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2013年9月23日 (月)

夢のシネマパラダイス409番シアター:塔の上のラプンツェル/ディズニーアニメ倉庫

塔の上のラプンツェル

20110512092552f67 声の出演(日本語吹き替え):中川翔子、畠中洋、剣幸、岡田誠、石原慎一、佐山陽規

監督:ネイサン・グレノ、バイロン・ハワード

(2010年・アメリカ・101分)

内容:ある王国で妊娠中の女王が病気になるが、不思議な力を持つ魔法の花によって元気を取り戻した。そして無事に産んだ女の子ラプンツェルの髪の毛にはその魔法の力が受け継がれていた。が、花の持ち主だった老婆は若返りを図るためにラプンツェルを誘拐。その後18年にわたって深い森の奥の高い塔の上で人知れず育てていたのだが、ある日、追っ手から逃れようと塔に迷い込んだ大泥棒フリンと遭遇したことで運命の歯車が動き始める・・・。

評価★★★★/75点

なぜこの映画が面白いのかというと、プロットの良さはもちろんだけど、キャラクターの生き生きとした造形力によるところが最も大きい。

特にあまたのお姫様を生み出してきたディズニーの中でも今回の髪長姫は屈指のヒロイン像を提供してくれた。

普通、塔の中から一歩も出られないとなると、部屋の片隅でひざを抱えて外を見ている内気なキャラを想起するけど、躁鬱状態の振り幅が激しいくらいに表情筋がよく動くラプンツェルの豊かな感情表現はとてもチャーミングだったし、金色に輝く大蛇のような髪の毛を自在に操るアクションを含め活発なキャラクターは魅力十分だった。

また、動物キャラの面白さも特筆もので、軍馬マキシマスのキャラ立てはこちらも表情の付け方を含め魅力十分。ディズニーには珍しく動物キャラが言葉を話せない設定がキャラクターの造形力を一段高めていてプラスになっていたと思う。

塔の上に捕らわれているヒロインを救い出すというプロットは、かの有名なカリオストロの例を出すまでもなく鉄板ネタではあるのだけれど、この映画の強みはプロット構成ではなくキャラ立てにあるのだと思う。

チャラ男の盗賊フリンもそうだけど、ディズニーの古典アニメの王道キャラからより現代風にアレンジされたキャラ立てが、今作を全体的にディズニーらしくない毛並みのする良作にしたのだと思う。

2006年にピクサーを傘下に収めたディズニーだけど、ようやくピクサーとよい意味で融合してきたなという印象を受けた。

あ、あと、しょこたんの吹き替えはさすがでございました。さすがアニオタだけのことはある!

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美女と野獣(1991年・アメリカ・84分)DVD

 監督:ゲイリー・トルースデイル、カーク・ワイズ

 声の出演:ペイジ・オハラ、ロビー・ベンソン、リチャード・ホワイト

 内容:森の中にひっそりと建つ城には、若く精悍だがわがままな王子がいた。ある時、彼は魔女に心を試され、醜い野獣に姿を変えられてしまう。そんな彼の城に発明家のモーリスが迷い込んでしまい、娘のベルが捜しにやって来るのだが・・・。ギリシャ神話以来親しまれてきた美女と野獣のロマンティックなラブストーリーをもとにしたディズニーアニメ。アニメ作品として初めてアカデミー作品賞にノミネートされた。

評価★★★★/80点

ディズニーアニメは大人の観賞に堪えない子供だましの作品ばっかりwと決めてかかっている自分からしても、唯一この映画だけは別格。

悲恋&叶わぬ恋を下地にしたストーリーラインのシンプルな良さもあれど、やはり最も評価すべきは音楽だろう。

ブロードウェイミュージカルをほうふつとさせる洗練された甘美で軽快な音楽とミュージカルナンバーが、まるで映画に永遠の生命を吹き込んだかのように作品を牽引していて、本格ミュージカルとしても最良の出来だと思う。

特に、時計やロウソクや食器たちがコーラスダンサーとして歌い踊る、アニメならではのレビューは見応えも十分!

