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2018年4月25日 (水)

夢のシネマパラダイス281番シアター:攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL

Mainvisual 声の出演:田中敦子、大塚明夫、家弓家正、山寺宏一

監督:押井守

(1995年・松竹・80分)

評価★★/40点

 

内容:2029年の企業集合体国家に、謎の天才ハッカー“人形使い”が出現。精鋭サイボーグによる特殊部隊・攻殻機動隊がその捜査にあたった。隊長の草薙素子は、電脳に侵入し人格まで操作してしまう人形使いの能力を知って、自らの存在意義に疑念を抱き始める・・・。近未来の超高度ネットワーク社会を舞台に、公安警察の特殊部隊の活躍を描いたサイバーパンクアニメ。アメリカでビデオチャートの1位を記録したことでも有名。

“自分の知識欲を刺激し、煽る映画は好きだが、知識欲を麻痺させる映画を見るのははっきりいって嫌い”

この作品を始めて見たのは公開数年後、大学に入ってからだったと思う。

原作マンガを読んでいなかったとはいえ「ろっか」というところだけですでに何?みたいな・・。

ロッカなのか六家なのか六課なのか、と思ったら「きゅうか」という言葉が。。

旧家?九課?

もうよほどレベルが低かったんだね、我ながらw

まぁそんなところで立ち止まってしまうぐらいだから、内容にもほとんどついていけず、デジタル技術の海の中で創造されたアニメ、そのデジタル情報の渦の中でただただ溺れているだけだったのです。

でもまぁやっぱり原作マンガを読んでから見るべきものだったのかなという感じはする。

なんてったって士郎正宗だからなぁ。

押井守には悪いけど、この映画もまた士郎正宗の“攻殻機動隊”の1つのパーツとしてみるべきものなのかな、とは感じた。

1個の独立した作品としてはなんだか見れないなあと。

自分がおバカなのを加味してもちょっとこの映画は情報量が少なすぎる。

だからまぁ何回か見ないと分からないのかもとは思うのだけど、これって士郎正宗のマンガの読み方とは全く逆じゃないだろうか。

後に攻殻を読んだりしても思うけど、士郎正宗の印象はとにかく情報量が多い。欄外に注釈がわんさか書かれてるし、絵の情報量もあふれていて1ページ読むのにけっこう時間がいるんだよね。読めば読むほど理解が深まるというかんじで。

情報量が多いから何回も読む、しかし映画の方は情報量が少ないから何回も見るというそういう違いがあると感じたかな。

あと士郎正宗マンガの楽しみ方って「アップルシード」なんかだとデータブックとかイラスト集などの副読本も出てて、それらを見ることによってさらにそのマンガの世界を楽しめてしまうといういわば副教材になってるわけで。だからそういう副教材を含めて1つの作品世界として楽しむ、それが士郎正宗マンガの独特の面白さだと思うのだけれど。

なんかこの映画を見ると、これも士郎正宗攻殻の副教材の1つなんじゃないかなと、逆にいえば副教材にしか見えないということをすごく感じてしまったのだった。

それがいいのか悪いのかといえば★2つ付けてるくらいだから言わずもがなだけど。

ただどうなんだろう。押井守の側からすると、この作品は単なる実験的な作品だったのかもしれない。押井守自身はまだ過渡的な段階にいるのかなぁなんてことを当時はふと思っていた。

ま、「イノセンス」見てその思いは見事に裏切られたけどね(笑)。

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ゴースト・イン・ザ・シェル

170258_02出演:スカーレット・ヨハンソン、ビートたけし、マイケル・カルメン・ピット、ピルー・アスベック、ジュリエット・ビノシュ

監督:ルパート・サンダーズ

(2017年・アメリカ・107分)WOWOW

内容:人間の義体化(サイボーグ)が現実となった近未来。脳の一部を除いて全身が義体化された女性捜査官・少佐は、公安9課の精鋭としてテロ犯罪を取り締まっていた。そんな中、少佐の義体化も担ったハンカ・ロボティックス社の技術者が殺害される事件が発生する。そして少佐は事件の真相を追ううちに、自分自身の失われた記憶と過去について疑念を抱かざるをえない状況に追いつめられていく・・・。

評価★★★/60点

押井攻殻における草薙素子の義体化工程を映し出したオープニングシーンを忠実に実写化しているのを見て、これは期待できるかも♪と思って見たが、キャラ造形からバセットハウンド登場はたまた音楽の使い方に至るまで押井攻殻へのリスペクトの本気度がこちらの想像以上でビックリ。

特に世界観を再現した映像面はスゴイの一言で、邦画では到底かなわないレベルにハリウッドの力量を見せつけられたかんじ。

ただ、面白かったかどうかはまた別問題で・・w

いかんせん押井攻殻に面白さを感じなかった自分にとっては、これだけ忠実にトレースしてくれたことで逆にツマラなさもそのまま受け継がれちゃったというか(笑)。アメリカナイズされたシナリオの分かりやすさ(自己のアイデンティティに対する疑念と葛藤というハリウッドSF十八番のテーマなど)がチープ感を倍増させていて正直眠気に襲われてしまった。。

