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2013年1月28日 (月)

夢のシネマパラダイス551番シアター:やっぱり故郷が一番!

プリンセス トヨトミ

Efbe8cefbe9fefbe98efbe9defbdbeefbdb 出演:堤真一、綾瀬はるか、岡田将生、沢木ルカ、森永悠希、笹野高史、和久井映見、中井貴一

監督:鈴木雅之

(2011年・東宝・119分)WOWOW

内容:2011年7月8日、大阪が全停止した・・。その4日前。国の予算が正しく使われているかを調べる会計検査院の調査官3人が東京から大阪に乗り込んできた。税金の無駄遣いを決して見逃さない鬼の松平(堤真一)と、天然おバカだけど時々驚くべき勘を発揮するミラクル鳥居(綾瀬はるか)、そしてクールなハーフの旭ゲンズブール(岡田将生)だ。調査対象を順調にこなしていった彼らは、次の調査のため空堀商店街へ向かう。そして、財団法人OJO(大阪城趾整備機構)の調査を開始するのだが・・・。

評価★★☆

奇想天外な謎解き歴史ミステリーで知的好奇心を刺激する日本版ダヴィンチ・コード!?はたまた風呂敷広げすぎた世にも奇妙な物語!?それとも話なんて二の次で大阪人を笑いのネタにするトリック劇場版!?

で、見てみたら、、綾瀬はるかの揺れるオッパイ

、、てことしか印象に残らない薄味仕立てで濃い味好きの東北人のオイラにはイマイチだった・・・。

毎週、関西ローカルの老舗「探偵ナイトスクープ」を見て濃ゆい大阪人気質の面白さを味わって楽しんでいる者から言わせてもらうと、大阪&大阪人という世にも奇妙な世界のコテコテな住人を描けていない(もともとそんなの描く気はなかったとも感じるが)時点で映画のインパクトは一気に半減してしまった。しかも女装中学生はないやろっていう・・

親豊臣・大阪人の徳川・江戸っこへの敵対心に対し、大阪なんてはなっから眼中にない東京人の優越感を茶化して描くには天然キャラの綾瀬はるかは絶妙なキャスティングだと思うんだけど、映画はそういう視点にははなっから眼中にないらしく・・・。

例えば沖縄独立だったら右から左までざわめき立つようなアブナイ論争の火花が散らされるわけだけど、大阪独立ってことになると、いや、もう大阪は独立してるようなもんでしょ(笑)ていう茶化しネタにしかならないわけで、、そういう点ではこのホラ話の落としどころに世代をつなぐ親子の絆を持ってきたのは正解なのかもね。

ただ、自分が求めてたものとはちょっと違ったかなぁと。。綾瀬はるか以外は・・

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エリザベスタウン

Elizabethtown 出演:オーランド・ブルーム、キルスティン・ダンスト、スーザン・サランドン、アレック・ボールドウィン

監督・脚本:キャメロン・クロウ

(2005年・アメリカ・123分)DVD

評価★★/40点

内容:シューズ会社に勤務するデザイナーのドリューは、自らが企画開発した新型シューズが10億ドルもの大損害を招き、責任を取らされて会社をクビに。恋人にも捨てられ生きる望みを失った彼に、さらに父親が急死したという報せが入り、葬儀のためにケンタッキー州の小さな街エリザベスタウンへと向かうことに。そしてドリューは失意の飛行機の中でフライト・アテンダントのクレアと出会い、案内されるまま一緒にエリザベスタウンを訪れるのだが・・・。

“まるでこの映画の中に出てくるウッザイ悪ガキのごとく大音量の音楽とともに好き放題やりたい放題で自己満足に浸っているキャメロン・クロウに今回は完全に辟易。。”

鳴り物入りで売り出した新作シューズが大不評だからって10億ドルもの損害が出るかぁ!?しかも10億ドルてのが全くオイラの現実感覚からは程遠い金額で、現実味を全く感じることができないんだけど、この映画のプロットひとつひとつが全部そんなかんじで、映画に入っていくことが最後まで出来ずじまい・・・。

ドリューが自殺しようとするシーンも、自転車トレーニングマシンに包丁を括りつけて絶望に浸るというお遊び感覚で、全く切実感が感じられないし、飛行機で一方的に逆ナンしてくる乗務員のクレアもこんなお節介焼きオバハンいるのか!?と思わず引いちゃうくらいだし。

なんか全部ダメだねこれ(笑)。

ドリューがエリザベスタウンからオレゴンの自宅へ父の遺灰とともに車で帰宅する道中、ぴったりの曲を満載した選曲CD集を名所見どころと道先案内を詳細に書き込んだロードマップとともにプレゼントするクレアなんて、キャメロン・クロウ本人を丸写ししたようなもんじゃん。

オイラもMYドライブMDとか作るの大好きだけど、作ってるときって完全に自己満足に浸ってるのよね・・・(笑)。

しかもクレアは、ネブラスカの街に立ち寄るように手の込んだ計画を練って、そこで赤い帽子をかぶった女のコとして待ってるわけやろ。イヤラすぃというかなんというか。。

キャメロン・クロウ自身実際に車走らせて、ここではこの曲だなとかほくそ笑みながら作ったんだろうな、、、って別にエエやんそこは。。

ただ、「あの頃ペニー・レインと」と同じく非常に彼のパーソナルな一面が反映されていると思うのだけど、彼の感じるポイントというのが「あの頃~」とは違ってかなりズレまくってしまっていて、そこがイタタタ・・・ってかんじですた。。

結局、まるで素っ裸にトレンチコートを羽織った変態男がどうだっ!と言わんばかりに前をバッとさらけ出す時の顔にしか見えなかった、、、それがこの映画を観終わって感じたキャメロン・クロウの“最後の視線”です。。

泣くことも笑うこともできない駄作以上凡作未満のわけの分からない映画・・・。

「バニラ・スカイ」からどうもオイラが思ってた方向とはかけ離れた所にイッちゃってるような気がするキャメロン・クロウ。アンタはいったいどこへ向かおうとしているんだ!?

