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2016年6月 6日 (月)

夢のシネマパラダイス520番シアター:アメリカン・スナイパー

アメリカン・スナイパー

Poster2_2出演:ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、ルーク・グライムス、ジェイク・マクドーマン、ケヴィン・レイス、コリー・ハードリクト

監督:クリント・イーストウッド

(2014年・アメリカ・132分)盛岡フォーラム

内容:2001年の911同時多発テロをテレビで目の当たりにしたクリス・カイルは、愛国心に燃え、ネイビー・シールズに入隊する。やがてイラク戦争にスナイパーとして出征したクリスは、驚異的な狙撃の腕前から“レジェンド”の異名をとるまでになる。そして無事に愛する妻と生まれたばかりの長男のもとへ帰還を果たすのだったが、その後クリスは4度に渡って苛酷なイラクの戦地へ赴く。しかし、そのたびに彼の心は均衡を失っていき・・・。

評価★★★☆/70点

映画を見ている間、なぜイーストウッドはこの映画を撮ろうと思ったのか、その意図するところを見極めようと思いながら見ていた。

それはイーストウッドが特にここ十数年、たなびく星条旗にゆらめく光と影を一貫して切り取ってきたからだ。

そういう点で今回の映画は、太平洋戦争の趨勢を決めた硫黄島の戦いで摺鉢山の頂上に星条旗を掲げた兵士たちが戦争の英雄に祭り上げられ人生を狂わせていく「父親たちの星条旗」を想起させる。

しかし、かの作品が、国家が個人を時に無視し、時に酷使し、そして利用し使い捨てるという戦争が持つ根本原理を冷徹に捉えていたのに比べると、今回は終わりのない復讐劇という戦争のもう一方の根本原理を強調しているとはいえ、より個人の意志にクローズアップされていて、戦争を遂行する国家の欺まんが見えてこないのがやや中途半端な印象。

ただ、70年前の「硫黄島からの手紙」の時代とは異なり、戦場でドンパチやってる最中の夫と祖国にいる妻が携帯電話一本でつながってしまう地理的・時間的制約のない現代においては、戦争の毒は国家の大義というフィルターを介在せずダイレクトに個人に帰結し侵食してくるといえるのかもしれない。

その中でこの映画が衝撃的なのは、獰猛な狼からか弱き羊を守る番犬になれと教えられてきたクリスがイラクで見たものが、か弱き羊であるはずの女子供が狼の皮をかぶらされる現実だ。さらに、番犬を自負しているはずのクリスが彼らにとっては獰猛な狼でしかないという事実をまざまざと見せつけられるのだけど、当の本人はその当たり前の事実に思い至っていないばかりか、イラク人は野蛮人だ!というところで思考停止してしまっているところが暴力の連鎖のらせんから抜け出せないアメリカの哀しみを表しているようでなんともむなしくなってしまった。

大量破壊兵器あるある詐欺でイラクに攻め入ったアメリカ自身がイラク戦争を総括するには(テロとの戦いという言葉にすげ替えるのではなく)まだまだ時間がかかりそうだけど(ていうか永遠にできないかも!?)、その評価が定まった時にどのようなスタンスの映画が作られるのか興味があるところだ。

そういう点では今回の映画化はまだ時期尚早だったのかな、という印象かなぁ・・。

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ジャーヘッド

Dvd_070104_01出演:ジェイク・ギレンホール、ピーター・サースガード、ルーカス・ブラック、クリス・クーパー、ジェイミー・フォックス

監督:サム・メンデス

(2005年・アメリカ・123分)DVD

評価★★★☆/70点

内容:祖父の代から3世代続けて米軍海兵隊員となった18歳のスウォフォードは、過酷な訓練を経て、わずか8名の斥候狙撃兵に選ばれる。そして、クウェートにイラクが侵攻したことにより、スウォフォードはサウジアラビアに派遣される。ところが、灼熱の砂漠には敵兵どころか人っ子一人いない状況で、ひたすら指令を待つ日々が続く・・・。実際に湾岸戦争に従軍したアメリカ人青年が記したベストセラー・ノンフィクションの映画化。ちなみにジャーヘッドとは、米軍海兵隊員の丸刈り頭を揶揄した呼び名。

“先生の言うことをきかない超ワル生徒ばかりの男子校180日間強制林間学校!”

