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2017年8月26日 (土)

夢のシネマパラダイス8番シアター:TAXi→→ベイビードライバー

ベイビードライバー

Artis_p2892_1出演:アンセル・エルゴート、ケヴィン・スペイシー、リリー・ジェームズ、エイサ・ゴンサレス、ジョン・ハム、ジェイミー・フォックス

監督・脚本:エドガー・ライト

(2017年・アメリカ・113分)東宝シネマズ日比谷

内容:天才的なドライビングテクニックを買われ、ギャングの“逃がし屋”として働く青年ベイビー。幼い頃の事故で両親を亡くし、激しい耳鳴りに悩まされる後遺症が残ったが、iPodでお気に入り音楽を聴くと耳鳴りは消えてクレイジードライバーへ覚醒する。そんなある日、ウェイトレスのデボラと出会った彼は恋に落ちる。そして彼女のために、この世界から足を洗う決意をするが・・・。

評価★★★★/80点

ワイパーの動きまでもが曲のテンポとシンクロするという、カーアクションに音楽を合わせるのではなく、音楽にカーアクションの方を合わせる誰も思いつかなかった“異色ミュージカル”🎵

選曲も60~70年代のソウル/R&B、ロック、ジャズに至るまでかなりマニアックなのだけど、監督の趣味のゴリ押しではなく実にオシャレかつクレバーに使っていて、音楽によって映画が快感的に昇華されている好例といえる。

しかし一方で、おそらくキラーチューンありきで構成されているせいかシナリオはやや雑。。各キャラクターの行動原理に何かしらの違和感があってビミョーに引っかかりが・・。

そして、まさかしっかりと刑期をつとめてハッピーエンドというオチには少し拍子抜け(笑)。まぁ、狂気から程遠いベイビーからするとこれはこれで有りなのかもしれないけど、落とし前の付け方としては生真面目すぎw

テルマ&ルイーズみたいにグランドキャニオンから車ごとダイブするくらいのインパクトがあった方が余韻が残ったような。。そういう意味ではバディ&ダーリンのラブラブカップルが1番印象的だったかもね。

とりあえず、サントラ聴いてみよっ♪

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TAXi

Taxi 出演:サミー・ナセリ、フレデリック・ディーファンタル、マリオン・コティヤール

監督:ジェラール・ピレス

(1997年・フランス・93分)DVD

内容:マルセイユでタクシー運転手を始めた若者ダニエルは、改造プジョー406で無免許営業、しかも無類のスピード狂で警察にマークされていた。偶然、そのタクシーに乗った刑事エミリアンが彼の運転の腕を見込み、ドイツ人銀行強盗団“メルセデス”の逮捕に協力させようとするが・・・。プジョーvsメルセデス!

評価★★★☆/70点

“男はF1バトル、女はFカップバトル。甲乙つけがたし。。”

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TAXi2(2000年・フランス・88分)DVD

 監督:ジェラール・クラウジック

 出演:サミー・ナセリ、フレデリック・ディーファンタル、マリオン・コティヤール、エマ・シェーベルイ、ベルナール・ファルシー

 内容:日本の防衛庁長官を乗せる警護車の運転手に任命されたスピード狂のタクシー運転手ダニエルが、長官を拉致した謎の忍者軍団を大追跡。今回のプジョーの敵は三菱ランサー!

評価★★★☆/70点

褒めたくもないけど、けなしたくもない。そんな憎めない映画なのでありまっス。

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TAXi3(2002年・フランス・87分)DVD

 監督:ジェラール・クラウジック

 出演:サミー・ナセリ、フレデリック・ディーファンタル、ベルナール・ファルシー

 内容:久々に再会した刑事のエミリアンとダニエルが、“サンタ強盗団”の一味らしき人物に遭遇。2人は後を追い、敵のアジトをつきとめるが・・・。今回はプジョーvs雪山

評価★★★/60点

オイラのスキー技術でも十分勝てそうだな・・。

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TAXi NY(2004年・米/仏・98分)WOWOW

 監督:ティム・ストーリー

 出演:クイーン・ラティファ、ジミー・ファロン、ジゼル・ブンチェン、ジェニファー・エスポジート

 内容:舞台をニューヨークに移し、ひょんなことで出会った女タクシー運転手ベルと落ちこぼれ刑事ウォッシュバーンがコンビを組み、女強盗団とカーチェイスを繰り広げる。

評価★★★/60点

“イエローキャブはイエローキャブでも野田社長のイエローキャブちゃうやろなっつうくらいの美女軍団にメッロメロ

オリジナル作が完全無欠のお馬鹿映画だったのに比べると、ハリウッド版はきらびやかにまとまっちゃったかんじ・・・。

タクシーの本場イエローキャブinNYだけあって、それなりに楽しめはしたのだけど、なにより姐御クイーン・ラティファのクールかつカッコいい風格のある存在感がドツボにハマっているのはいいとしても、そのかわりにおバカ度やスピード感を食っちゃっているというのはちょっと痛かったかも。

