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2013年11月11日 (月)

夢のシネマパラダイス340番シアター:人間を引き裂いていく戦争

マイウェイ 12000キロの真実

Myway_poster 出演:チャン・ドンゴン、オダギリジョー、ファン・ビンビン、夏八木勲、鶴見辰吾、山本太郎、佐野史郎

監督・脚本:カン・ジェギュ

(2011年・韓国・145分)WOWOW

内容:1928年、日本占領下の朝鮮・京城。日本人の少年・長谷川辰雄とその使用人の息子キム・ジュンシクは、マラソンでオリンピックを目指す良きライバルとして成長していく。しかし代表選考会で起こった対日暴動の責任を取らされたジュンシクは、陸軍に徴用されてしまう。その後1939年、対ソ戦の最前線ノモンハンに送られたジュンシクは、そこで冷酷非情な軍人に様変わりしていた辰雄と再会する・・・。

評価★★★/60点

いわゆる総集編と化した映画は好みではないんだけど、今回の映画はそのレッテルを貼られても致し方のない出来。。

朝鮮~ノモンハン~シベリア~ロシア~ノルマンディーと矢継ぎ早にユーラシア大陸を横断し、そこを戦闘シーンのつるべ打ちでとにかく繋いでいくんだけど、辰雄(オダジョー)とジュンシク(チャン・ドンゴン)が人間ではなくトンでも超人になってしまっていて、戦争描写だけが突出してしまい、そこに込められた人間描写がイマイチつかめないのは痛い。

まぁ、韓国映画特有の怒涛の熱さで押し通し一気見できてしまうのはさすがだし、フツーありえないだろとイチャモンつけたくなるオチの付け方も逆にこの勇気を買いたい気持ちにはさせられてしまうのだけども・・。

まぁ、力作なのはたしかだよね。

でも、最も近いお隣同士の国でありながら深くて埋められない溝がある日韓の歴史問題、そこからくるステレオタイプな認識や描写を超えたところにある絆を描こうという作り手の思いを伝えるには2時間半はあまりにも短すぎる・・・。

だからさ、、結局これって詰め込みすぎなんだよね

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蟻の兵隊

Ari 出演:奥村和一

監督:池谷薫

(2005年・日本・101分)CS

内容:終戦当時、中国山西省にいた日本兵のうち約2600名が中国国民党軍に編入させられ、共産党軍との内戦参加を強要され中国に残留していた。やがて帰国できた彼らを日本政府は脱走兵とみなし、恩給資格を剥奪、日本軍司令官と中国国民党軍との間に密約があったという残留兵たちの主張を退けていた。残留兵として中国内戦を戦った奥村和一らは、戦後補償を拒み続ける国を相手に裁判で今も闘い続けている・・・。そんな奥村老人にカメラを向け、真相解明に奔走する姿を追ったドキュメンタリー。

評価★★★★/80点

戦争において加害と被害は合わせ鏡のように表裏一体でつながっており、その両面から見なければ戦争の何たるかは見えてこないとはよくいわれる。

しかし、その中で、唯一の被爆国として激烈な被害をこうむった一方、アジア地域に多大の加害を与えた日本において、加害の記憶というのはスッポリ抜け落ちてしまっているといわなければならない。

映画なりドラマなり加害というのを真正面から捉えた作品というのはついぞ見たことがないのだから。

その点で、中国で戦った日本兵・奥村和一を通してあの戦争の加害と被害を両面から見据えることになったこのドキュメンタリー映画を見れたことは、自分にとっては重く貴重な映画体験になったと思う。

補聴器を付け、杖をついた老人が語る生々しい記憶と「殺害現場」を訪れる記憶の道程には息をのむ思いがしたけど、その中でも、処刑した中国人の息子さんに贖罪の思いで面会した奥村氏が、一転して旧日本兵としての顔を垣間見せる場面は圧巻だった。

戦時中の軍事教育がいまだに身体の中に残っているのだ、と言う奥村氏の言葉には衝撃を受けたけど、戦争というのは人間を人間でなくすものなのだということをまざまざと実感させられた映画だったと思う。

自分の父方の祖父は、シベリア抑留を経験し、祖母は満州から1年半もかけて命からがら日本に引き揚げてきたと聞いたことがあるけど、本人の口からは詳しいことを聞くことなく祖父は亡くなり、祖母は寝たきり状態。

ただ、祖父が抑留時につづった日記が遺品としてあって、しかしロシア語で書かれていて内容が全く分からない。親父は常々、誰か翻訳してくれる人いないかなって言ってるけど。

戦後60年以上経って薄れゆく戦争の記憶、祖父母世代の孫にあたるオイラにして既にバトンが渡っていない状態なのだから、どんどん風化していってしまうんだろう・・・。

せめてこういう映画やドラマを見て戦争について知っておかないと。。

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アンダーグラウンド(1995年・仏/独/ハンガリー・171分)NHK-BS

