夢のシネマパラダイス551番シアター:やっぱり故郷が一番!
プリンセス トヨトミ
出演:堤真一、綾瀬はるか、岡田将生、沢木ルカ、森永悠希、笹野高史、和久井映見、中井貴一
監督:鈴木雅之
(2011年・東宝・119分)WOWOW
内容:2011年7月8日、大阪が全停止した・・。その4日前。国の予算が正しく使われているかを調べる会計検査院の調査官3人が東京から大阪に乗り込んできた。税金の無駄遣いを決して見逃さない鬼の松平(堤真一)と、天然おバカだけど時々驚くべき勘を発揮するミラクル鳥居(綾瀬はるか)、そしてクールなハーフの旭ゲンズブール(岡田将生)だ。調査対象を順調にこなしていった彼らは、次の調査のため空堀商店街へ向かう。そして、財団法人OJO(大阪城趾整備機構)の調査を開始するのだが・・・。
評価★★☆
奇想天外な謎解き歴史ミステリーで知的好奇心を刺激する日本版ダヴィンチ・コード!?はたまた風呂敷広げすぎた世にも奇妙な物語!?それとも話なんて二の次で大阪人を笑いのネタにするトリック劇場版!?
で、見てみたら、、綾瀬はるかの揺れるオッパイ
、、てことしか印象に残らない薄味仕立てで濃い味好きの東北人のオイラにはイマイチだった・・・。
毎週、関西ローカルの老舗「探偵ナイトスクープ」を見て濃ゆい大阪人気質の面白さを味わって楽しんでいる者から言わせてもらうと、大阪&大阪人という世にも奇妙な世界のコテコテな住人を描けていない(もともとそんなの描く気はなかったとも感じるが)時点で映画のインパクトは一気に半減してしまった。しかも女装中学生はないやろっていう・・
親豊臣・大阪人の徳川・江戸っこへの敵対心に対し、大阪なんてはなっから眼中にない東京人の優越感を茶化して描くには天然キャラの綾瀬はるかは絶妙なキャスティングだと思うんだけど、映画はそういう視点にははなっから眼中にないらしく・・・。
例えば沖縄独立だったら右から左までざわめき立つようなアブナイ論争の火花が散らされるわけだけど、大阪独立ってことになると、いや、もう大阪は独立してるようなもんでしょ(笑)ていう茶化しネタにしかならないわけで、、そういう点ではこのホラ話の落としどころに世代をつなぐ親子の絆を持ってきたのは正解なのかもね。
ただ、自分が求めてたものとはちょっと違ったかなぁと。。綾瀬はるか以外は・・
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出演:オーランド・ブルーム、キルスティン・ダンスト、スーザン・サランドン、アレック・ボールドウィン
監督・脚本:キャメロン・クロウ
(2005年・アメリカ・123分)DVD
評価★★/40点
内容:シューズ会社に勤務するデザイナーのドリューは、自らが企画開発した新型シューズが10億ドルもの大損害を招き、責任を取らされて会社をクビに。恋人にも捨てられ生きる望みを失った彼に、さらに父親が急死したという報せが入り、葬儀のためにケンタッキー州の小さな街エリザベスタウンへと向かうことに。そしてドリューは失意の飛行機の中でフライト・アテンダントのクレアと出会い、案内されるまま一緒にエリザベスタウンを訪れるのだが・・・。
“まるでこの映画の中に出てくるウッザイ悪ガキのごとく大音量の音楽とともに好き放題やりたい放題で自己満足に浸っているキャメロン・クロウに今回は完全に辟易。。”
鳴り物入りで売り出した新作シューズが大不評だからって10億ドルもの損害が出るかぁ!?しかも10億ドルてのが全くオイラの現実感覚からは程遠い金額で、現実味を全く感じることができないんだけど、この映画のプロットひとつひとつが全部そんなかんじで、映画に入っていくことが最後まで出来ずじまい・・・。
ドリューが自殺しようとするシーンも、自転車トレーニングマシンに包丁を括りつけて絶望に浸るというお遊び感覚で、全く切実感が感じられないし、飛行機で一方的に逆ナンしてくる乗務員のクレアもこんなお節介焼きオバハンいるのか!?と思わず引いちゃうくらいだし。
なんか全部ダメだねこれ(笑)。
ドリューがエリザベスタウンからオレゴンの自宅へ父の遺灰とともに車で帰宅する道中、ぴったりの曲を満載した選曲CD集を名所見どころと道先案内を詳細に書き込んだロードマップとともにプレゼントするクレアなんて、キャメロン・クロウ本人を丸写ししたようなもんじゃん。
オイラもMYドライブMDとか作るの大好きだけど、作ってるときって完全に自己満足に浸ってるのよね・・・(笑)。
しかもクレアは、ネブラスカの街に立ち寄るように手の込んだ計画を練って、そこで赤い帽子をかぶった女のコとして待ってるわけやろ。イヤラすぃというかなんというか。。
キャメロン・クロウ自身実際に車走らせて、ここではこの曲だなとかほくそ笑みながら作ったんだろうな、、、って別にエエやんそこは。。
ただ、「あの頃ペニー・レインと」と同じく非常に彼のパーソナルな一面が反映されていると思うのだけど、彼の感じるポイントというのが「あの頃~」とは違ってかなりズレまくってしまっていて、そこがイタタタ・・・ってかんじですた。。
結局、まるで素っ裸にトレンチコートを羽織った変態男がどうだっ!と言わんばかりに前をバッとさらけ出す時の顔にしか見えなかった、、、それがこの映画を観終わって感じたキャメロン・クロウの“最後の視線”です。。
泣くことも笑うこともできない駄作以上凡作未満のわけの分からない映画・・・。
「バニラ・スカイ」からどうもオイラが思ってた方向とはかけ離れた所にイッちゃってるような気がするキャメロン・クロウ。アンタはいったいどこへ向かおうとしているんだ!?
