夢のシネマパラダイス6番シアター:青春ガチンコグラフィティ
ちはやふる-上の句-/-下の句-
出演:広瀬すず、野村周平、新田真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、清水尋也、松岡茉優、松田美由紀、國村隼
監督・脚本:小泉徳宏
(2016年・東宝・上111分/下102分)WOWOW
内容:小学生の時に転校生の新&幼なじみの太一と競技かるたにのめり込んだ千早。卒業とともに3人はバラバラになったものの、かるたを続けていれば再会できると信じる千早は、高校でかるた部の創設に乗り出す。そこで同じ高校に進学していた太一と再会し、2人で部員集めに奔走。やがて古典オタクの女子・かなちゃん、小学生かるた全国準優勝の肉まんくん、秀才の机くんの勧誘に成功し、晴れてかるた部が誕生する。そして千早は全国大会優勝という新たな決意に燃えるのだった。
評価★★★☆/70点
上の句★4つ、下の句★3つ。
花びらがひらひらと舞い散る桜並木から始まる映画に悪い映画なんてあるわけがない(笑)。
今作も爽やかな青春映画として魅力ある作品になっていて、運動部のようなむさ苦しさのない和物の文化部を舞台にしながら、ベタなスポ根要素の熱さも加味したバランスの良さはかなり新鮮。
さらに、主人公が競技かるたの試合後に白目をむいて爆睡するというようなチープな漫画的要素も、登場人物の巧みなキャラクター造形とそれを演じる若手俳優陣の魅力も相まって上手く処理されているのも良い。
特に広瀬すずの素晴らしさは今更ながらに実感したかんじ。中でも対戦中の眼光の鋭さは印象的で、それがあっての白目落ちがちゃんとボケとして成立しているので面白く見られるんだよね。
けれど、上の句は団体戦、下の句は個人戦と色分けされてはいるものの、どう考えても1作にまとめられただろうとは思った(笑)。
特に上の句のラストで、かるたはもうやらない!と宣言した新が下の句のメインになるのかと思いきや、あくまでも勝負の土俵に上がろうとしない新がやっとで重い腰を上げるのがエンドロールって、、正直ガックリ。。孤高のクイーンしのぶ(松岡茉優)のキャラが良かっただけにちょっと消化不良・・。まぁ、上の句で描くことはやりきった感がやっぱりあるんだよね。。
でも、かるた部5人のキャラはこの映画最大の“ラッキーボーイ”机くんをはじめ各々個性が立ってて面白かったので、年を経ての続編はあっていいかも。
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おっぱいバレー
出演:綾瀬はるか、青木崇高、仲村トオル、石田卓也、大後寿々花、福士誠治、光石研、市毛良枝
監督:羽住英一郎
(2008年・日本・102分)WOWOW
内容:1979年の北九州。中学校の新任国語教師・美香子は、男子バレー部の顧問を任される。が、キモ部と評される通り、部員たちはバレーボールすらまともに触ったことがなく、エッチなことしか興味がない脳タリンばかり。そんな彼らのやる気を出そうとした美香子だったが、ひょんなことから「試合に勝ったら、おっぱいを見せる」というとんでもない約束をするハメになってしまう。そしたっけ単純バカ部員たちは別人のようにやる気を見せ始め・・・。
評価★★★★/80点
実に清々しい作品だ。
おっぱいを連呼連発しておきながら実に爽やか。しかも「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」をも凌ぐレベルで。。
それはつまるところ第三者(物語の登場人物しかり監督をはじめとする作り手しかり)の悪意がこの映画にはないことに尽きると思うのだけど、とにかくおっぱいを見たいという動機付けオンリーで映画を引っ張っていくバカさ加減は逆にあっぱれ。キモ部とバカにされる落ちこぼれ童貞男子の脳内レベルから逸脱することがない愛すべきおバカ映画である。
しかし、童貞くんでもインターネットでポチッとクリックすればおっぱいを見られる今の世の中ではおっぱいは希望のかたまりにはなりえない。。
その点で橋の下に落ちているしなびたエロ本と11PMしかなかった昭和54年を舞台設定にしたのは大正解!昭和53年生まれの自分は珠玉の名曲をバックグラウンドに懐かしい香りに包まれながら見ることができて幸せですた。
ちなみに自分のノスタルジー心を最も刺激したのは、雨が降ったせいで女子の体操着が濡れてブラがスケスケになっている場面だったことを記しておこう・・。
オトコって単純。ハイ、そうですww
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ガチ☆ボーイ
出演:佐藤隆太、サエコ、向井理、仲里依紗、宮川大輔、泉谷しげる
監督:小泉徳宏
(2007年・東宝・120分)CS
内容:とある大学。安全第一を是とするプロレス研究会に五十嵐良一という学内屈指の優等生が入門してきた。せわしなくメモを取りながら練習に励む五十嵐だったが、肝心の段取りがまるで覚えられない。そんな中、商店街でのデビュー戦で案の定段取りを忘れた五十嵐は掟破りのガチンコファイトをしてしまい、一躍人気レスラーに。しかし、そんな五十嵐には深刻な秘密があった・・・。
評価★★★★/80点
K-1やボクシングは好きで見るけど、出来合いのストーリー性の中で繰り広げられる筋肉ムキムキのエンタメお遊戯ショーにしか見えないプロレスは面白くなくて燃えないから見ない。
そんな自分が初めてプロレスの試合に燃えた。熱く燃えまくった!
