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2017年6月16日 (金)

夢のシネマパラダイス417番シアター:Eternal Love&Eternal Flame

人のセックスを笑うな

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出演:永作博美、松山ケンイチ、蒼井優、忍成修吾、市川実和子、温水洋一

監督・脚本:井口奈己

(2007年・日本・137分)WOWOW

内容:19歳の磯貝みるめが通う地元の美術学校に非常勤講師として着任した39歳のユリ。彼女の自由奔放さに興味を抱いたみるめは、あっという間に恋に落ちてしまう。一方、みるめに想いをよせていた同級生女子のえんちゃんは2人の関係が気になって仕方ない。そんな中、みるめはユリが結婚していることを知ってしまう・・。

評価★★★☆/70点

あけすけなタイトルからなんとなく敬遠してしまって早10年!

そんなに経ってたんだと思ってみたら、不倫話なのにドロドロしていないピュアで不器用な純愛ものだったとは。。

いや、正直もっと官能的な香りを漂わせていてもいいんじゃないかとさえ思ってしまったけど、コケティッシュな幼児体型の永作博美と、色気のない瑞々しさが際立つナイーブな松ケンがチュッチュするだけではエロスは生まれえなかったかw

いや、しかしこの永作博美はイイ💕

「じゃ、パンツも脱ごっか」て言われたらホイホイ脱いじゃうよな(笑)

一方の触りたくても触れなくてベッドの上でジタバタするウブな蒼井優もドンピシャ💕

あとは、信玄餅の食べ方やエアマットの空気入れ、灯油の入れ方、駅のロータリーを原付バイクで何周もするなど一見無意味な長回しが受け入れられるかがポイントだと思うけど、ワンフレーム内に見る側の複数の視線と意識が要求されるとともに、フレームの外にあるものにも否応なく想像力が刺激される緻密な画作りは、個人的には十分付き合いきれる演出手法だったと思う。

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世界の中心で、愛をさけぶ

00000558608l 出演:大沢たかお、柴咲コウ、長澤まさみ、森山未來、山崎努、宮藤官九郎

監督:行定勲

(2004年・東宝・138分)WOWOW

評価★★★★/75点

 

内容:ある台風の日。突如、朔太郎の婚約者、律子が失踪してしまう。行き先は朔太郎の故郷である四国であることを突き止めるが、そこは高校時代に死別した恋人アキとの思い出の地でもあった。さっそく彼は故郷へ赴き、律子を捜し回るが、その中で過去の恋の追想がぽろぽろと零れ落ちてくるのだった・・・。

“某局でやっていたTVドラマよりは断然マシ”

自分の場合、原作、TVドラマ、映画という順でこの作品に触れたきたのだけど、TVドラマにはかなり肩透かしを食らわせられたので、そこからすると映画の方はかなり満足。

なにはともあれこの作品の映像化にあたっては、何よりもアキの人物造型、これが上手くいくかどうかで全てが左右されるといっても過言ではないと思う。

なんだろ、極端な例でいえばナウシカを実写化しようとしたときのナウシカのキャラ造型と同様の難しさを感じてしまうわけで。

やや空想的な少女像をベースに強さと母性、そしてその内に隠れた脆さをもあわせ持った人物像。

この原作のキャラのベースを極力崩さずに役者の個性と作り手のアレンジをプラスアルファで加えていき、その作品なりの“アキ”像となっていくわけだけど。

その点でみると、TVドラマでは綾瀬はるかがアキを演じていたけど、これがまぁ人間というよりかは菩薩かはたまた聖母マリアかといったような趣で、もう笑っちゃうしかないシーン続出で、、結局途中で見るのをやめますた。

それに比べると映画版の方は長澤まさみの素晴らしさもあって、ちゃんとした実体のある人間“亜紀”として画面に出てきてくれたのが良かった。っておいおい、そういうレベルかよってな話だけどw

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僕の、世界の中心は、君だ。(2005年・韓国・97分)WOWOW

