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2017年1月 3日 (火)

夢のシネマパラダイス604番シアター:女性という世界で1番ミステリアスな生き物について

この国の空

Poster2出演:二階堂ふみ、長谷川博己、工藤夕貴、富田靖子、石橋蓮司、奥田瑛二

監督・脚本:荒井晴彦

(2015年・日本・130分)WOWOW

内容:昭和20年の東京・杉並。戦争末期で若者は戦場へ送られ、子供は地方へ疎開し、女と老人しかいない街で母と2人暮らしの19歳里子。空襲で焼け出された伯母が転がり込んできて生活がますます苦しくなる中、妻子を疎開させ隣家で一人住まいをしている38歳の市毛は何かと頼りになる存在だった。しかし、いつしか里子は市毛を異性の男として意識するようになっていき・・・。

評価★★★☆/70点

昭和20年の平均寿命は男性24歳、女性38歳と聞いて愕然としたことがあるけど、そっか、銃後の街とは戦場に駆り出されていく男たちと集団疎開で田舎へ移っていく子供たちが不在の老人と女性しかいない街なんだ・・・。

考えてみれば当たり前の戦争が市井にもたらす常識に今回初めてハッと気付かされた。

また、国同士が殺し合いをし、いつ焼夷弾に焼き殺されるかもしれず、いつ敵方が上陸してきて蹂躙してくるかも分からないまさにこの世の終わりを目前とする中でも、このまま男の愛を知らないまま死ぬのは嫌だと悶々とする年頃の娘の心情もかなり新鮮に感じられた。

そしてラストの「これから私の戦争が始まる」という衝撃の一言には、女の怖さと生命力の強さに圧倒されてしまった

いつの世も恋は人を狂わせるのだねぇ

でも1番衝撃的だったのは、不倫相手の男の寝床の生々しさだったかもw

しかし、主人公の母親と伯母を工藤夕貴と富田靖子が演っていたことに最後まで気付かなかった自分って・・

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イニエーション・ラブ

Poster3出演:松田翔太、前田敦子、木村文乃、森田甘路、三浦貴大、前野朋哉、木梨憲武、手塚理美、片岡鶴太郎

監督:堤幸彦

(2015年・東宝・110分)WOWOW

内容:バブル真っ只中の1980年代後半、静岡。就活中の大学生・鈴木は、気乗りしないまま参加した合コンで、歯科助手のマユに一目ぼれ!少しでも彼女に釣り合う男になりたいと身なり格好に気を使い、次第に距離を縮めていく。やがて就職した鈴木は東京へ転勤となり、マユとは遠距離恋愛になってしまうが・・・。

評価★★★/65点

サイドAとサイドBでこれ見よがしに日付がいちいち出てくることからサイドAとサイドBって同時進行の話!?と途中で気付いちゃって、となると必然的にたっくんは2人いるというオチはなんとなく読めたんだけど、マユちゃんの二股事実があらためて示されると見てる方はやっぱりショックが大きくて・・・

なんか明石家さんまが好きそうな典型的小悪魔キャラのマユちゃんに前田敦子がドハマりで、女って怖ぇーという戦慄が倍加して襲ってきたかんじ

でも、これ冒頭でこの映画にはある秘密がありますってテロップが出なければたぶん最後まで気付かなかったと思うんだよね(笑)。普通にラストに秘密をばらさないで下さいってすればよかったのに、と思ったのは自分だけ?

