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2016年1月10日 (日)

夢のシネマパラダイス196番シアター:タイタニック

タイタニック

T0012774p出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、ビリー・ゼーン、キャシー・ベイツ

監督・脚本:ジェームズ・キャメロン

(1997年・アメリカ・195分)仙台第1東宝

評価★★★★★/95点

内容:1912年4月15日に起こった、1513人の死者を出すという史上最大の海難事故であるタイタニック号の沈没に、若い恋人たちのロマンスを絡めたスペクタクル超大作。ジェームズ・キャメロンが企画から完成まで5年の歳月を費やした執念の映画化であり、製作費2億ドル以上という映画人生を賭けた一世一代のブロックバスター映画となった。巷ではマイケル・チミノ監督の「天国の門」のように製作会社もろとも沈没するのではないかとも囁かれていたが、蓋を開けてみれば世界53カ国で歴代興行収入ナンバーワンを記録、98年秋には全世界で18億ドル以上の興行収入を上げた。さらにアカデミー賞でも作品賞など11部門でオスカーを獲得するという快挙を成し遂げた。

“タイタニックの映画チケットを手に入れたのは映画人生最高の幸運だった。”

そして、全く期待しないで映画を見に行ったおそらく最初で最後の映画なのではないかと思う。

自分の期待できそうな映画以外は絶対劇場では見ない性質の自分は、タイタニックも当初は劇場に見に行く気など毛頭なかった。公開直後にチケットを手に入れたにもかかわらずである。TVの懸賞で当たっちゃったんだよなぁこれが・・・。

とにかくチケットが手に入りタダで観れるのにもかかわらず自分は重い腰を上げて劇場に足を運ぶ気が全く起きなかったのだった。

理由は簡単。

約3時間という長さ、公開前、映画タイタニック号の沈没の予感を煽っていたマスコミ媒体を腐るほど目にしていたことによる映画そのものに対するネガティブ思考、ようするに面白くもなさそうな映画を3時間も固いシートに座って見てなきゃならないのかよ、てな思いにとらわれてしまったのだ。

ところが、事態は意外な方向に進む。

「タイタニック」がゴールデングローブ賞ドラマ部門で作品賞を獲ったというではないか。

え゛ッ?見事予想通りに沈没したんじゃなかったの?と「タイタニック」のことなど頭の片隅にも無かった自分にとっては驚くべきニュースだった。が、それでも見たいという気にならなかった凄んげぇ頑固な男

しかし、映画公開から1ヶ月くらい経ったちょうどこの頃から自分の周りでも「タイタニック」はスゴイ、泣ける、という声がちらほら聞こえてくるようになる。

そして遂に事態は予想をあまりにも超えた展開をみせてしまう。

アカデミー賞11部門受賞の快挙!

ってこりゃ快挙どころの話じゃないな、とやっとで重い腰を上げることを決意するに至る。しかし、まだ心のどこかにはこの映画に対する懐疑心がうずまいていたのはたしかだ。

ま、タダで見れるしな、、が、アカデミー賞後「タイタニック」フィーバーがさらなる盛り上がりをみせていたことなど当時の自分はこの時知るよしもなかった。

1998年4月某日、劇場に足を運ぶ。。がなんと、ちょ、ちょ、長蛇の列が。

え゛っ?映画公開から4ヶ月以上経ってるのに何なのこれ、とただ仰天呆然とするばかり。

結局東北随一の収容人員を誇るであろう館内は定員オーバーで、最後列の端に連れを座らせることはできたものの自分はその後ろで立ち見、、3時間もつのかオレ!?

考えてみりゃその前年の「もののけ姫」も立ち見、もっと遡ると「スピード」も立ち見なんだなこれが。。

「タイタニック」風にいえば、自分はいっつも3等船客で根無し草なのさ、座席に縛られることもなく自由気ままに映画を見ることができるんだいww

そして開演・・・ムムムッ、こ、これは。

セピア調で始まる冒頭を見てこの映画の凄さを一瞬にして肌で感じることができた。

そのまま自分は映画とともに深海800メートルまで吸い込まれていった・・・。なんとも単純なヤツなんだなぁ我ながら。

そして結局ふたを開けてみれば、瞬く間の3時間。劇場が涙の洪水で見事沈没してしまいましたとさ、、という素晴らしいオチまでつく始末。かくいう自分もがむしゃらに泣きじゃくる立ち見のオバサンを見て、人前であんなに泣けるなんてスゴイねと他人事のように感じていたら、不覚にもラストで涙腺の防波堤決壊・・・。

