払えず、まさに人生の崖っぷちに。そんな中、彼のもとに天才科学者ハンク・ピム博士からある仕事が舞い込んでくる。博士が開発した特殊なスーツを着て、身長1.5㎝のアントマンになるというものだった・・・。

評価★★★/65点

子供時分「ミクロキッズ」(1989)を見た時に小さくなった悪ガキの大冒険にワクワクドキドキしたものだけど、と同時にその冒険の範囲が家の庭という狭さに物足りなさを覚えたのも確かだった。

しかし、その物足りなさを満たしてくれたのがアニメ映画のトイストーリーとジブリ映画のアリエッティだったわけで、今回初めて実写映画で蟻サイズの人間があらゆる場所を縦横無尽に駆け回るミクロ世界をスケール感たっぷりに見せてくれて、映像面では文句の付けようがない出来。

正直ストーリー面は二の次なあっさり感は否めず、見どころは映像しかないかんじだったけど、シリーズ化のイントロダクションとしては十分及第点をあげられる作品だったと思う。

個人的にはもっとコミカルでも良かったかなと感じたけど、アベンジャーズに組み込まれることを考えるとあんまり毛色に違いを出しすぎるのもあれだったのかな。

アベンジャーズを意識せずに作られた単発での次回作を期待したいけど、エンドロール後のエピローグからするとどうやら夢物語みたい・・。

2018年5月 2日 (水)

夢のシネマパラダイス562番シアター:家族はつらいよ

家族はつらいよ

E27d8733出演:橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優、小林稔侍、風吹ジュン

監督・脚本:山田洋次

(2016年・松竹・108分)WOWOW

内容:東京郊外に暮らす平田一家。ゴルフと酒をこよなく愛する家主の周造は、定年後の隠居生活を謳歌する日々。そんなある夜、妻・富子の誕生日に気付いて、何でもプレゼントするぞーと言って妻が出してきたのはなんと離婚届!サインとハンコが欲しいのだという。思いもよらぬ事態に同居する長男夫婦と近所に暮らす長女夫婦も集まって家族会議が開かれるが・・・。

評価★★★★/80点

現代版東京物語を松竹伝統の人情ものとしてトレースした「東京家族」にえらく心を打たれた自分。まさかその4年後に全く同じキャストでこれまた松竹伝統のホームコメディに仕上げてくるとは思いもよらなかった。

しかし、「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」で培われた昭和印の喜劇調を久々に味わえたのはどこか温かい懐かしさに包まれたし、家族みんなで家の居間で見たんだけど、楽しい時間を共有できてよかった。

さすが安定の山田節といったところだけど、実際は細部まで緻密に作り込まれた隙のない職人芸ということができ、それを全く感じさせないありふれた日常風景として見せるところが山田洋次のなせる技なんだろうね。

また、それをしっかり咀嚼する役者陣も完璧そのもの。

性格を含め「東京家族」と瓜二つのキャラクター設定というのも、混同する違和感よりも既知の安心感の方が勝って映画の世界にすんなり入っていくことができたし。

特に、「東京家族」では大都会東京で行き所のない寄る辺なさに無愛想一辺倒の縮こまった型にはめられていた父親役の橋爪功が、今回は水を得た魚のようにやりたい放題で最高に面白かったし、あとはやはり何と言っても蒼井優♪

毎回言ってるかもしれないけど、理想の結婚相手は蒼井優ちゃんです

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歩いても歩いても

N_609bcdr2214rpl 出演:阿部寛、夏川結衣、YOU、高橋和也、田中祥平、樹木希林、原田芳雄

監督・脚本:是枝裕和

(2007年・日本・114分)CS

内容:夏のある日。子連れのゆかり(夏川結衣)と再婚した良多(阿部寛)は、15年前に亡くなった兄の命日に合わせて東京近郊の実家を訪れる。が、開業医を引退した父(原田芳雄)とはもともと反りが合わなかった上、失業中の身の上でもあり気が重い帰郷だった。ひと足先に、姉(YOU)一家も到着していて、久しぶりに家族全員が集まった。。

評価★★★★/80点

「男はつらいよ寅次郎相合い傘」(1975)にこんなシーンがある。

めちゃ美味メロンを人数分に切って食べようとしたら、ちょうどそこに寅さんが商売から帰ってくるんだけど、妹のさくらがうっかり寅さんの分を勘定に入れ忘れてしまい、いじけた寅さんがとらやの面々と大ゲンカになるという爆笑シーンだ。

たかが一片のメロンごときでしつこすぎるくらいムキになる寅さんの度量の小ささが笑いを生み出すわけだけど、今回の映画も男連中の他人から見れば笑ってしまうような「小っちぇ~」ことにこだわる様がリアルに描かれていてまことに面白い。

しかし、この面白さの裏には思わず背筋がゾクゾクしてしまうような怨念と、思わず卒倒してしまいそうな毒があるのがミソ。

和気あいあいとした空間に漂う様々な恨みつらみや口に出せない秘密、その中で料理を手順を踏んで作るように消化していく夏の一日、そんなお盆に3世代が集まる家族の風景、そしてそこに刻まれる何十年にも渡る家族の歴史劇が、建前9:最強本音爆弾1のセリフ劇で見事にあぶり出されていく今回の映画。

夫と妻、父と息子、母と娘、嫁と姑、祖父と孫、従兄弟、、、ズケズケと何でも言い合える関係もあれば、遠慮から奥歯に物がはさまったような言い方しかできないぎこちない関係もある・・・。その中でこの映画はそれぞれの関係性における微妙な間や会話の妙が絶妙で恐ろしいくらいにリアルなのだ。

まるで録音した自分の声を聴いた時のような居心地の悪さ、と同時に懐かしい思い出を思い起こさせる居心地の良さをも喚起させてくれる世界がそこには広がっている。

なんとも不思議な感覚を味わわせてくれる映画だ。

例えば自分なんかは、ゆかり(夏川結衣)の連れ子であるあつし(田中祥平)に妙にシンクロしてしまって(笑)。。

それはおそらく小学校時代に転校が多かったこととかも関係してると思うんだけど、彼が初めて敷居をまたいだ家で感じる居心地の悪さと緊張感が痛いくらいに伝わってきて見てて可哀想になってくる一方、彼がしたたかに立ち回る様もリアルに実感できて、コイツ大人やなぁと感心してしまった。

普段はあまりにもありきたりすぎて立ち止まって考えることがない家族の風景。温かくて痛くて優しくて哀しくてウザッたくて、それでも無性に帰りたくなって、、、そんな家族の愛おしい情景。

一年に一日、この映画を日本人全員が見る日ってのを作ってもいいんじゃなかろうか(笑)。

それにしても樹木希林、上手すぎ。そしてYOU、そのまんまww。原田芳雄は鈴木清順と見間違えちゃったけど・・。

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メゾン・ド・ヒミコ

Himiko 出演:オダギリジョー、柴咲コウ、田中泯、西島秀俊、歌澤寅右衛門

監督:犬童一心

(2005年・日本・131分)WOWOW

評価★★☆/50点

内容:ある日、24歳の沙織(柴咲コウ)のもとを岸本(オダジョー)という男性が訪ねてくる。彼は、沙織と母親を捨ててゲイ・卑弥呼として生きていく道を選んだ父親(田中泯)の恋人だった。岸本は、ゲイのための老人ホーム“メゾン・ド・ヒミコ”を建てて運営していた彼がガンになり余命いくばくもないことを沙織に伝え、ホームを手伝わないかと誘うのだが・・・。

“「たそがれ清兵衛」の田中泯の変身っぷりには脱帽・・・。”

「ハッシュ!」(2001)のときもそうだったけど、このての性的マイノリティを扱った映画には深入りするのを避けちゃう傾向があって、今回もやっぱダメだった・・・。

ゲイ老人たちのファッションにもドン引きだったし、ダンスホールでのハイテンションぶりもムリ

「ブスの処女と、性病持ちのオカマどっちがいい?ギャハハハ」、、、グーでぶん殴りたくなったんですけど、あのジジイ(笑)。

というかんじで、立ち入ることができない異界ワールドだったのだけど、ただ1つ思ったのは、このての人々ほど愛するということへの純粋さを持ち合わせている人種はいないだろうなということ。そこの点はちょっと羨ましさを抱いてしまったかも。

他人はおろか社会からも拒絶されてしまうという絶対的な孤独を身をもって知っているからこそ生み出される想いなんだろうね。そしてそこを突き抜けちゃうと、ああいう開放的な世界の住人になることができる、のかなw

その中で、彼らが作った小さな共同体にまぎれ込んでくるノンケの沙織の孤独と憂鬱の方が際立って見えてくるのはうまいつくりになっているなとは思う。

そういう点では、この映画は沙織の傷ついた人生の再生物語という側面の方が強いわけで、ゲイ映画ではないんだよね。彼らの人物像の内面に映画自体が深入りしてないし。ま、それでも生理的にちょっとダメだったけど・・・。

あとはまぁ、なんといっても柴咲コウの化粧っ気のない地味ぃ~なコンビニ店員姿だな。ちょっと引いたわ(笑)。。

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酒井家のしあわせ(2006年・日本・102分)NHK-BS

 監督・脚本:呉美保

 出演:森田直幸、ユースケ・サンタマリア、友近、鍋本凪々美、谷村美月、笑福亭仁鶴

 内容:三重県のとある田舎町。一見ごく普通の家族にみえる酒井家だったが、14歳の長男・次雄(森田直幸)は最近家庭にうんざりしていた。母・照美(友近)は再婚、次雄は事故死した前夫の連れ子、下の娘・光(鍋本凪々美)は母と義父・正和(ユースケ)との間にできた父親違いの妹という複雑な家庭環境にあったからだ。そんなある日、照美とケンカした正和が突然、好きな男ができたとカミングアウトして家を出て行ってしまう・・・。

評価★★★★/75点

“だ、ダマされた・・・。”

家族の何気ない日常を切り取っていく視点が独特の間の中でユーモアたっぷりに描かれていて、終始楽しく見ることができた。

例えば、家族で外出する時に、オカンが早くしなさいと急かしているくせに、当の本人が1番遅く家を出てくるシーンも、車の中でジィーッと待っている夫と子供たちの姿がたまらなくおかしかったり。どこの家のオカンも同じなんだな(笑)。

しかしこの監督、コミカルな間を作って、「あ、それってあるある」というエピソードをテンポよく見せていく演出の手腕はかなりこなれているなという印象。と思ったら新人さんなのね、この監督。。

あとこの映画で外せないのが、配役の妙。

日テレ「エンタの神様」のひとりコントにそのまんま出てきてもおかしくないような格好の友近が、決して類型的ではない妙にリアルなオカン像を演じていて新鮮だったし、関西弁をしゃべれないユースケ・サンタマリアの不器用なオトン役がものすごくしっくりきていた。

そして極めつけが仁鶴wwユースケが笑い転げちゃうのも無理ないわ。

とにかくほんわか温かいぬくもりが残るかなりしあわせな映画だったと思う。これからが楽しみな若手監督さんだね。

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アルゼンチンババア

Big 出演:役所広司、堀北真希、鈴木京香、森下愛子、手塚理美、岸辺一徳

監督:長尾直樹

(2007年・日本・112分)盛岡フォーラム

評価★★★/60点

内容:高校生のみつこは、両親との3人暮らしだったが、誰よりも活気のあった母親が病気で亡くなってしまう。そしてその直後、墓石彫り職人の父親が行方をくらましてしまうのだった。それから半年後、父親はどうやら町外れの草原に建つ古ぼけた洋館にいるらしいことが判明する。しかし、その屋敷にはアルゼンチンババアと呼ばれている謎の女が住んでいるらしい。みつこは勇気を出して訪ねてみるが・・・。

“あのハチミツ、、二缶ほど譲ってくれませんか(笑)”

アルゼンチンババア特製の媚薬ハチミツが欲しいってことと、堀北真希のムチウチ症姿が見れたってことくらいしか得るものがなかったな(笑)。

でも、フツー原作ものの映画って、映画が面白くなくても原作は読んでみたいなという場合が多いのだけど、今回は正直全く読みたいと思わなかったんだよね。そういう意味では逆に不思議な映画だったともいえるけど・・・。

登場人物の行動や会話がことごとく意味不明で伝わってこなくて、一人蚊帳の外で見続けなければならない、なんとも題名に相応しいわけの分かんない遠い世界の映画だったけど、その中で孤軍奮闘した堀北真希ちゃんを見るぶんには十二分に元が取れるのもまたたしかで。。やっぱ不思議な映画。

でも、、ババアに鈴木京香をあてるってどうなんだろという根本的なところも気になる。室井滋とか夏木マリはたまたYOU、久本雅美あたりだろフツー。あるいは大竹しのぶ、浅野温子あたり?