アクション描写も全然だし、押井攻殻から20年以上経ってこれだと映画としての新機軸はほぼ皆無といわなければならない。

まぁ、変に換骨奪胎したらそれはそれでブーイングだろうし、こういう実写映画化はやっぱり難しいねぇw

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イノセンス

051106_innocence声の出演:大塚明夫、田中敦子、山寺宏一、竹中直人

監督:押井守

(2004年・東宝・99分)2004/03/16・MOVIX仙台

評価★★☆/45点

 

内容:2032年の日本。世の中は、人とサイボーグ、そしてロボット(人形)の共存が進んでいた。と同時にテロも各地で続発。そんな犯罪を取り締まる政府直属の機関・公安九課の刑事バトー。彼は、身体全体がサイボーグで、純粋な部分はわずかな脳だけ。そして彼を人間たらしめているのは、かつて想いを寄せていた草薙素子の記憶と、愛犬バセットハウンドへの無償の愛情だけだった。そんなある日、暴走した少女型のロクス・ソルス社製の愛玩用ロボットが所有者を惨殺する事件が発生。さっそく相棒トグサとともに捜査に乗り出すバトーだったが、その過程で彼の脳を攻撃する謎のハッカーの妨害に見舞われていく・・・。

“この映画からは魂(ゴースト)を感じない。それゆえこの作品を見る意味という根源的なところで何も見出すことができない。”

「マトリックス・リローデッド」でも感じたことだけど、娯楽としての映画に、より強いエンタメ性を付加しなおかつ補強していくものが、作り手と観客の相互理解の強化のためのストーリーと映像のバランス取りと補完性ではなく、徹底した圧倒的映像体験の強化なのだとすれば、それは自分の感性とは本質的に合わない。

というかもともと自分の好みではなくて、あまりやってもらいたくない手法だということは前もって言っておく。

見てる時は面白いが、それは決まって一過性で、結局心の中に何も残していかないのだから。

そして、攻殻もそうだし、本作イノセンスもまたしかり。と個人的には感じてしまったのだった。

まずもってこのシリーズからは“情”を感じることができない。

人間と機械の境界が曖昧になっている世界観とそこから来る自分という存在定義への言い知れぬ不安を描こうとしているのは、特に前作よりも顕著で、そのため“情”が定まらないというのも無理やり理屈づけて考えれば分からないでもない。。

そうでなくとも本作では、ゴーストを持たないロボットの暴走事件を扱っているわけで、その愛玩ロボット「ハダリー」に“情”がないのは言うまでもない。

そして、そこから我々が認識し得るものは、ただ恐怖それのみである。

だが、この映画のある意味信じがたい点は、「ハダリー」が我々の内に呼び覚ます恐怖というただ一面でのみ完全に立ち止まっているところで、この愛玩ロボット「ハダリー」を作ったヤツも出てこなければ、所有するヤツも出てこないという欠陥を平然とやってのけている。

魂(ゴースト)がないのではなく、魂(ゴースト)を描いていないのだ、と自分勝手に解釈させてもらった。

では、“情”の対極にある“理”はどうかといえば、これがまた悲惨そのもの。

孔子やら何やらいろいろご立派な比喩やら理屈やらの数々を次々にひけらかしてくるが、それらが自分の中に残すものは空虚と倦怠だけ。

この映画はあれなのか?人間と機械の境界線というよりか、理屈と屁理屈の境界線を彷徨う映画を目指しているのか?

しかもこの決められたような通り一遍の“理”が、不器用なバトーやトグサの微かな“情”の灯を消してしまいもはや風前の灯だし、1つの型に嵌めてしまい自分の中で何も震えず。

自分は映像よりもまずストーリーとキャラクター重視、“情”と“理”の融合と“魂”を見たいタチなので、この点は看過できない。

しかし、ただひとつ、映像だけはスゴイことは認めよう。

映画のオープニングでヴィリエ・ド・リラダンの「未来のイヴ」の一説が引用されているが、この「未来のイヴ」に出てくる人造人間ハダリーの、まだ髪の毛や人工肉、皮膚が付着される前の内部系統。また、その製作者であるエディソンのハダリー内部の身体組織の詳細な驚くべき解説などから想起される造型描写を見事に再現してくれた。

とはいっても、1880年代にこの「未来のイヴ」を書き上げてしまったリラダンの魔術師ぶりには到底かなわない。

ちなみに前作で、ネットの海に消えた草薙素子の本作における守護天使ぶりも、「未来のイヴ」でものの見事に表現されている。

さすがにネットという概念は出てこないけど、それに似たものとして、神経流体や流体電導網といった言葉でソワナ(本作にも名前だけ出てくる)の魂と意志が距離を無視して飛んでいくといった驚きの描写がなされている。

押井はリラダンになれるのか。。

概念や世界観は今までの作品で飽きるほど見てきた。

今度はこちらが身震いするほどの“魂”をもしっかり描いてみせてもらいたい。

一応は期待しとるのよ・・w

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アップルシード

26074089声の出演:小林愛、小杉十郎太、松岡由貴、藤本譲

監督:荒牧伸志

(2004年・東宝・103分)DVD

評価★★☆/45点

内容:西暦2131年、世界中を巻き込んだ非核大戦は人類に大きな爪あとを残して集結した。そんな荒廃した世界の中で、人々に唯一の希望を与えたのは、最後の理想郷“オリュンポス”。だが、その人口の50%は、ヒト社会の安定を目的に造られたクローン人間“バイオロイド”が占めていた。そのオリュンポスに大戦を生き抜いた若き女性兵士デュナン・ナッツが連行されてくる。そして彼女の前には大戦で死んだはずの恋人ブリアレオスが現れる。しかし、彼は戦争で重傷を負った体の大半を機械化されており、かつての面影をなくしていた・・・。「攻殻機動隊」の原作者としても知られる士郎正宗の「アップルシード」を3Dライブアニメという世界初の手法で映像化した近未来SFアクション。

