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2018年1月 4日 (木)

夢のシネマパラダイス547番シアター:日本版あの頃にタイムスリップ!

だけがいない

Poster2出演:藤原竜也、有村架純、鈴木梨央、中川翼、林遣都、福士誠治、安藤玉恵、及川光博、杉本哲太、石田ゆり子

監督:平川雄一郎

(2016年・日本・120分)盛岡フォーラム

内容:売れない漫画家・藤沼悟は、事件や事故に遭遇すると、その原因が取り除かれるまで発生直前の時点に何度もタイムスリップする“再上映(リバイバル)”と呼ぶ能力を持っていた。しかし、それは自分ではコントロールできないのでほとほと嫌気が差していたが、リバイバルがきっかけでバイト仲間の愛梨と親しくなる。そんなある日、またもやリバイバルが発生。悟が違和感の正体をつかめない中、一緒にいた母親だけが何かに気づきリバイバルは解消された。しかしその直後、母親は何者かに殺害されてしまい、悟が犯人に仕立て上げられてしまう。そして母を助けようとする悟にリバイバルが再発動。今度は20年前の小学生時代にタイムスリップしてしまう・・・。

評価★★★/65点

総じて漫画原作の実写映画化は期待ハズレに終わることが多い。あるいは漫画と映画は全くの別物ということもできるけど、今回の原作は緻密に組み立てられた構成力とキャラクター造形、完璧な伏線回収など、漫画としてはもちろんそれだけで映像媒体としてもすでに完成されたハイクオリティ作品なので、映画化もよほどのヘマをしなければ失敗しないはず、だと思っていたw

そういう点で今回の映画を見ると、雛月加代を親の虐待から助け出すところまでは、ドンピシャのキャスティングしかり風景からプロダクトデザインに至るまでの映像しかり、ビックリするくらい忠実に原作をトレースし、正直マンガを知らないで映画見てたらより面白かったかもと思ってしまうくらいほぼ完璧な仕上がり。

が、しかし、この雛月救出までに1時間半を費やしてしまい、残り30分でまるで夏休み最後の日に徹夜で溜まりにたまった宿題を大慌てで取りかかる小学生のようにあたふたと風呂敷を畳むもあえなく轟沈

第4コーナー過ぎてからのまさかの失速にこちらも撃沈しちゃったんだけど、犯人が八代先生(及川光博)ということにたどり着くのも拙速すぎだし、何より1番分かりづらくて混乱するのが1988年の世界で悟が八代に橋から川に突き落とされた後、2006年の現在に戻ってからなんだよね。

2006年に愛梨(有村架純)と河川敷で会った悟が警察に逮捕された直後にリバイバルが起きたにもかかわらず、八代に突き落とされた悟が戻ったのはそこではなく、映画の冒頭でピザ屋の配達中に小学生を助けようとしてトラックにはねられた後の病室で、しかも病室にいるのは事故を目撃していた愛梨ではなく、妊娠している加代。さらになぜか愛梨とは面識がなくなっている、と矢継ぎ早に進むので見ているこちら側は混乱するばかり。。

さらにデパートの屋上で八代と格闘して悟が首を切られるも八代は逮捕されて一件落着、かと思いきやエピローグでいきなり2016年に飛んで、お墓参りの墓石に悟の名前が、、えっ?死んだの!?と呆然とする中でジ・エンド。

例えば、愛梨と面識がないことは原作通り悟がずっと植物状態になっていたということで済む話のはずなのに、、どうなっているんだこの脚本ww

半ば見切り発車としか言いようがないラスト30分の力技にある意味ド肝を抜かれたけどw、それまでの丁寧さとかけ離れた粗雑な出来とのあまりの落差に監督2人いるのか!?といぶかってしまうくらい目が点になってしまった・・・。

リバイバルというのが普通のタイムトラベルものと異なり、意識だけが当時の自分自身に飛ぶ(あるいは当時の自分の姿になる)ところが新機軸な設定だけに、うーん、、この出来というか納め方には残念至極としか言いようがない。

タイムトラベルものはお手の物のハリウッドで実写化求ム。

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青天の霹靂

P1399016757866出演:大泉洋、柴咲コウ、劇団ひとり、笹野高史、風間杜夫

監督・脚本:劇団ひとり

(2014年・東宝・96分)WOWOW

内容:39歳の売れない独り身マジシャンの晴夫は、幼い頃に母に捨てられ、父親ともいまや10年以上絶縁状態だった。そんなある日、警察からホームレス状態の父の死を知らされる。遺骨を抱え、やりきれない気持ちで父の住み家だった荒川の河川敷に佇む晴夫だったが、そんな彼を一閃の雷が直撃。そして気付くと、40年前の浅草にタイムスリップしていた。やがて演芸ホールでスプーン曲げを披露して人気マジシャンとなった晴夫は、同じくマジシャンをやっていた若き日の父とその助手を務める母と出会う。そして、父とコンビを組むことになるのだが・・・。

評価★★★☆/70点

手品とタイムスリップという映画のモチーフに鑑みていえば、プロットの運び方、伏線の張り方、心象風景の描き方、カットバックの使い方、スローモーションや省略などの時間軸の操作、巧みなカメラワークetc..要は映画とは嘘をついていいものだという心得をしっかりわきまえた手練れの演出に満ちている。

しかしその反面、冒頭の主人公のマジックを吹き替えなしのワンカット長回しで捉えるシーンなど、映画につかみとリアリティをもたせるツボもちゃんと押さえているのも強みだ。

多少その手法に酔いすぎてクドく見えるようなシーンもあるけど、およそこれが初監督作とは思えないほどエモーショナルにあふれた非常に見やすい作品に仕上がっていたと思う。

ただ、しいて希望を挙げれば、お腹いっぱいになる前に終わっちゃったてことかなw

でもこういうのってもっと盛っちゃいたいはずだし、見る方もそれを期待している所もあるんだけども、逆に編集でバッサバッサとカットして90分弱にまとめてしまう肝っ玉の強さは、やはり大いなるセンスといわなければならないだろう。

次回作が楽しみな監督のひとりになったな。

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この胸いっぱいの愛を

C_b0010500579_tl_2 出演:伊藤英明、ミムラ、勝地涼、宮藤官九郎、吉行和子、愛川欽也、倍賞千恵子

監督:塩田明彦

(2005年・東宝・130分)MOVIX仙台(試写会)

評価★★☆/45点

内容:百貨店に勤める比呂志は、出張で小学生時代を過ごした北九州・門司を訪れた。しかし、何か様子が違う。新聞見ると、、えっ?1986年?20年前じゃん!タ、タイムスリップ。。ていうか、少年時代の自分にも会っちゃった・・・。そんなこんなで比呂志は実家だった旅館に住みついてしまう。そんなある日、彼は憧れだった近所の和美姉ちゃんと再会する。彼女は難病のすえこの世を去ってしまう運命にあるのだが、今ならば救えるかもしれないと比呂志は考える・・・。

“タイムパラドックスの定石を捨ててまで描き出したのがこれなの・・・?思わず失笑。”

タイムスリップする1986年という時代設定がまずはビミョー・・・。

だって昭和61年やろ。

バブル景気がちょうど幕を開けた頃だと思うのだけど、なんかイメージとしてパッとしないというか、そんな昔でもなければつい最近でもないという時代背景の中途半端さが気になった。

しかもそれに輪をかけたように伊藤英明のメインストーリーがこれまたビミョーなんだよなぁ・・・。タイムパラドックスなど眼中にないくらいお構いなしで突き進むのは大目に見るとしても、肝心要のメインストーリーに力がなかったら、ただの独りよがりなだけの映画じゃないか。。

サブストーリーである若いヤクザ(勝地涼)、老婦人(倍賞千恵子)、クドカンのエピソードの方がフツーに感情移入できただけにメインの物足りなさが一層際立ってしまった。

これは多分に失われた命を取り戻そうという事の重みに対して、シナリオに力がないのか、伊藤英明に力がないのか、あまりにも人間ドラマの描写が軽すぎるというアンバランスさに起因するように思う。

そもそも「黄泉がえり」(2002)では現世で生きる人々のもとに亡くなった大切な人が舞い降りてくるという、あちらから会いたい人がやって来るという構図なのだけど、今作ではこちらから会いに行くという構図になっている。その点ですでに作為的要素が含まれているといってもいいのだけど、この映画のメインとなるのは結局この世を去った憧れの人を救おう、生き永らえさせようとする話なわけで、そこら辺はどうも自分は胡散臭さを感じてしまった。

だって要は積極的に未来を変えて死者を甦らせようとするわけで、そこに十分な説得力、つまり死んだ者は絶対に生き返らないという命題を覆す魔力を持たせるにはやはりタイムパラドックスの定石を使っていくしかないと思うのだけど。。

しかし、この映画はそれをあえて無視した上で完全に人間ドラマに徹した感がある、、、のだが、ものの見事に肩透かしをくらったような力の無さには目を覆うばかり。

作為に満ちた独りよがりな映画とはまさにこのことを言うのではなかろうか。

ただ、塩田監督もなにやら罪滅ぼしでもしたかったのか、それとも塩田監督なりのケジメの付け方なのか、ラストに出てきた生き永らえた和美(ミムラ)の姿にはなんとも厳しすぎる年輪が刻まれていて、それまでの演出とはかけ離れていたので驚いたというか、また別な意味で肩透かしをくらっちゃった・・(笑)。なんだかわけの分からん映画だったな。。

自分が思うに、生んだ直後に亡くなってしまった母親、今まで幻だった母親に会うことになる若いヤクザ(勝地涼)の話をメインにすればそれなりに見れたのではないかと思う。命のやり取りはこの映画には重すぎる・・・。

あるいは、どうせだったらどっかの老人ホームのバスが崖下に転落しちゃうとかさ(笑)、んでその拍子に1946年にタイムスリップしちゃうとか。だってジッちゃんバッちゃんの方が人生で本当にひとつだけやり直したいことの重みって説得力がありそうだし。

とにかく「黄泉がえり」の二匹目のドジョウとはなりえなかったな今回は。

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バブルへGO!!タイムマシンはドラム式(2006年・東宝・116分)WOWOW

 監督:馬場康夫

 出演:阿部寛、広末涼子、吹石一恵、伊藤裕子、劇団ひとり、薬師丸ひろ子

 内容:2007年の日本。国は800兆円の借金を抱え、日本経済は破綻寸前。そんな日本の危機を救うべく、財務省官僚の下小路(阿部寛)はある計画をぶち上げていた。それは、1990年にタイムスリップしてバブル崩壊をくい止めようというものだった。ところが、先にタイムスリップしていた開発者の田中真理子(薬師丸ひろ子)がそのまま行方不明になってしまう。そこで下小路は、真理子の娘で借金取りに追われているフリーターの真弓に目をつけ、真弓は母親を救うためにタイムマシンに乗り込むのだったが・・・。

評価★★★/60点

バブル全盛期に山ん中に秘密基地を作ったりして駆けずり遊んでいた小学生時代の自分にははっきりいってあまりピンとこなくて実感がわかない題材だし、しかしかといってバブル崩壊後の失われし10年の真っ只中で就職超氷河期にブチ当たってしまった自分からするとああいう軽いノリで描かれるとなんだかしゃくにさわるし・・・(笑)。なんだかなぁ。。

タイムマシーンを起動するのに洗剤を入れるというのは笑えたけどね。

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地下鉄<メトロ>に乗って(2006年・日本・121分)WOWOW

 監督:篠原哲雄

 出演:堤真一、岡本綾、常盤貴子、大沢たかお、笹野高史、吉行和子

 内容:43歳の営業マンである真次(堤真一)はある日、父が倒れたという連絡を受ける。が、真次は大財閥の総帥であった傲慢な父に反発し、高校卒業後に家を出たっきり一度も会っていなかった。そんな真次が地下鉄を出ると、、、昭和39年の東京にタイムスリップしていた!しかも真次の恋人であるみち子(岡本綾)もタイムスリップしてしまう。そして真次は、若き日の父(大沢たかお)に出くわすのだった・・・。

評価★★★/60点

とうとう解りあえなかった父親が戦前、戦中、戦後という激動の昭和をどのように生きてきたのか、その知られざる真実にスポットを当てることによって父親と息子がつながっていくという、いたってシンプルなお涙頂戴もののはずだったのに。

そこにいきなり80年代角川映画もビツクリの近親相姦ネタに、あげくの果てに妹が自殺(正確には存在自体を消してしまう)しちゃうって、、、こんなん2時間で消化しきれねぇよ。韓流ドラマみたいに全50話くらいでやってくれ(笑)。

しかも、階段から突き落とされたお時(常盤貴子)の人生はどうなっちゃうんだよ。全然消化不良じゃん。

ていうか肝心のテーマが一気にボヤけちゃったし・・・。

自分の祖父も小沼佐吉(大沢たかお)と同じように、戦時中に満州行って結局ソ連軍に連行されて、シベリア抑留を体験してなんとか生きて日本に帰ってくることができた人だったから、かなりリンクするところはあったと思うんだけど、ラストの仰天ネタに一気にガクッときてしまった・・・。

2018年1月 3日 (水)

夢のシネマパラダイス474番シアター:妄想をアニメで表現する天才!?新海誠

雲のむこう、約束の場所

00000577472l 声の出演:吉岡秀隆、萩原聖人、南里侑香

監督・脚本:新海誠

(2004年・日本・91分)スカパー

評価★★★/65点

内容:大国に分断統治されている、もうひとつの日本。青森に暮らす二人の少年は、津軽海峡の向こうに見える北海道の“塔”に憧れとも畏怖ともしれない思いを抱く。彼らは、その塔へ行くために軍の廃品で小型飛行機を作り始めるが・・・。架空の戦後史を辿る日本を舞台に、ふたりの少年とひとりの少女のある“約束”を主軸に、心の触れ合いを描く。

“世界の片隅で、渇をさけぶ”

まさかこれが新海誠の全てじゃないだろうな、と切に信じたい。

この人の作品はこれが初めてなので、あまり突っ込んだことは言えないけど、おそらく「物語る」人というよりは「イメージと情景をふくらませる」人というかんじがする。物語のサンプルは乏しいが、イメージのサンプルは彼の頭の引き出しに余すところなくインプットされているのではなかろうか。

そういう点においては、大友克洋と同じベクトルにいる人だと思うのだけども、大友は驚異的なデッサン力でイメージに息を吹き込むのに対し、新海誠はデジタル技術で息を吹き込むという違いがあるのは一目瞭然。

そこに何ら問題はないし、映像も意外に柔らかくて印象的なのだが、この両者の最大の違いは、イメージの質ではないかと思う。

大友克洋のもつイメージというのは、古典的な既成のイメージを軽く飛び越えてしまう、あるいは壊してしまうような異質で斬新なイメージであり、これをアニメとして具現化するのは漫画コミックのように大友一人で出来るものでは決してない。まず不可能といっていい。大友を中心とした組織体制を作っていかなければ成し得ないものだ。

対して、新海誠のもつイメージというのは、誰もが持ちえる既成ド真ん中のものであり、誰もが共通に持つ記憶の引き出しをスーと開けてくれるようなイメージなのだ。

ただそのイメージの質は、良くいえば繊細、悪くいえばやや庵野秀明を表面的になぞった程度ということができ、新海誠はそのイメージをデジタルカメラで一瞬一瞬おさめてインプットしていき、作品をつくる際にパソコンにしまわれた写真アルバムの中から一枚一枚イメージを取り出すような形で絵にしていく。

これははっきり言えば一人でできる類のものなのである。しかも現在はデジタルという便利な道具を使える時代。

新海誠は今の時代に出るべくして出てきた才能の人なのだろうか。

しかし、その彼の、イメージを絵に落とす段階での作画技術における才能とその手法を認めた上で、やはりイメージから物語を生成するという才能の方ははっきりいって断然に乏しいと言わざるをえない。