彼らのキャラクタ設定も面白く魅力的だったし、ディズニーの古典として長く見つづけていってもらいたい映画だと思う。

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アラジン(1992年・アメリカ・90分)DVD

 監督:ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ

 声の出演:スコット・ウェインガー、ロビン・ウィリアムス、リンダ・ラーキン

 内容:神秘と魅惑の都アグラバ、大いなる夢と希望を抱いた貧しい若者アラジンは、市場で出会った美しい娘ジャスミンに一目ぼれし、彼女が盗っ人として捕まっていたのを助け出した。ジャスミンは実はアグラバ王国の王サルタンの娘で、結局役人に捕まったアラジンは、城の石牢に閉じ込められてしまう・・・。アラビアンナイトの物語を下敷きに、不思議なランプを手にした若者の愛と冒険を描いたファンタジーアニメ。

評価★★★/60点

「美女と野獣」にメロメロになった勢いそのままに見たっけ、ほとんど琴線に触れなかったことにショックを受けたのを今でも覚えている

何が面白くないのかというと、端的にいえばジャスミン姫のキャラクタだ。

王族という堅苦しい場に飽き飽きし、自由な暮らしとちょっと危険な冒険と恋に憧れるという点では、「ローマの休日」のオードリーを想起するけど、もとからしてアグレッシブで活動的なキャラクタなので、宮殿に囚われの身と自分で言うところにセツナ感が感じられず、感情移入できない。

そこにチョイ悪ヤンキーとハクション大魔王と悪徳大臣が現れて、、ってストーリーが完全に読めてしまうのもツマラナイし。

子供向けですw

いかに「美女と野獣」がスペシャルワンな作品だったのかってことがこれ見てよく分かった。。

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ターザン(1999年・アメリカ・88分)NHK-BS

 監督:ケヴィン・リマ、クリス・バック

 出演:トニー・ゴールドウィン、ミニー・ドライバー、グレン・クローズ、ロージー・オドネル

 内容:英国貴族の息子として生まれながら、嵐によってアフリカに漂着した一人の赤ん坊。両親を失った赤ん坊はメスのゴリラ、カーラに助けられ、ターザンと名付けられてたくましく育っていく。しかし、成長したターザンの前に文明人が現れたことから、ジャングルの平和が破られることになる・・・。幾度となく映画化されてきた「ターザン」のアニメ化。

評価★★★☆/70点

アニメにおける動物と人間の融和のコラボレーションは、胡散臭くて個人的には引いてしまうことが多いんだけど、これはギリでセーフだったかんじ。ラストはあまりにもな展開で失笑しちゃったけど、CGの使い方も程よい案配でフツーに楽しめた。

00年代に入ってから凡打続きのディズニーにあっては珍しい良品だと思う。

けど、これ以降、鳴かず飛ばずなのはいかがなものでしょう、ディズニーさん・・。

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ダイナソー(2000年・アメリカ・82分)DVD

 監督:エリック・レイトン、ラルフ・ゾンダグ

 声の出演:D・B・スウィーニー、ジュリアナ・マルグリーズ、ジョーン・プロウライト

 内容:6500万年前の白亜紀。突如、巨大隕石が地球に衝突し、大地は荒廃の一途をたどった。キツネザルに育てられたイグアノドンのアラダーは、なんとか一命をとりとめて方々をさまよううちに、クローン率いる草食獣の群れと遭遇する。彼らは命の大地と呼ばれる楽園を求めて移動を開始するが、後ろからは凶暴な肉食恐竜軍団が迫っていた・・・。

評価★★★/55点

ハリウッド版GODZILLAのクローンが出てきよった。。おもろない。

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アトランティス/失われた帝国(2001年・アメリカ・95分)NHK-BS

 監督:ゲイリー・トルースデール、カーク・ワイズ

 声の出演:マイケル・J・フォックス、クリー・サマー、ジェームズ・ガーナー、レナード・ニモイ

 内容:1914年。地図製作者にして言語学者の青年が、亡き祖父の意思を継ぎ、伝説の大陸アトランティスを求めて壮大な冒険の旅に出て、その隠された秘密に迫るアドベンチャー。

評価★★★/60点

宮崎アニメでこういう題材の映画をもう一度見てみたいと思いを馳せるのには打ってつけの作品。

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リロ&スティッチ(2002年・アメリカ・86分)WOWOW

