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2015年11月10日 (火)

夢のシネマパラダイス133番シアター:“Take Me Out to the Ball Game♪”

KANO~1931 海の向こうの甲子園~

Kano出演:永瀬正敏、坂井真紀、ツァオ・ヨウニン、大沢たかお、チャン・ホンイー

監督:マー・ジーシアン

(2014年・台湾・185分)WOWOW

内容:1931年、日本統治下の台湾。連戦連敗、明るさだけが取り柄の嘉義農林学校野球部は、日本人・台湾人(漢人)・台湾原住民の混成チーム。そんな弱小チームに、かつて名門・松山商を率いていた近藤兵太郎が監督に就任した。そして甲子園出場を目標に掲げたチームは、選手と民族性それぞれの個性を活かした近藤の指導のもと、ついには台湾代表として甲子園の切符を手にする・・・。

評価★★★/65点

日本統治下の台湾を舞台に、日本人、漢人、台湾原住民の混成チームが甲子園目指して奮闘する姿を映し出していくのだけど、植民地統治に対する抗日運動や独立闘争、あるいは人種差別や皇民化の抑圧など同化政策のネガティブな暗い側面がきれいさっぱり消臭されているのは意外だった。

創氏改名された日本名で名前を呼び合い、日本語で会話する台湾の人々に日本を嫌悪する姿はなく、ナチュラルな日常風景のひとコマまで日本化が浸透していたことに驚いた。

以前、テレビ番組で評論家の金美齢さんが、生まれた時から日本語を教わり、日本の童謡を歌い、日本人として育ったと日本統治時代を懐かしそうに話していて、子供の頃に台湾人としてのアイデンティティを覚えたことはなかったと言ったのに対し、逆に日本の評論家がそれはどうなんだと批判するくらいだったけど、考えてみれば50年間も日本統治時代があったわけで。

50年って、自分いま35だよ。生まれて35年、それだけでも長く感じるけど、その間ずっーと外国に統治されていたとしたらよほどの圧政でないかぎり、それが普通だと思うようになっちゃっても致し方ないのかも。。

ただ、今回の映画のように、純朴この上ない美談として語られるのは、まぁ台湾の人が作ったんだからあれだけど、ちょっと違和感めいたものも感じちゃったかな。

甲子園での決勝進出の快挙と、台湾人ピッチャーの初恋相手の出産シーンをかぶせてくるといったクサい演出のオンパレードもあいまって間延びしまくりのノスタルジー調に背中がむずがゆくなることしきりで

韓国映画だったらこうはいかないよなぁ・・w

まぁでも台湾のこと好きになっちゃうよね、こういう映画見ると。

でも、なにより驚いたのが、甲子園の外野フェンスに打球を直撃させるとそこにサインするっていうやつ。そんな時代もあったんだね。

あと、台湾に灌漑水路を作った八田先生と呼ばれていた日本人(大沢たかお)のことももっと知りたいなぁと思った。

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42~世界を変えた男~

04a9df95fc59cc09a04f8c62a9626620出演:チャドウィック・ボーズマン、ハリソン・フォード、ニコール・ベハーリー、クリストファー・メローニ、ルーカス・ブラック

監督・脚本:ブライアン・ヘルゲランド

(2013年・アメリカ・128分)WOWOW

内容:黒人に対する人種隔離政策が公然と行われていた1945年、大リーグのメジャーリーガーは全員白人だった。そんな中、ドジャースのGMリッキーが、黒人リーグで活躍していたジャッキー・ロビンソンと契約を交わした。すぐさま世間の非難の的となったが、ジャッキーは3Aで抜群の成績を残す。そしてついに1947年、ジャッキーはメジャーの舞台に立つが・・・。背番号42が大リーグ全球団の永久欠番となっている史上初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの不屈の人生を描く伝記ドラマ。

評価★★★☆/70点

「ミシシッピー・バーニング」や「ロング・ウォーク・ホーム」など公民権運動の草創期である60年代を舞台にした映画と比べると、人種差別の描写がそれほどどぎつくなく表面的な印象を受ける。公民権運動より20年前はもっと苛烈であったはずなのにだ。

