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2019年10月12日 (土)

夢のシネマパラダイス285番シアター:突撃!隣のマイケル・ムーア!

マイケル・ムーアの世界侵略のススメ

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監督・脚本・出演:マイケル・ムーア

(2015年・アメリカ・119分)WOWOW

内容:映画監督マイケル・ムーアが単身アメリカを飛び出し、星条旗を掲げながら“世界侵略の旅inヨーロッパ”を敢行。各国の良い制度や習慣を略奪してアメリカに持ち帰ろうというのだ。まずイタリアに侵略した彼は、有給休暇が年間8週間もあることに衝撃を受ける。その後も訪れた国々で驚くべき常識を知ることになり・・。

評価★★★★/80点

自己責任と個人主義の弱肉強食大国アメリカと社会責任と連帯主義の弱者救済システムを持つヨーロッパを比較して、アメリカのジョーシキをシニカルかつユーモアたっぷりに糾弾していく構成力はドキュメンタリーの枠を超えた面白さで、マイケル・ムーアのセンスを再認識。

ポルトガルのドラッグ合法とかノルウェーの開放型刑務所とかさすがにそれはどうなの!?というのもあったけど、アメリカ型資本主義一辺倒の日本としては対岸の火事として笑っていられない部分もあったりして、興味深く見ることができた。

その中で、日本でも取り入れなきゃダメだなと思ったのは、スロベニアの大学授業料無料をはじめとする教育費の無償化。少子高齢化でマンパワーが枯渇していくことは目に見えているわけだから、広がり続ける経済格差社会の中で高等教育を受けられないというのはそれこそ国益を損ねることにつながると思うんだけどなぁ。どうも政治家先生たちの頭の中では教育に対する優先度が低いようで・・。

あと、映画の中で紹介された各国の様々な施策が実はアメリカ発祥のものばかりというのは目が点になったところで、行き過ぎた資本主義ははたして人を幸せにするのだろうかと日本の行く先にも不安を覚えてしまった。。

でも、その不安を希望に変えていくには自らが声を上げて立ち上がらなければ勝ち取れないのだというのはちょっと耳が痛くなっちゃった。

権力は隙あらば常に抑圧と搾取を狙っていて、流されるまま無関心でいると知らない間にとんでもなく生きづらい世の中になっているかもしれないってことを肝に銘じなければ・・・。

ハンマーとノミを見えるとこに置いておこうw

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華氏911

9111bigthumb 出演:マイケル・ムーア、頭のネジが2,3本吹っ飛んでいるジョージ・W・ブッシュ

監督・脚本:マイケル・ムーア

(2004年・アメリカ・122分)恵比寿ガーデン

評価★★★★☆/85点

内容:イラク戦争を決行したブッシュ大統領を標的に、同時多発テロ時の彼の行動やブッシュ家とビンラディンの関係などを、痛烈に批判していく。カンヌ国際映画祭でパルムドールと国際批評家連盟賞を受賞。

“マイケル・ムーア流レジスタンス”

この世界を正常にするために小さき自分ができることをひとつ見ーっつけた。

この映画を知人友人に広めたるわ(ベターー)。オレ流レジスタンス。

この映画がカンヌで賞を獲り、アメリカでも大ヒットだったにもかかわらずブッシュは再選されてしまったわけで、あと数年続いちゃうんだこんなのが・・・。でも、ブッシュよ、アンタの政権が終わった後どころかアンタの死後にもこの映画は残っていきますからー残・念!

映画というのは主観が入っていて当然だし、それが例えドキュメンタリー映画といわれるものであっても。そうじゃなきゃ映画じゃないと思うので、この映画のスタンスは個人的には全然OK。ていうかこれとは真逆のネオコン&ブッシュ命映画も作りゃいいじゃん。主観バンバン入れて。それでもドキュメンタリーとしての事実は事実なんだから。

映画てのはそういうもん。だと思う。

この点については「ブラックホーク・ダウン」のレビューでも述べてるのでここではこれ以上突っ込んではいきませんが。

ところで、この映画で1番印象に残ったのは、イラク人の母親とアメリカ人の母親が同じことを叫んだこと。

米軍に家を爆撃され、子供親類を亡くした女性が泣き叫びながらアッラーに救いと復讐を求める、一方でイラクで戦死した息子の死を受け容れられないアメリカ人女性も泣き叫びながら神に救いを求める。

結局は同じ痛みと悲しみ、そして絶望の祈りを捧げなければならない。

んで政治家連中は高みの見物。

そんなに戦争したいなら、「西部戦線異状なし」で出てきたセリフのように、囲いの中に指導者を集めてその中で素手の殴り合いをさせて決着つければええやん。あるいは「トロイ」みたいに、1対1の決闘で勝敗をつけるとか(笑)。え?軍産複合体が許してくれない?

