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2014年7月 1日 (火)

夢のシネマパラダイス165番シアター:真夏の方程式

真夏の方程式

T0015786p 出演:福山雅治、吉高由里子、北村一輝、杏、山崎光、風吹ジュン、前田吟、塩見三省、白竜、西田尚美

監督:西谷弘

(2013年・東宝・129分)WOWOW

内容:手つかずの美しい海が見える町、玻璃ヶ浦で進められている海底鉱物資源の開発計画。その地元説明会に招かれた物理学者・湯川学(福山雅治)は、川畑夫妻(前田吟・風吹ジュン)が経営する小さな旅館“緑岩荘”に滞在することに。彼はそこで、親の仕事の都合で夏休みの間だけ親戚である川畑家に滞在することになった少年、恭平(山崎光)と出会う。そんな中、緑岩荘の宿泊客で、元警視庁の刑事、塚原(塩見三省)の変死体が海岸で発見される・・・。

評価★★★★/80点

原作既読。

サスペンス映画を劇場で見ようと思わないのは火サスレベルのテレビドラマを見るハメになるリスクは負えないからだけど、今回は劇場で見たいと思わせるほど原作が心に残って。

で、結局見に行かなかったんだけど(笑)。おいっ!

いや、しかし、悪人と呼べる人が出てこない中でそれぞれの人物が愛する者のために無償の愛をそそぐ“献心”とそのために背負う十字架を、罪を憎んで人を憎まずの人情ドラマに仕立てた筋立ては前作以上に心に染み渡ったし、哀しく切ない余韻をキラキラと光り輝く夏の海が受けとめてくれるロケーションも印象的で、これはぜひとも映像化を見てみたいと思った次第。

で、結果見てみたらものすごく良くて、涙腺も大いに緩み、とても心に残る作品になっていたと思う。

TVドラマからのバージョンアップを意識する上で、ロジカルな謎解きよりもエモーショナルな人間模様にウェイトを置いた手法はガリレオシリーズに関しては切に正しく、その上で、病身の身につまされるような特殊メイクであるとか、マジックミラー越しの父娘の抱擁といった情感を盛り上げるための演出上のあざとさを役柄がピタリとはまった役者陣がしっかり映画へと昇華しているのも強みだ。

特に杏の憂いを秘めた存在感には瞠目した。子役もそれ以上に素晴らしく、この二人が作品の底上げに大いに貢献したといっていいだろう。

月9の明度の高さから逃れられないTVドラマよりも数段映画の方が味わい深くて良いと思う。

あと、印象に残ったのが環境問題の是非を問う議論で、0か100かで対立することは答えを最初から放棄しているようなもので意味を成さないという湯川先生の言葉だ。

お互いの対立軸において、全てを明示し知った上でベストな方法を選択すべきというのはなるほどなぁと思った。

人生においてもすぐには答えを出せない問題はいくつも現れるだろうけど、どんな問題にも答えは必ずある!

なんか分かんないけど、人生くじけずにもうちょっと努力して頑張っていこうって思った(笑)。なんて単純w

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容疑者Xの献身

Yougisya_x_no_kensin 出演:福山雅治、柴咲コウ、北村一輝、松雪泰子、長塚圭史、堤真一

監督:西谷弘

(2008年・東宝・128分)WOWOW

内容:ある冬の日、顔を潰され指も焼かれた全裸の絞殺死体が発見される。が、ほどなく身元は富樫という男性であることが判明。貝塚北警察署の刑事・内海薫(柴咲コウ)と警視庁刑事・草薙(北村一輝)は、富樫の元妻・花岡靖子(松雪泰子)を容疑者と睨むが、彼女には完璧なアリバイがあった。困り果てた2人は、さっそくガリレオこと物理学者の湯川(福山雅治)に相談を持ちかける。そこで偶然にも、靖子のアパートの隣に住むサエない男・石神哲哉(堤真一)が、湯川の大学時代の同級生であることが分かる。やがて、湯川は石神がこの事件に関わっているのではと疑念を抱き始めるが・・・。

評価★★★★/80点

普段、小説をほとんど読むことがない自分だけど、本屋大賞と直木賞受賞作だけは読むようにしていて。

その中でも、東野圭吾の直木賞受賞作の今回の原作は、宮部みゆきの「火車」と並んで今までで1,2を争うほど印象に残った小説。

なんて哀しく、そして心洗われる作品なんだろうと、サスペンス・ミステリーという範疇を超えた人間ドラマのエンタメ作として一気に読破してしまった。

だから、映画化されると聞いたときは、イエー^^ヾ(。・ω・)人(・ω・)ノーいと飛び上がって喜んだけど、月9ドラマと同じ軽妙なタッチで描かれたら原作のテイストが損なわれやしないかという不安要素があって。。