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雪に願うこと(2005年・日本・112分)WOWOW

 監督:根岸吉太郎

 出演:伊勢谷友介、佐藤浩市、小泉今日子、吹石一恵、香川照之、小澤征悦

 内容:東京で会社を経営していたものの敢えなく倒産、妻や友人にも去られ全てを失った矢崎学。彼はやむを得ず、連絡さえとっていなかった故郷の兄・威夫を頼って北海道帯広に戻る。そして、威夫が運営するばんえい競馬の厩舎で見習いとして働くことに。。。東京国際映画祭で史上初の4冠受賞。

評価★★★☆/70点

どこまでも真摯で実直な態度を崩さない演出で、ばんえい競馬の地道さを地で行くような映画。

特に難癖付けるところもないのだけど、緩急とヤマに乏しい一本調子な点はやや否めず。まるでばんえい競馬の直線200mコースから2箇所のヤマを取っ払っちゃったようなかんじ。。

さらに、その地味な作風を背負って立つべき伊勢谷友介の力量不足も気になった。脇を固める役者陣が良かっただけに一人だけ浮いて見えるんだよね。

まぁ、地に足をつけた人間の営みとは無縁だった(あるいはそれを捨てた)IT社長という役柄からすれば他から浮いて見えるというのは逆に良いのかもしれないけどもw

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UDON

Udon 出演:ユースケ・サンタマリア、小西真奈美、トータス松本、鈴木京香、弁毅

監督:本広克行

(2006年・東宝・134分)CS

評価★★★☆/70点

内容:讃岐うどんの本場、香川県。実家の製麺所をほったらかしてビッグなコメディアンになると豪語してNYへ渡ったものの、あえなく借金を背負って帰郷してきた香助。が、父親とは反りが合わず、製麺所を継ぐ気など毛頭ない。そこで、親友から紹介された地元のタウン誌で仕事を始めた香助は、編集部員の恭子と、うどんをテーマにしたコラムに取り掛かることにするが・・・。

“結局最後に行き着くのは、1800円かけてこれ観るかっていうこと・・・。”

「人を笑わせるには、美味しいうどんを食べさせれば一発!みんな笑顔になるのだから。」

この親父さんのセリフと同様に良い映画を観た後は自然と笑みがこぼれ落ちるもの。

そういう意味では、この映画は少なくとも美味しくて味が良い映画だったとは思う。

けど、一杯100円足らずの「UDON」を食すのに1800円も払って劇場の席につかなければならないバカらしさってのはやっぱあるよね(笑)。。

そういえば、香川出身の職場の同僚は、うどんは“食べる”のではなく“飲み込む”ものだと言ってたけど、ホンマかいな。

ちなみに自分の地元・盛岡は、わんこそば、じゃじゃ麺、冷めんが本場なのだけど、ほとんど食ったことがない・・・。ていうかオイラのソウルフードって何だろう?

あ、ポテチのコンソメ味だ、、、いやいや(笑)、仙台名物“ずんだもち”だな。即決。

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船を降りたら彼女の島(2002年・日本・112分)NHK-BS

 監督・脚本:磯村一路

 出演:木村佳乃、大杉漣、大谷直子、照英、村上淳、ベンガル、六平直政

 内容:東京の出版社に勤める久里子は、恋人と結婚することを親に報告しに2年ぶりに瀬戸内の島に帰郷した。が、なかなか「アタシ結婚します!」という一言が言えない久里子。そんな里帰りは、一方で彼女の心に幼い頃の淡い初恋の思い出を甦らせる・・・。

評価★★★★/75点

“煙草と海と大杉漣”

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ウィスキー(2004年・ウルグアイ・94分)NHK-BS

 監督:ファン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール

 出演:アンドレス・パソス、ミレージャ・パスカル、ホルへ・ボラーニ

 内容:ウルグアイのとある町で小さな靴下工場を経営する初老の男ハコボ。従業員は中年女性のマルタと数人の工員だけだが、長年一緒に仕事しているハコボとマルタは必要最小限の会話以外とくに言葉を交わすことはなかった。そんなある日、疎遠になっていたハコボの弟エルマンが、母親の墓石の建立式のためブラジルから帰国することになった。そこでハコボは弟が滞在する間だけ夫婦のフリをしてほしいとマルタに頼み込むのだが・・・。

評価★★/45点

どのくらい美味しいお味に仕上がっているのかと期待していたのだけど、あまりにもデリケートすぎるスタイルに微妙な心情の機微のゆらめきを嗜むことすらできず・・・。映画玄人になるにはまだまだ遠い道のりが続きそうだと痛感。。

すっごい深い味わいのある映画なんだろうなぁ、、と思いつつ、中年男女3人の無表情にいつまでたっても自分の中でエンジンがかからず。

もうちょっと大人になってから再見してみますか。。

2013年1月 7日 (月)

夢のシネマパラダイス34番シアター:王様はつらいよ!