そうだなぁ、、10年に1回デカイ戦争しないと国がまわらないシステムだからねアメリカって。

さぁて、次の標的はどこよ。。。

Posted at 2004.10.04

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ボウリング・フォー・コロンバイン(2002年・カナダ/アメリカ・120分)恵比寿ガーデン

 監督・脚本:マイケル・ムーア

 出演:マイケル・ムーア、アブないマリリン・マンソン、キレてるチャールトン・へストン、人殺しが好きなジョージ・ブッシュ、マット・ストーン(誰だっけ)

 内容:マイケル・ムーアがアメリカ銃社会をなで斬りにし、カンヌやアカデミー賞などで多数の賞を受賞したドキュメンタリー。1999年4月20日、コロンバイン高校銃乱射事件が発生。なぜアメリカでは銃犯罪が多発するのか?ムーアは全米ライフル協会会長のチャールトン・へストンらに突撃アポなし取材を敢行していく。

評価★★★★☆/85点

“あ゛ーーー、また自分にとって知りたくもない余計なトリビアが増えてしまったぁぁ・・。”

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シッコ(2007年・アメリカ・123分)CS

 監督・脚本:出演:マイケル・ムーア

 内容:先進国の中で唯一、国民皆保険制度を持たない国アメリカ。約4700万人が無保険のため高額の医療費を払えず、病院に行くことを我慢せざるをえない状態にある。一方、残りの国民の健康保険の大半は民間の保険会社に委ねられているが、はたしてこれらの保険会社は本当に満足のいく医療を提供しているのだろうか!?アメリカの医療の衝撃の実体が明らかになる。。

評価★★★★☆/85点

“ボランティア大国の裏の顔”

底辺に生きる者への対し方でどんな社会か知れるという・・・。

なりふり構わない規制緩和と市場開放による新自由主義が国民の生命に関わる医療を握ったとき、その行き着く先にあったのは、、、

誰も助けてくれない社会だった・・・。

なんという悲しい現実。

弱者が捨てられていく目を覆いたくなるような惨状に思わず涙してしまった。

しかし、市場原理主義ももちろんだけど、その底流にあるアメリカ人のものの考え方の偏り方にはあっけにとられたというか、、究極の個人主義と自己責任論、そして社会主義はおろか社会民主主義でさえも受けつけない徹底した嫌悪感というのは計り知れないものがあるのだなと思った。根本的に価値観が違うというかね・・。

世界の隅々まで自由と民主主義を行き渡らせようと大変な努力(笑)をしているアメリカ、しかし“私”が“私たち”のために、“持てる者”が“持たざる者”のために物事を考えることができない社会こそ最も危険な恐ろしい国ではなかろうか。

政府が国民を恐れるのではなく、国民が政府を恐れてしまうという“ビョーキ”にかかってしまったら世も末か、、って日本は大丈夫なのだろうか。。

アメリカの年次改革要望書に沿って動いている日本の行く末にあるものとはどんな社会なのだろうか・・・。悪寒が・・

とにもかくにも、この映画を見て感じたのは、医療や教育、介護といった国民生活を最低限保障するサービスに関しては、営利を旨とする民間機関ではなく、やはり国と政府にしっかりしたものを提供してもらわなければならないということ。

もちろん、そのためにはスウェーデンなどのヨーロッパ諸国なみとはいかないまでも、かなりの税負担と社会保険料を代償として払わなければならないだろうけど、払った分だけ国民生活に徹底して還元される社会であればそれも許容できるのではなかろうか。

そのためにも政府が国民を恐れる国、つまり国民と政治が密着し、真の意味で国民が政治を取り仕切る国にならなければならないのだと思う。それが本当の民主主義なのだ。

翻って、日本は、、、

まずはとにかく、民間を参入させて市場開放すれば国民にとっても選択肢が増えて良いという論は医療には当てはまらないということだけはよ~く分かった。

夢のシネマパラダイス91番シアター:インデペンデンス・デイ

Id4 出演:ウィル・スミス、ビル・プルマン、ジェフ・ゴールドブラム、メアリー・マクドネル、ジャド・ハーシュ

監督・脚本:ローランド・エメリッヒ

(1996年・アメリカ・145分)1996/12/31・盛岡中劇

評価★★★/60点

 

内容:7月2日、全米各都市上空に直径24㎞の宇宙船の大群が出現し、人類に攻撃を開始。7月3日、米空軍は反撃するが、事態はさらに悪化。そして7月4日・・・。地球を侵略しようとする異星人と人類との3日間の攻防を描いたSFパニック大作。

“宇宙人が攻めてきたら悪の枢軸とも手を組むわけね。さっすが敵なしではやっていけない性ゆえ、ころっと七変化しちゃう国アメリカよ!”

なにせ自分で武器を供給しておきながら、その供給した国と戦争しちゃう国だもんな。敵を自ら生産し消費、還元するという恐るべき循環サイクルを唯一成り立たせている国だもんな。こりゃお手上げだわ。

ていうかまんまハリウッドそのものに置き換えることもできるんだけどね、、娯楽映画くらいは大目に見てあげましょうかね。

横道はそれくらいにして、この映画そのものは至って単純明快ゆえ見やすく分かりやすい。しかし、それがあだとなって宇宙船の攻撃後は至って鈍重な展開となってしまった。

巨大宇宙船やビル大爆破などのスリルとスペクタクルといったベクトルが後半になると愛国精神はたまた人類皆兄弟、宇宙船地球号といったようなメンタルな面、スピリチュアルな臭っさいベクトルへと急旋回してしまうので、いささか飽きるし萎えてしまう。これは例えば日本映画が同様に作ったとしても同じことだと思う。