“最初は新鮮な映像に引き込まれるが、所詮はゲームショウの特設ブースで初体験映像として流してた方がまだマシなレベル”

手塚治虫の「火の鳥 未来編」に出てくる電子頭脳ハレルヤを想起してしまったけど、その点においても本作は描写が致命的に浅い。

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べクシル2077 日本鎖国(2007年・松竹・109分)WOWOW

 監督:曽利文彦

 声の出演:黒木メイサ、谷原章介、松雪泰子、朴路美、大塚明夫

 内容:バイオ&ロボット技術で市場を独占していた日本は、国際協定に反発し国際連合を脱退、ハイテク技術を駆使した完全なる鎖国を開始する。それから10年後の2077年、日本を牛耳る企業・大和重鋼の暗躍を危惧した米国特殊部隊SWORDは潜入作戦を決行する。そして女性兵士べクシルが潜入に成功し、レジスタンスを率いるマリアと行動を共にするが・・・。

評価★★☆/50点

1ヌキ2スジ3ドウサ(映像・シナリオ・演技)という映画の評定マニュアルに照らしてみると、、映像スゴイ。シナリオ薄っぺら。演技大根・・。

プレステでメタルギアソリッドやってる方が断然面白いっちゅうレベルです。。

なんつーか、作り手の技術屋として志向するベクトルと、見る側が求めるベクトルというのがかなりかけ離れちゃってるなと。「ファイナル・ファンタジー」もそうだったけど。

3DCGなどの専門的なことがホメられて、それがいい映画とか完成度の高い映画なんだというベクトルじゃなくて、自分にとって、また誰かにとって好きな映画、愛すべき映画というのを作ってもらいたいんだわなぁ。。

クールじゃなく子供っぽくていいから、そんな映画を見たいんだよ。

ま、だから、ピクサー映画は大好きなんだけどさ。そんな自分がこの“大人な”映画を語る資格なんてないのかもしれないけど、大丈夫かなと思っちゃうよジャパニメーションの将来・・。

しかし、「砂の惑星」のサンドワームをここで見ることになるとはね(笑)。

2018年4月18日 (水)

夢のシネマパラダイス429番シアター:異国の地ヨーロッパ紀行

グッバイ、レーニン!

Bye 出演:ダニエル・ブリュール、カトリーン・ザース、チュルパン・ハマートヴァ、マリア・シモン

監督:ヴォルフガング・ベッカー

(2003年・ドイツ・121分)仙台フォーラム

評価★★★★/80点

 

内容:1989年の東ベルリン。母が心臓発作で昏睡状態に陥っていた間に、ベルリンの壁が崩壊。息子アレックスは、愛国主義者の母に2度とショックを与えないよう、崩壊以前の東ドイツを強引に演出するのだが・・・。

“親思う心にまさる親心 今日のおとずれ何と聞くらむ”

資本主義だろうが社会主義だろうがグッバイだろうがウェルカムだろうがこの際そんなこたぁどうでもいい。

それよりも、とにかくご立派なお息子さんを育て上げたクリスティアーネお母さんの親心と息子アレックスへの暖かな眼差しに心打たれる。

これを母親と息子の話ではなく、親父と息子の話にしていればそれはそれでもの凄い作品になっていたと思うのだけども、やはり笑いと涙のペーソスにあふれているという点では今作の撮り方で正解だと思う。

親父さんも含めた家族にあった壁が取り払われていくのって、いいね。

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地下水道(1956年・ポーランド・96分)NHK-BS

 監督:アンジェイ・ワイダ

 出演:テレサ・イジェフスカ、タデウシュ・ヤンチャル、ヴィンチェスワフ・グリンスキー

 内容:第二次世界大戦末期のワルシャワ。パルチザン部隊による地下運動は悲惨な最終段階に達していた。ザドラ率いるパルチザン中隊は、ドイツ軍に追われて地下水道を通り、市の中央部に出て再び活動を続けることにするが・・・。地下水道で苦悶するレジスタンスの姿を、ドキュメンタリータッチでとらえた作品。

評価★★★/65点

人物のキャラクターが自分の中に浮上してくる前に地下の暗闇と絶望に突き落とされてしまい、監督よりも冷徹で突き放した視線で見つめてしまっている自分がいた。

なんといっても冒頭の、「悲劇の主人公がそろった。彼らの人生の最期をお目にかけよう」というまるで他人事のようなモノローグがエグイ。

でも、笑うに笑えないのがどうにも窮屈で息苦しくて仕方なかったな。閉所恐怖症だもん・・。

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パパは、出張中!(1985年・ユーゴスラビア・136分)NHK-BS

 監督:エミール・クストリッツァ

 出演:モレノ・デバルトリ、ミキ・マノイロヴィッチ、ミリャーナ・カラノヴィッチ

 内容:1950年代、スターリン主義の排除に躍起となっていたユーゴスラビア。サラエボに住む少年マリックの父・メイシャは、愛人との情事の際にスターリン批判の漫画に、これはやり過ぎだ!と憎まれ口を叩いた。ところが、彼女がそれを人民委員会に漏らしたため、父は遠い鉱山へ奉仕労働に送られてしまう。母はマリックたちに「パパは出張中だ」とごまかすのだが・・・。カンヌ国際映画祭で作品賞受賞。

評価★★★/65点

パパはヤリ過ぎ!に変えた方がよくねえ?

