夢のシネマパラダイス340番シアター:人間を引き裂いていく戦争
蟻の兵隊
監督:池谷薫
(2005年・日本・101分)CS
内容:終戦当時、中国山西省にいた日本兵のうち約2600名が中国国民党軍に編入させられ、共産党軍との内戦参加を強要され中国に残留していた。やがて帰国できた彼らを日本政府は脱走兵とみなし、恩給資格を剥奪、日本軍司令官と中国国民党軍との間に密約があったという残留兵たちの主張を退けていた。残留兵として中国内戦を戦った奥村和一らは、戦後補償を拒み続ける国を相手に裁判で今も闘い続けている・・・。そんな奥村老人にカメラを向け、真相解明に奔走する姿を追ったドキュメンタリー。
評価★★★★/80点
戦争において加害と被害は合わせ鏡のように表裏一体でつながっており、その両面から見なければ戦争の何たるかは見えてこないとはよくいわれる。
しかし、その中で、唯一の被爆国として激烈な被害をこうむった一方、アジア地域に多大の加害を与えた日本において、加害の記憶というのはスッポリ抜け落ちてしまっているといわなければならない。
映画なりドラマなり加害というのを真正面から捉えた作品というのはついぞ見たことがないのだから。
その点で、中国で戦った日本兵・奥村和一を通してあの戦争の加害と被害を両面から見据えることになったこのドキュメンタリー映画を見れたことは、自分にとっては重く貴重な映画体験になったと思う。
補聴器を付け、杖をついた老人が語る生々しい記憶と「殺害現場」を訪れる記憶の道程には息をのむ思いがしたけど、その中でも、処刑した中国人の息子さんに贖罪の思いで面会した奥村氏が、一転して旧日本兵としての顔を垣間見せる場面は圧巻だった。
戦時中の軍事教育がいまだに身体の中に残っているのだ、と言う奥村氏の言葉には衝撃を受けたけど、戦争というのは人間を人間でなくすものなのだということをまざまざと実感させられた映画だったと思う。
オイラの父方の祖父は、シベリア抑留を経験し、祖母は満州から1年半もかけて命からがら日本に引き揚げてきたと聞いたことがあるけど、本人の口からは詳しいことを聞くことなく祖父は亡くなり、祖母は寝たきり状態。
ただ、祖父が抑留時につづった日記が遺品としてあって、でもロシア語で書かれていて内容が分かんないんだよね。親父は常々、誰か翻訳してくれる人いないかなって言ってるけど。
戦後60年以上経って薄れゆく戦争の記憶、祖父母世代の孫にあたるオイラにして既にバトンが渡っていない状態なのだから、どんどん風化していってしまうんだろうな・・。
せめてこういう映画やドラマを見て戦争について知っておかないと。。
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プラトーン
出演:チャーリー・シーン、トム・べレンジャー、ウィレム・デフォー
監督・脚本:オリヴァー・ストーン
(1986年・アメリカ・120分)NHK-BS
評価★★★★/80点
内容:アカデミー賞で作品・監督賞など4部門を受賞したオリヴァー・ストーンの話題作。1967年、両親の反対を押し切って志願してベトナムへやって来たクリスは、最前線の戦闘小隊(プラトーン)に配属される。苛酷な環境と過度の緊張が彼の精神をぼろぼろにしていく中、班長のエリアスだけは彼に優しく接し、無益な殺人にも反発を感じている。隊長のバーンズ軍曹はエリアスとは対照的に冷酷無比な男で、2人はことあるごとに対立を繰り返していた・・・。
“オリヴァー・ストーン爆死!!”
