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2017年1月 3日 (火)

夢のシネマパラダイス330番シアター:インターステラー

インターステラー

Poster2_2出演:マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、エレン・バースティン、マイケル・ケイン、ジョン・リスゴー、ケイシー・アフレック、マット・デイモン

監督・脚本:クリストファー・ノーラン

(2014年・アメリカ・169分)盛岡フォーラム

内容:近未来。地球環境の加速度的悪化による食糧難で人類は滅亡の時を迎えようとしていた。そんな中、最悪の事態を回避するための重大ミッションクルーのひとりにシングルファーザーで元エンジニアのクーパーが抜擢される。そのミッションとは、未開の惑星に行き人類が居住可能かどうか調査するというものだった。地球に家族を残して行かなければならない不安と葛藤するクーパーだったが、泣きじゃくる幼い娘に帰還を約束し、宇宙へと旅立つ・・・。

評価★★★★★/100点

「メメント」「インセプション」と趣向を凝らした作劇で時間軸のズレを印象的に描いたクリストファー・ノーランは、同じく「インセプション」で虚無(夢)の世界で50年間たった2人だけで過ごす夫婦の純粋すぎて怖いくらいの愛の深さを描いた。

ちなみにあの映画では夢の階層によって時間の流れにズレが生じるという設定があり、夢の階層を下るごとに現実世界の時間より12倍引き延ばされていく。つまり現実世界で1時間夢を見ると、夢の第1階層では12時間、第2階層では144時間=6日間、第3階層では72日間、そして第4階層=虚無では2年4カ月の時が流れる。だから第4層で50年だと現実世界では大体20時間しか経っていないことになる。

そう考えると、宇宙で主人公クーパーが体験した2~3年の異次元旅行の間に地球では約80年経っていたという今回の映画は、人間の内へ内へ潜っていく「インセプション」と地球の外へ外へ飛び出していく本作の対照的な違いはあるにせよ、時間軸のズレがもたらすウラシマ効果と、愛は時空を超えるという壮大かつ純粋な愛の物語のモチーフは共通している。

そういう意味で今作はノーランの集大成といっていい作品だったと思う。

なにより実質数年しか年を取っていない父親が90歳くらいの寝たきりのおばあちゃんになった娘を看取るというSF映画史上でも屈指の名シーンにお目にかかれたのは涙が出そうなほどに感動した。

お涙頂戴の“愛は地球を救う”安っぽい映画wは数多くあれど、論理とか説得力を超越した愛の力に打ちのめされたのはこれが初めてだったかもしれない。

あとは何といってもクーパーがブラックホールに吸い込まれた後の4次元立方体の驚愕映像に尽きるだろう。これはつまり、点を動かすと線分ができる(1次元)→線分を動かすと平面ができる(2次元)→平面を動かすと立方体ができる(3次元空間)→立方体を動かすと超立方体ができる(4次元空間)ってことなんだけど、映画では幼少の頃のマーフの部屋がアーカイブのように幾層にも積み重なっていて、まるで複数のwebサイトをひとつのウィンドウ内に開くことができるタブ機能のごとくあらゆる時間のマーフの部屋につながることができるようだ。

さらにこれを作ったのは5次元の存在だと言及している。要は、3次元空間に時間軸の1次元を付け加えた4次元時空の住人である我々を超えた存在で、5次元では空間も時間も自在に操ることができる。そしてここがキーポイントなのだけど、本棚から本が落ちてきたり床に砂が流れ落ちてきたりと別次元のマーフには重力を介してメッセージを伝えることができる。

つまり、重力だけが別次元同士に干渉することができるということで、その根拠となっている仮説が、我々の住む3次元空間を1つのブレーン(膜)とみなし、その上でブレーンの外には行き来することのできない第5の次元が広がっているとするブレーンワールド仮説だ。

そしてその中では重力子だけがブレーンを離れて第5の次元を移動できるとする。これにより物理学における大きな謎である重力が極端に弱すぎる問題(例えば膨大な質量をもつ地球に比べて磁石の質量は無視できるほど小さいにもかかわらず、地球の作る重力は磁石の作る磁力に打ち負かされてしまう。電磁気力の強さを1とすると、重力は10のマイナス40乗しかない謎)が解決できる。

つまり、重力が他の力に比べて弱いのは、重力が異なる次元に漏れ出ている=重力は時間を含む次元を超えることができるからと説明できるのだ。

そういう最新の宇宙論に裏打ちされた映像の数々は、門外漢の自分の肌感覚にまで迫り来るような、ただの絵空事とは異なる説得力をもったリアリティがあったと思う。

とはいえ、理解度50%で見た気120%になっているというのが実際のところ(笑)。

でも、これだと普通だったら見た気にならないはずなのに、見た気満々にさせるのがこの映画のスゴイところなんだよね。「インセプション」もそんなかんじだったし、クリストファー・ノーランの醍醐味ってそこにあるのかも。

音楽も印象的だったし、自分の人生観をもビリビリ震わせるような大傑作だった。

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惑星ソラリス

Flyersolaris 出演:ドナータス・バニオーニス、ナターリヤ・ボンダルチュク、ユーリー・ヤルヴェト

監督:アンドレイ・タルコフスキー

(1972年・ソ連・165分)DVD

内容:21世紀、世界の科学者たちは表面をプラズマ状の海に覆われた惑星ソラリスに注目していた。心理学者のクリスは、原因不明の混乱状態に陥ったソラリスの軌道ステーションに真相究明のため派遣される。ステーションの混乱を目の当たりにしたクリスもまた不安にかられるようになり、さらに自殺したはずの妻ハリーが目の前に現れ・・・。

評価★★★☆/70点

キューブリックの「2001年宇宙の旅」(1968)と並び称されるSF映画の金字塔と聞かされ続けて十数年、レンタル屋にも置いておらず、BSでも放送してくれず、なかなか見る機会を得られなかったのだけど、ついにその時が来た!

