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2016年1月17日 (日)

夢のシネマパラダイス313番シアター:舞妓はレディ

舞妓はレディ

Poster3出演:上白石萌音、長谷川博己、富司純子、田畑智子、草刈民代、渡辺えり、竹中直人、高嶋政宏、濱田岳、岸部一徳、妻夫木聡、津川雅彦

監督・脚本:周防正行

(2014年・東宝・135分)WOWOW

内容:京都の歴史ある花街・下八軒の老舗お茶屋にある日、16歳の春子が舞妓になりたいと訪ねてきた。しかし、鹿児島生まれで青森育ちの彼女は薩摩弁と津軽弁丸出しで、女将さんから最初は門前払いを受ける。が、そこに偶然居合わせた言語学の教授が春子に興味を持ち、舞妓になれるかどうかで呉服屋の社長と賭けをすることになった。そのおかげで、なんとか仕込み(見習い)として置いてもらえることになった春子は、先輩舞妓から芸や立ち居振る舞い、そして教授から京ことばを教わり修行の日々を送っていく・・・。

評価★★★/60点

昭和30年代の集団就職で上野駅に降り立った地方の田舎少女にしか見えないオープニングと、可憐で凛とした舞妓はんにしか見えないラストとではまるで別人のような主人公(上白石萌音)の変貌ぶりは、成長の証を写し撮ったものといえるのだけど、不思議とそれを感じられなかったのはなぜだろう・・・。

と考えると、話の基本設定はオードリー・ヘプバーンの「マイ・フェア・レディ」を完コピしてるんだけど、それに照らし合わせてみれば、やはり主人公のキャラが弱いかなと。

要は、えっ!?この子ホントに舞妓になれるの!?無理だろーwと思わせるミッションインポッシブル感がなかったということ。地元でブーブー言わせてた田舎のヤンキー娘だったらまだしも、津軽の純粋培養娘じゃあやっぱり弱いんだよなぁ。。

あと行き着くところは、なぜにミュージカル!?ってところ(笑)。

ミュージカル仕立ての映画は嫌いではないけど、これは自分の中ではかなり合わなかった

北野武の「座頭市」みたいに、ラストで全員で舞妓はレディ音頭を歌い踊って締めという形にした方が良かったと思う。

花街の文化に対するノウハウやトリビアといった新味にも乏しく、全体的に中途半端な映画だった。

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シコふんじゃった(1991年・東宝・103分)DVD

 監督・脚本:周防正行

 出演:本木雅弘、清水美砂、柄本明、竹中直人、田口浩正

 内容:何でも要領よくすり抜けてきた大学4年生の秋平は、卒業するのに必要な単位をもらうために、教授が監督を務める相撲部に入部しなければならなくなってしまう。しかし、肝心の相撲部は、部員が大学8年生!!の青木ただ1人という有り様だった・・・。

評価★★★★★/100点

こちらの隙をうかがって思わぬところから笑いのツボをおさえた攻撃をしかけてくる。

まさに立ち合いからバランスを崩されまくりで心地よく押し切られてしまう快作!

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ファンシイダンス(1989年・日本・101分)NHK-BS

 監督・脚本:周防正行

 出演:本木雅弘、鈴木保奈美、大沢健、彦摩呂、田口浩正、近田和正、竹中直人

 内容:塩野陽平は東京の大学生だが、実家の寺を継がなければならない宿命を背負っていた。それで住職の資格を得ようと1年間の禅寺修行のため弟の郁生と田舎の山奥の明軽寺に入ることになる。しかし安易な気持ちで構えていた彼を待っていたのは、先輩僧侶のシゴキや苛酷な修行の数々だった・・・。

評価★★★☆/70点

全体的に演出、演技ともにぎこちなさは残るものの、このわずか2年後の「シコふんじゃった」で完成形を迎える周防コメディの原型を見られるという点で見応えがあるし、しかもそれがすでに十分面白いのだから恐れ入る。

その型とは、一般には縁遠い業界をネタに、トリビア的な要素を絡めながらそこに飛び込んでいった素人人間の悪戦苦闘と人間模様をコミカルに描き出すものだけど、今作と「シコふんじゃった」、そして「Shall we ダンス?」までの3作はこのフォーマットを踏襲していて、娯楽性として見事にそれがハマっている。

まぁ、でもこの映画で1番ウケたのは、バブル時代のケバケバしい空気が存分に映し出されていたことだね。

鈴木保奈美の付けてるイヤリングがまるでインカ帝国で発掘された耳飾りみたいで笑えたww

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Shall we ダンス?

