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2012年7月23日 (月)

夢のシネマパラダイス418番シアター:コクリコ坂から

コクリコ坂から

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声の出演:長澤まさみ、岡田准一、竹下景子、石田ゆり子、風吹ジュン、内藤剛志、風間俊介、大森南朋、香川照之

監督:宮崎吾朗

(2011年・東宝・95分)盛岡フォーム

内容:東京オリンピックを翌年に控えた1963年の横浜。高校2年生の松崎海は、港の見える丘に建つ下宿屋を切り盛りする頑張り屋さん。そんな海が通う高校では、老朽化した文化部部室棟“カルチェラタン”の取り壊し計画を巡って学生たちによる反対運動が起こっていた。ひょんなことから彼らの騒動に巻き込まれた海は、反対メンバーの一人で新聞部部長の風間俊と出会い次第に惹かれ合っていくのだが・・・。

評価★★★★★/90点

大駄作ゲド戦記の宮崎吾朗が再び監督するっつーんで、当初は見る気は毛頭なかったのだけど、見た友人からススメられたのと、手蔦あおいの主題歌が妙に心に響いてきて気になり出したので見に行くことに。

で、、見て大正解!

主人公・海ちゃんが早起きしてテキパキと朝ご飯の支度をする様子をジャズテイストの軽快な歌にのせて描いたオープニングから一気に引き込まれてしまった。

海ちゃんが階段をトントントントンと降りてくるリズム、あるいはキャベツの千切りをトントントントンと刻むリズムに象徴されるリズミカルなテンポと海ちゃんのキャラクターでこの映画は決まったといっていい。

幼い頃に父を亡くした悲しみを根底に抱えながらも、明るくハツラツとし、他を寄せつけないような気丈さと何事にも動じないような芯の強さをあわせ持った海ちゃんのキャラクターは、妙に心に迫ってくるものがあった。

それはおそらく昭和38年の横浜というジブリにしてはかなり珍しい明確な舞台設定にもあると思うのだけど、例えばジブリのヒロインは必ず親不在の環境に置かれるのが常で、キキは知らない街に放っぽり出され、千尋は知らない世界に放っぽり出される。

しかし、多分にファンタジー要素が濃い世界観の中では、極端にいえば物食わずとも生きていける(笑)。昭和20年の神戸を舞台にした「火垂るの墓」で14歳と4歳が餓死してしまうようなことはファンタジー世界では起こりえないのだ。

つまり、特定の時代、街を舞台にするというのは重い現実感を伴なうわけで、その視点でみるならば、父親を亡くし、母親は海外に行っていて不在の中、祖母・弟妹の面倒を見ながら下宿屋を切り盛りする高校2年生というのは現実的にみてもかなりシビアなものがある。

それゆえ、その中でテキパキと日々をこなしていく海ちゃんの人一倍しっかり者で健気な姿というのが際立つのだろう。

またその中で海ちゃんが坂道を大股で前のめりにスタスタと歩いて登校する姿が非常に印象的だったけど、キャラクターを言葉といった平面的なものではなく動きでしっかり表現できているのもジブリらしくてイイ。

しかしこれ、宮崎吾朗が海ちゃんのキャラクター作りに行き詰まっていた時に、このシーンの一枚絵を宮崎駿が送ったことで演出の方向性が一気に固まったというくらいシンボリックなものだったらしく、やっぱさすがは宮崎駿だなと感心してしまった。

今までのアニメ人生で培ってきた知恵やアイデアを後輩にどんどん授けていってもらいたいものだ。

その効果もあってか、宮崎吾朗の演出もゲド戦記から格段の進歩を遂げていたと思う。

しかし、それ以前の問題として、宮崎駿とは土台からして志向するベクトルが違うのだということが今回の作品で分かった気がする。

宮崎駿のダイナミズムには乏しく、言葉足らずで説明不足。宮崎吾郎を一言で表わすとすればそうなるけど、宮崎駿のダイナミズムとは“躍動する生命感”と言いかえることができ、ファンタジーというフィールドと結びついた時にそれは絶大な効力を発揮してきた。

そして、この生命感が全くもって希薄なゲド戦記に魅力のかけらも感じられなかった宮崎吾朗の強みとは何かといえば、今回の作品を見るかぎりにおいては、日常をしっかり見つめたさりげなく、何気ない演出の積み重ねの上手さにあるのではないかと思う。

要はファンタジー向きではないのだ。

細かい生活の営みを日常風景の中に溶け込ませた丁寧なまでの描写力、また急によそよそしくなった俊くんに対する海ちゃんのとまどい、俊くんが初めて海ちゃんのことをメルと呼んだ時の湧き上がる喜び、そういった心情描写の繊細さは、こじんまりとした現代劇でこそ生きるのだろう。

まぁ、これを実写でやったら文字通り“三流メロドラマ”になっちゃうからアニメでしかできない文法ではあるけど。。そういう意味ではある種のファンタジーといえるのかも。

とにもかくにも宮崎吾朗の次回作ががぜん楽しみになってきた。

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おもひでぽろぽろ

5691  声の出演:今井美樹、柳葉敏郎、本名陽子

監督・脚本:高畑勲

(1991年・東宝・118分)

評価★★★/65点

内容:1982年の夏。27歳のOL、タエ子は休暇を取って義兄の実家の山形を訪ねた。夜行列車で移動する途中、彼女は小学5年生の頃のことを思い出す。山形で農作業を手伝う間も回想は続き、彼女はいとこのトシオへ自らの感慨を語った。そんなタエ子に対し、おばあちゃんは突然トシオの嫁になってくれとぬかす・・・。少女時代の体験を綴った同名漫画を、成人女性が過去を振り返る形で再構成し、現代女性の精神的自立を描いた長編アニメーション。