涙腺攻撃の第1波、2波まではなんとかこらえていたのに、ホントなんともあざといラストの演出にしてやられた。

海底に沈んでいる朽ち果てたタイタニックにカメラが迫り、なめるように内部を進む、と画面横から光が射し込み、当時の美しいタイタニックの姿に変わる。するとカメラがドアの方に曲がり、ドアマンがドアを開けて中に招き入れる。中にはタイタニック号を設計したアンドリュースをはじめとして大勢の人が。

そして階段の上の時計台にはジャックが。カメラはそのままジャックの方へ向かう、と画面がグルッと回転、ローズが階段をかけ上がる姿が写る。

ここでこのカメラはローズの目線だったのかということが分かる。

そしてキス。まわりは万雷の拍手。船長やローズの母親ルースといった姿も見える。てか出演者全員っしょあれって。憎っくいねえあの演出。

この場面にかぎらずCGとベタオーソドックスな古典恋愛の見事な融合というべきか、心憎い演出が随所に見られる。

さらに憎っくいということで忘れてはならないのがキャルね。

この恋敵、ローズに腐れ人間とまで言われる悪役キャルがいなければこの映画にどっぷり浸かることもできなかったはずだ。目を吊り上げたときの眉の上がり方なんかは悪役造型としては最高。ローズに食らわせる瞬発ビンタ、「子供がいるんだ!子供がいるーーッ!」と何食わぬ顔で救命ボートに乗り込む男。

ま、こいつも哀れでかわいそうな男ではあるんだけど。ムカツキ度で上をいくのは間違いなくローズのオカンであるルースだし。とにかく悪役ビリー・ゼーンに拍手。

ほとんど期待もせずに見た映画で感動してしまうことほど嬉しいことはないし、映画体験として心にも残りやすい。

まさに自分は氷山で頭をぶん殴られるような衝撃をこの映画に受けたのです。

沈みゆくタイタニックで奏でられる悲しいバイオリンの旋律を今でも忘れることができない。

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ポンペイ

164464_01出演:キット・ハリントン、キャリー=アン・モス、エミリー・ブラウニング、ジェシカ・ルーカス、ジャレッド・ハリス、キーファー・サザーランド

監督:ポール・W・S・アンダーソン

(2014年・アメリカ・105分)WOWOW

内容:西暦79年、イタリア中部の都市ポンペイ。かつてローマ軍に滅ぼされたケルト人騎馬民族の唯一の生き残りであるマイロは、奴隷に身を落としながらも、復讐を胸に秘め、グラディエーターとして生き永らえていた。そんなある日、マイロは街の有力者の娘カッシアと出会い、やがて2人は身分違いの恋に落ちていく。しかし、ローマの元老院議員コルヴスの横やりが入り、コルヴスはマイロを抹殺しようとするが、そんな中、近隣にあるヴェスヴィオ火山が大噴火する・・・。

評価★★☆/50点

身分違いの恋を描くメロドラマと、一大都市を丸ごとひとつ滅ぼしてしまう大噴火のディザスタームービーと、古代ローマを舞台にした歴史劇という3要素を取り入れた欲張り映画。

つくりとして第2の「タイタニック」あるいは「グラディエーター」を狙ったのかどうかは知らんけど、フタを開けてみたらどれもがそれぞれの良さをつぶし合ってしまった中途半端な映画に・・・。

もっといえば、人間の復讐劇の怒りの大噴火と、ベスビオ火山の大噴火を重ね合わせて描こうとした構図ともいえるけど、どうあったってちっぽけな前者と後者が釣り合うわけがないんだから土台無理があるんだよね

それよりもポンペイの一般市民の暮らしぶりをもっと丁寧に描いてほしかったし、見る側の期待値としては歴史的にみてもポンペイといえば火山の噴火なのだからそっちをメインに見たかった。

まぁ恋愛劇ひとつとったって肝心の男女2人のキャラに魅力がないんだからどうしようもないんだけどね。。

キーファーが出てるんだから、どうせだったらジャック・バウアーの「24」ベスビオ火山から市民を守れ!の方を見たいww

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