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2018年4月 2日 (月)

夢のシネマパラダイス385番シアター:6歳のボクが、大人になるまで。

ムーンライト

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出演:トレヴァンテ・ローズ、アンドレ・ホランド、ジャネール・モネイ、アシュトン・サンダーズ、ジャレル・ジェローム、ナオミ・ハリス、マハーシャラ・アリ

監督・脚本:バリー・ジェンキンズ

(2016年・アメリカ・111分)WOWOW

内容:マイアミの貧困地域。小学校でチビ呼ばわりされ毎日いじめられている内気な少年シャロン。麻薬中毒の母親ポーラから育児放棄にも遭っている彼にとって心を許せるのは、ひょんなことから助けられ何かと面倒を見てくれる麻薬の売人フアンとその恋人テレサ、そして同級生のケビンだけだった。やがて高校生になったシャロンは、ケビンに友だち以上の感情を抱き始め・・。

評価★★★☆/70点

人種差別、LGBT、貧困、イジメ、虐待、ドラッグと、主人公を取り巻くありとあらゆるマイノリティの苦難。

あまりにもヘヴィーでキレイごとではない内容ながら、見終わってみるとキレイな映画だったなぁという意外な印象。

それはおそらくリトル、シャロン、ブラックの3話構成に起承転結でいうところの承しかないという大胆な省略術によるところが大きいのだと思う。

特にシャロン→ブラックへのまるで別人な変貌は完全に転なのだけど、その間の過程および因果関係が全く描かれていないため、自壊寸前のダークな暴力性よりも感傷に流されるピュアな叙情性の方がより強調されたということだろう。

この映画はそこをどう捉えるかがキモだと思うけど、個人的には映画としてのパンチ力に若干欠けるかなという印象。。

ただ、役者がすこぶる良いので、描かれなかった余白にこちら側がくみ取れるだけの具体的な心情を乗せることができているのは、さすがアカデミー受賞作だけのことはあるなとは思った。

しかし、フアンをあっさり退場させるなんて10人脚本家がいたら1人くらいしか思いつかない芸当だろうなw

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6歳のボクが、大人になるまで。

20150410230940出演:パトリシア・アークエット、エラー・コルトレーン、ローレライ・リンクレーター、イーサン・ホーク

監督・脚本:リチャード・リンクレーター

(2014年・アメリカ・165分)盛岡フォーラム

内容:テキサスの小さな田舎町に住む6歳の少年メイソンは、シングルマザーのオリヴィアと姉サマンサとの3人暮らしで、父親は離婚してアラスカへ旅立ったまま。そんな中、母親が博士号を取るためにヒューストンへ引っ越すことに。そこで少年時代を送っていくメイソンは、母の再婚や父との再会、そして初恋と様々な経験を重ねていく・・・。オーディションで選ばれた6歳の少年エラー・コルトレーンを主演に据え、主人公の6歳から18歳までの12年間の成長と家族の物語を、実際に12年間かけて撮影するという斬新な手法で描き出したヒューマンドラマ。

評価★★★☆/70点

数あるメディアの中で映画に最も魅かれるのはなぜなのか。

それは言いかえれば、映画の映画たるゆえんは何なのかということでもある。

映画は視覚芸術だという一言で片付けることもできるけど、おおむね2時間前後しかない強い拘束力を受けている中で、時間軸の省略や要約などスクリーン上で時間を変化させ再創造する、その映画固有の時間表現ーカットとモンタージュの組み合わせーに夢のような能力を感じ取っているからなのかもしれない。

それは飛躍、短縮、シンクロなど時として目も覚めるような形で時間の流れの異様さをあらわにする。

そういう点では今回の映画は、同じキャストで足かけ12年に渡る撮影を経て家族の軌跡を3時間に収めるという今までにない手法で作られているのだけど、12年という淡々とした時間の流れ=人生がすでに立派なドラマになっているのだということを如実に感じられる作品だったと思う。

映画のひとコマひとコマ1ショット1ショットが一瞬間を表し、これらの固定した各コマの映像の一連続から映画全体が成り立っていることを思えば、「時間は途切れない。一瞬というのは常に今ある時間のことだ」というラストのセリフはこの映画の構造を象徴していて印象深い。

瞬間瞬間の積み重ねが人生を形づくっていく、まさに“今を生きる”ことの愛おしさ、尊さが染み渡ってきた。映画を流れるこういう時の流れも悪くはない。

あと、興味深かったのが家庭環境あるいは食卓風景の中にまで大統領選などの政治やイラク戦争、マリファナ、銃などが当たり前のように浸透していることで、アメリカの社会背景が垣間見れて面白かった。

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マイライフ・アズ・ア・ドッグ

084 出演:アントン・グランセリウス、マンフレッド・セルネル、メリンダ・キンナマン

監督:ラッセ・ハルストレム

(1985年・スウェーデン・102分)NHK-BS

評価★★★★/75点

 

内容:1950年代末のスウェーデン、海辺の町に住む少年イングマルは、たとえつらいことがあっても、ソ連の人工衛星スプートニクに乗せられて死んでしまったライカ犬よりは自分の方がまだマシだといつも思っていた。母親の病気がひどくなって、叔父の家に引き取られることになったイングマルは、ある日、サッカーの練習に行って鮮やかにゴールを決めるガキ大将サガに出会う・・・。人生に目覚め、少しずつ大人になっていくナイーブな少年の成長物語。

“見たいものと見たくないもの”

少年イングマルはベリットの裸は見たかった。しかし母親の怒り叫ぶ姿と怒鳴り声には耳をふさぎ自分のワーワー声でかき消して目をそむけていた。

星空の向こうにある母親との楽しい思い出は見たかったが、病床で母親が苦しむ姿からは目をそむけて見たくなかった。

ライカ犬が自分より不幸だったであろう姿は必死に頭をめぐらせて見たかったが、自分が抱えている悩みや苦しみからは他の不幸に代用することによって目をそむけていた。

しかし、叔父の家で成長した今のイングマルなら、それら見たくないものからも目をそむけることはないだろう。

そいえば、個人的なことになるけど、自分が小1の時に劇場で親に見せられたアニメ映画「はだしのゲン」は自分の想像力を破壊してしまうほどの残酷さにもう見れなくて見れなくて耐え切れなくて、ずっと後ろを振り返って映写機から出てくる透明で青白い光の粒子のカーテンをじっと見つめていたことが今でも思い出される。でもそれから数年後に見た「火垂るの墓」はちゃんと見れたっけ。

ちなみに小1の時に、「はだしのゲン」は見たくなかったけど、テレビで夕方5時からやってたテレビドラマで毎回出てくる大原麗子の入浴シーンは見たかった(笑)。5時までに遊びを切り上げてまで見てたからなぁ・・

20年経った今でも記憶に残ってるくらいなのだから大原麗子にメロメロだったんだろうなオレ。。イングマルがベリットに夢中だったように。

それにしてもベリットの像は何処へ・・・。

今自分が見たいのはあの像だな。見たくないのはもちろん我が愛しのレアル・マドリーの敗れた姿です。

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