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2017年12月20日 (水)

夢のシネマパラダイス479番シアター:ハードボイルドは男の美学

アウトロー

Poster出演:トム・クルーズ、ロザムンド・パイク、リチャード・ジェンキンス、デヴィッド・オイェロウォ、ヴェルナー・ヘルツォーク、ロバート・デュバル

監督・脚本:クリストファー・マッカリー

(2012年・アメリカ・130分)WOWOW

内容:ピッツバーグで5人の男女が狙撃銃で殺害される無差別殺人事件が発生。現場に残された遺留品から、イラクに従軍していた陸軍狙撃兵ジェームズ・バーが容疑者として逮捕された。警察の取り調べに黙秘を続けるジェームズは、元米軍の秘密捜査官ジャック・リーチャーへの連絡を要求する。ところがその直後、ジェームズは護送中に他の囚人に襲われ意識不明の重体に。そんな中、ジャック・リーチャーがどこからともなく現われる・・・。

評価★★★☆/70点

顔と名前だけで客が呼べるハリウッドのドル箱スターシステムは00年代以降完全に廃れてしまったといっていい中で、いまだにミスターハリウッドであり続けるトム・クルーズは稀少な絶滅危惧種である王道スターだ。

それは言いかえれば演技力よりスターオーラの方が勝ってしまうタイプということができるけど、例えばキムタクがどんな役を演じようともキムタクにしかならないように、トムもどんな映画をやろうがトム・クルーズ映画にしかならない。

キューブリック、オリバー・ストーン、レッドフォード、スピルバーグ、ロン・ハワード、デパルマ、マイケル・マン、キャメロン・クロウ、JJエイブラムズetc..とこれだけ名の知れた大物作家や新進気鋭の監督と組んでもトム・クルーズというブランドイメージが消えないというのはある意味別格に凄いことだと思う。

しかも、そのブランドイメージはカジュアルでクリーンなものなので、ことさらスター気取りというクドさが感じられないのもトム・クルーズ特有の強みで、自己プロデュース能力に関しては天賦の才を持っているといっていい。それが長くハリウッドの顔であり続けられる理由なのだろう。見る側としてもトム・クルーズというキャラクターを承知の上でとりあえず見てみようという気になってしまうのだからw

しかし、そんな王道の中の王道スターがアウトロー役というのは本来なら相容れないキャラクターのはずで、例えばミッション・インポッシブルシリーズのイーサン・ハントのようなヒーローアクションのひな形とは真逆のアプローチがうまくフィットするのだろうかというイメージのしづらさはあった。

また、初の悪役を演じた「コラテラル」が映画としていまいちスッキリしなかったことも頭にあって、ハードボイルドはトム・クルーズにはどうなんだろうという不安もあった。

しかし、フタを開けてみれば一匹狼の元軍人という役柄は思った以上にフィットしていてよく出来ていたと思う。

これにはトムの魅力の他に話の作り方も大きく関与したといっていい。

アウトローというと、えてして復讐譚を軸とし、たった一人で法で裁かれない巨悪に立ち向かうのが定石なのだけど、この映画は“復讐”ではなく“正義”を軸とすることで、アウトローでありながらヒーローというありそうでなかったキャラクターを作り上げた。これだとトムの魅力を削がずにうまく合わせられることができるだろうし、ヒールに徹した「コラテラル」ほどの無理さもない。

実はこれは「シェーン」などの西部劇の作劇とほぼ同じだと思うのだけど、これを現代劇として当てはめたことが新鮮で面白かったと思う。大団円の採石場での決闘なんてイーストウッド西部劇に出てきそうなシチュエーションで面白かったし。

シリーズ化するにはやや地味めな気がするけど、もしその企画を通すのであれば、ジャック・リーチャーとは何者なのか、彼を真にアウトローたらしめている奥底にあるべき“喪失”を描かなければ意味がないと思う。そういう点で、それこそイーストウッドに監督させたら絶対に見たいと思わせる魅力はあるんだけどねw

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ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

O0480064113796584990出演:トム・クルーズ、コビー・スマルダーズ、オルディス・ホッジ、ダニカ・ヤロシュ

監督:エドワード・ズウィック

(2016年・アメリカ・118分)WOWOW

内容:元陸軍内部調査部のエリート軍人で除隊後は流浪の旅を続けるジャック・リーチャー。ある日、かつての同僚スーザン・ターナー少佐を訪ねるが、彼女がスパイ容疑で逮捕されたことを知る。陰謀の可能性を察知したリーチャーは、陸軍基地から少佐の拘束を解き2人で逃亡するが・・。