世界観を作り出すところまではいけても、その先を作り出すことができていない。

宮崎駿や大友のような相手をねじ伏せてしまうような豪腕も持っていない。その腕はか細くて投げられた球筋はあまりにも単調で弱々しい。それを孤独なデジタルでなんとか補っているといったかんじで、これはピュアなどという評価で解決処理していいような問題ではない。

だから、冒頭で述べたように、これが新海誠のすべてなのだとしたらあまりにもガッカリというか、これから先、大丈夫なのかなと不安になるし、まだまだ進化・深化していくものだと信じたい。

どこかで必ず1回脱皮しないと、一人のアニメ作家としてリアルな存在を確立するのは難しいと思う。ましてやポスト宮崎駿などというのはあまりにあまりにもな飛躍ではなかろうか。

期待をこめた上でやや厳しい視点で評価させてもらいました。。いや、嫌いじゃないのよ全然。好きな方なんだけども、なんかね・・。

Posted at 2006/02/09

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ほしのこえ(2002年・日本・25分)NHK-BS

 監督・脚本:新海誠

 声の出演:篠原美香、新海誠

 内容:美加子と昇は仲の良い同級生。中3の夏、美加子は国連宇宙軍の選抜に選ばれたことを昇に告げる。翌年、美加子は地球を後にし、昇は高校へ進学。地球と宇宙という超長距離恋愛を続ける2人は、メールで連絡を取り続ける。が、メールの往復にかかる時間は次第に何年も開いていくのだった・・・。新海誠が7ヶ月をかけ、ひとりで制作したフルCGアニメーション。

評価★★★/65点

“ロボットと石炭ストーブが共存できる世界観の作り方は純粋に巧いしスゴイと思う。”

分業体制で制作することが当たり前のアニメ制作を、パソコンの前でたった一人で作っちゃうということがどれほど凄いことなのか、素人の自分には分かりかねるけど、一個の作品としてちゃんと見られるものになっているのは確かだ。

絵的には人物画がやや稚拙だし、止め絵がやけに多いのは気になるけど、それを補って余りあるフルデジタル背景画は、パソコンの壁紙にマッチするほど一枚絵としてのクオリティが高い。

非常に内向的かつ思索的、悪くいえば閉鎖的きわまりない作品にあって、どこまでも無限に広がるかのような壮大かつ美しく果てしない空間(空や雲、宇宙そして地上)が提示されているのは救いだし、バランスをとるのにも大きな働きを成している。

新海誠の武器はこの背景画にあるのかもしれない。

特に、宇宙戦艦に女子中学生が乗っちゃうような西暦2046年という時代を舞台にしているのに、なぜに学校の教室に石炭ストーブなの(笑)!?というミスマッチな設定というか明らかに意図的なノスタルジーの記号なんだけど、そこらへんの世界観の作り方があざとくなくてすんなり自分の中に入ってきちゃうのも新海ワールドの巧さなのかも。

ただ強いていえば、やはり物語が主人公とヒロインの中に埋没しちゃって、30分くらいの短編だから見れるものの長編でこれやられたら相当キツイと思う。

ノボルくん、君も待つだけじゃなく何か行動しろよ、、と思うのは自分だけだろうか。。

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秒速5センチメートル

Comix1 声の出演:水橋研二、近藤好美、花村怜美、尾上綾華

監督・脚本:新海誠

(2007年・日本・60分)2007/06/13・盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:小学校の卒業と同時に東京と栃木に離ればなれになった貴樹と明里。2人は文通を続けていたが、貴樹が鹿児島に引っ越すことになってしまう。大雪の降る中、貴樹は電車に乗って明里に会いに行くのだが・・・。貴樹と明里の再会の日を描いた「桜花抄」、高校生の貴樹に想いを寄せる同級生の花苗の視点から描いた「コスモナウト」、そして最終話「秒速5センチメートル」の3編を収録した連作短編アニメーション。ちなみに秒速5センチメートルとは、桜の花びらが落ちる速度。

“自分の長所と短所を十分自覚した上で勝負できる土俵に持ち込んだ新海誠の作戦勝ち”

「雲のむこう、約束の場所」を見たときに、新海誠という作り手は“物語る人”ではなく、“イメージと情景をふくらませる人”だと感じたが、今回、3つの短編からなる構成方法をとったことで、よりそれが明確化されたと思う。

物語を形づくっていく才能に絶対的に乏しいが、イメージをふくらませる、、、いや、もとい、妄想を具現化していくことにかけては天下一品の才を持つ中では、非常に的を射た作り方だったと思う。

これは別に新海誠は作り手として劣っているとかいうことでは全然なくて、ピッチャーにも球種に得手不得手があるように、それを自覚した上で自分のペースに持ち込んでいく組み立てをしていくのは当たり前だし、そういう意味ではこれ以上合理的な手法はない。

例えば、物語を形づくることができないというのは、人物の成長過程を描けないということでもあるが、それも時系列を断片的に区切って一足飛びにすることでカバーできてしまうわけで。

まぁ、とはいってもただ年食ってるだけという見方もできるけど・・・。

さらに、その手法が完全に裏目に出ているところもあり、1番顕著なのは第2話でのタカキの無表情というか、あれはもう完全にノッペラボウと言っていいと思うんだけど、カナエに呼びかけられて振り返る時の顔といったら恐い怖い。

なんかタカキという容れ物だけで、魂どこに置き忘れてきたんだよお前は、みたいな。蟲師に出てくる蟲にとり憑かれた人みたいな、絶対バケモノだよあれ(笑)。

ま、言い換えれば“記号”でしかないってことなんだけど。

1話目はもう完全に「北の国から」だから(笑)、すんなり見れたからよかったけど、2話目のタカキには違和感感じまくりだったな。

3話目は完全に山崎まさよしのPVと化してたけど、断片化されたイメージを繋ぎ合わせてファイナライズして1つの作品にしていくという新海誠の特徴が実に端的に表れていたという点では見所はあったかな、と。

ただ、決定的な欠落やボロも平気で出しているんだけど、今回★4っつ付けているように、それ以上に見る者の過去の記憶のひとかけらひとかけらを一気に増幅させてしまうほどのイメージ力の洪水の連鎖にはあきれるを通り越して感服してしまうんだよね。

どうすればこんな青臭くて気持ち悪いくらいの自意識を持てるんだろう・・・(笑)。いや、これは決してけなしているわけじゃなくて、スゴイって思うんだよねホントに。

また、そうじゃなきゃ映画なんて作れるはずもないとは思うんだけど、そういうのを全部突き抜けて見る側に伝わってくるものを作れるというのはやはりスゴイなと。

個人的にはカナエの姉ちゃんが車のBGMでリンドバーグの“君のいちばんに・・♪”をかけてるところでビンゴきたぁーーッ!ってかんじだったけど(笑)。

新海誠が自分の得意とする本領が発揮できる土俵に持ち込んで勝負できたのが今回は結果的には良かったのだろうと思う。

少なくとも自分は、この5センチメンタルな情景にシビレまくりますた。。

Posted at 2007/06/14

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星を追う子ども

E6989fe38292e8bfbde38186e5ad90e381a 声の出演:金元寿子、入野自由、井上和彦、島本須美、折笠富美子

監督・脚本:新海誠

(2011年・日本・116分)DVD

内容:父の形見のラジオから流れてきた不思議な唄が忘れられない少女アスナ。ある日彼女は、地下世界アガルタから来たという少年シュンと出会うものの、少年は突然姿を消してしまう。シュンとの再会を願うアスナは、新任教師のモリサキからアガルタにまつわる不思議な神話を聞かされるのだった。そして、そんなアスナの前に、シュンと瓜二つの少年シンが現われる・・・。

評価★☆/30点

SONYじゃなくてSOMY、iPadじゃなくてiPed、東芝じゃなくてトーチファ、任天堂じゃなくてニンテンドゥー、、ジブリじゃなくて痔デス。。

パクリ王国の中国で今度はジブリがヤラレたーっ(笑)!

ハウルにもののけ姫にキツネザル、飛行石、コナン、ゲド戦記、親不在、、よくぞここまであからさまに繰り出してきたもんだと開いた口がふさがらなくなっちゃったけど、これは重症だよホントw

「秒速5センチメートル」で妄想を具現化するのは上手いが物語を形づくる才能はないと指摘したけど、それがそっくりそのまま表れちゃったかんじ・・。

何もかもが唐突すぎて、ここまで物語れないとはちょっと想定外だったな。

人物の内面と行動が乖離しっぱなしで、要は出てくる人物全員が自分の妄想から抜け出せないアフォどもばかりで見てて気持ち悪くなってくるばかりだし、伏線を書けないのねこの人って。小学生じゃないんだからさwこの脚本持ってこい!オレが直してやるからww

描きたい絵、描きたいキャラを数珠つなぎに繋げただけ、、ってただの妄想だろこれ・・。

で、ファンタジー世界でアスナに成長の跡が見られるかっていうと、ただ銃の撃ち方を覚えただけじゃないかっていう

女子中学生に銃の引き鉄を引かせるってのは最っ低な映画だよホント。

フォローのしようがないよ・・。マジでこの脚本持ってこいって話(笑)。

まずさ、アスナだけど、学級委員長の優等生が異世界アガルタをいとも簡単に受け入れ足を踏み入れていくためには相当な覚悟と動機が必要なわけで、そのためには“良い子を演じる孤独な少女像”を明確に印象づけなければならない。つまり現実では居場所がないということを納得させなければならない。最後の最後で「アタシ、、寂しかったんだ・・」とポツリと言われてももはや遅いのだ。

ここをしっかり描けていれば、アガルタに自分の居場所などもとよりないと吐き捨てるシンの心情とリンクしてくるわけで、話の幅は格段に広がる。

あるいはもう一度シュンと会えるかもしれないという思いを抱えてアガルタへ旅立つという見方もできなくはないけど、アスナにとっての喪失はシュンではなく父親の死の方がはるかにデカイはず。シュンなどはっきりいってどうでもいいのだw

その証拠に、地上の星を見たいがためにわざわざやって来て、その代償として命を亡くすシュンの死が、身投げのような絵と身元不明の少年の遺体が発見されたという電話だけで描かれるという味気なさでスルーされているではないか。

例えばそのときにアスナの目の前で世界に溶けて消えていくくらいの描写はあってよかったし、父親の形見である鉱石ラジオにクラヴィスのかけらが使われていたわけだから、それを見たシュンにクラヴィスとアガルタを結びつける説明をさせれば父親とアガルタに何らかの関係があったのかもしれない、つまりアガルタに行けばなにか父親について分かることがあるかもしれないとアスナに思わせる方が自然だろう。ただなんとなくモリサキに引っ付いていくのとはわけが違うのだ。

他にもいろいろツッコミどころはあるけど、推敲は大事なんだよ。だろ?新海。

分かったら次の脚本まずオレんとこに持ってこい(笑)!

Posted at 2012/01/10

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君の名は。

T0020640p1声の出演:神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、成田凌、谷花音

監督・脚本:新海誠

(2016年・東宝・107分)盛岡フォーラム

内容:1000年ぶりにティアマト彗星が地球に接近する1か月前。岐阜県飛騨地方の糸守町に暮らす女子高生の三葉は、最近同級生から身に覚えのないオカシな言動を指摘されるが、そういう日は決まって東京の男子高校生になる夢を見ていた。一方、東京の男子高校生・瀧も、山奥の田舎町で女子高生になっている夢に悩まされていた。やがて2人は自分たちが実際入れ替わっていることに気付くのだが・・・。

評価★★★★★/100点

新海誠に長編は向かないし描けない。これは今までの5作品の拙レビュー(「言の葉の庭」は14番シアターでレビュー)で出した結論だった。

妄想力は図抜けてあるのに肝心の物語を生み出す力が図抜けて低い。

個人のモノローグだけで完結してしまうちっぽけな物語(いわゆるセカイ系)と、その閉鎖性を凌駕してしまうほどの圧倒的にリアルな背景画が描き出す厳然とある巨大な現実世界との不均衡を、シンガーソングライターのPVショーでフェティッシュな世界観に生まれ変わらせる。

これはどう考えても長編では心もとないレベルなのである。

しかし今回、その殻をものの見事に突き破った。

いや、そもそもジブリの妄想だけで映画を1本作れてしまう才の持ち主である。物語性の基本である起承転結とキャラクター造型に社交性を持たせれば大化けするのは必然だったともいえるわけで(笑)。

特に、今まで内にこもる根暗なこじらせ優等生を主要キャラに据えることが多かっただけに、今回の瀧と三葉のハジけたキャラ造型が果たした役割は非常に大きかったと思う。

ちょっと短気で三葉から目立つことはしないでと注意されるくらい行動派キャラな瀧のオッパイ揉み×2シーンだけ取ってみても今までの新海からは考えられない健全な進化だしw、閉鎖的な田舎町の暮らしに嫌気がさしている三葉が「こんな町イヤやー!早よ東京行きたーい!」と声に出して叫ぶのも今まではありえないことだった。

そしてこの感情の発露が共感にしろ反感にしろ他者とのつながりを生み出していく、その関係性の究極形が入れ替わりだと思うんだけど、まさに“結び”=“絆”というテーマを描き出すのに十分な説得力を有していたと思う。

まぁ、普通のことを普通の文法で語れるようになっただけともいえるけど、コメディタッチや物語のアップテンポな疾走感など、今まで新海が持ち合わせていなかった要素を組み込んだことで、恋しさと切なさだけが十八番だった新海節に心強さが加わって、こりゃ完全に篠原涼子の歌になっちゃった(笑)。

それは半分冗談としても確実な進化を遂げた作品になっていたと断言していいと思う。RADの曲も良かった♪

P.S. 映画公開半年後、事情があって岩手から東京に引っ越した。で、実際住んでみて、この映画で描かれている東京は、東京は東京でもド真ん中の東京のアイコン的風景なのだということがよく分かったwwあんな家賃の高い四谷なんて住めねーよ

そんな自分は隅田川沿いで質素に暮らしております。。

夢のシネマパラダイス207番シアター:震える魂、男の使命!

海賊とよばれた男

E6b5b7e8b38ae381a8e38288e381b0e3828出演:岡田准一、吉岡秀隆、染谷将太、鈴木亮平、野間口徹、ピエール瀧、綾瀬はるか、堤真一、黒木華、光石研、國村隼、近藤正臣、小林薫

監督・脚本:山崎貴

(2016年・東宝・145分)盛岡フォーラム

内容:1912年、石炭主流の中いずれ石油の時代が来ると確信していた国岡鐡造は、北九州門司で石油販売業“国岡商店”を起業する。やがて海賊まがいの破天荒な商法で頭角を現し、戦時中は満州から東南アジアにまで販路を拡大していった。また終戦の混乱期にも一人としてクビにしないという鐡造の方針のもと、GHQや石統(石油販売権を国が管轄するための機関)と渡り合って業界に返り咲いていくが、さらなる行く手には巨大資本の海外石油メジャーが立ちはだかっていた・・・。

評価★★★★/75点

原作既読。

偉人の人生をトレースした伝記ものは間延び感がしてもともとあまり好みではなく、実は今回の原作も読み進めるのに悪戦苦闘してしまった。

しかし、田舎で立ち上げた小さな会社を一代にして世界を股にかける大企業にまで築き上げた成り上がりゴッドファーザーのブレない大和魂は深く心に刻み込まれたし、エネルギー資源のほぼ100%を輸入に頼っている日本の隅々まで石油を行き渡らせるのにいかに多くの人々の尽力が注がれていて、いかに自分たちはその恩恵を享受しているのか、普段何気なく生活している中でまるで他人事のように思っていたことー石油がなければ国は回らないーに今更ながらに気付かされた。

そして日本人としての矜持を持って働く店主と店員たちに憧れを抱いた。

さて、本題の映画について。

明治・大正・昭和、および戦前・戦中・戦後を網羅する歴史巨編をどうやって2時間半に収めるのか不安だったけど、そこはさすが「永遠の0」の映画シナリオを完璧にまとめ上げた山崎貴。今回も小気味いいテンポとバランス感覚を兼ね備え、なおかつ重量感のある本に仕上げてくれたと思う。

相変わらず原作の取捨選択が上手いというか肝をしっかり押さえていたんだけど、映画のパンフに「鐡造にも流れる男の精神」のキーワードとして“やられたらやり返す”半沢直樹、“夢をあきらめない”下町ロケット、“仲間を見捨てない”沈まぬ太陽、“不敵な戦術で翻弄する”真田丸と挙げられていて、なるほど上手いこと考えたなぁとストンと納得。はっきり言って小説読む前にこのパンフ見たかった(笑)。

このシナリオの出来の良さに加えて、ミニチュア撮影やCGを織り交ぜたVFXを主体とした映像がリアリティを高めていて安心して映画の世界に入っていくことができた。さすがに鐡造の90代の老いた顔までCG加工を施していたとは驚きだったけど、違和感は全く感じなかった。

あと実写化の強みという点では、原作でイメージがつかみづらかった部分、例えば旧海軍の燃料タンク底にたまっている油の過酷な汲み上げ作業の場面とか、満州鉄道でメジャーと争った車軸油とか具体的に映像で見せられると理解度が深まって良かった。

あとは20代から90代まで一人一役で通した岡田准一の存在感がやはり大きかったなと。大河ドラマで黒田官兵衛を老年まで演じきっただけあって安定感は抜群だったと思う。

総じて1スジ2ヌケ3ドウサが的を射た見応えのある作品になっていたんじゃないかな。

しかし、最初から分かりきっていたことではあるけど、やっぱ2時間半じゃ足りないよねぇ

TBS日9でぜひドラマ化を!