 監督・脚本:エミール・クストリッツァ

 出演:ミキ・マノイロヴィッチ、ミリャナ・ヤコヴィッチ、ラザル・リストフスキー、スラヴコ・スティマチ、エルンスト・ストッツナー

 内容:1941年、ナチスドイツに侵略されたユーゴ王国のベオグラード。マルコは親友のクロと共産パルチザンに加わり活躍。そして自分の祖父の屋敷の地下に弟イヴァンやクロの妻ヴェラたちをかくまう。その後重傷を負ったクロも地下室へ。やがて45年に終戦しユーゴ連邦が発足。61年にマルコは連邦政府の重鎮にまで上りつめる。が、地下に匿われた人々はいまだにドイツ占領下だと信じ込まされていた。そして30年後、冷戦終結とともにユーゴは崩壊し内戦の大地と化すのだった・・・。戦後50年に及ぶ旧ユーゴスラビアの混乱の歴史と運命に翻弄される人々の姿を「戦争」「冷戦」再び「戦争」という三部からなる物語で描き、95年カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。

評価★★★★★/100点

繰り返される戦争、繰り返される悲劇、繰り返される罪、繰り返される憎悪、繰り返される愛、、、時に愚かで時に滑稽な人間の業というものを悲喜こもごも渾然一体とないまぜにして描き出したまさにカオスな映画だ。

ヨーロッパの火薬庫とよばれるバルカン半島の歴史に疎い身としては、映画の6割も理解できれば御の字だと思うのだけど、アンダーグラウンドという龍宮城で狂騒の宴を繰り広げるクロは浦島太郎で、地上世界でこの世を謳歌するマルコはさしずめ花咲爺さんに出てくる欲張り爺さんだと思えば話は分かりやすい。のかww!?

とにもかくにも因果応報や不条理という言葉では言い表せないような残酷なおとぎ話に完全に圧倒され酔いしれてしまった。

ところで、実際の記録映像に登場人物を出演させるという手法を見て、この映画の前年に公開された「フォレスト・ガンプ」を想起した。

自国の歴史を見つめるという点で共通した物語性を持っているけど、アメリカの戦後史をガンプの目を通して目撃していく物語が、荒んだアメリカ社会を和解というキーワードで紐解きアメリカの心の拠り所を明示したのに対し、「アンダーグラウンド」は国家に翻弄され踏みにじられ、和解どころか国というあるべき姿までなくしてしまった寄る辺なき人々の姿を映し出しあまりにも対照的だ。

“昔、あるところに国があった”、、こんな悲しいフレーズがあるだろうか。

いや、しかしこういう言い方もできようか。

“昔、こんな凄い映画があった”のだと。

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プラトーン

Mp202 出演:チャーリー・シーン、トム・べレンジャー、ウィレム・デフォー、フォレスト・ウィテカー、ジョン・C・マッギンリー

監督・脚本:オリヴァー・ストーン

(1986年・アメリカ・120分)NHK-BS

評価★★★★/80点

内容:アカデミー賞で作品・監督賞など4部門を受賞したオリヴァー・ストーンの話題作。1967年、両親の反対を押し切って志願してベトナムへやって来たクリスは、最前線の戦闘小隊(プラトーン)に配属される。苛酷な環境と過度の緊張が彼の精神をぼろぼろにしていく中、班長のエリアスだけは彼に優しく接し、無益な殺人にも反発を感じている。隊長のバーンズ軍曹はエリアスとは対照的に冷酷無比な男で、2人はことあるごとに対立を繰り返していた・・・。

“オリヴァー・ストーン爆死!!”

戦場の3大要素である虐殺、略奪、レイプをジャングルの蒸し暑さとともにまるでやけのやんぱちのごとく描ききったオリヴァー・ストーン。

彼のマグマのような熱い情熱に彼自身の理性もちょっと壊れちゃったんじゃなかろうか。そうじゃないとたった54日間でこの映画撮れないだろフツー。

どうりで映画にチョイ役で出てきたと思ったら速攻で爆死しちゃうわけだ(笑)。

いや、オリヴァー・ストーン、オイラは認めるよアンタのこと。

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パール・ハーバー

Ph 出演:ベン・アフレック、ケイト・ベッキンセイル、ジョシュ・ハートネット、キューバ・グッティングJr.、アレック・ボールドウィン、ジョン・ボイト

監督:マイケル・ベイ

(2001年・アメリカ・183分)MOVIX仙台

評価★★/40点

内容:第二次世界大戦直前のアメリカ。兄弟同然に育ったレイフとダニーは少年の頃からの夢でもあるアメリカ空軍のパイロットに志願する。視力検査で引っ掛かったレイフは担当看護士のイヴリンに嘆願し、なんとか合格の判をもらうことに成功。とともにイヴリンのハートを射止めようと猛烈アタックを開始する。が、1941年、現地時間12月7日・・・。パール・ハーバーは一瞬にして深紅に染まり、戦争は突然の嵐のように彼らの青春に襲い掛かった。

