お気に入り

最近のトラックバック

« 夢のシネマパラダイス81番シアター:十三人の刺客 | トップページ | 夢のシネマパラダイス536番シアター:夫婦かくあるべし!? »

2012年10月14日 (日)

夢のシネマパラダイス522番シアター:有名原作に名画、、、ビミョー!?

ノルウェイの森

T02200311_0318045010929841742 出演:松山ケンイチ、菊池凛子、水原希子、高良健吾、霧島れいか、玉山鉄二

監督・脚本:トラン・アン・ユン

(2010年・東宝・133分)WOWOW

内容:ガス自殺したキズキ(高良健吾)は、恋人・直子(菊池凛子)と高校の親友ワタナベ(松山ケンイチ)をこの世に残した。東京で学生生活を始めたワタナベは同じ悲しみを共有する直子と惹かれ合っていきその身体を抱くが、直子は次第に心のバランスを崩していく。京都の療養所で過ごすことになった直子と会うことも叶わないワタナベは孤独に浸るが、彼の前に自由奔放で生命力に満ちた緑(水原希子)が現われ・・・。村上春樹の世界的ベストセラーの映画化。

評価★★☆/50点

自分は村上春樹の本を読んだことがない。

手に取って読む勇気がないといえばそれまでだけど、信頼に足るウチの親が揃いにそろって村上春樹はわけ分からないだとか気持ちが悪いとのたまっているのでw、村上春樹の本はそういう難しいものなのだろうと決め込んできた。

そして、今回の映画を見てそれは確信に変わった。

村上春樹は自分の手からますます遠ざかっていったといっていい。

この映画のせいだ(笑)。

原作発表から23年間映画化されてこなかったことを鑑みても、これを映画化する難しさというのは容易に予想できることで、今回の映画が原作のすべてを再現しているとは到底思えない。

のだけれども、ウチの親が言うところの“気持ち悪さ”は存分に味わえてしまった・・。

出てくる人間出てくる人間どれもが魂の抜け殻のようなただの容れ物というかんじで、まるで彼岸の世界の住人を見ているかのよう。

そしてサーモグラフィーで見たら紫だけで染まりそうなくらい熱のない彼らの口から出る言葉も、耳元で延々ヘリクツをささやかれているようでいい加減ウザくなってくる・・・。

そこには人を愛することでのたうち回り、苦しみズタボロになりながら挫折したすえに獲得するべき優しさや温もりというものが一切ない。

それが気持ち悪い最大の原因だし、いやそれ以前に彼らがのたうち回る様も“フリ”にしか見えないのだ。

不協和音鳴り響く中で縁取られた叙情的な映像美につられて見ていくも1時間が限界、以後は完全に罰ゲームと化す(笑)。。

あやかしの世界ではなくまやかしの世界だったというオチ。笑えない・・・。

 ------------------------

ヴェニスの商人

Veni 出演:アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、ジョセフ・ファインズ、リン・コリンズ

監督:マイケル・ラドフォード

(2004年・米/伊・130分)仙台フォーラム

内容:1596年のヴェニス。キリスト教徒の貿易商アントーニオ(ジェレミー・アイアンズ)は、親友のバッサーニオ(ジョセフ・ファインズ)が美しい女相続人ポーシャ(リン・コリンズ)と結婚するための保証人となる。アントーニオはその資金を調達するため、かつて迫害したことのあるユダヤ人の高利貸しシャイロックの所に行くが、期限以内に返済できない場合は、代わりにアントーニオの胸の肉1ポンドをもらう、という条件を突きつけられるのだった・・・。シェイクスピアの同名戯曲の映画化。

評価★★★/65点

単なる勧善懲悪の典型として終わらせようとしない映画の控え目な暴走っぷりには個人的には好感。しかし、控え目と書いた通り、まだ遠慮と逡巡が見え隠れしている。せっかくの豪華キャスト、やるならもっと派手にやってもらいたかった気もする。

例えばこの映画はシャイロックの視点から撮られているように、黒か白かという二項対立ではなく、その間のグレーゾーンを抽出しようとしている、あるいは描き出そうとしているのだと感じたが、しかしそこの部分を突きつめていく力強さと執着があるようにも見受けられず、少し曖昧なかんじは残った。

ただ、ユダヤ人への共感と同情という点においては、時代を越えて生きてきたさすがのシェイクスピアも現代のグローバリゼーションの波に抗しきれなかったかという意味では納得できたし見ていて興味深かったかな。

 ------------------------

山椒大夫(1954年・大映・124分)NHK-BS

 監督:溝口健二

 出演:田中絹代、花柳喜章、香川京子、進藤英太郎、菅井一郎

 内容:伝承民話の「安寿と厨子王丸」を森鴎外が小説化した「山椒大夫」をもとにした人間ドラマ。平安時代の末、越後を旅していた母子連れが、人買いにだまされて引き離されてしまう。子供2人は丹後の山椒大夫の荘園に奴隷として売られ、苛酷な労働と私刑に日夜苦しめられる。10年が過ぎ、ついに意を決した姉の安寿は、自らの命を犠牲にして弟の厨子王丸を逃がすのだった。。