英国王のスピーチ

20110170 出演:コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター、ガイ・ピアース、ティモシー・スポール、デレク・ジャコビ、マイケル・ガンボン

監督:トム・フーパー

(2010年・英/豪・118分)DVD

内容:英国王ジョージ5世の次男ジョージ6世は、吃音症に悩まされ、上手くスピーチ出来ないことから人前に出ることを極端に恐れるようになっていた。何人もの言語聴覚士の治療を受けるものの一向に改善の兆しは見られず、そんな夫を心配する妻エリザベスが最後に頼ったのはオーストラリア人の聴覚士ライオネルだった。王族をも恐れぬ歯に衣着せないライオネルの態度に6世は激怒するが、兄である長男エドワード8世が次期王位からトンズラしたため、王位を継がねばならなくなり、いやでもライオネルに頼らざるを得なくなるのだった・・・。

評価★★★★/80点

英王室を描いた映画はどれもこれもというわけではないけど、本家本元の権威と伝統という厚化粧のにおいがプンプンして性に合わない。

なのでこの映画も見る前は色眼鏡をかけて身構えてしまったのだけれど、冒頭の演説シーンでどもりまくるジョージ6世=バーティの姿を見て一気に映画の中に入っていってしまった。

そして、国王という役者稼業の舞台になんて上がりたくないとゴネるバーティ=コリン・ファースと舞台に上がりたくて上がりたくて仕方がない大根役者ライオネル・ローグ=ジェフリー・ラッシュの“演技合戦”を軸として紡がれる友情と成長の物語はアカデミー受賞も納得の出来。

特に2人が信頼を醸成していく会話劇の妙は、さすがシェイクスピアを生んだイギリスならではのウィットに富んだ面白さで飽きさせない。

また、静的な室内劇でありながら、顔のクローズアップや突き放したような俯瞰ショットなどを使いながら空間を意識し、必要最低限の情報量で状況や感情の機微を捉えていく巧みな演出も出色で、アカデミー監督賞も納得の腕前。

あとはなんといっても役者陣。

主演男優賞のコリン・ファースも良かったけど、個人的には断然ジェフリー・ラッシュに軍配をあげたい。

この人がいれば安心できると思えるような知性とユーモアあふれる存在感にグイグイ引き込まれた。

ヘレナ・ボナム=カーターもいつもの風変わりな役柄とは異なる味を出していて秀逸だったし、やはりどこからどう見ても「ソーシャルネットワーク」を打ち負かすに足る堂々たる作品だったと思うわけですw納得。

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マリー・アントワネット

A5dea5eaa1bca1a6a5a2a5f3a5c8a5efa5c 出演:キルスティン・ダンスト、ジェイソン・シュワルツマン、リップ・トーン、ジュディ・デイヴィス

監督・脚本:ソフィア・コッポラ

(2006年・アメリカ・123分)WOWOW

評価★★★/65点

内容:1769年、フランスとの同盟関係を確固とするために、オーストリア大公マリア・テレジアは14歳の皇女マリー・アントワネットを15歳のフランス王太子ルイのもとへ嫁がせる。フランスへ渡ったマリーは、ベルサイユ宮殿での結婚生活に胸をふくらませるが、夫はまるで彼女に関心がなく、世継ぎを求める声がプレッシャーとなってのしかかってくる始末。そんな孤独を紛らわそうと、贅沢三昧な宮廷生活に明け暮れるのだったが・・・。

“現代女子高生のマリー・アントワネットなりきり体験ツアー!”

まるでアイドルグループがマリー・アントワネットになりきって、アタシ、オーストリア高校からベルサイユ高校に新しく転校してきたマリー・アントワネットといいます!よろしくネ

、、、みたいなポップといえば聞こえはいいが、軽いノリのアイドル学園映画といった方がしっくりくるような出来に、大仰なコスチュームプレイにお固く退屈なイメージを抱いてしまっているオイラは、やや面食らってしまった。

だって歴史ものとしての体をほとんど成してないもんこれ(笑)。

もちろんベルサイユ宮殿をはじめとして、衣装、調度品、美術、装飾などは圧倒的なホンモノ感を漂わせてはいる。しかし、その中で繰り広げられるべき人間模様は非常に浅く、歴史的背景もベルサイユから外に出ることはない。

また、マリー・アントワネットの人物像ひとつとっても、苦悩や葛藤などの内面はほとんど描かれることなく、あるとすればどうすれば夫とSEXできるのかということだけ・・・。

権謀術数うず巻くフランス版大奥ともいうべき歴史の裏側には全く目もくれずに、浮世離れしたベルサイユのしきたりの中で底抜けに明るいマリー・アントワネットが体験する宮廷生活のみにフォーカスした描き方は物足りなさを感じてしまい、観終わってイの1番に出てくる感想は、、で、何を描きたかったの?ということだけなんだけど、逆にこれだけ贅沢な映画のつくりもないだろうと思わせてしまう。この内容で(笑)。。