 監督・脚本:クリス・サンダース、ディーン・デュボア

 声の出演:クリストファー・マイケル・サンダース、デイヴィー・チェイス

 内容:ハワイのカウアイ島。両親を早くに亡くした5歳の少女リロは、姉のナニと2人で暮らしている。いつも一人ぼっちのリロのために、ナニはペットを飼うことにするが、ペットショップでリロが見つけたのは犬には見えない“小犬”だった。リロはその小犬をスティッチと名付けて飼うことにする。ところがこのスティッチ、見た目とは裏腹に凶暴な性格で手に負えない問題児だった・・・。

評価★★/40点

それぞれのキャラが原石のまま放置されていて、1+1が1にしかなっていない。最近のディズニーはこういうお粗末感が多く見られる。体力の限界かな。

、、と、道理でピクサーとくっつかざるを得ないわけだ。。

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トレジャー・プラネット(2002年・アメリカ・96分)WOWOW

 監督:ロン・クレメンツ、ジョン・マスカー

 内容:15歳の少年ジムは惑星モントレッサで母親と2人暮らし。なにかと騒ぎを起こしては母を困らせている問題児のジムだったが、ある日、不時着した宇宙船にいた男からある箱を手渡されたことによって海賊から追われる身になってしまう。その箱の中には、莫大な財宝が眠るという伝説の“トレジャー・プラネット”への地図が入っていた・・・。スティーヴンソン原作による不朽の冒険小説「宝島」のアニメ映画化。

評価★★☆/50点

ディズニーという枠の中でやらざるを得ないためなのか、ハジけることができておらず、せっかくの好奇心をそそる格好の題材とキャラクターの魅力的な配置が全く活かされていない。ホント子供だましの映画そのものズバリというかんじ。

しかも飛翔感がない。致命的。。宮崎アニメを見慣れているとどうしても気になるところ。

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ライアンを探せ!(2006年・アメリカ・82分)WOWOW

 監督:スティーヴ・スパズ・ウィリアムズ

 声の出演:キーファー・サザーランド、ジェームズ・ベルーシ、エディ・イザード、ウィリアム・シャトナー

 内容:NY動物園の人気者、野生の王者ライオンのサムソン。しかし、サムソンの息子ライアンは子猫のような吠え方しかできず、みんなにバカにされていた。そんなある日の夜、いじけたライアンが乗り込んだコンテナを積んだトラックが出発してしまい、朝には出航する船へと運ばれてしまった。最愛の息子を救出するため、サムソンは仲間たちと動物園を脱出し、サムソンの行方を追うのだが・・・。

評価★★★/60点

“どうせなら題名をプライベート・ライアンSavingPrivateRyanにすればよかったのに(笑)。。”

中身は幼稚園児向けレベルだったけど、思ったよりは楽しめたかな。なにより、動物キャラの表情が豊かで面白いんだわ。

フルCGアニメに関しては、「レミーのおいしいレストラン」(2007)などのピクサーアニメを見てもそうだけど、ジャパニメーションよりもハリウッドの方が断然表現力では上をいっていると思う。デフォルメの仕方がおそろしく上手いと思うんだよね。

日本の方はCGアニメというとなにかと正確性と精緻さによる写実性にこだわりがちだけども、それがかえって表現の幅を狭めちゃってるんじゃないかなと。しかも中身がないんだもん、これがまた、っていつの間にか最近のジャパニメーションに対する不平不満になってしまったな。。

2013年9月17日 (火)

レアル・マドリー狂想曲第85番:ガレス・ベイルデビューしました!