また、強盗団の美女軍団といい、最近この人に惚れてますのジェニファー・エスポジートといい、画のつくりといい、なにか「ワイルドスピード」的なセクシー要素が付加されてて、なんか変に垢抜けちゃったなという印象はどうしても持ってしまった。

やっぱりオリジナルのやりたい放題っぷりにはかなわないな。。

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TAXi4(2007年・フランス・91分)WOWOW

 監督:ジェラール・クラウジック

 出演:サミー・ナセリ、フレデリック・ディーファンタル、ベルナール・ファルシー、エマ・シェーベルイ

 内容:17カ国から指名手配されている凶悪犯を護送する任務に就いた刑事エミリアンは、無事に署まで連行したものの不注意から逃亡されてしまう。そこでエミリアンはダニエルの協力を得て逃走先であるモナコへ急行するが・・・。

評価★★★/60点

“ジベール署長のピンク・パンサーシリーズが見たい!”

主役はもう完全に釣りバカ署長になっちゃってるじゃん(笑)。

マルセイユの問題児ジブリル・シセに悪態をつくわ、マシンガン撃ちまくるわ、数々の目に余る冒涜を働き、ピッチの上で豪快なゴールを見せるラストの見せ場まで持ってっちゃって、もはや独壇場!1番逮捕しなきゃならないのは犯人じゃなくてコイツだろ。署長主役で1本作った方がええんちゃうか。。

ていうか、完全に“タクシー”じゃなくなってるような・・。

2017年8月23日 (水)

夢のシネマパラダイス104番シアター:スパイダーマン

スパイダーマン

234686view002_1 出演:トビー・マグワイア、ウィレム・デフォー、キルスティン・ダンスト

監督:サム・ライミ

(2002年・アメリカ・121分)仙台第1東宝

評価★★★★/75点

内容:ごくごく普通の高校3年生ピーターが、ある日、遺伝子を組み換えられた蜘蛛に咬まれ、特異な力“スパイダー・センス”を得てしまう。アメコミの代表作「スパイダーマン」生誕40周年を迎えた2002年に、残酷ホラーの決定版である「死霊のはらわた」で有名なあのサム・ライミ監督の手で映画化、、、ということでちょっと恐いもの見たさではあったのだけど。結果は良い意味で不安を払拭するエンタメ作品に仕上がっておりました。。

“あっ、鳥だ!あっ、飛行機だ!あっ、タケちゃんマンだ!

ふぁっふぁっふぁっ、うぇっうぇっ、パーーッ!!ブラックデビル参上!”

まんまじゃんこの映画。

お金かけりゃこれくらい壮大なコントになっちゃうのねぇ(笑)。さっすがハリウッド、こういう金の使い方だったら喜んで拍手するよ。

あー、明石家さんまのグリーンゴブリン見てぇー。

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スパイダーマン2

319039view016 出演:トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト、アルフレッド・モリナ、ジェームズ・フランコ

監督:サム・ライミ

(2004年・アメリカ・127分)盛岡フォーラム

評価★★★★★/95点

内容:大学生となったピーターは、自分の全てが犠牲となるスパイダーマンとしての生き方を捨てようとする。しかし、怪人ドック・オクの出現により、再び立ち上がることに。。

“ウチでとってる新聞に、この場を借りてひとこと謝らせてください。”

ウチでとってる新聞の夕刊に1週間に1回シネマ通信簿というコラムが掲載される。

近々公開される1本の映画についての5段階評価の採点と寸評が載っていて、映画を見に行くときにあてにしている良い手引きになっているのだが、今まで見てきたなかで5点満点付けられた作品は少なくともここ1~2年の間では1作品しか目にしていない。たしかヨーロッパ映画の相当な小品だったと記憶している。

そんな中で、突如220億かけた超メジャー作品「スパイダーマン2」に、5点満点が付けられていたのである。

これにはさすがに我が目を疑ってしまった。

そりゃそうだ、なかなか★5つを付けないこの新聞が、よりにもよって娯楽大作ともいうべきメジャー作品に★5つですかぁ?マジで?まさか配給元の東宝とつるんでるんじゃないだろうな、と思わず勘ぐってしまいたくもなったわけで。

そして続編はこう作れという見本のような娯楽大作だ、と豪語している一文を半信半疑で読んだのだが、この稀有な★5つに後押しされ映画を見に行くことに決めたのだった。

そして、結果は、ンビビビビビビビビンゴー!!

まぁいつも個人的な評価とこのシネマ通信簿の評価は大体似通っていたところがあったので当然の結果だったのかもしれないけど、疑ってゴメン(笑)。

しかも朝イチで見に行ったせいか、劇場1人貸し切り状態という初体験!!

