夢のシネマパラダイス251番シアター:踊る大捜査線THE MOVIE
出演:織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里、いかりや長介、水野美紀、ユースケ・サンタマリア、小泉今日子、北村総一郎、小野武彦、斉藤暁
監督:本広克行
(1998年・東宝・119分)DVD
評価★★★★/80点
内容:若い刑事、青島俊作の所属する湾岸署管轄内で猟奇殺人事件が発生。時を同じくして署内窃盗事件と警視庁副総監誘拐事件も偶発し、湾岸署史上最悪の3日間が幕を開ける。署には室井管理官ら本庁のエリート捜査官が乗り込み、所轄刑事を誘拐事件の捜査から締め出した。青島たちは猟奇殺人犯の行方を追うが、2つの事件は次第に接点を現していく。。空き地署と呼ばれる警視庁湾岸署を舞台に、サラリーマンとしての刑事の情熱と行動を描いたエンターテイメント。
“青島刑事より先に気付いたウチの親に初めて映画で負けたと思った瞬間。そしてある恐怖体験アンビリバボー。”
「あ、天国と地獄だッ!」と親が何やら変なことを呟いている。
と、その直後に青島が「アッ、天国と地獄だッ!」と叫ぶではないか。
和久さんが少年たちに殴られ放り込まれた小屋、その煙突から赤い煙が噴き出しているシーン、しかもここだけモノクロときたもんだ。
と、後で親が「黒澤明の<天国と地獄>やろ、アンタそんなのも分からんの」と人を見下したように言いよる。
黒澤の「天国と地獄」なぞオイラだって知っとるわ、、、こ、こんなシーンあったっけ
?
「天国と地獄」に★5つ付けてる自分は大変に悔しい思いをしたのでありました。。
まぁ「羊たちの沈黙」で倍返ししてやったけどね、フフン。
、、、と思ったらなに?バックドラフト!?
と、それはさておき、この映画で思い出したことをひとつ。
この映画を初めて観た時だからもうかれこれ10年以上前か、とにかくその時にこの映画に関連する某サイトを覗いてみたところ、そこの掲示板だったかにイヤァァな投稿が載ってて。
この映画は最悪だと書いてたのもあってよく覚えてるんだけど、ラストに青島がイビキをかいて寝てしまうのはおかしいと。刃渡り10cmはあった包丁でズブリと刺されて寝れるというのはありえないと。
そして実際やってみたらどうなるのか試せば分かるだったか試してみたいだったかそんなことが書かれてあって・・。
ウワーなんやこれはと背筋がゾクゾクきて、キョンキョンの不気味な笑顔を見たとき以上にゾワゾワした
だって現実の世界でっせアータ。こんなヤツ世の中にやっぱいるんだ、、と。
通り魔事件が頻発し、少年がナイフを簡単に携帯している今の世の中。その闇の部分、TVのニュースや新聞を通して一時的に、しかも自分には遠い存在としてしか感じることができなかった冷たい存在に触れてしまった、、そんな怖さがあの文を読んで押し寄せてきた。
しかもパソコン買って間もない頃で、ネットというのも始めたばかりだったからなおさら怖かった。
まぁそう考えるとこの映画にはインターネットも出てくるし、同時代性という点ではまさに的を射ているとは思う。
けど、TVなどでまた観た時、キョンキョンのあの笑顔を見るたびにネットで触れてしまったあのイヤァァな生々しい感じと怖さが甦ってくるんだよねぇ。。ゾゾゾゾ・・・。
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踊る大捜査線THE MOVIE2~レインボーブリッジを封鎖せよ~
出演:織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里、水野美紀、ユースケ・サンタマリア、真矢みき、岡村隆史、いかりや長介
監督:本広克行
(2003年・東宝・138分)仙台第1東宝
評価★★/45点
内容:あれから5年。空き地だらけだったお台場は、おしゃれなスポットで埋めつくされた一大観光地へと変貌していた。湾岸署では、道案内や迷子、交通整理などあふれる観光客相手の地味な業務に忙殺されていた。そんな時、久々に青島らを奮い立たせる凶悪事件が立て続けに発生、さらには猟奇的な殺人事件まで起き、ついに湾岸署に特別捜査本部が設置された。特捜本部長には、初の女性キャリア、沖田が任命され、室井がそのサポートにつくことに。しかし、青島らの必死の捜査もむなしく第2の殺人事件が発生してしまう。
“TV時代から自分の体内に刻み込まれている踊る大捜査線のリズムと、このヘンポコリン映画のリズムが全く合わない。だから全く踊れない。”
本広克行と君塚良一におもいっきり噛み付きたい気分。
そういえば話は変わるけど、TVドラマの第1話で、起きた殺人事件について対策本部のネーミング(○○殺人事件対策本部etc..)を決めるときに署長がレインボーブリッジという言葉を絶対入れたいと言い張ったんだよね。
でも結局レインボーブリッジという語句は入らなかったわけで。今回の事件は署長の策略かこりゃ。
それにしては笑えないし、おもいっきりスベりまくってるし、、、やっぱすべての元凶は署長だわww
