夢のシネマパラダイス569番シアター:ピラミッド5000年の嘘
ピラミッド 5000年の嘘
(2010年・フランス・106分)WOWOW
内容:紀元前2600年頃に建造されたと伝えられるギザの大ピラミッドを考古学だけではなく建築、地質、天文学など多分野の視点から検証し、これまでの常識を覆す新たなピラミッド像を浮かび上がらせるドキュメンタリー。
評価★★★/65点
“地球に対するあなたの見方が一変する!”“根底から覆される人類史!”とオープニングでハッタリをかましてくるのには思わず苦笑いしてしまったけど、ギザの大ピラミッドは八面体だったとか、巨石建造物の一分のすき間もない石の積み方が無造作にではなく左右対称に並べられていたとか目からウロコのトリビアが多々あってワクワクしながら見られた。
なにより、200万個の巨石を20年間コツコツ積み上げて作ったというピラミッドを額面通りに完成させるためには1日12時間365日働いて2分半で1個(2トン)積み上げなきゃならないというのも初耳で、なんでそんなムリなことが今までまかり通ってきたの!?と思っちゃうんだけど・・。
その後、話はイースター島やマチュピチュなどワールドワイドな広がりをみせ、偶然では片付けられない奇跡の数々を披露していき、最後にギザのピラミッドは壮大な天文時計であるという結論を導き出す。
ピラミッドを中心に置き、おひつじ座からうお座まで円周上に並ぶ黄道12星座を観測すると、星座は2万6千年周期でピラミッドの周りを1周する。そして、壮大な天文時計の針の役目をしているのがスフィンクスで、体の部分のライオンがしし座を、頭部の人間がしし座の対角線にある水瓶座を表す。スフィンクスの目線がしし座と水瓶座に来るのは1万3千年ごと。そして1万3千年周期で地球は大変動に襲われていた!そのことを知っていた超古代文明人がそれを計測する装置として建てたのがギザの大ピラミッドであり、世界各地にある古代遺跡も同様で、それらが神々の指紋として現代に残っているのだ、と。
、、って、グラハム・ハンコックのベストセラー『神々の指紋』の焼き直しじゃん(笑)。
まぁ真偽はともかく、考古学者や歴史学者だけではなく、建築、物理学、地質学、数学、天文学など異分野のスペシャリストの視点を取り入れているのは白眉で、こういう視点が今の歴史学にはなさすぎるのが問題だと思う自分にとっては大いに楽しめる語り口ではあった。
最新の遺伝学によると、ミトコンドリアDNAの追跡により現生人類の祖先は20万年前にさかのぼるらしいけど、今の歴史学では有史以来たかだか5千年くらいの歴史しか分かっていない。じゃあ、それ以前に繁栄した文明があったとしてもおかしくないんじゃない!?と思っちゃったりもするわけで。その方がロマンもあるし。
壮大な都市伝説ってかんじもするけど、こういう話って延々続けられるよねw
P.S. ピラミッドの建築については古代ギリシアの歴史家ヘロドトスが記した「10万人の奴隷が20年かけて作った」というのが長らく定説になっていたけど、近年ピラミッドの近くで労働者の村やお墓が発掘されたりしていて、今有力になっている説はナイル川の氾濫による農閑期の農民を救済するための公共事業なのだとか。しかも、1日あたり4千人程度の動員で済むという。
それでも2分半で1個を人力で積み上げていくことなんて果たしてできることなのだろうかねぇ。。
一方、日本の建設大手の大林組が現代技術でピラミッドを作ったらどうなるかというプロジェクトをやったことがあって、その見積もりによれば作業員3500人で工期5年で作れるんだって
もしかして超古代文明にも今のような技術があったとしたら、、、
ヤバイ!楽しいんですけどww
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