いやあ、田舎はこれだからイイのよ。

スパイダーマン2をスクリーンを前に1人で見る愉悦。

おかげで周りを気にすることもなく泣くわ笑うわハラハラドキドキするわでとにかく大忙しだった。

でも周りに客がたくさんいるというのも気持ちを共有できてまた良いものなんだけどな。

、、翌々週、また5点満点が付けられていた。

「シュレック2」。。。

マジですか?3週中2週★5つ。。ありえない。万馬券なみの確率だぞ。

まさかUIPとつるんでるんじゃないだろうな(笑)

Posted at 2004.07.20

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スパイダーマン3

20070422_117300 出演:トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト、ジェームズ・フランコ、トーマス・ヘイデン・チャーチ、トファー・グレイス

監督:サム・ライミ

(2007年・アメリカ・139分)盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:NY市民に信頼されるヒーローとなり、恋人MJへのプロポーズも決意して公私共に順風満帆のスパイダーマン=ピーター・パーカー。ところが、最愛の伯父を殺害した真犯人“サンドマン”が脱獄し逃亡中であることを警察から聞かされ、さらにある日、謎の黒い生命体に取り憑かれた彼は次第に情緒不安定になっていき、MJともすれ違いを始めていく。そんなスパイダーマンを、父の復讐に燃え“ニュー・ゴブリン”へと変身したハリー、さらには黒い生命体に支配された同僚カメラマン“ヴェノム”がその座を追い落とそうと機会を伺っていた・・・。

“カツ丼の上にハンバーグとエビ天を乗せてその上からカレーをぶっかけたような映画”

黒澤明が「七人の侍」を作るにあたってのコンセプトを言い表したものだそうだが、今回の映画にこそ当てはまるのではなかろうか。

シリーズものの3作目って、花火の締めくくりにやる線香花火みたいなもので、いかにうまく華を開かせて持続させるかがキーポイントなのだが、大体においてボタッと落ちて失敗に終わり尻つぼみになってしまったり、あるいは花火大会で趣向を変えた創作花火を打ち上げてみたらグダグダで興を削ぐものだったり、ようするにパッとしない作品が多いのだ。

が、この「スパイダーマン3」は、それらとは打って変わって詰めに詰め込んだ10号大玉の大スターマインを2時間ブッ続けでドッカンドッカン打ち上げ続けているようなもので、まさにお祭り騒ぎ状態

しかも、その火薬玉に星条旗をかぶせて“許し”というテーマを強引に付ける何でもありの作りに、映画を楽しんだという満腹感に浸れることは受けあいだ。

ただ、ボリューム感とスピード感にあふれるお祭りと見れば十分に満足できるのだが、1つの作品として見るならば、う~ん、と唸らざるをえない出来だろう。

例えば、“許し”というテーマをもっと明確にするならば、サンドマンとハリーにエピソードを絞ってやった方が断然良かったはずで、ヴェノムまで詰め込んだせいでベクトルがあっちこっちに向かってしまい消化不良を起こしてしまっている。

はっきりいってヴェノムとブラックスパイダーマンに関しては4作目でもよかったのでは・・・。

これ一応今のところ3作で終了ということになってるけど、もし4作目作るとなると、どういう作りのスタイルにするのか非常に難しいところだな。それくらい今回の作品は詰め込めるだけ詰め込んでるので。。

ま、キルスティン・ダンストがキュートだったので、良しとするか。。

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アメイジング・スパイダーマン

Poster 出演:アンドリュー・ガーフィールド、エマ・ストーン、リス・エヴァンス、デニス・リアリー、キャンベル・スコット、マーティン・シーン、サリー・フィールド

監督:マーク・ウェブ

(2012年・アメリカ・136分)DVD

 

内容:幼いときに両親が謎の失踪を遂げ、伯父夫婦のもとで育てられた高校生、ピーター・パーカー。ある日、倉庫部屋で父の鞄を見つけたピーターは、父のことを知るオズコープ社のコナーズ博士を訪ねる。しかしそこで、遺伝子実験中の蜘蛛に噛まれてしまい、以来、超人的な能力を手に入れる・・・。

評価★★★★/75点

てっきりキャスティングを替えただけでサム・ライミ版の3部作につづく4作目かと思っていたら、イチから仕切りなおしとは露知らず。

なんでまたそんなことを??といぶかるような目で見始めたけど、意外にも新鮮な気持ちで楽しく見ることができた。

まず、主人公の性格がガラリと変わっていることが新鮮。

サム・ライミ版のウジウジしてナイーブなトビー・マグワイアはヒーロー像に新たな新機軸を打ち出したけど、やんちゃで無鉄砲、なおかつ優柔不断なところもある今回のアンドリュー・ガーフィールドも新たなピーター・パーカー像を提供してくれたと思う。