“何がイヤって今井美樹の髪型とアタシは今井美樹なのよ!っていうあけすけな声がいちいち気に障る(笑)。”

2012年7月10日 (火)

夢のシネマパラダイス174番シアター:ゲテモノ殺人選手権

パフューム ある人殺しの物語

T0005063a 出演:ベン・ウィショー、ダスティン・ホフマン、アラン・リックマン、レイチェル・ハード=ウッド

監督:トム・ティクヴァ

(2006年・独/仏/スペイン・147分)2007/03/14・盛岡フォーラム

評価★★★☆/70点

内容:18世紀のパリ。悪臭立ち込める魚市場で生まれ落ちたジャン=バティスト・グルヌイユ。何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける超人的な嗅覚の持ち主である彼は、青年になったある日、運命の香りと出会う。それは赤毛の少女の体から匂い立っていたが、彼は怯える少女を誤って殺してしまう。以来、彼は少女の香りを再現することに心血を注いでいくのだが・・・。

“最凶童貞伝説!”

某民放TV局が大々的に宣伝してたから、そういう心づもりで見に行ったっけば、一線をはるかに超えたド変態映画やったやないけーー

一人で隠れてコソコソ見るぶんには大変に結構な映画だと思うけど、誤ってデートムービーに選んでしまったオイラの身にもなってみろってんだ(笑)。

ま、そんなん言うても、、、好きだけどね、こういうの・・・。

冒頭の腐臭漂うパリの街並みや魚市場で産み落とされた赤子のシーンをはじめとして、かなりグロテスクかつキショくてべトい描写の連続だったけど、香りや匂いといったものをフィルムにとどめるという意図は存分に発揮されていたと思う。

陰影のコントラストを確実に捉えた舐め回すような映像は、恍惚たる映画の香りに満たされていて2時間半があっという間に過ぎていった。

猟奇殺人を描くとともに、人を愛することも人から愛されることも全く知らない童貞男の悲劇としても描かれているところや、暗にキリストとダブらせているところなど深読みできてしまうところもなかなか面白いと思う。

ただ、バルディーニ(ダスティン・ホフマン)が、究極の香りを作るための13番目の香料だけが分かっていないと言うのに、グルヌイユは片っ端から処女を殺していって1番目から作り直していくというのがよく解せなかったな。13番目だけでええんちゃうの?

ていうか赤毛の令嬢ローラにもっと執拗に迫ってほしかったけど。演じてるのが15歳ってのがまた驚きだし。。

まぁ、ともかくよくこんなの映画化したもんだと思うけど、しぶとく纏わりついてくるようなこういう映画、、はっきりいって好きっス(笑)。

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スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

E382b9e382a6e382a3e383bce3838be383b 出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アラン・リックマン、ティモシー・スポール、サシャ・バロン・コーエン

監督:ティム・バートン

(2007年・アメリカ・117分)2008/01/31・盛岡フォーラム

内容:19世紀のロンドン。フリート街で理髪店を営み、妻と娘と幸せに暮らしていたパーカー。しかしある日、彼は妻に横恋慕したターピン判事によって無実の罪を着せられ終身刑にされてしまう。やがて15年後、脱獄した彼は、スウィーニー・トッドと名を変えて街に戻ってくる。しかし、彼の大家であるミートパイ屋の女主人ラヴェットから、妻は毒を飲んで自殺し、娘ジョアナは判事の館に幽閉されていることを知らされる。怒り狂ったスウィーニーは、再開した理髪店でカミソリを武器に復讐を開始する・・・。

評価★★★/55点

ティム・バートンの独自の世界観というのは、グロテスクで悪趣味な映像世界の中で、ブラックな可笑しみと哀しみ、そして虫さえ殺せない優しさが散りばめられた後味のいいファンタジーにあると思う。

しかし、今回の作品、、、オープニングからティム・バートンの映像世界が炸裂しているのだが、そこで繰り広げられるものとは、可笑しみも哀しみも優しさのかけらもない文字通りの悪趣味なゲテモノ映画だった・・・。

映画を観ている最中は、両手で顔を覆いながら指の間から怖いもの見たさでジィッとジョニデの渾身のカミソリさばきに見入っていたのだが、劇場から一歩外に出たら、オレは1800円払って何を見に来たんだ!?と自問自答してしまわざるを得なかった。

毒気すら感じられない淡白なスプラッタ映画を見に来たはずではなかったのに・・・。

なにより、トッドの情念が見えてこないのは痛く、ターピン判事を殺し損なったトッドが、なにゆえこの世にいる皆が死んで当然だ!という短絡的な復讐心に陥るのかが見えてこず、、、韓国映画のように過剰に描きすぎるのもどうかと思うけど、淡白すぎるのはもっといただけない・・・。

また、物語を補完すべきミュージカル部分も、単なる蛇足にしかなっておらず、歌の力というものも全く伝わってこない・・・。

その中で、機械仕掛けのごとくドシュッ!ギー!バタン!ドサッ!と理髪店のイスが後ろに回転して死体が地下室に落ちていくリズミカルな殺人演出をはじめとして、ティム・バートンの嬉々として振るうタクトの切れ味だけはすこぶる良く、変な品の良さまであったりなんかして、ますますもって違和感と距離感を感じてしまったのだった。

