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2020年12月30日 (水)

夢のシネマパラダイス610番シアター:打倒!藤井聡太

3月のライオン前後編

Eyecatch出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果耶、前田吟、高橋一生、板谷由夏、奥貫薫、佐々木蔵之介、加瀬亮、伊勢谷友介、伊藤英明、豊川悦司

監督:大友啓史

(2017年・東宝・前編138分/後編140分)東宝シネマズ日本橋

内容:17歳のプロ棋士・桐山零。彼は幼い頃に交通事故で家族を失い、父の友人だったプロ棋士・幸田の内弟子になり、中学生棋士としてプロデビュー。しかし同じくプロを目指して挫折した幸田の実子である姉弟との軋轢もあり、高校入学を機に幸田家を出て下町のアパートで一人暮らしを始めていた。そんなある日、先輩棋士たちに酔い潰され道ばたでグッタリしているところを川本あかり(倉科カナ)に介抱される。以来、長女あかり、次女ひなた、末っ子モモの3姉妹とその祖父が暮らす川本家との交流が始まる・・・。

評価★★★★/80点

原作漫画ファンとしては、前後編4時間半超のボリュームで実写化してくれた贅沢さを素直に喜びたいところ。

染谷将太のまさかの二階堂をはじめとするハズレのないキャスト陣はもちろん、カレーに唐揚げに卵サラダにという最強のふくふく食卓風景から、見る側にも圧がかかる対局シーンに至るまで違和感がない再現率にはとりあえず脱帽(^^♪

各々が何かしらの枷を背負っているキャラクターもしっかり描けていたし、全体的には好印象だった。

ただ、前編・後編と分けて考えるよりは、4時間半の1本の映画を2つに分けたと見た方がいい作りになっていて、原作エピソードを満遍なく取り込んだ結果、逆に単独で見ると意外に奥行きが感じられない印象はあったかも。。

ここら辺のバランスの取り方は難しいところで、じゃあどのエピソードが不要だったのかといわれると、やっぱどれも必要だなと思うし、それどころか将棋部の野口センパイが出てこないのはなぜだ!?とヤキモキしてしまったくらいだから、まぁこれはこれで良しとしようか(笑)

有村架純の下着姿も見れたしなぁ♪っておいw!

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聖の青春

4d7b2ef5a98eea3ee3bdc69663f95c39d42d36b0 出演:松山ケンイチ、
東出昌大、染谷将太、安田顕、柄本時生、筒井道隆、竹下景子、リリー・フランキー

監督:森義隆

(2016年・日本・124分)WOWOW

内容:広島で生まれ幼い頃に難病を患い入退院を繰り返していた村山聖は、父親から教わった将棋に熱中するようになる。すぐに頭角を現し10代の頃から東の天才・羽生善治、西の怪童・村山聖と称されるまでになり、その後広島から単身大阪へ出て17歳という異例の早さでプロデビューを果たす。やがて、ライバル羽生に追いつくために拠点を東京へ移して将棋に打ち込むが、病魔は少しずつ彼の身体を蝕んでいく・・・。

評価★★★☆/70点

ダウンタウンの松本人志がテレビ番組で、仕事に手ぶらで行って手ぶらで帰ってくる棋士のカッコ良さに憧れると言っていた。

たしかに明晰な頭脳とジッと正座できる忍耐力でもって身ひとつでお金を稼ぐ美学ってなんか分かるなぁと思ったけど、映画を見てプロの世界というのはそんな生半可なスマートさとはかけ離れた壮絶なものなのだということがよく分かった。

全国に数多いるであろう天才少年のさらにひと握りしかプロになれない(基本的に1年に4人しかなれない&26歳以下の年齢制限あり)狭き門のさらにその先に待つ過酷な勝負の世界。

ある者はこう言う。

トップレベルの戦いは、まるで爆弾魔が仕掛けた時限爆弾の装置で複数の配線コードのうちどれかを切れば解除できるという究極の選択を延々やり続けることに似ている、と。しかも、その配線コードは赤か青かの2通りではない。1手打つ指し手の平均は80通りあるといわれている・・😵

そんな神経をすり減らしていく生きるか死ぬかのような戦いを10時間以上も続けていったら、それはもう狂気の世界だろう。

そして、そこに命を削りながら一心不乱に身を置き続けた村山聖という男の生き様もまた常人では計り知れない凄さがあって、なんだか最後は泣きそうになるくらい胸に迫ってくるものがあった。

偏屈で破天荒な外面の悪さとは裏腹な孤独な内面に宿る生真面目さや優しさを、大増量した松山ケンイチが上手く体現していて見入ってしまったし、それ以上に名人羽生善治を演じた東出昌大がスゴイのなんの。将棋を指している時の一瞬一瞬の仕草がホントに羽生が憑依したかのように見える時があって、背中にゾワッと悪寒が走ってしまうくらいだった。

聖×羽生というコントラストが本作のキーワードだったとすれば、松山×東出は今回本当に良い仕事をしてくれたと思う。

81マスの盤上の海にダイブして深く深く潜り込んでいくうちに、「その深淵から戻ってこれなくなるんじゃないかと時々怖くなる時がある」と真顔でつぶやく羽生、その羽生と同じ景色を見るために判断力を鈍らせるわけにはいかないと抗がん剤や鎮痛剤の投与さえ拒否する聖の執念。

その世界を極めた者にしか持ちえない境地といっていいのかどうか分からないけど、2人に近づきがたい畏怖の存在を感じ取って圧倒された。

それに比べて自分のなんとヌルい人生よ・・wちゃんと生き抜こっ!

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