ちょっと鈴木京香は役違いのような気が。まぁ、「ゼブラーマン」でコスプレ好きになって一皮剥けた女優さんだからババアもやってみたかったのかな

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リトル・ミス・サンシャイン

Lms 出演:グレッグ・キニア、トニ・コレット、スティーヴ・カレル、アラン・アーキン、ポール・ダノ、アビゲイル・ブレスリン

監督:ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス

(2006年・アメリカ・100分)仙台フォーラム

評価★★★★★/95点

内容:アリゾナ州ニューメキシコに住むフーヴァー家は、家族それぞれに問題を抱え崩壊寸前。父は独自の成功論をまとめた自著の売り込みに必死、長男は一言も発さず、祖父はヤク中、伯父はゲイの恋人にフラれて自殺未遂と、まとめ役の母は一苦労。そんなある日、7歳の娘オリーヴがカリフォルニアで開かれる美少女コンテストの本選に進むことになる。そこで一家は、オンボロのミニバスに家族全員で乗り込み、カリフォルニア目指して出発するのだが・・・。

“オリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)って誰かに似てるよねぇ・・・”

ってあれよあれ、フィギュアスケートの安藤美姫だよ。あの出っ腹はさておき、精神年齢もほぼ変わらんだろうし・・(笑)。

というのはさておき、この映画、オイラ的2007ベストムービーにまず間違いなく選ばれるであろう愛すべき一品になってしまいました。

とにもかくにも笑いと涙が同時に押し寄せてくる映画体験というのはそうざらにあることではないので、そういう意味でも心に残る一本となりますた。

しっかし、途中から笑いのドツボにハマッちゃって笑って泣いてんだか感動して泣いてんだか最後は分からなくなっちゃったな・・・。

色覚異常で空を飛べないと分かり、野っ原で完全ふてくされ状態になった15歳の兄ドウェーンを無言で肩に寄り添いながら慰める大人な7歳オリーヴ。

笑いの導火線に火が付いたのはこの次のシーン。ドウェーンが「分かった。」と気を取り直して車に戻るときに土手を登るわけだけど、オリーヴちゃんあの体型もあって登れないんだ(笑)。そこをドウェーンが抱っこして持ち上げて登る何気ないシーンがなんとも可笑しみのあるオチで、シリアスな感傷モードに入る一歩手前で何気なく笑いに転回させる絶妙さに完全に引き込まれてしまった。

クラクションが鳴り止まなくなったミニバスを警官に停車させられ、トランクに積んであるシーツにくるまれたジイちゃんの遺体が見つかってしまうのかという絶体絶命の状況で、エロ本がドサッと落ちてきて、それを見つけた警官がニヤリとするオチも最高で、何も知らない妻シェリル(トニ・コレット)の不安そうな表情とエロ本を3冊(うち1冊はゲイもの)も買い込んでいたフランク(スティーヴ・カレル)へのお前はなんて奴だ!というリチャード(グレッグ・キニア)の視線とフランクのえっ何?オレ何かした?という表情がこれまた何気なく描かれていて、逃げ場のないバスのミニ空間の中に凝縮される人間模様が面白おかしく自然に描かれてるんだよね。

この自然なオーソドックスすぎる演出も良くて、例えばギアのブッ壊れたミニバスを家族みんなで押して発進させて飛び乗るこの映画を象徴するシーンや、ラストの珍妙なダンスを家族みんなで踊るシーンだとか、とにかく映画的な動きというのが終始物語をしっかりと牽引していく。

しっかり映画しちゃってるんだよねこれ。こういう映画見ると嬉しくなっちゃう。

才能が少々欠けようが負け組と揶揄されようが前に進むしかないんだというメッセージも心にしみわたりました。

イイ映画です。

ちなみにオリーヴのタヌキ腹は、詰め物を入れてるのだそうで、実際のアビゲイルちゃんはフツーの体型らしいですw

2018年1月 2日 (火)

夢のシネマパラダイス495番シアター:命を賭した冒険者

ザ・ウォーク

A085659es出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ベン・キングズレー、シャルロット・ル・ボン、ジェームズ・バッジ・デール

監督・脚本:ロバート・ゼメキス

(2015年・アメリカ・123分)WOWOW

内容:少年時代に見たサーカスの綱渡りに魅了され、独学で練習に励んできたフランス人フィリップ。NYにエッフェル塔より高い411mのワールドトレードセンタービルが建設中であることを知った彼は、そこで綱渡りをすることを決意する。そしてその野望実現のために大道芸人仲間など協力してくれる共犯者を集めて計画準備に取りかかるのだが・・・。

評価★★★/60点

世界貿易センタービルの北棟と南棟の間を綱渡りするという映画のアウトラインを聞いた時に、真っ先に思い浮かべたのは、大好きな漫画カイジの1stシリーズに出てくる“電流鉄骨綱渡り”だった。

地上75メートル、2棟のホテルの22階に架けられた鉄骨を渡りきったら大金を受け取れるというものだが、落下したら取りも直さず、鉄骨には電流が流され、手を触れると感電してしまうという失格=即死の絶望ギャンブル。

そして、死と隣り合わせの舞台で繰り広げられたのは、挑戦者たちが精神的に追いつめられて錯乱状態に陥って次々に脱落していく地獄絵図だった。

ようするに我々一般人の感覚からすると、綱渡り=生命を賭けた究極サバイバルという視点でしか見られないのだけど、今回地上400メートル以上の高さを綱渡りする大道芸人フィリップはその視点をのっけから否定する。

「綱渡りと死は別だ。綱渡りとは生きることそのものだ」と。つまり彼にとって綱渡りは自己表現のアートなのだ。幅2センチのワイヤーの上で座ったり寝そべったり自由気ままにパフォーマンスをする彼に死への恐れなど微塵もなかった。

これではもはや我々の立つ瀬はない。

高所恐怖症の自分にとって最大の見どころは、いかに世界貿易センタービルに潜入しワイヤーを架けることができるかという事前準備のゴタゴタにあったのだから・・

ヒヤッヒヤのスリルを期待していた者としては、ちょっとビミョーな肩透かしを食らっちゃったかな。。

以上、3Dの大スクリーンではなく、部屋のTVで見た者の妄言でありましたw

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植村直己物語

Mi100 出演:西田敏行、倍賞千恵子、古尾谷雅人、若林豪、山本圭

監督:佐藤純弥

(1986年・東宝・140分)WOWOW

評価★★★★★/100点

内容:5大陸最高峰登頂や、北極圏1万2千km犬ぞり単独行などに成功し、1984年2月マッキンリー単独登頂後に消息を絶った冒険家、植村直己の半生。

“自分にとっての最大のヒーロー、植村直己”

この映画は小学2年の時に家族と一緒に劇場で見たのだが、見終わってさあ帰ろうと席を立つ親に反して2回目見るんだー!と言って席から頑として離れなかったのを今でも覚えている。

そして自分一人で再び見て(あの当時は入れ替え制ではなかった)、後日今度は祖父母を引き連れて3回も見てしまった。劇場で同じ映画を3回見たのは、後にも先にもこの時以外にない。

しかし、至極単純でオーソドックスな映画の中で、何がそこまで小学生だった自分を惹きつけたのか。

それはやはり壮大かつ容赦なく荒ぶる大自然の息を呑む姿と、そこに独り敢然と立ち向かう男の姿に小さき自分がただただ圧倒されたといえばいいだろうか。

自分にとってこの映画は、どんなスペクタクル映画よりもスペクタクルな映画だったのだ。

先日約30年ぶりに見たのだけど、その当時の思いと感触がありありと甦ってきた。

その後現れたヒーロー、インディアナ・ジョーンズの影響で本当に考古学の道へと進んだ自分にとって、本当のルーツを求めればこの映画に行き着いてしまうのかもしれない。

でも、あんな危険なことはしたくないけどね・・。精神、スピリットだけはしっかり受け継がさせていただきまっス。

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セブン・イヤーズ・イン・チベット(1997年・アメリカ・126分)DVD

 監督:ジャン・ジャック・アノー

 出演:ブラッド・ピット、デビッド・シューリス、マコ岩松

 内容:第二次大戦後、ヒマラヤ山脈を目指して旅立ったオーストリアの登山家ヒラー。彼は英国軍捕虜となるがチベットに逃れ、若きダライ・ラマに出会う・・・。実話の映画化。

評価★★★★/75点

風の谷のナウシカの原風景を如実に垣間見た気がする。内容はともかく美しい映像を見れただけでもこの点数あげたい気分。

って、アルゼンチンロケかよっ!

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サハラ 死の砂漠を脱出せよ(2005年・アメリカ・124分)MOVIX仙台

 監督:ブレック・アイズナー

 出演:マシュー・マコノヒー、ペネロペ・クルス、スティーブ・ザーン

 内容:国立海中海洋機関所属のダーク・ピットは、アメリカ南北戦争時に行方不明になった装甲船を探しにナイジェリアに向かう。そこで、WHOから派遣された美人のエリート研究医エヴァと出会うのだが・・・。クライブ・カッスラーのベストセラー小説「ダーク・ピット」シリーズを映画化したアドベンチャー・アクション。

評価★★★/60点

おバカにもなりきれていなければ、優等生にもなりきれていないという中途半端で影の薄い印象しか残らない。

それすなわち映画の印象とマシュー・マコノヒーの存在感が見事にリンクしちゃってるわけで、彼の内面から滲み出てくるクール&スマートさが灼熱のサハラのアツさを10度くらい下げちゃってるなと。

すきあらばペネロペをどうにかしちゃいたいゼ!というギラギラした欲望の視線が欠如したジェームズ・ボンドが、伝奇・オカルト要素が欠如したインディ・ジョーンズに出ちゃってるかんじで・・。

いや、そもそもそういうギラギラした面を誇示しなくても勝手にモテちゃうんだからさぁ、しゃあないんだわなこの男は(笑)。

真面目な話、キャラ的にトム・ハンクスあたりだったらもっとちゃんと見れたと思うし、活きたんじゃないかなとは思うんだけど。

話のつくりも単なる冒険ものではない二重構造になっているのだけど、二兎を追う者は一兎をも得ずの言葉どおりイマイチ中途半端な印象がぬぐえなかったな。

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フライト・オブ・フェニックス(2004年・アメリカ・113分)WOWOW

 監督:ジョン・ムーア

 出演:デニス・クエイド、タイリース・ギブソン、ジョバンニ・リビーシ、ミランダ・オットー

 内容:ゴビ砂漠の真ん中に不時着したオンボロ単発プロペラ機。救助の望みもないまま、乗組員たちはそのフェニックス号を組み立て直して必死の脱出を試みるが・・・。ロバート・アルドリッチ監督の「飛べ!フェニックス」(1965)のリメイク作。

評価★★★/60点

オリジナル「飛べ!フェニックス」を監督したR・アルドリッチの息子であるウィリアム・アルドリッチが製作した本作だが、子は親を越えられずといったところ・・・。

砂漠という密閉空間でサバイバルしながら飛行機を補修改良して脱出するという、もともとからして派手にしようがない単純なお話なのだが、まんま単純単調にそのまま終わっちゃったかんじで。リメイクする必要があったのだろうかという。。

1番の大問題は全然命の危機にかかわる極限状況下に見えないという点で、見ていて張り合いがないんだよね。お気楽&お気軽に見れちゃうこと自体最大の欠点だろ。砂漠不時着体験ツアー(盗賊団サプライズショー付き)みたいな。

砂漠の映像とジョバンニ・リビシの怪しげで不気味な姿だけがなんとか自分をこの映画に引きとどめてくれたけども・・。。

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イン・トゥ・ザ・ブルー(2005年・アメリカ・111分)DVD

 監督:ジョン・ストックウェル

 出演:ポール・ウォーカー、ジェシカ・アルバ、スコット・カーン、アシュレイ・スコット

 内容:カリブ海のバハマでダイビング・インストラクターをしているジャレッドは、ある日、沈没船の一部を発見。それが何百万ドルもの金塊を積んだまま難破したと伝えられるゼフィア号だと確信した彼は、恋人のサム、幼なじみのブライスらとともに自分たちだけで船を引き揚げようとするのだが・・・。

評価★★★/65点

“バハマでジェシカ・アルバと過ごせるならサメに片足持ってかれるくらい屁でもない!”

もっとアケスケなB級アイドル映画かと思いきや、意外にしっかりとストーリーを追おうという真摯さが感じられて好印象。

ジェシカ・アルバのかわゆい目にぽってりした唇、美乳バストにくびれにビキニが似合うヒップ、、ようするに健康的なまばゆい肢体で目の保養になればそれでいい映画だと思っていたので、ストーリーそれ自体を楽しむことができたのはちょっと得した気分。

映画の大半を占める海中映像もなかなかの出来でよろし。

2018年1月 1日 (月)

夢のシネマパラダイス575番シアター:お伽の国からやってきたーーッ!PARTⅡ

PAN~ネバーランド、夢のはじまり~

Pan出演:ヒュー・ジャックマン、リーヴァイ・ミラー、ギャレット・ヘドランド、ルーニ・マーラ、アマンダ・サイフリッド

監督:ジョー・ライト

(2015年・アメリカ・112分)WOWOW

内容:第二次大戦下のロンドン。12歳の少年ピーターが暮らす孤児院では夜ごと子供たちが消えていなくなっていた。ピーターは院長が空飛ぶ海賊船に高値で売りつけていることを知るが、ピーターもさらわれてしまう。行く先は海賊黒ひげが支配する“ネバーランド”だった・・・。

評価★★★/60点

全体的に児童向け「アバター」といった趣でサクサク見ていける作品。が、あまりにもライト感覚すぎて印象に残らないスルー映画・・。

ファンタジーの王道として遜色ない凝った画作りやミュージカル調を織り交ぜた世界観は悪くなかっただけに、新味のないあまりにもストレートすぎるストーリーが求心力を二段くらい引き下げていたのが悔やまれるところ。。ピーターと宿敵フック船長が無二の親友という設定はかなり意外なはずなのに、なんだかうまく生かしきれてないんだよねぇ。

まぁ、続編を想定してまずはピーターが空を飛べるまでを描いたのかもしれないけど、ダークサイドに落ちていくフックをこそ見たかった気も・・。

だって、続編ないでしょもうww

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マレフィセント

2035558_201403250103429001395723962出演:アンジェリーナ・ジョリー、シャールト・コプリー、エル・ファニング、サム・ライリー、イメルダ・スタウントン

