夢のシネマパラダイス259番シアター:ここに集いし働きマン!
プラダを着た悪魔
出演:メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチ
監督:デヴィッド・フランケル
(2006年・アメリカ・110分)WOWOW
評価★★★☆/70点
内容:一流大学を卒業し、ジャーナリストを目指してNYにやって来たアンドレア。ジャーナリストへのステップアップのためという程度の思いで、一流ファッション誌“RUNWAY”のカリスマ編集長ミランダのアシスタントになったが、オシャレにとことん疎いのが玉にキズ。しかもミランダの次々に繰り出される理不尽な命令に、いつしか彼女の私生活までめちゃくちゃに・・・。
“ネチッこさではメリル・ストリープの上をいくグレン・クロースがミランダだったら、アンディ(アン・ハサウェイ)の人間臭さがもっとほじくり返されたかも!?”
余計なことを考えずにサクサクと進んでいく軽快なテンポと、プラダ・シャネル・ドルチェ&ガッパーナなどのブランドものに彩られた目もくらむような華やかな世界をフツーに楽しめてしまうオシャレ映画。
でありながら、仕事や愛、人生に対する教訓がチクリと差し込まれている健全極まりない映画。でありながらユーモアもたっぷり盛り込まれた、要するに誰が見ても満足できる映画。
それが「プラダを着た悪魔」なのです。
まるで少女マンガに出てくるようなギョロ目のアン・ハサウェイ=アンディの底抜けポジティブシンキングに、なんか自分もガンバってみよう♪と思わされてしまうタメになる映画、、、と持ち上げるのはここまでにしとくか。。
あまりにも喉に引っかからないサクセスストーリーなので、そういう意味では低カロリーな映画なのだけど、そこにちょっと物足りなさを感じちゃったかも。。
特にファッションに全く興味のないダサダサ女だったアンディの変身ぶりは、まんま魔法をかけられたシンデレラそのもの。
酒をあおって悩み泣く人間臭さの塊のようなブリジット・ジョーンズとは対極にあるような女のコ。それでいて可愛い顔の下には要領よく立ち回る術を体得している実にしたたかな女性の面を隠し持っていたりする。
ギョロ目はすべてをお見通しよ!てか。。
天賦の才能ポジティブシンキングを武器に、計算マコちゃんである同僚エミリーを爽やかに蹴落としていくシンデレラの姿はビミョーに怖い。
一方のミランダは、さしずめシンデレラをいじめ抜く継母といったところだが、ミランダの方がよっぽど人間臭さを感じさせる。
特に後半、眼鏡を外した疲れきった表情でアンディに離婚の弱音を吐くシーンは出色で、それまでの強面一辺倒のミランダ女王も一介の家庭持ちの母親にすぎなかったのだとふと思わせてしまう。
十二分に押しつけがましいキャラの中でサラリと現実味を表現できるのはやはりスゴイ。
さすが“美”を追求した「永遠に美しく・・・」(1992)で首を回転させ散弾銃をブッ放したメリル・ストリープだけのことはあるな。“美”に関することになると悪魔になっちゃう性分らしいが・・・。
とはいえこんな人が上司というのは自分だったら絶対キレちゃうけどね。
ハリポタ最終巻の出版前の原稿を持って来いだとか、子供の科学の宿題までやらなきゃならないなんて(笑)。
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ジャッジ!(2013年・松竹・105分)WOWOW
監督:永井聡
出演:妻夫木聡、北川景子、リリー・フランキー、鈴木京香、豊川悦司、荒川良々、玉山鉄二、風間杜夫、竹中直人
内容:ある日、大手広告代理店で働く落ちこぼれ社員の太田喜一郎は、上司の大滝から彼になりすまして世界一のテレビCMを決めるサンタモニカ広告祭に審査員として参加するよう命じられる。さらに、大手スポンサーのバカ息子が作ったちくわのCMを入賞させろという無茶ぶりな指示まで加わり、泣く泣く了解する。しかし、参加するにはパートナーの同伴が必要だったため、太田は優秀な同僚のひかりと偽夫婦になりすまして広告祭に乗り込むが・・・。
評価★★★/65点
CMがウザくていちいち興が削がれるから民放でやる映画を見なくなった自分は、CMなんてこの世からなくなればいいのにとさえ思っているw
そんなCM嫌いにとって、CMフェスティバルなんてほとんど興味を引くことはないネタなのだけど、案の定主人公がサンタモニカ入りし、いざ審査が始まってからのトーンダウンは尋常ではなかった
賞を獲るための裏工作や取引きなど何でもござれの伏魔殿に闖入した丸出だめ男が、バカ正直とペン回しを武器に周囲を変えていくのだけど、「良いものは良い!悪いものは悪い!」という正論だけで最後まで押し切ってしまう青臭さは、コメディとして見ていた自分にとっては全くもってツマラナイばかり。
それこそ賞には絶対入らない“ちくわCM”を妻夫木たちが新たに撮り直すくらいのハッタリが欲しかった。
あと、ツンデレ北川景子がなぜにホクロから毛が生えている男に惹かれていくのか意味不明だったし、舞台を海外にしたのも結果イマイチだったね。海外のCMが断片的に流れてもよく分からないし、せっかくトヨタやエースコックなど実名企業を出してるんだから、ACCとかの国内のCMフェスにすればよかったのに。。
ただ、トヨタウンの実写版ドラえもんCMで妻夫木をのび太に起用したトヨタの眼力はさすがだったことは今回の映画見ると一目瞭然(笑)。これほど純粋なダメっぷりがハマる役者もそうはいないよw
男はつらいよの渥美清、釣りバカの西田敏行に続く松竹喜劇ができるとしたら、その時はぜひ妻夫木で一本!