 監督:チョン・ユンス

 出演:チャ・テヒョン、ソン・へギョ、イ・スンジェ、キム・ヘスク

 内容:ごく平凡な高2の男子生徒スホに中学の頃から想いを寄せているスウン。彼女は男子生徒あこがれのマドンナなのだが、鈍感なスホはいつまでたってもスウンの想いに気付かない。業を煮やしたスウンはとうとうスホに告白して・・・。片山恭一原作のセカチューの韓流版リメイク。

評価★★☆/45点

“すっきり爽やかな清涼飲料水だと思って飲んでみたら、ただの水だったというオチ。そんな映画です・・・。”

まるで吉永小百合&浜田光夫の純愛メロドラマでも見ているかのような気にさせられるが、いかんせん今時分に甘みを抑えた薄味はあっさりしすぎていて印象に残らない。

いくら童顔とはいえ、三十路のチャ・テヒョンの高校生役も難があるような・・・。

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ジョー・ブラックをよろしく(1998年・アメリカ・180分)仙台日之出プラザ

 監督:マーチン・ブレスト

 出演:ブラッド・ピット、アンソニー・ホプキンス、クレア・フォラーニ

 内容:死神のジョー・ブラックは実業家パリッシュを迎えにNYにやって来た。ジョーはパリッシュの寿命が来るまでの時間を使って、彼と共に人間界を探索。そしてジョーはパリッシュの娘スーザンと恋に落ち、彼女を自分の世界に連れ帰ろうとするのだが・・・。

評価★★★/65点

山も谷もない、さざ波すら立たない3時間にスーッと身を委ねてみる。

おそらく4時間でも何の苦もなく見られると思う。

土曜の午後のリラクゼーションタイムに最適、かも。ただ点数としてはこれが限界。。

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いま、会いにゆきます

Imaaini_l 出演:竹内結子、中村獅童、武井証、美山加恋、浅利陽介、平岡祐太

監督:土井裕泰

(2004年・東宝・119分)2004/10/12・東京国際フォーラム(試写会)

評価★★★★/80点

 

内容:秋穂巧(中村獅童)は1年前、妻の澪(竹内結子)に先立たれ、以来小学校に上がったばかりの一人息子の佑司と2人きりで暮らしていた。しかし生前、澪は佑司に、雨の季節がやって来たら帰ってくると告げており、佑司は母親が現れるのを信じて疑わなかった。と、そんな梅雨のある日、亡くなったはずの澪が森の中に忽然と姿を現す・・・。

“雨の宅急便”

霧の向こうにあるトンネルを抜けた不思議の森。

雨待ち風によって扉が開かれ、雨の宅急便で澪が還ってくる。

曇り空だった自分の心は、映画を見終わったときには七色の虹がキラキラと煌めいているように晴れやかになっていた。

前半は映画の描写と自分の想いやテンションとに少し距離を感じてしまって、自分の中でガソリンがうまく回らなくてどうなることかと思ったのだけど、後半そして大団円の驚くべき秘密を知らされたことにより、5速トップギアのフルスロットルであのひまわり畑へジャンプした!!

そして後日もう一度この映画を見て、大好きになってしまったとさ。。

さて、前半感じた距離感、違和感というのは、例えば澪のあっさりした登場シーンだとか、澪が戻ってきた次の日の朝に巧も佑司も会社と学校にフツーに行く(フツー休むだろ!)ところだとか、澪の心理描写とか繊細かつ微妙なところなのだけど。

さらにこの監督の演出というか映画自体が、自分が予想していたよりもワンテンポずれてて、それは意外に淡々としていたという一言でも表せるのだけど、それが微妙な距離感となって感じられたのかもしれない。

しかし、巧と佑司が暮らす日常世界に現れた非日常のいわゆるファンタジーを、幻想体験としてではなく、普通の日常体験として(感じられるように)淡々としかし確実な実感として描いたのはやはりスゴイなと思った。2回見てその思いを強くした。

