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2015年7月12日 (日)

夢のシネマパラダイス591番シアター:ゼロ・グラビティ

オデッセイ

T01a_168108出演:マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン、クリステン・ウィグ、ジェフ・ダニエルズ、マイケル・ペーニャ、ケイト・マーラ、ショーン・ビーン

監督:リドリー・スコット

(2015年・アメリカ・142分)盛岡フォーラム

内容:人類3度目となる火星の有人探査計画で火星に派遣された6人の探査隊は、巨大砂嵐に見舞われミッション中止を余儀なくされる。しかし、撤収の際にクルーの一人で植物学者のマーク・ワトニーが、突風に襲われ行方不明になってしまう。生存が絶望視される中、他の5人はやむなく捜索をあきらめ地球へ引き上げて行った。が、実はマークはかろうじて命を取りとめていた。食料は残り1年分、通信装置は故障、そして次の探査隊が来るのは4年後。そんな絶望的状況の中マークの生存をかけた挑戦が始まる・・・。

評価★★★★/75点

「ゼロ・グラビティ」を見て確信したことがある。

それは最もなりたくない職業は宇宙飛行士だということだ。

閉所恐怖症の自分にとって究極の密閉空間が宇宙であることを思い知らされたこの映画では、漆黒の宇宙空間を永遠に漂い続けるであろうジョージ・クルーニーの身の上を思っただけで恐怖と絶望で背筋に悪寒が走り続けたくらいだったわけで

そんな中で、今度は地球から2億3千万キロ離れた火星にたった一人置き去りにされてしまった宇宙飛行士の「南極物語」に勝るとも劣らない561日間に渡る究極サバイバルが描かれるということで、だから宇宙飛行士には絶対なりたくないんだよ!と再認識する、、はずだった。

しかし、フタを開けてみたら、80年代のダサいディスコミュージックをズンチャカかき鳴らしながらユーモアと茶目っ気たっぷりの主人公マーク・アトニーが伝授する“火星で楽しく自給自足するためのハウツーもの”になっていて、正直ややズッコケ

裏を返せば、平常心で見ていられたので良かったんだけど、なんか自分が大好きな漫画「宇宙兄弟」に通底するポジティブシンキングに満ちていて。。

その時、あそっか、ひとつのミスが命取りになる宇宙飛行士ってのはそもそもネガティブ思考では到底できない仕事なんだよなと当たり前のことに思い至った(笑)。

そして思い返してみると、このとにかく明るい安村wは、火星に置き去りにされてから一度も泣くことなく560日間過ごし続けたのだ。自分だったら三日三晩すすり泣き途中で発狂してしまうのがオチだろうけど、植物学者のマーク・アトニーは自分でセルフ手術するわ、水を作るわ、ジャガイモ育てるわ、あげくの果てに火星を植民地にしたどー!!と狂喜乱舞する始末。

コイツってもともと宇宙人なんじゃないかと思ってしまうようなレベルのポジティブ思考にはただただ脱帽する他にない。

しかし、火星脱出という561日目、ついに彼は緊張の糸が切れたように泣きじゃくる。

やはり地球人だったんだと一安心したマークの号泣シーンが映画の中で最も印象に残った。そして自分の宇宙服の手の部分に穴をあけて、救出に来た船長めがけてウルトラマンポーズでイチかバチかの宇宙ダイブをするマークの他者への渇望に痛いほど共感し、頼むから船長のもとにたどり着いてくれー!と完全に感情移入してしまった。

やはり人は一人では生きていけないんだなぁと痛感!

しかし、こんな真っ当な映画をリドリー・スコットが撮ったというのがけっこう意外で、壮大な大風呂敷広げたけどどっかが破綻しているのが常で、でもそのハッタリが重厚なハリウッド大作として昇華されてしまうのが巨匠リドリー・スコットたるゆえんなんだけど、今回は妙に上手くまとまりすぎていて、そういう意味では逆にちょっと消化不良だったかもw

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ゼロ・グラビティ

Poster2出演:サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー、エド・ハリス(声)

監督・脚本:アルフォンソ・キュアロン

(2013年・アメリカ・91分)盛岡フォーラム

内容:地上600kmの宇宙空間。ロシアが廃棄処分のため爆破した人工衛星の破片が、軌道上を周回していたスペースシャトルを直撃。ちょうど船外活動をしていた女性エンジニアのストーン博士とベテラン宇宙飛行士コワルスキーが、酸素も重力も音もない漆黒の宇宙空間に投げ出されてしまう。わずかに残された酸素と2人を繋ぐ1本のロープに望みを託さなければならない絶望的な状況の中、地球への帰還を目指し決死のサバイバルが始まるが・・・。

評価★★★★/80点

最近めっきり星空を見上げることもなくなったけど、子供の頃はプラネタリウムが大好きだったし、少年野球の帰り道に家までの長い坂道を登りながら天の川をしょっちゅう見ていたことを覚えている。

