夢のシネマパラダイス168番シアター:博士と彼女のセオリー
博士と彼女のセオリー
出演:エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ、チャーリー・コックス、エミリー・ワトソン、サイモン・マクバーニー、デヴィッド・シューリス
監督:ジェームズ・マーシュ
(2014年・イギリス・124分)WOWOW
内容:1963年、ケンブリッジ大学大学院。理論物理学を研究し天才物理学者として将来を嘱望されていたスティーヴン・ホーキングは、詩を学ぶジェーンと出会って恋に落ち、公私ともに充実した日々を送っていた。ところが、スティーヴンは難病のALSを発症し、余命2年と宣告されてしまう。それでも2人は共に病気と闘う覚悟を決め結婚する道を選び、のちに長男のロバートも誕生する。そしてスティーヴンは、研究者としての名声も得ていくのだが・・・。
評価★★★☆/70点
たったひとつで宇宙の全てを説明可能な方程式=統一理論を見つけようとする天才物理学者スティーヴン・ホーキング博士。
しかし、神をも恐れぬ領域に足を踏み入れる博士でも、余命2年と診断されながら50年以上も神から生を与えられている奇跡と、“愛”という不思議な方程式だけは解けなかったようだ。
天才数学者ながら精神分裂病にさいなまれるジョン・ナッシュの半生を描いた「ビューティフル・マインド」で、“愛”という方程式が全てを解き明かすという最終理論に到達するのとは正反対だったねw
とはいえ、両作ともに妻の献身には頭が下がるばかり。まぁ、本作の場合、敬虔なクリスチャンである妻と無神論者で自分の研究が神をほふることになっても構わないと考えるホーキング博士の陰と陽の関係性が見どころでもあるんだけど、原作者が妻であるため彼女の自立心の強さが強調されているとともに、夫の介護のはざまで揺れ動く葛藤と下した決断にいたる心の移ろいがよく伝わってきた。
エディ・レッドメインも素晴らしかったけど、より難しい役どころという点ではフェリシティ・ジョーンズも女優賞ものだったと思うんだけどなぁ。この2人は今後も要チェックだね。
P.S. ホーキングが果たそうとしている統一理論というのは、映画において量子論と相対性理論をくっつけようとするものだと説明があったけど、従来水と油だという両論からして全く知識外なので頑張ってちょっと調べてみた。
で、、自分で要点をまとめることができないほど何が何だか分かりませんでしたww
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ビューティフル・マインド
出演:ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、エド・ハリス、クリストファー・プラマー
監督:ロン・ハワード
(2001年・アメリカ・134分)MOVIX仙台
評価★★★/60点
内容:プリンストン大学の大学院に進学したジョンは、独創的理論を研究し続け、目標だったウィーラー研究所へ進む。しかし、そんなジョンが政府の機密任務をまかされることになり・・・。ノーベル賞を受賞した数学者、ジョン・ナッシュの伝記をもとに、精神分裂症に苦しみぬいた彼と妻アリシアの苦悩の人生を描いたサスペンスフルな実話ドラマ。アカデミー賞では作品、監督、助演女優、脚色賞を受賞。
“う゛っ、ヤバイ・・・。映画見てる最中、モルダーとスカリーがサブリミナルの如く何回も画面に登場してきた。明らかにこれは自分だけにしか見えない幻覚症状と思われ”
宇宙人の植民地化計画か!?腕に埋め込まれたチップは宇宙人に誘拐された時のものか!?政府は何かを隠しているのか・・・!?って途中まで「X-ファイル」の話かと思いながら見ていたけどw、終わってみれば“愛”という完全無欠の方程式が全てを解き明かすというお話だったんだね。
文系人間の自分からすると、群れているハトの動きからアルゴリズムを抽出するのに没頭するようなヘンテコ理系人間&インテリを鼻にかけるような人物であるジョン・ナッシュははなっから受け付けにくいキャラクターなんだけど、そんな取っつきにくい旦那に無償の愛を傾ける奥さん(ジェニファー・コネリー)の献身に心動かされてしまった。
だから、ジェニファーのアカデミー女優賞は大納得なんだけど、作品賞まで受賞するほどの力作だったかといえばやや疑問符のつくところ。
1つ1つのシーンやプロットが、映画の中で雑誌や新聞の文字や数字がパッパッと自然に浮かび上がっては消えていくのと同じようにどこか散文的で、全体的なインパクトには欠けてたかなと。
まぁ、人間ドラマ、サスペンス、ラブストーリーに難病ものとオールマイティなジャンルの垣根を取っ払ったつくりであることが逆に間延びしたような中途半端な印象を受けた要因なのかも。
あとは、なんで彼がノーベル賞取ったのかがよく分かんなかったのもいかがなものか・・w
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイ、マシュー・グード、ロリー・キニア、マーク・ストロング
監督:モルテン・ティルドゥム
(2014年・米/英・115分)WOWOW
内容:第二次大戦下の1939年。英国政府は解読不可能とされていたドイツ軍の暗号機“エニグマ”の解読のために、ケンブリッジ大学の天才数学者アラン・チューリングやチェスのチャンピオンなど精鋭6人が諜報機関MI6のもとに集められた。ところが、チューリングだけは共同作業に加わろうとせず、一人で勝手に変なマシンを作り始めてしまい、孤立を深めていくが・・・。
評価★★★/65点
戦争は情報を制した方が勝つというけど、その最大の功績者が同性愛者としてわいせつ罪に問われ、日の目を見ることなく人知れず自死していたというなんとも哀しいお話で、正直後味は悪い。
さらに、エニグマ暗号機の解読に成功した後、それをドイツ軍に気付かれないように負け戦を適度にはさみつつ、勝利と終戦へのロードマップを描いていた、つまり誰を生かして誰を見殺しにするのか神の目になって自国民を選別していたという事実に驚愕
戦争というのはどこまでも非情で惨いものなのだと実感した。
ただ、映画として面白かったかどうかといえば、知的興奮の刺激材料として格好の題材である暗号解読や二重スパイといった情報・心理戦といったエンタメ視点よりも、問題解決のためにあらゆる手から最適解を導き出すのに愛や感情は弊害でしかないという機械の考え方に徹するチューリングの苦悩と、その裏に秘められたいびつともいえる純愛というパーソナルな方向にベクトルが向いていて、しかもチューリングの性格が天才につきものの社会性のない変人なので、ちょっと付いて行きづらかったかなぁと・・。
例えば、「アマデウス」における天才変人モーツァルトと凡人常人サリエリのような関係性を持つ人物視点で描いた方が理解しやすかった気も。今回の映画でいえばヒュー・アレグザンダーなのかな。
しかし、そもそもなんで“天気”“ハイル”と“ヒトラー”という単語をクリストファーに入力するだけで解読につながるのか、その暗号解読の仕組みとか原理がいまいち分からなかったので、、う~むむむ
まぁ、その3語が1400万人を救ったというのはスゴイ話だけどね。。
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