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2015年7月 8日 (水)

太平洋戦争の記憶シリーズ第8号:広島への原爆投下とポツダム宣言

200903_27_19_f0166919_21113825今号のトピックは昭和20年8月6日、広島への原爆投下だったけど、今回なにより1番興味があったのが新聞記事だった。

原爆について当時の新聞はどう伝えたのか、あるいは伝えなかったのか・・・。

すると意外にも大本営発表は翌日の8月7日、紙面に載ったのは2日後の8月8日と、日本にとって悪い情勢は隠し通し、情報操作することが常套手段だった大本営発表としてはかなり早い。しかもこじんまりとした見出しではあるものの一面トップだし、詳細は調査中としながらも“B29小数機で来襲攻撃”、“落下傘付き空中で破裂”、“人道を無視する残虐な新爆弾”と的確に伝えていて、日本にとって最後の一撃となった原爆投下がいかに衝撃的だったかが推測される。

また、終戦を伝える8月15日の毎日新聞には、理化学研究所の専門家が原子爆弾とはどのような原理のものなのか説明した詳細のほか、9日に広島に調査に入った記者の現地報告も載せられている。

中心地の近くに1台の電車が焼けた残骸のまま停まっていたが、遠目から見るとその中に人がずらりと並んでいる。奇妙な所で休息しているものだなと近寄ってみると、なんとこれは全て死体なのだった。走っている電車の中で突如新型爆弾の一閃を受け、その爆風をこうむった人々が、席に腰かけたまま、あるいは吊り革に下がったままの姿で折り重なっている・・・。

あの日、疎開建物の取り壊しに義勇隊や学生たちが半裸体で忙しく活動していたが、魔の一閃は彼らの露出した皮膚面を一瞬に焼き尽くし、つるりと剥けた皮膚をあらわにしながらその場に悶え倒れたまま再び起き上がることはなかった。そしてそれに引き続いて起こった火災のため一片の骨すら残らずに焼かれてしまったのだ・・・。

鉄兜をかぶっている人々の一群が多数この災に遭ったところがあった。そこでは焼け跡に点々と鉄兜の残骸がみられたが、その中には人々の頭蓋骨が残っていた・・・。

9日に広島に到着した際、主要道路には1個の死体を見ることさえなく、その焼け跡の清掃の行き届いていることに感激したが、実はよくよく調べてみるとそうではなかった。中心地付近でふた抱えもあると思われる楠の木がへし折られるほどの爆風が真上から作用したので建物は完全にペチャンコに押しつぶされ道路にはみ出した物はなかったわけなのだ。しかも烈火がその跡を焼き尽くしたゆえに道路はきれいなままだったのだ。それに広島の焼け跡を見て特に感じたのは、コンクリート建物以外何も残っていないことだった。他所の焼け跡には必ず見られる土蔵の残骸がひとつもないのだ。爆風の強さがいかに強烈なものであったかが窺われる。”

と、このように広島の惨状は伝えられているものの、なんと8月9日に投下された長崎については一言も触れられていない。長崎への原爆投下は国民には知らされなかった・・・。

また、史上空前の残虐爆弾と銘打っておきながらも、肝心の放射能についてはほとんど触れられておらず、放射線よりも紫外線の方が大きく取り上げられている。

“輻射線(紫外線を主とし熱線および可視光線を伴う)の影響は爆発中心地に近いところの人は強度の火傷を受け、離れた地点の人は露出した皮膚に1度ないし2度の火傷を受けている。また輻射線の特殊の影響として次の現象が挙げられ、この光線は紫外線ではないかと思われる点が多い。

一、ガラス窓の内側にいた人は爆風力による裂傷を受けてはいるが火傷は受けていない。紫外線はガラスを通過しないからである。

一、白色の衣服を着た人はその衣服は焼けていないが、黒色または国民服の衣服は焼けている。また駅に掲示してあった列車時刻表の黒字が焼けているにかかわらず白紙には影響がなかった。なお中心点の建造物の室内でアルミの飯盒を手にしていた3名が全身無事だったのに飯盒を持っていた手が激しい火傷を受けている。これは窓の位置の関係でその部分のみが光線に当たりアルミに乱反射したものと思われる。

一、川の魚が背を焼かれて2日後に死んで浮き上がってきたのは、紫外線が数十センチならば通過するからそのための現象であろう。”

その上で新型爆弾への対策として挙げられているのが、

一、雨天または曇天の日は輻射線は雨滴に乱反射して効力が減少するが爆風圧に変わりはない。異常の閃光を中空に認めたときはすぐに遮蔽物に隠れるか、間に合わないときは伏せること。そして折り目をつけた白色の衣類を着用するか常携すること。警報発令中は防空頭巾と手袋をつけ、また帽子の後ろに白色の垂れをつけること。紫外線除け眼鏡(今でいうサングラス?)は非常に有効である。