“1億3500万ドルかけて特攻しかけたこの映画にある意味拍手を送りたい。”

まず正直に白状しろ。

監督2人いるだろ。そうだろ。そうとしか言いようがないぞこれはww

日本人として笑っていいものかどうか、、でも笑うしかないっしょこれ・・

燃料満タンで飛び立ったと思ったら実は片道とちょっと分しか入れてなくて、あえなく息切れそのままドボンてなかんじ?

おいおい、製作費1億3500万ドルかけて特攻しかけたのかよこの映画は、、、無残すぎる。

ついでにこれも言っとく。

戦争の罪より、あのオナゴの罪の方が身近で恐いよ

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カジュアリティーズ(1989年・アメリカ・113分)DVD

 監督:ブライアン・デ・パルマ

 出演:マイケル・J・フォックス、ショーン・ペン、ドン・ハーベイ、ジョン・C・ライリー、ジョン・レグイザモ

 内容:1966年、ベトナムの戦場で上官、同僚の4人がベトナム人少女をレイプし射殺するのを目撃した兵士エリクソン。基地に戻った彼は上官らを告発するが・・・。

評価★★★/65点

良く言えばこういう映画をちゃんと作れてしまうアメリカの懐の深さ。悪く言えばいまだに独善を振りかざして世界で罪を犯しまくっているアメリカ、いいかげんやめれ。

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さよなら子供たち(1987年・仏/独・103分)NHK-BS

 監督・脚本:ルイ・マル

 出演:ガスパール・マネッス、ラファエル・フェジト、フランシーヌ・ラセット

 内容:12歳のジュリアンは、パリ郊外のカトリック寄宿学校に疎開している。そこへ3人の転校生がやって来るが、彼はそのうちの1人ジャン・ボネのロッカーをこっそり覗き、ジャンがユダヤ人だと知る。寄宿生活を送るうちに、ジュリアンとジャンは次第に親しくなるが、料理番がゲシュタポに密告し、ジャンら3人の転校生と彼らをかくまった神父が連行され、学校は閉鎖されてしまう・・・。ナチス占領下のフランスを舞台に、子供たちの友情が戦争に巻き込まれていくさまを描いた、ルイ・マル監督の自伝的ともいえるドラマ。ヴェネツィア国際映画祭作品賞受賞。

評価★★★★/75点

“映画を珠玉の価値にまで一気に高めた永遠のラスト。”

少年の瞳に永遠に刻みつけられた別れと光景。

散発的でつながりもまとまりもなかったエピソードの数々の積み重ねが、ラストの少年の表情により一気に意味をもったものになった。

ラストのカットだけはルイ・マルも対象に相当肉薄して思い入れを込めて撮ったと思う。凄いよあの演技は。

ラストを際立たせるがための淡々描写に徹したといえるのかもしれない。

誰かが殺されるわけでもない、戦場でもない。

でも戦争の影、それは人間が隠し持っている憎悪や恐れと不安、が着実に普通の日常生活に侵食してくる。淡々とした画面の節々にそれらがトゲのように突き刺さっていくのが感じられ心が痛くなった。

「蝶の舌」のラストも強烈さと静寂さの中で永遠に刻みつけられたラストとなっているが、この映画もそういう表現がピタリと当てはまるような強いインパクトを残したと思う。

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グッドモーニング・ベトナム(1988年・アメリカ・120分)NHK-BS

 監督:バリー・レヴィンソン

 出演:ロビン・ウィリアムス、フォレスト・ウィテカー、チンタラー・スカパット

 内容:戦闘シーンなしでベトナム戦争を描いたロビン・ウィリアムスの出世作。1965年のサイゴンを舞台に、ソフトな音楽と検閲済みのニュースを流す米軍放送の中で、毒舌ジョークと派手なロックで兵士たちの人気を博した人気DJクロンナウアーの見たベトナムを描く。

評価★★★★/80点

“ブラックユーモアがユーモアでなくなったとき、アメリカの欺瞞が如実に示されるという痛烈なカタルシス。ユーモアでなくなったのではない。真実へと昇華したのだ。”

軍部を内部から皮肉り、ブラックユーモア満載のギャグにし、しゃべくりまくることで権力と闘う。

しかし、そんなのベトナムの人々にとってはこけおどしにしか過ぎないということをラストで示すという痛烈な皮肉。

戦闘シーンなしでここまで描ききるというのは凄いことだと思う。

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