1378120216_009479_1378166355_notici ガレス・ベイルがやって来て、カカが出て行って、エジルも出て行って、そしてやっぱり代表戦でマルセロ怪我しちゃってww、、なんだかエライことになっちゃいました。

まさかエジルを放出してしまうとは・・。ベイル獲得資金を捻出するためとか、年俸アップの交渉が頓挫したためとか様々な話が出ているけど、ちょっと首を傾げてしまう放出劇だったな。まぁ、レアルよりもアーセナルの方がエジル向きだとは思うけど。。

1378167557_extras_portada_0 しかし、エジル出すかぁ・・。

エジルの凄さはよく分かるけど、トットナムの試合はほとんど見てなかったので、ベイルの凄さがまだイメージの中だけにしかなく、、かといって、じゃあディマリア出せばよかったのかというと、それもなんだかなぁってかんじだし。。

要はベイルを獲る理由がよく分からない(笑)。もうホント、ネイマールを獲ったバルサへの対抗心というのが1番しっくりくるんだけど・・w

1378065752_extras_noticia_foton_7_2 ←ペレス会長が獲得してきたメガクラックたち。上左からオーウェン、ベイル、旧ロナウドw、ジダン、フィーゴ、CR7、下左からベッカム、ベンゼマ、モドリッチ、カカ、エジル

DFいませーん(笑)。それにしても凄いメンツ!でも、この中で本当に活躍したといえるのはジダン、フィーゴ、CR7ってとこだろうね。エジルはレアルでこれからさらなる飛躍を遂げようとしてるところだったのに・・。ベンゼマはイグアインほどインパクトを残していないし、モドリッチはまだ2年目だからね。

1378198042_extras_portada_0 ←お次はレアルが選手を放出した際の移籍金トップ10

エジル4500万ユーロ+イグアイン3700万=8200万ユーロってことは、ベイル獲得に1億ユーロ払ったわけだから、自腹は2000万を切るわけか。他にもアルビオルとかカジェホンとかを加えればなにげに収支は大赤字というわけではなさそう。。

けど、純粋な戦力値の収支で見て赤字になっちゃったら元も子もないわけで、、ていうかそうなっちゃうかもな不安感はベイルのデビュー戦を見て大きくなっちゃったかも。。

なんというか、CR7の子分的なかんじで・・

1379197979_extras_albumes_0 まぁ、まだ1試合目だからね。まだ遠慮してるかんじだったけど、デビュー戦でゴールを決めるというのも考えてみればスゴイことだし、頑張ってもらいたいですわ。

ただ、チームにフィットするまでは時間かかるかもね。ポジションもどこで使うのか不透明だし。

また、チーム自体の出来もまだまだ不透明だね。もう守備がズタズタ(笑)。

ビジャレアルが2部から上がってきたばかりとは思えないほど良質なパスサッカーを展開してきて、レアルの目指すポゼッションサッカーのお株を完全に奪われてしまったけど、もうやられ放題やられちゃって、4点くらい取られてもおかしくなかったな・・。

大丈夫だろうか、、チャンピオンズ・リーグ。。

まぁ、イジャラメンディとかモラタとかナチョとか積極的に若手を登用していこうとするアンチェロッティの選手起用は全面的に支持するけど、内容と結果の両立も求められるからな。しかもバルサの上をいくにはドローも許されない状況だからなぁ。難しいねぇ。。

とにかくあれだ。昨シーズンは2回くらいしか更新しないほどこちらのテンションはがた落ちだったので、今季はホント頼むよー!

2013年9月13日 (金)

夢のシネマパラダイス200番シアター:鉄子の部屋

阪急電車 片道15分の奇跡

O0330046811199922349_2  出演:中谷美紀、戸田恵梨香、南果歩、谷村美月、有村架純、勝地涼、玉山鉄二、宮本信子

監督:三宅喜重

(2011年・東宝・119分)WOWOW

内容:婚約者を後輩に寝取られてしまったOLの翔子は、当てつけで彼らの結婚式に純白のドレスで乗り込むものの敢えなく轟沈。そのままの格好で電車に乗り込むが、ただならぬ様子を見て、かわいい孫を連れた老婦人が声をかけてくる。それをきっかけに、恋人のDVに悩む女子大生、PTAの奥様付き合いに心をやむ主婦、大学生カップル、年上の会社員と付き合う女子高生など、束の間乗り合わせた人々に心の交流の輪が広がっていく・・・。宝塚から西宮北口までを15分でつなぐ阪急今津線を舞台にしたハートフルドラマ。

評価★★★☆/70点

コテコテの関西を舞台にしているわりにはかなり品のある作品だ。

その大半は宮本信子によるところが大きいのだけれども、“マルサの女”の若かりし頃を美人の黒川芽衣に演じさせているという点でこの映画の志向スタイルが垣間見えるというものだw