なんか今回のスパイダーマンは3作目でダークサイドに落ちたピーターが黒スーツに身をまとったブラックスパイダーマンの延長線上にあると感じたけど、あのブラックスパイダーマンが伯父さんを殺した犯人への復讐心から生まれてきたことを思えば、今回は完全に私怨をはらすことが大いなる力を手に入れたピーターの原動力になっていて、そこから次第にマスクをかぶることの意味に気付いていく姿は逆に人間味があって見応えがあった。

また、人間味という点で、スパイダーマンが意外に弱くてw、生傷が絶えないのも新鮮だったけど、これはアイアンマンの影響があるのかも。。

あとは、なんといってもグウェン・ステイシー役のエマ・ストーンだろう。

どうも自分はスパイダーマンのヒロイン役にホの字になってしまうらしくw、前シリーズのキルスティン・ダンストにも巷の悪評などお構いなく好きだったんだけど、今回のエマ・ストーンにもヤラれてしまいますた

ピーターが早々に自分の正体をグウェンにバラしてしまうのはマスクマンとしては反則だと思うけど、次作以降の展開に布石としてプラスに作用してくれればいいかな。でも、ちょっと顔出ししすぎな気も

まぁ、いろいろと前シリーズとは違うベクトルを示さなければならない中で、まずは無難というかまともな舵取りをみせてくれたと思う。

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アメイジング・スパイダーマン2(2014年・アメリカ・143分)WOWOW

 監督:マーク・ウェブ

 出演:アンドリュー・ガーフィールド、エマ・ストーン、ジェイミー・フォックス、デイン・デハーン、ポール・ジアマッティ、サリー・フィールド

 内容:特殊な力を得てスパイダーマンとして活躍するピーター・パーカー。そんなある日、ピーターの幼なじみで大企業オズコープ社の御曹司ハリー・オズボーンと10年ぶりの再会を果たしたピーターは、ハリーからオズコープ社が幼い頃からピーターを監視しているという事実を知らされる。さらに、事故に巻き込まれたオズコープ社の電気技師マックスが、電気を自在に操る最強の敵エレクトロとなってスパイダーマンの前に現われる・・・。

評価★★★★/75点

サム・ライミ版の2作目から10年目のリブート作とあって、かの記憶が薄れているせいもあってw新鮮な面持ちで見れて普通に楽しめた。

リブートに関しては、ハリウッドのネタ尽き感はもちろんあるものの、例えばカバー曲を作ることが当たり前のアメリカの音楽シーンをみれば分かるように、様々な解釈や作風でアレンジし直して、より洗練された創造力を見せてくれるのであればいいんじゃないかなとは思う。

じゃあ、今作はサム・ライミ版と比べるとどうなのかといえば、あちらの方が傑作すぎてちょっと分が悪かったかな

ピザ屋のバイトでピザの配達もろくに出来なかったり、彼女にフラれそうだからスパイダーマン辞~めたと投げ出してしまうような頼りないヘタレ主人公、マスクの下の素顔をさらけ出してしまう得体の知れるヒーロー、何の法的根拠もない中で正義という名の力を振りかざすのは傲慢ではないのかというヒーローに対する疑念とバッシング、といったサム・ライミ版が生み出した革新性をしのぐものは映像技術の進化以外提示できなかったね。

だからといってヒロインのグウェンを退場させるってのは、、そのやり口は違うだろー

これで次も絶対見なきゃダメになったけど、やっぱあれは反則。。エマ・ストーンもう見れないなんて・・。

ただ、アメイジングになってピーターの陽気なイケメンキャラクターも相まってかなりポップで楽天的なテイストになっていたので、ラストの孤独と絶望に叩き落とされるシリアス路線への揺り戻しが3作目にどう影響するのか楽しみではある。

絶っ対にグウェンの死を無駄にするんじゃないぞ!!

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スパイダーマン:ホームカミング

170254_03出演:トム・ホランド、マイケル・キートン、ジョン・ファヴロー、ゼンデイヤ、ロバート・ダウニーJr、マリサ・トメイ、グウィネス・パルトロウ

監督:ジョン・ワッツ

(2017年・アメリカ・133分)TOHOシネマズ日本橋

内容:「シビル・ウォー/キャプテンアメリカ」でアイアンマン陣営として参戦した功績からアベンジャーズの予備メンバーとなった高校生ピーター・パーカーは、アイアンマン=トニー・スタークが開発したハイテクスーツを身にまとってNYの街のパトロールに精を出していた。そんな中、トニーへの復讐に燃えるバルチャーが、地球外の物質から強力なハイテク兵器を作り出しNYを危機に陥れようとしていた。トニーに一人前のヒーローとして認められたいピーターは独断で追跡を始めるが・・・。

