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2019年9月22日 (日)

夢のシネマパラダイス596番シアター:あなたは昨日食べた夕食を思い出せますか?

秘密 THE TOP SECRET

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出演:生田斗真、岡田将生、吉川晃司、松坂桃李、栗山千明、リリー・フランキー、椎名桔平、大森南朋

監督:大友啓史

(2016年・松竹・149分)WOWOW

内容:死者の脳にアクセスし、その人物が見た映像を再生するMRIという捜査手法で事件解決を目指す特別捜査機関“第九”。ある時、一家惨殺事件を起こし死刑が執行された露口(椎名桔平)のMRI捜査が行われることに。それは今も行方不明となっている一家の長女・絹子の手がかりを探るためだった。第九の室長・薪(生田斗真)にスカウトされた新人捜査官・青木(岡田将生)は露口の脳内に潜入。が、そこに映っていたのは思わぬものだった・・・。

評価★★☆/50点

死者の脳内に残った視覚情報を映像化し、それをもとに犯罪捜査を行うというアイデアは、死者の脳に眠る記憶にダイブし秘密を探るプロットが出てくる海外ドラマ「フリンジ」を想起させ、いまいち消化不良だった同監督作「プラチナデータ」を超えるような本格SFサスペンスを基調とするのかと期待したのだが・・。

フタを開けてみたら「ハンニバル」以来の脳みそ観賞付き&近親相姦まであるグログロな猟奇殺人もののサイコホラーで気分が萎えた。

また、例えば28人殺しの凶悪犯・貝沼(吉川晃司)の脳内映像を見て、多くの捜査官があっちの世界に引きずり込まれておかしくなったとは具体的にどういうことなの?とか、絹子と貝沼、薪と貝沼、薪と鈴木(松坂桃李)の関係性など全ての要素が説明不足でストンと腑に落ちてこない。

要はあれやこれやと詰め込みすぎなのかもね。

そういう点では、少女でありながら稀代のサイコパスという露口絹子のキャラ設定が今まで誰も手を出そうとしてこなかったタブーな領域ゆえに、映画として絹子の一点突破で突き進んだ方がまだマシだったのではないかと思ってしまう。まぁ、だからといってそれを見たいかといわれたら勘弁して下さいってなるけども(笑)。。

映像は毎度のことながらエッジが効いているだけに、脚本頑張れとしか言いようがないね・・。

P.S.「客観的に見ないとダメだ。主観的に見てしまうとあちら側に持っていかれるぞ!」ってセリフがあったけど、映画がそうなっちゃってどうするww

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ゲノムハザード ある天才科学者の5日間

Poster2出演:西島秀俊、キム・ヒョジン、真木よう子、浜田学、中村ゆり、伊武雅刀

監督・脚本:キム・ソンス

(2013年・日/韓・120分)WOWOW

内容:ある日、仕事から帰宅した石神武人は妻の死体を発見する。間髪入れずに電話が鳴り出てみると、目の前で死んでいるはずの妻の声で、実家に行くので帰れないという。混乱する中、石神は警察を名乗る2人組に拉致されかけるが間一髪で逃走し、通りかかった韓国人女性記者のカン・ジウォンに助けられるが・・・。

評価★★☆/50点

失われたアイデンティティを奪還するための謎解きサスペンスとアクション満載の決死の逃走劇という点ではボーン・アイデンティティ、またDNAがミステリーの重要なファクターになっているという点ではプラチナデータを想起してしまうけど、そのどちらにも遠く及ばなかったかんじ・・・。

自分の中に別人の記憶が上書きされて頭の中はその人になってしまったものの、現実ではそれぞれに妻がいて2人分の人生が混在してしまうので記憶喪失よりもややこしくてタチが悪いw

しかも見てるこっちが全く先が読めないのはまだしも、主人公までずっと右往左往状態なので、なんか途中からついて行くのがイヤになってくる(笑)。予定調和が全くないのも問題なんだなと。かといって、真実が明らかになっていく後半もでっかく膨らませた風船が一気にしぼんでしまうような失速感に満ちていてイマイチだったし。。

あとアクションに関しても、ジェイソン・ボーンを引き合いに出してしまった時点で分が悪い面があるとはいえ、例えば主人公が追っ手から逃げる時に片側3車線の道路を車にひかれそうになりながら横断するシーンがあるけど、見てて全然ヒヤヒヤしないのw

全体的にチープで子供だましな撮り方で、体張ってますという触れ込みと実際どう撮ってどのように見せるかという違いを分かっていない。

原作の方が何十倍も面白いんだろうなぁってのがありありと伝わってくるような映画だった(笑)ってそれじゃダメじゃん!