司法試験に受かったくせにプロレスの段取りは覚えられなくてカンニングしてしまうというガリガリの五十嵐(佐藤隆太)のキャラがそれ自体コメディとして面白かっただけに、まさかその裏に、眠るとその日のことを全て忘れてしまう高次脳機能障害というシリアスな記憶障害ネタが隠れていたとは思いもよらず・・・。
プロレスのみならず朝起きてからの一分一秒を否が応にもガチンコ勝負せざるを得ない五十嵐の奮闘に、日々のんべんたらりんと生きてる自分が喝を入れられたような、そんな感動を味わうことができた作品だった。
また、記憶障害を単なるあざといダシネタに終わらせずに、真摯かつ妥協なく描いているという点でも、「タイヨウのうた」(2006)で難病ネタを扱いながら丁寧な筆致が印象的だった小泉徳宏監督の演出は今回も健在で好印象。
あとは、やっぱなんといっても佐藤隆太だな。深刻な秘密を覆い隠さんばかりの満面の笑顔は見ていてツラクなってくるほどだったけど、佐藤隆太の長所がうまくハマッたかんじで、ガチの熱演を見せてくれていたと思う。
頭ではなく、身体で覚えた記憶で生きる実感を取り戻そうとする五十嵐のガチンコの生きざま。
はたして自分は生きる実感をしっかり持っているのだろうか。それすらビミョーだ・・
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ウォーターボーイズ
出演:妻夫木聡、玉木宏、平山綾、眞鍋かをり、竹中直人、杉本哲太、谷啓、柄本明
監督:矢口史靖
(2001・東宝・91分)仙台第一東宝
内容:部員が男ひとりという唯野高校水泳部に突如やって来た美人女性教師佐久間先生。すると彼女目当てに男どもがこぞって入部してくるが、佐久間先生は満面の笑みで「シンクロやって文化祭で発表しまーす!」と言い出してしまう。結局それを聞いた男どもはこぞって退部していく。残ったのはたったの5人、、、はてさて。。
評価★★★☆/70点
理屈抜きで面白いです。てか理屈で見たらダメなんですね。
眞鍋かをり先生が「有象無象が寄り集まってるだけじゃない」とおっしゃってたように、こういうのは頭ん中カラッポにして見ないと。どっかのお笑い番組でも見てるかんじで見るのが正解。
要は映画じゃない。記号でしょこれって。さらに言えば、マンガでしょ。この映画でリアリティといったら柄本明くらいなもんだし(笑)。だって竹中直人が出てるっつうだけで予想はつくw
ただ、唯一許せないのは、妻夫木が最後躊躇すること。
お笑い番組で芸人さんが躊躇することなんて普通ないだろー。なのに何で恥ずかしがるんだよ。その後のシンクロ演技で綾ちゃんに堂々と迫ってるくせに。あそこでフツーの心理描写を持ってくるなっつーの。
けどなんだかんだ言ってこういう映画もたまにはイイよね。
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