まぁ、安めぐみのキャスティングなんかは特大ヒットだったけどね(笑)。

映画としても、人はひとりでは生きていけない、どこかで誰かとつながっていたいという孤独な人間の持つ性を優しく見つめていて共感できたし、「この世界もなかなか悪くないよね」とラストに言わせしめる展開も全くクサくなくさわやかに見られて良かった。

たった15分間で人生がほんのちょっと重なり合い、影響し合えるような、そんな出会いのかけらは日常の何気ないところに転がっているんだなぁって思うとちょっと嬉しくなったけど、でもそれを拾えるのってたしかに奇跡なのかもね

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RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語

Rwtirasithumb550xauto317 出演:中井貴一、本仮屋ユイカ、三浦貴大、宮崎美子、佐野史郎、遠藤憲一、橋爪功、高島礼子、奈良岡朋子

監督・脚本:錦織良成

(2010年・松竹・130分)WOWOW

内容:大手メーカーのエリートサラリーマン筒井肇は、家庭を顧みることもしない仕事人間。経営企画室長として親友・川平が工場長を務める工場のリストラを進めた功などから取締役昇進の内定を受ける。しかしそこに、故郷の島根に暮らす母が倒れたとの連絡が入り、さらに追い打ちをかけるように川平の事故死の報が届く。自分の人生を振り返り内省した肇は、子供の頃の夢だった地元ローカル線“一畑電車”の運転士になることを決意する・・・。

評価★★★★/80点

正直プロットとしてはイイ話止まりなのだけど、ベタなストーリーを超えたところまで映画を持ち上げた役者陣に支えられ、結果かなりイイ映画に仕上がっている。

特に中井貴一の芸達者ぶりは舌を巻くばかりで、この人が出てれば大丈夫という安定感は群を抜いている。

家庭をかえりみることなく東京の大企業でせわしなく働きづめ、「会社は慈善事業じゃない、情で経営はできない」と冷たく言い放っていた仕事人間の男が、乗客ひとりのために電車を遅らせることもいとわない人情運転士に様変わりする理由もプロットとしては弱いのだけど、中井貴一が演じると、まるでつきものが落ちたように今まで切り捨ててきたもの&自分らしさを取り戻した男としてストンと納得できてしまうのだ。

あと、奈良岡朋子はなんか自分の母親の面影にどこか似ていてせつなくなってしまった

やっぱ実家ってイイよね(笑)。。

ただ、場面のつなぎつなぎで携帯電話を多用してくるのは映画表現としてはちと短絡的だったかなw

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RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ

340259_02_02_02_2  出演:三浦友和、余貴美子、小池栄子、中尾明慶、塚本高史、仁科亜季子、西村雅彦、吉行和子

監督:蔵方政俊

(2011年・松竹・123分)WOWOW

内容:鉄道運転士として仕事一筋の人生を歩んできた59歳の滝島徹。定年退職を1ヵ月後に控えたある日、それまで専業主婦として自分を支えてくれた妻・佐和子が、結婚前に勤めていた看護師の仕事を再開したいと言い出す。第二の人生は妻と一緒に過ごしたいと思っていた徹はそれに反対。口論となった末、家を出た佐和子に離婚届を突きつけられてしまう・・・。

評価★★★/65点

RAILWAYS1作目で主人公が脱サラして鉄道会社に転職したときに人生の分岐点を明示するものとして線路のポイント部分が切り替わるシーンがあったように、人生を線路に例えるというのはこのシリーズならではの視点で面白い。

その中で今回は、40年仕事を全うし、定年後は妻と旅行なんかを楽しんで2人で悠々自適の生活を送りたいと思っていた夫と、四六時中2人でいるのは耐えられないので(そんなセリフどこにもなかったけどw)、外に出て働き自分の人生を歩いていきたい妻の心のすれ違いを描いている。

要は同じ1本のレールの上を歩いていて後ろから妻がついて来ると思っていた夫と、レールは2本あってそれぞれのレールの上を手をつないで歩いていくのが夫婦なのだと思っている妻ということなのだと思うけど、男のオイラからするとずっと専業主婦だった妻がいきなり働き出したいという理由がイマイチ理解できず・・・。