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プラチナデータ

O0800113512401227792出演:二宮和也、豊川悦司、鈴木保奈美、生瀬勝久、杏、水原希子、遠藤要、和田聰宏、中村育ニ、萩原聖人

監督:大友啓史

(2012年・東宝・134分)WOWOW

内容:近未来の日本。警視庁の科学捜査機関である特殊解析研究所は全国民のDNAデータを収集登録する“プラチナデータ”を実現。それを活用した捜査システムを使えば一挙に犯罪撲滅を図れる期待がもてるため、政府もDNA法案成立を急いでいた。しかしそんな中、法案反対者やシステム開発の関係者が立て続けに殺害される事件が起きる。そして、犯人の残したDNAから捜査システムが導き出した犯人はシステム開発の責任者である天才科学者・神楽龍平だった。まさかの事態に逃亡を余儀なくされた神楽を、叩き上げの浅間刑事が追い詰めていくが・・・。

評価★★★/65点

原作既読。

全能の捜査システムを操る側にいた人間が一転して犯人として追われる立場になってしまう「マイノリティ・リポート」。

逃亡しながら真犯人を探し出し自らの容疑を晴らそうとする「逃亡者」。

国家によるハイテク監視システムの脅威を描く「エネミー・オブ・アメリカ」。

と、SF・サスペンス・ミステリーの3大要素を日本を舞台にしていながら程よく詰め込んでいる面白さと、近い将来ありえるかもしれないアナザーワールドとしてみれる面白さがあり、映像化には向いてるなと思いながら読破したのだけれど、映画化するにあたって主人公が二重人格という反則スレスレの荒技をうまく落とし込めるのかという不安は少なからずあった。

つまり、事件の時は別人格で、犯人はもしかして自分なのか?というサスペンスと、プラチナデータとは何なのかというミステリーを両立させることができるのかという不安だが、やはり予想通りこの設定が足を引っ張ってしまった感は否めず。

映像面に関しては小説を読んでこちらが思い浮かべていた脳内映像をはるかに凌ぐレベルで上々だったのだけど、話がやっぱ大味になっちゃったよねぇっていう・・・。

神楽はシロであるということに映画自体がはなっから確信をもって描いているし、肝心かなめのスズランが出てこないため二重人格設定が宝の持ち腐れになっていると思うし、そのネタバレに時間を割かなければならないため逆に犯人の動機の描き方やサスペンス要素が未消化になってしまったかんじがする。

まぁ、原作ものの映画化はえてして難しいものだけど、今回は特に難しいものだったように思う。

そういう意味では2時間スイスイと見れるエンタメとして手堅く作られているだけでも良しとしなければならないのかも。。

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ペイチェック 消された記憶(2003年・アメリカ・118分)MOVIX仙台

 監督:ジョン・ウー

 出演:ベン・アフレック、アーロン・エッカート、ユマ・サーマン、コルム・フィオール

 内容:仕事を終えると機密漏えいを防ぐために記憶を消されるという契約で、オールコム社の新システムの極秘開発を行っているSEのジェニングス。大仕事を終えた彼は、記憶消去後に報酬ではなく19個のガラクタを渡され、しかも謎の組織とFBIに追われるハメに。自分はなぜ追われているのか、その謎解きを始めるのだが・・・。

評価★★★★/75点

この頃のベン・アフレックは「パールハーバー」「デアデビル」「ジーリ」など駄作街道驀進中だったので、今作も右から左へ受け流すかのごとく記憶の断片にも残らない作品になっているのかなと勝手に思い込んでいた。

が、ふたを開けてみたら、あらビックリ。ベン・アフレック臭が消えているだけでなく、ヒッチコックを5倍くらい消臭剤で薄めて現代版にアレンジしたかんじで、ホントだったらそんなの評価低くするんだけど、もともと低かった期待値を大きく上回る出来だったということでww

ただ終盤も終盤になって白いハトが出てきてやっとで、あ、監督ジョン・ウーだったんだっけと思い出したくらいジョン・ウー節というか匂いが消されててこれまたビックリ。なにせジョン・ウー必須アイテムの銃が脇に追いやられてしまってるのだから無理もないか。

本当に開発されてたのは、超強力消臭剤だったのか!?

マジメなところジョン・ウー映画の辞書に“逃げる”という言葉が今までなかったように思われるのだけど、今回はそれを上手く採用したことがイイ方向に出たのでは。独特の匂いがしないという副作用もあったけどね。

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