あと、終わり方も、ねぇ・・・。後味悪すぎだろ。

アンソニーとジョアナのその後を描いて無理やりにでもハッピーエンドにしてもらいたかったけど。。

しかしまぁ、、その昔、マックのハンバーガーには食用ミミズが入っているという都市伝説が広まったものだが、まさか、、人肉と人の指とはねぇ、、、オェッ

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ザ・セル(2000年・アメリカ・109分)DVD

 監督:ターセム

 出演:ジェニファー・ロペス、ヴィンス・ボーン、ヴィンセント・ドノフリオ

 内容:他人の潜在意識に侵入する実験に携わる心理学者のキャサリン。FBIの要請で、昏睡中の殺人犯の意識に入り込み、今も監禁状態の被害者の所在を探ることになるが・・・。

評価★/15点

今まで映画に対してこんなこと言ったことなかったけど、今回はあえて言わさせてもらう、、、

胸くそ悪い。吐き気がする

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アナザヘヴン(2000年・松竹・131分)WOWOW

 監督・脚本:飯田譲治

 出演:江口洋介、市川実和子、原田芳雄、柏原崇、岡本夕紀子

 内容:とあるアパートの一室で死体の脳ミソをコトコト煮込んだシチューが作られるという猟奇殺人事件が発生。やがて、同様の事件が連続して起こる中、刑事の早瀬マナブとベテラン刑事の飛鷹は犯人が人間ではないのではないかと考え始める・・・。

評価★☆/35点

“んで結局何人天国に行かはったん?”

夢のシネマパラダイス257番シアター:神秘のエキゾチ~ックアドベンチャー!

プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂

127484520762616231138_princeofpersi 出演:ジェイク・ギレンホール、ジェマ・アータートン、ベン・キングズレー、アルフレッド・モリナ、スティーブ・トゥーサント

監督:マイク・ニューウェル

(2010年・アメリカ・117分)WOWOW

内容:古代ペルシャ。孤児だったダスタンは、友人を救うための勇敢な行動が王の目にとまり、養子として王宮へ迎え入れられる。そして15年後、“ペルシャのライオン”と異名をとるほどの勇者に成長した彼は、兄のタス王子や叔父ニザムと共に聖なる都アラムートを攻め落とし、そこで1本の短剣を手に入れる。しかし、父王に贈った戦利品に毒が塗られていたことから王が絶命、暗殺の濡れ衣を着せられてしまう。アラムートの姫タミーナに助けられ逃走に成功するが、実はタミーナの目的はダスタンが手に入れた短剣にあった。それは、時を巻き戻す力を秘めた伝説の“時間の砂”を操る唯一無二の代物だったのだ・・・。

評価★★★/65点

オイラは中央アジアから地中海沿岸にかかる地域の歴史や文化(特に中世)が好きで、サマルカンド-バグダード-ダマスカス-コンスタンティノープル-エルサレム-カイロ-アレクサンドリア-トリポリというラインはオイラにとって魅惑のエキゾチック街道

ナウシカの影響なんかもあるかもしれないけど、神秘的でエキゾチックでオリエンタリズムなところ、またキリスト教から見た際の異教の地に魅力を感じるのかもネ。

そんなこれ以上ない舞台で、これ以上ないアドベンチャーが繰り広げられるのかと思いきや、、異常に高まってしまった期待値を超えられるものは見れなかった、かなぁ・・。

TVゲームばりのお遊び感覚で見られるとっつきやすさは全然悪くないのだけども、見せ場を適当に並べただけのような繋ぎの荒さと、時をさかのぼることができる能力をストーリーの中でイマイチ使いこなせていない印象は気になるところで、見終わった後に何にも残らない・・・(笑)。

まぁでも、マイク・ニューウェルが監督?ん?、、ジェイク・ギレンホールが主役?ん?、、という畑違いじゃなかろうかという視点でみればこれはこれで面白い。けど、どんな作り手を持ってこようがジェリー・ブラッカイマーの手にかかれば全部同じ色に染まっちゃうんだよねぇ・・w

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アデル/ファラオと復活の秘薬(2010年・フランス・107分)WOWOW

 監督・脚本:リュック・ベッソン

 出演:ルイーズ・ブルゴワン、マチュー・アマルリック、ジル・ルルーシュ、ジャン=ポール・ルーヴ、フィリップ・ナオン

 内容:1911年パリ。紀行作家のアデルは、生死の境を彷徨う最愛の妹の命を救うため古代エジプトの“復活の秘薬”を求めてエジプト王家の谷へ。やがて、カギを握るラムセス2世に仕えた医師のミイラに辿り着くのだが・・・。

評価★★★/60点

雑然としたネタ帳をそのまま思いつきで撮っちゃったような映画は、ターゲット層もイマイチ不明w

ジャンルも、、これってコメディ!?

とにかくなんだかよく分からないノリで、アデルの入浴シーンで湯船から乳首が出ちゃってるのを見たときは、何なんだこの映画は!?と引いちゃったけど、アデルのコスプレ七変化など面白くもなんともなく、オイラの目にはセンス悪い映画としか映らなかった・・・。