監督:ロバート・ストロンバーグ

(2014年・アメリカ・97分)WOWOW

内容:かつて妖精の国のマレフィセントと人間界のステファンは種族の壁を越えた仲の良い友達だった。ところが、成長するにつれ、国を守るべく戦うマレフィセントと侵略する側の重臣ステファンは敵対関係に陥ってしまう。そして、王座を目指すステファンが行った恐るべき仕打ちにより、マレフィセントは復讐の鬼と化すのだった。やがて、ステファンと王妃の間に待望のロイヤルベビーであるオーロラ姫が誕生する。お城で盛大なパーティーが開かれる中、魔女と恐れられるマレフィセントが現れ、オーロラ姫に呪いをかけてしまうが・・・。

評価★★☆/50点

“王国に誕生したロイヤルベビーのオーロラ姫に恐ろしい魔女マレフィセントが呪いをかけ、16歳になった時に永遠の眠りについてしまう。しかし、婚約者フィリップ王子がマレフィセントを撃退し、真実の愛のキスによりオーロラ姫は目を覚まし2人は結ばれる”

特に興味もない眠れる森の美女のあらましだけどw、今回はマレフィセント視点で描いた作品。

人間にとって恐怖の対象となるモンスターに従来とは全く逆のキャラクターを付与し、その視点から描いた映画には「シュレック」や「モンスターズ・インク」、「もののけ島のナキ」などがある。また、魔女という点では魔女の宅急便があり、これはマイノリティである魔女っ子が人間社会に溶け込むための奮闘劇になっている。

このように感情移入しやすい親しみあるキャラクターに変えることで(もともとキングコングやゴジラを含めて怪物・モンスターには同情すべき悲劇性がつきものだけど)、意外性のある新たな物語を楽しむことができる。

しかし、歴史あるディズニーアニメが確立した魔女というのは、狡猾、強欲、憎悪、嫉妬、執念深さといった人間の醜い情念や怨念を凝縮したような根っからの悪役(ぱっと思い出すところではハリー・ポッターのヴォルデモート卿に近い)だけに、どのように描くのだろうと思っていたら、えっ!?よ、よ、妖精!?可憐でメルヘンチックな妖精ですか!?設定そのものを変えてるじゃん(笑)。

英雄と悪者の両方を兼ね備えている、とマレフィセントは形容されているけど、魔女と妖精じゃ全然違うだろ!

さらに解せないのは、従来とは逆視点で描くのだからより多面的な要素を捉えるのかと思いきや、ステファン王が完全悪役に徹していて、結局は勧善懲悪に落ち着いちゃってるところだ。これじゃはっきりいって逆視点で描く意味もないだろって思うんだけど。。

しかも、ステファンがどんなに悪だとしてもオーロラ姫にとっては実の父親でしょ。それをマレフィセントがやっつけてオーロラと一緒に暮らしてめでたし×2ってすごい腑に落ちないんだけど。

ちょっと全体的にビミョーだったな・・・。

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オズ はじまりの戦い(2013年・アメリカ・130分)WOWOW

 監督:サム・ライミ

 出演:ジェームズ・フランコ、ミラ・クニス、レイチェル・ワイズ、ミシェル・ウィリアムズ、ビル・コッブス、トニー・コックス

 内容:しがない奇術師のオズは、カンザスを巡業中に竜巻に巻き込まれて不思議な魔法の国に迷い込む。その国の名前もオズといい、邪悪な魔女の悪政に苦しむ人々は、国と同じ名を持つ魔法使いが救ってくれるという古くから伝わる予言が現実になったと大喜び。財宝に目がくらんだオズは救世主を装うのだが・・・。

評価★★☆/50点

見終わってから知ってしまった。

この映画が1939年のミュージカル映画「オズの魔法使い」の前日譚であることに・・・。

ガ^^^^^ンモヒャ━━((゜Д゜Uu))━━!!!!!!

何の前知識もなくテレビでやってたからとりあえず見ただけというかんじの自分のこの映画に対するモチベーションは、サム・ライミとおとぎ話というやや危なっかしげな取り合わせのみにあったといってもよくw

ところがフタを開けてみればケレンも毒気もないオーソドックスなファンタジーになっていて拍子抜け。

極彩色のカラーの過剰なまでの色味具合は往年の古典映画を意識しているなとは感じたけど、そういう技術的なことはともかく中身がさっぱりツマラなくて・・。

ペテン師のような奇術使いが必死こいて魔法使いを演じるというプロットは面白いはずなのに、二味くらい足りないんだよなぁ。ジェームズ・フランコに魅力がないのかキャラ作りが弱いのか、その両方なのだろうけど、オズの小物っぷりだけが際立ってしまったかんじで・・・。

しかし、いわゆる“ゆきて帰りし物語”において子供ではなく大人がその世界に入り込んでいくというのは成長譚に欠ける分やはり味気がないなと。

その部類で面白かったのはスピルバーグの「フック」だけだし。。

しかも今回は“ゆきて帰らぬ物語”になっていてオチのつけ方も味気ない。

ファンタジーでこれだけ心弾まなかったのは初めてかも・・・

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オズの魔法使(1939年・アメリカ・102分)NHK-BS

A0009400_2315893  出演:ジュディ・ガーランド、バート・ラー、ジャック・へイリー、レイ・ボルジャー、ビリー・バーク

監督:ヴィクター・フレミング

 内容:カンザスの農場に住むドロシーは、家もろとも竜巻に飛ばされ、不思議なオズの国へやって来た。もとの世界へ帰るため、ドロシーは脳みそのないカカシ、心のないブリキの木こり、臆病なライオンたちとともにエメラルドシティに住む魔法使いに会いに行く・・・。

評価★★★/65点

「オズはじまりの戦い」経由で観賞。

ホントはこちらを先に見るべきだったのだろうけど、なるほどサム・ライミの2013年作がオリジナル作に対するつながりをしっかり持った上での作風になっていたことがよく分かった。オズってただのペテン師だったんだというのも改めて知ってビックリしたしw

セットのハリボテ感覚やおかしなメイクなど技術に拙さはあるものの、今から70年以上前の作品であることを踏まえれば、今作が世界のファンタジーの元祖といってもいいスタンダードであることはしっかり体感できた気がする。

でもこの映画が公開された1939年って、かの有名な「風とともに去りぬ」や西部劇の金字塔「駅馬車」が公開された年でもあるんだよね。

ハリウッドのマスターピースが揃いにそろった花の39年組てかんじ(笑)!?

しかも「オズの魔法使」と「風とともに去りぬ」って同じ監督(ヴィクター・フレミング)というのもスゴイ!

最初はリチャード・ソープでスタートしたものの、12日目で解雇され、その後3日間つなぎでジョージ・キューカーが務めてヴィクター・フレミングにバトンタッチ。テクニカラーのオズの国と竜巻の特殊撮影を3ヶ月で撮って風とともに去っていきw、残りのセピアカラーのカンザスのシーンをキング・ヴィダーが撮ったということで、、どんだけ紆余曲折してるんだよみたいな(笑)。

また、スタンダードな名曲“虹の彼方に”は覆面試写の段階でカットを命じられていたというから驚き。

名画は一日にして成らず!という言葉がピタリとくる作品だったんだね。

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ジャックと天空の巨人

Poster出演:ニコラス・ホルト、エレノア・トムリンソン、スタンリー・トゥッチ、イアン・マクシェーン、ビル・ナイ、ユアン・マクレガー

監督:ブライアン・シンガー

(2013年・アメリカ・114分)WOWOW

内容:貧しい農夫の青年ジャックは、市場で見知らぬ僧侶から自分の馬と引き換えに不思議な豆を手に入れる。そして激しい嵐吹き荒れるある日、お城を抜け出したイザベル姫がジャックのおんぼろ小屋で雨宿りをしていると、豆から芽が出て、小屋もろともみるみるうちに天空に伸びていった。そして王家の捜索隊に参加したジャックが豆の木を登っていくと、そこは世にも恐ろしい巨人が住む国だった・・・。

評価★★★/60点

童話のジャックと豆の木がどういう話だったかすら忘れかけていた自分にとっては、人間と巨人の戦いをクライマックスにした今回の映画を見るモチベーションは、ほぼ進撃の巨人の実写映画化を脳内イメージするためだけにあったといっていい(笑)。

いや、その点この映画の巨人の造形はキモくておぞましくて良く出来ていたとは思う。人間を食らうシーンはうまくカットされていたけど、本家進撃の方はちゃんと見せてくれるんだろうねw!?

って進撃の巨人ネタはここらへんにしといて、今度はロードオブザリングの話をしようか(笑)。というくらい色合いに独自色はなくて、まぁディズニーテイストの子供向けファンタジーという言葉がピッタリくる映画だったかなとは思うけど、それだったら主人公が18歳よりは普通に12,3歳の少年にした方がよかった気が。

まぁどちらにせよブライアン・シンガーが監督ということでいえば全然物足りない中途半端な出来栄えだけどね。。

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スノーホワイト

O0700057912238838269 出演:クリステン・スチュワート、シャーリーズ・セロン、クリス・へムズワース、サム・クラフリン、ボブ・ホスキンス、レイ・ウィンストン

監督:ルパート・サンダーズ

(2012年・アメリカ・127分)WOWOW

内容:平和な王国に生まれた王女スノーホワイト。が、幼い頃に母を亡くし、父王も後妻となったラヴェンナによって殺され、自身も城の塔で幽閉生活を強いられる。それから7年後、自分の魔力にかげりが見え始めたラヴェンナは、スノーホワイトが自分の美を脅かす存在であり、スノーホワイトの心臓を手に入れれば永遠の若さと美しさを手に入れられるという魔法の鏡のお告げを聞く。ラヴェンナの魔の手が忍び寄る中、スノーホワイトは間一髪のところで城から脱出し、黒い森へと逃げ込むが・・・。

評価★★☆/50点

白雪姫ってどんな話だっけ?という程度にオッサンになってしまった自分からすると、毒リンゴや7人のこびとが出てきたところで、ああーそいえばディズニーアニメで見たなぁと記憶の断片がよみがえってきたけど、映画としてはそれ以上でも以下でもなかったかなと。

童話というよりはロビン・フッド的というかLOTR的というか、そういう感触で、まさかシシ神さまが出てくるとは思わなかったけどw、なんかイマジネーションの限界を見せられてしまった感の方が強く・・・。

それに加えて話がイマイチ広がっていかないツマラなさも如何ともしがたく・・。

それはスノーホワイトの復讐譚に魅力を感じなかったことが大きく、さらにいえばそもそものところで彼女に魅力を感じなかったてのがなんとも・・・。

「塔の上のラプンツェル」の髪長姫のような元気ハツラツなキャラを求めるのは極端かもしれないけど、もうちょっと表情にゆとりがあってもいいような。。

なんかシガニー・ウィーバーにしか見えなくなってくるんだよね

無理して闘争本能むき出しにしてもシャーリズ姐さんに勝てるわけないんだから・・wこんなこと言いたかないけど、クリステン・スチュワートより、ジェニファー・ローレンスの方が断然イイと思う。。

2017年6月22日 (木)

夢のシネマパラダイス32番シアター:コイツだけには出会いたくないグランプリ

帰ってきたヒトラー

169463_03出演:オリヴァー・マスッチ、ファビアン・ブッシュ、クリストフ・マリア・ヘルプスト、カッチャ・リーマン

監督・脚本:ダ―ヴィト・ヴネント

(2015年・ドイツ・116分)WOWOW

内容:1945年に自殺したはずのアドルフ・ヒトラーが、なぜか2014年のベルリンにタイムスリップしてきた!テレビ局をリストラされ新ネタを探していたディレクターのザヴァツキは、ヒトラーをモノマネ芸人だと思ってスカウトし、テレビ番組に出演することに。すると、物言いから仕草まで瓜二つの演説芸が大ブレイクし、一躍有名人になってしまう・・・。

評価★★★☆/70点

ヒトラーのモノマネといえば「チャップリンの独裁者」(1940)を真っ先に思い浮かべる。

ナチスドイツがヨーロッパを蹂躙し始めたまさにその時に公開され、ヒトラーに対しチャップリンが映画を武器に挑戦状を叩きつけた大傑作である。

しかし、あれから75年。バックトゥザフューチャーしちゃいました!ヒトラー本人が😵

戦後ずっと国民総出でヒトラーを断罪し過去の歴史の清算をし続けてきたドイツだからこそヒトラーをカリカチュアして描けちゃうんだろうけど、それが許容されていることに軽くショック。

だって日本で帰ってきた東条英機をやったら、靖国神社で右翼と天皇陛下バンザイした後に官邸前でつまみ出されて、皇居前でオイオイ泣き崩れる東条さんを見て、、ってなんか面白そう(笑)。

いやマジメな話、東条英機をジーパン姿でモノマネする芸人が世に出れるかっていうと、あの戦争を総括しないまま今まできた日本ではやっぱり難しいと思うんだよね。まぁそれ以前に鬼畜米英を唱える東条がジーパン着るわけないかw

けど、そう考えると、今回の映画はベストセラー小説の映画化とはいえ企画としてすでにスゴイと思う。

そして、第三帝国再建に向けいたって真面目なヒトラーを尻目に周りが勝手に盛り上がっていく、ヒトラーを選んだのは他でもない国民自身なのだという事実が、成熟した民主主義の看板を掲げる現代社会に鋭くツッコミを入れる流れに持ってくるところがまたスゴイ。

考えてみれば、日本だってあの戦争は軍国主義がもたらしたものではあるけど、戦争をあおった新聞メディアとそれに熱狂した国民が一体となって推し進めていった一面もあるわけで。

建前の裏側に潜む本音の内実、そのマグマ溜まりを爆発させるスイッチをオンにしてしまうカリスマ政治家が現れたら民衆はいとも簡単にそれに乗っかってしまう・・・。アメリカはトランプ大統領の出現によってそうなっちゃったけど。。

低投票率、お友達内閣、政治のワイドショー化、政治家の失言&暴言、既存政治への不満、、と成熟どころか行きづまった民主主義といった方がいいのではないかと思える閉塞感漂う現状の中、日本も笑ってはいられない。

さあ、出番ですよ橋下さんw

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悪の教典

Poster5_2 出演:伊藤英明、二階堂ふみ、染谷将太、林遣都、浅香航大、山田孝之、平岳大、水野恵理奈、吹越満

監督・脚本:三池崇史

(2012年・東宝・129分)

内容:私立晨光学院町田高校2年4組担任のハスミンこと蓮実聖司。彼は明朗快活かつ爽やかなルックスで生徒受けはもちろん、同僚やPTAからも信頼を得ていた。しかし変態数学教師・釣井だけは蓮実に違和感を抱いていた。そんな中、驚異的直感力を有する怜花とその友人・早水により蓮実の正体が露わになっていく・・・。

評価★★★/60点

自分は大島優子の感性を全面的に支持する(笑)!