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踊る大捜査線THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!(2010年・東宝・141分)WOWOW
監督:本広克行
出演:織田裕二、深津絵里、ユースケ・サンタマリア、伊藤敦史、内田有紀、寺島進、小栗旬、小泉今日子、柳葉敏郎
内容:お台場、湾岸署では、新しいセキュリティシステムを導入した新湾岸署への引越しの真っ最中。係長に昇進したばかりの青島刑事が責任者として陣頭指揮をとっていた。が、その最中に湾岸署管内で次々と事件が発生、ついには署内で保管されていた拳銃が3丁紛失してしまう・・・。
評価★★★/60点
“数々のスピンオフでEXILE状態になったはいいものの、肝心の主役であるセンターボーカルが進化していないんじゃ元も子もないよね、、ってレベル”
不思議だ。
観てる間は楽しくてあっという間の2時間半だったのに、次の日にはスッポリ頭から抜け落ちている・・・。
まぁ、それだけ中身スッカラカンだったということなんだろうけどw、踊るオールスター感謝祭と銘打ったファンイベントと思えばオイラは許せちゃう、、かなぁ。。
でも、犯人がネットオタクといい、キョンキョンが主犯格として出てきたりと、まるで1作目を丸写ししたような質の悪さが気になったのはたしかで、もうほとんどキャラクターの持ちネタだけで引っ張ってるかんじ。
ドリフと同じだわこれ(笑)。踊るだよ全員集合!!てかw
今回の新キャラである小栗旬の役どころが肩透かしに終わっていなければ新味が出て幅が広がったと思うんだけど。。
まぁ、いずれにしても伸びしろが全くないので続編はもう作りようがないな。
、、ってまだ作るのかよっ
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踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
出演:織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里、ユースケ・サンタマリア、伊藤淳史、内田有紀、小泉孝太郎、北村総一郎、大杉漣、水野美紀、真矢みき、筧利夫、小栗旬、香取慎吾
監督:本広克行
(2012年・東宝・126分)盛岡フォーラム
内容:湾岸署管内で開催されている国際環境エネルギーサミットの会場で誘拐事件が発生、その後被害者が射殺体で発見される事件が発生する。しかも犯行に使われた拳銃は、警察が押収したものだった。警察の関与が疑われる事態に、すべての捜査情報は鳥飼管理官のもとに集められ、所轄捜査員には一切開示されないという異例の捜査体制が敷かれる中、第2の殺人事件が発生する・・・。
評価★★☆/50点
青島とすみれさんが夫婦で唐揚げ屋をやっている冒頭を見て、「男はつらいよ」のオープニングの定番である寅さんの夢オチを連想したのは自分だけではあるまい。
それは寅さんが打ち立てた“偉大なるマンネリ”を意識してのオマージュだったのだろうが、ここでいう“偉大なるマンネリ”とは、パターン化したストーリーとオチを踏襲しながら、観る側が神視点に立つことによって安心してその世界観を共有しお約束を楽しむことができる、いわば展開が分かっている上での面白さをもった作品だ。
その典型が寅さんなわけだけど、では踊る~が偉大なるマンネリといえるのかといえば、それは否。
バナナに例えていえばw、腐りかけていったバナナが、完全に腐りきってしまった、、そんな映画だったように思う。
まずもってオープニングが夢オチではなく、大掛かりな張り込みだったというところからしてそりゃあり得ないだろとツッコミ入れちゃったけど(笑)、余計なお遊びが多すぎて本流のサスペンスがないがしろになってしまった感が強く、はっきりいってプロットは杜撰そのもの。
話が湾岸署と警察庁の内輪から広がっていかず、「事件は会議室で起こってるんじゃない!」という1作目の名言を裏返したような、、事件は会議室で起きてるじゃんってそれってありww!?
しかも、警察内部に犯人がいるという虚々実々の駆け引きが約束されたような鉄板ものの計略戦が展開されるはずなのに、それまでスルーしちゃって、こんなん寄り道しなければ1時間で終わる話じゃないか
あげくの果てに、事件を解決するのは青島の“勘”だってさ(爆)。しかも、いつのまにか満身創痍になってるし。
素人目にみてもこれは犯罪レベルのいい加減さだ・・・。
刑事をサラリーマンとして描いたコメディタッチの斬新さも15年やってればマンネリのそしりを免れないわけだけど、ドラマの骨子とそこに肉付けされるディテールにリアリティがなければ偉大なるマンネリにはなり得ないのだということをイタく実感した・・・。
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