しかも、これってそんな離婚まで突き進むほどの深刻な話なのか!?とも思っちゃったけど、、こりゃオイラ完全にこの夫と同じ穴のムジナなのかも・・w

でも、米倉斉加年が「定年してからの20年は長げ~ぞー」としみじみと言うセリフが妙に心に残ったな(笑)。って定年まで30年以上ある自分が言うのもあれだけど・・

いっこうに隣を走る2本目のレールと出会えない自分の人生のレールは、いつトンネルから抜け出せるのだろう・・

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僕達急行 A列車で行こう

20120329 出演:松山ケンイチ、瑛太、貫地谷しほり、ピエール瀧、村川絵梨、笹野高史、伊武雅刀、西岡徳馬、松坂慶子

監督・脚本:森田芳光

(2011年・東映・117分)WOWOW

内容:大手不動産会社に勤める小町は、デート中でも車窓風景に夢中な鉄道マニア。一方、小さな町工場の跡取り息子・小玉も大の鉄道好き。そんな2人は、出会ってからあっという間に意気投合し友情を育んでいく。そんな中、小町は九州支社に転勤になってしまう・・・。

評価★★★/65点

恋愛ものからサスペンス、ホラー、ホームドラマまで何でもソツなく撮れてしまう森田芳光の遺作がピュアなコメディとはなにか感慨深いものがあるけど、独特なセリフ回しや、いちいち差し込まれる効果音、ムダに間の悪い長回しなどやりたい放題の森田演出には正直イマイチ乗り切れなかったかな。

ただし、友達以上恋人未満といってもいいような小町と小玉の関係性はほんわかとした味わいを醸し出していて面白かったし、それを演じる松山ケンイチと瑛太のヘタウマな素人っぽさも好感が持てて、なんだかんだいって嫌いにはなれない映画だ。

でも、趣味友ってなんかイイなぁって思った。社会や日常のしがらみに関係なく世界を広げてくれる豊かな人間関係ってなかなかあるものじゃないし、そういう心地よいつながりには憧れを抱いた。

自分の場合は映画とサッカーか。誰かいないかなぁ

夢のシネマパラダイス361番シアター:マネーボール

マネーボール

Poster 出演:ブラッド・ピット、ジョナ・ヒル、フィリップ・シーモア・ホフマン、ロビン・ライト、クリス・プラット、ケリス・ドーシー、スティーヴン・ビショップ

監督:ベネット・ミラー

(2011年・アメリカ・133分)WOWOW

内容:MLBで最も貧乏な弱小球団アスレチックスのゼネラルマネージャーに若くして就任したビリー・ビーン。02年のオフ、相も変わらず主要選手が移籍していく中、選手獲得に四苦八苦していたビリーは名門イェール大経済学部卒の青年ピーターと出会う。彼のデータを重視した選手評価をもとに、安い選手を買って勝てるチームをつくる独自の経営戦略を打ち立てていくビリーだったが、その常識破りの手法は、ベテランスカウトや監督との軋轢を生んでいく・・・。

評価★★★☆/70点

ひと頃、携帯のソーシャルゲームで野球ゲームにハマッたことがある。プロ野球12球団の実名選手の中から自分仕様のチームを編成してリーグ戦を戦い最強チームを目指すものなんだけど、これがなかなか奥深くて、自チームの資金内でどの選手を獲得してチームを強化していくか、あーでもないこーでもないと頭を悩ませることになるわけで。

同じようにサッカーゲームでもオーナー・監督目線で楽しめるシミュレーションゲームがあるけど、実はこのてのゲームで一番燃えるのが資金に乏しいチーム初期段階だ。ほとんど無名の選手を使わざるをえない中で、費用対効果の高い選手、つまり移籍金や年俸が安いながら能力が高い選手を引っ張ってきてチームを強化していく、そのやりくりが実に面白いのだ。

また、本来はサードの選手を1塁手で使ったり、サッカーなら守備的MFをサイドバックで使ったり、チームの台所事情が厳しい中ではコンバートもいとわず、やりくり上手にならなければならない。

