夢のシネマパラダイス210番シアター:M・ナイト・シャマランは何処へ行く・・・
シックス・センス
出演:ブルース・ウィリス、ハーレイ・ジョエル・オスメント、トニ・コレット、オリヴィア・ウィリアムス
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
(1999年・アメリカ・107分)仙台フォーラム
内容:アメリカ東部の都市フィラデルフィア。小児精神科医マルコムがカウンセリングすることになった8歳のコール少年は、両親が離婚し母親に育てられていたが、何かにおびえ、母親にさえ話せずに1人で苦しんでいた。マルコムは、頑なに心を閉ざすコールを説得してやっとのことで真相を聞き出すことに成功するが、コールが打ち明けた事実は驚愕のものだった・・・。
評価★★★★★/95点
“え゛っ、これってホラーだろ。なんで泣いてんだぁぁ゛っ、オレーーッ!”
スミマセン、、わたくし無条件降伏させていただきます。
罰としてあちらの世界に逝っちゃってもいいような気分であります。いやはや参った・・。グスッ。
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アンブレイカブル(2000年・アメリカ・107分)MOVIX仙台
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン、ロビン・ライト・ペン、スペンサー・トリート・クラーク
内容:131人もの死者を出した列車事故からただ一人奇跡的に生還したデヴィッド。病気や怪我とは無縁の自分に逆に不安を抱く彼の前に、イライジャという男が現れ、デヴィッドこそは不滅の肉体を持つ“アンブレイカブル”で、弱者を守るヒーローだと告げるのだが・・・。
評価★★★/60点
“アンブレイカブル→ヤンブレイカブレ→ヤブレカブレ”
→行き当たりばったり→つかみどころ無し→ものすごい長っげえプロローグ→本題入る前に終了→本題はヒーローvs悪玉ミスター・ガラス→ヒーローは不滅です→アンブレイカブル→→→結局何なのさww
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サイン(2002年・アメリカ・107分)MOVIX仙台
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:メル・ギブソン、ホアキン・フェニックス、ローリー・カルキン
内容:ペンシルベニアで妻子と弟と暮らすグラハムは、人々からの信頼も篤い牧師。ある日、彼の妻が不可解な言葉を残して事故死する。半年後、喪失感から信仰心を失ったグラハムの前に、巨大なミステリーサークルが出現。これはいったい何の兆候=サインなのか!?
評価★★☆/45点
“山田く~ん!シャマランさんの座布団全部持っていきなさい!”
この人の場合オチが何なのかってところが前提として始めからあるからなあ。見る方もそうやって身構えちゃうし。。
ま、映画に自ら出てくるくらいだから好きでやってるんだろうけど。
でもこのまま好きでやっててふと振り向いたら誰も付いてきてなかったってことにならないようにしないと、ね。
、、というのは自分の勝手な取り越し苦労でシャマランはそんなこと意にも介していないんだろうな。
映画宣伝会社をシャマラン教に完全に帰依させているかぎり、どんな超強力おバカ魔法を繰り出そうが何ら心配はいらないといったところか。
あるいは「シックス・センス」により確立してしまったアッと驚くオチネタ作家という称号を逆手にとり、映画ファンをふるいにかけてるようにも見えてしまう。
ある者は早々に振るい落とされ、ある者はフィラデルフィアを本拠とするシャマラン教への入信を表明する。
しかし振るい落とされても御心配なく。
世界各地に星の数ほどもあるシャマラン教の教会である劇場窓口で献金を捧げればシャマラン様の教えと奇蹟を再び目にすることができるのです。
えっ、ボクですか?