戦場の3大要素である虐殺、略奪、レイプをジャングルの蒸し暑さとともにまるでやけのやんぱちのごとく描ききったオリヴァー・ストーン。
彼のマグマのような熱い情熱に彼自身の理性もちょっと壊れちゃったんじゃなかろうか。そうじゃないとたった54日間でこの映画撮れないだろフツー。
どうりで映画にチョイ役で出てきたと思ったら速攻で爆死しちゃうわけだ(笑)。
いや、オリヴァー・ストーン、オイラは認めるよアンタのこと。
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パール・ハーバー
出演:ベン・アフレック、ケイト・ベッキンセイル、ジョシュ・ハートネット、キューバ・グッティングJr.、アレック・ボールドウィン、ジョン・ボイト
監督:マイケル・ベイ
(2001年・アメリカ・183分)MOVIX仙台
評価★★/40点
内容:第二次世界大戦直前のアメリカ。兄弟同然に育ったレイフとダニーは少年の頃からの夢でもあるアメリカ空軍のパイロットに志願する。視力検査で引っ掛かったレイフは担当看護士のイヴリンに嘆願し、なんとか合格の判をもらうことに成功。とともにイヴリンのハートを射止めようと猛烈アタックを開始する。が、1941年、現地時間12月7日・・・。パール・ハーバーは一瞬にして深紅に染まり、戦争は突然の嵐のように彼らの青春に襲い掛かった。
“1億3500万ドルかけて特攻しかけたこの映画にある意味拍手を送りたい。”
まず正直に白状せい。
監督2人おるやろ。そうやろ。そうとしか言いようがないでこれは。オイラの目は節穴じゃなかよ。
日本人として笑っていいものかどうか、、でも笑うしかないっしょこれ・・・。
燃料満タンで飛び立ったと思ったら実は片道とちょっと分しか入れてなくて、あえなく息切れそのままドボンてなかんじ?
おいおい、製作費1億3500万ドルかけて特攻しかけたのかよこの映画は、、、無残やな。
ついでにこれも言っとく。
戦争の罪より、あのオナゴの罪の方が身近で恐いよ。。。
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カジュアリティーズ(1989年・アメリカ・113分)Video
監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:マイケル・J・フォックス、ショーン・ペン、ドン・ハーベイ、ジョン・C・ライリー、ジョン・レグイザモ
内容:1966年、ベトナムの戦場で上官、同僚の4人がベトナム人少女をレイプし射殺するのを目撃した兵士エリクソン。基地に戻った彼は上官らを告発するが・・・。
評価★★★/65点
良く言えばこういう映画をちゃんと作れてしまうアメリカの懐の深さ。悪く言えばいまだに独善を振りかざして世界で罪を犯しまくっているアメリカ、いいかげんやめれ。
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さよなら子供たち(1987年・仏/独・103分)NHK-BS
監督・脚本:ルイ・マル
出演:ガスパール・マネッス、ラファエル・フェジト、フランシーヌ・ラセット
内容:12歳のジュリアンは、パリ郊外のカトリック寄宿学校に疎開している。そこへ3人の転校生がやって来るが、彼はそのうちの1人ジャン・ボネのロッカーをこっそり覗き、ジャンがユダヤ人だと知る。寄宿生活を送るうちに、ジュリアンとジャンは次第に親しくなるが、料理番がゲシュタポに密告し、ジャンら3人の転校生と彼らをかくまった神父が連行され、学校は閉鎖されてしまう・・・。ナチス占領下のフランスを舞台に、子供たちの友情が戦争に巻き込まれていくさまを描いた、ルイ・マル監督の自伝的ともいえるドラマ。ヴェネツィア国際映画祭作品賞受賞。
評価★★★★/75点
“映画を珠玉の価値にまで一気に高めた永遠のラスト。”
少年の瞳に永遠に刻みつけられた別れと光景。
散発的でつながりもまとまりもなかったエピソードの数々の積み重ねが、ラストの少年の表情により一気に意味をもったものになった。
ラストのカットだけはルイ・マルも対象に相当肉薄して思い入れを込めて撮ったと思う。凄いよあの演技は。
ラストを際立たせるがための淡々描写に徹したといえるのかもしれない。
誰かが殺されるわけでもない、戦場でもない。
でも戦争の影、それは人間が隠し持っている憎悪や恐れと不安、が着実に普通の日常生活に侵食してくる。淡々とした画面の節々にそれらがトゲのように突き刺さっていくのが感じられ心が痛くなった。
「蝶の舌」のラストも強烈さと静寂さの中で永遠に刻みつけられたラストとなっているが、この映画もそういう表現がピタリと当てはまるような強いインパクトを残したと思う。





















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