出会ってから2年半で初デートっスか。いいねぇ。

あ、でもシャキッとして下さいよ巧さん。パンは焼けないカレーは不味いじゃダメでっせ。

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スウィート・ノベンバー(2001年・アメリカ・120分)NHK-BS

 監督:パット・オコナー

 出演:キアヌ・リーブス、シャーリズ・セロン、ジェイソン・アイザックス

 内容:広告会社で働くネルソンは運転免許証更新の際、謎の女性サラと出会う。彼のせいで免許の更新ができなかったサラは、期間限定の交際を彼に持ちかけるが、ネルソンはそれを拒否。けれども、仕事で失敗し会社をクビになった惨めなネルソンは1ヶ月間限定の恋を始める・・・。

評価★★/40点

ある意味、「恋空」(2007)や「Deep Love」(2004)などのケータイ小説映画よりもタチの悪い内容。

とにかく終始イカレッぱなしのシリ軽女がビョーキを告白するまでの1時間半、ほとほと付いて行けなかった。。ビョーキ告白まで引っ張りすぎやろ、いくらなんでも・・。

偏頭痛に見舞われたのはこっちの方だわ(笑)。

そんな偏頭痛女につきまとわれながらも律儀に付き合うダメ男をシャーリズ・セロンとキアヌ・リーブスの美男美女で強引に撮っちゃうと、ちゃんとした形になっちゃうんだから、ムカツクよなぁ(笑)。ある意味凄いわ。

まさに夢の国ハリウッド、、ってありえねーよ。。

2017年6月11日 (日)

レアル・マドリー狂想曲第97番:リーガ&CL2冠達成!!

149652997883602016-17シーズンが今日のCL決勝レアル・マドリー×ユヴェントスで幕を閉じた。

そして、我が愛しのレアル・マドリーがCL史上初の2連覇、史上最多の12度目戴冠!さらに先日5シーズンぶりに優勝したリーガと合わせて2冠を達成!!

マドリディスタになって20年、ついにこんな夢みたいな日が訪れるとは~

ここ4年で3回ビッグイヤーだもんなぁ。まぁ、リーガ優勝がなかったのが何かバルサの後塵を拝しているかんじがして胸にしこりが残ってたけど、リーガも獲ったので名実ともに最強の称号を得たかんじだね♪

しかも、決勝トーナメントに入ってからは、ナポリ、バイエルン、アトレティコと難敵を倒して最後はユーヴェだから、ホントに相手にとっては不足なしっていうかんじだったし。

14965256334323決勝戦は、GKナバス、DF左からマルセロ、ヴァラン、ラモス、カルバハル、MFカゼミロ、クロース、モドリッチ、前線3枚イスコ(流動的にトップ下)、ロナウド、ベンゼマという4-3-3(4-3-1-2・守備時4-4-2)。

一方、ユーヴェはセリエA6連覇&今季CL12試合でわずか3失点という最強の盾を持つ相手。

正直、勝負は5分5分でどっちに転ぶか分からないと思ってたし、クラシコで散々嫌な目に合わされてきたダニエウ・アウベスがいるのも嫌な予感を倍増させてたのだけど、まさか4点取れちゃうなんて♪やっぱ前半に先制したのが大きかったね。すぐ追いつかれちゃったけど、逆に先制されてたら完全にユーヴェの試合になってたと思う。

20170521636310022402872345_20170521しかし、ジダンは文字通り神ってるねぇ~

昨季途中に就任してCL獲って、今季に2冠。新参監督がこんなのあり得ないっしょ。しかもレアルでww心臓に何本毛が生えてるんだよって話だよな。名選手に名監督なしの例外中の例外にクライフ、ペップあたりが入ってくるんだけど、ジダンもその仲間入りだね。

ペレス会長様、ジダン長期政権に向けて長い目で見守って下さい!