それはあらゆるスポーツ映画の中でベースボールほどノスタルジーを喚起するものはないことが大きいだろうし、なにより40年代のアメリカはまだ穢れのない清廉潔白な古き良き時代という、ここでもノスタルジーと切っても切れない関係にあり、要は40年代とベースボールがくっつくと最強のノスタルジー映画になってしまわざるをえないのだ。

それが描写をソフトにしている大きな要因なのだと思う。

思えばこの時代に黒人の人種差別に取り組んだ映画は皆無に近い(直接的な映画は「手錠のままの脱獄」58年や「アラバマ物語」62年あたりまで待たなければならない)。それ以前に黒人に役がつくこと自体まれだったと聞くけど、あの往年の名作「風と共に去りぬ」に出てくるスカーレット一家に尽くす黒人メイドのように、黒人は白人に対し従順で献身的であることが空気のように当然なこととしてまかり通っていたのだろう。

それを鑑みても、そういう古き良きアメリカの裏の顔が厳然としてあったのだということをもっと突っ込んで描いた方がよかった気もする。

もちろん、差別にスポーツマンシップで立ち向かうジャッキー・ロビンソンの不屈の芯の強さは十分伝わってきたけど。。

しかし、その点でいうと、黒人選手を受け入れようと思い立ったドジャースのオーナー、ブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)の人物像の方により興味を抱いてしまうな。

ちなみに、風と共に去りぬの黒人メイド役でハティ・マクダニエルが黒人初のアカデミー助演女優賞を獲ったのだけど、賞会場では白人とは別の席に座らされたという。

そういう時代だったのである・・・。

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バンクーバーの朝日

928366b88bb8d5fdb499548e16817877出演:妻夫木聡、亀梨和也、勝地涼、上地雄輔、池松壮亮、高畑充希、鶴見辰吾、光石研、石田えり、佐藤浩市

監督:石井裕也

(2014年・東宝・133分)WOWOW

内容:太平洋戦争前の1930年代。カナダに渡った日系移民は人種差別と貧困にあえぐ日々を送っていた。そんな彼らのささやかな心の拠り所になっていたのはカナダのアマチュアリーグに所属するバンクーバー朝日という日本人野球チームだった。しかし、肝心の戦績の方は大柄な白人チームに全く歯が立たない弱小チームで・・・。

評価★★★/60点

朝日という単語からイメージされるような清々しい気持ち良さからはかけ離れたどんよりとした曇り空に終始覆われていて、ついぞそこから晴れ間がのぞくことはなかった・・・。

野球の本場で日本人がスモールベースボールで鼻を明かす爽快感よりも、差別や迫害など日系移民が苦汁をなめた悲愴感の方により力点が置かれている、そんなこの映画の作風をどう捉えるかが評価の分かれ目だと思うけど、少なくともスポーツ映画を見ていて体温が一向に上昇しなかったのはこれが初めてかもしれない

なにせ1時間経たないと本格的な野球シーンが出てこないし、肝心の試合の方も途中経過をすっ飛ばして3-2で初勝利とか5-4で優勝とか一気に片付けちゃってカタルシスのかけらもなく・・・。

まぁ、決勝打が3塁の頭を抜けるボテボテヒットというのは絵になりづらいってのはあるんだけどw、それにしたってスルーしすぎだろ・・。

結局野球は二の次だったというオチだけど、このてのハリウッド映画の山場をふんだんに盛り込む定型に慣れきっている自分にとってはトンだ肩透かしを食らったかんじ。

もちろん背景に横たわる苦難の歴史の重みは描かなければならないけど、バランスの取り方をもっと考えてもらいたかった。例えば登場人物のキャラクターひとつとっても、野球をやるぞっていうメンタルがみんな一様に低くてパッションが全然伝わってこなかったので、誰か一人でも常に上を向いているようなムードメーカーを加えればかなり色合いが違ったと思うなぁ。

だってみんな下を向いてるんだもん・・。ツマンナイよ、そんなの。。

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瀬戸内少年野球団(1984年・日本・143分)WOWOW