それゆえ、例えばラストの呑んだくれジイさんの突撃なんかは、キューブリックの「博士の異常な愛情」をマネたのかは知らんけど、同じ爆弾抱えた突撃でもこうも意味合いが違ってくるというか、コメディとしても見れないという浅はかさを露呈してしまっている。ていうかこの映画では、ブラックコメディではなく感動するところなのだろうけど・・・。

ま、SFには見所ありということと前半の面白さに★3つ。

Posted at 2003.04.20

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インデペンデンス・デイ:リサージェンス

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出演:リアム・ヘムズワース、ジェフ・ゴールドブラム、ビル・プルマン、マイカ・モンロー、シャルロット・ゲンズブール

監督・脚本:ローランド・エメリッヒ

(2016年・アメリカ・120分)WOWOW 

内容:20年前に侵略してきたエイリアンに勝利した人類は、撃墜した宇宙船に残されていた技術をもとに、来たるべきエイリアンの襲来に備えて強固な防衛システムを築き上げてきた。そんな中、アフリカに唯一無傷で残存していた巨大宇宙船が突然起動。宇宙に向けて信号が放たれていることが判明する・・・。

評価★★/45点

1996年公開の前作から一切進化のない二番煎じどころか五番煎じくらいの出涸らし映画。。

ここまで真新しさがないのもある意味スゴイというか、20年前、白昼堂々宇宙船が現れ、突如日常風景が一変してしまうインパクトの大きさに圧倒されたわけだけど、それから5年後の9.11で現実世界の方が映画を凌駕してしまった中で、また20年前と同じことをされても・・。

いや、もっと言えば、20年前にエイリアンが残した宇宙船が完全な形で残っていたり、捕獲されたエイリアンが厳重に管理されているとか、前作の延長線上にある非日常が当たり前のように描かれていて、現実世界と地続きのリアリティがすでに破壊されている荒唐無稽な世界に宇宙人が襲来してきても、またかの一言で片付けられちゃうんだよねw

それを払拭するためにUFOの大きさが直径4800㎞っていうのも、振り切れ方がアホすぎて面白くないし・・。だって、身長4800㎞のゴジラ見たって逆に引くだろ。。

あとは、グラディウスやゼビウスばりのシューティングゲームを延々見せられて目が疲れたw

やっぱりウィル・スミスが出ないと続編やっちゃダメだよこれは。。

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マーズ・アタック!(1996年・アメリカ・105分)WOWOW

 監督:ティム・バートン

 出演:ジャック・ニコルソン、グレン・クローズ、アネット・ベニング、ピアース・ブロスナン、ダニー・デヴィート、マイケル・J・フォックス

 内容:地球に襲来した火星人たちに翻弄される人々の狂騒ぶりを、豪華キャストで描いたSFパニックコメデイ。

評価★★★☆/70点

“アッ、ガァッア、アッアー、ガァアッア、アッガァー、アーガッ。。”

宇宙翻訳機で訳してみたところ、「この映画にツッコミを入れるのは愚かなことだ。。」とピッコロ大魔王似の火星人は仰られておりますw

2019年10月10日 (木)

夢のシネマパラダイス6番シアター:青春ガチンコグラフィティ

ちはやふる-上の句-/-下の句-

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出演:広瀬すず、野村周平、新田真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、清水尋也、松岡茉優、松田美由紀、國村隼

監督・脚本:小泉徳宏

(2016年・東宝・上111分/下102分)WOWOW

内容:小学生の時に転校生の新&幼なじみの太一と競技かるたにのめり込んだ千早。卒業とともに3人はバラバラになったものの、かるたを続けていれば再会できると信じる千早は、高校でかるた部の創設に乗り出す。そこで同じ高校に進学していた太一と再会し、2人で部員集めに奔走。やがて古典オタクの女子・かなちゃん、小学生かるた全国準優勝の肉まんくん、秀才の机くんの勧誘に成功し、晴れてかるた部が誕生する。そして千早は全国大会優勝という新たな決意に燃えるのだった。

評価★★★☆/70点

上の句★4つ、下の句★3つ。

花びらがひらひらと舞い散る桜並木から始まる映画に悪い映画なんてあるわけがない(笑)。

今作も爽やかな青春映画として魅力ある作品になっていて、運動部のようなむさ苦しさのない和物の文化部を舞台にしながら、ベタなスポ根要素の熱さも加味したバランスの良さはかなり新鮮。

さらに、主人公が競技かるたの試合後に白目をむいて爆睡するというようなチープな漫画的要素も、登場人物の巧みなキャラクター造形とそれを演じる若手俳優陣の魅力も相まって上手く処理されているのも良い。

特に広瀬すずの素晴らしさは今更ながらに実感したかんじ。中でも対戦中の眼光の鋭さは印象的で、それがあっての白目落ちがちゃんとボケとして成立しているので面白く見られるんだよね。

けれど、上の句は団体戦、下の句は個人戦と色分けされてはいるものの、どう考えても1作にまとめられただろうとは思った(笑)。

特に上の句のラストで、かるたはもうやらない!と宣言した新が下の句のメインになるのかと思いきや、あくまでも勝負の土俵に上がろうとしない新がやっとで重い腰を上げるのがエンドロールって、、正直ガックリ。。孤高のクイーンしのぶ(松岡茉優)のキャラが良かっただけにちょっと消化不良・・。まぁ、上の句で描くことはやりきった感がやっぱりあるんだよね。。