怪鳥を乗りこなそうとするところは「アバター」!?ミイラは「ハムナプトラ」!?はてはタイタニックかいw

久々にリュック・ベッソンの名前聞いたと思ったら、、ヘンテコな映画作る腕は今も衰えてなかったな(笑)。

しかし、駄作つくるにしても「フィフス・エレメント」みたいな突拍子もない超大作つくってもらいたいわなw

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ハムナプトラ/失われた砂漠の都

Mp235 出演:ブレンダン・フレイザー、レイチェル・ワイズ、アーノルド・ヴォスルー、ジョン・ハナー

監督・脚本:スティーブン・ソマーズ

(1999年・アメリカ・124分)仙台第1東宝

評価★★★★/80点

内容:古典的名作「ミイラ再生」(1932)をI.L.M.の驚異のSFXを駆使してリメイクしたスペクタクル・アドベンチャー大作。紀元前1290年、エジプト王に仕える高僧イムホテップは、王の愛妾アナクスナムンと禁断の愛に落ちてしまう。2人は密会を見てしまった王を殺害。王の護衛に捕らえられたイムホテップは、死者の都ハムナプトラで生きたままミイラ化されるという究極の刑“ホムダイ”に処せられる。しかし、3000年後呪いが解き放たれる!眠りから甦り、悪鬼と化したイムホテップと、若き冒険家リック&エヴリンがエジプトを舞台に戦いを繰り広げる。

“普通は欲を出して身の丈に合わない背伸びをしてしまうものなのだが、この映画にはそれが一切ない。まるで開き直ったかのように嬉々としてB級に徹している。その潔さに感化されてこっちも開き直って観るとマジで面白いんだわこれが。”

作り手がああも開き直っちゃう理由というのは、作り手自身にも一理あるとは思うのだけど、映画を取り巻く今の時代性にも大きく起因するところがあるような気がしてならない。

その点についてはインディ・ジョーンズシリーズの拙レビューで述べてるので、ここでは省略~ww

ちなみにハムナプトラ2は、、、完全に背伸びしまくっちゃってます。トホホ。

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ハムナプトラ2 黄金のピラミッド

Mp369 出演:ブレンダン・フレイザー、レイチェル・ワイズ、ジョン・ハナー、アーノルド・ヴォスルー

監督・脚本:スティーブン・ソマーズ

(2001年・アメリカ・140分)MOVIX仙台

評価★★★☆/70点

内容:死者の都ハムナプトラから生還し、幸せな結婚生活を送っていたリックとエヴリン。しかし、その頃、大英博物館にミイラとして納められていた邪悪の主・イムホテップが、謎の軍団によって再び解き放たれる!

“アナャァクゥスナモゥゥンン!”

1作目からずっと感じていたことだったんだけど、イムホテップがアナクスナムンを呼ぶときの発音が妙に耳に心地よい・・・(笑)。

数千年ぶりにやっとで再会できた喜びのアナャァクゥスナモゥゥン!

彼女が助けに来てくれないことからあまりの悲しみに打ちひしがれたときの消え入りそうなアナャァクゥスナモゥゥン・・・。

バカかオレは・・・(笑)。

てことはさておき、この映画、1作目はすごく好きだった。

変に肩肘を張らずに開き直ってB級に徹していたことが観る側の自分にとっては逆に微笑ましく感じられ楽しく観れたのだ。

これは裏を返せば、例えば古典、クラシックのもつ古典的要素とCGやSFXといった新しい要素が程よくバランスされていたインディ・ジョーンズのような映画は今現在もはや作られるというのは不可能だということも示唆していた。

ともかく「ハムナプトラ」は古典的要素と新しい要素のバランスが崩れている今の時代の流れに何ら逆らうことも抗うこともせずに、まさに開き直って好き勝手に作られていた。

結果観る側の自分としてもその流れの中に自然に入っていけ、身を任せることができるという、何の不安も心配もせずに観れてしまう奇妙な安息に包まれてしまうのだ。

しかしその流れは堕落へのカウントダウンに他ならないわけで・・。

その流れの行き着く先、いや堕ちる先は今の映画が抱えるダークサイド、例えばCGを使えば使うほど客が入るという観客をバカにしたようなCG神格主義による濫用と中毒、ボックスオフィス最優先主義による創造力と個性の抹殺といったようなことなわけで、案の定2作目となった今作は完全に堕ちちゃってしまったね。

自分も1作目でその流れに完全に身を任せた以上、映画もろとも堕ちるしかなかったわけで。。

しかしそれはこっちも予想していたことで、いわば折りこみ済み。

このハムナプトラというデッカイ船に乗ってひと時のクルーズを楽しめたのもまた確かなことなのだ。

しかしまぁ今の映画にとっては、なんともはかない無常な時代を迎えてしまったものだなぁと悲しくもなってしまうオイラなのでありんした。

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ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝(2008年・アメリカ・112分)WOWOW

 監督:ロブ・コーエン

 出演:ブレンダン・フレイザー、ジェット・リー、マリア・ベロ、アンソニー・ウォン、ミシェル・ヨー

 内容:1946年。ロンドンで幸せに暮らすリックとエヴリンのオコーネル夫妻は、外務省から、持ち主を不死の泉へと導くとされるブルー・ダイヤ“シャングリラの眼”を上海の博物館へ戻しに行く任務を託される。現地に飛んだ2人は、そこで2千年前の皇帝陵を発掘していた息子アレックスとばったり出くわす。が、一家がその皇帝のミイラを見に行った博物館で皇帝が生き返ってしまい・・・。

評価★★☆/50点

北京オリンピックにあやかろうとしたかどうかは分からないけど、中国とThe Mummyって全然結びつかないやろww。

中国を舞台にするならミイラからは離れてほしかったような。あるいは敦煌などシルクロードを前面に出してくるならまだしも、始皇帝の兵馬俑でっせアータ。土で出来てるのよあれは(笑)。

そういう根本的なところからして引っかかってしまって、かなり冷ややかな目で見てしまった・・・。

さらに、ジェット・リーをCGで終始コーティングしまくっているのも致命的で、せっかくの彼の魅力が台無しになっているし、また、リック(B・フレイザー)とエヴリン(レイチェル・ワイズに代わってマリア・ベロ)の夫妻の子供が大学生になっているのもえ゛っ!?てかんじだし、B・フレイザーがその親父というのもイマイチしっくりこない。