とはいっても、難解な映画とも聞いていたので、かっなり身構えて見たのだけども、フタを開けてみれば、未来都市に見立てられて映し出される東京の首都高が千駄ヶ谷から赤坂見附あたりだとはっきり認識できるくらいの理解の範疇を超えないレベルで見られたのはちょっと拍子抜けだったかんじ。

といっても、外ヅラを理解できた程度だけど、まぁダレることなく見れたからよかったかな。

あ、そっか、、ソダーバーグの「ソラリス」(2002)を以前見てたのがよかったのかw。つってもあれ半分くらい寝てたけど・・・

それはさておき、キューブリックの「2001年宇宙の旅」における人工知能をもったコンピュータHAL9000を、ソラリスという惑星自体に置き換えたような中、そこに行った人間の心が抱えている罪の意識や後悔といった悩みを読み取り、それを実物大にして作り出してしまうというトンでもな海を持つ惑星ソラリスと人間との遭遇を描いたこの映画。

ソラリスによって送り込まれた“客”によって物理学者ギバリャンは自殺し、電子工学のスナウト博士は怯え、生物学者サルトリウスは部屋に閉じこもったまま出てこない。

そして、心理学者クリスの前に現れたのは、毒を打って自殺したはずの妻ハリー。

クリスが抱える最も忌まわしい記憶が、どんなに消そうともがいても再生して甦ってくるハリーによって眼前に突きつけられるさまは、血にまみれながらドアをブチ破るハリーの姿を見てもかなり怖い。

しかし、その“客”は、自分自身の良心の呵責によって生み出されたものだった。

そして、良心の呵責に逆らっても研究対象としてソラリスの真実を追い求めようとする科学者魂にあふれたサルトリウス、一方ギバリャンは良心に耐え切れず自殺するわけだけど、「ヒロシマのように不道徳でも目的が達せられてしまう」科学の恐さ、そして恥も外聞もかなぐり捨てて風車に突撃するドン・キホーテのごとく外へ外へ文明を突き進んできた現代において人類愛なんてものは存在しないんだというメッセージはかなり痛烈だ。

それをこの映画は、時間と空間を超越し、宇宙には他にも生命体がいるんだという夢と希望あふれるSF世界において、そのSFが本来持つ外へ外へではなく、人間の内面世界という内へ内へと向かっていくことで露わにしていくのだから恐れ入る。

時間と空間を超えることができる夢を具現化したのがSFなわけだけど、同じ夢は夢でも人間の潜在意識の奥に眠る内省と願望=夢として、それを具現化するソラリスというのがなんとも面白い。

そういう点では「2001年宇宙の旅」とは全く逆の構図ともいえると思う。

そんな中クリスは、一度は妻ハリーをロケットで放逐したものの、その後は自分の良心と真摯に向き合うことで妻との愛を取り戻していくわけだが、ここにクリスと母親との間にあるビミョーな関係が影を落としているらしいことが差し挟まれることで、なかなか小難しい内容になっているのはたしかだし、ラストのオチも思わずビックリ。。

でも、難しくてダラダラしてるからもう見たくないという気にはならず、もう1回じっくり見たいなという気に駆られたのは自分でも意外だった。

クリスの故郷である水と緑にあふれる自然風景と、一面灰色に覆われた東京の首都高の対照的な風景なども印象的だったし、「2001年宇宙の旅」を初めて見たときは、もう二度と見たくないと思ったものだが(笑)、今回はその点でも対照的だった。

ラスト、茫洋たるソラリスの海に囲まれた島として漂うクリスの緑の故郷、それはクリスの思考の範囲の限界―科学の発達とともにある種の免罪符として唱えられる人類皆兄弟という人類愛の限界―を示しているともいえ、どんなに科学が発達しようとも人間はどこまでも私的な苦悩に苛まれる存在なのだということを表わしているといえる。

「人間の内なるものを省みずして、すなわち恥を知ることなくして人類は救われない」、、、思わず考える人のポーズになってしまう自分(笑)。

この映画が作られた70年代前半は東西冷戦が厳然としてあったわけだけど、あれから約40年、ITの発達で情報は瞬時に世界を駆け巡り、ヨーロッパはEUのもと統合の深化が図られ、オバマ大統領就任に世界が熱狂し、、、しかし世界の人々の距離が縮まったかといえばそういうわけでもなく・・・。便利な世の中にはなったが、人々は孤独の中を彷徨いつづけているように思える。