行く先は、、、果てしない砂漠です・・・。

テント設営は塹壕掘りに、飯ごう炊きは“焼き印”押しに、ハイキングは砂漠の行軍に、海水浴は油の黒い雨に、バーベキューは人間の丸焼きに、キャンプファイヤーは燃え上がる油田に、オリエンテーリングは肥溜め掃除に、肝だめしはアラブ人と地雷との遭遇に、枕投げは手榴弾投げに、花火はマシンガンの乱射に・・・。

“待つ”ということを知らない今の若者たち、その持てあますエナジーとアドレナリンと射精を封印し抑え込むのに最適のプログラムをご用意させていただきました!

その名も「砂漠の嵐」プロジェクト!

これで恋人や奥さんも安心して他の男とヤリまくれます、、っておいおい

いや、そういうシュールな青春映画なんだなこれは(笑)。

自分の怒りや悲しみといった感情と思いの持って行き場のない孤独感や焦燥感、苦悩と葛藤。そういうのが、おバカばかりやってる彼ら=ジャーヘッドの姿を通して痛々しく描き出されていく。

しかもそれをダラダラとした日常ではなく、ダラダラとした戦場を舞台として描いたのがなんとも秀逸で、なにかとドラマティックさとショッキングさを求めがちな戦争映画にあって、今まで見たこともないような作品に仕上がっていたと思う。

ジェイク・ギレンホールもいつの間にやら脱皮して良い役者さんになりつつあるし。なかなかの映画だったな。

しかし、「ディア・ハンター」(1978)をああいうふうに使っちゃうとはねぇ・・

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スリー・キングス(1999年・アメリカ・115分)WOWOW

 監督・脚本:デイビッド・O・ラッセル

 出演:ジョージ・クルーニー、マーク・ウォルバーグ、アイス・キューブ、スパイク・ジョーンズ

 内容:特殊部隊少佐のアーチー・ゲイツら3人は、イラク軍がクウェートから奪った金塊の隠し場所を記した地図を手に入れる。彼らは、金塊を詰めても決して破れないルイ・ヴィトンのバッグを手に、イラク領内に侵入するのだが・・・。戦争映画の常識を覆すノリノリの良さがとにかくスゴイ1本!?

評価★★☆/50点

こんなお気楽に戦争を描ける国はもはやアメリカしかない!

そしてこんなお気楽に戦争批判できる国もアメリカしかない!!

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戦火の勇気(1996年・アメリカ・117分)WOWOW

 監督:エドワード・ズウィック

 出演:デンゼル・ワシントン、メグ・ライアン、マット・デイモン

 内容:米軍大佐サーリングは、湾岸戦争で戦死した女性パイロットの死の真相を追う。ある者は彼女を臆病者と呼び、ある者は英雄として尊敬しており、彼は混乱するのだが・・・。

評価★★☆/50点

“胸にぎょうさん勲章付けていったい人間どのくらい殺したん・・。”

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クライシス・オブ・アメリカ(2004年・アメリカ・130分)DVD

 監督:ジョナサン・デミ

 出演:デンゼル・ワシントン、メリル・ストリープ、リーブ・シュレイバー、ジェフリー・ライト

 内容:湾岸戦争時、現在は政界で活躍するショー軍曹に命を救われたマルコと部下たちは、今だ戦争の悪夢に悩まされていた。原因を調査したマルコは、自分たちがマインドコントロールされていたことに気付く・・・。

評価★★★/60点

ヤバイ、ふ、冬彦さんが頭にこびりついて離れなくなった・・・。メリル・ストリープはさながら野際陽子か。。

でも、こういうのってX-ファイルで何回も見た気がするんだけど。

様々な方面に外敵を求めてきたハリウッドが次にめっけたのは、多国籍企業か。。

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