スターリン批判の風刺漫画に「やりすぎだ」と言って逮捕される親父はいろんな女とヤリすぎです。座布団1枚!

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トレインスポッティング

Pta46 出演:ユアン・マクレガー、ユエン・ブレンナー、ジョニー・リー・ミラー、ロバート・カーライル、ケリー・マクドナルド

監督:ダニー・ボイル

(1996年・イギリス・93分)仙台セントラル劇場

内容:ヘロイン中毒に陥った若者たちの生態を、斬新な映像感覚で描いた青春群像劇。麻薬常習者のレントンは、何度目かの麻薬断ちを決意し、健全な性欲を満たすべくディスコへ向かった。そこでダイアンという美女に心惹かれたレントンは、彼女の家に行ってセックス漬けに。そして何事もなかったかのように翌朝には再び麻薬を打ってしまうのだった。あげくの果てにそれまで麻薬はやらなかった仲間のトミーも麻薬をガンガン打ってくれ!とせがみに来て・・・。

評価★★★/60点

“3K”

ヘロイン中毒の若者のノンストップの場当たり的クズ人生を、刹那性や暴力性を排除して小気味よく描いた爽快さは認めるところで、学生時代にめちゃくちゃ流行った映画。当時周りでは“クレイジー・クール・カッコいい”のファッション感覚でもてはやされていたような気がする。

けど、自分にとってこの映画は、やはり今も昔も“臭い・汚い・キモい”の3Kなのだったww

P.S.追記

今作から20年後を描いた続編を鑑賞。ていうかこの続編いるかw!?しかもキャストスタッフがそのまま集まってという点にもビックリしたんだけど・・。

で、96年に18歳だった自分もあれから20年経って立派なオッサンになったけど、精神年齢は中2から停止したまま。いつ自分は大人になったんだろうと未だ大人になりきれない未熟さに歯がゆさや恥ずかしさを覚えることが出てきたりして。。でもコイツらに比べれば自分は全然マシだなと自信を持てただけでもこの映画を見る価値はあった(笑)

と同時に若さはもう通用しないんだということも痛切に感じられる作品になっていたと思う。

前作はヘロインクソまみれのただただ無軌道な暴走映画だったけど、イギリス映画特有の湿り気がなくて、開けっ広げで陽気な疾走感がある意味で爽快さを生んでいた点が稀有だった。

しかし、さすがに歳食うと悲惨さがリアリティをもって迫ってくるんだよね💧

昔はあーだこーだと過去に拘泥するオッサンたちと、そんなセンチメンタル意味ないじゃんとしたたかに前を見るベロニカの対比も良いアクセントになっていたと思う。

また、20年経ってもロック音楽を基調とした小気味よいテンポとダニー・ボイルのチープなスタイリッシュさ(いや、進化はしてるw)が変わらないままなのはなんだか微笑ましかった。

また20年後か(笑)!?

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ロッタちゃんと赤いじてんしゃ(1992年・スウェーデン・76分)NHK-BS

 監督:ヨハンナ・ハルド

 出演:グレテ・ハヴネショルド、ベアトリス・イェールオース

 内容:「長くつ下のピッピ」で知られるスウェーデンの童話作家アストリッド・リンドグレーンが生んだもうひとりのヒロイン“ロッタちゃん”シリーズの第2作。頑固で意志の強い5歳児ロッタちゃんが今回も大暴れ!

評価★★★☆/70点

東の横綱メイ、西の横綱ローラ・ワイルダー、そして北の横綱ロッタちゃん。

これを世界3大ふくれっ面エンジェルという!

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ソフィーの世界(1999年・ノルウェー・111分)NHK-BS

 監督:エリック・グスタヴソン

 出演:シルエ・ストルスティン、トーマス・ヴァン・ブロムセン、アンドリン・サザー

 内容:ある日、14歳の少女ソフィーのもとに一通の手紙が届く。文面には「あなたは誰?」とだけ。そして再び届いた二通目の手紙には「世界はどこから来た?」とだけ。この手紙に不思議な気持ちを掻き立てられたソフィーは、手紙の主アルベルトとともに古代ギリシャから帝政ロシアまで、時空を超える旅を重ねていく・・・。深淵で哲学的なテーマをファンタジックにつづった同名ベストセラー原作の映画化。

評価★★/40点

“バカでも分かる西洋史”

をなぜに映画でやる必要がある?というのが率直な疑問。

映画見てかえって原作読む気なくしたんだけど・・w

2018年4月 6日 (金)