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沈まぬ太陽

O0668096310289902547 出演:渡辺謙、三浦友和、松雪泰子、鈴木京香、石坂浩二、香川照之、柏原崇、戸田恵梨香、草笛光子

監督:若松節郎

(2009年・東宝・202分)WOWOW

内容:1962年。国民航空の労働組合委員長を務めていた恩地(渡辺謙)に対し、経営側は10年近い海外僻地勤務というあからさまな懲罰人事を強いる。一方、恩地の片腕として共に闘っていた同期の行天(三浦友和)は、重要ポストと引き換えに会社側へ取り込まれてしまう。時は流れ1985年、500人以上もの死者を出すジャンボ機墜落事故が起こり・・・。

評価★★★★/80点

3時間を超える超大作を見るというのはかなりの覚悟が必要で、ハズレだと食べても食べても減らない不味いラーメンのごとく無間地獄を味わってしまうリスクがつきまとう。

しかし、それ以上に素晴らしい映画体験を味わわせてくれる確率もかなり高く、映画の醍醐味がつまったこのパンドラの箱を開けるのは実は好きで好きでたまらなかったりする。

「ベン・ハー」「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」「タイタニック」etc..自分にとってパンドラの箱がかけがえのない宝石箱になった例は数多く、そのどれもが自分の記憶に強烈に刻みつけられている。

それはやはり長尺ゆえのスケールの大きさとドラマの奥行きの深さによって登場人物の人生を追体験したような感覚を味わえるからだろう。

その意味でいえば今回の映画も自分の記憶にしっかと刻み込まれた映画になった。

公開初日の舞台あいさつで渡辺謙が号泣していたのが印象的だったけど、なるほど映画のすみずみから作り手の映画にかける熱意、ヤル気、魂のほとばしりがギュンギュン感じられて非常に見応えがあった。

見終わった後に、なんか一冊の小説を読み終えたような心地良い疲労感を覚えて、映画見たぞーッていう気になったw

また、仕事を数回変えている自分にとって、ひとつの会社に骨を埋めるのが当然とばかりに仕事に人生を捧げる恩地の姿はギラギラと輝く太陽のように見えて眩しかった。

それは恩地と対になっている行天も同じで、ああこれが昭和を支えたニッポンのサラリーマン、お父さんたちの生き様だったんだなと、今の自分には持ちえない男の矜持というものを感じ取ることができて、なんだか見ていてすごいカッコ良かったし憧れてしまった。

まぁ、とはいえ自分はもはやこういう仕事人間にはなりようもないけどw、もうちょっと人生頑張ってみようという気にはさせられたな。

もうちょっと恩地の思想的バックボーンを掘り下げてくれたら満点入れてもよかったかも。。

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クライマーズ・ハイ

Climbershigh_1_1b 出演:堤真一、堺雅人、尾野真千子、高嶋政宏、山崎努、西田尚美、小澤征悦

監督:原田眞人

(2008年・東映・145分)CS

内容:1985年8月12日。乗員乗客524名を乗せた羽田発大阪行き日航機123便が墜落する。現場となった群馬県の地元有力紙・北関東新聞の編集局は騒然となるが、一匹狼として動いていた遊軍記者・悠木(堤真一)が全権デスクを命じられ、怒涛の1週間が幕を開けた・・・。

評価★★★☆/70点

今の日本映画界にあってクセのある濃密な社会派群像劇を描くことのできる数少ない映画監督だと思う原田眞人の作品は、見る側にとっては吹きこぼれてくるアクの強さを自力ですくい取らなければならない度量の大きさと忍耐力が必要で、途中でそれに挫折しようものなら一気に置いてけぼりをくらってしまう小難しさを持っている。

なのだけど、なにより映画を見たゾ!という気にさせられるし、個性派ぞろいのアンサンブルキャストとスタイリッシュな映像で畳み掛けてくる演出と作風は、今まで見たこともないような舞台劇に引きずり込む力強さも持っていてけっこう好きで。

それに加えて熱いオトコ臭空間を仕立てることにも長けている和製マイケル・マンの今回の作品は、地方新聞社の編集局が舞台。

事件そのものよりも、新聞社という巨大組織の中でうごめく男たちの嫉妬と野心渦巻く喧噪劇に視点が置かれたところは、まるで銀行を舞台にした「金融腐蝕列島・呪縛」(1999)を焼き直ししたような構成になっていて、遊軍記者・悠木とナベツネを想起させる社長(山崎努)との関係は同作における役所広司と仲代達矢の関係と瓜二つ。

とはいうものの、さすがは原田眞人。

「金融~」よりもさらにまとまりのない混沌とした作劇になっている(笑)。

現場とデスク、現在と過去、父と子、組織と個、世代間対立といった二項対立のエピソードが空回りに空回りしまくっていて、それぞれのつながりが弱くてまとまりに欠けるのが最大の難点なのだけども、リズムのある臨場感で頂上まで一気に踏破し満腹感一杯に映画を見た気にさせる見せ切り方はなんだかんだいってやはりスゴイと思う。

NHKの土曜ドラマ版(主演は佐藤浩市)の方が個人的には好きだけど、ホンモノの“クライマーズ・ハイ”を味わえるという点では映画の方が的を射ているのかもしれない。

しかし、よくぞここまでクセのある役者さんを集めたもんだわ。感心しちゃいます。

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突入せよ!「あさま山荘」事件

Image197 出演:役所広司、宇崎竜童、伊武雅刀、天海祐希、椎名桔平、篠原涼子、武田真治、八嶋智人、藤田まこと

監督:原田眞人

(2002年・東映・133分)DVD

評価★★★★/75点

内容:1972年2月、連合赤軍のメンバー5人がひとりの女性を人質に、雪に閉ざされた軽井沢のあさま山荘に立てこもる事件が発生。10日間におよぶ攻防の末、警察が強行突入。運良く人質を無事救出、犯人全員の逮捕に成功するが、2人の殉職者と民間人1人が死亡、多数の負傷者を出す悲劇となった。この日本犯罪史上に残る大事件を、当時指揮官の一人だった佐々淳行氏の原作を基に映画化。

“青島刑事も和久さんも恩田刑事も出てこないどころか、犯人たちもただの謎の凶悪犯としか描かれていない完全特化フィクション映画。ドキュメンタリーXにもYにもZにもならない、劇映画としての立場をわきまえているトンだ代物。”

佐々氏の原作を読んだことがないばかりか、肝心のあさま山荘事件のことさえよく分かっていない自分。

以前NHKのプロジェクトXで事件について2夜連続だったかで取り上げていたが、それを見て初めて人質がいたことなどを知ったくらいだ。なにせ事件から約10年後に生まれてるんだから・・・。

連合赤軍はどんな輩なのか、どういうことをしていたのか今でもよく分からんし。ただ当時の人々がテレビの前にくぎ付けになったということだけは知っていた。

そして、、この映画である。

映画の冒頭でこの映画は事件を基にしたフィクションであると前置きされていたとおり完全に原田眞人の作品世界やテーマに舵を取っていっているなというのが、事件のことをあまり知らない自分でもさすがによく分かるつくりになっている。

どの程度事実と符合しているのかしていないのか分からないし、佐々氏から一方的に見た事の本質なのかどうかも分からないが、ただ1つ確かなのは、脚本も手がけている原田眞人の作品世界に実際にあったあさま山荘事件そのものが完全に組み込まれてしまっていることである。

それについての是非については個人的には完全に肯定する。あくまでも劇映画として撮っているわけだから、作り手の主観が入るのは当然だし、自分が撮りたいことのみを撮るというのも一向に構わないはずである。

そういう作り手の姿勢(主観が入ること、撮りたいことのみを撮ることetc.ようするに作り手が自由であること)について真っ先にとやかく言うつもりはない。

そのかわり、まずとやかく言うべきなのは、作り手の主観や主義主張そのものであり、またそれらをベースにして出来上がった作品や作品世界についてであろう。

つまり、作り手がやりたいように好きなように作るということに関してはどうぞご勝手にやって下さいなというわけだが、それで出来上がった作品についてはとやかく言わさせてもらいます、というのが自分のスタンスである。

よって前提としてはやりたいように映画は作るべきだと言っておきながら、出来上がった作品を見ると、やりたいようにやったからこんな体たらくな作品になっちゃってるんだとも言えちゃうわけで。なんかスゴイずるくて矛盾しているような映画批評スタンスかもしれないけども・・・。

ただ、やりたいようにやるというのは、決して作り手の無責任などではなく、必ず作り手の意志や主観が入っているはずだから重い責任が課されている(自由であることは実は重い責任を負うことでもある)のは当然なわけで、だから作り手の意志や主観をまずは第1に見ていこう、それを踏まえてから作り手の制作姿勢について思うことがあれば言おうと考えていて。。

要は順序を間違えちゃうと、こちらもただ一方的になっちゃってるということになってしまう。難しいところだね。

まぁ自分の中では納得しているので。といいつつ納得してるわりに全然うまく表現できないんだけど

さてさて、余談はさておき出来上がった今回の作品について言わせてもらうと、まあ自分好みの映画かなという印象はもったかな。

警察組織の呪縛と矛盾という観点から撮ったのであろうこの映画は、前々作の「金融腐蝕列島・呪縛」と同様の観点でもあるし、中央と所轄という視点でみれば、踊る大捜査線の逆バージョンの構図ともいえるわけで、個人的には非常に興味深いコンテンツだった。

しかしそのコンテンツのみに特化して描くための道具立て、題材が実際にあった浅間山荘事件というのはやはり少しばかり腑に落ちないところもある。

武田真治と篠原涼子なんてどこに出てたんだ??とエンドロールを見てビックリしたように、犯人と人質の描写はほとんど皆無といってよいし、長野県警もただの低脳集団としか描かれていない、いささか一方的な描き方なのはやはり気になった。

青島刑事が現場にいたらあの台詞が聞こえてきただろう。

「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」

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不毛地帯(1976年・東宝・181分)NHK-BS

 監督:山本薩夫

 出演:仲代達矢、丹波哲郎、山形勲、神山繫、北大路欣也、大滝秀治、加藤嘉、八千草薫、藤村志保、秋吉久美子

 内容:大本営参謀を務めた陸軍中佐・壱岐は、11年に及ぶシベリアでの抑留生活を経験、ようやく日本に帰国できた彼は大手総合商社の近畿商事に入社する。近畿商事は、総額1兆円といわれる次期主力戦闘機の買い付けに関わり、ラッキード社製の戦闘機を売り込んでいたが、ライバル会社の東京商事はグラント社を推していた。社長に目をかけられていた壱岐は、二度と軍隊には関わるまいと決していたが、やがて政界をも巻き込んだ醜く激しい利権争いの渦中に身を投じていく・・・。

評価★★★/65点

関東軍軍属として満州で終戦を迎えた自分の祖父は、直後ソ連軍に捕まってシベリアに抑留されたものの、5年後無事に帰国を果たし銀行員の職を得た。

この境遇が映画の主人公・壱岐正と重なり興味深く見ることができたけど、大日本帝国の太平洋戦争と平和国家日本の経済戦争を同じ土俵に見立てた視点はなかなかに面白かった。

しかし考えてみれば惨い戦争の匂いが色濃く残っていたであろう昭和30年代、元帝国軍人たちは企業戦士に姿を変えて高度経済成長の礎を築いたのだから、先人の不屈の気骨には頭が下がる思いがする。

あと祖父のことで思い出したのだけど、地区の自治会長をしていた時、市役所に手続きに訪れた際に、担当職員がみすぼらしい身なりをした祖父に対し横柄な態度をとったのだそうだが、一緒に来ていた副会長が「このお方は関東軍参謀石原莞爾直属の部下として先の戦争を闘い抜いた方なるぞ!」と怒鳴るとその職員はひれ伏したように態度を一変させたという。昭和40年代頃の話だそうだ。

それは畏怖の念だったのか、それとも関東軍の悪名高さから来る恐怖だったのか知る由はないが、戦後20年以上経っても関東軍の名が轟いていたということに驚いてしまう。

一方、昭和50年代生まれの自分にとって祖父は、ロシア語通訳として国際交流に励む活発なおじいちゃんのイメージが強かったけど、毅然とした矜持と信念が醸し出す近付きがたい一面も子供ごころにあったことを思い出した。それは元軍人の血だったのかもしれないが、戦後50年を前に不慮の事故で他界してしまったのが悔やまれる。

壱岐正=仲代達矢の姿を見て祖父のことが頭を去来することしきりだった180分は、しかしちょっと長かったかも・・・

2018年1月 2日 (火)

夢のシネマパラダイス495番シアター:命を賭した冒険者

ザ・ウォーク

A085659es出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ベン・キングズレー、シャルロット・ル・ボン、ジェームズ・バッジ・デール

監督・脚本:ロバート・ゼメキス

(2015年・アメリカ・123分)WOWOW

内容:少年時代に見たサーカスの綱渡りに魅了され、独学で練習に励んできたフランス人フィリップ。NYにエッフェル塔より高い411mのワールドトレードセンタービルが建設中であることを知った彼は、そこで綱渡りをすることを決意する。そしてその野望実現のために大道芸人仲間など協力してくれる共犯者を集めて計画準備に取りかかるのだが・・・。

評価★★★/60点

世界貿易センタービルの北棟と南棟の間を綱渡りするという映画のアウトラインを聞いた時に、真っ先に思い浮かべたのは、大好きな漫画カイジの1stシリーズに出てくる“電流鉄骨綱渡り”だった。

地上75メートル、2棟のホテルの22階に架けられた鉄骨を渡りきったら大金を受け取れるというものだが、落下したら取りも直さず、鉄骨には電流が流され、手を触れると感電してしまうという失格=即死の絶望ギャンブル。

そして、死と隣り合わせの舞台で繰り広げられたのは、挑戦者たちが精神的に追いつめられて錯乱状態に陥って次々に脱落していく地獄絵図だった。

ようするに我々一般人の感覚からすると、綱渡り=生命を賭けた究極サバイバルという視点でしか見られないのだけど、今回地上400メートル以上の高さを綱渡りする大道芸人フィリップはその視点をのっけから否定する。

