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2014年2月 3日 (月)

夢のシネマパラダイス230番シアター:ナニコレ珍シネマin松本人志

大日本人

Dainipponjin_m 出演:松本人志、竹内力、UA、神木隆之介、海原はるか、板尾創路、宮川大輔、宮迫博之

監督・脚本:松本人志

(2007年・松竹・113分)盛岡フォーラム

評価★★/45点

内容:先祖代々、政府の依頼を受けて有事事態を解決するべく命をかけて戦ってきたヒーロー、大佐藤大(だいさとうまさる)。が、見た目は普通のオッサン。そんな彼のしがない日常をテレビクルーが取材するのだが・・・。

“松本人志のスベらない話を意気揚々と聞きに行ったら、スベってるんだかスベってないんだかすら分からない話を聞かされて、ただ目をしばたたかせることしかできない笑うに笑えない状況・・。”

ツッコミが一切ない120分ボケボケ祭りは、まるでネプチューンの堀内健の天然ギャグを延々見せられてるかんじで、正直しんどいものがある。

浜ちゃんのようなツッコミキャラが一人っりも出てこないことをどう感じるか、どう評価するかでかなりこの映画に対する見方も変わってくると思うんだけど、オイラはダメだった、と・・

おそらくツッコミが無いというのは、そのツッコミの意欲が湧いてこないほどの無関心が覆っている世界観なり、誰からも好かれていないヒーロー像を描こうという意図があるとは思うんだけど。

そうだとするならば、ビルの谷間で“獣”と戦う大日本人をよそに逃げ惑う人々が全く描かれないことや、にもかかわらずTVの深夜放送でブラウン管から流れてくる戦闘シーンを見た一般大衆が無責任に大日本人を批判するというくだりも、無関心と無責任に包まれた今の日本を揶揄していると見れなくもない。

ラストで北朝鮮産の獣をジャスティス一家(=アメリカ)がボッコボコのめった打ちにしている現場をビルの間からそぉっと覗き見する大日本人の姿、そしてとどめのビームを喰らわせるときに、「さぁそこに隠れてないで一緒にとどめを刺そう!」とジャスティス一家に誘われ、「いや、俺、ビーム出せへんし、オレ関係ないやん」と思いながらもノソノソと出てきて手をかざすところなんかは、あからさまに今の日本人に対する批判精神が伝わってくる。

そういう意味では、戦後から今に至るまでいつまでたっても自立できないでいる日本と日本人に対するアンチテーゼをブラックに包み込んで撮り上げたのが今回の映画なのかもしれない。

しかし、その表現方法として映画という媒体の持つ物語性そのものに対するアンチテーゼまでを前面に押し出してきたことで、シュールなんてもんじゃない相当に取っ付きにくい作品になってしまった感は否めない。

2回転半ひねりくらいになっちゃってるからね、もう(笑)。

まぁそれが映画表現の高等技法として目論んだというよりは、松本人志の恥じらいの表れといった方が的を射ていると思うんだけど、第2回監督作品ではもうこのやり方は通用しまへんで。

そういえば、なんかこれ観ててふとキン肉マンの初期の頃の作風を思い出したんだよなぁ。

電流ではなくニンニクを摂取して巨大化し怪獣と説明無用のセコイ戦いを繰り広げるキン肉マンは皆から嫌われつづけるダメ超人、代わりにマグナム銃をふりかざすアメリカ生まれの合理主義者テリーマンは皆に好かれるスーパーヒーロー。

まんまこの映画に適用できるんちゃうか。

となるとだよ、やっぱこの映画にはミート君というツッコミ役が必要だったのではないだろうか、ってところに行き着いちゃうんだよな。

ツッコミは観客任せで放置するというのはB級の十八番みたいなところではあるけど、B級にもなり切れていないんだからこれほどタチの悪い映画もない。

やっぱダメですオイラは・・・

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しんぼる(2009年・松竹・93分)WOWOW

 監督・脚本:松本人志

 出演:松本人志

 内容:メキシコのとある町。覆面プロレスラーのエスカルゴマンは、いつもと変わらぬ様子で試合会場へと向かう。一方その頃、ひとりの男が白壁に囲まれた密室に閉じ込められていた。男は懸命に脱出を試みるが・・・。

評価★★★/60点

いったい全体、結局これはナンだったんだろう、、というのが正直な感想であるとともに、これを映画にしてしまう松本人志の度胸には恐れ入った。

しかも、“これ”を言葉で表現できない、まさに“これ”としか言いようがないシロモノを作り上げてしまったのは、常日頃からオリジナリティあふれる作品を作るんじゃ!とのたまっている松ちゃんらしさが出ているといえるのかもしれないけど、、8割5分ツマラナかった(笑)。

白い密室部屋の出口から出られたかと思いきやドアにつっかえて出られなくなるところが1番面白かった、、ってこう書いている時点で妙に悲しくなっちゃうんだけど・・。

でも、壁にちんこじゃなくてw、壁にコンセントが100個付いてて、そのうち4つが電気を通してビリビリ来るっていう対決がガキ使であったのを思い出したな。

その程度の映画だと思う

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さや侍

Img_959615_45213041_1 出演:野見隆明、熊田聖亜、板尾創路、柄本時生、りょう、伊武雅刀、國村隼

監督・脚本:松本人志

(2011年・松竹・103分)WOWOW

内容:ある出来事をきっかけに刀を捨て、さやだけを持つようになった武士、野見勘十郎。脱藩した彼は一人娘のたえと流浪の旅をつづけていたが、ついに多幸藩の追っ手に捕らえられてしまう。ところが、藩の殿様が勘十郎に処した刑は“三十日の業”。それは、母を亡くした悲しみで笑顔をなくした若君を、一日一芸で30日の間に笑わせられたら無罪放免、できなければ切腹というものだった・・・。

評価★★/40点

“絶対に笑わなければならない一発スベリ芸24時”

今までの3作品の中で1番健全な“映画”であることはたしかだ。

健全なというのはつまり映画の文法を順守していることだといえるけど、それゆえ今までで1番ツマラなくて笑えない映画になってしまった。

なぜなら前2作を見ても、そもそものところで松ちゃんは映画になんて興味がないことは明白なわけでw、逆にそれに則って作ろうとすればするほど稚拙さがあらわになってしまう。

また、さや侍の体を張った芸も目にみかん、鼻からうどん、腹踊り、人間大砲と、、そりゃあ早くに笑わせちゃったらそれで終わっちゃうわけだから、使い古されたツマラナイ芸を連発しないとダメだったんだろうけど(笑)、ホントにつまらなかった・・。

しかもムダに長い。。前半のイタい可笑しみから後半のひたむきな物悲しさへの前フリという構図になっているのは分かるけど、この長さはしんどいレベルを超えている。

「大日本人」でツッコミ役がいないことが問題だと言って、今回は娘っこがツッコミ役だったわけだけど、それ以前の問題だったというオチ・・・。

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