ようするに、しっくりこないんだわ、今回の映画・・・。

唯一の見所はジェット・リーvsミシェル・ヨーのドリームマッチだったけど、どうせだったらジャッキーも出せばよかったのに、、って「ドラゴン・キングダム」やんww

とにかく4作目の続編作るなら、もういい加減The Mummyという看板は取っ払ってほしいわ。もう飽きた。。

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スコーピオン・キング(2002年・アメリカ・92分)WOWOW

 監督:チャック・ラッセル

 出演:ザ・ロック、マイケル・クラーク・ダンカン、バーナード・ヒル

 内容:5千年前の古代エジプト、戦乱に明け暮れるゴモラの都。邪悪なパワーを使って他民族を殲滅しようとする支配者メムノンの前にスコーピオン・キングという男が立ち上がる!「ハムナプトラ2」でCG出演したザ・ロックを主人公に据えた番外編。

評価★★/40点

“シュワちゃんの後釜の座を虎視眈々と狙う男ザ・ロック。こんなヤツが20年後に知事になってしまうのか、、と思うとゾッとする・・・。”

シュワちゃんのコナン・ザ・グレートをつい思い浮かべてしまいますた。。

夢のシネマパラダイス63番シアター:マイレージ、マイライフ

マイレージ、マイライフ

8ecf8eb28eda8eb08ebc8ede8ea58ecf8eb 出演:ジョージ・クルーニー、ヴェラ・ファーミガ、アナ・ケンドリック、ジェイソン・ベイトマン、ダニー・マクブライド

監督・脚本:ジェイソン・ライトマン

(2009年・アメリカ・109分)WOWOW

内容:雇い主に代わってリストラ対象者に解雇通告する仕事をしているライアン・ビンガム。年間322日間も出張している彼は、「バックパックに入らない人生の荷物はいっさい背負わない」をモットーに、人間関係など煩わしいことからは距離を置き、マイレージを1000万マイル貯めることに夢馳せる独身貴族。恋愛も出張先での割り切った関係を楽しむことのみで結婚願望はサラサラなし。が、そんなある日、経費削減のため出張廃止を唱える新人ナタリーが現れ、ライアンの幸せな日常が突如揺らぎ始める・・・。

評価★★★★/75点

1年のうち322日出張で全米を飛び回り、ファーストクラスで快適な空の旅、現地に行けば快適なホテル暮らし、高級スーツとクレジットカードとマイルポイントがステータスの空男ライアン。

バックパックに入らない荷物はいっさい背負わない!がモットーの彼にとっては家も家族も恋人も邪魔でしかないのだけど、一時の逢瀬を楽しむ女性を現地調達できてしまうのがコイツのクソ羨ましいところw

そんなあらゆるしがらみや無駄を排除し、システマティックでオートマティックな手順と身のこなしで独身貴族を謳歌するそのキャラクターは、結婚が似合わないセレブな遊び人ジョージ・クルーニーそのものとダブってみえて面白い。

しかし、そんな彼の前にチャット世代の小娘ナタリーが現れたことで事態は一変、空を飛べなくなる危機に陥ってしまう。

突如として定住という刃を突きつけられたクルーニーの狼狽ぶりがなんともオカシイが、次第に人と人との絆やつながりの愛おしさに気付いていくさまには引き込まれてしまう。

どちらかといえば自分自身も一人でいる時間を好むんだけど、かといってこんな寅さんみたいな非日常なんてあるわけもなく、、朝起きて仕事行って帰ってきてグッタリして寝る、、なんともわびしいルーティンの繰り返し・・

これを打ち破るには、恋人、そして愛する家族が欲しいんだよ~。クルーニーになんてなれないオイラはしがらみが喉から手が出るほど欲しいんだよーッw!

せつねぇ・・・。出張すらないし(笑)。。

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オー・ブラザー!

Obrother 出演:ジョージ・クルーニー、ジョン・タトゥーロ、ティム・ブレイク・ネルソン、ホリー・ハンター

監督:ジョエル・コーエン

(2000年・アメリカ・108分)テアトルシネマ

評価★★★★/80点

内容:’30年代のアメリカ南部。かつて隠しておいた120万ドルをGETするため、3人の囚人が脱獄を敢行。ホメロスの「オデッセイ」を下敷きにした、コーエン兄弟によるロードムービー風冒険劇。ジョージ・クルーニーがゴールデングローブ主演男優賞。

“画面の色と共にコーエン風あくどさも薄まっている、個人的にはちょうど良いテイスト。”

全てが電気にとって代わられる直前の時代。

アメリカ人が抱いているアメリカ南部の原風景、それはおそらく日本人にも通用する原風景なわけで、黄色がかった色調がさらに効果を出している。実った小麦あるいは実った稲穂の黄金色を連想させもすれば、土の匂い、荒涼とした大地をも連想させる。もちろんクラシックとしての要素もあるはず。

とにかくこの色調は買います。

加えて、火の使い方もうまい。

全てが電化する前の時代、火は最も重要なライフラインであると共に、火に対して人間は霊的信仰を抱いていたわけで、この映画の中でも印象的に使われている。

例えば逃亡した彼らが焚き火を囲んで一夜を明かす場面は典型的で、彼らが口ずさむ音楽とともに非常に印象に残った。よくありがちなようだが、最近あまりお目にかかれないシーンだと思う。大草原の小さな家をふっと思い出しました。