夢のシネマパラダイス2番シアター:スタンド・バイ・ミー

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(1995年・日本・45分)WOWOW

 監督・脚本:岩井俊二

 出演:山崎裕太、奥菜恵、反田孝幸、小橋賢児、田口トモロヲ、麻木久仁子、光石研

 内容:小学生最後の夏休みの登校日。親友同士のノリミチとユウスケは2人とも同級生のナズナに想いを寄せていた。しかし、ナズナは両親の離婚により母親に引き取られて休み明けに転校することになってしまう。そんなこととは知らない2人は、プール掃除をさぼって50m競争をすることに。ノリミチがターンの時に足をぶつけたことでユウスケが先にゴールするのをプールサイドで見ていたナズナは、夜に行われる花火大会にユウスケを誘うのだが・・・。 

評価★★★☆/70点

20数年ぶりに見て、「花火大会行かないの?」「どうしよっかなぁ、今日ヴェルディとマリノス戦あるからなぁ」という会話に1番ノスタルジーを感じた(笑)。

それはともかく、今見返してみると子役を光り輝かせるという点で是枝演出と比較すると雲泥の差があるとはいえ、ミニマムな世界観しか持ち合わせていない男子が紅一点ミステリアスな存在感を醸し出すオトナ女子に振り回される構図は、どストライク。

あんな経験あるわけないんだけど、男子の妄想の共感ポイントを恐ろしいほど押さえていて、なんだか見ていて背中のあたりがこそばゆくなってしまったw

これ女性から見ても甘酸っぱいノスタルジーを抱くんだろうかというのは興味のあるところかも。。

まぁ、もともとがTVドラマ用ということで全体的な古臭さがどうしてもあるので、心の宝箱の中にそっと仕舞っておこうか。

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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

172123_02声の出演:広瀬すず、菅田将暉、浅沼晋太郎、宮野真守、梶裕貴、花澤香菜、松たか子

監督:新房昭之

(2017年・東宝・90分)WOWOW

内容:とある海辺の町。夏休みの登校日、典道たち中学1年の男子たちは、夜に開催される花火大会を前に「打ち上げ花火は横から見たら丸いのか? 平べったいのか?」という話で盛り上がっていた。そしてそれを確認するため、町の灯台から花火を見ようと約束する。一方、典道が想いを寄せるクラスのマドンナ・なずなは、母親の再婚が決まって転校することに。それに反発するなずなは典道を誘い、駆け落ちして町から逃げ出そうとするが・・・。

評価★★/45点

二者択一のパラレルワールドを描いた実写版からタイムリープの要素を取り入れ、物語に連続性をもたせたアニメ版の作劇は大いに納得するところ。

が、しかし、これが悲しいことにめっぽうツマラナイのである(笑)。

このての作品でここまで面白くないのも珍しい。

と考えると、過去に戻ってリセット&やり直しを繰り返すのはアニメ版の時をかける少女と同じ展開だけど、かの作品にあって今作にないものは、取り返しのつかない喪失とそれを受け入れる強さ。

せっかく小学生から中学生にキャラ年齢を上げた意味がないし、ここの重しがすっぽり抜け落ちているので締まりのない作品になってしまった。

さらにそれに加えて、今作のタイムリープがおそらく主人公の潜在意識が作り上げた仮想世界(クリストファー・ノーランのインセプションのような)という分かりづらい設定のため、より中途半端さが際立ってしまったかんじ。

「今度会えるのはどんな世界かな」というなずなのセリフがちゃんと響いてくるような作品になっていれば、、残念。

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SUPER8/スーパーエイト

Img_1531134_51886946_0 出演:ジョエル・コートニー、エル・ファニング、カイル・チャンドラー、ライリー・グリフィス、ライアン・リー

監督・脚本:J・J・エイブラムス

(2011年・アメリカ・111分)WOWOW

内容:1979年夏、オハイオの小さな田舎町。保安官の父ジャクソンと2人暮らしの少年ジョーは、チャールズら4人の友人と8ミリの自主映画作りに没頭する日々を送っていた。ある夜、恋心を抱いていたアリスをヒロイン役にスカウトすることに成功した彼らは町の駅で撮影を行っていたが、その最中、軍用列車の脱線事故に巻き込まれてしまう・・・。

評価★★★★☆/85点

映画開巻直後にアンブリンのタイトルロゴが出てくるとワクワクしていた少年時代、変な邪推や事前情報に触れすぎた上での杞憂など関係なしに純粋に映画を見られたあの頃の童心に帰れるという点で自分にとってはまさに奇跡のような映画だ。

バック・トゥ・ザ・フューチャーに出てくるようなアメリカ郊外の街並み、ガラクタやおもちゃで散らかっている少年の部屋、ひと夏の冒険、初恋、トランシーバー、風に流されていく白いスモーク、画面に射し込んでくる青白い光の帯、高速の列車にピックアップトラックで突っ込んでいった先生が生きているリアリティのなさに至るまで、デジタル化する一歩手前の80年代映画チックな要素に包まれた作風にドンピシャでハマッてしまった

6人の少年少女のキャラクターもデブに出っ歯にメガネにひ弱にハカセに大人びたヒロインと申し分ない造型で、グーニーズはもちろんのことズッコケ3人組まで思い起こしてしまったw

ジュブナイルものとして近年稀にみる最良の映画になっていたと思う。

列車転覆シーンのしつこいくらい大仰な力の入れ具合はちょっとこの映画にはミスマッチのような気がしたし、大団円で主人公とエイリアンが目と目で会話し心が通じてしまう印象的なシーンを撮っておきながら全くそのエイリアンに感情移入できないというのも問題があるけど、自分が子供の頃にワクワクドキドキしながら映画を見た思い出のかけらをひとつひとつ吸い寄せて珠玉の映画体験を提供してくれた製作陣に拍手(*^ー゚)bグッジョブ!!