評価★★★☆/70点

基本的アウトラインは変わらず、別々なキャストと微妙な解釈の違いを織りまぜた永遠のリブート作品「忠臣蔵」の様相を呈してきたスパイダーマン(笑)。

しかしそれでも面白いのは、有り余る力を手に入れてしまった15歳の高校生の、大人の倫理の枠外にいる怖いもの知らずな若さゆえの無鉄砲な危うさや脆さを含めた等身大の青春物語に共感できるからだろう。

いわば完成されていない未熟なヒーローの成長譚という側面だけど、今回はそこの部分が今までよりもかなり強調されているのが特色。

しかも、ピーターのキャラクターに影を落とす叔父の死がスルーされていることで、より向こう見ずな目立ちたがり屋キャラが際立って、これはこれで面白かった。

また、自由自在に繰り出せるクモの糸が体内精製ではなく自作のウェブシューターになっていたり、スパイダーマンスーツにAIが組み込まれていたりといった小道具感も良。

さらに、悪役バルチャーにマイケル・キートンを起用したキャスティングも、翼を背負ったヒーロー映画を当てたことがあるかつての一発屋を演じた「バードマンあるいは~」(2014)を彷彿とさせていて絶妙。

まぁ、根明なピーターのキャラはまだまだ成長段階にあって、その過程で苦悩や葛藤が生じる伸びしろがあるはずなので、次作どうなるか期待。

2017年8月 2日 (水)

夢のシネマパラダイス539番シアター:パイレーツ・オブ・カリビアン

パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち

070518_pirates_p3 出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、ジェフリー・ラッシュ、キーラ・ナイトレイ

監督:ゴア・ヴァービンスキー

(2003年・アメリカ・143分)2003/08/28・仙台第1東宝

評価★★★★/80点

内容:17世紀。海賊バルボッサ率いるブラック・パール号がカリブ海の港町を襲撃、総督の娘エリザベスを誘拐した。彼女に恋心を抱く刀鍛冶のウィルは、バルボッサと因縁のある伝説の海賊ジャック・スパロウと手を組み、彼女を救出するため船に乗り込む。しかし、バルボッサたちは、呪いにより不死の身体となっていた・・・。ディズニーランドの人気アトラクション「カリブの海賊」の映画化。

“この映画に呪いをかけられた自分が思わずとってしまった行動・・・”

そしてそれは我が映画人生において最も恥ずかしい思い出のひとつとなってしまった。

キャプテン・ジャック・スパロウに呪いをかけられた。これは嘘ではない。正真正銘真実である。

この映画をバカにしていた自分は間違いなく呪いにかけられた。そしてスクリーンから跳ね返ってくる夜光に照らされた自分はすっかり骨抜きにされた姿をさらけ出していたのだ。

シートの背もたれに寄りかかることもせず、連れが隣に座っていることも忘れるほど胸は高鳴り、目は童心に返ったように光り輝き、口元は終始ユルみっぱなし・・。

そう、自分はこの映画をバカにしていた。というかそもそも眼中にさえなかった。劇場で「HERO/英雄」を見たときに予告編が流れたのだが、この映画を見たいという気にさえならなかった。ゼロ。

ここで言い訳がましいことを言わさせてもらえば、劇場で流れた予告編を見て真っ先に思い出したのが「カット・スロート・アイランド」だったのだ・・・。中途半端に面白く、しかし心には全く残らないレニー・ハーリン&ジーナ・デイビスの映画が頭の中に浮かんできて、悲しいかな今回の映画を見たいという気持ちを完全に縛り付けてしまったのだ。

こうして、自分の中でパイレーツ・オブ・カリビアンは封印されてしまった・・・。

が、しかし、これで終わりではなかった。

封印された後から自分の周りで呪いの前兆ともいえる現象が相次いだのである。

会う友人が「パイレーツ・オブ・カリビアンおもろかったー!」「良かったよ。」「もう笑った笑った。」などと口をそろえて言ってくるのである。中には非常に興奮した乱調ぶりでメールを送ってくる友達さえいたのだ。

そしてついにジャック・スパロウの魔の手は彼女にも及び、自分は懸命に北野武の「座頭市」を見たいと言い張ったのだがあえなく却下・・。

こうして全く自分の眼中になかったブラック・パール号は面舵いっぱいの急旋回でいきなり眼前に迫ってきたのである。

そして、、、自分はこの映画の虜になり、すっかり骨抜きにされてしまったのですた。

が、が、しかし、これで話は終わりではない。本当の呪いはこれからなのだ。

映画の中盤で尿意をもよおしてしまったのだが、映画に引きずり込まれ、結局トイレに行くこともないまま映画を見終わった。そして、あっ、そういえばトイレ行きたかったんだと思い出し、エンドクレジットが流れ始める中、席を立って先頭を切ってドアまで向かった。

しかし、この時あろうことか、自分は完全にジャック・スパロウ気取りになっていたのである。。エンディング曲に合わせて歩き方が、、彼女を笑わせようとしたこともあるが、おすぎとピーコをデフォルメしたようなジャック・スパロウの歩き方になっていたのだ、というかマネしてみたのだ。そしてドアを豪快に開け、腕をフリフリ目はすまして脚はちょいヒョコヒョコ走りで出ていった、、と、もの凄い数の視線が自分にふりそそぎました、ハイ。

なにせ日曜の1番混む時間帯。次の上映を待ってる奴らがわんさかいたのだーーッ

あちこちで抑えた笑いが・・・。固まる自分、マジで恥ずかしかったっス。

これは絶対呪いだ!

