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2018年5月 3日 (木)

夢のシネマパラダイス302番シアター:お上に盾突くとは身の程知らずも大概にせい特集w

殿、利息でござる!

20160407103806出演:阿部サダヲ、瑛太、寺脇康文、きたろう、千葉雄大、西村雅彦、中本賢、妻夫木聡、竹内結子、羽生結弦、松田龍平、草笛光子、山崎努

監督・脚本:中村義洋

(2016年・松竹・129分)WOWOW

内容:江戸時代中期の仙台藩吉岡宿。藩から課される重税のため、百姓や町人の中には破産し夜逃げする者が後を絶たなかった。町の行く末を案じる造り酒屋の十三郎(阿部サダヲ)は、知恵者の篤平治(瑛太)からあるアイデアを打ち明けられる。それは、藩に大金を貸し付け、その利息で町の使役をまかなうというトンでもない奇策だった。必要な資金は千両(3億円)。話に乗った十三郎は出資者を集め始めるが・・・。

評価★★★/65点

物語の舞台となる吉岡宿、実は母親の実家の近所にありまして、えっ!?特に何もないあんな田舎の地区wが歴史ものの映画の舞台になるの!?とにわかには信じがたい目で見たんだけど、掘り起こせばあるんだねぇ色々な歴史が。

まさか百姓がお殿様に3億貸し付けるなんてことが本当にあったなんて。しかも1人3千万って豪農クラスになるとそこまでの大金持ってたのかと思うとビックリ

でも、この映画で描かれる“無私の日本人”っていかにも東北人らしいというか、岩手出身者としてなんか分かるなぁと思いつつ見てしまった。

地域のコミュニティを守るために見返りを求めない無私の精神-つつしみの心-で行動する。

個人の即物的な欲求ばかりがまかり通り、地域のつながりが低くなってきた今の日本ではあまり考えられないことだけど、東北人の中にはそういう公共に対する責任感とか共助の美徳がまだ根付いている部分があって、それこそ東日本大震災を見ても分かるように、お互い様の精神性がまだまだ残っているのだと思う。

まぁ、裏を返せば日本人独特の恥の文化が東北では色濃くあるということなのかもしれないけども。

しかし、そのためか登場人物が全員善人すぎてあまりにもつっかえる所がなくて逆に物足りなさも・・・。この生真面目さも東北人らしいとこだけど、もうちょいコメディ寄りでもよかったかも。

よしっ、今度吉岡通ったら今もあるという酒屋さんのぞいてみよっと♪

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県庁の星

Kencyo 出演:織田裕二、柴咲コウ、佐々木蔵之介、和田聰宏、紺野まひる、益岡徹

監督:西谷弘

(2006年・東宝・131分)盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:K県庁の35歳のエリート公務員、野村聡。ある時彼は、県政の目玉プログラムである民間企業との人事交流研修のメンバーに選ばれる。ところが、派遣されたのは田舎の三流スーパー「満天堂」。しかも、野村のお目付け役は、24歳のパート女性店員だった。プライドが高く、書類とマニュアル優先の仕事しか知らない野村はことあるごとに彼女と衝突してしまう・・・。

“県庁の何十階という高さから町を見下ろすことに慣れきった男が、3階建てスーパーから見るものとは!?”

民間の三流スーパーに派遣された“県庁の星”と期待されていたエリート公務員が、三流スーパーをどう改革するのか、というところからお話的に「スーパーの女」のようなハウツーものに流れていくのかと思っていたのだけど。。

しかし、あくまでも視点は織田裕二扮する野村聡の意識や心といった人間性に終始寄り添って、その変容の過程を主眼に描いていったのがなんとも秀逸だった。

形のみにこだわる公務員体質の野村が、“個人の顔”を直視し本当のマンパワーというものに気付いていくプロセスは見ていて面白かったし、妙に納得させられることしきりだった。

変革というのは制度や仕組み、システムを変えても、そこで働く人たちの意識が変わらなければただの形だけのものになり何の意味もないのだ、ということを身をもって経験した野村の晴れやかな表情が印象的だ。

やっぱ人間、一度奈落の底に落ちないと変わらないのかなぁ。自分みたいに奈落の底に落ちたまま這い上がれないカワイソス人間もいるけど・・

でも、一方では、なんかこの映画、出来レースぽいかんじもスゴイしたんだよね。

それは、要は野村という男の仕事に対する意識、ヤル気、スキルが半端ないくらい高いということに行き着くのだけども。

企画提案能力、情報処理能力、語学力(外国人従業員にそれぞれの言語でマニュアル本を作っちゃうんだから恐れ入る・・・)、書類作成能力、交渉力、計画力etc..ホンマにすきのないプロ中のプロやん。自分が持ち合わせてないものばかり・・