ソラリスの海から脱却できる日がいつか訪れるのだろうか。

なんかこの映画を5年ごとに見続けていったら、その時々で感じることが違ってくるのかもしれないななんてことを思ったけど、5年後、自分はこれ見てどう感じるのだろう。。

Posted at 2009.09.10

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ソラリス(2002年・アメリカ・99分)MOVIX仙台

 監督・脚本:スティーブン・ソダーバーグ

 出演:ジョージ・クルーニー、ナターシャ・マケルホーン、ジェレミー・デイヴィス

 内容:「惑星ソラリス」(1972)を生んだスタニスワス・レムの名作小説をS・ソダーバーグが新たな解釈で映画化。惑星ソラリスを探査中の宇宙ステーションで異変が発生し、心理学者が調査に向かうが・・・。未知の知的生命体と出会った人間が自己の内面と対峙させられるという深遠な物語を、今回は主人公と彼の妻の夫婦愛に焦点を絞って描いている。

評価★/15点

“見ている途中で不覚にも眠ってしまったからといって、この映画にかぎっては他人にとやかく言われる筋合いはないw!”

夢のシネマパラダイス604番シアター:女性という世界で1番ミステリアスな生き物について

この国の空

Poster2出演:二階堂ふみ、長谷川博己、工藤夕貴、富田靖子、石橋蓮司、奥田瑛二

監督・脚本:荒井晴彦

(2015年・日本・130分)WOWOW

内容:昭和20年の東京・杉並。戦争末期で若者は戦場へ送られ、子供は地方へ疎開し、女と老人しかいない街で母と2人暮らしの19歳里子。空襲で焼け出された伯母が転がり込んできて生活がますます苦しくなる中、妻子を疎開させ隣家で一人住まいをしている38歳の市毛は何かと頼りになる存在だった。しかし、いつしか里子は市毛を異性の男として意識するようになっていき・・・。

評価★★★☆/70点

昭和20年の平均寿命は男性24歳、女性38歳と聞いて愕然としたことがあるけど、そっか、銃後の街とは戦場に駆り出されていく男たちと集団疎開で田舎へ移っていく子供たちが不在の老人と女性しかいない街なんだ・・・。

考えてみれば当たり前の戦争が市井にもたらす常識に今回初めてハッと気付かされた。

また、国同士が殺し合いをし、いつ焼夷弾に焼き殺されるかもしれず、いつ敵方が上陸してきて蹂躙してくるかも分からないまさにこの世の終わりを目前とする中でも、このまま男の愛を知らないまま死ぬのは嫌だと悶々とする年頃の娘の心情もかなり新鮮に感じられた。

そしてラストの「これから私の戦争が始まる」という衝撃の一言には、女の怖さと生命力の強さに圧倒されてしまった

いつの世も恋は人を狂わせるのだねぇ

でも1番衝撃的だったのは、不倫相手の男の寝床の生々しさだったかもw

しかし、主人公の母親と伯母を工藤夕貴と富田靖子が演っていたことに最後まで気付かなかった自分って・・

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イニエーション・ラブ

Poster3出演:松田翔太、前田敦子、木村文乃、森田甘路、三浦貴大、前野朋哉、木梨憲武、手塚理美、片岡鶴太郎

監督:堤幸彦

(2015年・東宝・110分)WOWOW

内容:バブル真っ只中の1980年代後半、静岡。就活中の大学生・鈴木は、気乗りしないまま参加した合コンで、歯科助手のマユに一目ぼれ!少しでも彼女に釣り合う男になりたいと身なり格好に気を使い、次第に距離を縮めていく。やがて就職した鈴木は東京へ転勤となり、マユとは遠距離恋愛になってしまうが・・・。

評価★★★/65点

サイドAとサイドBでこれ見よがしに日付がいちいち出てくることからサイドAとサイドBって同時進行の話!?と途中で気付いちゃって、となると必然的にたっくんは2人いるというオチはなんとなく読めたんだけど、マユちゃんの二股事実があらためて示されると見てる方はやっぱりショックが大きくて・・・

なんか明石家さんまが好きそうな典型的小悪魔キャラのマユちゃんに前田敦子がドハマりで、女って怖ぇーという戦慄が倍加して襲ってきたかんじ

でも、これ冒頭でこの映画にはある秘密がありますってテロップが出なければたぶん最後まで気付かなかったと思うんだよね(笑)。普通にラストに秘密をばらさないで下さいってすればよかったのに、と思ったのは自分だけ?

まぁ、それもあって「あなたは必ず2回見る」というキャッチコピーは自分には通用しなかったけど、心身ともに1番大きな傷を負ってるのはマユちゃんでもあるわけで、そう考えるとマユちゃん視点のサイドCを見たかった気も。。

P.S. ラブホの前で躊躇しているたっくんに向かって「女に恥かかせないでよ。行くよ!」と引っ張っていく美弥子(木村文乃)のような女性と出会いたいですww

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私の男

Watasi出演:浅野忠信、二階堂ふみ、モロ師岡、河井青葉、三浦貴大、安藤玉恵、竹原ピストル、高良健吾、藤竜也

監督:熊切和嘉

(2013年・日活・129分)WOWOW

内容:北海道奥尻島を襲った津波で孤児となった10歳の少女・花。そんな彼女を遠縁だという男・淳悟が引き取り、二人は雪と流氷に閉ざされた紋別の田舎町で寄り添うように暮らしていた。しかし6年後、地元の名士の大塩は二人のゆがんだ関係に気付き、淳悟から離れるよう花を説得する。ところがその後、厳寒の海で大塩の遺体が発見される・・・。