「綱渡りと死は別だ。綱渡りとは生きることそのものだ」と。つまり彼にとって綱渡りは自己表現のアートなのだ。幅2センチのワイヤーの上で座ったり寝そべったり自由気ままにパフォーマンスをする彼に死への恐れなど微塵もなかった。

これではもはや我々の立つ瀬はない。

高所恐怖症の自分にとって最大の見どころは、いかに世界貿易センタービルに潜入しワイヤーを架けることができるかという事前準備のゴタゴタにあったのだから・・

ヒヤッヒヤのスリルを期待していた者としては、ちょっとビミョーな肩透かしを食らっちゃったかな。。

以上、3Dの大スクリーンではなく、部屋のTVで見た者の妄言でありましたw

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植村直己物語

Mi100 出演:西田敏行、倍賞千恵子、古尾谷雅人、若林豪、山本圭

監督:佐藤純弥

(1986年・東宝・140分)WOWOW

評価★★★★★/100点

内容:5大陸最高峰登頂や、北極圏1万2千km犬ぞり単独行などに成功し、1984年2月マッキンリー単独登頂後に消息を絶った冒険家、植村直己の半生。

“自分にとっての最大のヒーロー、植村直己”

この映画は小学2年の時に家族と一緒に劇場で見たのだが、見終わってさあ帰ろうと席を立つ親に反して2回目見るんだー!と言って席から頑として離れなかったのを今でも覚えている。

そして自分一人で再び見て(あの当時は入れ替え制ではなかった)、後日今度は祖父母を引き連れて3回も見てしまった。劇場で同じ映画を3回見たのは、後にも先にもこの時以外にない。

しかし、至極単純でオーソドックスな映画の中で、何がそこまで小学生だった自分を惹きつけたのか。

それはやはり壮大かつ容赦なく荒ぶる大自然の息を呑む姿と、そこに独り敢然と立ち向かう男の姿に小さき自分がただただ圧倒されたといえばいいだろうか。

自分にとってこの映画は、どんなスペクタクル映画よりもスペクタクルな映画だったのだ。

先日約30年ぶりに見たのだけど、その当時の思いと感触がありありと甦ってきた。

その後現れたヒーロー、インディアナ・ジョーンズの影響で本当に考古学の道へと進んだ自分にとって、本当のルーツを求めればこの映画に行き着いてしまうのかもしれない。

でも、あんな危険なことはしたくないけどね・・。精神、スピリットだけはしっかり受け継がさせていただきまっス。

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セブン・イヤーズ・イン・チベット(1997年・アメリカ・126分)DVD

 監督:ジャン・ジャック・アノー

 出演:ブラッド・ピット、デビッド・シューリス、マコ岩松

 内容:第二次大戦後、ヒマラヤ山脈を目指して旅立ったオーストリアの登山家ヒラー。彼は英国軍捕虜となるがチベットに逃れ、若きダライ・ラマに出会う・・・。実話の映画化。

評価★★★★/75点

風の谷のナウシカの原風景を如実に垣間見た気がする。内容はともかく美しい映像を見れただけでもこの点数あげたい気分。

って、アルゼンチンロケかよっ!

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サハラ 死の砂漠を脱出せよ(2005年・アメリカ・124分)MOVIX仙台

 監督:ブレック・アイズナー

 出演:マシュー・マコノヒー、ペネロペ・クルス、スティーブ・ザーン

 内容:国立海中海洋機関所属のダーク・ピットは、アメリカ南北戦争時に行方不明になった装甲船を探しにナイジェリアに向かう。そこで、WHOから派遣された美人のエリート研究医エヴァと出会うのだが・・・。クライブ・カッスラーのベストセラー小説「ダーク・ピット」シリーズを映画化したアドベンチャー・アクション。

評価★★★/60点

おバカにもなりきれていなければ、優等生にもなりきれていないという中途半端で影の薄い印象しか残らない。

それすなわち映画の印象とマシュー・マコノヒーの存在感が見事にリンクしちゃってるわけで、彼の内面から滲み出てくるクール&スマートさが灼熱のサハラのアツさを10度くらい下げちゃってるなと。

すきあらばペネロペをどうにかしちゃいたいゼ!というギラギラした欲望の視線が欠如したジェームズ・ボンドが、伝奇・オカルト要素が欠如したインディ・ジョーンズに出ちゃってるかんじで・・。

いや、そもそもそういうギラギラした面を誇示しなくても勝手にモテちゃうんだからさぁ、しゃあないんだわなこの男は(笑)。

真面目な話、キャラ的にトム・ハンクスあたりだったらもっとちゃんと見れたと思うし、活きたんじゃないかなとは思うんだけど。

話のつくりも単なる冒険ものではない二重構造になっているのだけど、二兎を追う者は一兎をも得ずの言葉どおりイマイチ中途半端な印象がぬぐえなかったな。

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フライト・オブ・フェニックス(2004年・アメリカ・113分)WOWOW

 監督:ジョン・ムーア

 出演:デニス・クエイド、タイリース・ギブソン、ジョバンニ・リビーシ、ミランダ・オットー

 内容:ゴビ砂漠の真ん中に不時着したオンボロ単発プロペラ機。救助の望みもないまま、乗組員たちはそのフェニックス号を組み立て直して必死の脱出を試みるが・・・。ロバート・アルドリッチ監督の「飛べ!フェニックス」(1965)のリメイク作。

評価★★★/60点

オリジナル「飛べ!フェニックス」を監督したR・アルドリッチの息子であるウィリアム・アルドリッチが製作した本作だが、子は親を越えられずといったところ・・・。

砂漠という密閉空間でサバイバルしながら飛行機を補修改良して脱出するという、もともとからして派手にしようがない単純なお話なのだが、まんま単純単調にそのまま終わっちゃったかんじで。リメイクする必要があったのだろうかという。。

1番の大問題は全然命の危機にかかわる極限状況下に見えないという点で、見ていて張り合いがないんだよね。お気楽&お気軽に見れちゃうこと自体最大の欠点だろ。砂漠不時着体験ツアー(盗賊団サプライズショー付き)みたいな。

砂漠の映像とジョバンニ・リビシの怪しげで不気味な姿だけがなんとか自分をこの映画に引きとどめてくれたけども・・。。

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イン・トゥ・ザ・ブルー(2005年・アメリカ・111分)DVD

 監督:ジョン・ストックウェル

 出演:ポール・ウォーカー、ジェシカ・アルバ、スコット・カーン、アシュレイ・スコット

 内容:カリブ海のバハマでダイビング・インストラクターをしているジャレッドは、ある日、沈没船の一部を発見。それが何百万ドルもの金塊を積んだまま難破したと伝えられるゼフィア号だと確信した彼は、恋人のサム、幼なじみのブライスらとともに自分たちだけで船を引き揚げようとするのだが・・・。

評価★★★/65点

“バハマでジェシカ・アルバと過ごせるならサメに片足持ってかれるくらい屁でもない!”

もっとアケスケなB級アイドル映画かと思いきや、意外にしっかりとストーリーを追おうという真摯さが感じられて好印象。

ジェシカ・アルバのかわゆい目にぽってりした唇、美乳バストにくびれにビキニが似合うヒップ、、ようするに健康的なまばゆい肢体で目の保養になればそれでいい映画だと思っていたので、ストーリーそれ自体を楽しむことができたのはちょっと得した気分。

映画の大半を占める海中映像もなかなかの出来でよろし。

夢のシネマパラダイス580番シアター:スター・ウォーズ/フォースの覚醒

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

926647_1159095954102428_664934172_n出演:ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、アダム・ドライヴァー、デイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、アンディ・サーキス

監督:J・J・エイブラムス

(2015年・アメリカ・136分)盛岡フォーラム

内容:帝国の崩壊から30年後。帝国軍の残党「ファースト・オーダー」が台頭していた。劣勢に立たされていた共和国陣営は、それを挽回するため、ずっと行方をくらませている最後のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーを探し出そうとする。一方、ファースト・オーダーもルーク抹殺を目論み、ルークの居場所を示す地図を手に入れようとダースベイダーを崇拝するカイロ・レンを送り出す。そんな中、砂漠の惑星で暮らす少女レイは、砂漠で迷子になっていたドロイドBB-8を助けるのだが・・・。

評価★★★★☆/85点

黒沢清監督の「岸辺の旅」で、いまだ加速度的に拡がりつづける宇宙はまだ始まったばかり、しかもそんな広大な宇宙が10の500乗個も存在している、という印象的なセリフに度肝を抜かれたものだけど、と考えると“遠い昔、はるか彼方の銀河系に”スター・ウォーズのユニバースがあってもおかしくないのではないか。砂漠の惑星ジャクーやジャングルに覆われたタコダナ、緑豊かな惑星ディカーは存在するのかもしれない・・・。

要は何を言いたいかというと、今作で描かれた世界は実在すると思わせるだけのリアリティーがあったということだ。

エピソード4~6のオリジナルシリーズはセットのミニチュア感や模型との合成のチグハグ感が、プリクエルのエピソード1~3ではこれ見よがしなCG映像の作り物感が目立っていたのだけど、今回はそういう違和感やぎこちなさが一掃され、眼前に広がってくるリアリティと迫力満載の映像に圧倒されてしまった。

なかでも砂漠の惑星ジャクーのシーンは、まるで「アラビアのロレンス」を想起させるくらい壮大な映像に彩られていて序盤から心をつかまれたんだけど、そこでポイントになったのがロングショットの多用ではないかと思う。

壮大なロケーションと卑小な人間の対比が逆にその世界の中に人物が存在しているという実存感を押し上げているのがミソで、実景映像に加えてスターデストロイヤーや帝国軍の歩行型マシンAT-ATの残骸、ミレニアム・ファルコン号などの巨大ガジェットやジャンクヤードの建物、大型クリーチャーなどが遠近感や奥行きを与えるのに大いなる効果をあげていたと思う。

そもそも、ファンと作り手の思いがスター・ウォーズというスペースオペラの世界観をオリジナル公開から30年以上経てなおビッグバンのごとく膨れ上がらせ続けてきたことで、オリジナルの頃から変わらないほとんど奥行きのない王道の物語展開wも深遠なる魅力に昇華されてしまうのだけど、そこで視覚的に嘘くささがないというのはかなり重要なことで、その意味で今回プロダクションデザインの果たした役割というのは大きかったと思う。

その点エピソード1~3はエピソード4~6より前の話にもかかわらず、やはりCGの先進性が出過ぎではあったんだよね。

しかし今回は、実写と特殊効果の按配が絶妙で、安心してスター・ウォーズの世界に没入することができた。

ラストにレイがルークに会いに行く孤島の空撮なんかはまさに鳥肌もので、アイルランドにある世界遺産のキリスト教遺跡の無人島らしいけど、やはり実際の景観に勝るものはないんだなと痛感。

登場人物もレイや懐かしのハン・ソロはじめ抜群のキャラクター造型で魅力満載だったし、大満足の一作だった。

夢のシネマパラダイス139番シアター:スター・ウォーズエピソード3/シスの復讐

321602view003 出演:ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ヘイデン・クリステンセン、サミュエル・L・ジャクソン、イアン・マクディアミッド

監督・脚本:ジョージ・ルーカス

(2005年・アメリカ・141分)2005/07/21・盛岡フォーラム

評価★★★★★/90点

内容:アナキン・スカイウォーカーがダース・ベイダーとなる過程など、すべての謎が明らかにされるSWサーガのシリーズ最終作。共和国と分離主義者の戦いは、全銀河に拡大。拉致されたパルパティーン最高議長を、オビ・ワンとアナキンが救出するが、アナキンはジェダイに反旗を翻し・・・。

“終わりではなく、始まりなんだ!!”

タトゥイーンで水平線に沈んでいく双子の夕日を見つめるラーズ夫妻、その手にはしっかりと抱きしめられたルークが。

このラストを見て、スターウォーズサーガが完結したという感慨よりも、サーガが遂に幕を開けたという感慨の方がひときわ強かった。

においが全くしないこの映画の中で唯一においが立ち込める異質なシーンがこのラストシーン。

そう、30年前の「スター・ウォーズ」のにおいだ。

オビ・ワンのジェダイのマントからでさえもこの時ばかりはプンプン匂ったねアレック・ギネスのにおいが。

このラストシーンにはそれまでの余計なツッコミを入れる気をなくさせるくらい本当のフォースがあったし、このシーンだけでこの映画ひいては旧シリーズと新シリーズの間に絶大なバランスをもたらした。

それにより無理矢理の★5つに、させられました。

まあ自分の場合、エピソード1のときはジェダイ聖堂に堂々と入っていけるほどの善の人だったのだけど、エピソード2においてシスの暗黒卿ダース・ジョージ・ルーカスの強引な手法によりデジタルテクノロジーというダークサイドに引き寄せられて落ちてしまった・・。

そしてついに今作でわたくしダース・レアル・マドリディスタは完全に操り人形と化したのだったw

ダース・ルーカスの繰り出す技の数々にきわめて従順なイエスマンと成り果てあとはなすがまま。いや、それどころではない。上映20分くらい前から劇場で鳴り響き始めたジョン・ウィリアムスの音楽にすでに気分は高揚。

そして“遠い遠い昔、、、”とともに幕を開けたオープニングのテロップの一行目の最初の文字「WAR!(戦争だ!)」、この3文字+ビックリマーク!を見た瞬間にマグマ噴出、心の中でもの凄い雄たけびを上げていた、、、ウォーーーッ!

完全にこの映画の虜となってしまった自分。

なんという変わりようだ。エピソード1をこきにこき下ろしていた自分が、まさか喝采するまでに至るとは。。

どうやらアナキンと同じ道を歩んでしまったらしい。

しかし、ラストで大いに救われた。昔の善き心を取り戻すことができたのだから。そうでなければおそらく旧シリーズと新シリーズを自分の中で分断させたままにしてしまうところだった。

でもエピソード2もそうだったけど、相も変わらずヘイデン・クリステンセンには脱帽。あの目の力よ。

よーし、もし子供が出来たら絶対旧シリーズから見せてやるぞ。

それがダークサイドに落ちた自分のせめてもの罪滅ぼしだ。

Posted at 2005/07/22

夢のシネマパラダイス138番シアター:スター・ウォーズエピソード2/クローンの攻撃

Star20wars20_02 出演:へイデン・クリステンセン、ナタリー・ポートマン、ユアン・マクレガー、サミュエル・L・ジャクソン、クリストファー・リー

監督・脚本:ジョージ・ルーカス

(2002年・アメリカ・142分)2002/07/31・MOVIX仙台

評価★★★★/80点

内容:前作から10年後。銀河共和国はまたもや混沌の中に陥ろうとしていた。これまで謎のベールに包まれていた“クローン戦争”勃発の真相が明かされる。シリーズで初めてロマンスが描かれたことも話題に。

“ズタボロにこき下ろしたエピソード1は点数なし。しかし、今回は、負けた。”

たいして期待していなかったのが功を奏したのか、いやそれにしたって正直驚いたぞ、この出来には。

ジャー・ジャー・ビンクスが後ろに引っ込むだけでこんなにも違うものなのか(笑)!

というのもエピソード1に関して自分はデジタルテクノロジーというダークサイドに完全に落ちてしまったと書いたわけだけど、その象徴的な存在がジャー・ジャー・ビンクスだと感じていて。なにしろ生身のダース・モールよりも出番が多いというのは個人的には到底受け入れがたいものがあったわけで。

それが今回はちゃんと人間を描いているではないか!