 監督:篠田正浩

 出演:夏目雅子、郷ひろみ、佐倉しおり、大森嘉之、岩下志麻、伊丹十三、渡辺謙、大滝秀治

 内容:敗戦直後の淡路島、江坂国民学校5年生の竜太とバラケツらは、新学期になって転校してきた都会風のマドンナ少女に心ときめかせる。一方、彼らの担任の駒子先生は、戦死したと思っていた夫・正夫が実は生還していたことを知るが、正夫の弟との過ちから再会を思いとどまっていた。そんな中、子供たちの野球チームを結成することになるが・・・。

評価★★★☆/70点

野球という題を付けてるのに、まったく野球が描けていないのは小学生の時に少年野球団に入っていた自分としては受け入れがたいものがあるし、それぞれのエピソードもユルユルのペラペラで、それを中継ぎ投手を矢継ぎ早に投入してくるかのごとく詰め込むのも映画としては拙いものがある。

、、のだが、時代の変化にもブレない駒子先生(夏目雅子)の清廉な芯の強さと、それとは逆に時代の変化の波に呑まれていく理髪店主トメ(岩下志麻)のイイ加減っぷりをはじめとする人物像はなかなかに魅力的で、楽天的な程良いお味の映画であったこともたしかだ。

山下敦弘の「天然コケッコー」(2007)や、それこそ篠田監督の「少年時代」(1990)もそうだけど、大人の視点を捨てて完全に子供視点で描いて一本化した方がよりまとまった作品に仕上がったのではないかとも思うけど、まぁこれはこれとしてありなのかな。

こういうのこそ連続ドラマでやってもらいたいんだけどねぇ。。

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フィールド・オブ・ドリームス

Ewanridnn出演:ケビン・コスナー、エイミー・マディガン、レイ・リオッタ、バート・ランカスター、ジェームズ・アール・ジョーンズ

監督・脚本:フィル・アルデン・ロビンソン

(1989年・アメリカ・106分)NHK-BS

内容:アイオワ州に住むレイ・キンセラは、小さなトウモロコシ畑と農場を持ち、妻と娘の3人で暮らしていた。ある日、彼は「農場を野球場にすれば、彼がやって来る」という声を聞き、何かに取りつかれたようにトウモロコシ畑をつぶして野球場を完成させる。そんなレイの前に現れたのは、亡き父がよく話してくれた、1952年に死んだはずの伝説の大リーガー、“シューレス”ジョー・ジャクソンだった・・・。野球を通じて、失われた人々の夢や想い、父子の絆を確認する男の姿をノスタルジックに描いたファンタジー。

評価★★★★/80点

少年野球をやっていた頃、小学校の校庭で練習したり試合するのが常だった自分にとって、県営球場のようなちゃんとした野球場でプレーするのは数えるほどもなかったけど、ベンチからファールゾーンの白線を超えてグラウンドに足を踏み入れる時にめちゃくちゃ緊張して気が引き締まったのを今でも覚えている。

そんな特別な感情を抱かせる土と緑の芝生のピッチ、選ばれし者しか降り立つことができない特別な場所、それは甲子園球場を見ても分かる通り、野球で育った者にとっては夢のつまった聖地である。

ご都合主義と野球好きの夢とノスタルジーだけで出来上がったようなファンタジー映画にあって、唯一無二のリアリティがグラウンド内は神聖な場所であるという不文律なのだと思う。

実際、主人公の奥さんと娘は白線をまたいでピッチには入っていない。あるいは、往年のレジェンド選手たちが人数が足りない中でプレーしていても、主人公は人数合わせでピッチに乱入して加わることをしない。

その一線を超えない、聖地を信じぬく態度がこの映画を土台から支えていて、心を打つのだ。

農園球場に向かう数珠つなぎの車のライトの列を空撮で撮ったラストシーンは、間違いなく映画史に残る名シーンだったと思う。

P.S.