評価★★★/60点

毎年、京都の清水寺で発表される「今年の漢字」。

東日本大震災に見舞われた2011年は“絆”だった。震災により人と人、家族の絆がクローズアップされ、復興支援においても震災で受けた傷を絆で癒やそうなんていうスローガンも掲げられたりした。

しかし、ここに福島の原発事故が絡んでくると“絆”はどこへやら。

震災のがれき処理を受け入れようとする他県の自治体は市民の袋叩きにあい、原発避難者はいじめや差別にあう・・・。

結局、絆絆と呪文のように唱えているのはマスコミと被災地に住んでいない人々の自己満足にすぎないのではないか、という違和感を岩手県民のひとりとして少なからず感じていたのだけど、“絆”とはそんな安っぽい偽善めいた言葉ではないのだという今回の映画のドロドロとした“血の絆”はかなり衝撃的。

ほぼほぼ悪意しかないインモラルな近親相姦ものなので共感度はゼロだったけど、二人の心象風景を写し取ったかのような北海道の鈍色の景色と淫靡なカメラアングル、そして浅野忠信&二階堂ふみの怪演に最後まで見入ってしまった。

ただ、家族を津波で一瞬にして失った少女がそのショックから背徳のモンスターに変貌を遂げていく(母親の遺体を蹴り上げるシーンがあることからもともと親に対する憎悪があった?)のは百歩譲って分かるとしても、家族が欲しいと少女を引き取った遠縁の男(実は父親)の内面心理がどうにも理解できず、やはり決定的に相容れない映画だったなと。。

まぁ、時々こういう映画もあっていいけどね(笑)。

しかし、シチューをぶっかけて刺殺するシーンが今になっても頭から離れないんですけど

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白河夜船(2015年・日本・91分)WOWOW

 監督・脚本:若木信吾

 出演:安藤サクラ、谷村美月、井浦新、高橋義明、伊沢磨紀、竹厚綾

 内容:仕事もせず部屋で惰眠をむさぼり、恋人の岩永からの電話を待つだけの日々を送る寺子。岩永には妻がいるが、交通事故に遭って以来ずっと眠り続けていた。そんなある日、お客の隣でただ添い寝をする仕事をしていた親友のしおりが自殺してしまう・・・。

評価★★★/60点

人は人生の3分の1を睡眠にあてているのと同様、映画の3分の1が睡眠シーンみたいなかんじ。

ただ、主人公の寺子(安藤サクラ)のは睡眠というより惰眠であり、現実逃避のために眠る行為があるのが、常に睡眠不足の自分には決定的に理解不能(笑)。。

安藤サクラの脱ぎっぷりは評価に値するけど、ある意味その女優魂だけでもっているような映画だった。

もっと夢と現実の境目があいまいになるような奇っ怪な夢うつつの世界の危うい恐怖感=死のメタファーみたいなものが前面に出てきてもよかったかなぁと思ったけど、安藤サクラの生命力と存在感が強すぎてそれも難しいんだよね。

そういう意味では企画倒れだと思うけど、パンツが食い込んでいる安藤サクラのどーでもいい日常風景だけで元が取れるってのもスゴイと思うw

要するに、安藤サクラはスゴイ女優さんだ!ってことでした。

夢のシネマパラダイス184番シアター:バクマン。

バクマン。

33210_original出演:佐藤健、神木隆之介、染谷将太、桐谷健太、新井浩文、皆川猿時、小松菜奈、宮藤官九郎、山田孝之、リリー・フランキー

監督・脚本:大根仁

(2015年・東宝・119分)WOWOW

内容:かつて週刊少年ジャンプに連載していた亡き叔父の影響で漫画家を目指したことはあるものの、今では毎日をダラダラと過ごしていた高校生の真城最高。ある日、漫画原作家を志す秀才・高木秋人に一緒に漫画家になろうと誘われる。最初は渋っていたものの、声優志望のクラスメイト亜豆美保との恋をきっかけに漫画家の道へ進むことを決意する。こうして秋人が原作、最高が作画というコンビを組んだ2人は、ジャンプ連載を目標に奮闘していく・・・。

評価★★★/65点

バクマンが実写映画になると知った時、はたして映画になるのだろうか!?と思ってしまった。

それはつまりバクマンを読んでいた時の面白さというのは、少年ジャンプに漫画が載る過程とマンガ編集部の裏側を垣間見れる楽屋ネタにあり、サイコーとシュージンの漫画家としての薄っぺらい成長譚やサイコーとあずきのケータイ小説ばりの青臭すぎる恋愛要素なんて正直どうでもいいわけでw

でも映画にするってことは、そのどうでもいい後者の方をクローズアップしていかなければ成り立たないわけで、そこがはたして映画としての面白さに繋がるのだろうかと危惧していたのだ。

