夢のシネマパラダイス268番シアター:ノンストップ・クライムムービー
グラスホッパー
出演:生田斗真、浅野忠信、山田涼介、麻生久美子、波瑠、菜々緒、村上淳、宇崎竜童、吉岡秀隆、石橋蓮司
監督:瀧本智行
(2015年・松竹・119分)WOWOW
内容:ハロウィンの夜。渋谷のスクランブル交差点に暴走車が突っ込み、中学教師・鈴木の婚約者も犠牲になる。が、“本当の犯人は別にいる”という謎のメモを受け取ったことから鈴木は復讐を決意。メモに導かれ裏社会の黒幕・寺原親子の経営する会社に入社するが、そこには様々な殺し屋たちが跋扈する一線を超えた世界が待っていた・・・。
評価★★★/60点
伊坂幸太郎原作ってことだけを前情報にして見たんだけど、伊坂原作の映画で初めてハズレかも・・・。
ヤク中の暴走車に婚約者をひき殺された虫も殺せないようなしがない中学教師鈴木のもとに「真犯人は別にいる」という手紙が舞い落ちてくるところから始まる今作。
なので主人公が犯人探しに奔走していくのかと思いきや、犯人の親子はすでに分かっていて、その懐に潜り込んでいる状態。じゃあ、復讐をしかけていくのかと思いきや、殺し屋の手にかかりジュニアがあっさり退場。じゃあ、残る真の黒幕親父の方はと思いきや、ジュニア殺しを依頼したのは鈴木という密告から鈴木の方が終われるハメに。じゃあ、そこから決死の逃走劇が幕を開けるのかと思いきや、ナイフ使いの殺し屋・蝉vsターゲットを自殺に追い込む殺し屋・鯨の対決に転回していく。そして気付いたら鈴木の他に誰もいなくなっていた、、
と、次はこうなるだろうなという自分の中にある定型フォーマットをことごとく外していく作劇は先が読めない魅力はあったものの、じゃあそれって面白かったかと聞かれると、つかみどころのない雑さばかりが気になってはっきり言ってツマラなかった(笑)。ていうか、見終わって結局これってどういう映画だったんだ!?と思わせた時点でアウトだよね。。
伊坂原作の十八番ともいえる伏線回収や、なるほどと唸らされるトリッキーな話のオチの付け方も今回は単なる辻褄合わせにしか感じられなかったし、ちょっと説明的すぎてイマイチだった。
典型的巻き込まれサスペンスと見せかけて当の巻き込まれた本人は蚊帳の外という変則パターンに結局ついて行けなかったと・・。
やっぱ伊坂原作は中村義洋&濱田岳コンビに尽きるなww
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スナッチ
出演:ブラッド・ピット、ウィリアム・べック、アンディ・べックウィズ、オーエン・ブレムナー
監督・脚本:ガイ・リッチー
(2000年・アメリカ・103分)スカラ座
評価★★★★/75点
内容:ロンドンの裏社会で非合法ボクシングのプロモーターとして生きてきたターキッシュとトミー。84カラットのダイヤの紛失事件をきっかけに、彼らは悪夢の1週間を体験することになる・・・。暗黒街の住人どもと1匹の犬が繰り広げるノンストップ・クライム・ムービー。
“イギリスの堤幸彦と呼んでもよろしいでしょうか、ガイ様”
「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(長っげぇよ!)である程度の免疫ができていたので、難なくこの映画の世界に入っていくことはできた。
ていうかロック、ストック&△×□~♪○とほとんど同じ構成だし。登場人物の多さまで・・・。少なくとも13人の人物と犬1匹が入り乱れ飛ぶんだからなぁ。。でもロック、ストッキングトッタノバレタよりはそれぞれのキャラがしっかり立っててつかみやすかったと思う。
そういう意味ではやっぱこの監督スゴイと思う。100分ちょいでこれだけの登場人物をそつなく動かしてテンポよくストーリーを収めてしまうのだから。
でも、ちょっと立ち止まって考える。
もしかしてこの監督、キャラが10人以上いないとダメなんじゃなかろうか・・・。常に3,4人画面に写って埋めてないと落ち着かないんじゃないか!?ピンで撮るのが不安で不安で仕方ないんじゃないか!?もしかして画をもたせるのに自信がない!?だからパッパッと流しちゃうのかい?
今のところはスタイリッシュな映像感覚ともてはやされてるけど。
ま、化けの皮がはがれないように祈りながら注目していきたいと思います。
Posted at 2001/03/21
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ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(1998年・イギリス・108分)DVD
監督・脚本:ガイ・リッチー
出演:ジェイソン・フレミング、デクスター・フレッチャー、ニック・モーラン
内容:ロンドンの下町。いかさまポーカーでギャングにカモられた不良少年たちが思いついた犯罪計画。そこに麻薬密売組織、強盗団、コソ泥、取立て屋、故買商、マリファナ栽培業者などが入り乱れて事態は思わぬ方向へ・・・。ガイ・リッチー監督デビュー作。
評価★★★/65点
“見事に顔と名前が一致しねえ!!”
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ラッキーナンバー7
出演:ジョシュ・ハートネット、ブルース・ウィリス、ルーシー・リュー、モーガン・フリーマン、ベン・キングスレー、スタンリー・トゥッチ
監督:ポール・マクギガン
(2006年・アメリカ・111分)WOWOW
内容:仕事をクビになり、恋人を寝取られ、家も失った不運続きの青年スレヴンは、友人ニックを頼ってNYにやって来たが、ニックは不在。しかし、ひょんなことから隣人の女性リンジーと出会い、意気投合した2人はニックの行方を捜し始める。が、そんな矢先スレヴンは、彼をニックと思い込んだマフィアの手先によって拉致され、ボスの前に引き出されてしまう・・・。
評価★★★/65点
原題のラッキーナンバー“スレヴン”を“7”に変えた邦題の付け方はシャレててよろしいと思うんだけど、それにしたって途中から先がミエミエで読めちゃうのは、このテの映画ではどうなんだろう。いまいちノレなかったな・・・。
まず、グッドキャスト(B・ウィリス)が語る20年前の話で、八百長競馬の賭けに負けた男の一家が惨殺されるシーン。
そこで、子供の頭に銃が向けられて、ドカンと母親が銃殺されるシーンに切り換わって暗に子供も撃たれて死んだふうにとれるようになってるけど、ハリウッド映画で子供が殺されるというのはかなりタブーな領域なので、この時点で子供は生きとるなとは薄々分かるねんか。
んで、20年後、ジョシュ・ハートネット登場!子役と似てるんだわ、これがまた(笑)。
この時点でパンチ力半減、あとはどうパズルをうまくハメ込んでいくのか、どううまくチェックメイトをかけていくのかというところが見所だったんだけど、、、上手い、実に上手いの。しかし、その上手さというのは、単なる後付けのうまさであって、ひねりの利いたギミックの上手さではないんだよなぁ。
だから、どうしても一本調子な感が否めず、やられたっ!という快感につながってこないんだわ・・。
差し手が弱くて単調、この映画はその一言に尽きる。
怪しい長髪のブルース・ウィリスの役柄も「隣のヒットマン」などで見飽きたし・・。
ただ、その中でジョシュ・ハートネットは映画をひとりで引っ張っていけるだけのなかなかの存在感が出てきたなぁとは感じられたし、なによりルーシー・リューがこれだけキレイに撮れてるのはめっけもん。
ていうか、今回のジョシュ・ハートネット、ブラピに似てない(笑)?
しかしまぁ、これだけの豪華俳優陣を揃えておきながら、なんかもったいないなぁというかんじだね。
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