夢のシネマパラダイス57番シアター:ハンガーゲーム
ハンガーゲーム
出演:ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン、リアム・へムズワース、ウディ・ハレルソン、レニー・クラヴィッツ、スタンリー・トゥッチ、ドナルド・サザーランド
監督:ゲイリー・ロス
(2012年・アメリカ・143分)WOWOW
内容:近未来。独裁国家パネムは、エリート層の最先端都市キャピトルとそれに隷属する12の貧困地区で構成されていた。かつてそれらの地区が反乱を企てたことから、政府は反乱の抑止を目的に毎年各地区から12~18歳の男女一人ずつを選び、最後の一人になるまで殺し合いをさせる“ハンガー・ゲーム”を開催していた。そんな中、第12地区に住む16歳の少女カットニスは、くじ引きでプレイヤーに選ばれてしまった妹に代わって出場を志願。男子で選ばれた同級生ピータ・メラークとともにハンガー・ゲームに参加することになる・・・。
評価★★★/55点
中学生に殺し合いをさせる「バトルロワイアル」のような企画はハリウッドでは通用しないんじゃないかと思ってたけど、通用しちゃったよw
しかも歴史的大ヒットだって
で、どんだけ残虐でヤバい映画なんだろ、、と思ってたら、何のこたぁない。PG-12というあってなきがごとくの緩いレイティングを確保するために描写のハードルをかなり下げているのだ。そうでなければティーンを取り込んで4億ドル超という史上空前のヒットは飛ばせない。
そういう点では完全なティーン向けというかんじで安心して見ていられるんだけど、主人公は100%生き残るという安心感があまりにも絶対的すぎて、緊迫感やがむしゃらな生への渇望や葛藤が全く伝わってこないのは痛い。
なによりゲーム開始直後に出場者の半分が死ぬって、、そんなのありww!?
あと特に主催者側の大人たちがことあるごとに介入してきて主人公のいいように事が進むご都合主義ありきの展開は興ざめもいいところ。
例えばゲームのエリアから外れそうになると引き戻すために介入してくるって、、隔絶された島にすればいいだけの話だろ。74回も開催されてるのにそんなことも分からないのかっていう・・(笑)。
あげくの果てにはゲーム中にルール改正してルールが二転三転するって何だそりゃ。。ホントに74回やってきたのかww!?
また、スポンサーや観衆を味方につけないと生き残れないという設定も、この意図されたご都合主義をシナリオに組み込むためにできた設定にしかなっておらず、物語の中に全く活かされていない。
前半1時間を主人公のセルフプロモーションに当てたのは悪くないとは思ったけど、肝心のゲーム自体がメチャクチャじゃ何の意味もない。このての映画でカタルシスを感じないというのはもはや致命的だ。
ただ、それでも甘めの点数なのは、主人公カットニスを演じたジェニファー・ローレンスの魅力がハンパなくてベタ惚れしちゃったためで
主人公の設定16歳を22歳で演じるため大人びた印象が出るのは当然といえば当然だけども、思わず引き込まれてしまうだけの年の差以上の魅力と品格がある。はっきりいってこの映画にはそぐわないくらいだ。
それに比べてカットニスと恋の三角関係を演じることになる(?)相手役の俳優たちはアイドル然としているので、なんかジェニファーと合ってないんだよね。そういう器じゃないっていうか・・(笑)。
なんだか粗ばっかりが目立ってしまったかんじだけど、続編では女優として大きすぎる存在になりつつあるジェニファーに見合う映画になっていることを願うばかりだ。
あるいは降板してもいいんだよ(爆)。。
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ハンガーゲーム2(2013年・アメリカ・147分)WOWOW
監督:フランシス・ローレンス
出演:ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、ウディ・ハレルソン、エリザベス・バンクス、レニー・クラヴィッツ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ドナルド・サザーランド
内容:第74回ハンガーゲームで優勝し、故郷に凱旋を果たしたカットニスを待っていたのは民衆の熱狂的な支持だった。彼らはカットニスの戦いに、圧政からの独立の機運を重ね合わせていたのだ。しかし、その声を封じ込めようとする独裁政府は、カットニスを抹殺するために秘策を用意する。それは、第75回ハンガーゲームを歴代優勝者24名による記念大会にするというものだった。こうしてカットニスは、再び戦いの場へと引きずり出されてしまうが・・・。
評価★★☆/50点
2時間半ダラダラと付き合わされたあげく突きつけられた真実、、、この映画って結局ただの前フリじゃねーか!
