夢のシネマパラダイス429番シアター:異国の地ヨーロッパ紀行
グッバイ、レーニン!
出演:ダニエル・ブリュール、カトリーン・ザース、チュルパン・ハマートヴァ、マリア・シモン
監督:ヴォルフガング・ベッカー
(2003年・ドイツ・121分)仙台フォーラム
評価★★★★/80点
内容:1989年の東ベルリン。母が心臓発作で昏睡状態に陥っていた間に、ベルリンの壁が崩壊。息子アレックスは、愛国主義者の母に2度とショックを与えないよう、崩壊以前の東ドイツを強引に演出するのだが・・・。
“親思う心にまさる親心 今日のおとずれ何と聞くらむ”
資本主義だろうが社会主義だろうがグッバイだろうがウェルカムだろうがこの際そんなこたぁどうでもいい。
それよりも、とにかくご立派なお息子さんを育て上げたクリスティアーネお母さんの親心と息子アレックスへの暖かな眼差しに心打たれる。
これを母親と息子の話ではなく、親父と息子の話にしていればそれはそれでもの凄い作品になっていたと思うのだけども、やはり笑いと涙のペーソスにあふれているという点では今作の撮り方で正解だと思う。
親父さんも含めた家族にあった壁が取り払われていくのって、いいね。
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地下水道(1956年・ポーランド・96分)NHK-BS
監督:アンジェイ・ワイダ
出演:テレサ・イジェフスカ、タデウシュ・ヤンチャル、ヴィンチェスワフ・グリンスキー
内容:第二次世界大戦末期のワルシャワ。パルチザン部隊による地下運動は悲惨な最終段階に達していた。ザドラ率いるパルチザン中隊は、ドイツ軍に追われて地下水道を通り、市の中央部に出て再び活動を続けることにするが・・・。地下水道で苦悶するレジスタンスの姿を、ドキュメンタリータッチでとらえた作品。
評価★★★/65点
人物のキャラクターが自分の中に浮上してくる前に地下の暗闇と絶望に突き落とされてしまい、監督よりも冷徹で突き放した視線で見つめてしまっている自分がいた。
なんといっても冒頭の、「悲劇の主人公がそろった。彼らの人生の最期をお目にかけよう」というまるで他人事のようなモノローグがエグイ。
でも、笑うに笑えないのがどうにも窮屈で息苦しくて仕方なかったな。閉所恐怖症だもん・・。
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パパは、出張中!(1985年・ユーゴスラビア・136分)NHK-BS
監督:エミール・クストリッツァ
出演:モレノ・デバルトリ、ミキ・マノイロヴィッチ、ミリャーナ・カラノヴィッチ
内容:1950年代、スターリン主義の排除に躍起となっていたユーゴスラビア。サラエボに住む少年マリックの父・メイシャは、愛人との情事の際にスターリン批判の漫画に、これはやり過ぎだ!と憎まれ口を叩いた。ところが、彼女がそれを人民委員会に漏らしたため、父は遠い鉱山へ奉仕労働に送られてしまう。母はマリックたちに「パパは出張中だ」とごまかすのだが・・・。カンヌ国際映画祭で作品賞受賞。
評価★★★/65点
パパはヤリ過ぎ!に変えた方がよくねえ?
スターリン批判の風刺漫画に「やりすぎだ」と言って逮捕される親父はいろんな女とヤリすぎです。座布団1枚!
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トレインスポッティング
出演:ユアン・マクレガー、ユエン・ブレンナー、ジョニー・リー・ミラー、ロバート・カーライル、ケリー・マクドナルド
監督:ダニー・ボイル
(1996年・イギリス・93分)仙台セントラル劇場
内容:ヘロイン中毒に陥った若者たちの生態を、斬新な映像感覚で描いた青春群像劇。麻薬常習者のレントンは、何度目かの麻薬断ちを決意し、健全な性欲を満たすべくディスコへ向かった。そこでダイアンという美女に心惹かれたレントンは、彼女の家に行ってセックス漬けに。そして何事もなかったかのように翌朝には再び麻薬を打ってしまうのだった。あげくの果てにそれまで麻薬はやらなかった仲間のトミーも麻薬をガンガン打ってくれ!とせがみに来て・・・。
評価★★★/60点
“3K”
ヘロイン中毒の若者のノンストップの場当たり的クズ人生を、刹那性や暴力性を排除して小気味よく描いた爽快さは認めるところで、学生時代にめちゃくちゃ流行った映画。当時周りでは“クレイジー・クール・カッコいい”のファッション感覚でもてはやされていたような気がする。
けど、自分にとってこの映画は、やはり今も昔も“臭い・汚い・キモい”の3Kなのだったww
P.S.追記
今作から20年後を描いた続編を鑑賞。ていうかこの続編いるかw!?しかもキャストスタッフがそのまま集まってという点にもビックリしたんだけど・・。
で、96年に18歳だった自分もあれから20年経って立派なオッサンになったけど、精神年齢は中2から停止したまま。いつ自分は大人になったんだろうと未だ大人になりきれない未熟さに歯がゆさや恥ずかしさを覚えることが出てきたりして。。でもコイツらに比べれば自分は全然マシだなと自信を持てただけでもこの映画を見る価値はあった(笑)
と同時に若さはもう通用しないんだということも痛切に感じられる作品になっていたと思う。
前作はヘロインクソまみれのただただ無軌道な暴走映画だったけど、イギリス映画特有の湿り気がなくて、開けっ広げで陽気な疾走感がある意味で爽快さを生んでいた点が稀有だった。
しかし、さすがに歳食うと悲惨さがリアリティをもって迫ってくるんだよね💧
昔はあーだこーだと過去に拘泥するオッサンたちと、そんなセンチメンタル意味ないじゃんとしたたかに前を見るベロニカの対比も良いアクセントになっていたと思う。
また、20年経ってもロック音楽を基調とした小気味よいテンポとダニー・ボイルのチープなスタイリッシュさ(いや、進化はしてるw)が変わらないままなのはなんだか微笑ましかった。
また20年後か(笑)!?
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ロッタちゃんと赤いじてんしゃ(1992年・スウェーデン・76分)NHK-BS
監督:ヨハンナ・ハルド
出演:グレテ・ハヴネショルド、ベアトリス・イェールオース
内容:「長くつ下のピッピ」で知られるスウェーデンの童話作家アストリッド・リンドグレーンが生んだもうひとりのヒロイン“ロッタちゃん”シリーズの第2作。頑固で意志の強い5歳児ロッタちゃんが今回も大暴れ!
評価★★★☆/70点
東の横綱メイ、西の横綱ローラ・ワイルダー、そして北の横綱ロッタちゃん。
これを世界3大ふくれっ面エンジェルという!
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ソフィーの世界(1999年・ノルウェー・111分)NHK-BS
監督:エリック・グスタヴソン
出演:シルエ・ストルスティン、トーマス・ヴァン・ブロムセン、アンドリン・サザー
内容:ある日、14歳の少女ソフィーのもとに一通の手紙が届く。文面には「あなたは誰?」とだけ。そして再び届いた二通目の手紙には「世界はどこから来た?」とだけ。この手紙に不思議な気持ちを掻き立てられたソフィーは、手紙の主アルベルトとともに古代ギリシャから帝政ロシアまで、時空を超える旅を重ねていく・・・。深淵で哲学的なテーマをファンタジックにつづった同名ベストセラー原作の映画化。
評価★★/40点
“バカでも分かる西洋史”
をなぜに映画でやる必要がある?というのが率直な疑問。
映画見てかえって原作読む気なくしたんだけど・・w
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