そういう意味でも、世間知らずのティーンエージャーがマリー・アントワネット体験ツアーに参加してみましたといった軽っぽさ感をこの映画から拭い去ることはできない。

が、オイラみたいな隠れキルスティン・ダンストFAN(これをオイラは隠れキリシタンと呼ぶw)にとっては、120分間延々と彼女を堪能できてしまうのだから、これほど嬉しいことはない。

そう考えるとやっぱ贅沢だわ、この映画。

でも、、、それでいいのか?ソフィア・コッポラさん・・・。

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ラストエンペラー

P0001913 出演:ジョン・ローン、ジョアン・チェン、ピーター・オトゥール、坂本龍一

監督・脚本:ベルナルド・ベルトリッチ

(1987年・伊/英/中・163分)NHK-BS

評価★★★★☆/85点

内容:わずか3歳の時に西太后によって北京・紫禁城に迎えられた溥儀は、間もなく清朝の皇帝に任命された。6歳の時に辛亥革命が起きて彼は皇帝を退位するが、紫禁城からは出られず、その後起きたクーデターによって城を追われると、日本軍の甘粕大尉によって天津へと逃亡する。やがて溥儀は甘粕らの計らいで満州国の皇帝となるが、ただの操り人形にすぎないことを知るのだった・・・。清朝最後の皇帝・溥儀の半生を描き、アカデミー作品賞・監督賞をはじめ9部門を獲得した歴史ドラマ。

“これほどまでに映像が物語を創造していく映画を自分は知らない。”

極彩色にゆらめく豊潤な映像美に誘われた時間旅行に映画を見たぞー!という満足感と恍惚感に浸ることができる。

映画に酔いしれるというのは、こういうことを言うのかもしれない。

しかしまぁ、きな臭い悪魔のような激流に翻弄されていた時代の中国を、東洋ロマンあふれる悠久の大河のごとき筆致で描ききることができたのは、西欧人ならではの視点じゃないと作れないだろうなとは思った。

いずれにしても息をのむようなビジュアルにただただ圧倒されてしまうのだが、その中で紡がれる物語に関しても、門と堀に囲まれた紫禁城から一歩も出られない皇帝と、同じく門と塀に囲まれた収容所から一歩も出られない囚人を同義的に語る視点は面白かったし、戦前・戦中は取り残されたあるいは祭り上げられた権力の象徴を、そして戦後は悪の象徴を担わされた人間・溥儀の絶対的孤独が観る側に対峙して深々と迫ってきて見応えは十分だった。

そういう意味では、現在日本の象徴天皇が置かれている現状にも通じるかんじがして、興味深かった。

静かだけど劇的な映画だったな。

溥儀を演じたジョン・ローンの憂いを含んだまなざしと、ラストの夢幻のような幕の下ろし方が脳裏に焼きついて離れない。

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王の男(2006年・韓国・122分)WOWOW

 監督:イ・ジュニク

 出演:カム・ウソン、イ・ジュンギ、チョン・ジニョン、カン・ソンヨン

 内容:16世紀初頭。旅芸人のチャンセンと女形のコンギルは、国一番の芸人になろうと漢陽の都にやって来る。そこで時の王・燕山君(ヨンサングン)の悪評を耳にした2人は、宮廷を皮肉る芝居をやって一儲けたくらむのだが、あえなく王の重臣に捕まってしまう。しかしチャンセンは、その芝居を人前で笑ったことがない王の前で披露し、王を笑わせてみせると豪語。もちろん笑わなければ死刑。はてさて2人の運命やいかに・・・。韓国史上最悪の暴君といわれる燕山君をモチーフに描く宮廷劇。

評価★★★☆/70点

“芸人は、今も昔も命張ってます!”

下ネタ満載の痛烈な風刺劇はフツーに見ていて面白いのだが、それ以上に大仰なまでの人格破綻者ぶりをひけらかす王ヨンサングンの方が個人的には見応えがあった。

「達磨よ、遊ぼう!」(2001)、「達磨よ、ソウルに行こう!」(2004)でのコメディ演技ぶりが印象的だったチョン・ジニョンが演じているというところも大きかったのだと思う。

韓国史上最悪の暴君といわれているらしいヨンサングン(燕山君)だが、その歴史的背景やその時代を韓国人のように知識として分かっていればもっとこの映画を楽しめたのかもしれない。

日本だと織田信長とかになるんだろうか。。

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クンドゥン(1997年・アメリカ・135分)NHK-BS

 監督:マーティン・スコセッシ

 出演:テンジン・トゥタブ・ツァロン、ギュルメ・テトン、テンチョー・ギャルポ

 内容:1937年、チベットのある寒村を僧侶たちが訪れた。彼らは4年前に逝去したダライ・ラマ13世の生まれ変わりを探す旅を続けていたが、この寒村でついにダライ・ラマ14世になるべき幼子に出会う・・・。名匠マーティン・スコセッシがダライ・ラマ14世の半生を描いた野心作。

評価★★★/65点

チベットとダライ・ラマについてのさわりをササッとなぞっただけという感は否めない。

しかし、心を洗うような流麗な映像と音楽の力によって武器などビタ一文付け入るすきのないチベットの荘厳な風景が印象的だったし、国是とする非暴力主義に十分すぎるほどの説得力をもたせていたとは思う。