映画の上映会でこの映画は嫌い!とぶち上げた彼女の感想ほど真っ当なものはないだろう。当然だ。

学校の銃乱射事件をエンタメとして嬉々として描く映画なんてフツーありえないし見たくもない。

そこに面白さを見出すとすれば、学校という密閉空間の中でジュラシックパークの肉食恐竜かエイリアンかはたまたジェイソンが襲ってくるみたいなモンスターホラー映画として見るしかない。

ところが生徒からの信頼もあつい教師の鑑として主人公の肩書きまで手に入れているこのハスミンという男は、ハーバード大出身というだけにズバ抜けた心理分析力や緻密な計算能力を有していて、とてもじゃないが闇雲に人を殺すようなバカ頭には見えない。特に「序章」の方を先に見たので知的な狡猾さを兼ね備えた完璧主義者というのはハスミンのキャラクターの最も大きなポイントになっていたと思う。

なので、邪魔者を消していくにしても、「序章」のように自らは手をかけず精神的にジワジワと追いつめていったり、殺すにしても頭脳明晰を駆使した完全犯罪でクールな残忍性を描き出した方がキャラ的にしっくりくるしサイコパスとしての凄みや恐怖感が増したと思うんだけど、それだけに行き当たりばったりでもうめんどくせーからみんな殺っちゃえという後半のスプラッターな展開は途端につまらなく感じてしまった。

また、なぜこういう人間になってしまったのかという過去語りは、それをすればするほどスリラーとしての純度は下がっていくと思うのだけど、例えば少年時代の親殺しエピソードもハスミンは生まれながらのサイコパスなんですよということを強調したいがための言い訳がましい演出にしか見えず、個人的にはそれさえも不用な描写だったように思う。

そういうのはTo be continuedでやってくれって話だ。

、、別段見たくもないけど(笑)。

まぁ、なんというか残虐性とは別な観点からみても、大人の観賞に堪えうる作品ではなかったかな。中高生がギャーギャー騒いで楽しむ類の映画だね。。

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脳男

20130206000123 出演:生田斗真、松雪泰子、江口洋介、二階堂ふみ、染谷将太、甲本雅裕、光石研、小澤征悦、石橋蓮司、夏八木勲

監督:瀧本智行

(2013年・東宝・125分)WOWOW

内容:都内近郊で猟奇的な連続爆破事件が発生。わずかな手がかりをもとに爆弾魔のアジトをつきとめた茶屋刑事は、犯人を捕り逃すも、現場に佇んでいた鈴木一郎と名乗る男を重要参考人として逮捕する。取り調べでも何も話さないため、精神科医・鷲谷真梨子による精神鑑定が行われるが・・・。

評価★★★★/75点

舌を引き裂いたり目ん玉引っこ抜いたりグロシーン連発の映画なのだけど、生田斗真の静寂を呼ぶ異様な美しさと、松雪泰子の冷静と情熱、理性と感情の狭間で押しつぶされていくきわどさ、そして二階堂ふみの狂気じみた存在感に魅せられて見入ってしまった。

特に生田は二重丸。無感情&無表情という難役を見事にこなしてしまった。なんか手塚治虫の漫画に出てきそうな美青年ってかんじw

あとはなんといっても画作りの素晴らしさだろう。

爆発の火薬量のハンパなさやアクションのキレ味だけに頼らない緩急つけたカット割りはハリウッドばりで緊張感も持続している。

この監督ってこんなハイクオリティな画を撮る人だっけ!?と驚いてしまったのだけど。なんか今までの作風は地味な印象だったので、こういうアバンギャルドっぽい映画撮るとはかなり意外だった。

続編もあっていいかも。

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苦役列車

120802l 出演:森山未來、高良健吾、前田敦子、マキタスポーツ、田口トモロヲ

監督:山下敦弘

(2012年・東映・114分)WOWOW

内容:1986年。日雇い労働と風俗通いに明け暮れる19歳の北町貫多。父親が性犯罪を犯したため一家離散の憂き目をみた彼は中卒でその日暮らしの生活を送るようになっていた。そんなある日、職場で専門学校生の日下部と知り合い意気投合、初めて友達と呼べる付き合いをするようになる。さらに古本屋でバイトする女子大生・桜井康子に恋したりと思いがけず人並みの青春を謳歌し始める貫多だったが・・・。

評価★★★☆/70点

今まで見てきた映画の中でごまんとヤな奴・変な奴は見てきたけど、大体が映画用にカリカチュアされた人物設定であることが多かった。

しかし、この北町貫多のひたすらリアルな鬱陶しさはどうだろう。

コンプレックスの塊で社会性ゼロ、ムダにプライド意識を持っている自己チュー人間である貫多とは絶対に友達になりたくないけど、こういう屈折した性格で口を開けばグチと下ネタばかりが出てくる扱いにくいタイプって程度の差はあれ周りに必ずいるよなぁと異常な既視感を抱いて見てしまった。。

貫多はその中でも最凶レベルの人間だろうけどw、ゲロとか痰吐きとか汚ったねぇご飯の食べ方とか家賃払わず風俗通いとか、自堕落な生態が生々しくて、この何をしでかすか分からないロクデナシから片時も目を離すことができずに見入ってしまった。

なにより森山未來が凄すぎる。

顔がホントに卑屈で意地汚くなっていて、最低のクズっぷりを気持ち悪いくらい完璧に演じてみせた。ブリーフ姿がお笑い芸人よりも似合ってるなんて、森山未來の今後が逆に心配ww

あとは、貫多とは好対照な高良健吾の爽やかさも印象的だったし、無防備な前田敦子が思った以上に良くて、この映画にプラスに働いていたと思う。

次の映画では脱いでね、、ってオレこそ最低ーッ

いやはや、いろんな意味で感動的な映画ですた。。

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闇金ウシジマくん(2012年・日本・129分)WOWOW

 監督:山口雅俊

 出演:山田孝之、大島優子、林遣都、崎本大海、やべきょうすけ、片瀬那奈、市原隼人、黒沢あすか、新井浩文

 内容:ウシジマは10日で5割(トゴ)、1日3割(ヒサン)という法外な金利をつける闇金業者。情け容赦ない取り立てを行うウシジマが今回目を付けたのは、パチンコ狂いの母親の借金の肩代わりをするハメになったフリーターのミコと、イベントサークルの代表を務める成り上がり男ジュンだった・・・。

評価★★/45点

アイドル大島優子よりも女優大島優子の方が断然好きだった自分は、大島優子がどういう脱ぎっぷりを見せてくれるのか、、ってんなわけあるかw!もといアイドルという表看板を背負って女優としてどこまでアブナイ橋を渡れるのか興味津々で見たのだけど、ノースリーブ&ショートパンツ姿に目がクラッとしつつ、もうちょいキワどいとこ見せてくんないかなぁ、、っておいっ!もとい必要最低限のところでよく頑張っていたと思いますww

なにせ母親役の黒沢あすかの豪胆ぶりの方が凄すぎて、大島優子のギリギリ勝負が完全にかすんじゃってるんだけど、ある意味それに助けられてるかんじも。。

ただ、風呂に沈められるとこまでいくくらい堕ちちゃう姿を見たかったなぁというのが正直なところ。エロ目線とかじゃなく女優としてね(笑)。

さて、エロ目線はそれくらいにしといて、、もとい、貧弱なチャラ男が転落していく話の本筋の方だけど、イベントサークル成功させてビッグになりたいから金借りるって、あまりにも話が小っちゃすぎて面白くない。

チャライし、チャチイし、ツマラナイし、だから大島優子にやっぱアレしてもらわないと、、ってハイ、もうやめます

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黒い家(1999年・松竹・118分)NHK-BS

 監督:森田芳光

 出演:内野聖陽、大竹しのぶ、西村雅彦、小林薫、田中美里、町田康、鷲尾真知子、石橋蓮司

 内容:生命保険会社に勤める若槻慎二は、クレーマー対処で菰田重徳という男の家を訪ねるが、そこで菰田の息子の首吊り死体を発見する。警察は自殺と判断し、それに基づいて保険金も支払われることになったが、保険金請求に幾度となく来ていた菰田とその妻の異様な態度に不審なものを感じた若槻は自殺に疑念を抱く・・・。

評価★★★★/75点

「乳しゃぶれー!ヘタクソー!」でフルボッコな展開などはもはやトラウマものだったけどw、まるで胃の中をドス黒いボウリングの玉がゴロンゴロンと転がっているような、ズシンと重くて息がつまってくる映画だった。

お化けよりなにより人間が1番恐いんだということが、もしかして自分のすぐお隣にあるかもしれない身近な恐怖として肌感覚に伝わってきて、生理的に受け付けたくないんだけど目が離せないみたいな、これってまさに覚めない悪夢

耳障りな効果音、不自然なカメラの動き、チープな音楽、どぎつい原色の多用といったセンスのなさが映画の居心地の悪さに直結していて、監督の演出プランにも説得力があった。

ただ、エンディングの主題歌がm-floというセンスの無さだけは映画自体を古臭くさせるには十分なセンスの無さで余計だった

2016年10月23日 (日)

夢のシネマパラダイス316番シアター:なぜ兄弟は映画にならなくて姉妹は映画になるのか

海街diary

News_20150528出演:綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、加瀬亮、鈴木亮平、樹木希林、リリー・フランキー、風吹ジュン、堤真一、大竹しのぶ

監督・脚本:是枝裕和

(2015年・東宝・128分)WOWOW

内容:父は不倫のため15年前に、母もその2年後に再婚し家を出ている中、しっかり者の長女・幸、やんちゃな次女・佳乃、マイペースな三女・千佳の香田三姉妹は、鎌倉の実家で暮らしている。そんなある日、父の訃報が届き、3人は葬儀の行われる山形へ。そこで中学生になっている腹違いの妹すずと出会う。父の再々婚相手の家のため、血のつながった身寄りがいなくなり肩身の狭い思いをしているすずの姿に、幸は鎌倉で一緒に暮らさないかと提案する。こうしてすずが香田一家に加わり、四姉妹の暮らしが始まる。

評価★★★★/80点

好きな漫画は何かと訊かれたら真っ先に「海街diary」を挙げるほど原作漫画が好きな自分は、この漫画に関しては一風変わった読み方をしている。

それは家から職場まで車で片道50分かかるのだけど、通勤途中の信号待ちの時にサッと手に取る読み方だ(笑)。かなり邪な読み方かもしれないけど、一巻読むのに大体2~3週間はかかってしまう。

じゃあ、なんでこういう読み方をするかというと、端的に言えば一気読みしたくないというのがあって、要は4姉妹の日常を流れるゆったりとした時の流れを共有したいからだ。

その点で今回の映画は、原作の持つ世界観を的確に、そしてイメージ通りに映像化してくれたと思う。

鎌倉の街の情景や4姉妹が暮らす日本家屋など実写ならではの奥行きが彼女たちのキャラクターや物語に説得力をもたらしていたし、なにより4姉妹がイイ♪

サチ姉の綾瀬はるかと千佳ちゃんの夏帆は見る前は若干イメージと違うかなと思ってたけど、フタを開けてみたらしっくり役にハマっていて確かな女優力を垣間見れたかんじ。

あと完璧だったのが佳乃の長澤まさみ。自由奔放かつ大ざっぱでルーズでありながら冠婚葬祭や職場などオフィシャルな場ではきっちりしているという女の使い分けが上手い佳乃のイメージ通りだったと思う。法事が終わった後に大の字になってビール飲みてぇー!ってわめく所はドンピシャだったw

また、四女のすずに関しても言うことなし。なにより広瀬すずのサッカーのプレイ姿がめちゃくちゃ様になっていてビックリした。原作のすずはサッカー推薦で高校に行けるくらいの実力の持ち主なので、あのサッカーシーンだけでこの映画への信頼度はMAXになったといってもいいくらい。

2時間だけで終わらせるにはあまりにももったいない4姉妹のアンサンブルと世界観を堪能できたけど、どうせだったら連続ドラマで見たいね。

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イン・ハー・シューズ

20061231085807 出演:キャメロン・ディアス、トニ・コレット、シャーリー・マクレーン、マーク・フォイアスタイン

監督:カーティス・ハンソン

(2005年・アメリカ・131分)MOVIX仙台

評価★★★★/80点

内容:まわりが羨むスタイルと美貌を持ちながらも難読症というハンディキャップがコンプレックスとなり、定職にも就かない奔放なマギー。一方、姉のローズは、弁護士として成功しているものの、自分の容姿に自信が持てず、恋愛にも慎重。そんなある日、ローズの家に居候していたマギーは、ローズの恋人に手を出してしまったことから家を追い出されてしまう。行く当てのないマギーは、仕方なくまだ会ったことのない祖母エラのもとを訪ねるのだが・・・。

“これが私の生きる道!”