さて、ちょっと気を取り直して映画について。

なんか正真正銘の海賊映画と呼べるものを初めて見た、そんな気がする。

子供の頃に見た「グーニーズ」のラスト、海賊ウィリーの海賊船が船出するシーンで終わるあのラストに子供心にものすごいロマンを感じ興奮したのを覚えているんだけど、まさにあの気持ち、あの感情の高ぶりを見事に甦らせてくれました。感謝です

ところでちょっと気になったのがラスト。

ウィルとジャックがノリントンたちに囲まれて、そこにエリザベスが割り込んでくるシーンについてなんだけど、あそこで簡単にノリントンが折れちゃって、ウィルとエリザベスがほとんど無血入城状態で結婚を許されるというのがどうもなんかなぁ。

自分が考える理想のラストは、エリザベスが割り込んできた時にウィルがエリザベスを人質にとってそのままジャックともども下の海に飛び降りてブラック・パール号に乗り込むってのがイイなと。

エリザベスを人質にとるというのは前半のシーンでジャックがやってることだし(正確には倒れちゃう)、下の海に飛び込むというのも冒頭でエリザベスがやってるし。だからそれらが伏線としてしっかり生きてくるし、人質になるエリザベスとしても分かってるわけだし。

まぁ、「ルパン3世カリオストロの城」でクラリスは私を泥棒にして下さいとルパンに頼むんだけど、それは叶わぬ願いだった。しかし、このパイレーツ・オブ・カリビアンでは叶っちゃった!どんなもんでしょ。

ただネックとなるのが、あのラストシーンでエリザベスの親父がちゃんと出てくる点と、海賊船に女が乗るとロクなことがないという掟なんだよなぁ。ま、掟は破るためにあるんだからな。ま、いっか(笑)。

(初記)2003/09/01

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パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

Intro 出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ビル・ナイ、ステラン・スカルスガルド

監督:ゴア・ヴァービンスキー

(2006年・アメリカ・151分)2006/08/03・盛岡フォーラム

評価★★★★/75点

内容:バルボッサとの闘いを乗り越え、再びブラック・パール号の船長となったジャック・スパロウ。しかし、彼にさらなる苦悩が押し寄せようとしていた。それは13年前にブラック・パール号を手に入れるために幽霊船フライング・ダッチマン号の船長デイヴィ・ジョーンズと交わした血の契約の刻限が迫っていることだった。一方、結婚式を挙げようとしていたウィルとエリザベスは、ジャックを逃がした罪で投獄されるハメに・・・。

“スターウォーズ・オブ・カリビアン/帝国の逆襲”

子供ココロと遊びココロと悪戯ココロと冒険心、好奇心、そして豊かな想像力であふれかえった完璧かつ強固な魅力的な世界観が確立されていた前作。その続編とあって、よほどの悪ノリをしたとしても前作で敷かれたレールを脱線することはないという余裕があった中で、“北を指さないコンパス”を片手に快調にそのレールの上をブッ飛ばしてくれたなという安定感は見て取れた。

逆にいえば、それは映画の作り手側の自信であり、楽しんで作っている証拠であるわけで、それが直に見ている側にちゃんと伝わってきたのはさすが。

どちらかといえばインディーズ系俳優だったジョニー・デップを一気にメガトンメジャー級スターへと変貌させてしまった前作に引き続き、嬉々として丸焼き寸前のジャック・スパロウを演じているジョニデを見てもそれはよく伝わってくる。

だからアトラクション的な1つの確立されたエンタメ空間を今回も安心して楽しむことができたと思う。特にクラーケンが船を真っ二つにブッ潰しちゃうところなんかはシビレまくり。

強いていえば、2時間半というボリュームの中でもっと悪ノリしちゃってもよかったかな、とは感じたけど。なんか前作から裾野が広がっていかないというか、全体的に狭い視野しか提示されなかった気も・・・。

ま、それは3作目を見てから総合的に判断しなければならないのだろうけどね。

とにかく、楽しくて面白いアトラクションは何回乗っても飽きないもの。このシネマアトラクション、パイレーツ・オブ・カリビアンも全くそう。

さらなる魅力と楽しさ満載の宝箱を携えてリニューアルされる3rdバージョンにも決して乗り損ねることは許されない!