しかし、今回の映画は漫画を描くという机上の地味な仕事をまるでアクション映画のごとくスタイリッシュな動きと音としてクローズアップしたのが白眉だったし、友情・努力・勝利という少年ジャンプのコンセプトもテンポよく表現できていて一定以上見応えのある作品に仕上がっていたとは思う。

ただ、生活感のなさとか日常のリアリティの欠如はマンガではどうってことないけど映画となると気になるところで、そこがやはりマイナスポイント。そういう意味ではサカナクションの主題歌の歌詞にあるような丁寧に描く部分とそれとは裏腹の粗雑な部分が混在していたと思う。なので評価はやや低め。

ただ、エンドロールは趣向を凝らしていて良し。

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ピンポン

Poster出演:窪塚洋介、ARATA、サム・リー、中村獅童、大倉孝二、松尾スズキ、荒川良々、夏木マリ、竹中直人

監督:曽利文彦

(2002年・日本・114分)仙台セントラル劇場

評価★★★★/80点

内容:卓球をこよなく愛し、勝つことに絶対的な自信を持ちながら天真爛漫で気分屋のペコ(窪塚洋介)と、卓球は単なるヒマつぶしと公言するクールで笑わないスマイル(ARATA)。2人は幼なじみで、小さい頃から近所にある卓球場に通っており、その頃からスマイルにとってペコはヒーローだった。高校生になった2人は共に同じ高校の卓球部に属していたものの、練習にはまともに参加しない毎日を送っていた。そんな2人が対戦すると必ずペコが優位に立つ。しかし、卓球部顧問の小泉(竹中直人)はスマイルの才能に目を付け、執拗に指導しようとするのだが・・・。

“確実に言えること。欽ちゃんの仮装大賞で優勝した「ピンポン」の方が断然面白い。”

様々にアングルを変えて見せるという「仮装大賞に革命を起こした!」とまで山本晋也審査委員長に言わしめた傑作。

はっきしいって映画「ピンポン」より映画的魅力にあふれていましたw

この映画はDVDで見れるけど、仮装大賞はもう見れないからなぁ、、って映画のことについて書かなきゃ。。

まあバタフライジョーこと小泉先生風に言えば、VERY GOOD!だったんじゃないでしょうか。

特に冒頭の橋から飛び降りて一時停止というくだりには自分の脳内細胞もざわめき色めき立った。おそらく仮装大賞の「ピンポン」は、この冒頭のシーンと卓球シーンからヒントを得ているはず。

とにかくCGでつかみはOKてなかんじで、あ、この映画はやっぱCGで勝負してる映画なのネ。と思いきや、CGを前面に押し出さずにキャラクターで勝負している映画ということに相当好印象を持った。

キャラクターでは個人的には荒川良々の大田キャプテンが1番好きかな。一方、どうにかしてもらいたいのが小泉先生役の竹中直人。もう見飽きた(笑)。。さらにYouとかMeとかいう言葉遣いどうにかならんのかい。スター・ウォーズEP1のジャー・ジャー・ビンクス思い出しちゃうんだよなぁww

と、ここまで書くと、冒頭のつかみはハッタリだったのかと思いがちだけど、決してそうではなかったね。

彼らの青春の一瞬、アツい闘いの一瞬を切り取り、彼らの持つ様々な内面へと昇華させていくという、ちょっと甘くみていた自分にはびっくりしてしまうくらいのこの映画のコンセプトを如実に表していて、もちろん隠し味としてのCGの醍醐味もこの映画にはあるけど、一瞬静止した画面をカメラが旋回するあのオープニングシーン。完全に痺れました

そう考えると卓球シーンも合点がいくわけで。

極端なカメラの人物への寄り、全体を捉えるのではなく表情、足などの個々のポイントに寄っていく視点、スローモーションの多用など全体ではなく一瞬の息遣いをとらえようとする手法をとったのも頷ける。

ただ、このオープニングを考えると、エンディングはちょっとスベッているような・・。

ペコとスマイルが決勝のコートに入っていく時のカメラの旋回、ここで終ってもよかったのではと思った。

でも序盤オババの卓球屋でペコがスマイルのことを「あれじゃただのサラリーマンだぜ。」と言うけど、まさに予定調和的にサラリーマンになってるスマイルをラストで見せるというのもこの映画の責任の果たし方をしっかと見たともいえるような気はする。

とにかく見てヨカッタといえるしっかりとした映画だったと思う。

Posted at 2003.04.07

夢のシネマパラダイス283番シアター:カリフォルニア・ダウン

カリフォルニア・ダウン

Poster2出演:ドウェイン・ジョンソン、カーラ・グギーノ、アレクサンドラ・ダダリオ、ヨアン・グリフィズ、ポール・ジアマッティ

監督:ブラッド・ペイトン

(2015年・アメリカ・114分)WOWOW

内容:ある日、ネバダ州で大地震が発生するが、それは前触れに過ぎなかった。今度はカリフォルニア州を縦断する巨大断層を震源とする本震が発生、高層ビル群やゴールデンゲートブリッジが次々と倒壊し、ロサンゼルなどの大都市は壊滅してしまう。そんな中、救難活動に奔走するレスキュー隊パイロットのレイは、ビルに取り残された妻エマを間一髪で助け出す。そして最愛の娘が残されたサンフランシスコへ向かうが…。