こう言い切っちゃうと他の骨太な人間ドラマを扱った映画たちに失礼なのだけど、あくまで一連のSWシリーズの中でのレベルの話ですので

さらにちゃんと描いているといえるのは、アナキン・スカイウォーカー=へイデン・クリステンセンただ1人のみについてですので

しかもちゃんと描いているといえる根拠は、彼の表情と眼差しのみに拠っているだけですので。。そしてそれはルーカスのご指導の賜物によるものなのか甚だ疑問符が付くので、、その点はあしからずww

だって、怒りや憎しみ、はたまた恋愛感情といったものをストーリーに織り込めば自ずと薄っぺらでも人間を描くことにはなるわなぁ(笑)。つまり分かりやすく言えば内面を描くということだよね。

SWに関していえば、ジェダイがもともとそういう感情を持ってはいけない設定になっているので、人間のキャラクターに対する描きこみというのは非常に表面的で深みがないものだった。まあ強いていえば、非常に人間臭いハン・ソロがそういう部分を背負い込んでいたとも言えるけど。

ともかく今作では人間を描くことに不可欠なファクターがルーカスから提供された。そしてそれをヘイデン・クリステンセンは論理的に巧くというよりも直感的な閃きみたいなもので演じきっていると感じたのです。

母親を殺した犯人を皆殺しにしたときに「奴らが憎い!しかし皆殺しにしてしまった自分が恥ずかしい・・・」とオビ・ワンに言うときの表情や、アミダラを見るときの表情、特に全般を通してヤツの“目”なんだけども、演技力というよりかはもっと独善的でギラギラしたヘイデン・クリステンセン自身の自己主張が滲み出てしまっていると感じた。

ふむふむ、こりゃダークサイドに落ちるな、と(笑)。

でもこれって実は重要。

エピソード3でダークサイドに落ちることが分かっているキャラを演じることの難しさ。

なんてったって観客の心理ベースはすでにエピソード3を見据えたところにあるわけだから、エピソード2で立ち止まっていなければならない演者にとっては酷というものです。

アナキンがダークサイドに落ちるであろうエピソード3の前段階、伏線にあたる今作でそれを匂わせる片鱗を垣間見せた。まあシナリオに織り込みずみで、当然といえば当然なわけだけど、がしかししっかりと地に足をつけながら、しかも自分主体でその片鱗を見せたというところに自分は非常に好印象を抱いた。おそらくルーカスにそこまでの演技指導力はないだろうから・・・

ちょっとベタ褒めしすぎちゃったかな。でも巷でのヘイデン・クリステンセンの評価が意外に低いなあと思ったものだから。。

さて、エピソード1の拙レビューにも書いたけど、新3部作を評価するにあたっての個人的な評価基準は、ルーカス自身によって旧3部作で作り上げられたSWの作品世界の枠、殻をどれくらい打ち破れるかにあると考えていて。

その中で、エピソード1に関しては、評価することすら躊躇してしまう出来だと個人的には思ったので、評価無しにした。

そしてエピソード1を見るにつけ、その枠、殻を打ち破るのは到底不可能なのではないかと思うに至ったわけで。だからエピソード2もまあ無理だろうなと決め込んでかかったのが、蓋を開けてみたら、ムムッ、これは・・・。

殻をブチ破る!!とまではいかないまでもそういう匂いはプンプンこの映画から感じ取れた。今までのSWとは明らかに何かが違う。

エピソード1が完全なダークサイドに落ちるきっかけとなったルーカスのデジタル技術志向は、弱まるどころかますます強まり、もうダークサイドさえ突き抜けちゃったかんじ。正直、ルーカスのあふれんばかりの創造力に自分は屈してしまった・・・。兵器やメカもほとんど一新されてるし。

あ゛ー、、ついに自分もダークサイドに落ちてしまった~。

そして前述したヘイデン・クリステンセンの自分主体の演技によるアナキンをはじめとして、オビ・ワン、マスター・ヨーダ、3POetc..SWキャラ総動員で見せ場もたっぷり。しかもダース・ベイダーのテーマ曲のオマケつき。

オイオイ、このままじゃ溢れちゃう溢れちゃうってと普通はなるところを非常に速い展開と画面構成で消化させていく。今までのSWでは考えられなかったことでしょ。やけに疾走シーンが多かったのもこのこととは無関係ではないだろう。

マスター・ヨーダが四面楚歌状態のアナキンたちを助けに来るシーンの俯瞰ショット、戦闘シーンでのカメラのブレや急激な寄り(これはあまりにもベタで笑ったが)、草原&湖(まさかSWで見るとは思わなかった)、唸るライトセーバー、ジョン・ウィリアムスの音楽。

とにかくなんだか分からないけど、作り手のこいつらはこいつらでテンション高くなってるゾと感じた次第です。

こいつらに付き合ってやりますか、エピソード3まで。と気持ちを新たにしたのだった。

Posted at 2002/08/03

夢のシネマパラダイス137番シアター:スター・ウォーズエピソード1/ファントム・メナス

85110view011 出演:リーアム・ニーソン、ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ジェイク・ロイド、サミュエル・L・ジャクソン

監督・脚本:ジョージ・ルーカス

(1999年・アメリカ・133分)1999/08/09・仙台第1東宝

評価・点数なし(計測不能)

内容:昔むかし、はるか、はるか彼方の銀河系で、、、惑星ナブーが通商連合軍のドロイド部隊によって突如侵略を受ける。ナブーの指導者アミダラ姫は、ジェダイの騎士クワイ=ガン・ジンと弟子のオビ=ワンに救出され、惑星タトゥイーンに逃げ延びる。そしてそこでクワイ=ガンは、底知れぬ理力を秘めた少年アナキン・スカイウォーカーと出会う。

“デジタルテクノロジーというダークサイドに完全に落ちてしまったこの映画に、アナキンがいかにしてダークサイドに落ちていくかなど語る資格はない。”

というか語ってもらいたくなかった。どうせ薄っぺらくなっちゃうのが目に見えてるんだから、と思っていたら、、おっと、それはつづくエピソード2、3のレビューで。

さておき映画に限らず人間が創造してつくってきた芸術作品、あるいはそんなものじゃなくても例えばチームの戦術組織と選手個々の連動のバランスの上に成り立っている自分の大好きなサッカーでもいい。

それらを見て、その作品や試合から役者たちも含めた作り手側の匂いとか想い、あるいは選手の勝ちたいというがむしゃらな意識、そういう“魂”を感じ取れた時にはじめて見る側は、自分の魂と共鳴してうわー凄い映画だとか、もの凄い試合だとか思ったり感動したりすることができるわけで。

ここで誤解のないように言えば、そういう魂は自分の魂と別に共鳴しなくてもいいわけ。あっ、これは自分とは合わない映画だなとか、これははっきりいって嫌い!とか自分の中で評価できるわけじゃん。

そして虚構ではないサッカーの試合は言うに及ばず、普通大多数の映画はそういう魂を持ってるものなんだよね。その魂が強いとか弱いとか好きとか嫌いとかいう違いはあれ。

具体的にいえば、それは監督独特のアクの強さだとか色であり(例えばポール・ヴァーホーベンだとかジャン・ピエール・ジュネだとか)、演じる役者の個性とか意志であり(「七人の侍」の三船敏郎とか「インサイダー」のラッセル・クロウだとか)、オレたちゃこういう映画を意地でも世に送り出したいんだという作り手総意の想い(「スター・ウォーズ」とか「地獄の黙示録」とか)etc..であるわけで。

つまりもっとつっこんでサッカーでいうならば、戦術という制約、枠にとらわれて動いている選手が点を取る!勝つ!という強烈な意志の下に、その制約の殻を打ち破って自分主体で動き出すこと。そして1人でもそういう魂をこめたプレーをし出すと、チーム全体にそれがドミノのように波及していき、チームが活性化するばかりか見ている観客にも及んで伝わってくる。

映画も全く同じでしょ。ていうか映画の方がはるかに制約は多いよね。

時間、資金、テーマ、、その中で監督、役者をはじめとする作り手が何とか自分主体で作り上げていくもの。それが映画だと思うし、そう思いたい。

しかるに、この映画にはそんなもん微塵のかけらも感じられないわけですよ。。皆無。

要するに魂のない抜け殻を見てるようなもの。だから評価のしようもないわけ。

★1つにもなれば★3つくらいにもなるかなと思ったけど、それらの点数付けた他の映画たちに悪いので点数なし!にします。

別にスター・ウォーズシリーズが大っ嫌いというわけではないのでその点はあしからず。現に1977年作の「スター・ウォーズ」は大好きだし。

さっきも作り手総意の想いが強烈に伝わってくる映画に「スター・ウォーズ」を挙げたように、ホントに凄い強烈な魂が込められてるよね。誰が見たってそれは感じられるはず。

では、なぜあれから20数年経って作られたエピソード1がこんななれの果てにまで成り下がっちゃったのか。

まずこの映画を作るにあたっての制約とか枠って何かなと考えると、お金でもなければ時間でもない。。

それはルーカス自身によって作り上げられたスター・ウォーズの作品世界そのものなのではないかなと。

旧スター・ウォーズ3部作(エピソード4~6)が作られてから約20年の間にスター・ウォーズという世界は、ルーカスの手を離れまさにビッグバンのごとく膨張を続けたわけで、その制約、枠があまりにも広く大きくなりすぎちゃったのではないだろうか。

つまり、スター・ウォーズの作品世界という制約の枠、殻を打ち破るのは当のルーカスでさえも不可能な状態になってしまった!?その枠、殻の輪郭の表面をなぞるので精一杯だったのでは。。

だから一見すると抜け殻に見えてしまうのも無理からぬことなのかもしれない。

となるとこのスター・ウォーズの作品世界という制約の枠、殻を打ち破るのはもう最新デジタル技術しかないとルーカスが考えたとしても不思議ではないんだよね。

が、しかし、それは全く何の効力もないばかりか完全な“ダークサイド”だったわけです。。

だってCGのジャー・ジャー・ビンクス>生身のダース・モールという救いようのない致命的欠陥をはじめとしてもうホントどうしようもないもん、これ。

まあエピソード1を作ったからにはエピソード3まで作らなきゃならないからね(笑)。

といっても今回の作品についてルーカスはあれはあれで大満足してるというのが事実なのかも・・・。

Posted at 1999/08/12の原文を一部加筆して掲載

夢のシネマパラダイス136番シアター:旧スターウォーズ3部作

スターウォーズ 新たなる希望

050823sta 出演:マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、アレック・ギネス

監督・脚本:ジョージ・ルーカス

(1977年・米・121分)1997/06/04・仙台セントラル劇場*(観賞作は「スターウォーズ特別編」)

評価★★★★/80点

内容:昔むかし、はるか、はるか彼方の銀河系で、、、銀河全域に独裁体制を敷く銀河帝国の打倒を目指すレイア姫は帝国軍に捕らえられ、親衛隊長ダース・ベイダーの拷問を受ける。脱出カプセルで逃げ出していたC-3POとR2-D2の2体のロボットは、小惑星タトゥイーンでダース・ベイダーに父を殺された若者ルークと出会い、元共和国の老騎士オビ・ワン・ケノービとともにレイア姫の救出に向かう。ケノービはさらに密輸船長のハン・ソロを仲間に引き入れる。“スター・ウォーズ”サーガの記念すべき第1作。

“製作費14億円。それから22年後10倍の製作費を投じて作られたエピソード1。いかに初代スター・ウォーズがスゴイかが分かるってもんだ。”

製作費10倍かけて何か変わったか?C-3POの歩く速度が変わらないのと同じようなレベルだと思うんだけど、ってちょっとしたイヤミw

個人的にはお金も時間も無い中で創意工夫でやり繰りしていかなければならなかった状況、そこから滲み出てくる手作り感覚というのがスゴイ好きで。CGで作られた高級感あふれる質の良い宇宙船よりも、味のあるファルコン号の方が好きなのだ。だってホント見るからにボロいもんあのファルコン号。

でもそこが良いんだよね。

帝国軍の兵士のダラダラした走り方、崖から落ちてくる岩石のいかにも軽そうな質感、R2-D2のぎこちない進み方、、全然高級じゃないしはっきり言ってB級だけど、なんか制作現場の匂いがすごく感じられるんです。そういうところが好きなんだよね。

そしてそのような点も全て含めて好きになれる、映画にすんなり入っていける要因というのは、オープニングの延々と続くテロップとその直後の長~い宇宙船、これに尽きると思う。

どちらも画面下から出てきて画面上にスクロールしていくかんじで伸びていくわけだけど、壮大な奥行きを出すうまい演出方法。デビッド・リーン監督の「アラビアのロレンス」なんかの影響は多分にあると思うんだけど、とにかくこの冒頭だけでスケールは超ド級だということが分かる。

そういう壮大な世界観が最初にバーンと提示されているからこそ全体を通して見れる映画だと思うな。

正直薄っぺらな中身からすると(笑)、この冒頭というのははったりを利かせたやり方だなとは思うのだけど、作り手側の上手さと創意工夫を感じるんだよね。

あとは音響。

映画全体が冒頭のスケール感に引っ張られているとすれば、その中身を側面から支えているのは音響ではないかなと。映像だけでは絶対支えきれなかったと思うし、それだけだったら完全に低級に陥っていただろう。

ライトセーバーの音、ダース・ベイダーの呼吸音、チューバッカの声、R2-D2の声(?)などなどどれも独特なもの。一見普通に聞いてるけど、けっこう実はすごい効果だと思うんだよね。

そういう様々な創意工夫を活かして出来上がった映画が“スター・ウォーズ”という作品なんだと思う。そしてそれが見ているこちら側にダイレクトに伝わってくる。

悲しいことに最近はそういう映画が少なすぎる。この映画がとかく伝説的作品などというキャッチフレーズで呼ばれるのもなんだか腹が立って(笑)。

まぁ、後の映画に与えた影響は大きいし、自分が生まれる前の映画だけども・・。でもそんなことは関係ない。映画技術の進歩はスター・ウォーズ以降飛躍的な進歩を遂げたことは違いない。しかし、その反面、製作費の高騰、必然性のないCG技術の濫用などで逆に沈没しちゃってる映画が多すぎる。

スター・ウォーズが作られた時代がもう既に古き良き時代になってしまったことが悲しい。。

ま、当のジョージ・ルーカスがその先頭に立っているのは皮肉なことではあるけれどね・・・

Posted at 1997/06/06

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スター・ウォーズ 帝国の逆襲

 監督:アーヴィン・カーシュナー

 出演:マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、アレック・ギネス

(1980年・米・124分)1997/07/28・仙台第1東宝(観賞作は「スターウォーズ帝国の逆襲/特別編」)

 評価★★★☆/70点

 内容:レイア姫がリーダーシップをとる反乱軍は、氷の惑星ホスを基地にするが、そこへダース・ベイダーが帝国軍を率いて逆襲を開始。反乱軍の勇者ルークは湿地帯の惑星ダゴバへ向かい、老師ヨーダのもとで修練を積む。一方、劣勢を強いられたレイア姫らは、味方のハン・ソロの親友が総督を務める雲の惑星べスピンへ向かうのだが・・・。

“帝国軍の提督にだけはなりたくないもんだ。。”

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スター・ウォーズ ジェダイの帰還

050825jed 出演:マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、ビリー・ディー・ウィリアムズ、アレック・ギネス、フランク・オズ

監督:リチャード・マーカンド

(1983年・米・133分)1997/07/29・セントラル劇場(観賞作は「スターウォーズジェダイの帰還/特別編」)

評価★★★★/75点

内容:前作のラストで冷凍化されたハン・ソロを救出するため、ルークたちは惑星タトゥイーンへ行くが、そこに待ち受けるはジャバ・ザ・ハットと巨大なアリ地獄!なんとか脱出に成功したルークは、惑星ダゴバへ向かいヨーダと再会する。しかしそこでヨーダは衝撃の事実を告げ、息を引き取るのだった・・・。

“恐るべし!レイア姫。”

何と言えばいいのか言葉に詰まってしまうビキニ姿で鎖に繋がれている画も異様だったが、ジャバ・ザ・ハットを絞め殺すわ機関銃撃ちまくるわ、鬼気迫るご活躍!