むやみやたらとご立派な靴を買い集めては開かずのクローゼットに新品のまま所狭しと並べている姉ローズ(トニ・コレット)と、姉のお気に入りの靴だろうがお構いなしにむやみやたらと靴を履き替えては折れたヒールをチューインガムでくっつけてしまうようなトンでもな妹マギー(キャメロン・ディアス)。

仕事はバリバリだけど堅物で恋に不器用な姉と、プーだけどルックス抜群で姉のお気に入りのボーイフレンドだろうが所かまわずガンガンヤリまくるイケイケ女の妹。

靴のサイズが同じこと以外は全く好対照な姉妹の2人のキャラクターが非常によく描かれているのがこの映画のミソで、時には嫉妬し、時にはケンカし、時には信頼し、時には自慢し合い、時には抱き合い、時には涙し、、、そんな姉妹のキッてもキレない関係が丹念に描き出されていくとともに、2人の“これが私の生きる道”を見つけていく道のりが心地良く綴られていく。

そして家族の再生と、人間的に成長し歩き出していく2人の姿に心が暖められ、思わず笑顔で2人の背中を見送ってあげたくなる良作に仕上がっている。

特にキャメロン・ディアスは最近の作品の中では1番良かった。

ゴージャスなモデルボディーのみが売りだったような「マスク」から10年。大金持ちのお姫様でルックス以外能がないような、それでいて映画史に残る大音痴を披露して場をさらった「ベスト・フレンズ・ウェディング」から早8年。

しかし、そんなゴージャスかつフレッシュで元気溌剌な若さが売りだったキャメロンも他の勝負できる“これが私の生きる道”を見出さなければならない世代にさしかかった。

ローズがマギーに言い放つ「中年のアバズレは惨めなだけよ!」というキャメロン自身にはね返ってくるような生々しくて強烈なセリフが耳に残ったが、「マスク」から「チャーリーズ・エンジェル」までフルスロットルで走り続けてきた彼女が10年ひと区切りで次なるステージへとかけ上がっていくスタート・ラインに立ったということなのかな。

欠点なり弱点をキュートでプラスな側面に自然に変えられる持って生まれた稀有な才能を持っているキャメロン・ディアスは例えば一見お下劣な映画でも笑って許せてしまうような独特で能天気な雰囲気と味わいを添えることができる。

「メリーに首ったけ」では○液ヘアジェルを髪になすりつけ、今回の映画でもレストランでデカイ声で「ヴァギナ」を連発だからね。志村けんのバカ殿と共演させたいよホンマ(笑)。

硬軟バランスよく使い分けることのできる女優になっていってもらいたいけどね。

あ、トニ・コレットもホント良かった。あ゛っ、それ以上にシャーリー・マクレーンもね。

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腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

20071004_451107 出演:佐藤江梨子、佐津川愛美、山本浩司、永作博美、永瀬正敏

監督・脚本:吉田大八

(2007年・日本・112分)CS

内容:石川県の片田舎。両親の訃報を受け、東京から戻ってきた和合家の長女、澄伽。4年前に女優を目指して上京したものの泣かず飛ばずの澄伽は、義兄の宍道に援助の強要を迫るわ、妹の清深をいじめ抜くわのやりたい放題。宍道の妻で度を越したお人好しの待子はその複雑な家族関係に右往左往するばかりだったが・・・。

評価★★★☆/70点

“和合”という日本人の本質を言い表しているような名字を持つ和合家の人々の救いのない醜態を面白おかしく見つめた物語は、最後まで飽きずに見れたのはたしか。

ただ、ラストに「やっぱお姉ちゃんは、最高に面白いよ。」と妹・清深(佐津川愛美)が姉・澄伽(佐藤江梨子)に鉄槌を食らわせるわけだけど、この1番印象的なセリフに十分な説得力を持たせるまでの描写がなされていたかというと、ちょっとビミョーで・・。

だって1番面白いネタになるのは待子(永作博美)>清深>宍道(永瀬正敏)>澄伽やんけ。

澄伽の人物造型を漫画的にもっと大胆にデフォルメしてアクの強さを前面に出してもよかったのかなとは思ったな。

そういう点では、永作博美にかなり助けられた作品だったと思う。

そばつゆがコンタクトレンズと角膜の間に入って失明しかけるというプロットなど細かいところまで随所に笑えるシーンはほとんどが待子がらみだったし、それを演じた永作博美の笑顔ふりまきながらの怪演ぶりは、清深が描くホラー漫画以上に怖いものがあった。

ニコニコしながら変な人形作ったり、宍道と合体しようと青アザ作りながら格闘したり、扇風機を念力で回そうとしたり、ホラーとユーモアの絶妙な同居を体現した演技力は女優としてホンモノなんだと確信。もっと前に気付けよw

駄作と異色作の狭間で奮闘した永作博美に乾杯です!!

でも、話は変わるけど、100万金を貸すのにスタンプカード80回ぶんって、、、1回1万2500円やろ。安すぎだろww。せいぜい1回3万で計算しいや。そこが気になって気になってしょうがなかった・・

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何がジェーンに起こったか?

Nanigajaneniokottaka_aus 出演:ベティ・デイヴィス、ジョーン・クロフォード、ビクター・ブルーノ、アンナ・リー

監督:ロバート・アルドリッチ

(1962年・アメリカ・132分)DVD

評価★★★★/80点

内容:名声を失ったのは姉のせいだと思いこんだ往年の子役スターが復讐を企てるスリラー。6歳の時から舞台に立っていたジェーンが子役としての人気を失いかけていた頃、姉のブランチは映画スターとして人気者になっていた。しかしそんなある日、ブランチは自動車事故で下半身不随となり映画界から退く。数十年後、姉と2人で暮らすジェーンは、酒に溺れ異常な行動をとるようになっていた・・・。

“嫉妬と憎しみから解放されるカタルシスが一転して悲しみに変わったとき、、、しばし絶句し呆然とする以外にない。”

見終わって思い返してみるとちょっとした違和感は冒頭で感じてたんだよなぁ・・・。

妹が表舞台で盛大なスポットライトを浴びてる中、姉のブランチは舞台袖でくやしそうな顔をしている。

母親から、「あなたもいつかスターになれる。もしスターになったらお父さんや妹の面倒をみるのよ。忘れないでね。」と言われたブランチの返しが、「ええ、忘れないわ。絶っっ対に。。。」と言ったときの表情と言葉つきに並々ならぬものを感じたのだけど。でも、まさかなぁ、そんなことって、、ありなのかよ。。

ヒッチコックの古典「レベッカ」と見比べてみても面白いかもね。

見えない強烈な存在感と、見える見える見えすぎてケバイ強烈な存在感と。レベッカに対抗しうるのはあの姿形のベティ・デイヴィスということなのか・・・。

いやはや凄すぎます。。

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とらばいゆ(2001年・日本・118分)NHK-BS

 監督・脚本:大谷健太郎

 出演:瀬戸朝香、塚本晋也、市川実日子、村上淳、鈴木一真、大杉漣

 内容:姉妹そろって女流棋士という姉・麻美(瀬戸朝香)と妹・里奈(市川実日子)。麻美は大企業に勤めるサラリーマンの一哉(塚本晋也)と結婚したが、途端にスランプに陥ってしまい、結婚早々ケンカばかり。一方、恋多き里奈は、弘樹(村上淳)という売れないミュージシャンの彼氏がいたが、里奈の浮気がバレて険悪な状態に。そして恋愛と勝負師という仕事の両立に悩む姉妹の関係もこじれてしまい・・・。

評価★★★★/75点

“将棋の指し方にはその人の性格が出るというけど、そういう意味でいえば自分は簡単に分かる。詰めが甘い!押しが弱い!人生においても、、恋愛においても、、ガクッ。”

と、半うつ状態になったところでこの映画の感想を。

まず、いじっぱりで強情で素直じゃない麻美のような女性ははっきりいって好みじゃない。

だって、良かれと思って買ってきた妻の大好物であるニコニコ亭の酢豚弁当を、「こんなのいらない!」と投げ捨てるねんでアータ。オイラだったら速攻ブチ切れるわ。

なのにこの肩身のせまそうな夫といったらキレるわけでもなく、「やめて下さい。。」の一点張り。温厚で優しくニコニコニコニコ。。自分にはできない(笑)。妹・里奈の恋人と合わせて、なんつう男は弱いんだと男どもに喝を入れたい気分にもなったのだが。

しかし、決して自分の弱みを見せない麻美が夫の前で涙を見せたとき、夫婦関係の真実が露わになるさまに思わず愕然。

夫・一哉の包容力と優しさが妻を支えていたという真実。

恋愛は“刺激”と“熱情”、結婚は“忍耐”と“寛容”とはよく聞くが、恋愛経験すら乏しい自分にとって夫婦関係の深淵を理解するには、その思考回路はスイッチの切り替え方を知るすべもないほどに単純すぎるのかもしれないな・・。

でも、それをテンポ良いコメディタッチに落とし込んだ日常の会話劇として垣間見ることができたのは、ただ見るぶんには面白おかしかったけど。

しかし実際、あんな都合のいい男なんていったいぜんたい居るのかね??

里奈の恋人・弘樹のような大らかさにさえかなり妥協しないと迫れない自分には、おとぎ話のような世界かも。。

ただひとつ、取るに足らないことからケンカになっていく様子は妙にリアルで、そこだけは120%自分と重ね合わせることができて、思わず笑わずにはおられなかった。

女がオトコ化し、男がオンナ化している今の時代、社会の矢面に立たされている女性とうまく付き合っていくには、男には癒しの能力が求められ必要とされているのかもしれない。

オイラには・・・・

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ハンナとその姉妹(1986年・アメリカ・106分)NHK-BS

 監督・脚本:ウディ・アレン

 出演:ウディ・アレン、マイケル・ケイン、ミア・ファロー、ダイアン・ウィースト

 内容:女優として成功して夫エリオットとの家庭生活も円満なハンナ、ハンナの妹で売れない女優のホリー、年の離れた画家と同棲している末妹のリー。NYで暮らす三姉妹の人間模様を描いた人間ドラマ。

評価★★★★/75点

“ダイアン・ウィースト、、細いっ!”

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若草物語(1994年・アメリカ・118分)NHK-BS

 監督:ジリアン・アームストロング

 出演:ウィノナ・ライダー、スーザン・サランドン、サマンサ・マシス、クリスチャン・ベール

 内容:『若草物語』4度目の映画化。

評価★★/40点

このての映画がいまいち好きになれないのは、コスチュームものが好みではない他に、見てるだけでウザったい女性陣の髪形にも一因があることがこれ観て判明した(笑)。

ついでに言えば、大林宣彦の映画が性に合わない自分には、この映画、、なんか同じ匂いがした。。

2016年10月16日 (日)

夢のシネマパラダイス263番シアター:アベンジャーズ

アベンジャーズ

7d060753 出演:ロバート・ダウニー・Jr、クリス・エヴァンス、マーク・ラファロ、クリス・へムズワース、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、トム・ヒドルストン、グィネス・パルトロー、サミュエル・L・ジャクソン

監督・脚本:ジョス・ウェドン

(2012年・アメリカ・144分)WOWOW

内容:国際平和維持組織シールドで研究中だった四次元エネルギー体キューブが、神々の国アスガルドを追放され地球の支配を目論むロキに奪われてしまう。シールドの長官ニック・フューリーはスーパー・パワーを持つヒーローを集めることを決断。トニー・スターク(アイアンマン)、スティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)、ブルース・バナー(ハルク)、そしてロキの兄ソーが集められ、最強軍団アベンジャーズが誕生する。

評価★★★/60点

一言でいえばスパイダーマンもウルヴァリンもバットマンも出ていないから興味を引かない。ってバットマンはマーベルじゃないか

ともかくだ。日本でいうところのゴレンジャーみたいなヒーロー戦隊ものと捉えればいいのかもしれないけど、どうにもキャラクターに魅力を感じなくて・・・。1番印象的だったのがめちゃくちゃ強いハルクってのもなんだかなぁってかんじだしww

やはりソー、ホークアイ、ブラックウィドウの3枠のところにスパイダーマン、ウルヴァリン、あとはゴーストライダーあたりを出してもらえれば一気に見る気になるんだけど。

あと、お祭り映画だけに中身が薄いことは折り込み済みだったとはいえ、内輪もめがグダグダ続く展開もイマイチだった。作りとしては内輪もめよりもメンバー集めの方に時間を割くべきなのに。ここがおざなりになったため大味になっちゃったな。

まぁ、グダグダ言っても仕方ないけど、結局のところ「ダークナイト」のようなヒーロー像の脱構築とは対照的な底抜け大作にはもはや新鮮味を感じないという点に行き着いちゃうのかな・・・。

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アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン

059出演:ロバート・ダウニー・Jr、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、ドン・チードル、エリザベス・オルセン、サミュエル・L・ジャクソン

監督・脚本:ジョス・ウェドン

(2015年・アメリカ・142分)WOWOW

 

内容:東欧でヒドラ残党を急襲したアベンジャーズはロキの杖の奪還に成功する。そして、アイアンマンことトニー・スタークは、ロキの杖から人工知能を抽出し、自我を持つ人工頭脳“ウルトロン”による平和維持システムを開発する。ところが、ウルトロンが導き出した究極の平和維持とは人類の排除だった。覚醒したウルトロンに対しアベンジャーズが立ちはだかるが・・・。