評価★★★☆/70点

いわゆるディザスタームービーは天災、災害のスペクタクル映像に驚愕し、阿鼻叫喚の地獄絵図と化す人々のパニック映像に戦慄しハラハラドキドキする、つまり神視点から人の不幸を見て楽しむ一面が少なからずあると思う。

しかし、東日本大震災を経験した者にとって、地震と津波を扱った映画はもはや他人事では見ていられないというか、必要以上に感傷的になってしまう部分があって、エンタメとして純粋に楽しめなくなっちゃってるんだよね

でもその点でいえば、今回の映画はレスキュー隊員を主人公にしているわりに話が主人公のドウェイン・ジョンソンとその家族のミニマムな視点にのみ絞られていて、普通なら物足りなさを感じてしまうのだけど、家族の絆を前面に打ち出されると逆に見やすくて個人的には良かったかなと。

あとは何といっても映像の凄さだろう。

東日本大震災ほど災害映像がYouTubeなどを通して残されたことはないと思うけど、世のクリエイターに与えた影響力はやはり大きいんだなと映画を見て実感した。

津波で完全に浸水したがれきの街中をパワーボートで走るシーンの汚泥で黒々とした水の汚さとか細かいディテールまでリアリティがあって印象的だった。

これからのディザスタームービーは東日本大震災というフィルターをどうしても避けられないと思うけど、日常の理屈ではどうすることもできない現実に打ち負かされたとしても、そこを突き抜けた向こう側で魂を揺さぶることのできる豊かな想像力を存分に発揮した作品を作っていってほしいものだ。

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デイライト(1996年・アメリカ・114分)NHK-BS

 監督:ロブ・コーエン

 出演:シルベスター・スタローン、エイミー・ブレネマン、スタン・ショー

 内容:マンハッタンとニュージャージー州を結ぶ海底トンネルで爆発事故が発生。トンネルの出口はふさがれ、帰宅途中の人々が閉じ込められてしまう。元緊急医療隊員のチーフだったキットが救出に向かうが・・・。

評価★★★☆/70点

“ヒロインが言い放った極めつけの一言!!”

Don’t leave meーーー!!置いてかないでーー!!

犬を助けようとしたキットが下に落ちてしまい、そのキットを助けようとしたマデリーンも下に落ちてしまう場面。

キットは、いいから早く逃げろ!と他のみんなを先に進ませようとするが、マデリーンはすっかり青ざめた表情で、待ってーー、さっき助けてあげたじゃないのよ!置いてかないでーー!と泣き叫ぶ。

従来通りの映画だったら、いいから先に行ってて、と言うはずのシーン。

このシーンの大いに取り乱すマデリーンには正直驚いたが、一方では、そうだよな人間だもん意地でも生きたいよ、一応ヒロインであっても体裁なんて気にしてられないよなと妙に感心してしまった。

そうなのだ。Don’t leave me!という一言に集約されるように、この映画には無敵のヒーローもいなければ健気なヒロインもいないというか意図的に描いていない。キットがジョージを見捨てて行くシーンはその典型だろう。

しかし、もともと考えてみるとこの映画、トンネル落盤というパニックものとしては地味ぃ~な題材を扱っている。そして中身も実に地味なのだ。

1番の見せ場はキットが通気口からトンネルの中に入っていく序盤のシーンなのではと思ってしまうくらい地味な映画だ。

そしておそらく映画の作り手もそのことは百も承知しているのだと思う。

それゆえ大仰なヒーローぶった描き方は最初から切り捨て、地に足をつけた1人の人間としてよりリアルに描いていく道を選んだということなのだろう。

そして主人公を取り巻く者たちもまたとにかく意地でもトンネルから抜け出して生きたい、その必死さのみに焦点を絞って描いている。囚人というキャラをこの中に入れたのは1つのポイントだろう。

とにかく目立とう目立とうという気負いばかりが先行してしまう昨今のパニックものの映画としては珍しく堅実な描き方に終始していて好感がもてたし、題材の地味さからいっても身の丈に合った描き方、リアルな描き方をしてくれたと思う。

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ボルケーノ(1997年・アメリカ・104分)NHK-BS

 監督:ミック・ジャクソン

 出演:トミー・リー・ジョーンズ、アン・ヘッシュ、ギャビー・ホフマン、ドン・チードル

 内容:大地震の発生したロスで突如、火山が噴火。地上のすべてを飲み込むマグマ・溶岩流の猛威に人間が立ち向かう。パニックに陥った住民を救うため、ロス危機管理局長のマイクに率いられた消防隊とレスキュー隊が己の死をも顧みず救助に当たる。果たして彼らはロサンゼルスを火の海から守れるのか!?