20170522636310212665026051_20170522←シベーレス広場でのラモス&マルセロ

武闘派といえばペペの代名詞だったけど、今やリーガ退場王の座まで手中に収めた偉大なるカピタンwセルヒオ・ラモス。決勝でもクアドラードを退場に追い込む名演技を見せユーヴェを完全に沈めた。さらに今季はラモス十八番の神ってるゴールも連発し、イエロ→ラウル→カシージャスときた主将の系譜を完璧に引き継いだかんじ。

マルセロもレアルに来てから11年目で最高のシーズンを送った。チーム2位の10アシストと攻撃面で多大な貢献を果たし、その超絶技巧ぶりはチームにリズムをもたらした。なにより怪我での途中リタイヤがなかったのがレアルの2冠にとって大きなポイントだったね。ベイルは何回怪我しても代わりはいくらでもいるけどw、マルセロは唯一無二!来シーズンはフランスU-19代表のテオ・エルナンデスを補強したのでターンオーバーを程よく使ってマルセロの負担軽減を図ってほしい。

14953921972576←レアルの心臓モドリッチ&カゼミロ&クロース

序盤はモドリッチとカゼミロが怪我などのコンディション不良で整わなかったこともあったけど、終盤にかけて本領を発揮。

レアル版シャビのクロースはコンダクターとしての役割を完璧に全うし、評論家の不要論などそっちのけでジダンの全幅の信頼を得る必殺仕事人カゼミロはハイエナのようなボール奪取能力で黒子に徹し、クレバーすぎる天才モドリッチには毎回目が釘付けになってしまった。

中盤の充実度は過去最高レベルで、クラシコでペペを使うなんて付け焼き刃的な策をとったりしたこともあったひと昔前とは隔世の感だよね(笑)。

14952760672205←Bチームとは言わせない!イスコ、モラタ、ハメス、アセンシオ

リーガで先発18試合&途中出場12試合で10得点9アシストを記録したイスコ、同じく先発14&途中12試合でチーム2位の15得点を決めたモラタ、先発13&途中9試合で8得点6アシストのハメス、先発11&途中12試合で強い印象を残したアセンシオ、また先発途中含めてチームで最多の33試合に出場したルーカス・バスケス、CB&ラテラルとオールラウンダーぶりを見せた守備陣の影の立役者ナチョ、中盤の貴重なバックアッパーとなったコバチッチとまさにチーム全員が主力といえる充実ぶりだったし、監督ジダンが上手くターンオーバーを敷いてやり繰りしてくれた。

14965360245854←カルバハルもヴァランもみんなオメデトー

いまや世界屈指の右ラテラルに成長したカルバハル。毎年何かしらの怪我で離脱するので、来季はダニーロ(シーズン前半の不要論も消し飛んだかなw?)と使い分けてシーズンをフルに送ってほしいッス。

ヴァランも怪我さえなければもう一段化けると思うんだけど、まだ24歳と若いしね。ペペが今季限りで退団するので来季はより責任が増すと思うので、そこらへんはもちろん自覚してると思うけど。まぁ大丈夫っしょ!

14965276752544←ウィ~アーザチャンピオン

ここまできてベイルの名が挙がっていないことに気付くw

正直、ここまで筋肉系の負傷離脱が多いと、給料ボッタクリとしか言いようがないっしょ

もしアザールを獲るなんてことになれば入れ替わりでプレミアに譲渡してもいい、かなぁ。。

兎にも角にも16-17シーズンは最高のシーズンとなりました。来季はいよいよ3冠だぁッ!!!