さすがルークの妹だけはある。フォースをしっかり受け継いでいたわけですね。

って引くっちゅうねん、あの形相

しかし、昔見た時はあまり気にならなかったけど、ヨーダってあっけなく死ぬねんな。

続編が作られていくごとに“感動”という二文字がどんどん急速に欠落していくのも、浅く広~く描くこのシリーズでは致し方ないのか。

そして文字通り地に落ちたともいうべきエピソード1。が、しかし、エピソード2、エピソード3と急激な上昇曲線を描いていくことなどこの時まだ知るよしもなかった。つづく・・・

夢のシネマパラダイス422番シアター:必ず訪れる“死”を見つめて・・・

岸辺の旅

Poster2出演:深津絵里、浅野忠信、小松政夫、村岡希美、奥貫薫、蒼井優、柄本明

監督・脚本:黒沢清

(2015年・日/仏・128分)WOWOW

内容:夫の優介が失踪して3年、瑞希はピアノ教師をしながら孤独な日々を送っていた。そんなある日、優介が突然帰ってくるが、自分はすでに死んでいるという。そして3年の間を過ごした思い出の地をめぐる旅に瑞希を誘うのだった・・・。

評価★★★☆/70点

魂の抜け殻のような表情で知覚麻痺した生者と何食わぬ顔で現実世界の日常に違和感なく溶け込む死者の対比が、此岸と彼岸の境界をあいまいにしていて少々面食らってしまったけど、死者が生者を引きずり込むのではなく生者の方が死者を引き留めるという逆転の視点はなかなか面白い。

随所で宇宙物理学を引き合いに出して黒沢ワールドのあり得ない設定に理論武装を加えているけど、正直そんなのはどうでもよくてw、人が死を受け止めるまでの喪失感と後悔の念、その想いの深さや重さに共感できただけで十分だったように思う。

自分にも必ず訪れる最愛の人の死、そして自分の死。かけがえのない日々を一日一日かみしめて生きていこうと思った。

お盆に見るといいかもね。

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銀河鉄道の夜

20060324 声の出演:田中真弓、坂本千夏、堀絢子、一城みゆ希、常田富士男

監督:杉井ギサブロー

(1985年・日本・107分)NHK-BS

評価★★★★/75点

内容:宮沢賢治の名作童話を登場人物を猫に置き換えて映画化した、幻想的な長編アニメーション。父親が北洋漁業へ出たまま帰らない少年・ジョバンニは、病気の母を抱えて、放課後は文選工として働いていた。学校では級友達からいじめられ、親友のカンパネルラだけが彼をかばってくれる。ある時、丘の上で星空を見上げていたジョバンニの前に、不思議な汽車が出現した。彼が乗り込むと、車内にはカンパネルラがいて、2人は銀河への旅へと出掛けていく・・・。

“ハリポタに出てくる「闇の魔術に対する防衛術」を習得したいくらい、この作品で描かれる「闇」は深遠かつ幻想的、そしてなにより絶望的だ。”

幼稚園のときに劇場で見たのだが、その時にはっきりとこれは他のアニメ(例えば東映アニメ祭りとか)とは違うという違和感と言い知れぬ不安と恐怖を抱いたのを覚えている。

今見返してみてもあの時の感覚は如実によみがえってくるし、印象もさほど変わらない。

変わったといえば、“闇”というものが宮沢賢治の作品世界で重要なファクターを占めているということが、彼の様々な物語に触れてきたことによって今では理解できる、そのことを念頭に置いて今はこの映画を見られるということくらいか。

その観点でいえば、この映画は宮沢賢治の作品世界を非常に上手く表現してくれたと思う。

特に闇。

題名に夜とあるので当然といえば当然なのだけど、夜の暗闇、夕方から夜にかけて薄暗くなっていく森を覆っていく暗闇、銀河の星々を巡る漆黒の銀河鉄道、その宇宙空間の暗黒、そして人物の心に巣食う孤独の闇。

それが絶望的な“闇”として当時幼稚園児だった自分に落ちてきたのだ。

そう、草むらで星空を見つめていたジョバンニに天が降ってきたように。

その不安な“闇”は、例えば固く閉ざされたドアの向こう側から声だけを発し姿を現さないジョバンニの病気の母親であったり、活版所で鳴り響く不穏な電話の音であったり、蛾が電球の光に吸い寄せられて鱗粉をふり撒きながら羽をバタつかせる最後の飛行音であったり、、、

はたまた静寂の冬の森の奥深くから聞こえてくる凍裂のようにドコンドコンという音を立てながら走り抜ける銀河鉄道であったり、道すがらパッパッと点滅していた電灯がプツッと消える瞬間であったり、時計の音や雫がポタリポタリと滴る音、森をつんざくような鳴き声と林を滑空する鳥の不気味な影、そしてジョバンニとカンパネルラの会話における異様に長い間と静寂、、、

そして極めつけは猫人間!

それらが積み重なり増幅されて“闇”の空間を創り出し、宮沢賢治の作品世界を映像と音で表わしてくれた。

これは見事という他ない。

が、あまりにも見事すぎたため、当時幼稚園児だった自分には、“闇”のもつ言い知れぬ恐怖の方が少々過ぎてしまったようだ。しかも、その時の感覚が今に至っても消えない。

一人では見れない映画です(笑)。。

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私の中のあなた

943f4028 出演:キャメロン・ディアス、アビゲイル・プレスリン、アレック・ボールドウィン、ジェイソン・パトリック、ソフィア・ヴァジリーヴァ、ジョーン・キューザック

監督:ニック・カサベテス

(2009年・アメリカ・110分)WOWOW

内容:フィッツジェラルド家の11歳の次女アナはある日、両親を相手に訴訟を起こした。白血病にかかった長女ケイトを救うために遺伝子操作によってドナーにぴったりの身体に生み出された現実と、ケイトの治療のために何度も手術台に上がることに耐えられなくなったのだ。このまさかの行動を発端に家族のバランスは崩れていくのだが・・。

評価★★★★/75点

子供が親を告訴するという強烈ネタを引っさげたパンチの効いた問題作かと思いきや、かなり散文的かつ叙情的な趣のあるつくりになっていて意外だった。

登場人物には誰ひとり悪人はおらず、しかも各々に視点とテーマが与えられているのがこの映画のミソだろう。

周りが見えなくなろうとも人生の全てを白血病の娘のためにフォーカスする母親(キャメロン・ディアス)や、事故死した娘の死を仕事にまで引きずってしまい涙する女性判事(ジョーン・キューザック)をみれば分かるように、決して正解の出ない生と死の問題、そして家族の問題においては論理ではなく感情で突き動かされるのが人間なのだということ。そしてその感情によって絆が生まれ深まるのだということがよく伝わってきて、温かみのある愛にあふれた作品になっていて良かった。

感情は時にエスカレートして人を傷つけることがあるけど、その一歩手前で相手を思いやる気持ちが垣間見えて胸を打たれた。優しい穏やかな気持ちになれるんだよね

まぁ、法廷からして論理を捨てていて、神の視点を取っ払っているので、やや視点のボヤけた曖昧さは残るものの、涙よりも笑顔を忘れない演出は買い!

なんか音楽の使い方とか「アイ・アム・サム」(2001)と似たような作風だったのが気になったけど、監督は違うのね。。

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ワンダフルライフ(1999年・日本・118分)シネマライズ

 監督・脚本:是枝裕和

 出演:ARATA、小田エリカ、寺島進、谷啓、内藤剛志、伊勢谷友介

 内容:「あなたは昨日お亡くなりになりました。」と言われ、天国の入口にある施設にやって来た22人の老若男女。彼らはこれから7日間の間に大切な思い出をひとつだけ選ばなければならず、その思い出だけを持って天国に向かうのだという。しかも、その思い出は施設職員の手により撮影され、最終日に上映されることになっているという・・・。天国への入口で、人生を思い起こし大切な記憶を選ぶ死者たちを即興的に撮るという設定で、人間存在の本質に迫った作品。数々の国際映画祭で受賞し、1999年の単館系邦画興行成績で1位になった。

評価★★★★/80点

死者という最大の弱者に視点を当てるという毒気とユーモアの中で、さまざまな家族の肖像や人間の肖像を切り取っていく手法はさすがの一言。上手すぎる。

自分だったら何を選ぶだろうな、とついつい考え込んでしまったけど、でもよくよく考えてみたら、人生でたったひとつの最高の思い出の中で永遠に生き続けることができるのが天国って、、それもちょっと怖いよなぁ

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みなさん、さようなら

Sayo 出演:レミ・ジラール、ステファン・ルソー、マリー=ジョゼ・クローズ

監督・脚本:ドゥニ・アルカン

(2003年・カナダ/フランス・99分)仙台フォーラム

内容:末期ガンに冒された大学教授レミ。息子は放蕩者の父を嫌っていたが、最期だけはと、父の望むにぎやかな病室を演出しようとする・・・。生と死、父子の確執と和解を、シニカルなユーモアと政治的メッセージを交えて描く。アカデミー賞外国語映画賞やカンヌ国際映画祭の主演女優賞などを受賞。

評価★★★/65点

“回りまわって、、、やっぱり金だなおい(笑)。”

この映画で学んだこと。お金ですよお金。やっぱお金が1番!。おいおい・・。

あとはあれだな。映画見終わった後ウチ帰ってすぐにしたことが、秘儀“北京の花”と奥義“四川の竜”をネットでググッたことだからね(笑)。

あのエロジジイに負けず劣らずのエロジジイになってみせます。どうもボクですww

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息子の部屋(2001年・イタリア・99分)NHK-BS

 監督:ナンニ・モレッティ

 出演:ナンニ・モレッティ、ラウラ・モランテ、ジャスミン・トリンカ

 内容:イタリアの港町に住む精神科医のジョバンニは、妻パオラ、娘のイレーネ、息子のアンドレアと幸せに暮らしていた。が、ある日、アンドレアがダイビング事故で死んでしまう。事故前、アンドレアが学校の教材を盗んだ疑いをかけられていたことから心に微かなわだかまりを抱え、さらに事故当日、アンドレアとのジョギングの約束を破ってしまったことから自分を責めるジョバンニ。そんなある日、息子宛に1通の手紙が届く。それは息子のガールフレンドからのものだった・・・。カンヌ国際映画祭でパルムドール受賞。

評価★★★★/80点

非常に地味でオーソドックスかつありきたりな語り口、息子との関係を描いたエピソード等も含めて底が浅い。

が、見終わった後の余韻は、なぜか青々とした海のごとくとてつもなく底が深い。

2018年1月 1日 (月)

夢のシネマパラダイス575番シアター:お伽の国からやってきたーーッ!PARTⅡ

PAN~ネバーランド、夢のはじまり~

Pan出演:ヒュー・ジャックマン、リーヴァイ・ミラー、ギャレット・ヘドランド、ルーニ・マーラ、アマンダ・サイフリッド

監督:ジョー・ライト

(2015年・アメリカ・112分)WOWOW

内容:第二次大戦下のロンドン。12歳の少年ピーターが暮らす孤児院では夜ごと子供たちが消えていなくなっていた。ピーターは院長が空飛ぶ海賊船に高値で売りつけていることを知るが、ピーターもさらわれてしまう。行く先は海賊黒ひげが支配する“ネバーランド”だった・・・。

評価★★★/60点

全体的に児童向け「アバター」といった趣でサクサク見ていける作品。が、あまりにもライト感覚すぎて印象に残らないスルー映画・・。

ファンタジーの王道として遜色ない凝った画作りやミュージカル調を織り交ぜた世界観は悪くなかっただけに、新味のないあまりにもストレートすぎるストーリーが求心力を二段くらい引き下げていたのが悔やまれるところ。。ピーターと宿敵フック船長が無二の親友という設定はかなり意外なはずなのに、なんだかうまく生かしきれてないんだよねぇ。

まぁ、続編を想定してまずはピーターが空を飛べるまでを描いたのかもしれないけど、ダークサイドに落ちていくフックをこそ見たかった気も・・。

だって、続編ないでしょもうww

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マレフィセント

2035558_201403250103429001395723962出演:アンジェリーナ・ジョリー、シャールト・コプリー、エル・ファニング、サム・ライリー、イメルダ・スタウントン

監督:ロバート・ストロンバーグ

(2014年・アメリカ・97分)WOWOW

内容:かつて妖精の国のマレフィセントと人間界のステファンは種族の壁を越えた仲の良い友達だった。ところが、成長するにつれ、国を守るべく戦うマレフィセントと侵略する側の重臣ステファンは敵対関係に陥ってしまう。そして、王座を目指すステファンが行った恐るべき仕打ちにより、マレフィセントは復讐の鬼と化すのだった。やがて、ステファンと王妃の間に待望のロイヤルベビーであるオーロラ姫が誕生する。お城で盛大なパーティーが開かれる中、魔女と恐れられるマレフィセントが現れ、オーロラ姫に呪いをかけてしまうが・・・。

評価★★☆/50点

“王国に誕生したロイヤルベビーのオーロラ姫に恐ろしい魔女マレフィセントが呪いをかけ、16歳になった時に永遠の眠りについてしまう。しかし、婚約者フィリップ王子がマレフィセントを撃退し、真実の愛のキスによりオーロラ姫は目を覚まし2人は結ばれる”

特に興味もない眠れる森の美女のあらましだけどw、今回はマレフィセント視点で描いた作品。

人間にとって恐怖の対象となるモンスターに従来とは全く逆のキャラクターを付与し、その視点から描いた映画には「シュレック」や「モンスターズ・インク」、「もののけ島のナキ」などがある。また、魔女という点では魔女の宅急便があり、これはマイノリティである魔女っ子が人間社会に溶け込むための奮闘劇になっている。

このように感情移入しやすい親しみあるキャラクターに変えることで(もともとキングコングやゴジラを含めて怪物・モンスターには同情すべき悲劇性がつきものだけど)、意外性のある新たな物語を楽しむことができる。

しかし、歴史あるディズニーアニメが確立した魔女というのは、狡猾、強欲、憎悪、嫉妬、執念深さといった人間の醜い情念や怨念を凝縮したような根っからの悪役(ぱっと思い出すところではハリー・ポッターのヴォルデモート卿に近い)だけに、どのように描くのだろうと思っていたら、えっ!?よ、よ、妖精!?可憐でメルヘンチックな妖精ですか!?設定そのものを変えてるじゃん(笑)。

英雄と悪者の両方を兼ね備えている、とマレフィセントは形容されているけど、魔女と妖精じゃ全然違うだろ!

さらに解せないのは、従来とは逆視点で描くのだからより多面的な要素を捉えるのかと思いきや、ステファン王が完全悪役に徹していて、結局は勧善懲悪に落ち着いちゃってるところだ。これじゃはっきりいって逆視点で描く意味もないだろって思うんだけど。。

しかも、ステファンがどんなに悪だとしてもオーロラ姫にとっては実の父親でしょ。それをマレフィセントがやっつけてオーロラと一緒に暮らしてめでたし×2ってすごい腑に落ちないんだけど。

ちょっと全体的にビミョーだったな・・・。

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オズ はじまりの戦い(2013年・アメリカ・130分)WOWOW

 監督:サム・ライミ

 出演:ジェームズ・フランコ、ミラ・クニス、レイチェル・ワイズ、ミシェル・ウィリアムズ、ビル・コッブス、トニー・コックス

 内容:しがない奇術師のオズは、カンザスを巡業中に竜巻に巻き込まれて不思議な魔法の国に迷い込む。その国の名前もオズといい、邪悪な魔女の悪政に苦しむ人々は、国と同じ名を持つ魔法使いが救ってくれるという古くから伝わる予言が現実になったと大喜び。財宝に目がくらんだオズは救世主を装うのだが・・・。

評価★★☆/50点

見終わってから知ってしまった。

この映画が1939年のミュージカル映画「オズの魔法使い」の前日譚であることに・・・。

ガ^^^^^ンモヒャ━━((゜Д゜Uu))━━!!!!!!