暴力を徹底して描いてきたスコセッシが、非暴力をこれだけ貫いて描くというのもある意味では見所なのかもね。

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王様と私

Mulybuia 出演:デボラ・カー、ユル・ブリナー、リタ・モレノ、マーティン・ベンソン

監督:ウォルター・ラング

(1956年・アメリカ・133分)DVD

内容:1862年、イギリス人の未亡人アンナは、シャム君主モンクートの子供たちの家庭教師としてバンコクにやって来た。が、赴任早々アンナは、ビルマ大公からの貢ぎ物の姫タプティムを寵愛し、さらに十指に余る王妃に囲まれている王の前時代的な暮らしぶりを見て愕然。しかし、王にはどこか憎めない一面もあり、アンナは彼の目を世界に向けさせようと努力する・・・。絢爛豪華なシャム王家の宮殿を舞台にしたミュージカル映画で、アカデミー主演男優賞などを受賞。

評価★★★☆/70点

死の床に伏せた王様がアンナに感謝の気持ちを伝えて王位を息子に譲るというラストに現実味がない・・・。

どっからどう見たって死にそうな男に見えないもん(笑)。だってモーゼはアホや!と豪語するねんで。

それくらいユル・ブリナーのバイタリティあふれる粗野な王様っぷりは強烈で魅力的なものだった。

ミュージカルナンバーも“シャル・ウィ・ダンス”をはじめとして、どれも忘れがたい魅力にあふれていて、東洋と西洋の出会い、伝統と近代化というやや押しつけがましいテーマを難なく表現することができており、非常に印象的。

でも、やっぱり最後、行きつくところはユル・ブリナーだな。なんか一瞬、渡辺謙に見えなくもなかったけど。

しかし、1951年の初演から4600回以上上演されたブロードウェイの舞台版でも主演を務めていたブリナーは、1985年の最終公演でガンに侵されていることを告白、病を押してステージを務め上げたという。

やっぱスゴイ役者さんだったんだなぁ。

エキサイティングな映画でございました、、エトセトラ~エトセトラ~

2013年1月 2日 (水)

夢のシネマパラダイス79番シアター:ハリー・ポッターシリーズ

ハリー・ポッターと賢者の石(2001年・米・152分)DVD

 監督:クリス・コロンブス

 出演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ジョン・クリース

 評価★★★/65点

 内容:ハリー・ポッターは孤児。意地悪な従兄一家にいじめられ虐待されながら育てられていたが、11歳の誕生日を迎えようとしていた時、ホグワーツ魔法学校からの入学許可証が届き、自分が魔法使いだと知る。キングズ・クロス駅、9と3/4番線から汽車に乗り、ハリーは未知の世界へ旅立った。そして、親友となるロン、ハーマイオニ-に助けられながらハリーの両親を殺した邪悪な魔法使いヴォルデモートの陰謀に立ち向かう。

“なーんだ、映画館行かなくてヨカッタヨカッタ”

観に行くかどうか相当迷ったが、結局行かなくてよかった。DVDで十分だこりゃ。

2時間半長く感じたのが何よりの証拠。中盤クィディッチの試合までは良かったのだが。

以降テンションは下がる一方。

なぜだろう。なんて言えばいいのか言葉が見当たらないが、子供にはウケるつくりになっているのは間違いない。

なんかディズニーアニメとかスター・ウォーズと同じ部類の映画だと思うんだよな。ディズニーアニメって紛うことなき子供向けだし、宮崎アニメとは違って大人の観賞にはちょっと・・・それと同じことがハリポタ映画版にもいえると思う。

あと、スター・ウォーズ的というのは、スター・ウォーズって映画の内容よりも“スター・ウォーズ”というサーガが作られること、あるいはそのサーガに参加することの方に意味がある、いわばイベント的なものというかんじがするわけで、内容は二の次というか。

世界観はすごいが、その中で浅く広くやってる。決して深く狭くではないと思う。ハリポタもまさに浅く広くってかんじ。世界観は垣間見えるけど、深くは入っていけない、そういう作りになってたと個人的には受けとめました。

んで、映画観た後、原作を読んだら、もうどうにも止まらない!面白い。世界観もキャラもちゃんと立ってるし。

そして思ったこと。

2時間半に全部突っ込んだのかぁ。

散漫さや平面をなぞったような平易さはこれが原因なんだと納得。

まあしかし、まだ原作が完結していない中での映画化ということを考えれば無理もないか。

しかし、これだけは言える。

オイラはこれからも劇場にハリポタを観に行くことはない!