評価★★★☆/70点

フォーマットとしてはリーアム・ニーソンの「96時間」。

さすらいの一匹狼的なハードボイルド感は薄まり、子連れ狼のファミリー感丸出しで前作の趣旨とはかけ離れてしまったかんじ。

が、従来から他を寄せ付けないオーラで単独で何でもやり遂げてきたオールマイティのトムに非力な女性を庇護するという足かせをつけたことで、相対的に不死身感が減殺されたのは格闘乱戦アクション主体の作品にあっては完全にプラス。

そっか、これは「96時間」というより「ターミネーター2」だということに気づいたw

しかも、15歳の思春期娘がトムの言うことを聞かなくて手を焼かせるものだからさぁ大変!って、これでホントに良かったのかトムさんw!?

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ダーティハリー

00000436165l 出演:クリント・イーストウッド、ハリー・ガーディノ、アンディ・ロビンソン

監督:ドン・シーゲル

(1971年・アメリカ・103分)NHK-BS

評価★★★/65点

内容:性格異常の殺人狂を追う刑事の冷酷非情な執念を描いた犯罪アクション。サンフランシスコのビルの屋上から一般市民が銃撃される事件が起きた。犯人は10万ドルを要求し、支払わなければ次の犠牲者を狙うと警察に通告する。殺人課の敏腕刑事ハリーは犯人を待ち伏せするが、激しい銃撃戦の末に犯人を取り逃がしてしまった。その後、犯人は14歳の少女を誘拐して20万ドルの身代金を要求。ハリーは20万ドルを手に、犯人の指定したマリーナへと向かった・・。

“44マグナムよりも女の素っ裸の方が多く出てきたと思ったのは、気のせいか・・・。”

なんか1870年代の西部劇を100年後のサンフランシスコにそのまま移し変えただけのようなかんじ。

1870年代だったら“ヒーロー”ハリーになっただろうが、100年経った現代アメリカ社会では“ダーティ”ハリーになっちゃうってことなのかな。

しかし、趣味で人殺しをする殺人鬼はハリー以上に法の限度を超越しとるやろ。法の掟などなんのそののハリーじゃないとどうにもならないのではないかな、とも思ってしまったのもたしかだ。。

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ブリット(1968年・アメリカ・114分)NHK-BS

 監督:ピーター・イェーツ

 出演:スティーヴ・マックイーン、ジャクリーン・ビセット、ロバート・ヴォーン、ロバート・デュバル

 内容:サンフランシスコの街に、仲間を裏切って200万ドルの金を持ち逃げしたシカゴのギャングが潜入した。ある裁判の証人としてこの男の証言を必要としている政治家チャルマースは、男の護衛を一匹狼の刑事ブリットに命じる。ところが、ブリットの油断から男が何者かに射殺されてしまった。ブリットは、男が生きているように見せかけて敵をおびき出そうとするが・・・。

評価★★★/65点

マックイーンといえば「大脱走」「パピヨン」「ゲッタウェイ」において逃走の美学を自由気ままに体現したイメージが強いけど、今作における追走の美学を体現した硬派なマックイーンもめちゃくちゃ良い。

タートルネックをあんなにカッコ良く着こなす男をマックイーン以外に自分は知らない。

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夜の大捜査線(1967年・アメリカ・109分)NHK-BS

 監督:ノーマン・ジュイソン

 出演:シドニー・ポワチエ、ロッド・スタイガー、ウォーレン・オーツ

 内容:ミシシッピーの田舎町。パトロールの警官が路上に殺人死体を発見。捜査が開始され、駅で張り込み中の警官が列車を待っていた黒人を容疑者として連行してくる。ところが、その黒人はフィラデルフィア警察殺人課の敏腕刑事ティッブスで、故郷の母を訪ねた帰途であった。殺人事件を扱ったことのない署長のギレスビーは、ベテランのティッブスに協力を求めたいと思ったが、人種偏見の強い土地柄、彼自身も黒人に頭を下げる気にはなれずにいた・・。

評価★★★★/75点

道なき道を切り拓いてきたポワチエその人から発せられるオーラと佇まいがそのままティッブスにのり移っているのも凄みがあるが、ガムを噛みながらコーラを飲むロッド・スタイガーの田舎の頑固なオッサン臭にも凄いものがある。

好対照な2人の見事なブレンド!

