夢のシネマパラダイス502番シアター:南極物語
南極物語
出演:高倉健、渡瀬恒彦、萩野目慶子、夏目雅子、岡田英次、山村聰、15匹のカラフト犬
監督・脚本:蔵原惟繕
(1983年・東宝・145分)WOWOW
評価★★★☆/70点
内容:1958年、南極探検隊の第1次越冬隊で犬係を務める潮田と越智は、15匹のカラフト犬を鎖につないで残したまま昭和基地を後にしたが、悪天候で第2次越冬隊員が送り込まれず、犬たちは置き去りとなる。帰国した潮田は犬の飼い主に謝罪して歩くが、犬を見殺しにした彼らに世間の目は冷ややかだった。が、その頃南極では、8頭の犬が首輪からの脱出に成功していた・・・。
“犬好きの聖地、それは小さい頃にこの映画を見たときから南極だと信じ込んでいた・・・”
が、数十年ぶりに見返してみて、実は犬好きにとってのアウシュビッツだったということが分かって愕然とした。
子供のときの記憶って、いいようにすり替えられるんだなぁ(笑)。こんな暗くて重たい淡々とした映画だったっけ・・。
なんか犬がちゃんとしゃべって物語を進めていくマンガ本の方の記憶と混同しちゃってるらしい。
でもオーロラのシーンは子供心にゾッとしたことがありありと甦ってきたけども、そのくらいかなぁ当時の記憶と見事にダブったのは。
とにかくちょっといろいろな意味でショックだったかも。。
ただ、大空撮の多用をはじめとして映像のリアリティと本気度は今見ても凄くて、キャストスタッフそして犬たちの健闘には頭が下がる思いです。
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南極料理人(2009年日本・125分)WOWOW
監督・脚本:沖田修一
出演:堺雅人、生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補、西田尚美
内容:海上保安庁の調理人・西村は第38次南極観測隊の調理師として南極ドームふじ基地に1年以上派遣される。そこで7人の隊員の胃袋を満たすべく奮闘する西村であったが、平均気温-50℃以下という陸の孤島しかも男しかいない過酷な環境の中で隊員たちのフラストレーションは溜まっていく一方なのだった・・・。
評価★★★★/80点
南極基地で越冬隊員たちの食事を朝昼晩毎日作るって、こんな地味ィ~なお話がはたして映画になるのだろうかと思ったんだけど。
しかし、どんなテイストなのか皆目分からずに恐る恐るフタを開けてみたら、これが今まで味わったことのないような摩訶不思議な、しかしすこぶるやみつきになりそうな美味で、幸せな満腹感に浸れることができた。
気温マイナス54℃という、動物はおろかウイルスさえ生存できない真っ白な地に舞い降りたオッサン8人組。
太陽が4ヶ月も上らないような“地球最後の日”に誰がすき好んでむさっ苦しいオッサン共と過ごしたいと思うだろうか。1年半も・・・。
そんな網走も遠く足下に及ばない隔絶された酷寒の監獄wという非日常的空間が、次第に人間を圧迫していく様子がユーモラスに描かれていて終始笑いっぱなし
さらにその中で3食の美味しい食事が並ぶ食卓がストレス充満空間を解消していくとともに、非日常的日常を生き生きとあぶり出していく視点も新鮮で面白い。
しかし、この監督って劇場デビュー作らしいけど、控え目な日本人の突発的に暴走する姿、そして微妙な空気感と絶妙な間のアンサンブルはドツボにはまりまくりで、この人の笑いのセンスってズバ抜けてる。
次回作が楽しみッス。
あ、あと触れないわけにはいかないのがジブリアニメのお株を奪うボリューム満点料理の数々。
伊勢エビフライにカニ三昧に肉厚ビーフにフランス料理に中華に、、どんだけグルメやねんww
しかもそのボリューム度がハンパなくてめっちゃ美味そうなのね。実写でこれを撮れたってのはスゴイよ(笑)。
ローストビーフ松明を持っての鬼ごっことかホント笑えて、抱腹絶倒のシュールコメディに舌鼓を打たさせていただきますた
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南極日誌(2005年・韓国・115分)DVD
監督:イム・ピルソン
出演:ソン・ガンホ、ユ・ジテ、カン・へジョン、パク・ヒスン
内容:チェ・ドヒョン隊長を中心に6人で構成された韓国の南極探検隊。彼らは、最低気温マイナス80度、ブリザード吹き荒れる海抜3700mの“南極到達不能点”を目指して歩みを進めていた。残された時間はあと60日で、それを過ぎると南極は半年間闇に閉ざされてしまう。しかし、21日目、80年前に遭難したイギリス隊によって書かれた日誌を発見したことから、彼らに不可解な出来事が立て続けに起こり始める・・・。
評価★★/40点
オゾンホールから直に紫外線受けて頭おかしくなったんちゃうか?
そうとでも考えないと、この中途半端な狂い方は説明がつかんぞw
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南極物語(2006年・アメリカ・120分)2006/03/27・MOVIX仙台
監督:フランク・マーシャル
出演:ポール・ウォーカー、ブルース・グリーンウッド、ジェイソン・ビッグス
内容:高倉健主演の「南極物語」のハリウッドリメイク。
評価★★★★/75点
“ハリウッドの鉄則その1.基本的にアメリカ映画は度を越した人間のサバイバルは嬉々として描けるが、いざ動物、特に犬となると俄然お優しくなる。。”
しかも動物映画の王道ディズニーだもん。
その王道を踏み外さない予想通りの出来上がりで個人的にはスッキリ。
日本のオリジナルの方は淡々と犬たちの悲劇をドキュメンタリータッチで追い続け、申しわけ程度に高倉健の飼い主詫び状めぐりが挿入される。なんか高倉健だけにすごくお硬く不器用な印象というのが強くて。。
それが今回のリメイク版は容易に感情移入できてしまうんだよね。ま、ディズニーお決まりのパターンなんだけども。
しかし、オリジナル版がマイナス30度の冷たさと寒さを厳格に表現していたのに対し、今回のリメイク版はせいぜいマイナス5度くらい・・。
そういう温度差は確実にあったけどディズニー映画の場合はそれでちょうど良いのかもね。。
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