でも、かるた部5人のキャラはこの映画最大の“ラッキーボーイ”机くんをはじめ各々個性が立ってて面白かったので、年を経ての続編はあっていいかも。

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おっぱいバレー

Main_large 出演:綾瀬はるか、青木崇高、仲村トオル、石田卓也、大後寿々花、福士誠治、光石研、市毛良枝

監督:羽住英一郎

(2008年・日本・102分)WOWOW

内容:1979年の北九州。中学校の新任国語教師・美香子は、男子バレー部の顧問を任される。が、キモ部と評される通り、部員たちはバレーボールすらまともに触ったことがなく、エッチなことしか興味がない脳タリンばかり。そんな彼らのやる気を出そうとした美香子だったが、ひょんなことから「試合に勝ったら、おっぱいを見せる」というとんでもない約束をするハメになってしまう。そしたっけ単純バカ部員たちは別人のようにやる気を見せ始め・・・。

評価★★★★/80点

実に清々しい作品だ。

おっぱいを連呼連発しておきながら実に爽やか。しかも「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」をも凌ぐレベルで。。

それはつまるところ第三者(物語の登場人物しかり監督をはじめとする作り手しかり)の悪意がこの映画にはないことに尽きると思うのだけど、とにかくおっぱいを見たいという動機付けオンリーで映画を引っ張っていくバカさ加減は逆にあっぱれ。キモ部とバカにされる落ちこぼれ童貞男子の脳内レベルから逸脱することがない愛すべきおバカ映画である。

しかし、童貞くんでもインターネットでポチッとクリックすればおっぱいを見られる今の世の中ではおっぱいは希望のかたまりにはなりえない。。

その点で橋の下に落ちているしなびたエロ本と11PMしかなかった昭和54年を舞台設定にしたのは大正解!昭和53年生まれの自分は珠玉の名曲をバックグラウンドに懐かしい香りに包まれながら見ることができて幸せですた。

ちなみに自分のノスタルジー心を最も刺激したのは、雨が降ったせいで女子の体操着が濡れてブラがスケスケになっている場面だったことを記しておこう・・。

オトコって単純。ハイ、そうですww

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ガチ☆ボーイ

Img080306 出演:佐藤隆太、サエコ、向井理、仲里依紗、宮川大輔、泉谷しげる

監督:小泉徳宏

(2007年・東宝・120分)CS

内容:とある大学。安全第一を是とするプロレス研究会に五十嵐良一という学内屈指の優等生が入門してきた。せわしなくメモを取りながら練習に励む五十嵐だったが、肝心の段取りがまるで覚えられない。そんな中、商店街でのデビュー戦で案の定段取りを忘れた五十嵐は掟破りのガチンコファイトをしてしまい、一躍人気レスラーに。しかし、そんな五十嵐には深刻な秘密があった・・・。

評価★★★★/80点

K-1やボクシングは好きで見るけど、出来合いのストーリー性の中で繰り広げられる筋肉ムキムキのエンタメお遊戯ショーにしか見えないプロレスは面白くなくて燃えないから見ない。

そんな自分が初めてプロレスの試合に燃えた。熱く燃えまくった

司法試験に受かったくせにプロレスの段取りは覚えられなくてカンニングしてしまうというガリガリの五十嵐(佐藤隆太)のキャラがそれ自体コメディとして面白かっただけに、まさかその裏に、眠るとその日のことを全て忘れてしまう高次脳機能障害というシリアスな記憶障害ネタが隠れていたとは思いもよらず・・・。

プロレスのみならず朝起きてからの一分一秒を否が応にもガチンコ勝負せざるを得ない五十嵐の奮闘に、日々のんべんたらりんと生きてる自分が喝を入れられたような、そんな感動を味わうことができた作品だった。

また、記憶障害を単なるあざといダシネタに終わらせずに、真摯かつ妥協なく描いているという点でも、「タイヨウのうた」(2006)で難病ネタを扱いながら丁寧な筆致が印象的だった小泉徳宏監督の演出は今回も健在で好印象。

あとは、やっぱなんといっても佐藤隆太だな。深刻な秘密を覆い隠さんばかりの満面の笑顔は見ていてツラクなってくるほどだったけど、佐藤隆太の長所がうまくハマッたかんじで、ガチの熱演を見せてくれていたと思う。

頭ではなく、身体で覚えた記憶で生きる実感を取り戻そうとする五十嵐のガチンコの生きざま。

はたして自分は生きる実感をしっかり持っているのだろうか。それすらビミョーだ・・

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ウォーターボーイズ

Image01 出演:妻夫木聡、玉木宏、平山綾、眞鍋かをり、竹中直人、杉本哲太、谷啓、柄本明

監督:矢口史靖

(2001・東宝・91分)仙台第一東宝

内容:部員が男ひとりという唯野高校水泳部に突如やって来た美人女性教師佐久間先生。すると彼女目当てに男どもがこぞって入部してくるが、佐久間先生は満面の笑みで「シンクロやって文化祭で発表しまーす!」と言い出してしまう。結局それを聞いた男どもはこぞって退部していく。残ったのはたったの5人、、、はてさて。。

