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2015年12月20日 (日)

夢のシネマパラダイス240番シアター:リトル・フォレスト

リトル・フォレスト夏・秋/冬・春

Poster2出演:橋本愛、三浦貴大、松岡茉優、温水洋一、桐島かれん

監督:森淳一

(夏秋編・2014年・日本・112分/冬春編・2015年・日本・121分)WOWOW

内容:都会になじめず故郷である東北の小さな集落に戻ってきたいち子。近くにスーパーもコンビニもない中、自給自足の田舎暮らしを始めた彼女は、四季の移ろいを感じながら自分の本当の居場所を探していく。

評価★★★★/80点

岩手がロケ地ということで地元県民としては評価も甘くなってしまうとはいえ、それを抜きにしてもめちゃくちゃイイ映画だった。

基本、農作業→料理→食事の繰り返しを日記形式のモノローグで綴っていくエッセイみたいなかんじで、劇映画的かつドラマ的な要素は皆無。それは要するにいち子はもとより両親の不在など重要なファクターについての“Why”をほとんどスルーしているということであり、全編4時間通して見てもそれらの答えは明確には示されない。いち子の自給自足生活が淡々と描かれるだけだ。

なのに、それでも見終わったあと幸福感で満腹になるのは、しっかり地に足のついた人の営みと息遣いが自分の根源的なところにジワジワ響いてくるからだろう。

特にラストのいち子の締めのセリフが良い。

「生きることは、ただ同じ場所をぐるぐる回りながら円を描いているのではなく、“らせん”なのだ。何かあるたびに少しずつ上に伸びたり下に伸びたり横に広がったりして“らせん”は大きくなっていく。そう考えたら、もう少し頑張ってみようって思えた♪」

ようするに“らせん”=成長ということもできると思うけど、里山の暮らしの春夏秋冬1年に渡る定点観測がその言葉の強い裏付けになっていて説得力があるんだよね。

他人に殺させた生き物と、他人が精魂込めて育てた作物を何食わぬ顔で食べている自分にも気付かされたし、ホント感謝しながら食べないと。。良い食育映画でもありました。

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銀の匙 Silver Spoon

138857192490901118227_2出演:中島健人、広瀬アリス、市川知宏、黒木華、上島竜兵、吹石一恵、吹越満、哀川翔、竹内力、石橋蓮司、中村獅童

監督・脚本:吉田恵輔

(2013年・東宝・111分)WOWOW

内容:進学校に通っていたものの受験に失敗した八軒勇吾は、逃げるように大蝦夷農業高校(通称エゾノー)に入学する。もちろんこれまで農業に縁のなかった八軒は、生きた家畜を相手にする酪農実習に悪戦苦闘。また周りの生徒も実家が農家というのがほとんどで、それぞれに具体的な夢や目標を持っており、ここでも劣等感に苛まれてしまう。しかし、御影アキや駒場一郎などのクラスメイトの支えもあり日々成長していく八軒だったが・・・。

評価★★★★/75点

原作マンガ大好き人間としては、キャスティングからロケーション、そしてユルイ笑いが随所に織り込まれた演出に至るまでエゾノーライフをほぼ完ぺきに再現してくれたという点で十分合格点。

まぁ、マンガ自体が特に山場があったりするわけではないので映画化しても盛り上がりに欠ける不安はあったんだけど、北海道の田舎&農業高校あるあるネタをベースに都会暮らし&進学校では味わえない価値観とのカルチャーギャップの中で育まれる友情と成長譚という青春マンガのエッセンスは見事に抽出されていたと思う。

ただ、2時間の映画だとまだまだ食い足りないので次はぜひ連続ドラマで!

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天然コケッコー

1005558 出演:夏帆、岡田将生、柳英里沙、藤村聖子、夏川結衣、佐藤浩市

監督:山下敦弘

(2007年・日本・121分)DVD

内容:山と田んぼが広がる木村町。中2の右田そよは、小中学生合わせて全校生徒たった6人という小さな分校に通っていた。そんな新学期のある日、東京からイケメンの男子生徒・大沢広海が転校してきて、そよの心は波立つ。が、そんな彼女の期待とは裏腹に広海は自己チューでクールなワンマン男で・・・。

評価★★★★/80点

ああ、いい映画だったぁ、、以外の言葉が思いつかない典型的な作品。

おそらく大人の視点でこの田舎を描いていくと「松ヶ根乱射事件」(2006)になるのだろうけど、今回のは徹底的に子供視点オンリーで描くことで大人の出来事が完全にほったらかしになっているのが面白く新鮮で、あらためてこの監督さんの器用さに舌を巻いてしまった。

とはいっても、右田そよ(夏帆)の中2・中3という時期は子供から大人へさしかかる微妙な分岐点であり、天然の世界から打算の世界を垣間見てしまう恐怖や距離感というのはうまく描かれていたと思う。

天然の世界がずっと続いていけばいいのに、、という願望が、いわばノスタルジーなわけだけど、しかし成長するにしたがっていつしかその世界は大人の諸事情とその世界の外にある残酷なほどの“真実”に飲み込まれてゆく・・・。

それは例えば、小学1年生のさっちゃんが1学年上のカッちゃんに厳しいツッコミを入れられてジュース屋さんごっこを拒否られるシーンにも何気なく、しかし印象的に描かれているのだ。

そういうどこにでもある風景、どこにでもある日常、ここではないどこかはいつもここにあるということをこれだけ自然に描けてしまうのだから、この監督さんはスゴイし、なによりも映画というものの素晴らしさにまで気付かせてくれたこの作品に拍手を送りたい。

ようするに、イイ映画なんです

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