ずぶ濡れボーイズについては何も言うことなし。もちろん音楽も電化する以前の時代だからアコースティックバージョンになってるわけで、それがまた良かった。好きです。

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俺はまだ本気出してないだけ

F3c28c5eaac12fb68cc59c0217c008a4400出演:堤真一、橋本愛、生瀬勝久、山田孝之、濱田岳、指原莉乃、水野美紀、石橋蓮司

監督・脚本:福田雄一

(2013年・松竹・105分)WOWOW

内容:42歳のバツイチ男、大黒シズオはある日、「本当の自分を見つけるため」と会社を辞めて漫画家を目指し始める。しかし、毎日部屋でゴロゴロしているだけで、同居する父親からはなじられ、高校生の娘から数万円借金をする始末。それでも出版社への持ち込みを始め、担当編集者に励まされながら作品を描いていくシズオだったが・・・。

評価★★★☆/70点

日活創立100周年記念と銘打った作品が、俺はまだ本気出してないだけっていうのも何か皮肉めいてて思わず笑っちゃったけど、映画本編の方もいい意味で苦笑の連続ww

緊張と弛緩が笑いを生み出すのだとしたら、この映画は弛緩100%にイタさと切なさを少々まぶしただけ。なのに笑える。

いや、いい加減ヤバいっしょな35オーバーの自分は、主人公シズオと同じ体勢でベッドに横たわってボーッとしていることに気付いて軽く戦慄

実はこの映画の笑いポイントは共感にあるのかもしれないねw

しかし、横になりながらウイイレって出来るのか!?あれだけは無理だわ(笑)。

夢のシネマパラダイス4番シアター:涼宮ハルヒの消失

涼宮ハルヒの消失

Top5 声の出演:平野綾、杉田智和、茅原実里、後藤邑子、小野大輔、桑谷夏子

監督:武本康弘

(2009年・日本・163分)WOWOW

内容:キョンは某県立高校に通う高校生。彼は世界の創造者?涼宮ハルヒや宇宙人未来人超能力者!?の同級生と文芸部、、もといSOS団なるものを結成しオカシな日々を送っていた・・。が、クリスマスを間近に控えた12月18日。いつものように登校したキョンは、後ろの席にいるはずのハルヒがおらず、周りの同級生も彼女の存在すら知らないことに戸惑う。さらにSOS団メンバーもキョンのことさえ知らない始末。キョンは世界がどうやら改変されてしまったらしいことに気付くのだったが・・・。谷川流原作の大ヒットTVアニメの劇場版。

評価★★★★/80点

ライトノベル=オタク系と思っているオイラは、そのアニメ化作品てのはどうしても敬遠してきたのであるけれども、「涼宮ハルヒ」がどうやらブームになっているらしいってことはなんとなく風の噂で聞いてはいた。

と、そんな矢先にWOWOWでTVシリーズ&劇場版を一挙放送するということを知り、どんなもんなんだろうと恐る恐る見てみたわけだが、、、朝比奈みくるの萌えコスプレにドン引きし、エンドロールのアキバダンスに苦笑いし、一体全体このユルユルな学園アニメの何が面白いのか懸命に理解しようと努めたあげくあえなく挫折。エンドレスエイトの異色さにはド肝を抜かれたものの、ま、もう見なくていいかなってことでTVシリーズは途中退出・・。

で、映画。

90分くらいの尺かと思いきや、まさかの160分にまずはド肝を抜かれたけど、160分を超えるアニメ映画って今まであっただろうか。。

つーか、160分もグダグダ何をやるわけ?と戦々恐々としながら見たんだけど、、、意外にもツボにハマッてしまった。いや、それはちょっと言い過ぎかもしれないけど、160分飽きることなく最後まで見れてしまった。

ある日突然、親友知人が全くの赤の他人になってしまった世界を描く今回の映画のスタンスは、TVシリーズのフザケた感とは違ってちっとも笑えないテンションで覆われており、逆にそこに見入ってしまった。

自分の願望を現実化する力を持つハルヒ中心の世界でハルヒに振り回される日々(例えば1万5千回同じ夏休みの一日を延々繰り返したり・・)、しかも取り巻きには宇宙人に未来人に超能力者がいる世界。

このトンでもな世界から日常生活をおびやかす元凶ハルヒが忽然と姿を消した世界へ飛ばされてしまうわけだけど、その世界は何が起きるわけでもないごくごくフツーの日常世界だった。

いわゆるファンタジーものにおいては逆のパターンが主で、まともな世界からトンでもな世界へというのが通例なのだけど、その視点でみると逆に新鮮で面白かったし、例えば通り過ぎる車や人々、ファミレスの窓ガラスに映りこむ風景、電車が通過したときの一陣の風、冬の白い吐息など、世界が改変されても何も変わらない日常風景を細かいディテールまで描きこむことでこの逆転の構図を強調していて、高水準の作画・演出レベルに裏打ちされた描写力および説得力には思わず引き込まれてしまった。

その上で、さあ!どっちの世界を選ぶ!?という選択権がキョンの手にゆだねられるわけだけど、何事にも依存的だったキョンの出した「流されるまま生きるなんてクソ面白くない!」という答えは爽快感にあふれるものだった。

世界改変前、キョンが部室のドアを開けた時に団長の席にハルヒがおらず、長門しかいないシーンが伏線として差し挟まれるけど、ここで感じる一抹の不安感、そして間を置いてハルヒが「お待たせー!」と入ってきた時の安堵感がこの映画のすべてなのだろうけど、それを実感させるプロセスと心の葛藤を描くには160分という時間は必要だったのだ!と観終えた今は納得。