(初記:2001/12/10)

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ハリー・ポッターと秘密の部屋

237942view017  出演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、リチャード・ハリス

監督:クリス・コロンバス

(2002年・アメリカ・161分)DVD

評価★★★☆/70点

内容:夏休みを過ごしていたハリーは、妖精ドビーに「ホグワーツに戻ってはならない」と警告されるが、意地悪な叔父と叔母に監禁状態のハリーはもう餓死寸前。なんとか親友のロンに助け出されてホグワーツへ急行する。しかし、新学期が始まった途端、ハリーは恐ろしい陰謀に巻き込まれてしまう。ホグワーツ校を襲う姿なき声。次々と出る犠牲者。そして、ハリーに疑惑の目が向けられてしまう・・・。

“ハリポタ映画版の有効利用法、そして逃れられない宿命。”

ハリー・ポッターがヴォルデモートとの対決から逃れられない宿命を背負っているのと同様にハリポタ映画版も逃れられない宿命を背負っている。ハリー・ポッターの本の世界の枠から逃れられないという宿命を。

それはつまり暫時発表されていくハリー・ポッターの本の世界とほぼ同時進行で映画を作っていかなければならないという条件に制約されることを意味する。そしてこの制作条件の下ではハリー・ポッターの本の世界の枠から逸脱することは許されない。いや、できないと言った方が正しいか。

さらにいえば、ハリー・ポッターの本の世界の枠の外へ突き破っていくことができないばかりか、枠の内側へ突き進んでいくこともままならないといえる。(やれば出来るはずだが、相当な勇気と賭けが要求される)

つまり、ハリー・ポッターの本の世界の最大公約数たる枠の線上、外郭をなぞることしかできない。それで精一杯なのだ。

ハリー・ポッターシリーズの原作が完結していない中での映画化ゆえの弊害という他ない。

そして本の世界の枠の線上、外郭をなぞることしかできない結果どうなるか。

言うまでもなかろう。

濃密な本の世界に映像の世界が吸収されてしまうのだ。

映像の世界は本の世界の一部にしかすぎなくなる。利点としては本の世界と映像の世界が合致することくらいか。すなわち本の世界をより分かりやすく理解するための副教材としてしか映画の生きる道はない。

映画が独立して1つのハリー・ポッターの世界を構築するというにはあまりにも脆弱すぎる。まずお子ちゃまにしか通用しない世界であろう。

それゆえ「ハリー・ポッターと賢者の石」のレビューでも述べた通り、ハリポタを観るためにわざわざ劇場に足を運ぶことはこれから先もないとだけは強く言っておきたい。

だが、しかし副教材としてこれほど使えるありがたいものはないことは確かで、自分みたいに原作本「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」を読むにあたって、前作「ハリー・ポッターと秘密の部屋」をもう1回読み返すのがめんどくさいからDVDを借りてきて2時間ちょい観ればそれで事足りちゃうわけで。

原作本「ハリー・ポッターと秘密の部屋」の世界の最大公約数を映像で分かりやすく挙げてくれる。「アズカバンの囚人」を読むにあたって前作を軽~く復習するにはもってこいなのです。

そういう映画の見方しかオイラにはできません。ハリポタに限っては。

一個の映画としては★3以下、教材としては★4以上。

(初記:2003/8/3)

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ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

241897view002  出演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ゲイリー・オールドマン

監督:アルフォンソ・キュアロン

(2004年・アメリカ・142分)DVD

内容:魔法学校の3年生になったハリーたち3人は、人間世界で魔法を使ってしまい、進級早々に退学の危機に直面。さらに脱獄不可能の牢獄アズカバンから凶悪犯のシリウス・ブラックが脱獄し、ハリーの命を狙うという恐ろしい事件が降りかかる。

評価★★★☆/70点

初めて省略と取捨選択という技法を学習したハリポタ3年生。しかし、ハリポタ世界の奥行きと深さまで省略してしまうところは文字通り小学3年レベル。

4年生では応用力を身につけましょうね。

(初記:2005/12/11)

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ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005年・米・157分)DVD

 監督:マイク・ニューウェル

 出演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、レイフ・ファインズ

 評価★★★/60点

 内容:魔法界のサッカー、クィディッチのワールドカップが行われ、ハリーたちを夢中にさせるが、そこで恐ろしい事件が起きる。そして、100年ぶりに開かれることになった三大魔法学校対抗試合に、ヴォルデモートが仕掛けた罠はハリーを絶体絶命の危機に陥れる。しかも、味方になってくれるはずのロンに思いもかけない異変が・・・。

“シリーズが重なるにつれ原作と映画の形骸化とのブレ幅が相当開いてきた気がする。。”

ハリー・ポッターの映画化シリーズ全般に関しては「ハリー・ポッターと秘密の部屋」のReview“ハリポタ映画版の有効利用法、そして逃れられない宿命”として述べたことがオイラの中での確固とした共通認識となっているので、今回の作品に関しても別段変わらぬ印象だったし、新たに特に言うことはないんだけども。。。

ただ、登場人物たちの驚き、悲しみ、喜び、嫉妬、痛み、笑い、達成感といった感情の機微の数々や、機知に富んだストーリーテリングの中に隠された暗号と伏線の数々、それら原作に詰め込まれた膨大な情報量を一気に圧縮し、ハリー・ポッターという一人称で語ることができること以外は消去するという二次加工を施したこの映画は、まるで原作を180倍速という高速回転で見せられているようなかんじで、感情の起伏の入り込む余裕を与えない。

また、ハリーのエピソードに絞ったことにより原作の奥行きが文字通り圧縮され、小学校低学年レベルの絵日記風の羅列にしか見えないことは、この作品に対する自分の評価をどうしても低調なレベルに陥らせてしまう。