やっぱキャリア組って元から違うのね。。適当にやって半年ガマンすればいいんだ、と言いながらやってることはスゲェじゃねえか(笑)。生っ粋の目立ちたがり屋さんだし。

環境適応能力がちょっと不足していたのと過剰な自信の塊で覆われていたくらいなもので、マイナス要素と呼べるのは。逆にスーパー従業員の方がやる気あるの?みたいな。遅かれ早かれ改革されるだろこれは、と思っちゃう。とまぁ、そんな穿った見方もしちゃったんだけど。。

県庁の何十階という高さから町を見下ろすことに慣れきった男、その目線で民間へ行ってしまった男が、ほんのちょっと視線と目線を変えるだけで大事なコトに気付かされる。

それだけで意識は劇的に変わるのだということ、あとは彼の持ち合わせているプロなみの能力を適材適所で引き出していけば従業員の意識改革も含めて事はスムーズに運んでいくわけで、、改革順調!メデタシメデタシ。

ただ、大事なコトに気付かせてくれたのは、パート店員である二宮をはじめとするスーパーの皆だった。

官vs民バトルではなく官・民が相互に補い合って持ちつ持たれつガンバっていこーー♪で一件落着!

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金融腐蝕列島【呪縛】

Title1 出演:役所広司、椎名桔平、矢島健一、遠藤憲一、仲代達矢、根津甚八、風吹ジュン、若村麻由美

監督:原田眞人

(1999年・東映・115分)仙台フォーラム

内容:総会屋への多額の利益供与が発覚した朝日中央銀行に東京地検特捜部の捜査のメスが入る。経営陣はパニックに陥り、政財界の大物でもある黒幕、佐々木取締相談役の顔色ばかりをうかがう有り様。そんな上層部の態度に奮起した企画本部副部長で佐々木相談役の娘婿でもある北野をはじめとするミドル層と呼ばれる中堅行員たちは、銀行の悪しき因習を断ち切るべく再建のための改革を断行しようと立ち上がる。。

評価★★★★/80点

映画見てる最中、人物の立ち位置を異様なまでに意識させられたのはこれが初めてだ。なんか壮大な舞台劇を見たような気分。

改革を断行しようとする中堅組、自分たちの体裁を守ろうと組織のしがらみから抜け出せない上層部、皮肉たっぷりに描かれるマスコミ、この三者三様がめまぐるしく交錯してテンポも速く、アクション映画よりもアクション映画ぽかった。

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どら平太(2000年・日本・111分)NHK-BS

 監督:市川崑

 出演:役所広司、浅野ゆう子、宇崎竜童、片岡鶴太郎、石橋蓮司、石倉三郎、菅原文太

 内容:ある小藩の町奉行に着任した望月小平太は、その豪快ぶりから“どら平太”というあだ名までつく型破りな役人。彼はこの藩の壕外と呼ばれる売春や賭博が横行する藩の吹きだまり地区で権力を握る3人の親分の不正を正すべく動き出すが・・・。黒澤明、木下恵介、市川崑、小林正樹によって結成された「四騎の会」の第1回作品として共同執筆されながらもお蔵入りになっていた山本周五郎原作の時代劇を市川崑が映画化。

評価★★★/60点

“伏魔殿とやらはどこへやら。なぁんだ、実はみんないい奴じゃん・・・。”

この映画、現代の日本の政治と照らし合わせてみると意外に面白いかも。

ある小藩。ま、永田町のどこぞやの党ですか。改革を謳うどこぞやの首相が殿。

しかし改革をやるぞ!やります!やる!と言うだけで何ら行動しないお殿さま。一応、望月小平太を改革担当大臣に据える。んで改革実行は小平太に任せっきりでお殿様は最後まで姿を見せず。

そう、この映画、、お殿様が出てこない。。

一方、改革に乗り出した小平太のまわりには、いくつかの派閥に分かれてはいるが一応足並みが揃っている抵抗勢力の存在が。

上意!上意であるぞ!と叫びながら小平太は心血注いで改革に身を焦がす。

しかし殿は一向に姿を現さず。小平太は一人矢面に立って孤軍奮闘するのであった。ときにはバッサバッサと斬り捨てる痛みをともなう手段もとる小平太であったが、そこはさすがの小平太。刀の峰で討ったように命にかかわらない程度の最小限の痛みに抑えるのであった。

改革の本丸、壕外、それは悪の巣窟。汚辱と悪徳のゴミ溜め。財界、大企業、省庁、公団、社保庁、とまぁ次から次へと・・・。

しかし、一方では壕外から入ってくる献金、闇金が重要な財源となっているのもまた事実。

はたして小平太は癒着の毒の根を絶つことができるのでありましょうか。チャンチャン。

なんかこの映画の最後は内閣総辞職てなかんじで終わったけどね.とはいうものの冒頭に書いたように、なんかみんないい人になって終わるんだよね。

伏魔殿というよりは単なる馴れ合いだったか・・・。

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