夢のシネマパラダイス131番シアター:さあ!妖怪退治にお出かけよっ!
ゴーストバスターズ
出演:メリッサ・マッカーシー、クリステン・ウィグ、ケイト・マッキノン、レスリー・ジョーンズ、クリス・ヘムズワース
監督:ポール・フェイグ
(2016年・アメリカ・116分)WOWOW
内容:名門コロンビア大学の物理学者エリンは、学生時代に書いた心霊現象に関する本が問題視され大学を追われるハメに。かつての親友で共同著者の科学者アビーがWEB販売をしてネットに出回ったことが原因だったことから、エリンは久しぶりにアビーのもとを訪れるが、アビーはエンジニアのジリアンを助手に今でも心霊研究を続けていた。そんな中、3人はついに本物の幽霊と遭遇、それがきっかけで地下鉄職員のパティを合わせた4人で幽霊退治専門の“ゴーストバスターズ”を結成するが・・・。
評価★★★/65点
オリジナル作から30年。アメリカのお化けは陽気なギャグになるということを定着させたユルユルな悪ふざけが幅を利かせる80年代テイストを、子供だましのVFX(当時は最先端だったがw)に至るまでご丁寧に再現してみせたのは、もろ世代の自分にとってはノスタルジーが喚起されて微笑ましく見られる。
けど、結局1時間経たずに飽きが来るんだよね。主要キャラを女性に衣替えしたのは買いだけど、30年ぶりにリブートするならもう少しオリジナリティを出してほしかったかなと。
唯一、クリス・ヘムズワースのボケっぷりだけはツボにはまったw
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どろろ
出演:妻夫木聡、柴咲コウ、瑛太、杉本哲太、土屋アンナ、中村嘉葎雄、原田芳雄、原田美枝子、中井貴一
監督:塩田明彦
(2007年・東宝・138分)2007/02/05・盛岡フォーラム
評価★★★/60点
内容:戦国の世。天下統一の野望を抱く武将・醍醐景光(中井貴一)は、生まれてきた我が子の体48箇所を48体の魔物に差し出し、代わりに強大な力を手に入れる。そのまま捨てられた赤子は医師・寿海(原田芳雄)に拾われ、医秘術によって仮の体を与えられて育てられる。それから20年後、成長した百鬼丸(妻夫木聡)は、魔物を倒すごとに失われた部位を一つずつ取り戻せることを知り、魔物退治の旅に出る。やがて、女ながら男装して乱世を生き抜くコソ泥のどろろ(柴咲コウ)は百鬼丸のたずさえる妖刀を手に入れたくて彼の後について行くことに・・・。手塚治虫の同名漫画の映画化。
“この手の映画には言い古されているフレーズかもしれないが、あえて言う。安っぽい!”
140分という長尺を後半ヨレヨレグダグダになりながらもなんとかまとめきったという点では、最後まで飽きずに見られる作品ではあるのだが、後半あれよあれよという間に尻すぼみになっていくチープさはいかんともしがたく、CG・VFXのちゃちさも含めて心に残る映画にはならなかったというかんじ。
うーん、、なんだろ、失われた身体を取り戻すという“自分探しの旅”というテーマにおいては、監督塩田明彦の得意とするジャンルなのだろうけど、それが後半、ギリシャ悲劇はたまたシェイクスピアにつながるような“親殺し”へと変容していく中で一気にトーンダウンしてしまっているんだよね。
しかも、そういう重いドラマの中で、思わず笑っちゃいそうな着ぐるみ妖怪とか、ラストの中井貴一の変身を出してくるというのが、またなんとも脱力しちゃうというか・・・。
まぁ、手塚マンガに出てくる妖怪とか魑魅魍魎ってたしかにユニークで見るからにマンガチックな造型なんだけど、実写化するにあたって明度を落とした巧い絵作り(ろうそくの揺らめく灯とか)でせっかく作り出した魅力的な世界観の中では、どう考えても合わないと思う。20億もかけてるんだったら、もうちょっと頭の方も使ってもらいたかったな。
後半の展開から、ふと黒澤明の「蜘蛛巣城」(1957)を連想してしまったけど、「蜘蛛巣城」てシェイクスピアの『マクベス』を下敷きにしているんだよね。
傑作「蜘蛛巣城」と比べるのもかわいそうだけど、でもCGに依存なんてしなくてもスゲェ映画は作れるんだってこと。
ま、アクションを前面に出した冒険活劇エンタと考えれば、それなりの映画になっているとはいえるのだが。
あ、あとこれは言っておかなければ。柴咲コウ最高っス
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妖怪大戦争
出演:神木隆之介、宮迫博之、南果歩、成海璃子、菅原文太、忌野清志郎、竹中直人、岡村隆史、栗山千明、豊川悦司
監督:三池崇史
(2005年・松竹・124分)WOWOW
評価★★☆/45点