何の前知識もなくテレビでやってたからとりあえず見ただけというかんじの自分のこの映画に対するモチベーションは、サム・ライミとおとぎ話というやや危なっかしげな取り合わせのみにあったといってもよくw

ところがフタを開けてみればケレンも毒気もないオーソドックスなファンタジーになっていて拍子抜け。

極彩色のカラーの過剰なまでの色味具合は往年の古典映画を意識しているなとは感じたけど、そういう技術的なことはともかく中身がさっぱりツマラなくて・・。

ペテン師のような奇術使いが必死こいて魔法使いを演じるというプロットは面白いはずなのに、二味くらい足りないんだよなぁ。ジェームズ・フランコに魅力がないのかキャラ作りが弱いのか、その両方なのだろうけど、オズの小物っぷりだけが際立ってしまったかんじで・・・。

しかし、いわゆる“ゆきて帰りし物語”において子供ではなく大人がその世界に入り込んでいくというのは成長譚に欠ける分やはり味気がないなと。

その部類で面白かったのはスピルバーグの「フック」だけだし。。

しかも今回は“ゆきて帰らぬ物語”になっていてオチのつけ方も味気ない。

ファンタジーでこれだけ心弾まなかったのは初めてかも・・・

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オズの魔法使(1939年・アメリカ・102分)NHK-BS

A0009400_2315893  出演:ジュディ・ガーランド、バート・ラー、ジャック・へイリー、レイ・ボルジャー、ビリー・バーク

監督:ヴィクター・フレミング

 内容:カンザスの農場に住むドロシーは、家もろとも竜巻に飛ばされ、不思議なオズの国へやって来た。もとの世界へ帰るため、ドロシーは脳みそのないカカシ、心のないブリキの木こり、臆病なライオンたちとともにエメラルドシティに住む魔法使いに会いに行く・・・。

評価★★★/65点

「オズはじまりの戦い」経由で観賞。

ホントはこちらを先に見るべきだったのだろうけど、なるほどサム・ライミの2013年作がオリジナル作に対するつながりをしっかり持った上での作風になっていたことがよく分かった。オズってただのペテン師だったんだというのも改めて知ってビックリしたしw

セットのハリボテ感覚やおかしなメイクなど技術に拙さはあるものの、今から70年以上前の作品であることを踏まえれば、今作が世界のファンタジーの元祖といってもいいスタンダードであることはしっかり体感できた気がする。

でもこの映画が公開された1939年って、かの有名な「風とともに去りぬ」や西部劇の金字塔「駅馬車」が公開された年でもあるんだよね。

ハリウッドのマスターピースが揃いにそろった花の39年組てかんじ(笑)!?

しかも「オズの魔法使」と「風とともに去りぬ」って同じ監督(ヴィクター・フレミング)というのもスゴイ!

最初はリチャード・ソープでスタートしたものの、12日目で解雇され、その後3日間つなぎでジョージ・キューカーが務めてヴィクター・フレミングにバトンタッチ。テクニカラーのオズの国と竜巻の特殊撮影を3ヶ月で撮って風とともに去っていきw、残りのセピアカラーのカンザスのシーンをキング・ヴィダーが撮ったということで、、どんだけ紆余曲折してるんだよみたいな(笑)。

また、スタンダードな名曲“虹の彼方に”は覆面試写の段階でカットを命じられていたというから驚き。

名画は一日にして成らず!という言葉がピタリとくる作品だったんだね。

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ジャックと天空の巨人

Poster出演:ニコラス・ホルト、エレノア・トムリンソン、スタンリー・トゥッチ、イアン・マクシェーン、ビル・ナイ、ユアン・マクレガー

監督:ブライアン・シンガー

(2013年・アメリカ・114分)WOWOW

内容:貧しい農夫の青年ジャックは、市場で見知らぬ僧侶から自分の馬と引き換えに不思議な豆を手に入れる。そして激しい嵐吹き荒れるある日、お城を抜け出したイザベル姫がジャックのおんぼろ小屋で雨宿りをしていると、豆から芽が出て、小屋もろともみるみるうちに天空に伸びていった。そして王家の捜索隊に参加したジャックが豆の木を登っていくと、そこは世にも恐ろしい巨人が住む国だった・・・。

評価★★★/60点

童話のジャックと豆の木がどういう話だったかすら忘れかけていた自分にとっては、人間と巨人の戦いをクライマックスにした今回の映画を見るモチベーションは、ほぼ進撃の巨人の実写映画化を脳内イメージするためだけにあったといっていい(笑)。

いや、その点この映画の巨人の造形はキモくておぞましくて良く出来ていたとは思う。人間を食らうシーンはうまくカットされていたけど、本家進撃の方はちゃんと見せてくれるんだろうねw!?

って進撃の巨人ネタはここらへんにしといて、今度はロードオブザリングの話をしようか(笑)。というくらい色合いに独自色はなくて、まぁディズニーテイストの子供向けファンタジーという言葉がピッタリくる映画だったかなとは思うけど、それだったら主人公が18歳よりは普通に12,3歳の少年にした方がよかった気が。

まぁどちらにせよブライアン・シンガーが監督ということでいえば全然物足りない中途半端な出来栄えだけどね。。

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スノーホワイト

O0700057912238838269 出演:クリステン・スチュワート、シャーリーズ・セロン、クリス・へムズワース、サム・クラフリン、ボブ・ホスキンス、レイ・ウィンストン

監督:ルパート・サンダーズ

(2012年・アメリカ・127分)WOWOW

内容:平和な王国に生まれた王女スノーホワイト。が、幼い頃に母を亡くし、父王も後妻となったラヴェンナによって殺され、自身も城の塔で幽閉生活を強いられる。それから7年後、自分の魔力にかげりが見え始めたラヴェンナは、スノーホワイトが自分の美を脅かす存在であり、スノーホワイトの心臓を手に入れれば永遠の若さと美しさを手に入れられるという魔法の鏡のお告げを聞く。ラヴェンナの魔の手が忍び寄る中、スノーホワイトは間一髪のところで城から脱出し、黒い森へと逃げ込むが・・・。

評価★★☆/50点

白雪姫ってどんな話だっけ?という程度にオッサンになってしまった自分からすると、毒リンゴや7人のこびとが出てきたところで、ああーそいえばディズニーアニメで見たなぁと記憶の断片がよみがえってきたけど、映画としてはそれ以上でも以下でもなかったかなと。

童話というよりはロビン・フッド的というかLOTR的というか、そういう感触で、まさかシシ神さまが出てくるとは思わなかったけどw、なんかイマジネーションの限界を見せられてしまった感の方が強く・・・。

それに加えて話がイマイチ広がっていかないツマラなさも如何ともしがたく・・。

それはスノーホワイトの復讐譚に魅力を感じなかったことが大きく、さらにいえばそもそものところで彼女に魅力を感じなかったてのがなんとも・・・。

「塔の上のラプンツェル」の髪長姫のような元気ハツラツなキャラを求めるのは極端かもしれないけど、もうちょっと表情にゆとりがあってもいいような。。

なんかシガニー・ウィーバーにしか見えなくなってくるんだよね

無理して闘争本能むき出しにしてもシャーリズ姐さんに勝てるわけないんだから・・wこんなこと言いたかないけど、クリステン・スチュワートより、ジェニファー・ローレンスの方が断然イイと思う。。

夢のシネマパラダイス466番シアター:白ゆき姫殺人事件

白ゆき姫殺人事件

Poster2_2出演:井上真央、綾野剛、蓮沸美沙子、菜々緒、金子ノブアキ、貫地谷しほり、谷村美月、染谷将太、生瀬勝久

監督:中村義洋

(2014年・松竹・126分)WOWOW

内容:長野の国定公園で地元化粧品会社の美人OL三木典子の惨殺死体が発見された。ワイドショー番組の契約ディレクター赤星は、典子の後輩社員だった同窓生から話を聞き、典子の同僚で事件後に失踪した城野美姫に疑いの目を向ける。そして周辺取材をもとに作った映像はスクープとして話題を集めた。一方で赤星は取材で得た情報をツイッターにどんどんアップしていくのだったが・・・。

評価★★★/60点

殺人事件の周辺関係者に対するルポルタージュのインタビュー形式で証言を積み重ねていく手法は、宮部みゆきの「理由」と同じかんじであまり新味はなかったし、人間の歪な心の闇をえぐり出す湊かなえ独特の陰湿さも薄まっていて印象としてはやや弱い。

逆にいえば小綺麗にまとまりすぎているのがあだになったのかなぁとも思うけど、有名原作小説を翻案に映画化することにかけては右に出る者がいない中村義洋監督の上手さと、どうしてもにじみ出る人の良い優しい作風が上回ったともいえ、湊かなえと身構えていたわりにはかなり安心して見られる利点はあった(笑)。しかもラスト感動までしちゃったし

ただ、あの人が典子(菜々緒)をメッタ刺しにするシーンだけは、らしいえげつなさで脳裏から離れない・・

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理由

Riyuu_2 出演:村田雄浩、寺島咲、岸部一徳、大和田伸也、久本雅美、宝生舞、松田美由紀、風吹ジュン、柄本明、渡辺えり子、菅井きん、小林聡美、古手川祐子、加瀬亮、ベンガル、伊藤歩、立川談志、石橋蓮司、小林稔侍、宮崎あおい、片岡鶴太郎、根岸季衣、峰岸徹

監督:大林宣彦

(2004年・日本・160分)WOWOW

評価★★★★/75点

内容:1996年6月5日の深夜未明、東京荒川区にある超高層マンションで、一家4人が殺される事件が発生する。当初、4人の遺体はこの部屋の住人である小糸家の人々と思われていたが、全くの赤の他人であることが判明する。マンション管理人によると、この部屋は以前から人の出入りが激しかったというのだが・・・。

“笑わず嫌い王決定戦!vs大林組”

大林宣彦は自分とは水と油のごとく合わない。恐ろしいほどに合わない。それが自分の中の常識であった。

マンガチックかつファンタジー色の強いタクトをこれ見よがしに執拗に振り回す姿が、もはや生理的にといっていいくらい性に合わない。。あまりにも合わなくて思わず笑っちゃうくらい。たぶん今まで見たことがある大林監督作の平均点は★2つを下回ると思う。

そんな中で、自分が最も好きな作家である宮部みゆきをよりによって大林宣彦!?しかも「理由」!?もうイジメか、と泣き叫びたくなりましたがな。

そして、蓋を開けてみたら、、尾道かよ(笑)。東京じゃなくて尾道のにおいがプンプン。尾道4部作ってか。

というのはさておき、妙な出来心を出さずに原作を忠実にトレースしてくれたのが、まぁ個人的には良かった。映画の作り方としてそれがいいのかどうかは別として、非常に見やすくできている。

普通、このての事件ものは極端にいえば、犯人は誰かという一点に集約され、それを目的として収束していくわけだけど、本作は事件という一点からまるで水面に落ちた石が波紋を描くように無限の広がりを見せていく。まるでネットサーフィンでもしているかのように無限のクリックを続けていく。

それは原作の持つ特色でもあるのだけど、しっかりと画面にすくい上げてくれたのはやはり評価したい。

ラストの加瀬亮のダイブも、なにか「攻殻機動隊」みたいでヨロシ。

がしかし、ことさらにこれは映画ですよ~という記号をチラつかせるのは頂けない。しかも最後はガマンできなくなって全景写しちゃうし。。

でもこれ下手すると、“映画化”じゃなくてただの“映像化”と言われてもおかしくないので、、それでこれは映画化なんだぞということをあくまでも強調したくてあんなパフォーマンスしちゃったのかもね

夢のシネマパラダイス117番シアター:ターミネーターシリーズ

ターミネーター(1984年・アメリカ・107分)WOWOW

 監督:ジェームズ・キャメロン

 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、マイケル・ビーン

 内容:2029年の未来から現代のロスに不死身の殺人マシーン、ターミネーターがやって来る。彼の任務は、機械社会に抵抗する人間側のリーダー、ジョン・コナーの母サラを抹殺すること。しかし、サラの命を守るため、ターミネーターを追って現代にやって来た戦士カイル・リースは、まだ大学生だったサラを連れ出し、ターミネーターの執拗な攻撃から彼女を守る。

評価★★★★/75点

“最凶のトラウマ映画”

7歳にこういう映画見せるなよ!

ホントにトラウマだもん、この映画ww

特に、過激なバイオレンスは今見てもゾワッてなっちゃう

だって問答無用に撃ち殺しちゃうんだもの。

さらに中盤、シュワちゃんが小刀で自分の腕を切り裂いたり、鏡の前で左目を抜き取り、ポチャンと洗面所に落とすシーン以降はとにかく不死身さが際立つターミネーターの執拗に追ってくる恐怖感も加わって、胸がドクドクと圧迫されてくる。

久々に見直した時でも、イヤ~に口の中が変に渇くかんじっていうのかなあ、、7歳の身に降りかかった衝撃は自分の身体に記憶としてしっかりと刻み込まれている、みたいです。

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ターミネーター2

347x5002005032300215 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、エドワード・ファーロング、ロバート・パトリック

監督:ジェームズ・キャメロン

(1991年・アメリカ・156分)2003/09/27・TOHOシネマズにて再見

評価★★★★★/100点

内容:1994年、未来の戦士カイルとサラ・コナーとの間に生まれたジョンは、10歳に成長していた。サラは息子と引き離され、今は精神病院に収容されていた。そんなある日、ジョンの前に2体のターミネーターが出現!警官の姿をしたT-1000型ターミネーターがジョンの命を執拗に狙う。それに対し前作の悪役旧型T-800型ターミネーターは、、、。

“最凶の鬼ごっこ”

「ターミネーター」。。小学校低学年の時に見てあまりにも強烈なインパクトとトラウマを残していった映画。悪夢で夢に出てきた映画。怖くてトイレに行けなかった映画・・。強迫観念ともいえる不安が幼心に押し寄せてきたのを時が経った今でもはっきり覚えている。

ついでにいえば、濃厚なラブシーンなるものを見たのもこの映画が最初かもしれない

とにかく「ターミネーター」のインパクトは今作を見る時点でも多大な影を落としていたのは事実なのだった。

そう、無敵のシュワルツェネッガーがまた執拗に追っかけてくるのか、と。

そして、フタを開けてみたら、ああ、やっぱりそうなのね。冒頭の服を奪い取るシーンがレストラン風の所、、あ゛ー「ターミネーター」の忌まわしい記憶が甦ってくる~

と?もう一人全裸の男が、、マイケル・ビーンと同じような華奢な体格。そりゃ正義の味方だ!と思うわなぁ。

そしたらそしたらいきなり大大ドンデン返し!さらにその新型T-1000のもの凄さにド肝を抜かれる。

旧型は殺戮マシーンとしてのむごたらしさが感じられるけど、T-1000にはそれすら感じさせない。冷徹にしとめる無機質感覚。キン肉マンでウォーズマンが登場した時と同じような衝撃!!引用古っ・・・。

こんなん勝てんのかよー、と思いながら無条件でまんまとハマってしまう自分。特にT-1000型が登場する時の重低音がたまらない。でも考えてみると、これだけ勝てそうもない敵が出てくる映画はこのシリーズくらいなもんでしょ。

しかも、過去に敵だったキャラが見方になるというカタルシスと安心感。実はこれって宮崎アニメの常套手段なんだよね(笑)。人間性が急速にクローズアップされていく特性を持つという、、この映画もご他聞にもれずターミネーターボブおじさん化計画が同時進行で描かれる。

そう、この作品は宮崎アニメと同じ手法を使っている映画だということが判明!てことにしといてw

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ターミネーター3(2003年・アメリカ・110分)TOHOシネマズ

 監督:ジョナサン・モストウ

 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ニック・スタール、クリスタナ・ローケン、クレア・デーンズ

 内容:前作から10年後。放浪を続けるジョン・コナーは、幼なじみのケイトと再会する。しかし、その2人を最強のターミネーター“T-X”が急襲。間一髪2人を救ったのはあの旧型ターミネーターだった。そして彼は、2人に訪れる衝撃の未来を語り始める・・・。

評価★★/40点

“大変です!本作を製作したインターメディア社が暴走を始めました。どうもまだ続編があるようで、暴走を止めるすべがありません。このままではJ・キャメロンのターミネーターの世界がウイルスに完全に犯されてしまいます。これはもうこの映画に核爆弾仕掛けるしか他に手はありません。ハイ。”

女ターミネーターT-Xより2作目のT-1000型の方が強いと思う人手を挙げてーー!