もう、何なんだよこれ・・。
しかも本選が始まるまで80分も要するなんて、こんなどうでもいいティーン向け映画でそこまでもったいつけなくてもいいだろ(笑)。
肝心のゲームも前作と同じくご都合主義満載で腰砕けだし。ポスターにあった“覚悟はいいか”というキャッチコピーってようするに面白くもない映画に2時間半付き合う覚悟はあるかってことだったんですかw
ジェニファー、、何度も言うけど降りていいんだからね
P.S. 「ハンガー・ゲームFINAL」鑑賞済。生き残りをかけたサバイバルゲームという当初のフォーマットから政権打倒の革命戦士ジャンヌ・ダルクの悲劇という全く別物へと変容を遂げたはいいものの、前後編に分けてまでやる必要あるか!?という薄っぺらい内容で正直気に食わなかったw
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メイズ・ランナー
出演:ディラン・オブライエン、ウィル・ポールター、カヤ・スコデラーリオ、アムル・アミーン、キー・ホン・リー
監督:ウェス・ボール
(2014年・アメリカ・113分)WOWOW
内容:深い地の底から上がってくるエレベーターの中で目覚めたものの、自分の名前以外の記憶が一切ない青年トーマス。扉が開くとそこは巨大な壁に囲まれた草原。そこでは同じようにして送られてきた同世代の若者たちがコミュニティを作って暮らしていた。さらに壁の奥は巨大迷路になっていて、夜になると閉じられ朝には新たな迷路に変わる中、足の速い“ランナー”と呼ばれる精鋭たちが攻略に挑んでいた。トーマスもそれに加わり、脱出の糸口をつかもうとするが・・・。
評価★★★/60点
なぜ?どうして?を極力省いた作劇は「CUBE」ぽくて面白そうだなと思ったのもつかの間、なんと迷路の謎は9割方解けていたという不条理の入り込む余地のない茶番劇に肩すかし。。
ならば、せめて迷路を舞台にと思いきや、これまた迷路の外で行こか戻ろかの押し問答に終始する始末で、ティーン向けと割り切って見てもかなり消化不良。
とはいえ、高い壁に囲まれた迷路のセットヴィジュアルやプロダクトデザインは「進撃の巨人」なんかより数段上をいっているのがやはり腐ってもハリウッドなんだなと(笑)。
いや、まぁ進撃の巨人の方が数段駄作だったんだけどね・・
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ダイバージェント
出演:シェイリーン・ウッドリー、テオ・ジェームズ、アシュレイ・ジャッド、ジェイ・コートニー、ケイト・ウィンスレット
監督:ニール・バーガー
(2014年・アメリカ・139分)WOWOW
内容:最終戦争から150年経った未来。人類は過去の教訓から、国家や宗教という概念を捨て、新たな社会体制を築き上げていた。それは、人類を性格別に勇気ある“勇敢”、正直者の“高潔”、優しき“平和”、利他的な“無欲”、知識豊富な“博学”という5つの共同体に分けるというものだった。人々は16歳になると性格診断テストを受け、結果が示した共同体への所属を義務づけられる。そんな中、無欲出身のベアトリスは16歳になり診断を受けるが、結果は5つのどれにも該当しない異端者(ダイバージェント)と判定される。ダイバージェントは、人類を滅ぼす危険分子として抹殺される運命にあったが、ベアトリスは名前を変え“勇敢”に加入することに成功するのだが・・・。
評価★★/45点
ティーンエイジ向けと割り切って見てもこれはヒドすぎる。
まずもって国家や人種、宗教の垣根を取っ払い、人類を博学=科学者・教育、平和=農民・食料生産、高潔=裁判官・司法、勇敢=軍人警察・治安維持、無欲=公務員・行政の5つのグループに分け、そのコミュニティで一生を送らせれば平和が維持できるという社会システムの仕組みがよく分からなくて映画に入り込めない。
これだけ見れば別にディストピアでも何でもなく江戸時代の士農工商と変わりないわけで、カースト制や管理社会というよりは職能集団別の同業者組合という方がしっくりくる。
なので、これをディストピアとして見る時にキーとなるのは、5つの派閥に入らない無派閥しかない。ところが、このホームレス扱いの無派閥についてほとんどスル―されているところが大問題なのだ。
例えば、この無派閥が人口の大半を占めているのであれば、5大派閥をエリート支配層とするピラミッド型の階級社会と捉えることもできる。あるいは、無派閥が各派閥の脱落者からなるということは、逆にいえば多様性が生まれるわけで、それを束ねて率いる首領がどの適性にも当てはまらない“異端者”となるはずだ。それが、社会を滅ぼす危険分子として迫害や抹殺の対象となるゆえんではないのか。
なのに、この異端者娘ときたら、とりあえず“勇敢”に入っちゃお♪っていきなりスポ根青春グラフィティが始まってしまう。で、さらに無派閥そっちのけで“博学”が“無欲”に迫害をしかける、、ってなんじゃそりゃ(笑)。
