夢のシネマパラダイス510番シアター:世界最速の走り屋ども
ラッシュ/プライドと友情
出演:クリス・ヘムズワース、ダニエル・ブリュール、オリヴィア・ワイルド、アレクサンドラ・マリア・ララ、クリスチャン・マッケイ
監督:ロン・ハワード
(2013年・米/独/英・124分)WOWOW
内容:1970年。F3のサーキットで顔を合わせ、宿命のライバルとなっていくジェームズ・ハントとニキ・ラウダ。酒好き女好きの遊び人ながら天才肌のハントと、内省的な頭脳派のラウダという正反対の2人はF1レーサーへとのし上がっていく。1976年、そんな2人は年間チャンピオンを巡って熾烈なデッドヒートを繰り広げていた。そしてラウダ優勢で迎えた第10戦ドイツGPが悪天候の中で開催されるが・・・。
評価★★★/65点
自分が小中学生の頃、アイルトン・セナの黄金期である1990年前後の数年間だけF1をちょいかじりしたことがある自分にとっては、ニキ・ラウダもジェームズ・ハントも全く知るよしもなく・・・。
そんな中で、裸足でパンクした自転車に乗って毎日を人生最後の日のように享楽的に生きている感性・天才肌のハントと、公道では制限速度を守って走り、幸せは敵だとみなすような徹底したリスク管理のもとに生きている理詰め・完璧主義のラウダという好対照なキャラクターは魅力的ではある。
が、しかし、それが死線の淵で繰り広げられるライバル同士のしのぎ合いというカタルシスに昇華できていたかというと、やや中途半端な印象。
2人の関係が水と油というよりは、醤油とソースくらいにしか感じられなくて、つまりはそこに憎しみや怒りといった怨念が介在していないので心情的に盛り上がらないのと、レース外を詰め込みすぎて肝心のチャンピオン争いがダイジェスト的になってしまい、いまいちピンとこないのが乗りきれなかった所かなぁ。
要は感情移入できないんだよね・・・。
コクピットの両側に210リットルの燃料タンクを搭載した死亡率20%の走る棺桶というF1マシンのリスク面ももう少し分かりやすく前面に押し出してもよかったかなと思うし。。
実話ベースだけに脚色しづらい面はあったのだろうけど、全体的にもっと大げさでよかったかなぁ、と。
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出演:アンソニー・ホプキンス、クリス・ローフォード、アーロン・マーフィ、クリス・ウィリアムズ
監督・脚本:ロジャー・ドナルドソン
(2005年・ニュージーランド/米・127分)DVD
評価★★★★★/95点
内容:ニュージーランド南端の町に独りで暮らしている63歳の初老バート・マンローは、1920年代製のオンボロバイク“インディアン”を自ら改造し、ひたすら速く走ることに人生を捧げてきた。そんな彼の夢は、ライダーの聖地、アメリカはユタ州のボンヌヴィル塩平原で行われる記録会に出て世界記録に挑戦することだった!
“人に会ったら名乗って握手。これ鉄則!”
こういう純度120%の善人映画を見せられると逆にあざとさが透けて見えてツッコミを入れたくなってしまうことがままあるのだけど、今回のこの映画についてはどこまでも素直に見ることができた。
なにより25年間夢を追い続けてきた爺さん、バート・マンロー(A・ホプキンス)の人柄に見てるこっちが自然に惹かれてしまうのだから。
デヴィッド・リンチの「ストレイト・ストーリー」に出てくる頑固ジイちゃんを想起させるキャラクターだけど、あっちが時速数キロのトラクターでくるならこっちは時速300キロのモンスターバイクじゃい!
、、、と気を吐いたかどうかは知らないが、1920年ものの熟成ウイスキーならぬタイヤは割れ目だらけフォークはオシャカ寸前の40年以上乗り続けてきたオンボロバイクを、台所のドアの蝶つがいやブランデー瓶のコルクをつぎはぎして改造。もともと時速85キロまでしか出ないマシンを時速300キロのマシンへ生まれ変わらせてしまう。。
この18歳の心を持った御年63歳、心臓に持病有り&尿道つまり気味のジイちゃんの夢を追う一途な姿に、人々は自然に魅かれ、従順になっていく。
うら若きバアさんがベッドに連れ込むくらいだからね、言っとくけど(笑)。
とにもかくにもこのジイちゃんに名乗られ、握手しちゃったらもう終わり。どんな気難しい人間も心優しき人間になって後押ししないではいられなくなるのだから。
ゲイ、インディアンなどのマイノリティから白人に至るまで、まさにアメリカたるところのアメリカ人が、ある意味現実味のないおバカな夢を追う地球の裏側からやって来たニュージーランドの田舎ジジイを無条件で応援する。
日本の格差社会など足下にも及ばないほどの厳しい現実社会が横たわる現代アメリカにおいてアメリカンドリームはもはや過去のものとなっているのかもしれないが、1960年代への郷愁も含めてそれを信じ続けていたいというアメリカの希望と良心があらわになっていると言ったら言い過ぎだろうか。
何十年も夢を追い続けてきてなおかつ60数年も生きてきた人間は、ちょっとやそっとのハプニングが襲ってきても動じない。車輪がポロッと取れても、車体がドテッと横転しても人生とはそういうものなのだと泰然自若として笑顔で受け入れる。
まるで生死にまで動じないかのごときバート・マンローの姿は、しかし死を意識しているからこそ生きることの重みと幸せを噛みしめているのだ。
映画というものはどうあったって人間を描くことしかできないのだということを思い知らされるとともに、それが最良の形で観る者に伝わってくる。