星々や星座の話を聞くのも好きだったし、宇宙の果てはどうなってるんだろうとか星はなんで光っているんだろう、宇宙ができる前はどんな世界だったんだろうと思いを馳せたりして宇宙に対する好奇心は人一倍持っていたように思う。

しかし、かといって宇宙飛行士になって宇宙に行きたいとはこれっぽちも思わなかった。

それは好奇心と同時に、空気がなく暗黒に包まれ、全てを飲み込むブラックホールがあり、何より地球に戻って来れなかったらどうなるんだろうという未知なるものへの恐怖心を抱いていたからだけど、それはあくまで無意識に思う漠然としたものだった。

しかし今回の映画を見て、なぜ自分は宇宙に行きたくないのか、その理由といっていい宇宙に対する言い知れぬ恐怖を如実に体験してしまった。

そう、体験といったけど、自分は宇宙に行ったことがある!なぜならこの映画を見たからだ!と豪語できるほど今まで見たことのない未体験ゾーンを味わわされた。

そして自分の宇宙に対する恐怖心の源泉は閉所恐怖症なのだということも思い知らされた(笑)。

船内ではなく広大な宇宙空間に人物がいる時の方が症状が重かったことには面食らってしまったけど、でも考えてみれば無限に広がる漆黒の闇と死の世界の中で自分の生を保証するものは一本の命綱と宇宙服をまとった極狭の中にしかないわけで、さらに酸素残量は減っていくばかり・・・。こちらの息苦しさが増すばかりなのは自明の理なのだった

しかし、かといってこの映画を見なければよかったとはこれっぽちも思わなかった。

この切迫する恐怖は劇場のスクリーンでなければ味わえないものだっただろうし、自分の意思で動くことができず、逆に一度動き出したら永遠に止まらないという無重力による足場のない浮遊感、さらに虚無の深淵に落ちていきそうな不安とアトラクション的快感が一緒くたに押し寄せてくるような不思議な感覚もまたスクリーンでなければ味わえなかっただろうからだ。

そして、だからこそ大地を身体全体で感じ踏みしめるラストはこの上ない喜びと安らぎを与えてくれたのだろう。全てを育む母なる大地・地球のありがたみをこれほど感慨深く思ったことはない。

“土に根を下ろし、風と共に生きよう!”“どんなロボットを操っても人は土から離れては生きられないのよ!”、、シータの名セリフが頭に響いて止まらなかった(笑)。

広大な世界の片隅に生きるちっぽけな自分。

ちゃんと生きなきゃ!

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アポロ13

B000062vr8出演:トム・ハンクス、ケヴィン・ベーコン、ビル・パクストン、エド・ハリス

監督:ロン・ハワード

(1995年・アメリカ・140分)盛岡フォーラム

内容:アポロ11号の月着陸成功から9ヵ月後の1970年4月、3人の宇宙飛行士を乗せたアポロ13号が打ち上げられた。しかし、月を目前にして爆発事故が発生。酸素と電力の供給システムが壊滅的なダメージを受けてしまう。地上では生還が絶望視されていたが、NASAのフライトディレクター、ジーンは何としても3人を生還させようと決意する。

評価★★★/65点

広い広すぎる広大な宇宙に取り残される小っぽけな宇宙船と人間。

正直いって酸素がなくなっていく宇宙船の圧迫感、閉塞感も薄ければ、人間描写も薄いと感じてしまった。

広大な宇宙の中で繰り広げられる小っぽけな人間が右往左往する格闘劇といえばいいのか、、あまりにもそのギャップがありすぎて、事実を基にしているという重みすらはっきりいって感じられなかった。

様々な宇宙SFものと同じ範疇にある端くれとして見てしまった、というかそう見ざるを得なかったと言った方が正しいかな。

ロン・ハワードといえばジャンル的に何でも撮れる万能タイプの監督だけど、「スプラッシュ」(1984)や「コクーン」(1985)から実績を積んできたように、最大の強みはSFファンタジー畑での自由奔放なイマジネーション能力にあると思う。

それは言いかえれば大げさでわざとらしい映像テクニックをディテールにどんどん盛っていくということだけど、その本領が最も発揮されて上手く人間ドラマとかみ合ったのが、まるで生き物のような炎のVFX映像に圧倒された「バックドラフト」(1991)だと思う。

ところが今回の宇宙からの脱出映画は、実話通りの実証的でリアルな映像作りにロン・ハワード本来の自由奔放さが抑え込まれてしまった印象が強くて、それが少々自分の肌に合わなかったのかなと。

あとはなんだろ、この映画って船長のトム・ハンクス以上に、管制室で救出作戦の地上スタッフの陣頭指揮を取るエド・ハリスの方が印象深かったりして、その冷静沈着ぶりが宇宙船の絶望感を削いでしまったような気も・・。

まぁ、ロン・ハワードと実話ものって、アカデミー賞獲った「ビューティフル・マインド」もそうだったけどなんか合わなくて

自分に問題ありか・・w

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