フフ、2度3度と献金しちゃいましてね・・。まあまだ退会はしてませんが、一応w
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ヴィレッジ(2004年・アメリカ・108分)DVD
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:ブライス・ダラス・ハワード、ホアキン・フェニックス、エイドリアン・ブロディ、ウィリアム・ハート、シガニー・ウィーバー
内容:19世紀のある閉ざされた村(ヴィレッジ)を舞台に繰り広げられるミステリー。その村は、周囲の森に入ってはいけないなど、3つの掟が厳重に守られていた。しかしある事件をきっかけに、青年ルシアスは掟を破って森を出ることを決意する・・・。
評価★★/40点
“このつまらなさはオチがどうこうという以前の問題だ。”
「アンブレイカブル」以来シャマランの仕掛けるオチには期待しないことにしてきた自分がシャマラン映画で最低限何を期待するかといえば、しっかりと構築された日常描写としっかりと築かれた人間関係という現実世界に、荒唐無稽な虚構世界が違和感なく交錯してしまうシャマラン独特の不思議な世界を疑似体験することだ。
この時まず第1に重要なのは、現実世界がしっかりと構築されているかどうかに尽きるわけで、幽霊だとか宇宙人だとかスーパーマンだとかいう非日常アイテムはシャマラン映画においては実は2次的なものにすぎないことが分かる。
シャマラン映画の骨格を成すのは、まぎれもなく確実な日常描写と、人と人との密接な関わり合いを確実に描写することであり、この骨格が映画の土台となっている。
そしてこの堅固な土台の上でシャマランお得意の見せ物が展開してこそシャマラン映画はその力を発揮するのだと思う。
その土台は確かなものでなければならず、土台が不確かであればシャマランのフェイクは活きない。
その点でみれば、やはり個人的には「シックス・センス」が1番評価が高くなるわけで。
さて、その観点からみると、本作「ヴィレッジ」は、青年ルシアスと盲目のアイヴィー、知的障害者のノアの3人を軸、土台として、森に住むという怪物をフィクションネタにして展開するわけだが、どうにもこの軸が不安定に見えて仕方なかった。
そもそもなぜわざわざ盲目にする必要があるのか、なぜわざわざ知的障害にする必要があるのかというある種の違和感とともに彼らの三角関係描写があまりにも表面的でずさんに見えてしまった。。
そうなるとシャマランの繰り出す虚構世界がどうこういう以前の問題になってしまう。。
村の日常も何かキナ臭いし・・・。
と思っていたらラストのオチで、ウワーーッ、そう来たかぁとまんまとダマされたのもまた事実で、変な違和感がすっきり解消されたのもまたたしかなのだった。。
ヴィレッジとは、盲目であることや、知的障害であるといった差別化や生い立ちなど全く関係のない、愛に包まれた安全な社会、共同体ということだろうか。
シャマランの繰り出してきた今回の虚構世界は、実はあまりにも広大かつ壮大であり、おバカな自分の頭では全く処理できなくて、その一面的、表面的なものしかなぞれなかったということなのか・・・。
村の人間関係もまた事の真実が明らかになれば納得のいく描写である・・・。
これはまた再び見るべきかどうするか、と10秒迷ってやめた。オチが分かった上で見てもやはりツマラナイと思ったから(笑)。
なんだろう、「カッコーの巣の上で」にもなり得た題材でしょこれって。それを超えうる傑作になっててもおかしくないんだけど。。
シャマランはフツーに映画映画しちゃいたいのだろうなぁ。。
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レディ・イン・ザ・ウォーター(2006年・アメリカ・110分)WOWOW
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:ポール・ジアマッティ、ブライス・ダラス・ハワード、フレディ・ロドリゲス、ジェフリー・ライト、M・ナイト・シャマラン
内容:フィラデルフィアのとあるアパート。ある晩、管理人をしているクリーブランドは、中庭のプールでストーリーと名乗る謎めいた女性に出会う。彼女は、水の精で、“青い世界”からある目的のために人間界にやって来たのだという。アパートの住人から、東洋のおとぎ話にまつわるものがあると聞かされたクリーブランドは、それをヒントに謎を紐解いていくが・・・。
評価★★/40点
クソ面白くもない現実世界で、クソ真面目におとぎ話を語ってしまおうというシャマランの意図するところは、オープニングの古典的な絵画を使った導入部分などを見ても作劇としてはよく分かるつくりになってはいる。
のだが、これをおとぎ話ととるか、ただのホラ話ととるかはかなりビミョーなところで、自分はグエムルみたいな怪物が出てきた時点でダメですた・・・。
あとは、裏で糸を引いているシャマランの顔が、今回はメインキャストという形で出てきてしまうので、どうしても胡散臭さがぬぐえず・・。
2回目見たいとはどうしても思えなかった。。
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ハプニング(2008年・アメリカ・91分)WOWOW