評価★★★☆/70点

理屈抜きで面白いです。てか理屈で見たらダメなんですね。

眞鍋かをり先生が「有象無象が寄り集まってるだけじゃない」とおっしゃってたように、こういうのは頭ん中カラッポにして見ないと。どっかのお笑い番組でも見てるかんじで見るのが正解。

要は映画じゃない。記号でしょこれって。さらに言えば、マンガでしょ。この映画でリアリティといったら柄本明くらいなもんだし(笑)。だって竹中直人が出てるっつうだけで予想はつくw

ただ、唯一許せないのは、妻夫木が最後躊躇すること。

お笑い番組で芸人さんが躊躇することなんて普通ないだろー。なのに何で恥ずかしがるんだよ。その後のシンクロ演技で綾ちゃんに堂々と迫ってるくせに。あそこでフツーの心理描写を持ってくるなっつーの。

けどなんだかんだ言ってこういう映画もたまにはイイよね。

2019年10月 8日 (火)

夢のシネマパラダイス322番シアター:とある家族の物語

淵に立つ

Wc3zncn2xzpezfjtycz7on55l4出演:浅野忠信、筒井真理子、古舘寛治、太賀、三浦貴大

監督・脚本:深田晃司

(2016年・日/仏・119分)WOWOW

内容:町工場を営む鈴岡利雄は、妻でクリスチャンの章江と10歳の娘・蛍と穏やかな家庭を築いていた。そんなある日、利雄の古い友人・八坂が訪ねてくる。そして最近出所したという彼を利雄は住み込みで雇い入れてしまう。最初は当惑していた章江だったが、礼儀正しく、蛍のオルガン練習も手伝ってくれる八坂に好感を抱いていく・・・。

評価★★★★/80点

途中でなぜか「シェーン」を思い出した。

開拓農民の3人家族のもとに草原の彼方からやって来た1人の男。その男シェーンは、息子の少年から憧れの眼差しを受け、妻との間にはほのかな慕情が芽生えるまでになる。それに気づく夫の複雑な感情。そして一家に害をなす悪党どもをやっつけた後に黙って去っていく。

これを深読みすれば、本来は神々に属していながら大地に根を下ろした人間に味方するギリシャ神話における火を盗むプロメテウスのような神話上の文化英雄といわれる存在にも擬することができる。

しかし、今回の八坂(浅野忠信)は災厄の元凶をもたらす神だったという・・。

穏和な仮面をかぶった狂暴な神に理性の仮面をはずされ欲望と罪をむき出しにされたことにより、仮面家族から「本当の家族になった」と錯覚させといての堰を切ったような崩壊劇は凄まじいの一言。

一体次に何が起こってどういう展開になるのか予想ができず、まるでホラーでも見ているかのような気分・・。

もっと感情を露わにするような生々しさがあった方が良かった気もするけど、古舘&筒井の印象的な演技と、画面に現れなくても終始強烈な存在感をにおわせる浅野に圧倒されただけでもういいやってなる。そんな映画だった(笑)

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海よりもまだ深く

6599ea60出演:阿部寛、真木よう子、小林聡美、リリー・フランキー、池松壮亮、橋爪功、樹木希林

監督・脚本:是枝裕和

(2016年・日本・117分)WOWOW

内容:篠田良多は作家として15年前に新人賞を受賞したものの、その後は鳴かず飛ばずで今は探偵事務所勤務。しかもギャンブル好きで、老母・淑子や姉・千奈津に金をせびる日々。当然妻の響子からは愛想を尽かされ、とうの昔に離婚していた。そんな良多にとって唯一の楽しみは月に一度、息子・真悟と会えること。そして巡ってきた面会の日、淑子の家で真悟と過ごしていたが、台風が接近していた・・・。

評価★★★★/80点

誰もが知る役者さんが顔をそろえているから“演じている”と認識できるけど、そうでなければどこかの団地の家族をモニタリングしているような感覚に陥っていたのではなかろうか。それくらい生活感の生々しさが尋常ではない濃さで描写されていて、何が起きるわけではないのに見ていられる不思議な映画。

しかも説明セリフ一切なしの日常会話だけで映画が進行していくにもかかわらず、ひとつひとつのセリフが登場人物に血を通わせるのに機能しているところがスゴイ。

フィクションとしての違和感が全くないし、会話の中に時折り空気穴からプスプスと漏れ出てくるようなシニカルな毒気が散りばめられていて、まさに寝かせて寝かせて味がしみ込んだ苦味と渋味と旨味が一緒くたになったような梅干しみたいな映画だった。

まぁ、妻子に愛想を尽かされた博打好き主人公のダメ男ぶりを延々眺めているだけなんだけどねw

歩く後ろ姿からしてうだつの上がらなさが一目瞭然な阿部寛は絶妙だったし、何といっても樹木希林!すべてがアドリブじゃないのかと思ってしまうほどに自然体で毎度のことながら釘付けになってしまった。

幸せとは何かをあきらめないと手に入らないもの、、かぁ。うーん、深すぎる。。

P.S.宝くじはギャンブルじゃない。夢なんだ!