余談

「スターウォーズ」との類似点が指摘されている本シリーズだけど、今回出てきたブードゥー教の魔女でジャック・スパロウの元カノであるティア・ダルマの住処が、ヨーダの住む沼地で覆われた惑星ダゴバに酷似しているのにはビツクリ。

さらに、ジャック・スパロウが今回迎えた壮絶な最期も、2作目「帝国の逆襲」でジャバ・ザ・ハットに捕まって冷凍保存されたハン・ソロの境遇に似すぎるほど似すぎる展開で、、こうなると3作目は「ジェダイの復讐」を下敷きにしてると考えていいのか!?

となると、何?ウィルとエリザベスは兄妹だったとか、っておいおい一体どうなっちゃうんだ(笑)。。

(初記)2006/08/05

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パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド(2007年・アメリカ・170分)2007/06/05・盛岡フォーラム

 監督:ゴア・ヴァービンスキー

 出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ジェフリー・ラッシュ、ジョナサン・プライス、チョウ・ユンファ

 内容:デイヴィ・ジョーンズを配下に従えた東インド貿易会社のベケット卿は、世界制覇を目論み次々と海賊たちを撃破。ついに海賊の時代は終焉の時を迎えようとしていた。そこで海賊たちは最後の手段として、伝説の海賊9人を招集し全面対決に持ち込むことにするが、その9人のうちのひとりが生死不明のジャック・スパロウであることが判明。ウィルやエリザベスたちは、船乗りの墓場デイヴィ・ジョーンズ・ロッカーに囚われたジャックの救出に向かうが・・・。

評価★★★/65点

“「オレがちょっと目を離すとこうだ。何もかもメチャクチャだ!」byジャック・スパロウ”

まさにこのジャック・スパロウのセリフそのものを地で行くような映画だった。

2作目からちょっと目を離してみたら、なんじゃこのグダグダのメチャクチャさは(笑)。

幕開けでいきなり変な歌を歌い出して、えっ何?ミュージカル?と思いきや、べトコンの村に忍び込む米兵が水の中からヌゥッと顔を出す「地獄の黙示録」の様相を呈し、そこに現れたのはマーロン・ブランドならぬチョウ・ユンファ。

前作で最強の船フライング・ダッチマンを操る深海の悪霊デイヴィ・ジョーンズがあっさりとベケット卿の軍門に下っているあっけなさ。

チャーリー・カウフマンもビックリのシュールすぎるジャック・スパロウの一人芝居。そのジャックを絞めたはずの怪物クラーケンが死骸になって浜に打ち上げられている取って付けたような再登場。

理解に苦しむカリプソカニミソなんじゃこりゃ。。

とにもかくにも脈絡もヘッタクレもない行き当たりばったりのシナリオの中で、自分のためなら平気で人を裏切る芯の通っていない行き当たりばったりキャラたちがすったもんだのドタバタ騒ぎをするという、はっきりいって映画としては最悪の部類に入る出来だと思うんだけど(笑)。。

かといいつつ、1作目に出てきたノリントン配下の衛兵2人組が今作の最後で海賊にくら替えする場面をちゃっかり入れちゃうなどサービス精神も満載。

ホント詰め込めるだけ詰め込んだ3時間。ゲップが出るくらいグダグダです・・・。

ただ実はコレ、2回見に行く機会があって。そしたっけ2回目はそこそこ面白かったんだよね。ストーリー展開も頭の中で整理できて見られたし。ていうかストーリーを追えたというただそれだけなんだけど。。

デッドマンズ・チェストの3作目へTo be Continueという締め方は最高に期待をそそるものだっただけに残念な出来だったというのが正直なところ。まぁ、1作目から楽しく見てきたという点を考慮して★3っつかな。

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パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉

Img_474850_20520705_0 出演:ジョニー・デップ、ペネロペ・クルス、ジェフリー・ラッシュ、イアン・マクシェーン、サム・クラフリン、キース・リチャーズ

監督:ロブ・マーシャル

(2011年・アメリカ・141分)WOWOW

内容:永遠の生命をもたらすという“生命の泉”。その泉の場所をただ一人知る海賊ジャック・スパロウは、ロンドンで元カノの女海賊アンジェリカと再会する。が、彼女の父親である最恐の海賊・黒ひげも生命の泉を求めており、ジャックは黒ひげの泉探しの旅に無理やり協力させられるハメに。一方、過去に黒ひげと遺恨があるバルボッサも英国海軍将校として泉を探す航海に出る・・・。