まぁ、それもあって「あなたは必ず2回見る」というキャッチコピーは自分には通用しなかったけど、心身ともに1番大きな傷を負ってるのはマユちゃんでもあるわけで、そう考えるとマユちゃん視点のサイドCを見たかった気も。。

P.S. ラブホの前で躊躇しているたっくんに向かって「女に恥かかせないでよ。行くよ!」と引っ張っていく美弥子(木村文乃)のような女性と出会いたいですww

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私の男

Watasi出演:浅野忠信、二階堂ふみ、モロ師岡、河井青葉、三浦貴大、安藤玉恵、竹原ピストル、高良健吾、藤竜也

監督:熊切和嘉

(2013年・日活・129分)WOWOW

内容:北海道奥尻島を襲った津波で孤児となった10歳の少女・花。そんな彼女を遠縁だという男・淳悟が引き取り、二人は雪と流氷に閉ざされた紋別の田舎町で寄り添うように暮らしていた。しかし6年後、地元の名士の大塩は二人のゆがんだ関係に気付き、淳悟から離れるよう花を説得する。ところがその後、厳寒の海で大塩の遺体が発見される・・・。

評価★★★/60点

毎年、京都の清水寺で発表される「今年の漢字」。

東日本大震災に見舞われた2011年は“絆”だった。震災により人と人、家族の絆がクローズアップされ、復興支援においても震災で受けた傷を絆で癒やそうなんていうスローガンも掲げられたりした。

しかし、ここに福島の原発事故が絡んでくると“絆”はどこへやら。

震災のがれき処理を受け入れようとする他県の自治体は市民の袋叩きにあい、原発避難者はいじめや差別にあう・・・。

結局、絆絆と呪文のように唱えているのはマスコミと被災地に住んでいない人々の自己満足にすぎないのではないか、という違和感を岩手県民のひとりとして少なからず感じていたのだけど、“絆”とはそんな安っぽい偽善めいた言葉ではないのだという今回の映画のドロドロとした“血の絆”はかなり衝撃的。

ほぼほぼ悪意しかないインモラルな近親相姦ものなので共感度はゼロだったけど、二人の心象風景を写し取ったかのような北海道の鈍色の景色と淫靡なカメラアングル、そして浅野忠信&二階堂ふみの怪演に最後まで見入ってしまった。

ただ、家族を津波で一瞬にして失った少女がそのショックから背徳のモンスターに変貌を遂げていく(母親の遺体を蹴り上げるシーンがあることからもともと親に対する憎悪があった?)のは百歩譲って分かるとしても、家族が欲しいと少女を引き取った遠縁の男(実は父親)の内面心理がどうにも理解できず、やはり決定的に相容れない映画だったなと。。

まぁ、時々こういう映画もあっていいけどね(笑)。

しかし、シチューをぶっかけて刺殺するシーンが今になっても頭から離れないんですけど

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白河夜船(2015年・日本・91分)WOWOW

 監督・脚本:若木信吾

 出演:安藤サクラ、谷村美月、井浦新、高橋義明、伊沢磨紀、竹厚綾

 内容:仕事もせず部屋で惰眠をむさぼり、恋人の岩永からの電話を待つだけの日々を送る寺子。岩永には妻がいるが、交通事故に遭って以来ずっと眠り続けていた。そんなある日、お客の隣でただ添い寝をする仕事をしていた親友のしおりが自殺してしまう・・・。

評価★★★/60点

人は人生の3分の1を睡眠にあてているのと同様、映画の3分の1が睡眠シーンみたいなかんじ。

ただ、主人公の寺子(安藤サクラ)のは睡眠というより惰眠であり、現実逃避のために眠る行為があるのが、常に睡眠不足の自分には決定的に理解不能(笑)。。

安藤サクラの脱ぎっぷりは評価に値するけど、ある意味その女優魂だけでもっているような映画だった。

もっと夢と現実の境目があいまいになるような奇っ怪な夢うつつの世界の危うい恐怖感=死のメタファーみたいなものが前面に出てきてもよかったかなぁと思ったけど、安藤サクラの生命力と存在感が強すぎてそれも難しいんだよね。

そういう意味では企画倒れだと思うけど、パンツが食い込んでいる安藤サクラのどーでもいい日常風景だけで元が取れるってのもスゴイと思うw

要するに、安藤サクラはスゴイ女優さんだ!ってことでした。

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