評価★★★/65点

1シーン1カットの長大な長回しを長回しと感じさせない滑らかさと、歴史絵巻の中に佇む人間の真実の重みがこの映画を支えている。

しかし、物語自体がお子ちゃま向けの昔話なみに普遍的すぎて容易く消化できてしまうところに、逆に何か物足りなさを感じてしまった欲張りなオイラ・・。

 ------------------------

細雪(1983年・東宝・140分)NHK-BS

 監督・脚本:市川崑

 出演:岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子、石坂浩二

 内容:谷崎潤一郎原作の名作3度目の映画化。関西の旧家の四姉妹をめぐる物語。

評価★☆/35点

お見合い言い合い馴れ合い、お見合い言い合い馴れ合いお見合い言い合い馴れ合い、、、、勝手にやってくれまへんかー。

それにしてもまぁ、ろくな男が出てこねえなぁ・・

 ------------------------

オリバー・ツイスト(2005年・英/チェコ・129分)WOWOW

 監督:ロマン・ポランスキー

 出演:バーニー・クラーク、ベン・キングズレー、ハリー・イーデン、ジェイミー・フォアマン

 内容:19世紀イギリス。物心ついた頃から孤児院で育ってきた少年オリバー・ツイストは、そこの院長に売り飛ばされてしまうが、奉公先の葬儀屋を脱走。憧れのロンドンにヘロヘロでたどり着いたオリバーは、フェイギンが束ねる少年スリ団のリーダー、ドジャーと出会う。そこで盗みの手口を覚えていくオリバーだったが、ひょんなことから盗みに入ったブラウンロー氏という裕福な紳士に引き取られることになるが・・・。文豪チャールズ・ディケンズの名作の映画化。

評価★★★/60点

文豪ディケンズの名作「オリバー・ツイスト」の話の筋はよく分かった。しかし映画としてはそれ以上でも以下でもなく・・・。

この程度なら海外TVドラマ枠で十分なのでは。。

 ------------------------

黙秘(1995年・アメリカ・131分)NHK-BS

 監督:テーラー・ハックフォード

 出演:キャシー・ベイツ、ジェニファー・ジェイソン・リー、クリストファー・プラマー、デヴィッド・ストラザーン

 内容:アメリカ、メイン州の小さな島。大富豪の未亡人殺しの容疑で身柄を拘束された家政婦のドロレスは、無実を主張するも刑事の尋問には黙秘を続ける。NYでその事件を知ったドロレスの一人娘セリーナは、数年ぶりに帰郷するがドロレスは相変わらず口を固く閉ざすのだった。そんなドロレスには、20年前、夫殺しの容疑で不起訴になった過去があった・・・。スティーブン・キング原作のミステリー映画。

評価★★★☆/70点

“オンナの映画です・・・。オトコからするとちと恐い。”

中学生の時に劇場で観たときは、覗いてはいけないものを覗いてしまったかんじがして、なにか後味の悪さばかりが残ってしまった印象が強いのだけど、先日久方ぶりに観てみたら見入っちゃった。。

どこまでも曇天の寒々とした風景の下、外界から孤立した寂れた島で繰り広げられる母と娘の相克と葛藤、そして隠された秘密が、まるで月に隠されて影となってしまった太陽が光を射して顔を出すごとく明るみになっていく様は、ミステリーとしても人間ドラマとしても見応えのある作品になっていたと思う。

性的虐待や老人介護などの重いテーマもはらんでいて、なおかつ女性視点の作品ということで、キング・オブ・ホラーのスティーブン・キングにしてはよく描けてるなとは思った。

 ------------------------

ラルジャン(1983年・仏/スイス・85分)NHK-BS

 監督・脚本:ロベール・ブレッソン

 出演:クリスチャン・パティ、カロリーヌ・ラング、ヴァンサン・リステルッチ

 内容:高校生のノルベールは、父親から小遣いがもらえずに借金が返せなくなって、友達のマルシャルに相談した。マルシャルは偽の500フラン札でカメラを買い、応対した店主の妻からつり銭を受け取る。店主は偽札だと気付いたが、それを集金に来たガソリン配達員のイヴォンに渡した。イヴォンは何も知らずにその偽札を使い、警察に逮捕されてしまい・・・。ロシアの文豪トルストイの原作を、舞台をパリに置き換えて映画化。

評価★★★/65点

“絶望映画という強烈な遺作”

ひょんなことから運命に見放されたかのように人生の奈落の底に落ちていく男の姿をイヤらしいほど冷徹に見下ろし続けるロベール・ブレッソン。

その救いのないブレない視線が1番恐い。

だってどこか救いの手といった温かみを入れたいものじゃん。なのにこの監督ときたらどこまでも冷めてて、人間の絶望と悪行をジーッとただ突き放したように見つめているだけなのだもの。

なぜこのような感情が切り捨てられたような絶望映画を作ることができたのか、作ろうとしたのか、その背景を知りたいもんだ。ていうか、、この監督の遺作なのねこれって・・(笑)。

« 夢のシネマパラダイス81番シアター:十三人の刺客 | トップページ | 夢のシネマパラダイス536番シアター:夫婦かくあるべし!? »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 夢のシネマパラダイス81番シアター:十三人の刺客 | トップページ | 夢のシネマパラダイス536番シアター:夫婦かくあるべし!? »

2024年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