評価★★★★/80点

“なぜ世界第2位の火山大国日本がこのネタを思いつかないんだ・・・。”

大都市のド真ん中を溶岩流が流れる。

日本人が見ると、なにげに荒唐無稽に見えないところがちょっと怖いのだけど、それがかえってリアリティを出していて見応え抜群。

ただ実際のところ、東日本大震災を見ても分かるとおり、自然の猛威に人間は勝てるわけがないんだよなぁ・・・。ビルを倒すとこなんかは9.11テロを思い出しちゃったりして。。

しかしだ!人間はなんだかんだいっても焼け野原から必ず立ち上がる!一応スゴイ生き物なんでっスてことを映画を見て実感。

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ダンテズ・ピーク(1997年・アメリカ・108分)仙台第1東宝

 監督:ロジャー・ドナルドソン

 出演:ピアース・ブロスナン、リンダ・ハミルトン、ジェイミー・レネー・スミス

 内容:火山地質学者ハリーは、地震の調査のため休火山“ダンテズ・ピーク”のふもとの町を訪れていた。噴火の兆候を察知した彼は、人々に警告するが、、、ドッカーーン!!!降り注ぐ火山灰、流れ出す溶岩など、自然の猛威が次々と町に襲い掛かる。

評価★★★/65点

“リンダ・ハミルトンにとっちゃ噴火なんて屁みたいなもんだろ、、という自分のイメージの方がはるかに怖い・・・。

夢のシネマパラダイス540番シアター:バケモノの子

バケモノの子

Bakemono1_large声の出演:役所広司、宮崎あおい、染谷将太、広瀬すず、長塚圭史、麻生久美子、黒木華、津川雅彦、リリー・フランキー、大泉洋

監督・脚本:細田守

(2015年・東宝・118分)DVD

内容:この世界には人間界とは交わることのないもうひとつの世界、バケモノ界がある。ところがある日、渋谷に独りでいた少年がバケモノ界“渋天街”の住人である熊徹と出会う。そして少年は強くなるため渋天街で熊徹の弟子になることを決意し、熊徹から九太という名前をもらい、修行に励む日々を送る。やがて成長して渋谷へ戻った九太は、女子高生の楓と出会う・・・。

評価★★★/60点

渋谷センター街と異界=渋天街がつながっているというのは、キングスクロス駅のプラットフォームから魔法学校へ行けるハリポタと同じく現実感があって面白い。

その点では千と千尋のトンネルと同じ発想なのだけど、これが簡単に行き来できてしまうとなると途端に白けてしまう・・・。

しかし、一般に普通のファンタジーは少年少女が異世界で成長して現実世界に戻ってくるという“行きて帰りし物語”が定石だけど、今回は異世界に行って8年経ってすでに成長してしまった後が物語のメインになっているので、異世界における成長譚を描いても意味がないんだよね。それゆえ異世界と現実世界の境界が曖昧模糊になるのも当然なことではある。

じゃあ、そこで何を描くか。

となると、今度は多感な少年時代を8年も離れていた現実世界でのアイデンティティの確立、いわば“バケモノの子”と“ヒトの子”との葛藤に主軸が置かれてしかるべきだろう。

ところが九太は現実世界に戻るやそんな悩みなど微塵もみせず図書館で本を読む始末。こりゃダメだw

その点、先のテーマは一郎彦にこそ当てはまるわけで、普通なら一郎彦が主人公でもいいくらいなんだよね。

そこらへんのズレがやはり見ている間ずっとモヤモヤとしていて、自分の中で合理的に納得して飲み込めなかったかんじ。。

期待値が高かったぶん中途半端な中身にやや評価は低め

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ブレイブ・ストーリー

E38396e383ace382a4e38396e382b9e3838 声の出演:松たか子、大泉洋、常盤貴子、ウエンツ瑛士、今井美樹

監督:千明孝一

(2006年・日本・111分)盛岡フォーラム

評価★★/40点

内容:ある日、小学5年生のワタルが学校から帰ってくると、父親が家を出て行ってしまい、さらに母親は倒れて入院してしまう。突然家族がバラバラになってしまった現実を受け入れられないワタルは、転校生ミツルの言葉を思い出した。それは、「幽霊ビルの屋上から天に伸びる階段の先の扉の向こうへ行けば、運命を変えられる」というもの。ワタルは家族を取り戻したい一心でその扉の中に飛び込んでいく・・・。直木賞作家・宮部みゆきの冒険ファンタジー小説のアニメ映画化。

“このRPGゲームが中古で売られていたとしても、、、100%買わない。。”

それくらいツマラなかったです、この映画・・・。

ま、宮部みゆき原作小説の映画化作品って、「理由」以外見るに堪えないのばかりだけど。1番好きな作家だけに困っちゃうんだよなぁ(笑)。

なんで映画になるとツマラナイのか。。

それは、宮部みゆきの小説がなぜ面白いのかと言い換えることができると思うんだけど、独特かつ唯一無二の洗練され研ぎ澄まされた確かな日常感覚と、事件や犯罪から超常現象に至るまで異常なまでに豊かな非日常性が、見事な完全調和をみせているところにあると思う。

しかし、これが映画になると、日常感覚にほとんど光が当たらないという体たらくになってしまうのだ。

非日常的エピソードの積み重ねを追うというのは映画生来のサガではあるのだが、こと宮部みゆき原作に関しては確かな日常感覚に光が当たらないというのはもはや致命的である。

そう考えると、今回の「ブレイブ・ストーリー」は、宮崎駿の「千と千尋の神隠し」と比べてもよく分かるが、異世界(幻界)へ行く前の主人公ワタルの日常的エピソードがじっくりと描かれていて、しかも家族という日常が崩壊しつつある危うさにワタルが直面していく過程がややクドイくらいに描かれているのが大きな特徴といえる。

ここまではまだいい。

しかしだ、、、肝心の非日常世界へ行ってからの薄っぺらさと安っぽさと怠けっぷりはナンダ!?一体何なのだ!?なぜなんだ(笑)?こいつらにヴィジョンはあるのか!?