Shallwe83_839383x出演:役所広司、草刈民代、竹中直人、渡辺えり子、草村礼子、柄本明、徳井優

監督・脚本:周防正行

(1996年・東宝・136分)

評価★★★★/85点

内容:まじめなだけが取り柄でこれといった趣味もない平凡なサラリーマンの杉山は、ある日電車の中でダンス教室の窓辺に物憂げに佇む1人の女性を見かけ、その姿に目を奪われてしまう。数日後、彼女のことが忘れられない杉山はそのダンス教室を訪れて、生まれて初めて社交ダンスを習い始める。はじめは不純な動機で始めた社交ダンス。しかし、次第に彼はダンスそのものに純粋にのめり込んでいくようになり・・・。

“だからといってダンスをしたいとは思わない。”

やっぱこの映画は「フル・モンティ」であって、決して「リトル・ダンサー」ではない。

世間のしがらみやプライドに縛られる大人たち。そこにはどうしても羞恥心がつきまとってしまう。

どこまでも一途なガキんちょにはなれない。言葉では言い表すことができないけどとにかく好きだ!という一途さと情熱ははっきりいって持ち合わせていない。プロでもないかぎり。

だからこの映画にしろ「フル・モンティ」にしろコメディ要素を加味せざるを得ない。

というかクソまじめに描こうとしてもおそらく勝手に自然にコメディに傾いていくだろう。

そういう意味では、この映画はしっかりと、そしてほとんど確信犯的にコメディ要素のツボを押さえているといってよい。

単に竹中直人を出しとけばそれでよい、それで大丈夫だろうという曖昧な期待と推測はこの映画にはない。近年はそういう使われ方しちゃってることが多いけど、この映画では皆無。

こと周防監督作品の中では彼はちゃんと生きてる。

しかし、一方ではこのコメディ要素は諸刃の剣。

ゆえに冒頭で述べたように、面白かったからといってダンスをしたいとは思わない。心にググググッと迫ってくるところまでには至らなかった。それが諸刃の剣の悲しいさが。

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(おまけ)

Shall we Dance?シャル・ウィ・ダンス?

Shall 出演:リチャード・ギア、ジェニファー・ロペス、スーザン・サランドン、スタンリー・トゥッチ

監督:ピーター・チェルソム

(2004年・アメリカ・106分)2005/05/03・PLEX

評価★★★★/75点

内容:周防正行監督の「Shall we ダンス?」のリメイク。単調な毎日に空虚感を覚えていた弁護士のジョンは、ある日通勤電車の中から見かけたダンス教室の物憂げな美女が気になりだして・・・。

“別格のオリジナル版と比べちゃうとこのハリウッド版は気の抜けた炭酸といったかんじが否めないが、リメイクと思って見なければドライベルモットとラズベリーの入ったバラ色のカクテルといったかんじで十分まとまりのある味に仕上がっている。”

ダンスの上手い下手を夜のベッドテクニックの下ネタ話にするところなどは序の口としても、やはりラストのリチャード・ギアのタキシード姿withバラの花と奥さんとの濃厚キッスを出されたもんにゃこちらはもはやお手上げする他ない。

日本で正面切ってあれを絵にできる役者といったら、田村正和くらいしか思い浮かばない。

あと印象的だったのが、スタンリー・トゥッチ。

この人は自分の中では、「ペリカン文書」で最高裁判事をポルノ映画館でイヤらしい手つきで絞殺するハゲ男という印象がずっとあったのだけど、今作のスパークぶりでまた要危険人物の階段を一段上がったな。

日本で再リメイクするなら、リチャード・ギア役は田村正和、スタンリー・トゥッチは宇梶剛士ってとこかw

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