夢のシネマパラダイス458番シアター:謝罪の王様
謝罪の王様
出演:阿部サダヲ、井上真央、竹野内豊、岡田将生、尾野真千子、荒川良々、濱田岳、高橋克実、松雪泰子
監督:水田伸生
(2013年・東宝・128分)WOWOW
内容:帰国子女の倉持典子はある日、ヤクザの車相手に追突事故を起こしてしまい、うまく謝罪できないまま法外な要求を突きつけられてしまう。そんな彼女が頼ったのは、謝罪のプロだという東京謝罪センター所長、黒島譲だった。そして、黒島の見事な謝罪テクニックで窮地を脱した典子は、そのまま黒島のアシスタントとして働くことに。やがて2人は、大小様々なトラブルを抱えた依頼人から舞い込む様々な事件に遭遇していく・・・。
評価★★★★/80点
クドさとウザさとしつこさにかけては右に出る者がいない東西横綱のクドカンと阿部サダヲが揃い踏みってことで、ただでさえそのアクの強さが癇に障ることがままあるのにw、2人にタッグを組まれちゃどうにもならないというのは「舞妓Haaaan!」で実証済み(笑)。
なので今作も胸焼け覚悟で見たんだけど、オーバーリアクションとハイテンションの暴走に陥ることなく意外にバランスが取れていて、今回のクドカンワールドはかなり面白く見られた。
日本の謝罪文化を面白おかしく茶化していくどえらい発想力に加えて、それぞれのエピソードに控えめな繋がりをもたせる筋立ても良かったし、ボケとツッコミの按配が「あまちゃん」レベルのベタなライト感覚に落ちついていて見やすかったのが大きかったのかなと。
特に、脇役陣のコメディセンスを生かしたボケに対し阿部サダヲがツッコミに回って、さらにその上段から井上真央がツッコミを入れるという構図がことのほかハマっていたと思う。
要するにこれは阿部サダヲの抑え込みに成功したともいえるんだけど(笑)、個人的にはこれくらいがちょうどいいw
ウザさは岡田将生が、クドさは高橋克実が全部持ってっちゃったしねww
最後の方は大味な展開になったけど、楽しい映画だった。
--------------------
なくもんか(2009年・東宝・134分)WOWOW
監督:水田伸生
出演:阿部サダヲ、瑛太、竹内結子、塚本高史、皆川猿時、片桐はいり、鈴木砂羽、陣内孝則、伊原剛志、いしだあゆみ
内容:幼い頃に両親の離婚で父親に引き取られた兄・祐太だったが、父は大金を抱えてトンズラ。その後は東京の下町商店街でハムカツが名物の惣菜屋夫婦の所でお世話になり、今では店の二代目を継ぐまでになった。一方、母親に引き取られた弟・祐介だったが、母が事故死してしまいドン底の少年時代を送る。その後お笑い芸人を目指した彼は、コンビを組む大介と兄弟漫才で一躍スターダムに登りつめるが・・・。
評価★★★/60点
泣くもんかというわりには泣いてばっかりじゃんと思ったけど、話が進むにつれてグダグダ感がハンパなくなっていって、沖縄入り後はもう惰性で見ていたかんじ
最後まで見れはしたけど、なんかこう突き抜ける面白さはなかったよね。散発的な小さい笑いが大きな笑いや感動につながっていかないツマラなさといえばいいかな。まぁ、フォーマットとしては人情喜劇なんだけど、寅さんや三丁目の夕日といった王道を意図的に外していて、そこがビミョーな違和感として映ったのはあると思う。
ただ、その王道の人情喜劇は、どんなにハメを外しても家族という帰る場所があると同時に、人間関係が筒抜けなほど密な共同体がなければ成立しないものなんだけど、地方の商店街はシャッター通りと化し、共同体どころか核家族という形態すら危うくなっている現代ではそもそものところで人情喜劇自体が成り立たない時代といえるわけで。その中で主人公が究極の八方美人にならなければ人情喜劇は成り立たないんだというある種のパロディになっているといえるとは思う。
しかしそれは近所のおばあさんの家で起きた窃盗事件の犯人に疑われてしまったように非常にもろいものであり、そのことをクドカンも重々承知した上でシナリオの筆を進めているんだけど、どこかでそれが足かせになって散漫になっちゃってて、そういうところが何かすっきりしないものとして残るゆえんになっているんだよね。
まぁ、クドカンにとってはチャレンジだったろうけど、全体的に中途半端だったといわざるをえない。
ただ、役者陣の健闘はプラス要素で、これがなければ途中でホントに放っぽり出すところだった・・・
でも、あのハムカツ食いてぇー!作り方見てると、相当カロリー高そうなかんじはしたけど(笑)。
--------------------
舞妓Haaaan!!!(2007年・東宝・120分)WOWOW
監督:水田伸生
出演:阿部サダヲ、堤真一、柴咲コウ、小出早織、京野ことみ、吉行和子、伊東四朗
内容:平凡なサラリーマン、公彦。彼は高校時代に修学旅行先の京都で舞妓に出会って以来、いつか舞妓さんと野球拳をするという夢を抱いていた。そんな中、念願の京都支社への転勤命令が下り、彼女を捨てて京都入り。颯爽とお茶屋デビューをしようと意気込む公彦だったが、「一見さんお断り」という壁が立ちふさがるのだった・・・。
評価★★/45点
阿部サダヲを主役に据えるなら小文字のaが4連続付くくらいのテンションで突っ走る映画しかないよなとは思ってたけど、これほどまでにハチャメチャなものだとは予想をはるかに超えていて、途中からついて行けなくなった・・・。
ただ、植木等(これが遺作になった)が出てきて、ああ、これは「無責任シリーズ」なのねと妙に合点がいったけど、時すでに遅く。。
“一見さんお断り”の映画ってこういうことをいうのだね・・(笑)。。
« 夢のシネマパラダイス371番シアター:パニック・イン・パニック | トップページ | 夢のシネマパラダイス279番シアター:超高速!参勤交代 »
« 夢のシネマパラダイス371番シアター:パニック・イン・パニック | トップページ | 夢のシネマパラダイス279番シアター:超高速!参勤交代 »
コメント