2017年6月 9日 (金)

夢のシネマパラダイス92番シアター:日本で一番悪い奴ら

日本で一番悪い奴ら

726e10046ecd674011df6e77103d9da710bfd01f出演:綾野剛、YOUNG DAIS、植野行雄、矢吹春奈、瀧内公美、青木崇高、音尾琢真、ピエール瀧、中村獅童

監督:白石和彌

(2016年・東映・135分)WOWOW

内容:柔道の腕を買われ北海道警察に入った諸星だったが、刑事の腕はさっぱり。そんな諸星は、やり手の先輩刑事・村井から成績を上げるためには裏社会に飛び込んで協力者(スパイ)を作れとアドバイスされる。言われるままにそれを実践した彼は、やがて暴力団幹部の黒岩と組み、拳銃検挙のエースに上り詰めていくのだが・・・。

評価★★★/65点

 

1976年道警に採用~2002年逮捕に至る悪徳刑事の四半世紀の転落人生。

成果主義の成れの果てもここまで行き着くと驚きを通り越して笑うしかないけど、法の番人がこんなことホントにしちゃうのかと思えてしまうくらい「アウトレイジ」も霞んでしまうほどの違法行為に唖然ボー然。

開巻直後、逃走する犯人を追うカーチェイスシーンで「シートベルトするバカがどこにいる!」と主人公が怒鳴られるセリフがあり、昭和リアリズムに徹する自負と覚悟がよく伝わってきて、全編通してそれは貫かれていたと思う。

また、序盤も序盤でヤバイ先輩の言うことを鵜吞みにして真面目な正義漢から簡単に道を踏み外してしまう行動力はまるで体育会系のノリで、到底頭の良いヤツのすることではないと思うんだけど、そのどこか間の抜けた単純バカっぷりを綾野剛が上手く体現していたように、役者陣も頑張っていたと思う。

けど、ギラギラギトギトとした脂ぎったエネルギーには乏しくまだ品の良さが抜け切れていないかんじがあって、そこは今の日本映画の限界点なのかなぁというかんじはした。

まぁ結局、体育会系のノリと言った通り、当事者の内面度外視で突っ走っていくので、もうお笑い茶番劇でいくしかないんだよねコレwその点で芸人のデニス植野やTKO木下の配役は的を射ているとは思った。

オープニングに東映のロゴマークが出てくるとそれだけで期待値3割減してしまうんだけど(笑)、その減退分は十分取り戻してくれる映画ではあったかな。

といっても、主人公があまりにも簡単に悪党に両足ズブズブになって豹変してしまう過程がドスルーされている所が消化不良で、そこが最後まで引っかかり、この点数。。

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L.A.コンフィデンシャル

115670_01出演:ケビン・スペイシー、ラッセル・クロウ、キム・ベイシンガー、ガイ・ピアース

監督・脚本:カーティス・ハンソン

(1997年・アメリカ・138分)1998/08/01・盛岡フォーラム

評価★★★★/80点

 

内容:ロサンゼルス、深夜のコーヒーショップで6人の男女が惨殺され、3人のロス市警刑事が独自の捜査に乗り出す。いがみ合いながら別の側面から事件を追う彼らは、それぞれに小さな手掛かりを見つけ、やがてそれは1本の線で結ばれていく。1950年代初頭のロスを舞台に、犯罪者を追い続ける刑事たちの非情な生きざまを描いたクライムサスペンス。

“バドに影響されて思わずとってしまった行動、、があえなく轟沈す。”

自分が学生時代にアパートで一人暮らしをしていた頃。

某テレビ局で月曜19時からやってた離婚相談番組が異様な高視聴率をとっており、かくいう自分も見ていたくちで、再現シーンで男が女に暴力をふるっている場面が出てくると一人で吠えてた頃のお話w

初夏のある日を境に自分の部屋の真上の2階の部屋から夜毎20代と思われる男女の言い争う声が聞こえてくるようになったのだ。

最初はただの喧嘩だなと思いながら、暇な時なんかはソッと聞き耳を立てたりして喧嘩の様子を窺ったりしてヒッチコックの「裏窓」的気分を味わっていたりした。

しかし、ひと月もすると何やら尋常ではない様子。男の罵声と女の叫び声がけたたましく鳴り、ドタバタ走り回ってるんだかプロレスでもしてるみたいな音が階下の自分の部屋に響き渡るようになったのだ。

