夢のシネマパラダイス184番シアター:バクマン。
バクマン。
出演:佐藤健、神木隆之介、染谷将太、桐谷健太、新井浩文、皆川猿時、小松菜奈、宮藤官九郎、山田孝之、リリー・フランキー
監督・脚本:大根仁
(2015年・東宝・119分)WOWOW
内容:かつて週刊少年ジャンプに連載していた亡き叔父の影響で漫画家を目指したことはあるものの、今では毎日をダラダラと過ごしていた高校生の真城最高。ある日、漫画原作家を志す秀才・高木秋人に一緒に漫画家になろうと誘われる。最初は渋っていたものの、声優志望のクラスメイト亜豆美保との恋をきっかけに漫画家の道へ進むことを決意する。こうして秋人が原作、最高が作画というコンビを組んだ2人は、ジャンプ連載を目標に奮闘していく・・・。
評価★★★/65点
バクマンが実写映画になると知った時、はたして映画になるのだろうか!?と思ってしまった。
それはつまりバクマンを読んでいた時の面白さというのは、少年ジャンプに漫画が載る過程とマンガ編集部の裏側を垣間見れる楽屋ネタにあり、サイコーとシュージンの漫画家としての薄っぺらい成長譚やサイコーとあずきのケータイ小説ばりの青臭すぎる恋愛要素なんて正直どうでもいいわけでw
でも映画にするってことは、そのどうでもいい後者の方をクローズアップしていかなければ成り立たないわけで、そこがはたして映画としての面白さに繋がるのだろうかと危惧していたのだ。
しかし、今回の映画は漫画を描くという机上の地味な仕事をまるでアクション映画のごとくスタイリッシュな動きと音としてクローズアップしたのが白眉だったし、友情・努力・勝利という少年ジャンプのコンセプトもテンポよく表現できていて一定以上見応えのある作品に仕上がっていたとは思う。
ただ、生活感のなさとか日常のリアリティの欠如はマンガではどうってことないけど映画となると気になるところで、そこがやはりマイナスポイント。そういう意味ではサカナクションの主題歌の歌詞にあるような丁寧に描く部分とそれとは裏腹の粗雑な部分が混在していたと思う。なので評価はやや低め。
ただ、エンドロールは趣向を凝らしていて良し。
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ピンポン
出演:窪塚洋介、ARATA、サム・リー、中村獅童、大倉孝二、松尾スズキ、荒川良々、夏木マリ、竹中直人
監督:曽利文彦
(2002年・日本・114分)仙台セントラル劇場
評価★★★★/80点
内容:卓球をこよなく愛し、勝つことに絶対的な自信を持ちながら天真爛漫で気分屋のペコ(窪塚洋介)と、卓球は単なるヒマつぶしと公言するクールで笑わないスマイル(ARATA)。2人は幼なじみで、小さい頃から近所にある卓球場に通っており、その頃からスマイルにとってペコはヒーローだった。高校生になった2人は共に同じ高校の卓球部に属していたものの、練習にはまともに参加しない毎日を送っていた。そんな2人が対戦すると必ずペコが優位に立つ。しかし、卓球部顧問の小泉(竹中直人)はスマイルの才能に目を付け、執拗に指導しようとするのだが・・・。
“確実に言えること。欽ちゃんの仮装大賞で優勝した「ピンポン」の方が断然面白い。”
様々にアングルを変えて見せるという「仮装大賞に革命を起こした!」とまで山本晋也審査委員長に言わしめた傑作。
はっきしいって映画「ピンポン」より映画的魅力にあふれていましたw
この映画はDVDで見れるけど、仮装大賞はもう見れないからなぁ、、って映画のことについて書かなきゃ。。
まあバタフライジョーこと小泉先生風に言えば、VERY GOOD!だったんじゃないでしょうか。
特に冒頭の橋から飛び降りて一時停止というくだりには自分の脳内細胞もざわめき色めき立った。おそらく仮装大賞の「ピンポン」は、この冒頭のシーンと卓球シーンからヒントを得ているはず。
とにかくCGでつかみはOKてなかんじで、あ、この映画はやっぱCGで勝負してる映画なのネ。と思いきや、CGを前面に押し出さずにキャラクターで勝負している映画ということに相当好印象を持った。
キャラクターでは個人的には荒川良々の大田キャプテンが1番好きかな。一方、どうにかしてもらいたいのが小泉先生役の竹中直人。もう見飽きた(笑)。。さらにYouとかMeとかいう言葉遣いどうにかならんのかい。スター・ウォーズEP1のジャー・ジャー・ビンクス思い出しちゃうんだよなぁww
と、ここまで書くと、冒頭のつかみはハッタリだったのかと思いがちだけど、決してそうではなかったね。
彼らの青春の一瞬、アツい闘いの一瞬を切り取り、彼らの持つ様々な内面へと昇華させていくという、ちょっと甘くみていた自分にはびっくりしてしまうくらいのこの映画のコンセプトを如実に表していて、もちろん隠し味としてのCGの醍醐味もこの映画にはあるけど、一瞬静止した画面をカメラが旋回するあのオープニングシーン。完全に痺れました
そう考えると卓球シーンも合点がいくわけで。
極端なカメラの人物への寄り、全体を捉えるのではなく表情、足などの個々のポイントに寄っていく視点、スローモーションの多用など全体ではなく一瞬の息遣いをとらえようとする手法をとったのも頷ける。
ただ、このオープニングを考えると、エンディングはちょっとスベッているような・・。
ペコとスマイルが決勝のコートに入っていく時のカメラの旋回、ここで終ってもよかったのではと思った。
でも序盤オババの卓球屋でペコがスマイルのことを「あれじゃただのサラリーマンだぜ。」と言うけど、まさに予定調和的にサラリーマンになってるスマイルをラストで見せるというのもこの映画の責任の果たし方をしっかと見たともいえるような気はする。
とにかく見てヨカッタといえるしっかりとした映画だったと思う。
Posted at 2003.04.07
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