はーーい

ホントなんか1作目のエッセンスと2作目のエッセンスをブレンドしただけってかんじ。それも見せかけの・・・。

しかもブレンドした結果、1+2が3になるんじゃなくて-3になっちゃってるのよ。。最悪。

シュワちゃんが冒頭、サングラスをかけてカッコ良くきめようとしたらトンだ星形のグラサンだったという時点で血の気がサーッと引いていきましたがな。

自分にとってターミネーターシリーズの世界は、最強かつ最凶じゃなきゃダメなんです。

小学生の時にみた「ターミネーター」が最強かつ最凶のトラウマを残していった映画といえるなら、「ターミネーター2」では最強かつ最凶のリアル鬼ごっこに一気に引きずり込まれていったわけで。

何度も言うようだけど、ターミネーターシリーズ=最凶シリーズ!だからヘタな小細工やギャグネタはいらないわけ。禁止事項の中でも1番トップに書かれるはずのことだろうに。それを臆面もなくやらかしちゃうんだから、あきれ笑いすら出なかったぞ、ったく。

さらにこの映画でやってることって1作目&2作目で見たのばっかり。。

オマージュを捧げてるんだか知らないけど、トラックとバイクの爆走なんて2作目ですでにやってることだろ。同じの見たってアドレナリンなんてほとんど出るわけない。しかもそのことは作り手もきちんと分かっているのか、物量にものをいわせた目くらまし作戦をとってきやがる。骨抜きにしたらハイ、何も残りません。ってなんだこれ・・。もうホント中途半端かつ最悪な出来にがっかり。

キャラも全然立ってないし。シュワちゃんの旧型ターミネーターの凄みは最初からなりを潜め、女ターミネーターも2作目のT-1000より弱く見える始末・・・。

さらにラストを見てさらにビツクリ。本当の戦いはこれからだぁ!?

どうも続編がまだあるらしい・・・。ジェームズ・キャメロンはいったいどう思ってるんだろうか。

しかし、考えてみると、このシリーズって80年代、90年代、00年代を通して1本ずつ作られてるんだよね。

1作目はそれまでのバイオレンスアクションの形を画期的に変えるとともに、なんといってもシュワちゃんを本当の意味で発掘した映画であり、80年代を象徴する映画となった。

2作目は革新的CGで度肝を抜かせ、90年代のCG映画隆盛時代の礎となったまさに90年代を象徴する映画となった。

では、今回の3作目はどうなのか。。

00年代を象徴する映画とは到底言えない代物であることは確かだけど、80年代後半から時代の流れをつくってきたCG、SFX映画、またビッグバジェット、ブロックバスター映画の行き詰まり感、ネタつき感を奇しくも象徴してはいないだろうか。

90年代後半からリメイク作が幅を利かせ、大作のネタも多くが続編というかたちで補われている昨今。その手づまり感をよく象徴しているという意味では、こういう結果になるべくしてなった的を射た作品といえるのかもしれない。。

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ターミネーター4

N0017634_l 出演:クリスチャン・ベイル、サム・ワーシントン、アントン・イェルチン、ムーン・ブラッドグッド、ブライス・ダラス・ハワード、ヘレナ・ボナム=カーター

監督:マックG

(2009年・アメリカ・114分)盛岡フォーラム

内容:2018年。スカイネットが引き起こした核戦争「審判の日」を生き延びた人間たちは抵抗軍を組織し、スカイネット率いる機械軍と死闘を続けており、大人になったジョン・コナーもそこに身を投じていた。そんなある日、ジョンは、脳と心臓以外すべて機械化されている謎の男マーカス・ライトと出会う。自分は人間だと主張するマーカスに対し、敵か味方か判断しかねるジョンだったが・・・。

評価★★★★/80点

“これがホントのT3!?”

「ターミネーター3」があまりにも自分の趣味からかけ離れていたので、このまま惰性で作りつづけられたらタマらんなぁと思っていたのだけど、新生3部作ということで、それこそバットマンシリーズの大復活パターンもあるし、それを信じて見てみたら、、、

無難に面白かった。

シュワちゃんの決めゼリフ「I’ll be back!!」が使われていたり、シリーズ1作目「ターミネーター」(1984)の時の無表情の殺人兵器T-800として若き日のシュワちゃんが出てきたり、しかもそれが絶妙なタイミングで出てきて、なかなかツボを抑えたつくりになっていて安心して見られた。

あとは役者陣がT3から格段に良くなっていたのも安心感につながったような。

今までのジョン・コナーのイメージとはちょっと違うような気もしたけど、クリスチャン・ベイルの存在感は映画を引き締めてくれたし、カイル・リース役のアントン・イェルチンやブレア役のムーン・ブラッドグッドなども印象的だったし、あとはなんといってもマーカス役のサム・ワーシントン。

憂いを秘めた眼差しの中に人間と機械の狭間で自己のアイデンティティを模索しつづける姿を投影させた演技力はなかなかのものだった。

とにかく、サム・ワーシントンをはじめとして目ヂカラのみなぎった役者陣の眼光は、映画の世界に引き込むには十分なほどの説得力をもって自分の心を射抜いてくれた。

あと、新シリーズを見る上でポイントになるのは、“パワーのインフレ”のリセットだろう。

ターミネーターシリーズというと、「絶望的」という言葉がすぐ思い浮かぶんだけど、それは例えば絶望的な未来、絶望的な戦い、絶望的な宿命といったフレーズに置き換えられるわけで、その上で1作目と2作目は紛うことなく絶望で満ち満ちていた。

しかし、T3では、T-1000型ターミネーターを超える史上最強の性能を持ったT-Xなるターミネーターが登場したものの、そこに“最凶”は感じられず、絶望的な戦いには程遠いスーパーサイヤ人ばりの超人バトルになってしまった。

T3は、パワーのインフレにより逆に面白さが半減してしまった好例といえるだろう。

ひるがえって新シリーズの幕開けとなった今回の作品は、いわゆる旧型ターミネーターT-800型よりさらに旧式のタイプを出してきたことでパワーのインフレをリセットしているのがミソ。

しかもその旧式のT-600型。ごつい体躯で歩き方はぎこちなく、ゴム製の皮膚はボロボロで、内骨格のフレームがむき出しになっている様はまるで腐った死体かゾンビのようで不気味きわまりない。その上、ちょっとやそっとでは機能停止せず、上半身だけになっても執拗に迫ってくる不死身さは恐怖と絶望感をかき立てる。

また、パワーのインフレのリセットによって生じた鈍足さを様々なタイプの機械軍を登場させることで補っているのも見所。

4本の腕を持ち、肩にはキャノン砲を有する巨体ターミネーター・ハーヴェスターの圧倒的威圧感、そしてそのハーヴェスターの両すね部分に格納されているバイク型ターミネーター・モトターミネーターがマッドマックス的世界観の中を疾駆する絵はかなり魅力的だ。

その他にもジェット機型や水中型などが出てきて、最後の締めでシュワちゃんのT-800型が登場と十分満足のいく出来栄えだったと思う。

ただ、最後の方で、瀕死のジョンに対し自分の心臓を提供すると言い出したマーカスの提案に速攻でうなずき、即行われた手術によって生き永らえるジョンの安易な倫理観には思わずえ゛っ!?と呆気にとられちゃったけど、そこらへんの人間描写をもうちょっと詰めて描いてもらいたかったかなと。

まぁでも、予想以上によく出来てた作品だったんじゃないかな。

新シリーズも3部作になるということらしいけど、どのようにオリジナル1作目にループしてつながっていくのか楽しみでならない。そんな期待を抱かせる新たな出発だったと思う。

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ターミネーター:新起動/ジェニシス

81kdaercytl__sy445_出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェイソン・クラーク、エミリア・クラーク、ジェイ・コートニー、イ・ビョンホン、J・K・シモンズ

監督:アラン・テイラー

(2015年・アメリカ・125分)WOWOW

内容:2029年。ジョン・コナー率いる人類抵抗軍は、機械軍スカイネットとの戦いで遂に勝利を収めようとしていた。追い込まれたスカイネットは、1984年にターミネーターT800型を送ってジョンの母サラ・コナーの抹殺を図る。一方これを阻止するため、ジョンはカイル・リースを送り込む。ところが1984年では、サラはタフな女戦士になっていて、敵のはずのT800型通称「おじさん」と一緒に行動していた。そして新型T1000が敵として襲ってきて、明らかに時間軸がズレていることを知るのだが・・・。1&2作目をもとにリブートしたシリーズ5作目。

評価★★★/65点

同じお茶っ葉で5回も淹れ直すとお茶の出がらしにもならないような薄っぺらな味になるはずだけど、無いネタを絞りに絞り出していっぱしのエンタメ作に仕上げてしまうハリウッドのド根性は認めたいところ。

ただ、過去・未来の上書きにつく上書きやパラレルワールドの存在など時間軸をいじりすぎたストーリーラインはややこしすぎて、もはや興味を持てるものではなくなっており、懐かしのオリジナル復刻味を楽しむことがメインだったというのが正直なところ。

逆にいえばそれだけオリジナル1・2作目が神がかった傑作だったことを再認識したけど、タイムトラベルSFで5作もやるというのはやはりどう考えても土台無理があるってことなんだね。タイムパラドックスとかもう辻褄合わせの後付けとしてしか機能してないし。

老体にムチ打つシュワちゃんもすっかり丸くなったオジさんターミネーターとしての愛嬌があってそれはそれで良かったけど、壮絶な最期を遂げたかと思いきやケロリとした顔で復活しちゃってるし。ホントもう何でもありってかんじ。。

そもそもジョン・コナーがラスボスってのも、そりゃないだろっていう(笑)。今まで30年かけて見てきたのは一体何だったんだろうと空しくなっちゃった・・。

まぁ、15年後に完全新作で復活するくらいの間を置かないと次はないなwていうかT4の続きはどうなってるの??

うたばん狂想曲第34番:第26回オイラ的日本レコード大賞in2017

ネットニュースで本家レコード大賞の打ち切りも囁かれる中、裏レコ大は未来に向かってこれからも邁進致します!

それでは2017年のマイ月間ランキングからどうぞー!

1月

 1位  バックナンバー         ハッピーエンド

 2位  チャットモンチー         消えない星

       サカナクション             多分、風。

 3位  クリスタルケイ         Silent Goodbye

       秦基博            終わりのない空

2月

 1位    欅坂46              二人セゾン

 2位    JUJU             believe believe

       Superfly               99

 3位    AAA              涙のない世界

       清水翔太             My Boo

3月

 1位   Suchmos           STAYTUNE

 2位  グリーンボーイズ            声

       大塚愛             サクラハラハラ

 3位    AAA                 Yell

       桑田佳祐            君への手紙

4月

 1月    JUJU          あなた以外誰も愛せない

 2位   加藤ミリヤ            最高な幸せ

       Aimer               茜さす

 3位 ナオト・インティライミ        夢のありか

       加藤ミリヤ             愛の国

5月

 1位   大原櫻子              ひらり

 2位   倉木麻衣           渡月橋~君想う~

       大原櫻子             青い季節

 3位  Dream Ami         Change my life

       米津玄師             orion

6月

 1位   西内まりや    Won’t Leave Without A Fight

 2位   シェネル             Destiny

       フランプール           涙リセット

 3位   加藤ミリヤ              幻

       大原櫻子             Coming Soon!!

7月

 1位   西野カナ              パッ

 2位     嵐             Treasure of life

       JUJU            Because of You

 3位   HARUHI           ソラのパレード

       大原櫻子             Realize

8月

 1位   安田レイ             きみのうた

       桑田佳祐             若い広場

 2位    B’z              Still Alive

      セカイノオワリ           RAIN 

 3位   安田レイ            up to ME

       米津玄師           ゆめくいしょうじょ

9月

 1位   ケツメイシ           はじまりの予感

 2位    AAA             No Way Back

       E-girls           Smile For Me

       桑田佳祐           オアシスと果樹園

 3位   安室奈美恵              Just You and I

        絢香              センチメント

10月

 1位   大原櫻子             ALIVE

 2位    ゆず               愛こそ

       西野カナ               27

 3位    コブクロ                心

      Suchmos           OVERSTAND

11月    

 1位   家入レオ           ずっと、ふたりで

 2位   原田知世             ロマンス

       adieu              ナラタージュ

 3位   DAOKO             打上花火

      Mr.children                  himawari

12月

 1位   西野カナ           One More Time

 2位   DAOKO           Forever Friends

       Rihwa              ミチシルベ

 3位   西野カナ              Girls

       Anly               北斗七星

続きまして各賞の発表~~~!

ベストニューカマー賞

 Suchmos、米津玄師、Anly

優秀パフォーマンス賞

 桑田佳祐、西野カナ、JUJU

特別賞

 原田知世

大賞

 大原櫻子

以上です!

大賞はまさかの2年連続で大原櫻子!!自分でもビックリw

昨年に大賞取った時に来年はバラード系を聴いてみたいと書いたけど、2017年はバラードを歌わせても天下一品だということが判明!西野カナと同じくシングルA面だけではなく、カップリング曲もイイってことが強みだし、これは来年も無双状態か!?その前にいい加減アルバム買おうw

お次はベストニューカマー賞。

まずSuchmosは車のCMで流れてきた“STAYTUNE”がカッコ良すぎで、最初は完全に洋楽だとばかり思ってたんだけど、一体誰が歌ってるんだ?とネットで調べてビックリ。日本人かよっ!

バンド名はルイ・アームストロングの愛称“サッチモ”から取られていたり、売り出した時のキャッチコピーが和製ジャミロクワイということで、音楽性もジャズやブラックミュージックを本格的に取り入れてて、しかもそれが嘘くさくなくて、とにかくカッコイイサザンと同じく茅ヶ崎出身というのもまたブランド力を高めていきそうで、ホントに将来楽しみ。絶対消えるなよw

米津玄師はデビューは2013年。その頃から将来有望アーティストのひとりとして名前だけは知ってはいたんだけど、なかなか曲を聴くところまではいかなかった。が、テレビアニメ「3月のライオン」のエンディング曲“orion”で2017年遂に我が家にもキター!

Anlyは、ピアノをアコギに代えたアンジェラ・アキというかんじで自分は受け取っているけど、沖縄出身なんだね。安室ちゃんも引退しちゃうし、沖縄発として来年はぜひステップアップしてもらいたいっす。

優秀パフォーマンス賞は桑田佳祐が2年連続で文句なしの受賞。あまちゃん以来2度目の朝ドラ全回制覇をなしとげた朝ドラ「ひよっこ」の主題歌がやっぱ大きかった。紅白も良かったよー♪

そして常連中の常連JUJU西野カナが2人揃って受賞!JUJUは初ランクインの2010年から8回中5回、西野カナにいたっては8回中7回という快挙。もはや鉄板すぎてどうにもならない(笑)。

ちなみに今年買ったオリジナルアルバムは桑田佳祐と西野カナだけ。

特別賞は、デビュー35周年でセルフカバーなど精力的に活動した原田知世がなぜかマイアンテナに見事に引っかかって受賞w

もはや音楽の情報獲得ツールがゲオだけになってしまい、車で聴く環境も完全になくなった中、なんとか2018年も音楽を聴き続けていきたいと思っております

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