評価★★★/60点

あくまで個人的にだけど、各ヒーローの単独作だと面白いのにオールスターになると途端につまらなくなるのはどうしてだろう・・

と考えると、例えばキン肉マンでいえば、キン肉マンとバッファローマンはこういう会話をするだろうとかウォーズマンとラーメンマンはこうだろうとか過去の関係性の蓄積がキャラクターのコラボの理解を深めて奥行きを与えるのだけど、アベンジャーズに関してはそのキャパシティが自分の中でまだスカスカで・・・。

その中でレギュラー6人+新顔2人のキャラクターが大渋滞を引き起こしているので見ていて疲れるんだよね要はどうしても散漫な印象がぬぐえない。

正直いって今回の場合は、絶対正義を振りかざして暴走するアイアンマンvs冷静に正義を見据えるキャプテン・アメリカでよかったと思うし、そっちの方が話も整理されて断然面白かったと思う。ってそれじゃダメじゃんww

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キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー

Kyapuame 出演:クリス・エヴァンス、トミー・リー・ジョーンズ、ヒューゴ・ウィーヴィング、へイリー・アトウェル、ドミニク・クーパー、スタンリー・トゥッチ、サミュエル・L・ジャクソン

監督:ジョー・ジョンストン

(2011年・アメリカ・124分)WOWOW

 

内容:1941年、第二次大戦中のアメリカ。祖国を誰よりも愛する青年スティーブ・ロジャースは、ひ弱なため入隊検査を落とされ続け自己嫌悪に陥る日々を送っていた。そんなある日、謎の軍医アースキン博士と出会った彼は、“スーパーソルジャー計画”というプロジェクトに誘われ、プロジェクト実験の被験者第1号となる。そして実験は成功し、スティーブは超人的な肉体と運動能力を獲得する・・・。

評価★★★/60点

主人公と同じく生来のもやしっ子である自分からすると、キン肉超人になって大活躍するというのは夢のような話で感情移入しやすかったのはたしかだけど、肉体改造後のキャップにことさら魅力を感じないのはなぜだろう・・。

と考えてみると、真のヒーローになるための通過儀礼といえる苦悩や葛藤に乏しいことが挙げられる。

宝くじで大当たりして何億も手に入れた貧乏人が一転して人生を狂わせていくって話はよく耳にするけど、スーパーパワーを手に入れたもやしっ子がはしゃぎすぎてハメを外してしまったりだとか、力自慢したり、ややもすれば傲慢な野心をひけらかしてしまったりすることはあってもいいはずだ。

あるいは、戦意高揚のマスコットキャラとしてミュージカル役者に仕立て上げられ手に入れた力を発揮できないもどかしさは描けても、その先にある戦場で戦える喜びや、逆に戦うことで己の力を知ってしまったゆえの恐怖や葛藤を無視しては何の意味もないし面白くない。

しかし、ダークサイドのかけらもない、どこまでも一途で純粋な正義の心を持つという主人公の設定があってはどうにもならなかったか・・・。

「弱者は力の価値も憐れみも知っている」というのを言葉だけでなくシーンで示してもらいたかったね。

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キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014年・アメリカ・136分)WOWOW

 監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ

 出演:クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソン、セバスチャン・スタン、アンソニー・マッキー、トビー・ジョーンズ、ロバート・レッドフォード、サミュエル・L・ジャクソン

 内容:アベンジャーズの戦いから2年。今やシールドの一員として活動するキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースだったが、さらなる防衛システムの構築を目指すべく進行している巨大空中母艦ヘリキャリアによる人類監視計画には疑問を感じていた。そんな中、シールド長官ニック・フューリーが何者かに襲撃され命を落とす。さらに、スティーブもシールドから命を狙われる事態に陥る・・・。

評価★★★★☆/85点

アメリカが世界の警察を気取って各地を蹂躙していた東西冷戦末期の80年代、スーパーマンは大空を飛び回り、シュワちゃんとスタローンは自ら敵地に乗り込み悪をやっつけていた。

しかし、2001年の9.11同時多発テロ後、悪の枢軸と名指ししたイラクに殴り込みをかけたアメリカの理念はもろくも崩れ去り、世界は一気に多極化。こちらは正義であちらは悪という二項対立の善悪二元論ではくくれないどころか、正義をうたった力による行いが逆に悪を拡散させてしまった現実があらわになった。

それでもなお“正義”はエスカレートしていき、一方“悪”は絶対化していく。つまり“必要悪”vs“絶対悪”というヒーロー不在の図式、もっといえば正義と悪は表裏一体という図式だ。

そしてそれを白日のもとにさらけ出したのが「ダークナイト」だったんだけど、今回はそのテーマをもっと深化させ、自由と正義を維持するための“必要悪”SHIELD(シールド)の暴走の行き着く先を描いている。さらにその際、ダークナイトではバットマンとジョーカーがコインの裏表の関係にあるのに対し、今回は正義の組織シールドと悪の組織ヒドラが表裏一体で、そこにある危険極まりない欺瞞を倫理と道徳を合わせ持った真の正義キャプテン・アメリカがシールドごと解体して打ち砕き、一から出直そうという流れだ。

つまり、アメリカの行き過ぎた理念をただして、本来の建国精神に則ったあるべきアメリカの姿に立ち返るべきだと説いているわけで、ここまでくるともはやヒーロー映画の枠を超えちゃってるよねっていう

集団安全保障や抑止力などが物議を醸す現代における指標を示唆するポリティカルなテーマ性に加え、キャプテン・アメリカの苦悩がアメリカの今ともリンクしていて、見応えがありすぎるくらいの構成力には舌を巻いた。

さらに、円形の盾しか持たないというオーソドックスかつクラシカルな出で立ちからは考えられないほど様々なバリエーションで攻守両面を網羅してしまうキャップをはじめとするアクションのクオリティの高さ、また最強の刺客ウィンター・ソルジャーやファルコンなど魅力的なキャラクター造形にも度肝を抜かれ、もう言うことなし。

なんかこの一作だけで自分の中でアベンジャーズのメンバーたちの株と興味が一気に上昇したかんじw

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シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

71xfyysosxl_sy445_出演:クリス・エヴァンス、ロバート・ダウニーJr、スカーレット・ヨハンソン、セバスチャン・スタン、アンソニー・マッキー、ドン・チードル、ジェレミー・レナ―、ポール・ベタニー、トム・ホランド、マリサ・トメイ

監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ

(2016年・アメリカ・148分)

内容:何度も世界の危機を救ってきた“アベンジャーズ”。しかし、テロリストとの戦いで多くの民間人の犠牲者が出てしまったことから、その強大な力を危険視する声が高まり、彼らを国連の監視下に置くことが議論される。やむを得ないと受け入れる姿勢のアイアンマンに対し、キャプテン・アメリカはこれに反対する。そんな中、ウィーンで新たなテロ事件が発生し、キャプテンの旧友バッキーが容疑者として指名手配されてしまう・・・。

評価★★★/65点

ヒーロー(善)vsヴィラン(悪)というかつての単純明快な二項対立のヒーロー映画では、ヒーローが敵との戦いで例え街を破壊しようとも何も咎められることはなかった。つまり、法では裁けない(逮捕できる存在ではない)悪を、同じく法を無視し、目には目を歯には歯をの自警主義に基づき退治する(処刑する)超法規的存在というヒーロー像に疑いの余地をはさむ者はいなかった。

しかし、「ダークナイト」(2008)でそれが一変する。

ヒーローは正義を行使するために振るった暴力により結果的には市民を傷つけることもいとわず、なおかつ何にも従わず好き放題行動する危険な存在=犯罪者であるという見方だ。

混沌しかないといってもいい現代の世界において、ヒーローの存在自体が社会問題と化してしまったわけだ。

これはヒーロー=アメリカのイラク戦争での大義なき暴走が大きな背景としてあるのだろうが、ダークナイト以降このヒーローの社会問題テーマは避けて通れない一大トレンドとなった。

その中で今作は、アベンジャーズを国連の管理下に置くという規制法に対してアベンジャーズ内で賛否が分かれ内部分裂を引き起こすという流れになっている。しかもマイティ・ソーとハルクの代わりにキャプテンアメリカ陣営にはアントマン、アイアンマン陣営にはスパイダーマンが参戦し6×6のドリームマッチが繰り広げられる、、。

のだが、一言でいえば自分はキャプテンアメリカを見たかったのであって、アベンジャーズを見たかったのではないってこと(笑)。

結局、ドリームマッチといっても手加減ありのぬるいコスプレ大運動会といったレベルなので、見てても目まぐるしいばかりでイマイチ燃えないんだよね。アクションの見せ方はキレッキレで臨場感もたっぷりだったんだけど、身ひとつの肉弾戦が見物のキャプテンアメリカの激アツ作で見たかった。

挙句の果てにアントマンの巨人化には正直失笑💧

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アイアンマン

Img_320523_9531244_0 出演:ロバート・ダウニー・Jr、ジェフ・ブリッジス、テレンス・ハワード、グウィネス・パルトロウ、ショーン・トーブ、サミュエル・L・ジャクソン

監督:ジョン・ファヴロー

(2008年・アメリカ・125分)盛岡フォーラム

 

内容:巨大軍事企業スターク・インダストリーズのCEO、トニー・スターク。発明家としての顔も持つ彼は、新型兵器のデモンストレーションのためにアフガニスタンへ赴くが、テロ集団の襲撃に遭い、瀕死の重傷を負いながらもなんとか生還を果たす。が、拘束中、敵アジトに自社兵器がズラリと並んでいたのを目の当たりにしたトニーは、それがテロに利用されていたことを知り、武器製造からの撤退を決める。そして自分の身体にフィットするパワードスーツを開発し、テロ撲滅の戦いを誓うのだった・・・。

評価★★★★/80点

若手俳優、悩み悩み悩み抜くヒーロー、降って湧いた超能力、正体は明かせない、、アメコミヒーローの典型像だけど、今回はヒゲ面のすっとぼけたオッサン、影など全くない成金の単なる改心、手作りメカ、アイアムアイアンマン!!とことごとく真逆の設定を持ち出してきた。

しかも悪役は完全なステロタイプで、一歩間違えると単調な勧善懲悪のB級映画になるところだったが、ダウニーJrの茶目っ気とシニカルを掛け合わせたようなノー天気ぶりとド迫力の映像技術がカチリとハマり、爽快感あふれる愛すべき娯楽作に仕上がった。

秘書役のグウィネス・パルトロウも軽妙な演技を見せてくれるし、思いっきり可愛く撮られていて抜群に良い。キャスティングの勝利だろう。

それにしてもアナログ感覚を残したメカニック工程には自分の中で久しく眠っていたガンプラ魂をくすぐられて心地良かったなw

個人的にはアイアンマンが着地するときのポーズがめちゃくちゃタマラん

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アイアンマン2(2010年・アメリカ・124分)WOWOW

 監督:ジョン・ファヴロー

 出演:ロバート・ダウニー・Jr、グウィネス・パルトロウ、ドン・チードル、スカーレット・ヨハンソン、サム・ロックウェル、ミッキー・ローク、サミュエル・L・ジャクソン

 内容:公聴会で自らアイアンマンであることを公表したトニー・スタークは、一躍ときの人となるが、パワードスーツのエネルギー源であるリアクターは確実に彼の身体を蝕んでいた。一方、そんなトニーを憎悪の眼差しで見つめる一人の男がいた・・・。

評価★★★/65点

アメコミヒーローのひな形の真逆をいくことで新境地を開いた前作のテイストそのままに、トニー・スタークの傲岸不遜ぶりはますます際立ち、金持ちの道楽ヒーローは太陽のように光り輝く。

この自己満足の権化と対になる陰の部分を敵役ウィップラッシュ(ミッキー・ローク)が担っているのだけど、F1会場で繰り広げられるオッサン同士の壮絶バトルは見もの。

けど、もうちょっと他にもウィップラッシュに見せ場と物語を与えてほしかったかなと。まぁその不足分をヨハンソンのアクロバティックアクションとサム・ロックウェルの小物ぶりが補ってくれるけど、ドラマと新鮮味には乏しく。。

あくまでテンションアゲアゲの娯楽作として見るべし、、ってもとからそういう作品なんだけどね

しかし、ヨハンソンは何をやらせてもズギュ~~ンだねぇw

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アイアンマン3(2013年・アメリカ・133分)WOWOW

 監督:シェーン・ブラック

 出演:ロバート・ダウニー・Jr、グウィネス・パルトロウ、ドン・チードル、ガイ・ピアース、レベッカ・ホール、ベン・キングスレー、ウィリアム・サドラー

 内容:アベンジャーズの戦いから1年。人類滅亡の危機を回避したトニー・スタークだったが、最近めっきりやる気をなくし鬱病寸前になっていた。そんな中、巷では凶悪テロリスト・マンダリンによる爆破テロが続発。さらにトニーの自宅がマンダリンによって襲撃され、開発中だった新型スーツもろともトニーは海底へと落下していく・・・。

評価★★★/65点

悩みなどかけらもないようなお気楽ヒーローだったトニー親父がPTSDになって不眠症という設定は面白いけど、なかなかそれがトニー・スタークのキャラクターに肉付けされていないような印象を受ける。

寝ていないので無駄にハイテンションになっている様が、まるでクスリ漬けになってラリっているのと大差ないのでw、逆にドン底にズーンと落ちてる姿があればメリハリがあったのになぁと思った。

あと、敵役キリアンの動機付けがいまいちよく分からなくて、これ見るとただ単にトニーに約束をすっぽかされたことに対する復讐心だけというかんじで、だとするとめっちゃ小物じゃんていうw。しかも小物という点では凶悪テロリスト・マンダリンのベン・キングスレーに完全に食われちゃってるので印象が薄くなっちゃってるし。