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摩天楼はバラ色に(1986年・アメリカ・110分)NHK-BS
監督:ハーバート・ロス
出演:マイケル・J・フォックス、ヘレン・スレイター、リチャード・ジョーダン
内容:カンサスからNYへ就職にやって来た青年。だがどこの会社も未経験者を雇ってくれない。そこで遠い親戚が社長をしている大会社に、メール・ボーイとして潜り込むが・・・。
評価★★★★/75点
笑えちゃってしかも憎めない、かぐわしき80年代の香りを、デビッド・フォスターの音楽が心地良く彩ってくれる。これぞ80’s!
当時小学生だった自分でさえも体感ベースとして残っているくらい、なんかイイんだよねぇ。
ときどき80年代の映画を見ると懐かしくそして羨ましくも思ってしまう自分なのでした。今こんな映画作れないっしょ。
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ワーキング・ガール
出演:メラニー・グリフィス、シガニー・ウィーバー、ハリソン・フォード
監督:マイク・ニコルズ
(1988年・アメリカ・114分)NHK-BS
評価★★★★/75点
内容:一介のOLが上司になりすまして、アメリカ証券業界を舞台に大奮闘するサクセスストーリー。
“下着姿がやけに多いというのはともかくとして、1番イイ思いしたのはハリソンだな。。”
ギスギス女キャサリンと寝取り横取り女テスをうまく操り利用して自分の体裁をとかく保ちつつ商談交渉を成立させるジャック。
そして1番手柄はテスにやりつつ、自分もしっかり分け前にあずかる実質的に1番得した人間。しかもギスギス女から寝取り横取り女に乗り換えることにも成功。
でもね、、おそらくこのジャックという男、他にも女いるで。そういう男じゃコイツは。オイラの経験がそう言っているww
まぁ社会的にも1人立ちしたテスにとっては例えジャックとの恋が途中で破談したとしても何ら害にはならないとは思うけども。
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アンカー・ウーマン
出演:ミシェル・ファイファー、ロバート・レッドフォード、ストッカード・チャニング
監督:ジョン・アブネット
(1996年・アメリカ・125分)NHK-BS
評価★★★/55点
内容:テレビの人気キャスターになるのが夢だったタリーは念願かなって地方局へ入社。敏腕プロデューサーに認められて出世の階段を駆け上がっていくが・・・。
“エッ?これって実話なの?だとすると二重に救いようがないな”
そうかぁ。たしかに実話ものによくある詰め込みすぎ感による安っぽさと重心の無さからくる散漫さがこの映画にもあることを考えると、実話というのも頷けはする。
だけど、このリアリティの無さはなんだ?
お天気お姉さんにしては年増のM・ファイファーはまだいいとして、問題はレッドフォード。彼が出てくるだけでリアリティが薄まってしまうというのは致命的じゃないか。
だって「俺は何度か部下と関係をもったことがある。」ってサラッとカッコ良く言っちゃうんだもんなぁ。石田純一レベルじゃないもんな(笑)。
そりゃ言われた女も逆燃えするわな。。
とにかくレッドフォードにはスターのオーラがありすぎてレッドフォードそのものにしか見えず、実話に見えないってとこが痛いね。
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チャンス!(1996年・アメリカ・113分)NHK-BS
監督:ドナルド・ペトリ
出演:ウーピー・ゴールドバーグ、ダイアン・ウィースト、ティム・デイリー、イーライ・ウォラック
内容:ローレルは業界トップクラスのやり手のキャリアウーマン。ある日、後輩のゴマスリ男に昇進を奪われてしまった彼女は、会社を辞めて自分で会社を起こして独立。しかし、男社会のウォール街では女というだけで相手にされずじまい。。そこでローレルは男性パートナーとして架空の人物を作り出すことにするのだが・・・。
評価★★★☆/70点
東の横綱ダスティン・ホフマン、西の横綱ロビン・ウィリアムス。ウーピーは東の関脇ってとこだな。
ハリウッド版扮装番付でした。
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陽はまた昇る(2002年・東映・108分)DVD
監督:佐々部清
出演:西田敏行、緒形直人、篠原涼子、真野響子、渡辺謙
内容:リストラを迫られながら一人の首切りもすることなく、家庭用VTRの分野で当時優位に立っていたSONYのベータマックスを一発逆転で打ち負かし、ついには世界標準にまで上りつめた日本ビクタービデオ事業部の伝説の成功譚。
評価★★★☆/70点
純粋に良かったとはいえるが、あまりにも濁りがない描き方で逆に心に残らないかも。。
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