思えば野村克也が率いて90年代に黄金時代を謳歌したヤクルトは野村ID野球とか野村再生工場と呼ばれたものだけど、正捕手だった秦真司を外野手に、控え捕手だった飯田哲也をセンターにコンバートし、新人の古田敦也を正捕手にしたのは有名な話だし、小早川毅彦、吉井理人、近年では山崎武司など他球団で戦力外となった選手やトレードで移籍してきた選手を再生させる手腕はまさに野村マジック。

野村監督ってホントにすごい名将だったんだ、、って今回の映画見て実感した次第。。

で今回の映画は、アメリカにも野村監督のような人がいるっていう話(笑)。しかもその風体は古ダヌキならぬイケメンちょい悪オヤジ風w、、ってことは置いといて、近年、野球でもサッカーでも金持ちチームと貧乏チームの格差が大きくなりすぎてジャイアントキリングが起きにくい状況になっている中、総年俸が超大金持ちヤンキースの4分の1以下の弱小チームを強豪に変革していくこの男のやりくり上手な手腕・ノウハウは見ていて痛快だったことはたしか。

まぁ、えてしてGMが現場に口を出すとロクなことにならないわけだけど

そういう点ではシーズン中でも試合終了後にチームメートに別れのあいさつをするヒマなく荷物をまとめて別なチームに行かなければならないシビアな現実や、選手を数値化して分析するゲーム感覚は、なんか人と人のやり取りじゃなくて人が単なるモノになっちゃってて、義理人情の入り込む余地のない(現にビリーは情が移ってしまうから敢えて試合は見ない)そのスタンスはちょっとイヤなかんじも・・・。

メジャーリーグはいまやアメリカ人だけでなく日本人にとっても夢を与えてくれる世界になったし、“ボールパーク”と呼ばれる球場の雰囲気は一度味わってみたいと思ってるけど、夢の世界の残酷な現実を垣間見てしまった。

あと、バント&盗塁禁止というのも、日本お得意のスモールベースボール信者からすると相容れない考え方であまり共感はできなかった。

ただ、いつも敵役に回ることが多い球団GMを主人公にしたビジネス視点は新鮮だったし、手段を選ばずただひたすら勝利にこだわり続ける夢もノスタルジアも入り込む余地のないストイックな中年男をブラピが地味に演じていてこれまた新鮮でよろしかった。

まぁ、ベースボール映画といえばロバート・レッドフォードの「ナチュラル」(1984)とか「オールドルーキー(2002)、「フィールド・オブ・ドリームス」(1989)など野球愛と夢を魅せる映画の方がやっぱり好きではあるんだけどもね・・ww

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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

4150 出演:前田敦子、瀬戸康史、峯岸みなみ、池松壮亮、川口春奈、西田尚美、大泉洋

監督:田中誠

(2011年・東宝・125分)WOWOW

内容:入院中の親友に代わり弱小野球部のマネージャーを引き継いだ女子高生の川島みなみ。彼女は野球部を甲子園に連れて行くと宣言するが、部員たちは練習をサボってばかり。引っ込みがつかなくなった彼女はマネージャーについて書かれた本を求めて書店に立ち寄る。店員に世界中のマネージャーが読んでいるという『マネジメント』を勧められるが、その本は実は経営学のビジネス本で・・・。

評価★★★/65点

映画の定義が観客を感動させることにあるとするならば、その役割は無難にクリアしているといっていいのではなかろうか。

まぁ、ベタもベタな青春高校野球映画になっていて、ドラッカーの『マネジメント』なんて全く頭に入ってこなかったけど・・・w

ただ、この長髪野球チームから野球センスがほとんど感じられないのはどうしたことだろう。投球フォームも守備もまるでなっていない・・・。

精神論や根性論を“真摯”という爽やかな一言にまとめ上げてスポ根ものから距離を置き、論理的戦法で展開させる(それがノーボールノーバント作戦というのも非現実的だけど・・)のは新機軸ではあるのだけど、野球の基本ベースは最低限ラインとしてしっかり見せてほしかったなぁ。

でも、前田敦子のバッターの構えは女のコにしてはなかなか良かったかもw

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