夢のシネマパラダイス470番シアター:ロボジー
ロボジー
出演:五十嵐信次郎、吉高由里子、濱田岳、川合正悟、川島潤哉、田畑智子、和久井映見、小野武彦
監督・脚本:矢口史靖
(2011年・東宝・111分)WOWOW
内容:家電メーカー“木村電器”に勤める3人の社員は、ワンマン社長から二足歩行ロボットの開発を命じられる。ところが、お披露目まで1週間となったある日、製作中のロボットが大破してしまう。切羽詰まった3人はロボットの製作を諦め、ロボットの着ぐるみでごまかそうとするのだが・・・。
評価★★★★/80点
笑える映画だ。
しかも、素直に笑える映画だ。無理に笑かそうとしてないのがイイ。
じゃあ、なんで笑えるかというと間の取り方がとにかく絶妙で、コメディシチュエーションが日常風景の中にしっかりと構築されているからだ。
例えば三谷幸喜作品も素直に笑える部類だけど、その笑いは限定された舞台空間の中でキャラクターのアンサンブルをダイレクトに笑うパターンが主で、これはつまり本が絶妙に上手いということにつきる。
一方、笑うのにベストなペースと間で日常に笑いを溶け込ませる矢口史靖の作品はコメディセンスと磨き上げられた演出力がものをいう。それは例えばオープニングのロボット転落死wシーンの秀逸さをみれば明らかだろう。ここのシーンだけ抜粋してコメディの教科書にしたいくらいだww
まぁ、ジャンルとしてはオッサンが女装してギャングから逃げ回るビリー・ワイルダーの「お熱いのがお好き」とか、ロビン・ウィリアムズがこれまた女装してベビーシッターになりすます「ミセス・ダウト」、はたまた子供が大人に入れ替わってしまうトム・ハンクスの「ビッグ」などと同様の生っ粋のなりすまし型コメディで、ありふれた古典的なお笑いジャンルなのだけど、ヨボヨボのおじいちゃんがロボットになりすます設定というのははっきりいってありえない(笑)。
しかし、人をバカにするのもいいかげんにしろ!と白ける一歩手前で踏みとどまれるバランス感覚の良さと、わざとらしさがマイナスにならない絶妙な間の取り方、そして人の必死さが織り成す可笑しみをとらえる抜群のコメディセンスがこの作品をほのぼのと楽しいものにしている。
ロボット工学のイロハなんて露知らずの文系人間でも楽しめるアナログ的な間口の広さも好感度大だし、ダメ社員3人の奮闘姿は少年時代に読み漁っていたズッコケ三人組を想起させて最高だった。
CGやVFXを使わずとも抱腹絶倒な面白い映画が作れちゃうんだもん♪
日本的大衆娯楽映画を何のてらいもなく作ってしまう稀有な監督、矢口史靖のセンスに今さらながらにベタぼれです。。
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ショートサーキット(1986年・アメリカ・98分)NHK-BS
監督:ジョン・バダム
出演:スティーブ・グッテンバーグ、アリー・シーディ、ブライアン・マクナマラ
内容:軍事用に開発されたロボットが落雷によってショート、人間的な感情を持ち始める。ナンバーファイブと名付けられたそのロボットは基地から脱走。偶然そこで出会った女性との交流をからめたロボット版E.T.
評価★★★☆/70点
表情がないのがなんとも惜しい。せめて口を付けてほしかったな。
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