そして「秘密の部屋」のReviewで述べた通り、2時間半のダイジェストとして見ればこれほど有益なものはないということもこの作品にそのまま当てはめることができる。

しかし、シリーズが重なってくるにつれ原作と映画の形骸化とのブレ幅が相当開いてきた気がするなぁと感じてしまうのも確かだ。

トム・リドルの墓に大蛇が絡みつくオープニングは、大団円の伏線となっていて、最高の出だしだったけど、その後はもう登場人物しかり重要なエピソードしかり端折るわ端折るわ飛ばすわ飛ばすわ、まるでポートキーで1ページ目から100ページ目に一気に移動していくような瞬間速で飛び越えていき、立ち止まることを許してくれない。

クィディッチW杯の会場(といっても肝心のビクトール・クラムのスーパープレーは省略)とポートキーの映像化、ハンガリー・ホーンテールとの闘い、トライウィザード・トーナメントの最終課題に出てくる迷路の遠景くらいかな、原作を読んでいた自分の想像力を映画が上回ったといえるのは、、、(いかに原作がスゴイかってことだよなぁ)。

ハリーとロンの断絶による友情の危機はあまりにもちっぽけにしか見えなかったし、しもべ妖精は出てこない、尻尾爆発スクリュート見たかったYo!

と不満と消化不良はタラタラもんである・・・。

個人的にはハリポタの4作目までの原作の中で「炎のゴブレット」が、一層読者を引き込む流れるようなストーリーテリングと張り巡らされた伏線の数々、そして終盤一気に畳みかけるように解き明かされる真実と過去の衝撃とその展開力に舌を巻き、1番アツくのめり込んだ作品だっただけに、この映画のいまいち自分の中でハジけない消化不良さは、いつまでも残りそうだ。

まあ、映画の中で1番心に残ったシーンは、ハーマイオニーの「ビクトール(・クラム)って、、、体ばっかり。」という意味深な爆弾発言だろう(笑)。

その直後に「あ゛、、そういうことじゃなくて・・・」みたいに訂正してるんだけど、、、そういうことって一体どういうことなんだ??気になる(笑)。まあ、もう14歳だもんな、、、ありえるか、もう、、おいおい!

話が思わぬ方向にそれてしまったが、とにかく本を読もうよ原作を。

映画は原作のダイジェストでしかないのだから。

(初記:2006/3/19)

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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

Gynnkzsmma 出演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ヘレナ・ボナム=カーター、レイフ・ファインズ、マイケル・ガンボン、ゲイリー・オールドマン、アラン・リックマン、マギー・スミス、エマ・トンプソン

監督:デヴィッド・イェーツ

(2007年・英/米・138分)2007/08/07・盛岡ピカデリー

評価★★★★/75点

内容:魔法学校の5年生になったハリー。休暇中のある日、ハリーは人間界で吸魂鬼(ディメンター)に襲われ、禁じられている魔法を使ってしまい、魔法省に告発されてしまう。ダンブルドア校長は、ヴォルデモートが復活したせいだと擁護するが、魔法省大臣は自分の地位をダンブルドアが貶めるためのまやかしだと言って信じない。ハリーはなんとか処罰を免れたものの、魔法省は闇の魔術に対する防衛術の新任女教師を監視役としてホグワーツに送り込む。一方、ヴォルデモートは仲間を集め、ハリーたちを陥れようと暗躍し始めていた・・・。

“ダークファンタジーへ急転回!?”

ハリポタの映画は劇場では見ないと宣言してから6年、その禁を破ってついに劇場鑑賞してしまいますた・・。

というのはさておき、ハリポタの原作が新しく出るたびに、今回の新作が今までで1番面白かった!という自分の中の履歴が更新されてきたわけで、5作目となった「不死鳥の騎士団」も2冊分一気に読みふけってしまうくらいにシリーズの中で1番のめり込んでしまった。

前作でヴォルデモートが復活し、それを見たハリーを誰も信じてくれないばかりか、魔法省から迫害に近いことまでされ、唯一の頼みの綱であるダンブルドアからも無視されつづけ、ハグリッドも不在、あげくの果てに心の拠り所としていた今は亡き父親が若かりし頃にスネイプをイジメまくっていたという事実まで明るみになり、完全孤立状態に陥ってしまうハリー。

その中でハリーを襲う魔の夢、魔法大臣コーネリウス・ファッジが送ってきた悪女ドローレス・アンブリッジの昼ドラばりの嫌がらせ(笑)。

情緒不安定になっていくハリーをなんとか支えようとするロン、ハーマイオニー。

チョウ・チャンとの淡い恋。

そして大団円でのシリウスの死と、今作に関しては、今まで周囲におだてられ助けられてきた感が強いお坊ちゃまハリーが独力で事態を切り拓いていかなければならない状況になり、その中で精神的に一段成長し強くなっていくという過程を描いている。

「自分かヴォルデモートどちらか一方は必ず死ななければならない。」という予言を受け入れたハリーの決意表明は今までで最も重いものであり、その点でもハリポタシリーズの核心に一気に近づいてきたゾという緊迫感をヒシヒシと感じながら読み進めていった。

しかし、それだけのめり込んでしまったためか、自分の頭の中で文章を映像化するのが最も難しいと感じたのもこの作品で、魔法省の神秘部だとか不思議系少女ルーナ・ラブグッドとかハグリッドが連れてきた巨人だとか、最強の敵ドローレス・アンブリッジの独特な声だとか、とにかく今回ほど見たい!聞きたい!感じたい!と映像化を切望したことはなかった。