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雪に願うこと(2005年・日本・112分)WOWOW
監督:根岸吉太郎
出演:伊勢谷友介、佐藤浩市、小泉今日子、吹石一恵、香川照之、小澤征悦
内容:東京で会社を経営していたものの敢えなく倒産、妻や友人にも去られ全てを失った矢崎学。彼はやむを得ず、連絡さえとっていなかった故郷の兄・威夫を頼って北海道帯広に戻る。そして、威夫が運営するばんえい競馬の厩舎で見習いとして働くことに。。。東京国際映画祭で史上初の4冠受賞。
評価★★★☆/70点
どこまでも真摯で実直な態度を崩さない演出で、ばんえい競馬の地道さを地で行くような映画。
特に難癖付けるところもないのだけど、緩急とヤマに乏しい一本調子な点はやや否めず。まるでばんえい競馬の直線200mコースから2箇所のヤマを取っ払っちゃったようなかんじ。。
さらに、その地味な作風を背負って立つべき伊勢谷友介の力量不足も気になった。脇を固める役者陣が良かっただけに一人だけ浮いて見えるんだよね。
まぁ、地に足をつけた人間の営みとは無縁だった(あるいはそれを捨てた)IT社長という役柄からすれば他から浮いて見えるというのは逆に良いのかもしれないけどもw
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UDON
出演:ユースケ・サンタマリア、小西真奈美、トータス松本、鈴木京香、弁毅
監督:本広克行
(2006年・東宝・134分)CS
評価★★★☆/70点
内容:讃岐うどんの本場、香川県。実家の製麺所をほったらかしてビッグなコメディアンになると豪語してNYへ渡ったものの、あえなく借金を背負って帰郷してきた香助。が、父親とは反りが合わず、製麺所を継ぐ気など毛頭ない。そこで、親友から紹介された地元のタウン誌で仕事を始めた香助は、編集部員の恭子と、うどんをテーマにしたコラムに取り掛かることにするが・・・。
“結局最後に行き着くのは、1800円かけてこれ観るかっていうこと・・・。”
「人を笑わせるには、美味しいうどんを食べさせれば一発!みんな笑顔になるのだから。」
この親父さんのセリフと同様に良い映画を観た後は自然と笑みがこぼれ落ちるもの。
そういう意味では、この映画は少なくとも美味しくて味が良い映画だったとは思う。
けど、一杯100円足らずの「UDON」を食すのに1800円も払って劇場の席につかなければならないバカらしさってのはやっぱあるよね(笑)。。
そういえば、香川出身の職場の同僚は、うどんは“食べる”のではなく“飲み込む”ものだと言ってたけど、ホンマかいな。
ちなみに自分の地元・盛岡は、わんこそば、じゃじゃ麺、冷めんが本場なのだけど、ほとんど食ったことがない・・・。ていうかオイラのソウルフードって何だろう?
あ、ポテチのコンソメ味だ、、、いやいや(笑)、仙台名物“ずんだもち”だな。即決。
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船を降りたら彼女の島(2002年・日本・112分)NHK-BS
監督・脚本:磯村一路
出演:木村佳乃、大杉漣、大谷直子、照英、村上淳、ベンガル、六平直政
内容:東京の出版社に勤める久里子は、恋人と結婚することを親に報告しに2年ぶりに瀬戸内の島に帰郷した。が、なかなか「アタシ結婚します!」という一言が言えない久里子。そんな里帰りは、一方で彼女の心に幼い頃の淡い初恋の思い出を甦らせる・・・。
評価★★★★/75点
“煙草と海と大杉漣”
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ウィスキー(2004年・ウルグアイ・94分)NHK-BS
監督:ファン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール
出演:アンドレス・パソス、ミレージャ・パスカル、ホルへ・ボラーニ
内容:ウルグアイのとある町で小さな靴下工場を経営する初老の男ハコボ。従業員は中年女性のマルタと数人の工員だけだが、長年一緒に仕事しているハコボとマルタは必要最小限の会話以外とくに言葉を交わすことはなかった。そんなある日、疎遠になっていたハコボの弟エルマンが、母親の墓石の建立式のためブラジルから帰国することになった。そこでハコボは弟が滞在する間だけ夫婦のフリをしてほしいとマルタに頼み込むのだが・・・。
評価★★/45点
どのくらい美味しいお味に仕上がっているのかと期待していたのだけど、あまりにもデリケートすぎるスタイルに微妙な心情の機微のゆらめきを嗜むことすらできず・・・。映画玄人になるにはまだまだ遠い道のりが続きそうだと痛感。。
すっごい深い味わいのある映画なんだろうなぁ、、と思いつつ、中年男女3人の無表情にいつまでたっても自分の中でエンジンがかからず。
もうちょっと大人になってから再見してみますか。。
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