、、だったんだけど、それは全くの杞憂に終わったようだ。

原作には登場しない内海薫を捨て駒にしてまで、あくまで石神と花岡靖子をメインに据え、TVドラマとは一転シリアスなトーンにして、音楽も月9でおなじみの曲はほとんど使わず、、フムフムよく分かっていらっしゃるなという印象。

石神も原作では小太りで目が細い冴えないオッサンで、堤真一はもの凄っかけ離れたイメージだったんだけども、なんともまぁ彼の演技には脱帽しちゃいましたわ。もう彼の独壇場というかんじで、映画の空気を彼一人の存在感で確定させちゃったような。

役者に引き込まれてしまうというのはこういうことを言うのかもしれないなってことを久々に感じさせてくれますた。。

その点では、柴咲コウはホント今回はご愁傷さまでしたとしか言いようがなくて、福山ガリレオとの丁々発止の掛け合いもほとんどなく、、、何の見せ場もなかったな。

ま、それは次回作に期待するとしてだ。ともかく、東野圭吾の文体がそもそもシナリオ的な要素を多分に含んでいるので映像化しやすいという面はあるのかもしれないけど、今回は「手紙」(2006)並みに心に残る秀作になったと思いまッス。

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麒麟の翼~劇場版・新参者~(2011年・東宝・129分)WOWOW

 監督:土井裕泰

 出演:阿部寛、新垣結衣、溝端淳平、松坂桃季、山崎努、三浦貴大、劇団ひとり、田中麗奈、中井貴一

 内容:ある日、東京・日本橋で男性の刺殺体が発見される。被害者はカネセキ金属の製造本部長・青柳武明(中井貴一)。彼は死の直前、腹部を刺されながら歩き続け、日本橋の麒麟像の下までやって来るという不可解な行動をとっていた。一方、容疑者として挙がった八島冬樹(三浦貴大)は職質からの逃走中トラックに轢かれて意識不明の重体になってしまう。その恋人・中原香織(新垣結衣)は懸命に無実を訴えるが・・・。

評価★★★☆/70点

原作未読が功を奏したのか、先の展開がなかなか読めなくて、けっこう楽しんで見れてしまった。

いや、楽しくというよりラストの方は悲しくなっちゃったんだけど、不思議と悪人らしい悪者がいない中、身近にあるちょっとした齟齬が積み重なって大きな悪循環を生んでいくのが見ててツラくなって・・

で、エンディングに流れるJUJUの歌にとどめを刺されてしまいますた。。

映画のつくりもかなり丁寧なつくりになっていて、伏線をこれみよがしに強調するバカ親切さもご愛嬌w、ひとつひとつ確実にそれを回収していくバカ正直さは飽きさせない。

って、ホメてるんだよねこれ?ハイww

いや結局、中井貴一をはじめとする役者陣がいいんだよね。いかにもなクサい演出をさりげないベクトルに持っていく演技力はさすがの一言。

中井貴一が出てると安心できる所以が分かった気がする。

あと、TVドラマの方も未見だけど、本庁刑事・溝端がショカツの阿部寛のパシリに使われているのも踊るシリーズなんかとは逆になってて面白かったし、自分は好きだな、これ。

ただ、音楽の使い方が突飛で素人でも分かるくらい明らかに合っていなかったのは気になった。

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白夜行

337910_02_01_02 出演:堀北真希、高良健吾、姜暢雄、緑友利恵、粟田麗、田中哲司、戸田恵子、船越英一郎

監督:深川栄洋

(2010年・日本・149分)WOWOW

内容:昭和55年、質屋の店主が殺される事件が発生。被害者の愛人とその若い情夫に容疑がかかるが、その後2人は事故死。決め手を欠いたまま、事件は被疑者死亡のまま一応の決着をみる。しかし担当刑事の笹垣は腑に落ちないものを感じ、単独で捜査を続ける。彼の心を捉えて放さなかったのは、愛人の娘・雪穂と、被害者の息子・亮司の姿だった・・・。

評価★★★/65点

内容はともかく、昭和の空気感を色濃く映し出すことにかけてはかなり良い仕事をしていると思う。

暖色のノスタルジーというより、寒色の喪失感を指し示した映像は昭和という時代の残像をせつなく浮かび上がらせて印象的だったし、船越英一郎、粟田麗や緑友利恵など役者陣も非常によくなじんでいて見入ってしまった。

しかし、三丁目の夕日で暖色のノスタルジー色に染まりまくってきた堀北真希はその点でいえば明らかなミスキャストだったといわざるをえない。

大いなるチャレンジだったとは思うけど、まぁ、端的にいえば大竹しのぶにはなりえないんだよね(笑)。

いや、これは決してけなしているのではなく、吉永小百合の系譜を受け継ぐ堀北真希はそもそものところで悪女たりえない稀な女優なのだ。

ってことを自覚してもらいたい。

内容はともかくといった通り、ちょっと物足りなかっただけに、役者で見せるという点で肝心かなめがミスキャストだったのは残念だ。

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