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:マーク・ウォルバーグ、ゾーイ・デシャネル、ジョン・レグイザモ、アシュリン・サンチェス
内容:アメリカ・ニューヨーク。ある日、セントラルパークで人々が突然動きを止め、次々に自らの命を絶っていく異常事態が発生する。バイオテロという報道を聞いたフィラデルフィアの高校教師エリオットは、妻アルマたちと共に避難を始めるが異常現象は急速に拡がりをみせていき・・・。
評価★★★/65点
シャマランというと、どうしても最後のオチ目当てに見てしまうのだけど、前作「レディ・イン・ザ・ウォーター」で、なにやらオチありきから脱皮しそうな片鱗をのぞかせていたのだけど、オチでなんとか締まりのついていた作劇がオチがなくなったことでなにやらわけの分からない映画になってしまっていた。。
そんなシャマランはいったいどこへ向かおうとしているのか、、ということで見た今回の映画。
人がビルの上からバタバタと落ちてくる予告編が妙に気になって、しかしシャマラン映画は予告編が1番面白いという鉄則もあるしw、そんなこんなで恐る恐る見てみたら、これが意外にイケてしまったくち。。
主人公と妻のおざなりな関係性など人間描写は幼稚そのもので、得体の知れないものからただただ逃げ回るだけというつくりは、B級スリラーそのもの。しかもその逃げ回る道程がスピルバーグの「宇宙戦争」(2005)そのまんまとくれば底が知れてるもんだけど。
しかし、その中で唯一、木々のざわめきや草木の揺らめき、吹き抜ける風といった自然描写、また、ビルから飛び降りてきた人間の手足がグニャリと曲がっているさまや、猛突進した車が木に激突した後に降りてきた男が車のガラスの破片で手首を切り裂くさまを1シーン1カットで捉えたシーン、はたまた無言で頭を撃ち抜いたり、かんざしで首を刺し抜いたりと人々が淡々と自死していくさまを異様な不気味さで映し出していく演出力はピカイチで、幼稚なストーリーテリングをカバーするには十分なほどの緊迫感を出すことに成功している。
まぁ、何かに身体を乗っ取られたかのように感情を喪失していく無表情な人々の群れというのは「ボディ・スナッチャー」や「インべージョン」などの宇宙人侵略もののフォーマットなんだけど、最後までオチ(ハプニングの原因)を曖昧なままにしたのもその意味ではボロを出さずにすんで正解だったと思うし、B級スリラーとして見ればかなり満足のいく出来ではないだろうか。
それこそ変な化け物が出てきたら一気に興ざめするところだった。。よく我慢したなシャマラン(笑)。
でもこれ、黒沢清に撮らせてたら傑作になりえたと思うわww
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ヴィジット
出演:オリヴィア・デヨング、エド・オクセンボールド、ディアナ・ダナガン、ピーター・マクロビー
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
(2015年・アメリカ・94分)WOWOW
内容:15歳のベッカと13歳のタイラーの姉弟。シングルマザーの母親がかつて親に勘当されて家を出ていたために祖父母と会ったことがなかったが、ある日、祖父母から休暇中に遊びに来ないかと連絡が来る。そこで姉弟2人だけでペンシルバニアの祖父母のもとへ行き、1週間過ごすことになるのだが・・・。
評価★★★★/80点
自分の中で“あの人は今”な存在になってしまったシャマラン。まるで目前に置かれたビックリ箱にドキドキするかのように毎回見る前の期待値はことさらに高いんだけど、箱を開けるたびにバネがどんどん伸びきってもはやビックリ箱ですらなくなってきたみたいな・・。
そういう意味では、ただの一発屋だったんだということにようやく気付いた(笑)。。
なので今回もほとんど期待せずに見たら、「シックスセンス」以来のシンプルな原点回帰作になっていて、そこに1番ビックリ!
POV視点のB級ホラーなんて安上がりの使い古された手法にシャマランもついに手を出しちゃったかと思いきや、いやこれがなかなかに怖くて面白かった。
祖父母と孫という無条件の甘やかし関係がサイコスリラーに転化していく怖さはもちろん、祖父母の奇行に超常現象を持ち込まなかったことが、より生理的な薄気味悪さをかき立てていて良い意味で異様だった。
一見すると「シャイニング」のような家自体に悪霊が取り憑いているオカルトもののパターンだし、今までのシャマランだったら超常に舵を切っていただろうことは安易に想像できただけに、スカイプ越しに母親が放った一言には背筋が一瞬で凍りついてしまった・・。
この一言が発せられるまで思わせぶりに引っ張る作劇も見事だったし、その後一気に襲い来るホンモノの恐怖に完全にヤラれた。まさかオムツが最恐っていうオチだとは・・(笑)
また、姉弟が1台ずつカメラで撮り合うという主観視点が2つあることで、逆にどちらか一方は客観視点に置き換わることにより、POVの代名詞である手ブレ感を補正しているのも上手いこと考えたなぁと感心。
潤沢予算と時間を与えるより、いろいろな制約下に置いた方がシャマランは力を発揮するのかもw
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