そこだけは主人公に100%共感しますw

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家族ゲーム(1983年・日本・106分)NHK-BS

 監督・脚本:森田芳光

 出演:松田優作、伊丹十三、由紀さおり、宮川一朗太、辻田順一、戸川純、阿木燿子

 内容:大都市近郊の団地に住む4人家族の沼田家。高校受験を控えた中3の茂之は、出来の良い兄とは対照的に成績もいまひとつで口数の少ない問題児だった。持て余した父親は、家庭教師の吉本を雇うが、彼は三流大学の7年生で植物図鑑を持ち歩く風変わりな男だった。しかし、成績が上がれば特別ボーナスを払うと約束された吉本は、アメとムチを使い分けながら茂之を教育していく・・・。

評価★★★☆/70点

公開から30年経った今見ても斬新極まりないつくりになっていると思うけど、ネット社会、格差社会、モンスターペアレントetc..30年前にはなかった様々な社会問題が折り重なっている現代では、この映画で描かれた家族像はもはや真新しくもなんともないのかもしれない。

今はもっとパーソナル化が進んでいるので核家族という形態すら危うくなっているし、この映画を最も象徴するシーンであるカウンター方式で横一列に座る食卓風景だって、他方では専業主婦の母親がちゃんと手作りで食事の支度して皆で一緒に食べてるじゃんともいえるわけで。

ただ、冒頭で述べたように、家族内のディスコミュニケーションと上っ面だけの事なかれ主義をデフォルメして描いた作劇は白眉。

例えば、食事の席で家庭教師(松田優作)ってイケメンだよねっていう話の流れから彼の髪型を見た伊丹十三が「その頭って手入れするの?」と訊くと、松田優作が手ぐしで髪を整え始め、それを見た由紀さおりが「髪の毛いじらないで下さい。フケ落ちますよ」と怒ると、松田優作が「僕は家庭教師ですから」と答えるような脈絡のない会話や、伊丹十三が目玉焼きの黄身だけをチューチュー吸うのが好きなことを妻の由紀さおりが今まで知らなかったりと、繋がっているようで繋がっていない一方通行の距離感が奇妙な気持ち悪さを生んでいて思わず見入ってしまう。

あと、後で気付いたんだけど、この映画って音楽がないんだね。なんか食べる音とかヘリの音とかずっと騒々しい印象があったけど、そういう日常音がシュールな生々しさをより強調する効果を持っていたのかも。

ちなみに自分が一番笑ったセリフのやり取りは、伊丹十三に「君は酒は好きなんだな」と言われたのに対し、松田優作が「好きじゃありません。酔っ払いませんから」と答えるところw

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普通の人々

Dsop2出演:ドナルド・サザーランド、ティモシー・ハットン、メアリー・タイラー・ムーア

監督:ロバート・レッドフォード

(1980年・アメリカ・124分)NHK-BS

評価★★★★/80点

 

内容:シカゴ郊外に住む典型的な中流家庭のジャレット家では、優秀なスポーツ選手で秀才だった長男のバックを事故で失ったことを境に家族関係が冷え切っていく。長男を溺愛していた妻べスはふさぎ込んで、次男のコンラッドにつらく当たるようになり、一緒のボートに乗っていて自分だけ助かったコンラッドは兄の死に責任を感じ、母のヒステリーをまともに受け止め精神が不安定になり、自殺未遂まで引き起こしてしまう。弁護士の父親カルビンは家族の絆を取り戻すという空しい夢にすがるのだが・・・。アカデミー賞では作品・監督など4部門で受賞。

“不器用かつ無関心で冷ややかな母親べス。しかし、それ以上に不器用かつ無関心で冷ややかな監督レッドフォード。”

まずこの映画は、お堅く平凡なプロットに拠っているというよりは、役者たちの醸し出す雰囲気や情感を拠りどころとしている映画だといえると思う。

しかし、そういう役者陣の奮闘だけで登場人物を内面までしっかり描けるほど映画というものは甘くはない。そのことをいみじくも実証している映画でもある。

そう、この映画、登場人物がしっかり描かれているようにみえて実は底が浅い。

しかも問題がひとつ。映画を見ていくと感じること。

それは監督レッドフォードの立ち位置だ。

いったいどこまでクールなんだコイツはというくらいレッドフォード自身が映画の中に立ち入ってこない。もちろん監督としてという意味だが、モニターの後ろからただジーーッと見つめているだけ。まるで自分は何も関係ないという第3者のような視線で。

レッドフォードの中でおそらく意識的に引いたと思われる映画の世界との間の一線レッドラインを、彼は決して踏み越えてはいかない。もし越えてしまった時、それは彼にとってこの映画への侵害以外の何ものでもなくなるのだろう。

そしてこの彼の突き放したような立ち位置が先ほど述べた弊害を招いてしまっているともいえるのだが、しかしその立ち位置は決して弱気な逃げの態度から起因しているのではない。明らかに意図してあえてそういう立ち位置を選んだのだと思う。オープニングの入り方なんかはまさにその意思の表れだろうし。

マイナス要素もあるが、それ以上にプラス要素が大きな意味をもったということなのだろう。

あるファミリーの空しい崩壊を淡々とかつどこまでも第3者的な目線で、テンポを変えず(=ドラマ性を押し殺し)に描いていくこと。それが普遍的な時代の空気感、普通の人々のデリケートな問題をつぶさに見つめていくことにつながり、リアルで確実な作品に仕上がったのだと思う。