思いがけない佳作に出会ってしまった、、気がする。。

しかし、、メガネっこの長門有希が、、イイ

でも、長門の視点でみたらなんてせつない話なんだろう・・

夢のシネマパラダイス190番シアター:敵に回した女ほど恐いものはない・・

ソルト

Salt 出演:アンジェリーナ・ジョリー、リーヴ・シュレイバー、キウェテル・イジョフォー、ダニエル・オルブリフスキー、アンドレ・ブラウアー

監督:フィリップ・ノイス

(2010年・アメリカ・100分)WOWOW

内容:イヴリン・ソルトは、CIAのロシア担当エージェントで相手のどんな嘘でも見破る優秀な分析官。ある日、CIAにロシア特務機関から逃亡してきたオルロフという男が出頭してきて、ロシア大統領暗殺の命を受けた元KGB工作員が潜伏中であること、そしてその名前はイヴリン・ソルトであると告白する。追いつめられたソルトはCIAの拘束を逃れ決死の逃亡を図るが・・・。

評価★★★/60点

一見すると女版ジェイソン・ボーンともいえるけど、自己のアイデンティティを取り戻そうという意志に乏しいその姿は殺戮マシンと化した女ターミネーターと呼ぶにふさわしい。

あるいは、あずみやカムイ伝にも置き換えることができるかもしれないが、そこでもやはりアイデンティティ回復作業の欠如は求心力を削いでいる。

その一方で、お話の方は二転三転してしまうので、どうにも見ていて落ち着かないのだ・・

ただ、アクションの質はアイデア含めて上々の出来で、アンジーの七変化とあわせて飽きることがない。

不屈の精神で常に闘う女性を演じてきたアンジー、「チェンジリング」での重厚な演技で映画を牽引すれば、今作でのオトコ顔負けのアクションもこなしてみせる。

かつてこれほどまでにインパクトを放つ女優がいただろうか。

女優として唯一無二の存在になりつつあるアンジーの今後から目が離せない!

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ブレイブ ワン

Ccdedab2ccdedcdd 出演:ジョディ・フォスター、テレンス・ハワード、ナヴィーン・アンドリュース、メアリー・スティーンバージェン

監督:ニール・ジョーダン

(2007年・アメリカ・122分)WOWOW

内容:NYでラジオパーソナリティをしているエリカ・ベインは、婚約者デイビッドとの結婚式を間近に控えていた。が、ある夜、2人は散歩中に3人組の暴漢に襲われ、デイビッドは亡くなってしまう。なんとか一命をとりとめたエリカは、恐怖と復讐心から一丁の拳銃を手に入れるが・・・。処刑人として自ら悪を裁くもうひとりの自分に目覚めた女性を描くアクション・サスペンス。

評価★★★☆/70点

「タクシードライバー」(1976)の少女が30年後、同じNYで銃を持つ処刑人になったという意味でみれば、かのトラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)とかなりリンクするところもあって興味深く見られるし、なにより一線を越えれば誰もが人殺しになれてしまうという紙一重の恐怖を圧倒的な眼力の存在感で演じたジョディ・フォスターから片時も目を離すことができない。

感情のないような怖い顔の裏に隠された憎しみや悲しみ、自分の中の見知らぬ他人をのぞいてしまった恐れや迷いといった様々な思いがうずまいている複雑な様を、グリーンの瞳に閉じ込めながら、ラジオDJとしての静謐な語り口の中で、また“最後の善人”テレンス・ハワードとの微妙なやり取りの中で難なくこなしてしまう。

そして、モラルとアンモラルの狭間に観る者を引きずり込み、深く考えさせることに十分すぎるほどの説得力をもたせたジョディ・フォスターはやはりスゴかった。

最初は正当防衛、次が他人の救出、そして最後が裁きと、なにか9.11後のアメリカをそのまま見せられているような、そんな時代の今を切り取った映画でもあるのかもしれない。

「死ぬのは簡単、生きるのは大変」、、、まさに言い得て妙な映画ですた。どんとはれ。。

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ドミノ

6dca47c0f334c60c 出演:キーラ・ナイトレイ、ミッキー・ローク、エドガー・ラミレス、ルーシー・リュー、クリストファー・ウォーケン

監督:トニー・スコット

(2005年・米/仏・127分)DVD

評価★★★/60点

内容:名優ローレンス・ハーヴェイの娘としてロンドンに生まれたドミノ・ハーヴェイ。何不自由ない環境に恵まれるも、父は彼女が幼いときに亡くなり、母は再婚相手探しに奔走する日々。家族愛を知らずに育った彼女は、トップモデルとして活躍するが、彼女の心が満たされることはなかった。そんなある日、彼女は新聞に載っていたバウンティハンター(賞金稼ぎ)の募集広告を目にする・・・。

“時間軸をズラしたり、過剰で派手な映像トリックを使ってドミノ・ハーヴェイのスリリングな人生を描こうとしているが、それがだんだん小細工にしか見えなくなってきて、逆に本質的なものが何も見えずに邪魔になってくる・・・。”

とにかくあっち行ったりこっち来たりで何かとせわしない映画なのだが、ストーリー的にやってることは、愛情を捨てた女とクールになりたい男どもの退屈人生脱出計画で、すごく単純で単調。

骨太にできる自信がなくてああいう背伸び感覚の手法になったのか、とも勘繰りたくなるが、まぁ、トニー・スコットはいつもそうだからな。。

しかし、結局ドミノ・ハーヴェイとは何者だったのかがよく分からなかったというのが正直なところ。いっそのことジェリー・ブラッカイマーあたりに任せた方が逆に良かったんじゃないw!?