評価★★☆/50点

ジャック・スパロウとバルボッサ以外の主要キャラをバッサリ切り捨て新シリーズの幕開けを銘打ったわけだけど、恐ろしくグダグダな映画になってしまった・・・。

見せ場はそこそこあるんだけど、たいして面白くないのはやはりキャラ立ちの弱さにあるのは明白で、特にワンピースでおなじみの黒ひげの存在感の薄さは敵役としては致命的。

船を意のままに操れたり、ゾンビを作ったり禍々しい黒魔術を持っているにもかかわらず、その恐さが前面に出てこないし、魔剣についても掘り下げがほとんどなく・・。

また、黒ひげとアンジェリカの父娘関係が中途半端にしか描かれていないため、最終的に黒ひげが自分の目的のために実の娘さえ利用しようとするに至る必然性が感じられないのは痛すぎる。

また、ウィル・ターナーの代わりともみれる宣教師フィリップも影が薄く軸になりきれていないし、結局一貫した行動原理をみせていたのはバルボッサだけだった

あと、話の軸という点では、スペインの描き方がおざなりなのも問題で、オープニングがスペインから始まったわりには添え物的な描かれ方しかされておらず、スペイン無敵艦隊vsイギリス海軍バルボッサvs海賊黒ひげの三つ巴の戦いに本来なるべきなのにそうなっていないのは見る方としてはさっぱり面白くない。

このように話のスジとしても登場人物にしても軸となるものがない中、ならばジャック・スパロウを軸にしろ!と更なる愚行を犯してしまったのだから、もはや目も当てられない状況とはこのことだ。

そもそものところで、のらりくらりと相手をいなしながらコロコロと態度を変えるジャックはそれこそ軸のないゴム人間のようなシロモノなわけで、ここに軸を通してしまったらジャック・スパロウの魅力は半減してしまう。

元カノという枷をかけられたことによりシャキッとしてしまった感もあるけど、ならば今カノを出して三角関係にしちゃうとかww、そういう工夫があってもいいんじゃないのか。

そうでなくともやはりジャックと対を成すような強力にまともな人間を配置しないとダメだってことは今回見て確実に分かった。

しかし、、強力にまともなはずの宣教師にも務まらないとなると、、もう子供しかいなくね(笑)!?

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パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊

161218_02出演:ジョニー・デップ、ハビエム・バルデム、ブレントン・スウェイツ、カヤ・スコデラーリオ、ジェフリー・ラッシュ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ

監督:ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ

(2017年・アメリカ・129分)TOHOシネマズ日本橋

内容:10年に1度しか陸に上がれない呪いを受けた父親ウィル・ターナーの呪いを解くために息子ヘンリーは船乗りになり、どんな呪いも解くことができるポセイドンの槍を探していた。一方、かつてジャック・スパロウに倒され亡霊となった海賊処刑人サラザールが“魔の三角海域”から解き放たれ、ジャックへの復讐に動き出す。しかし、当のジャックはカリブの島で銀行強盗に失敗し、仲間に見放されるほどの落ちぶれよう。と、その島には、ポセイドンの槍の謎を解くカギを示すガリレオ・ガリレイの日記を持つ女性天文学者カリーナがいた・・・。

評価★★★★/80点

前作「生命の泉」をなかったことにして3作目ワールドエンドのラストから直結した筋立てにしたのは大正解。

ワールドエンドでフライングダッチマン号の船長になり10年に1度しか陸に上がれなくなってしまったウィル・ターナーの呪いを、ワールドエンドからちょうど10年後に息子が解き放つというのも感慨深いものがある。

また、前作のレビューで指摘したように、このシリーズの肝は主人公ジャック・スパロウの立ち位置にあり、主役として文字通りグイグイと前面に出るのではなく、周りを引き立てるような道化役つまり狂言回しの役割を担わせないと物語の体を成さないということがある。

その点で、前作は完全な失敗作だった。しかし、今回は父親を救い出すためにあらゆる呪いを解くことができるポセイドンの槍を探し求める息子ヘンリーと、生き別れの父の忘れ形見(ガリレオガリレイの日記)を手がかりに槍の謎を解こうとしている若き天文学者カリーナを話の核に据えたことが吉と出た。

プロットが格段に整理され求心力が増したのに加えて、バルボッサの空気より軽い裏切りも親子愛へつながっていったように、シリーズの代名詞ともいえる裏切りが裏切りを呼ぶカオスなぐちゃぐちゃ感も解消されて見やすくなった。

また、死神サラザールの悪役造型や、骨組みだけの幽霊船がガッパーと覆いかぶさって船を喰い破るシーンなど映像面でも飽きが来なかったし、1作目以来シンプルに楽しめる原点回帰作になっていたと思う。

次作もやる気マンマンみたいだけど、エンドロール後の布石は何?デイヴィ・ジョーンズ復活ですかw!?

ただ、次作はさらなる悪役としてメリル・ストリープとかシガニー・ウィーバーあたりの大女優を抜擢してほしい気も。

あと、しれっとした顔で出てくるんだろね、あの御方(笑)。

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