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刑事ジョン・ブック/目撃者(1985年・アメリカ・113分)NHK-BS

 監督:ピーター・ウィアー

 出演:ハリソン・フォード、ケリー・マクギリス、ルーカス・ハース、ダニー・グローバー

 内容:独自のコミュニティを作り、信仰のもと簡素な生活を送るアーミッシュの少年サミュエルは、殺人事件を目撃してしまう。刑事ジョン・ブックは捜査への協力を依頼するが、サミュエルの母親は他者との関わりを恐れて協力を拒もうとする。ところが、ようやくサミュエルが明かした犯人は警察の麻薬課長で、真相を知ったブックは母子とともに命を狙われてしまう・・・。

評価★★★★/75点

本当の題名は「刑事ジョン・ブック/のぞき見男」だと思うんだけど・・(笑)。

それはさておき、M・ナイト・シャマランの「ヴィレッジ」(2004)に出てきそうなアーミッシュの人々。黒服を着た彼らは、まるで西部開拓時代の「大草原の小さな家」に出てきそうな人々なんだけど、現代文明の中では奇異に映るその姿からは変な新興宗教をも想起させる。

しかし、その創始は17世紀のスイスにあるんだそうで。その後、弾圧を受けた彼らはアメリカに移住し、そこで自給自足の生活を営み、アメリカに入植した18世紀そのままの生活様式を守っているという。

しかも厳格な聖書解釈に基づき、あらゆる文明機器を使用せず、投票や徴兵などアメリカ国民の権利や義務さえ拒否しているというんだから徹底してるわな。

しかし、そんな禁欲社会にカッコいいバリバリの白人男がやって来たら、という異文化コミュニケーションがこのての刑事ドラマにしてはかなりしっかり描かれていて好印象だし、ちとエロイのも良いww

見てはいけないものを見てしまった、知ってはいけないことを知ってしまったという人間心理をくすぐる構成が大人の恋愛劇と絡めて上手くまとめられていてなかなかに偏差値は高い映画だと思うな。

ケリー・マクギリス、、イイです

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ヒート(1995年・アメリカ・171分)仙台第1東宝

 監督・脚本:マイケル・マン

 出演:アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ、バル・キルマー、ジョン・ボイト、トム・サイズモア

 内容:ロサンゼルスの犯罪組織のボス、ニール・マッコーリー(デ・ニーロ)は、クリス(バル・キルマー)、チェリト(サイズモア)らと現金輸送車を襲い有価証券を強奪。捜査にあたるロス市警の敏腕刑事ヴィンセント(パチーノ)は、少ない手がかりから次第にマッコーリーたちへ近づいていく・・・。12分間に及ぶ市街での銃撃戦は映画史に残るド迫力。

評価★★★☆/70点

“敵”と書いて“とも”と呼ぶ。そんな漢(おとこ)映画!

まぁ、古臭いっちゃあ古臭いんだけど・・。しかも下手するとただの傷の舐め合い、いや馴れ合いでっせ。

しかし、そこはさすがのロバート・デニパチーノ。なんとか見れたけど。

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フレンチ・コネクション

Lbfawpzu出演:ジーン・ハックマン、フェルナンド・レイ、ロイ・シャイダー

監督:ウィリアム・フリードキン

(1971年・アメリカ・105分)NHK-BS

内容:NY市警の実在の2人の刑事の活躍を描いたノンフィクションをもとにしたポリスアクション。NYのブルックリンでジミー・ドイルとバディ・ロッソの2人の刑事は、麻薬の密輸ルートを追求していたが、ドイルはこの仕事に深く関与するにつれて命を狙われるようになる。やがて2人は張り込み中のチンピラが事業家を装ってマルセイユからやって来た中年紳士シェルニエと接触するところを突き止め、尾行を開始。そしてフレンチ・コネクションと呼ばれる大犯罪組織の解明に乗り出していくのだが・・・。アカデミー賞で作品・監督賞など5部門で受賞した。

評価★★★★/75点

“地獄の果てまで追いかける!!”

たとえ世の子供たちに夢を与えるサンタクロースになろうとも、その足で、その執念で、その野蛮な目つきで、その獰猛な嗅覚で、とにかく走って走って走りまくって犯人たちを執拗に追いつめていく。

ポパイことジミー・ドイルに追っかけられたらもう最後。車に乗ろうが電車に乗ろうが金をいくら積もうが逃げつく先に待つのは地獄の門番ジミー・ドイルその人なのだから。

問答無用の存在にしばし言葉も出ず・・。

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