なかなか見ている側の主観が立ち入ることを許さないことを差し引いても非常に見応えのある映画であることには違いない。

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幸福な食卓(2006年・松竹・108分)NHK-BS

 監督:小松隆志

 出演:北乃きい、勝地涼、平岡祐太、さくら、羽場裕一、石田ゆり子

 内容:中学3年生の佐和子は4人家族だが、3年前の父親の自殺未遂をきっかけに家族の歯車は狂い始めていた。母親は近所に別居、秀才の兄は大学進学を拒否して農業に精を出す日々を送っていた。それでも家族は朝の食卓には集まり、家族としての体裁を保っていた。が、そんなある日、父親が朝食の席で突然、「今日で父さんを辞めようと思う」と宣言する・・・。

評価★★★/65点

“ミスチルの「くるみ」がすべて持ってっちゃったような・・・。”

主婦という肩書き、お父さんという役割、そういう当たり前の立場をいっさいがっさい捨て去って見えてくるものとは・・・?

いまいち分からなかった(笑)。

浪人生になればご飯に味噌汁かけてぶっ込むことができるし、サバは塩焼きと決まってるしってことは分かったけど・・・。

でも、唯一よぉく分かったのは、気付かないところで誰かにいろいろ守られてるんだってこと。そういう温かいぬくもりはすごくよく伝わってくる映画ではあったかな。

勉学くんも牛乳瓶の底のようなメガネをかけてる奴かと思いきや、純粋な好青年でよかったし。

でも、あの消え去り方はないよなぁ。。

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ほえる犬は噛まない(2000年・韓国・110分)NHK-BS

 監督・脚本:ポン・ジュノ

 出演:ぺ・ドゥナ、イ・ソンジェ、コ・スヒ、キム・ホジョン、キム・ジング

 内容:中流家庭の住む閑静な団地。教授を目指しているものの、なかなか昇進できないでいる大学非常勤講師のユンジュは、彼を養っている身重の妻に顎で使われる肩身の狭い日々を送っていた。しかも、飼うことを禁止されているはずの犬の鳴き声が鳴り止まず、彼の苛立ちは募るばかり・・。そしてある時、犬を見つけた彼はマンションの地下室に監禁するのだが・・・。

評価★★★☆/70点

ポン・ジュノ監督の作品は「殺人の追憶」(2003)、「グエムル漢江の怪物」(2006)ときて、今回の監督デビュー作は初めて見たんだけど、これ見て分かった!

ポン・ジュノは韓国の山下敦弘なのだと。。

なんか、作風が似てるよねっていう、ただそれだけなんだけどw。奇しくも「リンダリンダリンダ」(2005)でぺ・ドゥナを起用してるし、通じるところがあるのかもなんて。

ダラダラとした中の躍動、退屈な中の緊張、殺伐な中のユーモア、写実の中の漫画。

これら日常の中の非日常を切り取った絶妙なバランス加減は秀逸で、まさにナンセンスなリアリズムとでもいうべき境地に達しているのは見事というほかない。

決してパンチのきいた味ではないのだけれど、まるで韓国の甘辛い唐辛子味噌のごとくジワジワと効いてくる作品というのは、今の刺激を求めすぎる映画界においては貴重ではなかろうか。

ポン・ジュノ、これからも要注目の監督です。

2019年10月 6日 (日)

夢のシネマパラダイス376番シアター:キル・ビル

Kill 出演:ユマ・サーマン、デビッド・キャラダイン、ダリル・ハンナ、ルーシー・リュー、栗山千明

監督・脚本:クエンティン・タランティーノ

(2003年・アメリカ・113分)MOVIX仙台

評価★★★/65点

 

内容:結婚式の真っ最中に襲われ、夫とお腹の中にいた子供を殺され、自らも頭部に銃弾を受け4年間昏睡状態になっていたザ・ブライドが長い眠りから目覚めた。彼女はかつてのボスに復讐を開始する!タランティーノが6年の沈黙を破ってメガホンをとり、世界中のB級アクションへ溢れるオマージュを捧げたバイオレンス映画の前編。

“悲しいときーー。悲しいときーー・・・”

友達の笑い話を聞くとき最初は面白くてワハハハって聞いてるけど、途中からもうどうでもよくなってきて、でも面白くないからもういいよとも言えず、、、付き合い笑いでフフッてするときーーっ。

悲しいときーー。悲しいときーー・・・、

タランティーノのネタ話を見るとき最初のSBのマークなどが面白くてワハハハ上手いわーって見てるけど、途中からもうどうでもよくなってきて、でもお金もったいないからもう帰ろうかとも言えず、、、皆に合わせてフフッてするときーーっ。

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キル・ビル Vol.2(2004年・アメリカ・136分)MOVIX仙台

 監督・脚本:クエンティン・タランティーノ

 出演:ユマ・サーマン、デヴィッド・キャラダイン、ダリル・ハンナ、マイケル・マドセン、ゴードン・リュー

 内容:オーレン石井を倒したザ・ブライドの標的は、バド、エル・ドライバー、そして最大の標的であるビルの残り3人となった。さっそく彼女は次なる標的バドを倒すためにテキサスの荒野へ向う。一方、日本刀の名手バドはもはや殺し屋としての面影もなく、アル中に落ちぶれていた。が、ザ・ブライドが復讐にやって来ることを予期していたバドの計略にはまってしまった彼女は生き埋めにされてしまう・・・。

評価★★★★/75点

“梶芽衣子の怨み節に捧げるものの見事なタランティーノの語り節。”

咲いてみせたらブッ放された バカなブライド怨み節♪

運命哀しとあきらめて ブライド涙の怨み節♪

憎い口惜しい許せない 消すに消えないこの傷は 尽きぬ女の怨み節♪

夢よ未練と嗤われて 覚めてみせますまだ覚めきれぬ 女ごころの怨み節♪

真っ赤なバラにゃ棘がある 刺したかないが刺さずにゃおけぬ 燃えるブライド怨み節♪

死んで花実が咲くじゃなし怨み一筋生きていく 女いのちの怨み節♪

♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪

よくぞブライドに化身させてくれた!