唯一、ビバヒルメンバーの自虐ネタはツボに入ったけどね。葉っぱを吸ってるイアン・ジーリングや、本当は父親コンプレックスのガキだった!ブライアン・グリーンの方にリアリティを感じてしまったのはオイラだけか・・?

しかし、キーラ・ナイトレイ胸ないなぁ、、と思ってたら実物もなかったな・・・(笑)。

2012年7月 3日 (火)

欧蹴球狂想曲第50番:EUROスペイン連覇!!!

1341179998_extras_albumes_0 EURO2012決勝でスペインがイタリアに4-0という圧勝で史上初の2連覇!

しかもEURO2008、2010南アW杯、そして今回と主要大会3連覇という偉業を成し遂げた。

まさに史上最強と呼ぶに相応しいトンでもない歴史を目撃してしまったといっていいだろう。

1341079866_extras_albumes_0 決勝でありがちな様子見をかなぐり捨ててイタリアが出だしから攻撃的なプレッシャーをかけてきて、ガチンコの殴り合いを挑んできた中、様子見を決めていたであろうスペインは、イタ公め!そう来るか!とギアチェンジし、イタリアの圧力をいなしながらパスを繋いでいく。

いわばイタリアのサッカーに眠っていたスペインの本気度が覚醒したかんじで、人とボールが流麗に動く美しいサッカーが目の前で展開された。まるで決勝にコンディションと照準を合わせてきたかのようなスペインの独壇場にイタリアは成す術なし・・。

グループリーグ初戦で3バックという守備的布陣(守りに回ると両ウイングが下がる5バック)でスペインに対し好結果を残していたが、決勝では本来の4バックで臨んできたイタリア。

試合前のスタメンを見たとき、左ラテラルにバルザレッティではなくキエッリーニを持ってきたことに驚いたのだけど、本来はCBのキエッリーニの守備力の高さを買ったのだろう。しかし、そのプランは前半14分のシルバの先制点であえなく頓挫してしまう。キエッリーニの裏に走りこまれたセスクにスルーパスが通って競り負け、上げられたセンタリングをシルバに決められてしまった。

さらに追い打ちをかけるように20分キエッリーニが自爆してしまい負傷交代。

40分にジョルディ・アルバが2点目を決めた時点で勝負あった感はあったけど、後半にはモントリーボに代わって入ったモッタがわずか数分後に自爆しピッチを去ってしまうという、1試合に2人も自爆してしまうなんてそうそうあるわけもなくイタリアは運にも見放されてしまった・・。

しかし、あれだけポンポンとパスを回されては中2日での試合だったイタリアの疲労感は予想以上のスピードで蓄積されていったのだろう。

大会MVPになったイニエスタを筆頭にシャビ、シルバ、シャビアロンソ、セスクと世界最強MF陣が面白いようにイタリア守備陣をすり抜けてパスを回していく。その身体の使い方、足さばきは天下一品の芸術品エクセレント!

1341080447_extras_albumes_0 一方では6試合戦って失点1という驚異的数字を叩き出した守備面も素晴らしく、最後の砦である聖カシージャスはチームを幾度となく救った。

しかし最後の局面ではカシージャスやSラモスの個人身体能力で守りきったものの、印象としてはチーム全体でバランスよく守備のタスクを負っていたかんじで、その攻守のバランスが最も効果的に出た布陣がCFを置かないゼロトップなのだろう。

ボールを回すだけで攻撃の詰めが甘いととられ、スペインのサッカーはツマラナイという声もあったらしいが、そんなの関係ねぇー(笑)!

スペインよりツマラナイサッカーをするチームなんて五万どころか十万とあるだろうにw

アロンソ、ブスケツ、シャビのうち1枚外して前線を1枚増やしたりナバスやカソルラなどサイドで活きるタイプを置くというのは十分有りだとは思うのだけれど、攻撃的に行きやすい手綱を引き締めリスクを最小限に抑える戦術が連覇につながった最大の要因といってもいいと思う。

まぁ、個人的には1番見たかった布陣だし、優勝もしたし文句はなし!

1341180276_extras_albumes_0 ←レアルの面々の記念写真

アルビオルは出番はなかったけど、裏方さんとして頑張ったんじゃないかな。

アルベロアも安定してたし、Sラモスは世界最強CBの道を邁進、アロンソは攻守両面でバランスを取り、カシージャスは今回も聖人として君臨!

1341179408_extras_albumes_0 まぁ、全体としてみればバルサイズム染み渡るスペイン代表だけど、レアルとバルサの顔が代表では仲良くタッグを組むというのもなんか良いね。

しかし、やはりシャビとイニエスタは凄すぎる。。

この2人にメッシがいるバルサって、、恐っそろすぃ~、、でもそのバルサに勝ってリーガ制覇したレアルはマジスゲェーーww

ってことを言いたかったわけよ。フフフン♪

1341217658_extras_albumes_0 ←まるでピクニックw

今回のスペインは試合後に選手たちが応援席に行き家族とハグしたり子供を抱きかかえたりといった光景が毎度のごとく見られたのも印象的だった。

でもこの写真だけ見ると決勝後とは思えないよな(笑)。。

家族同伴で大会に臨むのを禁止してるところもあるって聞くけど、スペインはオープンすぎるほどオープンなんだね。1番リラックスできるのは家族だからなぁ。

1341178652_extras_albumes_0 ←マタドール・オブ・ラモス

とにかくスペイン優勝オメデトー(*^ー゚)bグッジョブ!!

今度はレアルの3冠に向けて応援しよっと!

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