と、この両極がイマイチなので見所がないかといえば、頭空っぽにして見れば、プラスマイナスだと若干プラスにはなるかな

特に遠隔操作ができて自由に着脱可能なギミック満載のバトルスーツと、人間ゴジラと化す悪役超人の特殊能力を駆使したアクションはそれだけでもお腹いっぱい。さらに人海戦術や物量作戦で絵面はめまぐるしく変わり飽きることはない。

あとはなんといってもペッパー嬢の活躍ぶりだろう。

90年代から00年代にかけてポスターからテレカに至るまで集めまくっていた大のグウィネス好きの自分にとっては、アクションまでこなしちゃうの!?という嬉しい驚きがあったし、Mr.インクレディブルのイラスティガールをほうふつとさせてすごく良かった。

こりゃオッサンなんかほっといてペッパー・ポッツの次作に期待だなw

2016年9月29日 (木)

夢のシネマパラダイス68番シアター:“グローリー・トゥー・ザ・フィルムメーカー”北野武vol.1

HANA-BI

Hanabi 出演:ビートたけし、岸本加世子、大杉漣、寺島進、渡辺哲

監督・脚本:北野武

(1997年・日本・118分)WOWOW

評価★★★☆/70点

内容:逮捕劇の失態から後輩を死なせ、同僚の堀部を下半身不随に追いやった刑事の西は、その責務を果たそうとしていた。銀行を襲って得た金を堀部らに渡した彼は、死期の近い妻と最後の旅に出るが、警察とヤクザの双方から追われることに。一方、無気力だった堀部は、絵を描くようになって生きる力を取り戻していくが・・・。ヴェネチア国際映画祭作品賞受賞。

“上手いんだけども、美味いとは言えない・・・。”

映画公開当時、ヴェネチアでグランプリを獲ったことでイの一番に劇場に走ったのだけど、えっなんでこれが賞獲るん?と面食らってしまったことを覚えている。

つい先日久方ぶりに見たのだけど、時間軸をズラした編集だとかモンタージュの使い方、省略の妙、またサイレントのパントマイムでも見ているような言葉を交わさない夫婦の道行きの情景など映画のつくりとしては本当に上手いし、ラストの「ありがとう、、、ごめんね、、、」という、映画の中で妻が発した唯一の言葉と打ち寄せる波の音にジィ~んときてしまうのも確かで、賞を獲る獲らんは別にして映画としてはかなり良く出来てるということだけは再認識できた。

しかしだ。

そういう映画的な上手さはあるんだけど、それが自分の中で美味さとして伝わってこないのが玉にキズで、やはり自分にとっては何かもうひとつ味が決定的に足りないのだ。

なんというか「花-美」じゃなくて「HANA-BI」になっているように、日本じゃなくて外国にある日本料理屋ってかんじで、あっちの人には受けるような味になっているというか・・・。

ギリギリの間が作り出す乾いた暴力と死への焦燥、、、「死」というものに対するあまりにも冷めた視線がどうも肌に合わないというのもあるし。なんかね

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Dolls ドールズ

R031031 出演:菅野美穂、西島秀俊、三橋達也、松原智恵子、深田恭子、武重勉

監督・脚本:北野武

(2002年・松竹・113分)シネマヴェーラ渋谷

評価★★★★/80点

内容:近松門左衛門の「冥途の飛脚」の出番を終えた忠兵衛と梅川の人形が何かを囁きながら静かに遠くを眺めている・・・。結婚の約束を交わしていながら、社長令嬢との縁談が決まった男と、その男に捨てられたショックで自殺未遂の末、記憶喪失に陥ってしまう女。年老いたヤクザの親分と、彼をひたすら待ち続けるひとりの女。事故で再起不能になった国民的アイドルと、彼女を慕い続ける盲目の青年・・・。残酷な運命に導かれた3つの愛の物語を、文楽の人形を語り部に、美しくそして切なく描いたラブストーリー。

“浄瑠璃。正直いうと何それ?人形。NHKでやってた三国志の?文楽。三遊亭?Dolls。すごく良くない?、、こんなんでいいのか?”

マメミムメモマメミムメモマメミムマジカルビームマメミムメモマメ、、耳から離れない。こんなんでいいのか?

冗談はさておき、って冗談じゃないんだけどねホント、、奇しくも北野映画で1番好きな映画になってしまったりして。。たしか監督はベネチアで、これは好き嫌い分かれる映画だと言ってたけど、どうやら自分の肌には合っていたらしい。

ではどこが?と言われると、、う~ん、、全体的にとか抽象的な言葉になっちゃうんだけど。なにせホントに浄瑠璃とか文楽の世界はほとんど知らないから、監督がこの映画でやりたかったことというのが大雑把にしかつかめないわけで。。

まぁ、道行きくらいは知ってるし、浄瑠璃に出てくる人形と登場人物を重ね合わせて描いているということくらいは菅野美穂の歩き方ひとつとって見ても一目瞭然で分かる。しかし、その真に監督の意図するところまでたどり着けなかったというのが正直なところで。はたしてこの映画の終着地点にあるものを例えば究極の愛という言葉で単純に呼んでいいものかどうか、それすら自分の中では解しきれていない。

では、この映画の何が自分をそこまで引き込ませてしまうのか。

そもそも究極の愛とは何かと考えてみると、女にとっては男が浮気をしないこと、男にとっては女が年を取らないことに行き着いてしまうと思うのだが、そうやって見るとこの映画はその法則をしっかり踏襲している気はする。

西島&菅野コンビでは、赤い紐で結ばれているわけだから男は浮気できないし、ラストで死んじゃうから年の取りようがない。三橋&松原コンビでは、撃たれて死ぬ&どこかイカレちゃって時が止まったままということで成立。深キョン&追っかけ男コンビでは、アイドルは年を取らないことと男が自分の目を潰してしまったこと&車に轢かれたかなんかして男死亡ということで成立、ということには一応なる。

とにかく究極の愛=死という図式は往々にして成り立つし、死というキーワードは避けて通れないものである。

しかし、ここでやっかいな問題にブチ当たる。

北野武は“死”を描くのが好き!という問題に。

北野映画において“死”というのは同じく避けて通れないものである。しかもその“死”の描き方は非常に暴力的かつ非常に乾いた描き方である。空虚な拳銃の音で“死”を表現してきたといっても過言ではないだろう。

その北野映画が道行きや情死に代表されるような男女の死をはたして描けるのか。北野映画に出てくるヤクザものとは違うんだぞってことを分かってんのかなぁという不安は、この映画を見ている間もあった。

だって相も変わらずヤクザ出てくるし・・。えっ、なんでヤクザなの?みたいな。

、、が、ゴメンなさい。全くの杞憂でした。

まず、明確な道行きの場面を描いているということと、北野映画には死がつきものという自分の中に刷り込まれた常識によって死者の世界、黄泉の世界への入り口をいやが上にも垣間見てしまう感覚が肌にヒリヒリと伝わってくる。自然の美しさに息を飲むというよりも、肌にヒリヒリ伝わってくるようなこの感覚に息が詰まりそうというのが正直なところ。

そういう点でいえば、佐和子(菅野美穂)の見た悪夢で、祭りの帰りに男たちに引きずられ、おそらく暴行を受けているであろうシーン、しかも遠景ショット、が描かれていたのは自分自身の息が詰まりそうな気持ちを代弁してくれたという意味でもまさに的を射た描写であった。

また、筆致が「あの夏、いちばん静かな海」により近く、その筆致がブレない範囲で“死”を描いてくれた。三橋親分の死は赤い一片の紅葉によって、追っかけファンの死は警察によって洗い流されていく赤い血と、幻のごとく浮かび上がってくる彼の姿によって表現される。

おもわず唸ってしまうような描写であった。

そして西島&菅野コンビだが、うわっと思ってしまうほどの唐突さにビックリはしたけど、なるほどなという収め方。オープニングが浄瑠璃を上演している舞台ならばラストのカットも舞台、しかも壮大な舞台装置、で幕を下ろしたというのは上手いと思った。

ようするに、映画を彩っていた息もつまるような死の感覚と柔らかな死の描写に引き込まれ、またそれに感心あるいは感嘆までしてしまったわけである。

でも待てよ。ヤバクないかこれって・・・。

死への憧憬を抱いてしまうなんて。あまりにも美しすぎるがゆえの、あまりにも北野映画の常識にとらわれてしまっている自分自身ゆえの。本当はとてつもなく残酷なはずなのに。

やはりどうも自分は監督が設けた終着地点とはかけ離れたところに不時着してしまったらしいし、自分がなんとかたどり着いた地点の相当先を北野武という監督は進んでいるらしい。

こりゃまだまだ北野映画とお付き合いしていかないとダメらしいや・・・。

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監督・ばんざい(2007年・日本・104分)WOWOW

 監督・脚本:北野武

 出演:ビートたけし、江守徹、岸本加世子、鈴木杏、吉行和子、宝田明、内田有紀

 内容:ギャング映画を得意とする映画監督キタノ・タケシは、ある時、ギャング映画を封印することを宣言し、これまで撮らなかったタイプの映画に挑戦することにする。そして、小津映画風、昭和30年代もの、ホラー映画、恋愛映画、時代劇、SFなどに挑むが、ことごとく途中失敗に終わってしまう。そこでキタノ監督は最後の切り札として、詐欺師の母親が、政財界の大物の息子らしき男に娘を嫁がせようとするコメディを撮ることにするが・・・。

評価★★☆/50点

江守徹や吉行和子をはじめとして豪華役者陣が芸人ビートたけしのグダグダなネタ見せのためだけに放り投げられている惨状を見せつけられて、いったい何がおもろいねん!という一言に尽きるんだけど・・・。

「座頭市」という定型的なフォーマットを与えられた中で興行と評価両面で成功を収めてしまったことによる反動であることには違いないんだろうけど、この映画はそういう定型的なフォーマットをおバカにぶち壊してしまうことで、自分を枠の中に押し込めようとする人々の野望から映画作家“北野武”を取り戻そうとするためのリハビリ映画といえばいいだろうか。

でも、そんなん見せられるこっちの身にもなってみろってんだバカヤロー(笑)。

いや、まぁ前作よりは元気そうでなによりなんだけどさ。。

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アキレスと亀

0809_01 出演:ビートたけし、樋口可南子、柳憂怜、麻生久美子、中尾彬、伊武雅刀、大杉漣、大森南朋

監督・脚本:北野武

(2008年・日本・119分)CS

内容:裕福な家庭に生まれた真知寿は絵を描くのが好きで、画家になる夢を持っていた。しかし、ある時父の会社が倒産し、両親が自殺したことで環境が一変。辛く孤独な少年時代を送ることになる。青年となった真知寿は、働きながら美術を学び、さらに彼の才能を信じて疑わないただ一人の理解者・幸子と出会い、結婚する。しかし、その後も画家としての芽が出ない日々が延々と続いていき・・・。

評価★★★/65点

北野作品では久々のストーリーものだと思うんだけど、真知寿の少年時代、青年時代に関してはなかなか抑えたタッチを見せていたのに、中年時代にたけしが出てきた途端にそれまでのつながりが途切れてしまったような違和感がありありでイマイチ。

だって、柳憂怜がどうやって金髪のたけしになるのかということだけでもつながりなんてあったもんじゃないだろう。

はっきりいってたけしと大杉漣を入れ替えた方が断然良かったと思う。

ただ、それでも「死」が異様なまでに横溢しているこの映画の求心力はハンパなく、その点で北野武はやはりれっきとした映画作家なのだと思い知らされるのもたしかだ。

ところで、ラストの“ついにアキレスは亀に追いついた”という答えの意味するところを考えてみたのだけど。

まず、前方からスタートした亀に後方からスタートしたアキレスは永遠に追いつけない、なぜなら亀のいる地点にアキレスが来たとき亀は少し先まで進んでいて、さらにその位置まで来ても亀はさらにその少し先まで進んでいるからだ、というパラドックス自体をコーラ缶を蹴り飛ばすように一蹴していると考えてみる。

すると、そもそもアキレスの目標設定が常に亀のいる地点に置かれていること自体がおかしいとするならば、真知寿のそれは先人のオンリーワンに対する模倣に模倣を重ねるスタイルからの脱却、つまりは自分の自分にしかできない道というのをようやく見つけたということではなかろうか。

それは、妻とともに生きる道であり、通俗的な画商の言葉から決別し、売れようが売れまいが自分のやりたいようにやる道。つまり、たとえ画家になる夢を追うのを諦めたとしても妻とともに自称ゲージツ家を続ける道だ。

死をモチーフにしてまでも結局創造と独創の果実を勝ち得ることができなかった自分の才能の限界を認識した上で、一度は見放しながら再び迎えに来てくれた妻とともに新たなスタート地点に立ったのだ。

真知寿の作品(といっても道に転がっていたさび付いたコーラの缶)を初めて「それください」と言ってくれた(初めての買い手になった)のは妻であり、少年時代、真知寿を親戚の家に預けたまま必ず迎えに来るという約束を反故にして自殺してしまった母とは対照的に、「一緒に帰ろう」と迎えに来てくれたのも妻であり、、、たった一人の真の良き理解者の存在を再認識した真知寿はその時点ではじめてゲージツという名の呪縛から解き放たれたのだ。

親以外に真の良き理解者を得るなんて、そんな可能性みじんもない自分からしたら、なんて羨ましいんだって思うよ(笑)。

真知寿はゲージツには負けても人生には勝ったといえるのかもね。

しかし、このお話を監督本人に重ね合わせるとするならば、「Takeshi’s」「監督ばんざい」と今回の3作の迷走を経て、自分のやりたいようにやると脱皮した監督が次作どんな吹っ切れた作品を送り出すのか。。

