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2015年11月 8日 (日)

夢のシネマパラダイス597番シアター:ウルフ・オブ・ウォールストリート

ウルフ・オブ・ウォールストリート

20150926122046出演:レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー、マシュー・マコノヒー、ジョン・ファヴロ―、カイル・チャンドラー、ロブ・ライナー

監督:マーティン・スコセッシ

(2013年・アメリカ・179分)WOWOW

内容:1980年代後半のウォール街。22歳でウォール街に飛び込んだジョーダン・ベルフォートは、学歴・経験・貯金はともに0だったがレベル100の話術を駆使して成り上がっていく。そして26歳で証券会社を設立し、年収50億を稼ぐまでになる。さらに常識外れの豪遊ライフで世間を驚かせ、いつしか“ウォール街の狼”と呼ばれて時代の寵児になるのだが・・・。

評価★★★/65点

スゴイ映画である。

何がスゴイって、酒とクスリとSEXと乱痴気騒ぎだけで3時間もの長尺を撮りきってしまったことだ。もっといえば、3時間見続けて何も得られるものがない映画というのもある意味スゴイことである。

それは主人公ジョーダンが最初から最後まで最低のクズ男であることに尽きる(笑)。

アラン・ドロンのような儚く危険な甘美も、チャーリー・シーンのような駆け出しの青さも、マルコム・マクダウェルのようなグロテスクな狂気のまなざしも、あるいはねずみ小僧のような粋でいなせな義賊精神も持ちえない、ただ単に年収50億もの大金を湯水のように使ってウハウハするギャンブル男にすぎない。

パチンコが株取引に変わっただけの話だ。

そこには資本主義の醜悪さを暴き立ててやろうといった道徳的観念は一切ない。例えそれが資本主義の本質を突いていたとしても。

なので、ジョーダンが違法行為に手を染めて逮捕されようがドラッグで目を回そうが、これを目にする自分にとっては空疎感しか生み出さないのだ。

いってみれば無害なことこの上ないのである。

ある意味、ジョーダンという男は、映画史に残るキャラクターともいえる。おそらく記憶に残ることは一切ないだろうが・・(笑)。

破滅しても後悔も懺悔も警鐘もない、ラストに至ってもまだセールストークをこれ見よがしに披露しようとするジョーダンの変化のなさと金儲けに対する飽くなき執着心にはほとほと脱帽してしまったけど、それを入れ食い状態で見つめて聞き入るオーディエンスの顔もまた印象深い。

あの素朴を絵に描いたような顔たち(それはつまりこの映画を見る自分たちでもある)が、欲望に忠実なジョーダンに比べて逆にまるで偽善者であるかのように見えてくるのが何とも言えない余韻を残したとはいえる。ま、自分みたいな貧乏人にはおよびでない映画だけどねw

賞を狙いにいったディカプリオについては、ラリってスプレーを浴びたゴキブリ状態の表現力は強烈だったけど、成長度ゼロの役だっただけに賞に値するかどうかはちょっと微妙だったね。

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ウォール街(1987年・アメリカ・124分)NHK-BS

 監督:オリヴァー・ストーン

 出演:チャーリー・シーン、マイケル・ダグラス、ダリル・ハンナ、マーティン・シーン

 内容:世界経済の中心地NYウォール街を舞台に、証券マンの夢と野望を描いた人間ドラマ。若く野心に満ちた証券マンのバドは、優れた頭脳と度胸で巨万の富を築いたゲッコーに憧れ、自らも一攫千金を夢見ていた。ゲッコーに取り入って着々と実績を上げていったバドは、莫大な報酬と美女ダリアンも手に入れる。しかし、父親の会社がゲッコーの傘下に入り、その結果、ゲッコーの汚いやり口が次第に露わになっていき・・・。マイケル・ダグラスがアカデミー主演男優賞を受賞。

評価★★★★/80点

“わたくしは自由資本主義社会の底辺でのんびり生きていくことに決めました。。はい。”

それが自分が自分であり続ける生き方だと思うから。なーんてね。。

恋なんて人間がでっち上げたおとぎ話だ!と抜かしやがるゲッコー。けっこうけっこうコケコッコー言ってくれるじゃないのクソゲッコー。あんたみたいな人間とはゼッコーですww

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ウォール・ストリート(2010年・アメリカ・133分)WOWOW

 監督:オリヴァー・ストーン

 出演:マイケル・ダグラス、シャイア・ラブーフ、ジョシュ・ブローリン、キャリー・マリガン、スーザン・サランドン、フランク・ランジェラ

 内容:ニューヨークの若き金融マン、ジェイコブ。恋人ウィニーとの交際も順調で公私共に順風満帆の人生を送っていたが、突然会社が破綻。心の師である社長は自殺し、ジェイコブ自身も財産を失ってしまう。それが金融界の黒幕ブレトンの仕業だと知ったジェイコブは、ウィニーの父親で、インサイダー取引の罪で服役していたこともある大物投資家ゴードン・ゲッコーに復讐話を持ちかけるが・・・。

評価★★☆/50点

オリヴァー・ストーンを一言で表せば映画に対するギラギラした情熱とどんな料理でも娯楽作にまとめ上げてしまうド根性といえるけど、その面でこの映画を見ると、ずいぶん丸くなっちゃったなぁと悪い意味での感慨を抱かずにはいられない。

丸くなったというのはまだ柔らかい言い回しで、衰えたといった方が正しいか・・・w

それはそのままゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)の姿にも重なるわけで、その穴埋めとしてまさか中途半端なメロドラマを見せられるとは思いもよらなかったけど、全体的に何を描きたいんだか焦点の定まらない凡作だった。。

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