こっちが良ければ、今度はあっちがダメかぁ、、、って、おいおい頼むよ~。

成長過程が全然ないというか、Aqua Timezの歌の力で見習い勇者のレベルがブッ飛んじゃった、、みたいな。。なんじゃそりゃ。

また、幻界という異世界の描写も日常感覚(リアリティ)と非日常性(ファンタジー)のバランスが全く取れていない。

やっぱこういうの見ると、ジブリアニメの凄さってのが如実に実感できるなぁ。トホホ。

「千と千尋」でいえば、冒頭から何の説明もなしに千尋は異世界へ迷いこんでしまうわけだけど、宮崎駿はその異世界をおもいっきり非日常的な世界でありながら、なおかつおもいっきり日常的に現実世界と表裏一体で渾然一体に描いてしまうという離れ技をやってのけた。

それは、一貫性のないストーリーを無理やり引っ張ってしまうという力技にもなったのだが、終始一貫して主人公千尋に視線を寄り添わせて描くことで、少女が生きる力を取り戻す物語世界としてしっかりと成立させてしまった。

こりゃもうかなわんわな・・・。

本作にそこまでを求めるのは酷といえども、ひとつの物語世界としてもう少ししっかりしたものを提示してもらいたかった。映像としての世界だけで見せようとするのは駄作への近道以外の何ものでもないし、そういう安易な手法に埋没するのは避けてもらいたい。切に願います。。

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friends もののけ島のナキ(2011年・東宝・87分)WOWOW

 監督・脚本:山崎貴

 声の出演:香取慎吾、山寺宏一、阿部サダヲ、YOU、加藤清史郎

 内容:もののけが住むと恐れられ、近づくことさえ禁じられた不気味な島にある日、人間の赤ん坊・コタケが迷い込んでしまう。ところが、コタケを目にしてもののけたちの方が大パニックに。そこで、赤鬼ナキと青鬼グンジョーがコタケの面倒を見ることになるが・・・。

評価★★★/65点

余韻や感慨などどこ吹く風のアッサリ食感があまりにももったいないくらいの琴線に触れるイイ話なので、あと15分くらい延長してエピソードをもう少し入れた方がよかったような・・。まぁ、キッズ向けだと90分がベストなのかもしれないけど。

でも、CGアニメ技術はピクサーにも劣らないところまで来ているのはこれ見るとたしかなのだから、あとはキャラクターしかりシナリオしかり笑いと感動は細部に宿るってことをもう少しよく考えて創作をしてもらいたいものだ。

それはつまるところ映画好きが楽しい映画を作るというごく単純なことなのだけど、そこの部分はピクサーにはまだまだ敵わないってかんじかなぁ~。。

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ホッタラケの島 遥と魔法の鏡(2009年・東宝・98分)WOWOW

 監督:佐藤信介

 声の出演:綾瀬はるか、沢城みゆき、戸田菜穂、大森南朋、谷村美月

 内容:幼い頃に母親を亡くし、父と2人暮らしの女子高生・遥。ある日、母親の形見である手鏡をなくしたことに気付き、稲荷神社にお参りに行った彼女は、奇妙なキツネを見つける。そして後を追った先にあった泉から異世界へと迷い込んでしまう。そこは、人間がほったらかしにした物=ホッタラケで出来た島だった・・・。

評価★★★/65点

人間がほったらかしにしたもので出来上がったというパラレルワールド的世界観を有するファンタジー世界のアイデアの着想、民話的なヴィジュアルイメージ、主人公・遥のキャラ設定、ツボを外さないシナリオなど意外に及第点あげてもいいくらいの出来で、ファンタジー好きの自分は割りと楽しめてしまった。

が、ゆえにフルCGの稚拙さと違和感がより気になってしまったのもたしかで、普通に二次元アニメでいいじゃんと思ってしまう・・。

まぁ、ピクサーのレベルの高さがこういうの見ると如実に分かるよねっていう。。

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カクレンボ(2005年・日本・24分)NHK-BS

 監督:森田修平

 声の出演:竹内順子、植木誠、鈴木真仁、内藤玲

 内容:夜、カクレンボをすると鬼に連れて行かれる・・・。行方不明になった妹を探す少年ヒコラたちと、鬼の正体を暴こうとするノシガたち、そして謎の少女もまじえた7人の子供たちが摩天楼の最下部の薄暗く入り組んだ街中へと足を踏み入れ、おトコヨさまのお遊戯カクレンボを始める・・・。

評価★★/40点

題名をローマ字表記で出してくる時点でこりゃちょっと違うなと感じたけど、まさにその通りの出来だった・・・。

とにかく才能をひけらかすように絵で語ろうとするのはやめれ!そんな離れ技できるのは宮崎駿くらいなもんなんだから。

ストーリーがとにかく薄すぎて話にならないよこれじゃ。。

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