ユマ・サーマンがまたカッコ良いんだよなぁ。

色調を抑えたクローズアップの顔のなんと清冽なことよ。

女の強さを芯の中から浮き上がらせたブライド(ユマ・サーマン)に惚れました。。

“人を呪わば穴二つ”という格言があって、人のことを怨んで殺そうとする者は、その報いで自分の墓穴も掘ってしまうことになるという意味なのだけど、全くその通りブライドは埋められちゃうわけで(笑)。

タランティーノはそういうことまでよく分かっていらっしゃるようで。う~ん、、ホントかな(笑)。。。

でもとにかく1作目は個人的にはあまりノレなかったのだけど、今回は相当に入り込んでしまいました。よく出来てる。ウン。

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プラネット・テラーinグラインドハウス

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出演:ローズ・マッゴーワン、フレディ・ロドリゲス、ブルース・ウィリス、ジョシュ・ブローリン、マーリー・シェルトン

監督・脚本:ロバート・ロドリゲス

(2007年・アメリカ・105分)WOWOW

内容:テキサスの田舎町。米軍基地で生物化学兵器が流出、そのガスを浴びた町の人々が次々にゾンビと化してしまう。ゴーゴーダンサーのチェリーはゾンビに右脚を食いちぎられ、女医のダコタは不倫相手が脳みそを食い尽くされてしまう。町中がパニックになる中、チェリーは無くなった脚にマシンガンを装着し、ダコタはガーターベルトに注射器を装着し立ち向かっていくが・・・。

評価★★★☆/70点

昔はゾンビ映画というとスプラッタ要素に耐えられず敬遠してきたんだけど、ウォーキングデッドで耐性ができている今は逆に大好物になってしまったクチ(笑)。

で、70~80年代のB級ホラーテイストを再現したお遊び満載の今作は、ロバート・ロドリゲス生来の資質をリミットMAXにまで押し上げたともいえるけど、もはやくだらない悪趣味の域を超えた痛快レベルにまで昇華されていて、見ていてかなり楽しい♪

特に、片脚マシンガンのヒロイン、チェリーは背徳的エロスをまとっていて、この作品だけで終わらせるのはもったいないほど💕

その他のキャラクターもゲップが出るほどの突き抜け感を有しておりハズレはない。

例え本気バカであろうとも、やっぱり映画愛に彩られた作品はジャンルに関係なく映画好きの心を弾ませるものなのだね。

まぁ、とはいえ〇ン玉ネタはやりすぎかなと思ったし、決して万人向けではないんだけど・・w

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デス・プルーフinグラインドハウス(2007年・アメリカ・113分)WOWOW

 監督・脚本:クエンティン・タランティーノ

 出演:カート・ラッセル、ロザリオ・ドーソン、ローズ・マッゴーワン、シドニー・タミーア・ポワチエ、ゾーイ・ベル

 内容:ダイナマイトボディの美女ジャングル・ジュリアは、テキサス州オースティンの人気ラジオDJ。ある日、彼女は女友達と行きつけのメキシコ料理店で楽しい女子会を開く。しかし、そんな彼女たちを嗜虐的に眺める男がいた。ドクロマークの付いたシボレーを駆るスタントマン・マイクと名乗るその男は、次第に血に飢えた本性をあらわにしていく・・・。

評価★★★★/80点

“THE END”のテロップを見て思わず快哉を叫んでしまったのは初めてかもしれない。

なんだろ、便秘が治ってスッキリしてよっしゃー!みたいな痛快至極な終わり方がとにかく最高で、このカタルシスだけで見る価値あり。

前知識ゼロで見たものだから、前半はスタントマン・マイクのキャラクターをつかむのが手探り状態で、この顔にキズあり男は一体何者なんだ?と思いながら見ていたのだけど、何のことはないただの変態イカレポンチだったというオチw

でもこのカート・ラッセルは今まで見た中で1番輝いてたと思う✨

あとは、タランティーノ十八番の伏線なしの下世話な下ネタ話を女子会トークとしてダラダラと延々見せられるのも、AVの前段のフリートークを早送りするように普通ならイライラするんだけど、タランティーノの手にかかるとニヤつきながら見れてしまうんだよね(笑)。

雑談が映画になるってスゴイよ。だってこの雑談がなければ30分で終わる映画じゃんww

カーチェイスもマッドマックスみたいでアドレナリン全開だったし、音楽センスも良かったし、ブスギャルたちの美脚も💓💓だったし、わたくしはタランティーノの趣味を全面的に支持します♪♪

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