マイケル・ジアッチーノの音楽も相変わらず鉄板ものだったし、なによりJJエイブラムスのあふれる映画愛に乾杯です!

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E.T.

Ettheextraterrestrialposter1 出演:ヘンリー・トーマス、ドリュー・バリモア、ディー・ウォーレス・ストーン

監督:スティーブン・スピルバーグ

(1982年・アメリカ・115分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:アメリカの小さな町へ植物採集にやって来たUFOが、E.T.を一匹(?)置き去りにしたまま飛び立ってしまった。住宅の物置に隠れたE.T.の気配に気づいた10歳の少年エリオットは、初めはおっかなびっくりだったが次第に仲良くなり、兄妹とともに彼を星に帰すべく努力する。E.T.は故郷の星との交信を試みるが、その間にも異星人を追うNASAの手が迫ってきていた・・・。

“この映画は自分にとって、過去にタイムスリップさせてくれるデロリアンなのです。”

ひと昔前の映画を見ているときに、ふとその作品に触れていた当時の情景や記憶、想いがノスタルジックな甘みを伴なって甦ってくることがある。

それは自分の場合、小学生の頃に出会った映画が主なのだが、今作はその中でも自分にとって御三家の一本と呼ぶべき作品だ。

ちなみに他の2本は「グーニーズ」と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で、3作ともだいたい80年代後半、小学生の時に金曜の夜や土日にテレビで出会った映画たちだ。

ポテチを口に頬張って目を輝かせながら映画という冒険旅行を楽しんでいたあの頃。

土曜日は学校でその映画の話でもちきりだったなぁ。

学校は午前中で終わり、午後から完全に自由にはばたけるため心もどこかテンションが上がってしまう、そんな高揚感と昨日見た面白い映画の話で盛り上がる楽しさ。

こんな幸せなことはないのではないかと、あれから年月が経って久しぶりに映画を見たときにまるで「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のタイムスリップのようにあの頃の幸せな記憶と情景が頭の中を駆け巡るのだ。

「E.T.」は自分にとって、まさしくそんな映画なのだ。

ところで、久しぶりに見て再発見。

この映画にちゃっかりスター・ウォーズのヨーダが出てきよるのね。ハロウィンでヨーダの着ぐるみを着た人とすれ違った時にETが「Home!」と指差すシーン。

ああそうか、ETは惑星ダゴバの近くから来たんだねと確信(笑)!

そういえばSWエピソード1の評議会のシーンにしっかりETも出席してたっけ♪

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奇跡

20111227105809fc5s 出演:前田航基、前田旺志郎、大塚寧々、オダギリジョー、夏川結衣、長澤まさみ、阿部寛、原田芳雄、樹木希林、橋爪功

監督・脚本:是枝裕和

(2011年・日本・128分)WOWOW

内容:小学6年生の航一と小学4年生の龍之介は仲の良い兄弟。しかし両親が離婚してしまい、航一は母親の実家の鹿児島で、龍之介は父親と福岡で暮らしていた。家族4人でまた一緒に暮らしたいと願う航一は、ある日、九州新幹線全線開通の日に上りと下りの一番列車がすれ違う瞬間を見れば願いが叶うという噂を耳にする。さっそく航一は龍之介と連絡を取り、それぞれの友だちと一緒にすれ違うはずの地、熊本へ向かうのだが・・・。

評価★★★/60点

中だるみこそが映画なのだといわんばかりの日常描写はプチドキュメンタリーぽい要素も織り込み是枝節らしい語り口なのだけど、今回にかぎってはそこに作為的ないやらしさを感じてしまいイマイチ映画に入り込むことができなかった。

それはつまるところ大人視点の鋭い毒や残酷さ=社会に対する批評性が驚くほど皆無で、ちょっと肩透かしというか面食らっちゃった部分が大きいんだけど、なにか子供の絵日記を見ているようなかんじで、ここまで純粋な子供の映画だとは思いもよらなかった。

豪華すぎる大人たちは店の軒先で、教室の教壇で、家の食卓で、子供たちのそばに佇んで見守っているだけ。

もっといえば映画の作り手、監督さえもカメラの横で佇んで見守っているだけで、何のハプニングも事件も、そして奇跡さえも起こりはしない。ちょっと良いことが起こるだけだ。

そこに物足りなさを感じてしまったというのが正直なところなのだけども、まえだまえだを始めとする子役たちの自然体な演技に引っ張られて最後まで映画を見守ることはできた。

奇跡らしい奇跡は何も起きないけど、奇跡を信じて自分たちで行動し、世界を垣間見て、現実を肯定し、新幹線より速いスピードで成長していく子供たちの姿そのもの=生きるということそれ自体が奇跡といえるのかもしれない。

