夢のシネマパラダイス174番シアター:ゲテモノ殺人選手権
パフューム ある人殺しの物語
出演:ベン・ウィショー、ダスティン・ホフマン、アラン・リックマン、レイチェル・ハード=ウッド
監督:トム・ティクヴァ
(2006年・独/仏/スペイン・147分)2007/03/14・盛岡フォーラム
評価★★★☆/70点
内容:18世紀のパリ。悪臭立ち込める魚市場で生まれ落ちたジャン=バティスト・グルヌイユ。何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける超人的な嗅覚の持ち主である彼は、青年になったある日、運命の香りと出会う。それは赤毛の少女の体から匂い立っていたが、彼は怯える少女を誤って殺してしまう。以来、彼は少女の香りを再現することに心血を注いでいくのだが・・・。
“最凶童貞伝説!”
某民放TV局が大々的に宣伝してたから、そういう心づもりで見に行ったっけば、一線をはるかに超えたド変態映画やったやないけーー。
一人で隠れてコソコソ見るぶんには大変に結構な映画だと思うけど、誤ってデートムービーに選んでしまったオイラの身にもなってみろってんだ(笑)。
ま、そんなん言うても、、、好きだけどね、こういうの・・・。
冒頭の腐臭漂うパリの街並みや魚市場で産み落とされた赤子のシーンをはじめとして、かなりグロテスクかつキショくてべトい描写の連続だったけど、香りや匂いといったものをフィルムにとどめるという意図は存分に発揮されていたと思う。
陰影のコントラストを確実に捉えた舐め回すような映像は、恍惚たる映画の香りに満たされていて2時間半があっという間に過ぎていった。
猟奇殺人を描くとともに、人を愛することも人から愛されることも全く知らない童貞男の悲劇としても描かれているところや、暗にキリストとダブらせているところなど深読みできてしまうところもなかなか面白いと思う。
ただ、バルディーニ(ダスティン・ホフマン)が、究極の香りを作るための13番目の香料だけが分かっていないと言うのに、グルヌイユは片っ端から処女を殺していって1番目から作り直していくというのがよく解せなかったな。13番目だけでええんちゃうの?
ていうか赤毛の令嬢ローラにもっと執拗に迫ってほしかったけど。演じてるのが15歳ってのがまた驚きだし。。
まぁ、ともかくよくこんなの映画化したもんだと思うけど、しぶとく纏わりついてくるようなこういう映画、、はっきりいって好きっス(笑)。
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スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アラン・リックマン、ティモシー・スポール、サシャ・バロン・コーエン
監督:ティム・バートン
(2007年・アメリカ・117分)2008/01/31・盛岡フォーラム
内容:19世紀のロンドン。フリート街で理髪店を営み、妻と娘と幸せに暮らしていたパーカー。しかしある日、彼は妻に横恋慕したターピン判事によって無実の罪を着せられ終身刑にされてしまう。やがて15年後、脱獄した彼は、スウィーニー・トッドと名を変えて街に戻ってくる。しかし、彼の大家であるミートパイ屋の女主人ラヴェットから、妻は毒を飲んで自殺し、娘ジョアナは判事の館に幽閉されていることを知らされる。怒り狂ったスウィーニーは、再開した理髪店でカミソリを武器に復讐を開始する・・・。
評価★★★/55点
ティム・バートンの独自の世界観というのは、グロテスクで悪趣味な映像世界の中で、ブラックな可笑しみと哀しみ、そして虫さえ殺せない優しさが散りばめられた後味のいいファンタジーにあると思う。
しかし、今回の作品、、、オープニングからティム・バートンの映像世界が炸裂しているのだが、そこで繰り広げられるものとは、可笑しみも哀しみも優しさのかけらもない文字通りの悪趣味なゲテモノ映画だった・・・。
映画を観ている最中は、両手で顔を覆いながら指の間から怖いもの見たさでジィッとジョニデの渾身のカミソリさばきに見入っていたのだが、劇場から一歩外に出たら、オレは1800円払って何を見に来たんだ!?と自問自答してしまわざるを得なかった。
毒気すら感じられない淡白なスプラッタ映画を見に来たはずではなかったのに・・・。
なにより、トッドの情念が見えてこないのは痛く、ターピン判事を殺し損なったトッドが、なにゆえこの世にいる皆が死んで当然だ!という短絡的な復讐心に陥るのかが見えてこず、、、韓国映画のように過剰に描きすぎるのもどうかと思うけど、淡白すぎるのはもっといただけない・・・。
また、物語を補完すべきミュージカル部分も、単なる蛇足にしかなっておらず、歌の力というものも全く伝わってこない・・・。
その中で、機械仕掛けのごとくドシュッ!ギー!バタン!ドサッ!と理髪店のイスが後ろに回転して死体が地下室に落ちていくリズミカルな殺人演出をはじめとして、ティム・バートンの嬉々として振るうタクトの切れ味だけはすこぶる良く、変な品の良さまであったりなんかして、ますますもって違和感と距離感を感じてしまったのだった。
あと、終わり方も、ねぇ・・・。後味悪すぎだろ。
アンソニーとジョアナのその後を描いて無理やりにでもハッピーエンドにしてもらいたかったけど。。
しかしまぁ、、その昔、マックのハンバーガーには食用ミミズが入っているという都市伝説が広まったものだが、まさか、、人肉と人の指とはねぇ、、、オェッ。
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ザ・セル(2000年・アメリカ・109分)DVD
監督:ターセム
出演:ジェニファー・ロペス、ヴィンス・ボーン、ヴィンセント・ドノフリオ
内容:他人の潜在意識に侵入する実験に携わる心理学者のキャサリン。FBIの要請で、昏睡中の殺人犯の意識に入り込み、今も監禁状態の被害者の所在を探ることになるが・・・。
評価★/15点
今まで映画に対してこんなこと言ったことなかったけど、今回はあえて言わさせてもらう、、、
胸くそ悪い。吐き気がする
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アナザヘヴン(2000年・松竹・131分)WOWOW
監督・脚本:飯田譲治
出演:江口洋介、市川実和子、原田芳雄、柏原崇、岡本夕紀子
内容:とあるアパートの一室で死体の脳ミソをコトコト煮込んだシチューが作られるという猟奇殺人事件が発生。やがて、同様の事件が連続して起こる中、刑事の早瀬マナブとベテラン刑事の飛鷹は犯人が人間ではないのではないかと考え始める・・・。
評価★☆/35点
“んで結局何人天国に行かはったん?”
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