その観点からいうと、今回の映画は、自分の願いを見事にかなえてくれたといっていい。

もともと今回の原作自体、ハリー視点を中心にして進むストーリー展開だし、ヴォルデモートとの対決というハリポタシリーズの大団円に今までの作品の伏線やストーリーが一気に集約・収束されていく展開なだけに、要点をまとめやすく描けるという易しさはあったのだろうが、テンポよくまとめられていたと思う。

まぁ、2時間半に収めるために要点を点と点で足早に結んだという感も否めず、原作未読の人には消化不良かもとは思ったけど、それも毎度のことだからね。オイラ的にはギリギリ許容の範囲内だった。

とにもかくにも守るべき価値のあるもののために闘うんだ!というハリーの大人への脱皮とともに、お子ちゃまファンタジーからダークファンタジーへと急激にかじを転回させていきそうな今後の展開が楽しみでならない。

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ハリー・ポッターと謎のプリンス(2008年・英/米・154分)WOWOW

 監督:デヴィッド・イェーツ

 出演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ジム・ブロードベント、ヘレナ・ボナム=カーター、マイケル・ガンボン、アラン・リックマン

 内容:闇の帝王ヴォルデモートの支配力がいよいよ高まり、その脅威はホグワーツにも及んでいた。来るべき最終決戦に向けて準備を進めるダンブルドアは、かつてホグワーツで教鞭をとり、若き日のヴォルデモートことトム・リドルと深い関わりを持っていたスラグホーンを魔法薬学教授として迎え入れる。一方、ハリーは敵対していたドラコの不可解な行動に猜疑心を募らせていた・・・。

評価★★★/60点

今回の原作はボリュームがあるわりには1番地味で暗い印象で、基本軸としてはヴォルデモート(トム・リドル)の過去、ロンとハーマイオニーの恋わずらい、ハリーのマルフォイに対する疑惑の目の3本柱にデスイーターの暗躍や魔法薬学の授業が差し挟まれる程度で、それぞれが連動して絡むことがないので単調で奥行きがない。

最終決戦に向けての嵐の前の静けさといったところなのだけど、ただでさえ原作が薄味なのに原作の40%濃度の映画がダラダラとしたダイジェストになることは致し方ないこととはいえ、もう少し工夫できなかったか・・。

例えば、ヴォルデモートの過去をもっとクローズアップさせてロンとハーマイオニーのラブコメをバッサリ切り捨てラストの悲劇を際立たせるとか。

また、“半純潔のプリンス”は誰かということについてももっと興味を引くような描写はできなかったかと思ってしまう。

緩急もなければ伏線もない、、かなり魅力に乏しい作品だったといえよう。

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ハリー・ポッターと死の秘宝PART1&PART2

131083268068013416287 出演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ヘレナ・ボナム=カーター、レイフ・ファインズ、アラン・リックマン、マギー・スミス、デヴィッド・シューリス、ジェイソン・アイザックス、マイケル・ガンボン

監督:デヴィッド・イェーツ

(PART1:2010年・英/米・146分、PART2:2011年・130分)

内容:亡きダンブルドア校長の残した手がかりをもとにハリー、ロン、ハーマイオニーは、ヴォルデモートの不死の鍵を握る分霊箱を見つけ出し、破壊するための旅に出るが・・・。

評価★★★☆/70点

原作を読んでから映画を見るというサイクルを続けてきたハリポタシリーズにあって、今回ほど原作を読むのに時間がかかったことはなかった。なにせ上巻だけで3ヶ月以上かかってしまったのだから・・。

下巻はわずか1週間あまりで読破したことを考えると、このモチベーションの差は何だったんだろうと思ってしまうけど、はっきりいえば上巻は面白くなかった・・

分霊箱を探し求めるあてどもない旅は変化に乏しく単調でストレスが溜まってしまうのだ。

おかげでハリーたちの長きに渡る彷徨の時間の流れを3ヶ月かかって自分も味わうはめになったのだけども、映画はいやでも2時間ちょいで終わるので見るぶんには気楽w

単調で唐突にすぎるきらいはあるものの、おおよそ原作通りに要所要所を押さえて最低限の仕事は果たしていたとは思う。PART2も同様で、無難に着地したというかんじ。

しかし、これはあくまでも原作を読んだ頭で常に情報を補正・捕捉しながら見なければならないという条件つきであり、そうでなければ細かいところがチンプンカンプンで分かりづらいだろうと思う。

原作に忠実にという体面を重んじたのかもしれないけど、2部作合計4時間半もの尺を与えられていたことを考えると、もうちょっと工夫の余地があったのではないかなと。

個人的には憂いの篩で明かされるスネイプの記憶と本当の思いを描いたシーンをもうちょっと引き伸ばして丁寧に見せてもらいたかったんだけど。

しかしまぁ、10年にわたって主要なキャストが外れることなく続いてきたというのは奇跡としかいいようがなく、映画史上最強ファンタジーという称号を与えるにふさわしいシリーズだったと思う。

ギャランドゥを生やすまでになったハリー、お腹ブヨブヨのロン、やたら色っぽくなったハーマイオニー!10年間ありがとー!なんじゃそりゃww

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