“「それを作れば彼はやって来る」「それを作れば彼はやって来る」「それを作れば彼はやって来る」”

という声が頭の中に幾度となく響いたので、ゴキブリホイホイを作ったら、、、

ゴキブリが4匹やって来た。

「彼の苦痛を癒やせ」、、、「彼の苦痛を癒やせ」「彼の苦痛をやわらげろ」

ゴキブリホイホイの中でジタバタしているゴキブリがいたので、強力殺虫剤アースジェットを激噴射してあげたらピクリとも動かなくなって、苦痛が和らぎ楽になったのは、、、

オレの方だった。。

「最後までやり遂げろ」、、、「最後までやり遂げろ」「最後までやり遂げろ」

そのゴキブリホイホイを手でつかむのが嫌で嫌でしかたなかったのだが、ずっと置いたままにしておくこともできないので、我が命を賭けて手でつかみゴミ袋に入れ、猛烈ダッシュでゴミ収集所に投げ入れてきた。

オレは、最後までやり遂げた!!

が、奴らはトウモロコシ畑の奥に、もといキッチンの物陰に今も潜んでいる・・・。

ノスタルジーもヘッタクレもない、大人のメルヘンたりえないマイルーム・オブ・ドリームスはゴキブリじゃなくて彼女と過ごせる部屋じゃー!

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陽だまりのグラウンド

Hidamari01出演:キアヌ・リーヴス、ダイアン・レイン、ジョン・ホークス、D・B・スウィーニー、マイク・マッグローン

監督:ブライアン・ロビンス

(2001年・アメリカ・106分)DVD

評価★★★☆/70点

内容:ギャンブルの借金を返済するために、シカゴの少年野球チームのコーチを引き受けたコナー。選手たちは低所得者地区に住んでいたが、野球を愛する心は誰にも負けていなかった。

“この映画はベースボール映画と思わないで見た方がよい。だって陽だまりでっせアータ。自分が少年野球やってた頃は暖かな陽気さなんて欠片もない。直射日光がギラギラ照りつける熱風グラウンド!水、、水を下さい、、、水くれー!”

今の練習では違うのだろうけど、自分が少年野球やってた1990年代ちょっと前までは練習中水飲み禁止だったからね。今から思えば小学生なのだから水くらい飲ませろよって思うくらい厳しかった。。もち練習も。何度ケツバットをくらったことか

そこまでのスポ根はこの映画には必要ないけど、しかし野球とベースボールという違いはあるにせよ、あまりにもリアリティがなさすぎる。

いつのまにかものスゴッ高レベルの試合をやってるし、いつのまにか選手権へ行くための決勝戦??プ、プロセスが全くない!?

さらに出生証明だとかステレオ持ち込みだとかは厳しいくせに、ピッチャーに向けてのヤジが半端なく凄すぎるぞ。応援してる親たちまでもが「ヘボピッチャー」の大合唱。考えられん・・wそれともアメリカのリトルリーグではもうすでにプロ根性の免疫を叩き込む教育をしてるのか?

いずれにせよベースボールとしてのリアリティははっきり言ってないと思う。あるとすれば子供たちのベースボールに対する強いメンタリティそれだけ。

そして一方、やけに際立つのがベースボール以外のサイドストーリーのリアリティ。

低所得者層の実態から賭けに至るまで妙に真実味がある。実際めっぽう弱いチームに成り下がってしまったブルズだけに賭けにも力が入るってか?

ベースボール描く方に力を入れてくださいよ、まったく・・・。

そんなだから抑えの切り札としてG・ベイビーをあんなふうにせざるを得なくなったんでしょ。この映画がG・ベイビーを殺したんじゃい

ただ、子供たちのベースボールに対する前向きな心というのはやはりグッとくるものがあるわけで。おそらく野球やったことがない人にも十分伝わってくるはず。

要は何事にも前向きな心を持とうという普遍的な感情を抱かせるという点では別に野球じゃなくてもいいわけで、スポーツだったら何でもよかった、みたいな。

この映画観て真っ先に思い出した「ミュージック・オブ・ハート」みたいに音楽でもよかったみたいな。ようするに何でもよかったんじゃないかなと

この映画はベースボールを描こうとしてるのでは決してなく、ベクトルは全然別の方向に向いてたわけだ。

まずは低所得者層というのが先にあって、そこから映画作りも始まったってわけでしょ。

、、と思ったらやはり脚本はそうだったんですね。納得納得。

野球をちょっとかじっていたがために気になってしまったところもあったけど、そう考えるとまあまあ良い映画かな。

ま、なんだかんだ言って1年に1本は心がポッとする“陽だまり映画”を作ってもらいたいけどね。

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