でもまぁ、パンチのある濃ゆい味好きの自分は“かるかん”のようなうっすらぼんやり味の映画はあまり好みではないようだ・・w

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スタンド・バイ・ミー

Standbyme03 出演:ウィル・ウィートン、リバー・フェニックス、コリー・フェルドマン、ジェリー・オコンネル、キーファー・サザーランド、リチャード・ドレイファス

監督:ロブ・ライナー

(1986年・アメリカ)NHK-BS

評価★★★★★/100点

内容:オレゴンの片田舎。夏休み、4人の少年が行方不明になった男の子を捜しに線路伝いに森へ分け入っていくと、、、そこには男の子の死体が!ノスタルジックな物語にさわやかな映像美がマッチして胸を打つ。鉄橋を歩いている時に突然列車がやって来るシーンなど名場面も多し。原作はS・キングの小説「死体」。

“懐かしき我が思ひ出の地、宮古よ!

久々に見たけど、やっぱりイイものはイイってことですな、ハイ。

ただ、初めてこの映画を見た11歳の頃と比べるとインパクトは薄まってたし、もっと突っ込んで言えば、この映画に対する思い入れみたいなのも何か消え去ってたなぁ。。

なんか冷めて見てる自分がいて。

ゴーディやクリスの悩みなんて今の自分の悩みに比べたら小っぽけなもんじゃねえかよwっつーか問題にするまでもねえよみたいな。

あれっ、こんなことで悩んでたっけオレってかんじで。

でも、子供の頃ってそうなんだよね、考えてないようでちゃんと考えてるんだ。

幼稚園、いやもっと前からいろいろ考えてたもん。周りからはネズミみたいにちょこまか動き回るカワユイ男の子とかって可愛がられてたけど、もう既に悩んでたもんな。。大人からみれば取るに足らないもの凄く小っちゃいことであり、もの凄くカワイイことであり。

ゴーディとクリスの悩みだってそうじゃない?切実にボク生まれて来なけりゃよかったのかもとか、橋の下で拾われたのかもなんてこと誰だって1回は思ったことあるっしょ。ましてや親への反抗なんて誰にだってある。

クリスだってアル中親父とヤンキー兄貴というヤバそうな家庭環境の中で結局進学クラスに行ったんでしょ。

現に、ゴーディはクリスに対して、「進学クラスに行けるよ」とサラッと言い、クリスはゴーディに対して「親は君のことをちゃんと愛しているよ」とサラッと言い。でもお互いそのことで凄く悩み・・・。

あの11歳当時めちゃくちゃ感情移入してこの映画見てたボクと、あれから年月が経った今の自分。

やっぱちょっとは成長したってことなんでしょうか

でも、この映画から得られるノスタルジーは変わらない。

自分が今振り返ってみて1番輝いていたのは9~12歳くらいだと思うし。ホントの親友と呼べる友だちがわんさかいたのもあの頃。野を駆け、山を越え、沢を渡り、木に登り、ボールを追いかけ、秘密基地を作り、海で泳ぎ、知らない人の畑のブドウを貪り食い、チャリンコで冒険旅行と称して北にあてもなく向かい、、塾になんて行かなくていい、この大自然の中で大いに遊びなさい、と言ってくれたオトンとオカンに感謝!

今どうなってるんだろうなぁ。懐かしき宮古よ。考えてみたら4年間しかいなかったんだけども。良い思い出ばっかりだからかな。一生忘れることはないだろう。

って自分話に収束かよっ

2018年4月 2日 (月)

夢のシネマパラダイス385番シアター:6歳のボクが、大人になるまで。

ムーンライト

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出演:トレヴァンテ・ローズ、アンドレ・ホランド、ジャネール・モネイ、アシュトン・サンダーズ、ジャレル・ジェローム、ナオミ・ハリス、マハーシャラ・アリ

監督・脚本:バリー・ジェンキンズ

(2016年・アメリカ・111分)WOWOW

内容:マイアミの貧困地域。小学校でチビ呼ばわりされ毎日いじめられている内気な少年シャロン。麻薬中毒の母親ポーラから育児放棄にも遭っている彼にとって心を許せるのは、ひょんなことから助けられ何かと面倒を見てくれる麻薬の売人フアンとその恋人テレサ、そして同級生のケビンだけだった。やがて高校生になったシャロンは、ケビンに友だち以上の感情を抱き始め・・。

評価★★★☆/70点

人種差別、LGBT、貧困、イジメ、虐待、ドラッグと、主人公を取り巻くありとあらゆるマイノリティの苦難。

あまりにもヘヴィーでキレイごとではない内容ながら、見終わってみるとキレイな映画だったなぁという意外な印象。

それはおそらくリトル、シャロン、ブラックの3話構成に起承転結でいうところの承しかないという大胆な省略術によるところが大きいのだと思う。

特にシャロン→ブラックへのまるで別人な変貌は完全に転なのだけど、その間の過程および因果関係が全く描かれていないため、自壊寸前のダークな暴力性よりも感傷に流されるピュアな叙情性の方がより強調されたということだろう。

この映画はそこをどう捉えるかがキモだと思うけど、個人的には映画としてのパンチ力に若干欠けるかなという印象。。

ただ、役者がすこぶる良いので、描かれなかった余白にこちら側がくみ取れるだけの具体的な心情を乗せることができているのは、さすがアカデミー受賞作だけのことはあるなとは思った。