内容:妖怪をこよなく愛する人気作家陣、水木しげる・荒俣宏・京極夏彦・宮部みゆきの4氏がチーム「怪」を結成し、’68年の「妖怪大戦争」をもとに原案を作成、鬼才・三池崇史が映画化した冒険ファンタジー。一人の泣き虫少年が、ひょんなことから日本各地の120万の妖怪たちと力を合わせ、人類滅亡をもくろむ謎の魔人に立ち向かう。
“ぶっちゃけキャラクターの品評会それだけでよかった。異種格闘技戦とか、そんな簡単なのでよかったというか期待していたのだが、なぜに帝都物語?焼酎にブラックコーヒー入れても意味ないやろ”
この映画がまだ公開されてない頃に、あるテレビ番組で東京国際映画祭のフィルムマーケットの様子を追った映像を見たことがあるのだが、その時に取り上げられていたのがこの映画だった。
セールス担当者が海外の映画会社のバイヤーに売り込みをかけてたのだけど、海外のバイヤーからは「妖怪って何?日本人にとってポピュラーなものなの?それって怖いの?」などの質問が飛んでいて、で結局キャラクターをいかに浸透させるかよく工夫しないと分かりづらいし難しいけど、一応は好感触といったかんじだった。
が、いやいや待ってくれ。栗山千明の妖怪アギはキル・ビルからそっくりそのまま出てきたゴーゴー夕張ではないか。水木しげるのあの顔もどう説明するんだ。
いや、それはまだいいとしよう。
1番問題なのは、魔人加藤だよ。まるで象徴天皇のごとく祭り上げられただけの存在、、売り込みようがないだろ、これw海外ではちょっと通用しないんじゃないかなぁ・・。
なんだろ、変に難しくしないでぶっちゃけキャラクターの品評会でもいいんだよね。こういうタイプの映画はさ。せっかく独創的で面白いキャスト当ててるんだから。見ててなんだかもったいない気分になったわな。
1+1が0.7くらいになっちゃってる気まずさともったいなさに終始ついて行けなかったし、ややあきれ返っちゃったというか、逆に疲れちゃった。。
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ゲゲゲの鬼太郎(2007年・松竹・103分)DVD
監督:本木克英
出演:ウエンツ瑛士、井上真央、田中麗奈、大泉洋、間寛平、小雪、室井滋、西田敏行
内容:鬼太郎のもとに、人間界の小学生・健太が助けを求めてきた。彼が住む団地で裏山の稲荷神社の解体工事が始まってからというもの、妖怪たちが出現するというのだ。一方、同じ頃、ねずみ男が狐一族の至宝“妖怪石”を質屋に売ってしまい、それが回りまわって健太と姉の実花の手に渡ってしまう・・・。水木しげるの国民的妖怪マンガの実写映画化。
評価★★★/60点
田中麗奈のミニスカコスチュームの太股の奥に見え隠れするモジャ毛ばかりが気になって気になって仕方なかった・・・。
えっ?パンツだったんですか(笑)。そ、そんな・・。ってお前は一体何を見とるんじゃ!
いや、でもマジメな話、鬼太郎はウエンツじゃなくて、えなりかずきやろ。ってそこかよ!
いや、もっとマジメな話、漫画やアニメから一気にあか抜けてしまった映画のつくりにやや違和感・・。あと、砂かけババアと子泣きジジイの必殺技がなくて不満。
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花田少年史 幽霊と秘密のトンネル(2006年・松竹・123分)WOWOW
監督:水田伸生
出演:須賀健太、篠原涼子、西村雅彦、北村一輝、安藤希、杉本哲太
内容:小さな港町に暮らす9歳の悪ガキ、花田一路。ある日、彼は自転車で行った町で噂の幽霊トンネルでトラックと衝突する大事故に遭う。奇跡的に九死に一生を得た一路だったが、それ以来彼には幽霊たちの姿が見えて話せるという不思議な能力が備わってしまい・・・。
評価★★☆/50点
家族向けの心温まる人情話と思って見たら手痛いシッペ返しをくらうシロモノ。
なんてったって大団円の決めゼリフが「地獄に落ちさらえーー!」だからね。引くちゅうねん(笑)。幽霊とはいえ少なくともカワイイ娘が父親に言う言葉じゃないだろ。
もうはっきりいって中盤の運動会のところで映画を締めてもらった方が個人的には良かったよ。それくらい後半はヒドイ、というかジャンルが明らかに前後半で衣替えしちゃってる。
花田家の夕食中に幽霊の女子高生・聖子が怨霊・沢井に向かってフォークや茶碗を投げて挙句のはてにテレビを爆発させるというポルターガイスト現象はまだ笑って許せるとしても、宙に浮いた聖子vs沢井のカメハメ波対決はいくらなんでもやりすぎ。
って原作マンガ読んだことないから分からないけど、原作もこうなの??
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