あと、職能集団とは別な視点で、ハリー・ポッターの組分けのような性格・資質による違いでみても、“高潔”は毒舌、“博学”は上から目線、“無欲”はノーと言えない日本人wなんだけど、結局自分で行きたい派閥を自由に選べるからその設定意味ないよねっていう・・
これほどいい加減な劣化映画見たことないww
主人公も若かりし頃のケイト・ウィンスレットの劣化版てかんじだったし
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GANTZ
GANTZ:PERFECT ANSWER
出演:二宮和也、松山ケンイチ、吉高由里子、本郷奏多、夏菜、綾野剛、伊藤歩、田口トモロヲ、山田孝之
監督:佐藤信介
(2010年・東宝・130分&2011年・東宝・141分)WOWOW
内容:大学生の玄野計は、地下鉄のホームで線路に落ちた客を助けようとして、幼なじみの加藤勝とともに電車にはねられてしまう。しかし、死んだはずの2人は見慣れぬマンションの一室で目覚める。そこには、他にも死んだはずの人々が集められており、部屋の中央には謎の黒い球体“GANTZ”が鎮座していた。やがて彼らは、GANTZから“星人”と呼ばれる異形の敵を倒すというミッションを与えられ、いきなり戦いの場へと転送されてしまうのだった・・・。
評価★★★/55点
原作は全くの未読。
そして映画見終わっても読む気なし(笑)。
だってネギ星人って、、何だよアレw
まぁ、テンポは悪くないし、アクションのクオリティも特に2作目の方は見事な出来で、日本映画もここまでできるんだと少しビックリした。
けど、ゲーム世界の延長戦からどこまでも抜け出ない安っぽさとストーリーの生ぬるさにパーフェクトなファイナルアンサーなど途中からどうでもよくなってきて、アクションと夏菜の肢体を追うばかりになってしまった・・・おいおい
ま、そういう類の映画だからいいんだろうけどww
あとは、異様なオーラを醸し出す綾野剛くらいかなぁ見どころなのは。。最近は完全にテレビ慣れしてきちゃったけど、クローズZEROとかこの映画での妖しいインパクトは強烈だった。
時代劇なんかでも見てみたいかんじと思ってたら本家本元の大河に出ちゃって、でも会津の殿様ってふうじゃないんだよなぁ。十三人の刺客みたいなサムライ役で見たい。
とにかく近年稀に見る逸材の今後が楽しみです。
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バトルロワイアル(2000年・東映・114分)WOWOW
監督:深作欣二
出演:藤原竜也、前田亜季、山本太郎、栗山千明、塚本高史、柴咲コウ、ビートたけし
内容:大不況に見舞われ失業者があふれかえる日本では、少年犯罪が多発し、学校崩壊は増大。それに対し大人たちの怒りが爆発!強い大人の復権を目的とした“新世紀教育改革法”通称BR法が公布された。それは全国の中学3年生の中から無作為に選ばれた1クラスを、最後の1人になるまで殺し合わせるというあまりにも過酷で理不尽なものだった・・・。内容のあまりの衝撃性に賛否両論を巻き起こした同名小説の映画化。
評価★/30点
思想もテーマもあったもんじゃない。
殺しは単なる見世物としかなっておらず、いわばオーメンやファイナル・デスティネーションのような血しぶき博覧会と同等のものしか持ち合わせていない映画。
問題はそれを中学生にやらせるところなのだけど、どう考えても山本太郎が中学生に見えるはずもなく(笑)、そこは特に気にはならなかった。
しかしそれ以前に、映画自体が全くもってツマラナイことの方が大問題ww
やはり登場人物ひとりひとりのバックボーンが全く見えてこないのは致命的で、その中で何にも取り憑かれていない中学生の殺し合いを延々見せられる倦怠感といったらない。。
正真正銘の駄作だと思う。
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バトルロワイアル2 鎮魂歌(2003年・東映・133分)DVD
監督:深作欣二、深作健太
出演:藤原竜也、前田亜季、前田愛、忍成修吾、酒井彩名、竹内力、ビートたけし
内容:あれから3年、BRを生き延びた七原秋也は反BR法のテロ集団を組織し、全ての大人たちに宣戦布告!再び壮絶な戦いが展開される。。本作のクランクイン直後に深作欣二監督が亡くなったため、息子・健太氏が引き継ぎなんとか完成にまでこぎつけた。
評価★☆/35点
ポテチつまんでニタニタしながらこの映画観てる自分もどうかと思うけどさぁ・・・
脳ミソが飛び散ろうが血しぶきが上がろうが、女のコの絶叫が響こうが竹内力が見事なトライを決めようが、そんなことよりもポテチが奥歯に挟まって歯ぐきに刺さったことの方が切実な問題としてマジに痛かった。映画もイタかったけどww
深作組もいったい真面目なんだか不真面目なんだかよく分からなかったな。でも、もし大真面目だったとしたら救いようがないくらい痛いよこれは。。
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