しかし、フアンをあっさり退場させるなんて10人脚本家がいたら1人くらいしか思いつかない芸当だろうなw

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6歳のボクが、大人になるまで。

20150410230940出演:パトリシア・アークエット、エラー・コルトレーン、ローレライ・リンクレーター、イーサン・ホーク

監督・脚本:リチャード・リンクレーター

(2014年・アメリカ・165分)盛岡フォーラム

内容:テキサスの小さな田舎町に住む6歳の少年メイソンは、シングルマザーのオリヴィアと姉サマンサとの3人暮らしで、父親は離婚してアラスカへ旅立ったまま。そんな中、母親が博士号を取るためにヒューストンへ引っ越すことに。そこで少年時代を送っていくメイソンは、母の再婚や父との再会、そして初恋と様々な経験を重ねていく・・・。オーディションで選ばれた6歳の少年エラー・コルトレーンを主演に据え、主人公の6歳から18歳までの12年間の成長と家族の物語を、実際に12年間かけて撮影するという斬新な手法で描き出したヒューマンドラマ。

評価★★★☆/70点

数あるメディアの中で映画に最も魅かれるのはなぜなのか。

それは言いかえれば、映画の映画たるゆえんは何なのかということでもある。

映画は視覚芸術だという一言で片付けることもできるけど、おおむね2時間前後しかない強い拘束力を受けている中で、時間軸の省略や要約などスクリーン上で時間を変化させ再創造する、その映画固有の時間表現ーカットとモンタージュの組み合わせーに夢のような能力を感じ取っているからなのかもしれない。

それは飛躍、短縮、シンクロなど時として目も覚めるような形で時間の流れの異様さをあらわにする。

そういう点では今回の映画は、同じキャストで足かけ12年に渡る撮影を経て家族の軌跡を3時間に収めるという今までにない手法で作られているのだけど、12年という淡々とした時間の流れ=人生がすでに立派なドラマになっているのだということを如実に感じられる作品だったと思う。

映画のひとコマひとコマ1ショット1ショットが一瞬間を表し、これらの固定した各コマの映像の一連続から映画全体が成り立っていることを思えば、「時間は途切れない。一瞬というのは常に今ある時間のことだ」というラストのセリフはこの映画の構造を象徴していて印象深い。

瞬間瞬間の積み重ねが人生を形づくっていく、まさに“今を生きる”ことの愛おしさ、尊さが染み渡ってきた。映画を流れるこういう時の流れも悪くはない。

あと、興味深かったのが家庭環境あるいは食卓風景の中にまで大統領選などの政治やイラク戦争、マリファナ、銃などが当たり前のように浸透していることで、アメリカの社会背景が垣間見れて面白かった。

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マイライフ・アズ・ア・ドッグ

084 出演:アントン・グランセリウス、マンフレッド・セルネル、メリンダ・キンナマン

監督:ラッセ・ハルストレム

(1985年・スウェーデン・102分)NHK-BS

評価★★★★/75点

 

内容:1950年代末のスウェーデン、海辺の町に住む少年イングマルは、たとえつらいことがあっても、ソ連の人工衛星スプートニクに乗せられて死んでしまったライカ犬よりは自分の方がまだマシだといつも思っていた。母親の病気がひどくなって、叔父の家に引き取られることになったイングマルは、ある日、サッカーの練習に行って鮮やかにゴールを決めるガキ大将サガに出会う・・・。人生に目覚め、少しずつ大人になっていくナイーブな少年の成長物語。

“見たいものと見たくないもの”

少年イングマルはベリットの裸は見たかった。しかし母親の怒り叫ぶ姿と怒鳴り声には耳をふさぎ自分のワーワー声でかき消して目をそむけていた。

星空の向こうにある母親との楽しい思い出は見たかったが、病床で母親が苦しむ姿からは目をそむけて見たくなかった。

ライカ犬が自分より不幸だったであろう姿は必死に頭をめぐらせて見たかったが、自分が抱えている悩みや苦しみからは他の不幸に代用することによって目をそむけていた。

しかし、叔父の家で成長した今のイングマルなら、それら見たくないものからも目をそむけることはないだろう。

そいえば、個人的なことになるけど、自分が小1の時に劇場で親に見せられたアニメ映画「はだしのゲン」は自分の想像力を破壊してしまうほどの残酷さにもう見れなくて見れなくて耐え切れなくて、ずっと後ろを振り返って映写機から出てくる透明で青白い光の粒子のカーテンをじっと見つめていたことが今でも思い出される。でもそれから数年後に見た「火垂るの墓」はちゃんと見れたっけ。

ちなみに小1の時に、「はだしのゲン」は見たくなかったけど、テレビで夕方5時からやってたテレビドラマで毎回出てくる大原麗子の入浴シーンは見たかった(笑)。5時までに遊びを切り上げてまで見てたからなぁ・・

20年経った今でも記憶に残ってるくらいなのだから大原麗子にメロメロだったんだろうなオレ。。イングマルがベリットに夢中だったように。

それにしてもベリットの像は何処へ・・・。

今自分が見たいのはあの像だな。見たくないのはもちろん我が愛しのレアル・マドリーの敗れた姿です。

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