これをおとぎ話だとは言いたくない。
最良かつ最高の映画だと言いたい。
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スピード・レーサー
出演:エミール・ハーシュ、クリスティナ・リッチ、マシュー・フォックス、スーザン・サランドン、ジョン・グッドマン
監督・脚本:アンディ&ラリー・ウォシャウスキー
(2008年・アメリカ・135分)WOWOW
内容:レース界に彗星のごとく現れた若き天才、スピード・レーサー。彼を引き抜くべく巨大スポンサーのローヤルトンは高額のオファーを提示するが、スピードはレース中に命を落とした兄レックスの遺志を継ぐべく、今まで通り父が率いる家族経営の会社を選択する。が、その結果ローヤルトンの執拗な脅しに遭うハメに。スピードは、家族と恋人トリクシーに支えられながら、正体不明のレーサーXと手を組み、兄の命を奪ったクロスカントリーレースに挑む・・・。日本製アニメ「マッハGo!Go!Go!」の実写映画化。
評価★★★/65点
日本のオリジナルアニメはほとんど見たことがなくて、懐かしのアニメ特集といったテレビでかじった程度なんだけど、ふ~ん、、こんな内容だったんだww
という程度の感想しか思いつかないんだけど、まぁ「スパイキッズ」(2001)のレーシングカー版といったかんじで、家族の絆を前面に出してくる構成は微笑ましく楽しみながら見られるんだけど、決定的にレーシング場面に魅力を感じられなかったのが痛い。
ライブ・アクション・カートゥーンと銘打った新次元映像らしいけど、まるで氷上のスケートリンクをスラーッと流れていくかのようで、そこに重力を感じ取ることができないのだ。
それはつまり摩擦抵抗もなければ遠心力も感じられない世界で、端的にいえばスピードを感じ取ることができない。
その中でめまぐるしいカット割りとド派手な視覚映像の洪水がジェットコースターのように流れ込んでくるので、とにかく目ぇ疲れる×2・・。
マッハ号に仕込まれた数々の特殊機能は面白かっただけに、レース映像には疑問符をつけざるをえない。
そういう意味では実写でありながら、どこまでもアニメ的な映像世界の構築にこだわっていて、それはかなりの面で成功していると思うんだけど、それを見て別段心が躍らされることがなかったというのが正直なところ。
でも、ヒップホップ調の主題歌はめちゃカッコ良かったし、大好きな海外ドラマ「LOST」に出てるマシュー・フォックスが重要な役どころで出てくるのも見所で、全体として見れば好きが嫌いを上回ったかんじかな。
それにしても、真田広之、、出る意味あったのか!?
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デイズ・オブ・サンダー(1990年・アメリカ・108分)NHK-BS
監督:トニー・スコット
出演:トム・クルーズ、ロバート・デュバル、ニコール・キッドマン
内容:ストックカーレースに情熱のすべてを燃やす若者の友情や恋を、迫力のレースシーンとガンズ・アンド・ローゼス、ジェフ・ベックなど豪華アーティストのサウンドに乗せて描く。
評価★★/40点
やりたい、見せたい、描きたいところだけをただ箇条書きにして羅列する。典型的なアイドル映画といえば聞こえはいいが・・・。
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トルク(2004年・アメリカ・84分)WOWOW
監督:ジョセフ・カーン
出演:マーティン・ヘンダーソン、アイス・キューブ、モネット・メイザー、ジェイ・ヘルナンデス
内容:無二のスピードとテクニックを持ちながら、身に覚えのない嫌疑をかけられ姿を隠していたライダー、フォードが街に戻ってきた。が、またしても無実の罪で命を狙われることに・・・。
評価★★★/60点
荒馬をバイク馬鹿に換えただけで、基本的に西部劇と変わらない。
ただ、単刀直入な物言い(おバカ一直線と言いなさいw)は嫌いになれない。
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頭文字<イニシャル>D THE MOVIE
出演:ジェイ・チョウ、鈴木杏、エディソン・チャン、ショーン・ユー、アンソニー・ウォン
監督:アンドリュー・ラウ、アラン・マック
(2005年・香港・109分)盛岡フォーラム
内容:豆腐屋を営む父と2人暮らしの高校生・藤原拓海は、父のハチロク(AE86)で豆腐を毎日配達するうちに、いつしか完璧なドライビングテクニックを身につけていた。そんな彼はやがて、峠攻めのスペシャリストを自負する走り屋たちに次々にバトルを申し込まれる・・・。しげの秀一のベストセラーコミックの映画化。
評価★★★/65点
“え゛ーーっ!?で、、、結局・・・”
鈴木杏は援交少女のままジ・エンド!??あの終わり方はないやろう、いくらなんでも(笑)。しばし立ち上がれなかったよ・・・。
拓海となつきのわけの分からん恋愛パートをはじめとして、ストーリー展開としてはB級のどうでもいいかんじの出来なのだけど、しかし一転、峠バトルに関してはAAA級をやってもいいくらい見応えがあり、このてのレーシングバトル映画としては見応えは十分といっていい。
、、が、それもあのいい加減な尻切れトンボのような終わり方に一気に雲散霧消してしまった。
スポーツ万能、勉強オール1、てかんじ・・。
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