一、火傷の治療法は一般の火傷とまったく同じだから動植物油か2、3倍に薄めた海水を常に携行すること。被ばく中心地は放射性物質が広く撒布されており身体に悪影響を及ぼすため長期滞在は危険である。

と、ここでようやく申し訳程度に放射能について述べられているが新聞を読んで事の重大さに気づいた人はほとんどいなかっただろう。しかもこれを戦争が終わった日に読んでももう遅いよねっていう・・w

ただ原爆投下に衝撃を受けたのは世界も同じだったようで、イギリス紙では自己破壊の域に達した技術の粋がついに人類を奈落の底に落としかねないとして原子爆弾の国際管理をこの時点ですでに主張していて興味深い。

さて、次は原爆についての紙面同様に最も興味をそそられる8月15日終戦を新聞はどう伝えたのか、、、。

で、最も目が点になったのは、テレビで8月15日といえばよく流れる“堪え難きを堪え~忍び難きを忍び~以て万世のために太平を開かんと欲す・・・”という天皇の玉音放送の一節なんだけど、これって終戦詔書の本当にごくごく一節だったんだねってことw

詔書の全文が15日の紙面に載ってるんだけど、こんなに長い文言だとは知らなかった。しかも何言ってるんだか分からないし 

よく玉音放送を聞いても日本が負けたことを言ってるとは思わなかったと言ってる戦争体験者がいるけど、たしかに分からんわw

次にその日の毎日新聞の社説や記事はどうなっていたのか。

“昭和16年12月8日大東亜戦争勃発以来3年8ヵ月、昭和12年7月7日支那事変以来8年、日本国民はついに戦勝の鐘を聞くことなくして終局に到達した。この時しどろに乱れんとする心境を貫く一念は、この大戦を通じて祖国の祭壇に貴い生命を捧げた勇士たちに対する熱い感謝の一念である。

日本国民が自衛のために剣を抜いて4年、目に余る敵に対して血と涙と汗とをもって戦い続けたが、結果は今日の事態となった。ここに至った理由と原因とを探求すれば、大なるもの小なるもの実に無数のことが指摘されるであろう。したがって責任論も国民の念頭を去来せずにはすまないであろう。

しかし、我々はこの際において責任論など省みようとは思わない。自身の不肖(新聞の責任)を意識することあまりにも強く、また国家の不幸から受ける悲しみがあまりにも深いからである。過去から得る教訓は貴いが、しかしながら我々は断じて過去にとらわれ過去の囚人となってはならない。強大日本の建設に失敗したがために日本民族が死滅するというならばそれまでの話である。しかしながら人類の歴史を見るに、民族的大不幸の例は枚挙にいとまがなく、それが価値ある民族であるかぎり、大不幸は民族に与えられた試練であったのである。更生の能力ある大民族はその試練を経て新しい運命を開拓するのである。

悲しみの中の大幸は皇室の御安泰である。国民は恭敬をもって皇室をいただき、いかなる悲しい境遇に遭っても精神的に崩壊することなき国民の奥ゆかしさと温かい心をもって新しい生活に入らねばならぬ。”

まず最も衝撃的なのが、この時点ですでに戦争責任を究明することはしないと宣言していること・・・。

で、その考えの裏には自衛のために剣を抜いてとあるように、この戦争は正しい戦争だったという考えがあるからだろう。別な記事では、この戦争についてこうある。

“大東亜戦争は、自存自衛の戦いであるとともに大東亜の解放戦であった。久しく植民地の地位にあった東亜諸民族は、わが公正な戦争目的によって相次いで自由なる独立を許された。今後東亜がいかなる事態になろうともわが正義は燦然として光を保ち東亜諸民族の心奥に生き続けるであろう。これこそ大東亜戦争が世界史に与える最大の成果である。”

つまり結局、要約すると、自分たちは悪くはないけど負けちゃったから仕方がないよねっていうことでしょ。

なななんと終戦の日に、すでに日本は開き直っていた!というオチwwって笑えねーよ。何百万死んだと思ってるんだ・・。

あとは戦争に負けたからといって天皇統治の大権はかわりなく維持すること、いわゆる国体護持が当たり前のように唱えられているのも興味深いところで、“貫き通せ国体護持”とか“皇国興隆へ新出発”といった見出しが載っている。

結局ここの点はアメリカGHQの圧力で日本国憲法が作られ、国民主権となっていくわけだ。

でも、今回の8月15日の新聞の主張や考え方って、まんま今の安倍晋三と自民党そのものなわけでしょ。

戦前の空気と今の雰囲気が似ていると最近聞いたりしてあまりピンと来てなかったけど、こういうのを見るとたしかにちょっと怖いかもって思う。

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