こりゃ暴力ふるってるなと勘ぐりを入れるものの、はやる気持ちを抑えて様子をみることに(男の声から想像するにチーマーぽい奴なのではないかと思い、関わりたくないと思った・・)。

それからひと月ほどは一時小康状態になり、喧嘩だかの声とかもの凄い音が時折聞こえてくるくらいになった。今から思えば嵐の前の静けさ。。

そしてその日は突然やって来た。

連れと夕飯を食べていると、良い雰囲気をかき消すようにまた2階でいつものごとく始まってしまったらしい。

「窓閉めたら?」「閉めても聞こえるって。」「テレビの音量上げよっか。」「音量上げても聞こえてくるから集中できないって。」「ていうかチョー迷惑だよね。」

「バドだったら絶対ブチ切れて一目散に行ってるだろうなぁ。」「ああ、いつも話してる映画の人?」「そうそう。バドならたぶん2階から突き落とすと思う」とかなんとか話してるうちに、酒が入ってるらしい2階のバカ男がブチ切れたらしく、今までにないくらいヤバイ状態に。

もはや彼らの声だけで2階の惨状が分かってしまうくらいヤバイ状態。明らかに泣き叫んでいる女に男が暴力をふるっている。

もう居ても立ってもいられなくなり部屋の中をぐるぐるぐるぐる歩き回る、、う゛~~助けに行くべきか・・。

「警察呼んだ方がいいんじゃない?」「つーか隣の住人とか何やってんだ。ったくよーー!」周りの住人に対してあたる自分(頼むー。2階の隣の部屋の住人でもいいから何とかしてくれーと心の中ですがっていた・・)。

が、、遂に女の悲鳴と助けを求める声が聞こえてくるや、自分の中で臨界点突破!

外に飛び出し、2階に向かって「うっせーーんだよ2階っ、聞こえてんのかゴラァ」みたいなことを言ったはず。

そしたら見るからにヤバそうな奴が2階のベランダから顔を出し何やらほざいた。テメーには関係ぬぇんだよ、ブッち殺したろかぁ○×△ピー○×ピー△・・!

自分の中で臨界点蒸発!

気付いたら階段を駆け上り、2階のその部屋を開けようと必死こいていた。。

が、鍵がかかっている。ドアノブをいくらやってもドア開かず。。

と、ドアが突然開き、涙かなんかで目が真っ赤に充血している女性が出てきた。うっ、意外に若い。

それは置いといて、後ろから何やら瓶を手に持って呂律が回っていないヤバーい男が何かほざきながらやって来るではないか。

マジで一瞬退く。

あーもーどーにでもなれ!

たしか何秒か言い合いになったのは覚えている。

と、奴の不意の瞬速パンチを喰らい後は何がなんだか。。

2階に上がってきていた連れによると廊下でもみ合いになっており、結局奴に馬乗りになられ、ボカスカやられていたらしい(涙)、情けねー♪

しかし、話はそこで終わらない。

なんと見知らぬ第3の男が突然やって来て、馬乗りになっている奴にジャンプキックかなんかを食らわし、奴を簡単にのしてしまったのだ。

え!?誰?どなた??(助けてくれてアリガトーーっ)

「彼女と付き合ってるんだよ。ていうかお前は誰?」

え????「あ、、下に住んでる者なんスけど・・」

な、なななんと、目を腫れぼったくしているあの女、、二股かけてたことが発覚!

「あとはこれ3人の問題だからあとはいいよ。」とかなんとか第3の男に言われ、頭の整理も付かないまま部屋に戻った。

「・・・なんかバカみたね。」

たしかに・・。

結局バドになれなかった自分。

しかし、今もなおバドの人格は多大な影響を与えつづけている。いや、心の拠り所になっていると言ってもいいのかもしれない。

ていう映画レビューでも何でもない個人的体験談でありました。

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