振り子のふり切れた死の想念を焼きつけられるのかと思うと恐くて仕方がない・・・。

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龍三と七人の子分たち

7187fde2a6098d813bdc8c3cc31c94a7出演:藤竜也、近藤正臣、中尾彬、品川徹、小野寺昭、安田顕、矢島健一、下條アトム、勝村政信、萬田久子、ビートたけし

監督・脚本:北野武

(2014年・日本・111分)WOWOW

内容:かつて“鬼の龍三”と恐れられた70歳の元ヤクザも、引退した今では息子家族のもとで肩身の狭い毎日を送っていた。そんなある日、オレオレ詐欺に引っかかった龍三は、その裏に暴走族あがりのチンピラが幅を利かせる“京浜連合”の存在を知る。若いもんに勝手な真似はさせられねぇ!と立ち上がった龍三は、昔の任侠仲間を呼び集めて“一龍会”を結成し、京浜連合成敗に立ち上がるが・・・。

評価★★★/65点

緊張と緩和の振り子がカタルシスを生み出す北野映画独特の作劇から緊張だけを取っ払ったようなかんじで、良くいえばマイルド、悪くいえば締まりがなくてやや味気ない。

これはつまり、映画風の北野武とテレビ風のビートたけしの振り子から後者の方にベクトルを置いて見せたということだろう。

しかし、カミソリのような狂気性が鳴りを潜めすっかり丸くなり、モンスター老人を批評するような真っ当なご意見番になってしまったビートたけしははっきり言って古臭くなっているのはたしかで、あくまで映画を見ていたい自分にとっては北野武の絵がない寂しさがツライところ。。

まぁ、演出の手際の良さは毎度のことながら冴え渡っているだけに、題材の真新しさがないぶんコントのお約束の寄せ集めにしか見えないのは何かもったいない気がした。

藤竜也をはじめとするご老体どもはいい味出してたし、音楽も良かったんだけどねぇ。。

2016年1月 2日 (土)

夢のシネマパラダイス487番シアター:P.S. I LOVE YOU

her/世界でひとつの彼女

24036_l出演:ホアキン・フェニックス、スカーレット・ヨハンソン(声)、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、オリヴィア・ワイルド、クリス・プラット

監督・脚本:スパイク・ジョーンズ

(2013年・アメリカ・126分)WOWOW

内容:近未来のロサンゼルス。他人に代わって手紙を書く代筆ライターのセオドアは、妻キャサリンと離婚調停中。そんなある日、最新の人工知能型OSを購入したセオドアは、さっそくPCにアップデートする。すると起動した画面からサマンサと名乗る女性の声が話しかけてきた。実体はないものの、ユーモラスかつセクシーでバイタリティーに満ち溢れるサマンサに魅了されたセオドアは、毎日会話を重ねていくうちに恋に落ちていくのだが・・・。

評価★★★/65点

腕時計、メガネ、リストバンド、指輪など身につけられる次世代の携帯機器として注目を集めるウェアラブル端末。コンピューター技術を“身につける”ことが現実的になった今、ハード・ソフトともに進化していき、社会に定着し生活を変えていくであろうことは想像にかたくない。

その点で本作を見ると、インナーイヤホンをつけて超小型モバイルPCと会話方式で通信し様々な機能を利用できることをはじめとして、あと5年後10年後には実現しているんじゃなかろうかと思える手の届きそうな近未来社会が描かれ、違和感なく映画の世界に入っていくことができる。

その意味で人工知能を搭載した次世代OSに恋をするというのも、主人公となるプレイヤーが異性のキャラクターと恋に落ちる恋愛シミュレーションTVゲームを一歩進めたような未来設定であり、これまた将来ありそうかもと思わせてくれる。

しかし、肝となるのはコンピューターに自我があるという点なんだけども、その発想と着眼点が視覚情報を完全に遮断した会話劇以上の何か、新次元の驚きに導いてくれたとはいいがたく・・・。

要はテレクラとかチャットと変わんないよねっていう

果てはデリヘル呼んで3P!?っていうのもオタクの妄想としてありがちだしw

まぁ、サマンサはもともとユーザーの好みに最適化されたOSなだけに、理想の恋人と思い描いた通りの恋愛ができるという、いわば二次元恋愛の妄想の具現化といえるわけだけど、自我をもったサマンサがユーザーの束縛から自立していくのは納得のいく展開ではあるんだけどね。。

ただ、非モテ男子の自分からすると、サマンサが自分の他に640人の彼氏がいるとかってかなりショックで(笑)。

それだったら、自分に一途になったサマンサが最恐の電脳ストーカーになるホラー話の方がよっぽど見たかったかなぁww

さて、ところでサマンサ役で声だけ出演のスカヨハの評価がすこぶる高かったそうだけど、吹き替え好きの自分はそっちの方で見たのでスカヨハのセクシーなハスキーボイスに触れることはできなかった。

でも、吹き替え版の方のサマンサもめちゃくちゃ良くて。落ち着いた大人の女性のしっとり感と色気たっぷりの包容力にメロメロになって妄想力も大開放!

で、声をあてたのが林原めぐみだと知ってまたビックリ。綾波レイがアラサーになるとこうなっちゃうんだっていうw

いやぁ、こういう声だったら自分もこの次世代OS欲しいわ。

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ロング・エンゲージメント

013 出演:オドレイ・トトゥ、ギャスパー・ウリエル、ジャン=ピエール・ベッケル、ドミニク・べテンフェルド

監督・脚本:ジャン=ピエール・ジュネ

(2004年・フランス・133分)MOVIX仙台

評価★★★/65点

内容:時は第一次世界大戦。故意に負傷しサボタージュを図ったという罪で5人のフランス兵が軍法会議で死刑を宣告された。その中にはマチルドの幼なじみの婚約者マネクの名も。しかし、マチルドは「マネクは絶対に生きている」と直感し、私立探偵を雇い、彼の捜索を続けるのだった。。

“冒頭でいきなり電話線に足を引っ掛けてズッ転んだ自分は、置いてきぼりをくらってペースをつかむことができないまま鑑賞を終えようとしていた。。”

戦争のリアリズムと“アメリ”ファンタジーが共存した映像美と、これはフランス版「初恋の来た道」だという自分の直感だけを頼りになんとか見続けていたわけで、それはもはやヤケのやんぱち状態といってもよかった。

その中でかろうじて抱いた感想は、戦争を舞台にしたミステリー仕立てという今まであまり味わったことのない題材に、ある種の戸惑いと違和感を覚えてしまったということと、弾が飛び交う戦場という残酷なまでのリアリズムを軽く凌駕してしまうマチルド=オドレイ・トトゥワールドの不思議な魅力しか印象に残らなかったということだ。

しかし、この彼女の一途な魅力がなければ2回も劇場に足を運ぶことはなかっただろう。

そして、2回目の鑑賞と相成ったわけだが、登場人物の顔と名前が一致して話についていきながらミステリーの謎解きも理解できるに至っても、やはり1回目のときに抱いたのと同じ感想しか持てなかったのだった・・。

なんと言えばいいのか、うまく言葉が浮かばないが、同じような映画で「戦火の勇気」はフツーに何の違和感もなく見られるのに、略してロンゲーの方には違和感を抱いてしまうわけで。

人物が複雑に入り乱れてわんさか小道具が出てくるわりに、フタを開けてみれば何てことはないミステリーだったし、そもそものところミステリーにする必要があるのかという疑問も湧いてきてしまう。

なにか複雑にこんがらかった糸をただ単に一本に引き伸ばしただけで、知恵の輪を外す時のような発想の転換、角度の転換といった醍醐味が感じられなかったのが大きいのかもしれない。

一見無秩序に配置された人物たちがマチルドの直感の糸で結ばれていく様は、まるで紙の上で始点と終点を鉛筆で線を引き、その線上に後からなぞっていくような、そんなインチキ臭さを覚えてしまった。

しかし、このインチキ臭さをマチルド=オドレイ・トトゥの不思議で圧倒的な存在感とピュアな魅力が完全に消し去ってしまっているのがなんともズルイ。

しかも、、、それにまんまと取り憑かれてしまった自分は思ったほどイヤなかんじはしなかったわけで、いやそれ以上に爽快かつ心が暖まる余韻でもってこの映画を見終えたのがまたなんとも不思議でならないのだ。

しかし、また見たいかと言われれば、、、うーむと黙りこくってしまう以外にない自分がいて、二律背反にさいなまれてしまっている・・。こういうのを本当の意味で、良くもなく悪くもなくと言えばいいのかな。。

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エターナル・サンシャイン

Eternalsunshine2704regus 出演:ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、キルスティン・ダンスト、マーク・ラファロ

監督:ミシェル・ゴンドリー

(2004年・アメリカ・107分)DVD

評価★★★★/80点

内容:バレンタインを目前にしたある日、ジョエルの元に謎の通知が届く。それは、喧嘩別れした彼女クレメンタインが彼の記憶をすべて消してしまったというものだった。別れの辛い気持ちを体験するくらいなら、最初から出会わない方が良かったのか?彼は自分も彼女の記憶を失くそうと、記憶除去を専門とするラクーナ社を訪れるが・・・。記憶の中に残る共に過ごした日々を辿っていくユニークなラブストーリー。アカデミー賞で脚本賞受賞。

“この映画の両輪が逆回転しているように見えたのは、実は目の錯覚だった。そう、高速で回転している車のタイヤを見たときのように。”

逆回転しているように見えたが、実は前に進んでいたんだね。

再スタートというやり直し地点に立ったジョエルとクレメンタイン。しかし、その再スタート地点は最初のスタート地点よりもはるか前方に進んだ地点に確かにあった。

重層的にまとめられているようで、何ものにも侵すことのできない愛と想いの強さという一本太っとい芯が通っているのがこの映画に絶妙なバランスをもたらしていた。

文字通りどこから見ても逆回転したままの「メメント」はもう見ることはないだろうし、見る気も起きないが、この映画は同じ逆回転でもまた見てもいいと思わせてくれる映画だ。

運命の赤い糸に導かれて・・・。

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キューティ・ブロンド(2001年・アメリカ・96分)NHK-BS

 監督:ロバート・ルケティック

 出演:リース・ウィザースプーン、ルーク・ウィルソン、セルマ・ブレア、マシュー・デイビス

 内容:大学一の人気者エルは明るいブロンド美人だが、ブロンドゆえ恋人にフラれてしまう。エルは「金髪は頭が悪い」というレッテルを解消しようと猛勉強し、ハーバードのロー・スクールに進むが・・・。

評価★★★/65点

一貫して偏差値40で描かれたエル。しかし彼女の人間力は痛快なまでのオンリーワンだった!

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幸せになるためのイタリア語講座(2000年・デンマーク・112分)NHK-BS

 監督・脚本:ロネ・シェルフィグ

 出演:アンダース・W・ベアテルセン、ピーター・ガンツェラー、ラース・コンルード

 内容:コペンハーゲン近郊の街。それぞれの事情で日常に疲れていた独身男女6人が、週1回のイタリア語講座で出会い、次第に人生と恋への希望を取り戻す。。ベルリン映画祭で銀熊賞ほか全4部門を受賞。

評価★★★/65点

“結局、髪切ってくれない美容師さん。。”

6人の男女の痛みや喪失、愛を描いた物語がやや散文的な乏しさで語られちゃってて、ハンドカメラの効用がやや意味のないものに陥ってしまっているのは否めない。

でも、中年オジさんオバさんたちが幸せになるために悩み傷つき孤軍奮闘する様は見る側の心にもちゃんと迫ってきた。

やっぱ恋しないとな、オレ・・・

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ウィンブルドン(2004年・英/仏・99分)WOWOW

 監督:リチャード・ロンクレイン

 出演:キルスティン・ダンスト、ポール・ベタニー、ニコライ・コスター=ワルドウ、ジョン・ファブロー

 内容:「ブリジット・ジョーンズの日記」の製作陣が手がけたロマンチック・ラブストーリー。テニス選手としてのピークを過ぎたピーターは、引退を決意。一方、リジーは将来が有望視される上り調子の若手プレイヤー。テニスの聖地ウィンブルドンで2人が出会ったとき、恋の天使が微笑み、運命が動き出す!

評価★★★★/75点

“カジュアルウィンブルドンも悪くない。”

小・中・高とテニスをやっていた自分から見ると明らかに試合シーンは作りもの感が強いのがありありで、あくまでも“らしく”見える程度でしかない。

しかし、その“らしく”見せる演出がまるでラケットの真芯に当てて最適なコースに打ち返すかのごとく的確にツボを押さえていて、受け止める方の自分は、作りもの感に辟易してしまうどころか、ウィンブルドンのセンターコートで固唾を飲んで観戦している感覚にさえなってしまう。そこが凄く上手いと思う、この映画は。

曇天と格式のウィンブルドンを、降りしきる雨でさえも明るいリズムで弾けてしまうほどカジュアルに描いたことには最初は少々面食らったけど、ポール・ベタニー&K・ダンストのキャラクターも相まって非常に楽しく見ることができた。

それにしてもテニスでも試合前のエッチ問題ってあるんだね。。おいおい・・

いや、サッカーのW杯って1ヶ月間くらい開催期間があるじゃん。そしたっけ南米のとある強国で、規律に厳しい監督が選手たちの奥さんを同伴させることを禁止したの。そしたら選手たちが鬱憤たまり過ぎて試合でいいパフォーマンスが出なくて敗退。これを教訓にその国は奥さんも派遣することにしたというウソのようなホントの話。

いや、どうでもいいんだけどね、こんな話(笑)。。

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